JP4137832B2 - 減勢構造及びそれに用いられる排出路 - Google Patents

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本発明は、減勢工を備えた減勢構造、及びそれに用いられる排出路に関する。
従来から、水力発電所や下水施設といった施設においては、高速の水流を減勢するため減勢工が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。例えば、水力発電所においては、負荷遮断時における溢水により、余剰な水が余水吐から余水路に放出され、更に放出された水は余水路から放水路を経て河川へと放流される。
このとき、溢水によって放出された水は、落下により大きな運動エネルギーを有している。このため、そのまま放流すると河川に悪影響を及ぼす可能性がある。よって、水の運動エネルギーを減衰するため、余水路の終端には減勢工が接続されている。
水力発電所に利用される代表的な減勢工としては、余水路の終端付近に設けられた水槽内で跳水を生じさせて運動エネルギーを減衰させる跳水型減勢工が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、水槽内に、水の流れ方向に沿って、ブロック及び副ダムを順に配置して形成したものが知られている。
この跳水型減勢工においては、余水路を流れる水は、先ずブロックに衝突する。これにより、水の流れ方向が分散して運動エネルギーは減衰する。また、副ダムへの衝突により、水の運動エネルギーは更に減衰される。このように、減勢工によって減勢された水が放水路を経て河川に放流される。
特開2003−155770号公報
しかしながら、上述のように減勢された水は放水路へと導かれるが、敷地の制約により、減勢工から放水路までの流路(以下「排出路」という。)に折れ曲がりが形成される場合がある。この場合、折れ曲がりの角度が小さいと(例えば90度程度)、減勢工で減勢された水が折れ曲がりの部分に衝突することによって、堰き上がりによる水位差が生じると共に、偏流が発生する。このため、折れ曲がりの部分の下流では水の流れに乱れが生じ、又水面変動が大きくなり、放水路内だけでなく、河川にも悪影響を及ぼす可能性がある。
一方、排出路に折れ曲がりを形成しないようにすると、又は折れ曲がり角度を大きくしようとすると、それに合わせて、放水路の全長が長くなる。このため、放水路の設置に必要な敷地面積が大きくなり、用地買収にかかる費用が増大してしまう。また、放水路の建設費用も増大する。
また、減勢工を構成するブロックの数を増やすなどすれば、減勢効果が高まる。よって、排出路における折れ曲がり角度が小さくても、折れ曲がりの部分の下流における水の流れの乱れや水面変動を低減できると考えられる。しかし、この場合は、減勢工の建設費用が増大する。
更に、減勢工は既設の水力発電所に新たに設置される場合があるが、この場合は、特に敷地面積の制約が大きいと考えられる。よって、限られた敷地内で余水路、減勢工、排出路及び放水路を設置し、且つ、折れ曲がりの部分の下流における水の流れの乱れや水面変動を低減することが求められる。
本発明の目的は、上記問題を解消し、減勢工の下流の流路を折り曲げた場合における水の流れの乱れや水面変動を低減して、減勢工の下流における流路の設置に必要な敷地面積を小さくし得る減勢構造、及びそれに用いられる排出路を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明における減勢構造は、減勢工と、前記減勢工で減勢された流体を外部に排出するための排出路とを有し、前記排出路は、前記流体の流れ方向が変わるように形成された折れ曲がり部を有し、前記折れ曲がり部における底面に、整流ブロックが設けられていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため本発明における排出路は、減勢工によって減勢された流体を外部に排出するための排出路であって、前記流体の流れ方向が変わるように形成された折れ曲がり部を有し、前記折れ曲がり部における底面には、整流ブロックが設けられていることを特徴とする。
