JP2005248639A - 海水交換型防波堤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 少ないあるいは小規模の導水工で、経済的かつ効率的に海水交換を行うことができる海水交換型防波堤を提供する。
【解決手段】 海水交換型防波堤3の構成要素として、静水面下に位置するケーソン本体4と、ケーソン本体4の上面を覆う蓋部5と、蓋部5上に設けられ静水面上に天端を有するパラペット6と、パラペット6の港外1側面のケーソン幅方向中央部から港内2側に連通する導水工9を設ける。ケーソン本体4の港外1に面する上部前縁が平面視で弧状となるようにすることで、港外1からの波をケーソン前面上部で屈折させて波向線をケーソン幅方向中央部に集中させ、導水工9による海水交換の効率を高める。
【選択図】 図1
【解決手段】 海水交換型防波堤3の構成要素として、静水面下に位置するケーソン本体4と、ケーソン本体4の上面を覆う蓋部5と、蓋部5上に設けられ静水面上に天端を有するパラペット6と、パラペット6の港外1側面のケーソン幅方向中央部から港内2側に連通する導水工9を設ける。ケーソン本体4の港外1に面する上部前縁が平面視で弧状となるようにすることで、港外1からの波をケーソン前面上部で屈折させて波向線をケーソン幅方向中央部に集中させ、導水工9による海水交換の効率を高める。
【選択図】 図1
Description
本発明は、港内の静穏を保ちつつ港外から港内へ導水し、港内海水の浄化を促す海水交換型防波堤に関するものである。
従来の海水交換型防波堤は、港外と港内を管などで連通させた透過式のものや、特許文献1記載の発明のように、ケーソンの内部などに遊水部を設け、その遊水部と港内を連通させ、遊水部と港内の水位差を利用して導水するものがある。
また、特許文献2にも、ケーソンとその後方に設けた後退型パラペットとの間に遊水部を設け、水位差を利用して遊水部から港内に導水する海水交換型防波堤が記載されている。
さらに、特許文献3には、防波堤の港外側の海底面にマウンドを設け、マウンドに入射する波浪を屈折によりマウンド頂部に収斂させることで、防波堤を超えて港湾側に入る越波量を増大させ、海水交換を促進させる方法が記載されている。
この他、海水交換型防波堤ではないが、本出願人による特許文献4には、消波堤としての消波能力を高めるために、円柱状の鋼板セル構造物の上部に階段状の段部を形成したものが記載されている。
特開昭62−117905号公報
特開平11−350449号公報
特開平11−222828号公報
特開2001−020247号公報
透過式の海水交換型防波堤は、導水工の港内外の開口位置と設置箇所数が導水量に影響を及ぼす。ここで、導水工の設置箇所数が多くなると建設費が増大するため、効率よく導水できる位置に導水工を設置することが望まれる。
水位差を利用した海水交換型防波堤では、遊水部と港内側の水位差が大きいほど導水量を多くすることができるが、水位差を大きくするためには遊水部を形成する港外側の段部の天端を高くしなければならない。しかし、段部を高くすると、遊水部へ流れ込む越波量が減少し、結果として海水交換量は減少することがある。
このような問題点を解決するため、段部天端に遊水部に向かって上り勾配をつけることで波の遡上を容易とした防波堤があるが、このように水位差を利用した海水交換型防波堤は、構造の規模が大きく建設費が高くなる。
本発明は、従来技術における上述のような課題の解決を図ったものであり、少ないあるいは小規模の導水工で、経済的かつ効率的に海水交換を行うことができる海水交換型防波堤を提供することを目的としている。
本願の請求項1に係る海水交換型防波堤は、静水面下に位置し、港外に面する上部前縁が平面視で弧状であるケーソン本体と、前記ケーソン本体の上面を覆う蓋部と、前記蓋部上に設けられ静水面上に天端を有するパラペットと、前記パラペットの港外側面のケーソン幅方向中央部または前記蓋部上面の港外側のケーソン幅方向中央部から港内側に連通する導水工とを備えていることを特徴とするものである。
本発明は、主に蓋部から上側の上部工だけの対策で、ケーソンの形状によって起こる波の屈折を利用し、経済的かつ効率的な海水交換を可能としている。
ケーソン本体について、港外に面する上部前縁が平面視で弧状であるというのは、この上部前縁が円弧や半楕円のような偏平な弧、あるいはこれらに近似した直線の屈曲によって形成される多角形状などであること、またケーソン幅方向中央部とは港側から見たケーソン本体の幅を意味し、蓋部上面を波が通過するとき屈折作用によりケーソンの幅方向中央付近に波向が向かい、波高が高くなるという特徴を利用するものである。
すなわち、一般に水深が深いところでは、浅いところよりも波速が速く、波が深海域から水深の影響を受ける浅海域に達すると、海底地形の影響を受けて波速に違いが生じ、波向が変化する。