以上のように本発明においては、減勢工とは別に、減勢効果を備えた整流ブロックが排出路に設けられている。このため、排出路の折れ曲がり部分に堰き上がりによる水位差や偏流が発生するのを抑制でき、この結果、その下流に水の流れの乱れや水面変動が発生するのを抑制できる。よって、本発明における減勢構造及び排出路を用いれば、減勢工の下流における流路の全長を短くでき、設置に要求される敷地面積を小さくできる。
上記本発明における減勢構造及び排出路においては、前記折れ曲がり部が、前記流体の流れ方向が略90度変わるように形成され、前記整流ブロックが、前記折れ曲がり部における底面から突出した第1の柱状ブロックと第2の柱状ブロックとで形成され、前記第1の柱状ブロック及び第2の柱状ブロックのそれぞれは、前記折れ曲がり部を通過する前の前記流体に面した第1の側面と、前記第1の側面の反対側に面した第2の側面と、前記折れ曲がり部を通過した後の前記流体の流れ方向を向いた第3の側面と、前記第3の側面の反対側に面した第4の側面とを少なくも有し、前記排出路の折れ曲がり前における一方の側壁面から他方の側壁面までの距離をWとしたときに、前記第1の柱状ブロックは、その前記第1の側面が、前記折れ曲がり部の折れ曲がり後における内周側の側壁面を基準に折れ曲がり前の流れ方向に(1/5.25)W進んだ位置にあり、その前記第3の側面が、前記折れ曲がり部の折れ曲がり前における内周側の側壁面を基準に折れ曲がり後の流れ方向と反対の方向に(1/7)W進んだ位置にあるように配置され、前記第2の柱状ブロックは、その前記第1の側面が、前記第1の柱状ブロックの前記第2の側面を基準に折れ曲がり前の流れ方向に(1/5.25)W進んだ位置にあり、その前記第4の側面が、前記折れ曲がり部の折れ曲がり前における外周側の側壁面を基準に折れ曲がり後の流れ方向に(1/7)W進んだ位置にあるように配置されている態様とするのが好ましい。
また、上記本発明における減勢構造及び排出路においては、前記第1の柱状ブロック及び前記第2の柱状ブロックが正四角柱状に形成されており、前記正四角柱の断面における一辺の長さが(1/3.5)Wに設定されている態様とするのも好ましい。
更に、前記第1の柱状ブロック及び前記第2の柱状ブロックを形成しないで前記折れ曲がり部に前記流体を流入させたときの前記流体の水深をhとしたときに、前記第1の柱状ブロック及び前記第2の柱状ブロックの高さが、(1/1.51)hに設定されている態様とするのも好ましい。
上記本発明における減勢構造においては、前記減勢工が、跳水型減勢工であって、水槽と、ブロックと、副ダムとを有し、前記ブロックと前記副ダムとは、前記流体の流れ方向にそって順に、前記水槽の底面に設置されている態様とできる。更に、前記減勢工に、余水吐から放出された水を導く余水路が接続され、前記排出路が、前記余水吐から放出された水を河川に導く放水路に接続されている態様とすることもできる。
以下、本発明の実施の形態における減勢構造及び排出路について図1〜図5を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態における減勢構造の一例を示す平面図である。
図1に示すように、減勢構造10は、減勢工2と、減勢工2で減勢された流体を外部に排出する排出路3とを備えている。図1において矢印は流体の流れ方向を示している。図1の例では、減勢工2は、余水路1に接続されている。このため、溢水によって余水吐から放出された水(流体)は、余水路1によって減勢工2へと導かれ、減勢工2によって減勢される。減勢工2によって減勢された水は排出路3に流入する。また、5は発電所を示している。
また、図1に示すように、排出路3には、折れ曲がり部14が設けられている。このため、排出路3を流れる水は、折れ曲がり部14によって流れ方向が変えられる。なお、図1の例では、排出路3の終端は放水路4に接続されている。よって、排出路3を流れる水は流れ方向が変えられた後、放水路4によって河川に放流される。また、減勢構造10、余水路1、放水路4はコンクリートで形成されている。
ここで、図2〜図4を用いて減勢工2及び排出路3の具体的な構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態における減勢構造及び排出路の一例を示す概略構成図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は断面図で示している。図3は、本発明の実施の形態における減勢構造に用いられる減勢工の一例を拡大して示す斜視図である。図4は、本発明の実施の形態における排出路の一例を拡大して示す斜視図である。
先ず、本実施の形態における減勢工2の構成について説明する。図2及び図3に示すように、本実施の形態において、減勢構造を構成する減勢工2は跳水型減勢工である。減勢工2は、水槽9と、第1のブロック群6と、第2のブロック群7と、副ダム8とを備えている。水槽9の入口側は余水路1に接続され、出口側は排出路3に接続されている。1列目の第1のブロック群6、2列目の第2のブロック群7、及び副ダム8は、水の流れ方向にそって順に、水槽9の底面に設置されている。
図2及び図3に示す減勢工2においては、先ず、余水路から導入された水は、斜面15に沿って流れ、第1のブロック群6、第2のブロック群7に次々と衝突する。この衝突の度に水の流れ方向は分散し、水は運動エネルギーを失う。次に、第1のブロック群6及び第2のブロック群7に衝突した水は、更に副ダム8に衝突して、跳水現象を生じさせる。これにより、水は更に運動エネルギーを失い、水の流速は、減勢工2に流入したときと比べて大きく減少する。
なお、図2及び図3の例では、副ダム8の上流に設けられたブロック群は2列であるが、ブロック群の列数は特に限定されるものではない。また、第1のブロック群6及び第2のブロック群7をそれぞれ構成するブロックの数も特に限定されるものではない。本発明においては、ブロック群の列数、ブロック群を構成するブロックの数は、水力発電所の規模やコスト等に応じて適宜設定することができる。
また、図2及び図3の例では、斜面15は、その断面形状が余水路1から放出された水の自由落下曲線と一致するように形成されているが、本発明においては斜面の形状は特に限定されるものではない。斜面15は、傾斜した平面であっても良い。但し、斜面15を流れる水の流速は高速であり、流水と斜面15との間に空間が生じると負圧を生じ、斜面15を形成するコンクリートを損傷してしまう。このため、斜面15は、図2及び図3に示すように、水の自由落下曲線と一致するように形成するのが好ましい。
また、本発明において、減勢工2は跳水型に限定されるものではない。本発明においては、減勢工2は立杭型減勢工や衝撃型減勢工等であっても良い。
次に、本実施の形態における排出路3の構成について説明する。図2及び図4に示すように、排出路3の終端の近くには折れ曲がり部14が設けられている。このため、上述したように、減勢工2で減勢された水は、流れ方向を変えられた後、放水路4(図1参照)に流入する。また、本実施の形態では、図2及び図4から分るように、折れ曲がり部14は水の流れ方向が略90度変わるように形成されている。よって、背景技術において説明したように、折れ曲がり部14による流路の折れ曲がり角度が小さく、放水路4(図1参照)に水の流れの乱れや水面変動が生じ易い状態である。
しかしながら、本実施の形態においては、図2及び図4に示すように、折れ曲がり部14には、整流ブロック13が設けられている。図2及び図4の例では、整流ブロック13は第1の柱状ブロック11と第2の柱状ブロック12とで形成されている。
また、図4に示すように、第1の柱状ブロック11は、折れ曲がり部14を通過する前の水に面した第1の側面11a、第1の側面11の反対側に面した第2の側面11b、折れ曲がり部14を通過した後の水の流れ方向を向いた第3の側面11c、及び第3の側面の反対側に面した第4の側面11dを有している。なお、第1の柱状ブロック11は、正四角柱状に形成されており、第1の側面11a〜第4の側面11dそれぞれにおける面積は同じである。
更に、第2の柱状ブロック12も、第1の柱状ブロック11と同様に、正四角柱状に形成されており、第1の側面12a、第2の側面12b、第3の側面12c及び第4の側面12dを有している。また、第2の柱状ブロック12における第1の側面12a〜第4の側面12dそれぞれが向いている方向は、第1の柱状ブロック11における第1の側面11a〜第4の側面11dが向いている方向と同様である。
このような構成により、整流ブロック13は、減勢工2からの流れの勢いを減殺する働きをするとともに、折れ曲がり後の水路の幅方向において水の流れの勢いを分散する効果を有する。よって、整流ブロック13を設置することにより、減勢工2からの水が折れ曲がり部分14に衝突する際に、水面の堰き上がりや偏流が発生するのを抑制できる。このの結果、水の流れの乱れや水面変動が低減される。