本発明の場合、港外とケーソンの上側で水深が大きく異なるため、波が屈折し、円筒ケーソン等、港外に面する上部前縁が平面視で弧状である場合、波向はケーソンの中央方向へ向かうこととなる。なお、上部が弧状で有れば、下部は弧状でなくても同じ効果を得ることができる。
これに対し、波向が集中するケーソン幅方向中央部、具体的には防波目的で高い天端を有するパラペットの港外側面のケーソン幅方向中央部または前記蓋部上面の港外側のケーソン幅方向中央部と港内とをつなぐように導水工を設けることで、少ない導水工で経済的かつ効率的に海水交換が可能となる。
この場合のケーソン幅方向中央部の具体的範囲としては、ケーソンを港外側から見たときのケーソンの幅Dの中心線上でパラペットと蓋部の交わる点から、距離D/3以内のパラペットおよび蓋部が海水と接する面が好ましい範囲である。導水工の港外側の開口位置を上記の範囲内とするかまたは開口部の一部が上記の範囲に入るようにすることで、屈折による波向の集中の効果を十分に利用することができる。
なお、導水工を管等で港内側の水面下深く延伸すれば、港内の静穏性を保ったまま海水を導水することができる。
本願の請求項2に係る海水交換型防波堤は、静水面下に位置し、港外に面する上部前縁が平面視で弧状であるケーソン本体と、前記ケーソン本体の上面を覆う蓋部と、前記蓋部上に設けられ静水面上に天端を有するパラペットと、前記蓋部上の前記パラペットより港外側に設けられ、前記パラペットの天端より低い天端を有する段部と、前記段部の幅方向中央部に設けられた凹部からなる遊水部と、前記遊水部から港内側に連通する導水工とを備えていることを特徴とするものである。
この請求項2に係る発明は、導水の方法としてさらに遊水部を設けて水位差を利用するものであり、上部工として蓋部とその上面にパラペットを設け、パラペットの港外側に段部をその天端がパラペット天端より低くなるように設け、波向が集中する領域にパラペットと段部によって囲まれる遊水部を形成し、1または複数の導水工を遊水部から港内へ連通するよう設けることで、段部を越波した海水が遊水部に流れ込み、遊水部と港内側に生じる水位差によって海水交換が行なわれる。
請求項3は、請求項2に係る海水交換型防波堤において、前記段部の上面が港外側から遊水部に向かって上り勾配を有することを特徴とするものである。
すなわち、さらに海水交換の効率を上げるため、波が遡上しやすいように波向方向に上り勾配をつけることで遊水部への越波量を増やすことができる。
請求項4は、請求項1、2または3に係る海水交換型防波堤において、前記パラペットとして、複数のパラペットが前記蓋部上に分割されて設けられており、前記導水工が前記パラペットどうしの隙間により形成されていることを特徴とするものである。
パラペットを分割してその分割線を遊水部から港内へ連通するように設けると、分割線が導水工としての役目を果たし、施工が容易になる。
(1) 請求項1に係る発明では、ケーソンの上部前縁の形状を平面視で弧状となるようにすることで、ケーソン上面を通過する波の波向を屈折によりケーソン幅方向中央部に集中させ、その波向が集中する位置に導水工を設けているため、効率の良い海水交換が行え、導水工の設置箇所も限定することができ、経済的である。
(2) 請求項2に係る発明では、同様のケーソン形状で、水位差を利用した海水交換を行うにあたって、波向が集中する位置に遊水部を設けることで、遊水部に流れ込む越波量が増加し、これにより遊水部の水位が高くなり、港内側への導水量を増加させることができ、港外側が比較的静穏で波高が小さいときでも、安定した導水量を確保することができる。
(3) 主に上部工だけのコンパクトな構造で、効率良く経済的に海水交換を行うことができる。
図1〜図3は、請求項1に係る海水交換型防波堤の一実施形態を示したもので、ここでは港外1側の形状が円弧であるケーソン4に、上部工として蓋部5、パラペット6を設けた海水交換機能を有する防波堤3である。
この防波堤3は、港外1から来襲する波を防ぎ港内2を静穏に保つ役目を果たすと同時に、蓋部5の上面を通過する波は波向線10のようにケーソンの中央付近に向かうため、導水工9の端部をケーソンの中央付近、すなわちケーソン幅方向中央部に設けることで、港内2側へ効率的に導水することができる。
図2に示すように、導水工9は入口から下向きに勾配を持ち、導水工9の中を波が透過するのを防ぐ。また導水工9の港内2側は、管により水面下へ導水することで港内2の静穏を保ちながら海水交換を実施することができる。
図では導水工9を2本示しているが、港内2側の設置条件や導水量によってその本数や導水方向は決定される。また、図3に示すようにパラペット6の前面に若干の内向きの角度を付けることで、波をより導水工9方向に集中させることができる。