このことから、減勢構造10及び排出路3を採用すれば、折れ曲がり部14における水の流れの乱れや水面変動を低減できるため、減勢工2から河川までの流路を折り曲げることができる。よって、限られた敷地内において最短距離で放水路(図1参照)を設置でき、水力発電所の建設にかかるコストの削減を図ることができる。また、減勢構造10及び排出路3であれば、既設の水力発電所への導入も容易である。
なお、図2及び図4の例では、折れ曲がり部14は、水の流れ方向が90度変わるように形成されているが、本発明においては折れ曲がり部14によって変わる水の流れ方向の角度は特に限定されるものではない。本発明は、折れ曲がり部14によって水の流れの乱れや水面変動が生じ、これによって河川に悪影響が及ぼされる可能性がある場合であれば、特に限定なく適用できる。なお、このような場合における、折れ曲がり部14によって変わる水の流れ方向の角度としては、例えば90度以上180度未満の範囲が考えられる。
また、本発明においては、整流ブロック13の形状も特に限定されるものではない。更に、図2及び図4の例では、折れ曲がり部14において、折れ曲がり前の排出路3の側壁と折れ曲がり後の排出路3の側壁との境界には角が形成されているが、本発明はこの態様に限定されるものでもない。本発明においては、折れ曲がり前の排出路3の側壁と折れ曲がり後の排出路3の側壁とが曲面でつながった態様や、境界が面取りされた態様であっても良い。
また、図2の例では、排出路3は、敷地の制約により、折れ曲がり部14の上流の二箇所16a及び16bにおいても、偏流が生じない程度に折れ曲がっているが、本発明はこの態様にも限定されない。本発明においては、排出路3は、折れ曲がり部14以外は折れ曲がっていない流路であっても良い。
なお、本明細書でいう「折れ曲がり前の排出路」とは、折れ曲がり部14を通過する前の水(流体)が流れる排出路をいい、「折れ曲がり後の排出路」とは、折れ曲がり部14を通過した後の水(流体)が流れる排出路をいう。
次に、図5を用いて、図2及び図4に示す整流ブロック13の好ましい位置及び大きさについて説明する。図5は、図2及び図4に示した排出路3に設けられた整流ブロック13を示す図であり、図5(a)は平面図、図5(b)は断面図で示している。
図2及び図4の例においては、図5(a)に示すように、第1の柱状ブロック11及び第2の柱状ブロック12の位置及び断面の大きさは、排出路3の折れ曲がり前における内周側の側壁面3aから外周側の側壁面3bまでの距離Wを用いて決定されている。具体的には、正四角柱の断面における一辺の長さMは、(1/3.5)Wに設定するのが好ましい。
なお、図5において、側壁面3cは、折れ曲がり部14の折れ曲がり後における内周側の側壁面を示している。また、側壁面3dは、折れ曲がり部14の折れ曲がり後における外周側の側壁面を示している。
第1の柱状ブロック11の位置は、折れ曲がり後における内周側の側壁面3cと、折れ曲がり前における内周側の側壁面3aとを基準に、距離Wを用いて設定されている。第2の柱状ブロック12の位置は、第1の柱状ブロック11の第2の側面11bと、折れ曲がり前における外周側の側壁面3bとを基準に、距離Wを用いて設定されている。
具体的には、第1の柱状ブロック11は、その第1の側面11aが、側壁面3cを基準に折れ曲がり前の流れ方向に距離LH1進んだ位置にあり、その第3の側面11cが、側壁面3aを基準に折れ曲がり後の流れ方向と反対の方向に距離LV1進んだ位置にあるように配置される。このとき、LH1は、(1/5.25)Wに設定するのが好ましい。また、LV1は、(1/7)Wに設定するのが好ましい。
また、第2の柱状ブロック12は、その第1の側面12aが、第1の柱状ブロック11の第2の側面11bを基準に折れ曲がり前の流れ方向に距離LH2進んだ位置にあり、その第4の側面12dが、側壁面3bを基準に折れ曲がり後の流れ方向にLV3進んだ位置にあるように配置される。このとき、LH2は、(1/5.25)Wに設定するのが好ましい。また、LV3は、(1/7)Wに設定するのが好ましい。
なお、第2の柱状ブロック12においては、側壁面3bの代わりに、第1の柱状ブロック11の第4の側面11dを基準として配置を行うこともできる。この場合は、第1の側面12aを上記と同様に位置決めした上で、第3の側面12cが、第1の柱状ブロック11の第4の側面11dを基準に、折れ曲がり後の流れ方向と反対方向にLV2進んだ位置にあるように配置される。このとき、LV2は、(1/7)Wに設定するのが好ましい。
また、図2及び図4の例においては、図5(b)に示すように、第1の柱状ブロック11及び第2の柱状ブロック12の高さTは、水深hを用いて決定されている。水深hは、第1の柱状ブロック11及び第2の柱状ブロック12を形成しないで折れ曲がり部14に水を流入させたときの水深である。このとき、第1の柱状ブロック11及び第2の柱状ブロック12の高さTは、(1/1.51)hに設定するのが好ましい。
ところで、単純に水の流れの勢いを減殺するだけなら、第1の柱状ブロック11及び第2の柱状ブロック12を大きくすればよい。但し、大きくしすぎると、折れ曲がり部14における水面が高くなりすぎて、下流との水面差が大きくなり、水の流れの乱れや水位変動の低減が困難となる可能性がある。よって、第1の柱状ブロック11及び第2の柱状ブロック12の大きさは上述したように設定するのが好ましく、この場合であれば、必要最小限のせき上げで、効果的に水の流れの勢いを分散できる。
上述のように、本実施の形態においては、本発明の減勢構造及び排出路を水力発電所の余水吐に適用した例について説明している。但し、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の減勢構造及び排出路は、水力発電所以外の設備、例えば、下水設備といった高速で流れる流体の減勢を必要とする設備であれば適用できる。
以上のように、本発明によれば、高速で流れる流体を減勢する減勢工の下流において、水の流れの乱れや水面変動が発生するのを抑制しつつ、流路を折り曲げることができる。このため、減勢工の下流における流路の設計の自由度を向上できるので、必要となる敷地の減縮化、流路長の短縮化を図ることができる。この結果、減勢工を必要とする設備、例えば水力発電所や下水設備においてコストの削減を図ることができる。
本発明の実施の形態における減勢構造の一例を示す平面図である。 本発明の実施の形態における減勢構造及び排出路の一例を示す概略構成図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は断面図で示している。 本発明の実施の形態における減勢構造に用いられる減勢工の一例を拡大して示す斜視図である。 本発明の実施の形態における排出路の一例を拡大して示す斜視図である。 図2及び図4に示した排出路3に設けられた整流ブロック13を示す図であり、図5(a)は平面図、図5(b)は断面図で示している。
符号の説明
1 余水路
2 減勢工
3 排出路
3a〜3d 側壁面
4 放水路
5 発電所
6 第1のブロック群
7 第2のブロック群
8 副ダム
9 水槽
10 減勢構造
11 第1の柱状ブロック
11a 第1の側面
11b 第2の側面
11c 第3の側面
11d 第4の側面
12 第2の柱状ブロック
12a 第1の側面
12b 第2の側面
12c 第3の側面
12d 第4の側面
13 整流ブロック
14 折れ曲がり部
15 斜面
16a、16b 折れ曲がり箇所

Claims (8)

  1. 減勢工と、前記減勢工で減勢された流体を外部に排出するための排出路とを有し、
    前記排出路は、前記流体の流れ方向が変わるように形成された折れ曲がり部を有し、前記折れ曲がり部における底面に、整流ブロックが設けられ、
    前記折れ曲がり部が、前記流体の流れ方向が略90度変わるように形成され、
    前記整流ブロックが、前記折れ曲がり部における底面から突出した第1の柱状ブロックと第2の柱状ブロックとで形成され、
    前記第1の柱状ブロック及び第2の柱状ブロックのそれぞれは、前記折れ曲がり部を通過する前の前記流体に面した第1の側面と、前記第1の側面の反対側に面した第2の側面と、前記折れ曲がり部を通過した後の前記流体の流れ方向を向いた第3の側面と、前記第3の側面の反対側に面した第4の側面とを少なくも有し、
    前記排出路の折れ曲がり前における一方の側壁面から他方の側壁面までの距離をWとしたときに、