図4〜図6は、請求項2に係る海水交換型防波堤の一実施形態を示したもので、波向線10が集中するケーソン中央付近、すなわちケーソン幅方向中央部にパラペット6と段部7で囲まれた遊水部8を形成している。
波向線10が集中することで波高が増幅され、段部7を越波する海水量が増え、遊水部8の水面12が上昇する。その結果、遊水部水面12と港内静水面13との水位差が大きくなるため、海水交換量が増加する。また、港外1が比較的穏やかな状態のときでも波高が増幅されることで、常に安定した海水交換量が確保できる。
海水交換量は段部7を越波する流量と遊水部水面12と港内静水面13の水位差によって決定されるため、段部7の形状を、図7のようにケーソン同様、円弧状としたり、また、図9のように段部7の上面に傾斜をつけて(請求項3に対応)、波がより遡上しやすくすると、波向が集中する特徴をさらに強めることができ、越波量が増え効果的である。
図7は、上述のように段部7の形状を円形とした場合のケーソン上面と波の屈折の関係を示したものである。
図8は、請求項4に対応する実施形態におけるケーソン上面と波の屈折の関係を示したもので、パラペットを2つの前部パラペット6aと後部パラペットに分割すると、前部パラペット6aと後部パラペット6bの隙間を導水工9として利用することができ、施工が容易となる。
また、以上の実施形態はケーソン本体4が円柱状の場合であるが、図9のように直方体のケーソンの上部に円柱状の段部4aを形成することで、静水面下に位置するケーソン本体4の港外1に面する上部(ケーソン本体の段部4a)の前縁を平面視で弧状とし、屈折による波向線10をケーソン幅方向中央部に集中させることができる。
1…港外、2…港内、3…防波堤、4…ケーソン本体、4a…段部(ケーソン本体の段部)、5…蓋部、6…パラペット、6a…前部パラペット、6b…後部パラペット、7…段部、8…遊水部、9…導水工、10…波向線、11…港外静水面、12…遊水部水面、13…港内静水面
Claims (4)
- 静水面下に位置し、港外に面する上部前縁が平面視で弧状であるケーソン本体と、前記ケーソン本体の上面を覆う蓋部と、前記蓋部上に設けられ静水面上に天端を有するパラペットと、前記パラペットの港外側面のケーソン幅方向中央部または前記蓋部上面の港外側のケーソン幅方向中央部から港内側に連通する導水工とを備えていることを特徴とする海水交換型防波堤。
- 静水面下に位置し、港外に面する上部前縁が平面視で弧状であるケーソン本体と、前記ケーソン本体の上面を覆う蓋部と、前記蓋部上に設けられ静水面上に天端を有するパラペットと、前記蓋部上の前記パラペットより港外側に設けられ、前記パラペットの天端より低い天端を有する段部と、前記段部のケーソン幅方向中央部に設けられた凹部からなる遊水部と、前記遊水部から港内側に連通する導水工とを備えていることを特徴とする海水交換型防波堤。
- 前記段部の上面が港外側から遊水部に向かって上り勾配を有することを特徴とする請求項2記載の海水交換型防波堤。
- 前記パラペットとして、複数のパラペットが前記蓋部上に分割されて設けられており、前記導水工が前記パラペットどうしの隙間により形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の海水交換型防波堤。
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JP2004063387A JP2005248639A (ja) | 2004-03-08 | 2004-03-08 | 海水交換型防波堤 |
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JP2008106428A (ja) * | 2006-10-23 | 2008-05-08 | Penta Ocean Construction Co Ltd | 既存防波堤の嵩上げ方法 |
JP2008106427A (ja) * | 2006-10-23 | 2008-05-08 | Penta Ocean Construction Co Ltd | 既存防波堤の嵩上げ方法 |
JP2017206863A (ja) * | 2016-05-18 | 2017-11-24 | 大成建設株式会社 | 堤防構造 |
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- 2004-03-08 JP JP2004063387A patent/JP2005248639A/ja not_active Withdrawn
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