    前記第1の柱状ブロックは、その前記第1の側面が、前記折れ曲がり部の折れ曲がり後における内周側の側壁面を基準に折れ曲がり前の流れ方向に(1/5.25)W進んだ位置にあり、その前記第3の側面が、前記折れ曲がり部の折れ曲がり前における内周側の側壁面を基準に折れ曲がり後の流れ方向と反対の方向に(1/7)W進んだ位置にあるように配置され、
    前記第2の柱状ブロックは、その前記第1の側面が、前記第1の柱状ブロックの前記第2の側面を基準に折れ曲がり前の流れ方向に(1/5.25)W進んだ位置にあり、その前記第4の側面が、前記折れ曲がり部の折れ曲がり前における外周側の側壁面を基準に折れ曲がり後の流れ方向に(1/7)W進んだ位置にあるように配置されている減勢構造。
  2. 前記第1の柱状ブロック及び前記第2の柱状ブロックが正四角柱状に形成されており、前記正四角柱の断面における一辺の長さが(1/3.5)Wに設定されている請求項1記載の減勢構造。
  3. 前記第1の柱状ブロック及び前記第2の柱状ブロックを形成しないで前記折れ曲がり部に前記流体を流入させたときの前記流体の水深をhとしたときに、前記第1の柱状ブロック及び前記第2の柱状ブロックの高さが、(1/1.51)hに設定されている請求項1または2記載の減勢構造。
  4. 前記減勢工が、跳水型減勢工であって、水槽と、ブロックと、副ダムとを有し、
    前記ブロックと前記副ダムとは、前記流体の流れ方向にそって順に、前記水槽の底面に設置されている請求項1〜3のいずれかに記載の減勢構造。
  5. 前記減勢工に、余水吐から放出された水を導く余水路が接続され、
    前記排出路が、前記余水吐から放出された水を河川に導く放水路に接続されている請求項1〜4のいずれかに記載の減勢構造。
  6. 減勢工によって減勢された流体を外部に排出するための排出路であって、
    前記流体の流れ方向が変わるように形成された折れ曲がり部を有し、
    前記折れ曲がり部における底面に、整流ブロックが設けられ、
    前記折れ曲がり部が、前記流体の流れ方向が略90度変わるように形成され、
    前記整流ブロックが、前記折れ曲がり部における底面から突出した第1の柱状ブロックと第2の柱状ブロックとで形成され、
    前記第1の柱状ブロック及び第2の柱状ブロックそれぞれは、前記折れ曲がり部を通過する前の前記流体に面した第1の側面と、前記第1の側面の反対側に面した第2の側面と、前記折れ曲がり部を通過した後の前記流体の流れ方向を向いた第3の側面と、前記第3の側面の反対側に面した第4の側面とを少なくも有し、
    当該排出路の折れ曲がり前における一方の側壁面から他方の側壁面までの距離をWとしたときに、
    前記第1の柱状ブロックは、その前記第1の側面が、前記折れ曲がり部の折れ曲がり後における内周側の側壁面を基準に折れ曲がり前の流れ方向に(1/5.25)W進んだ位置にあり、その前記第3の側面が、前記折れ曲がり部の折れ曲がり前における内周側の側壁面を基準に折れ曲がり後の流れ方向と反対の方向に(1/7)W進んだ位置にあるように配置され、
    前記第2の柱状ブロックは、その前記第1の側面が、前記第1の柱状ブロックの前記第2の側面を基準に折れ曲がり前の流れ方向に(1/5.25)W進んだ位置にあり、その前記第4の側面が、前記折れ曲がり部の折れ曲がり前における外周側の側壁面を基準に折れ曲がり後の流れ方向に(1/7)W進んだ位置にあるように配置されている排出路。
  7. 前記第1の柱状ブロック及び前記第2の柱状ブロックが正四角柱状に形成されており、前記正四角柱の断面における一辺の長さが(1/3.5)Wに設定されている請求項記載の排出路。
  8. 前記第1の柱状ブロック及び前記第2の柱状ブロックを形成しないで前記折れ曲がり部に前記流体を流入させたときの前記流体の水深をhとしたときに、前記第1の柱状ブロック及び前記第2の柱状ブロックの高さが、(1/1.51)hに設定されている請求項6または7記載の排出路。
JP2004096324A 2004-03-29 2004-03-29 減勢構造及びそれに用いられる排出路 Expired - Fee Related JP4137832B2 (ja)

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