JP2017082465A - 減勢管 - Google Patents

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Abstract

【課題】広い施工ヤードを要せず、且つ、工期の長期化やコストの増大等を招くことなく、傾斜した管渠内を流下する水流を効果的に減勢する。【解決手段】急傾斜地Bに設置された傾斜管渠10内を流下する水流を減勢する減勢管1である。減勢管1は、傾斜管渠10の末端部を構成する管本体2と、管本体2内に設けられ、複数の螺旋状板部材5によって構成される螺旋案内路3と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、水流を減勢する減勢工に関し、特に、傾斜した管渠内を流下する水流を減勢する減勢管に関するものである。
従来から、急傾斜地の排水を行う場合には、上流側の人孔に集水された雨水排水を、急傾斜地に設置された管渠を介して、下流側の平坦地に設けられた人孔へ流入させるのが一般的である。
もっとも、急傾斜により流速が増した流下水を、そのまま人孔へ流入させると、水流の衝撃によって人孔壁が摩耗したり破損したりするおそれがある。このため、急傾斜地の排水を行う場合には、流速が増すことで増大した運動エネルギーを減勢させるべく、所謂「減勢工」を人孔等に設けることが多い。
例えば、特許文献1には、流入口から流出口に通じる流路が形成されたユニット本体と、当該流路上に位置し、ユニット本体内に流入した水流を上昇渦流にして強制的にせり上がらせる案内部と、が一体形成された減勢工ユニットを、人孔内に設置することが提案されている。この減勢工ユニットによれば、水流を強制的にせり上がらせることにより、高さ方向において水流の運動エネルギーを減勢させるので、ユニット本体の流入口と流出口との間の距離が短くても、十分な減勢効果を得ることができるとされている。
特開2002−348946号公報
ところで、上記特許文献1のもののような人孔内に設置されるタイプの減勢工は、急傾斜地に設置された管渠内を流下する雨水排水の流量が相対的に少ない場合には、小さなサイズでも対応可能であることから、例えばプラスチック製の減勢工を現場で組み立てて人孔内に設置すればよいので、容易かつ低コストで減勢工を設けることができる。
しかしながら、急傾斜地に設置された管渠内を流下する雨水排水の流量が相対的に多い場合には、小さなサイズの減勢工では対応が困難であることから、現場でコンクリートを打設したり、大型のプレキャスト構造物を搬入したりすることにより、人孔内に大きな減勢工を築造する必要がある。このため、広い施工ヤードが必要になったり、工期の長期化やコストの増大等を招いたりするおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広い施工ヤードを要せず、且つ、工期の長期化やコストの増大等を招くことなく、傾斜した管渠内を流下する水流を効果的に減勢する技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明では、人孔内ではなく、傾斜した管渠の末端部に減勢工を設けることにより、人孔に流入する前に流下水の運動エネルギーを減勢するようにしている。
具体的には、本発明は、傾斜した管渠内を流下する水流を減勢する減勢管を対象としている。
そして、上記減勢管は、上記管渠の末端部を構成する円筒状の管本体と、上記管本体内に設けられ、複数の螺旋状板部材によって構成される螺旋案内路と、を備えていることを特徴とするものである。
この構成によれば、傾斜した管渠内を流下することで流速が増した流下水は、管渠の末端部を構成する管本体に流入し、最も上流側の螺旋状板部材(以下、第1螺旋状板部材ともいう。)に衝突し、螺旋案内路に沿って流れることにより円筒状の管本体の壁面に沿って渦を巻くように流下する。これにより、流下水の流速が低減されて、運動エネルギーが減勢される。したがって、傾斜した管渠内を流下する水流を効果的に減勢することができ、これにより、流速が低減した状態で流下水が人孔に流入するので、人孔壁が摩耗したり破損したりするのを抑えることができる。
しかも、管渠を新設する場合でも、既設の管渠を用いる場合でも、末端部に減勢管を配置するという簡単な構成で、傾斜した管渠内を流下する水流を減勢することができることから、広い施工ヤードを要せず、且つ、工期の長期化やコストの増大等を招くのを抑えることができる。
このように、螺旋案内路を管本体内に設けることで水流を効果的に減勢することができるが、管渠内を流下する雨水排水の流量が低下した場合には、流下水が渦を巻かず螺旋状板部材を乗り越えることが困難になり、複数の螺旋状板部材の間で流下水が滞留し、水溜りが生じるおそれがある。
そこで、上記減勢管では、上記各螺旋状板部材における管底の近傍部に、上記螺旋案内路を軸方向に貫通する水抜き孔が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、管渠内を流下する雨水排水の流量が低下した場合でも、各螺旋状板部材における管底の近傍部に設けられた水抜き孔を通って流下水が管渠内を自然流下するので、複数の螺旋状板部材の間で水溜りが生じるのを抑えることができる。なお、水抜き孔のエッジ部が引っ掛りとなることで旋回流のスムーズな形成を阻害しないように、水抜き孔のエッジ部は面取り加工しておくのがより好ましい。
ところで、水流を減勢することができても、排水管内に溜まった空気が流下水によって押されて、流下水が流入するのと同時に人孔内に大量の空気が持ち込まれると、人孔に接続された更に下流側の排水管への雨水排水の流下を阻害する原因となる場合がある。
そこで、上記螺旋案内路は、最も上流側の上記螺旋状板部材の上流側の面に流下水が最初に当接し易く、且つ、当該上流側の面に当接して跳ね返った流下水が当該螺旋状板部材の下流側の面に当接し難い形状になるように、螺旋状の開始位置が設定されていることが好ましい。
なお、以下では、上流側から見て、管本体の中心から右向きの方向を+X方向とし、管本体の中心から鉛直上向きの方向を+Y方向とした場合における、0°を3時の位置といい、90°を12時の位置といい、180°を9時の位置といい、270°を6時の位置という。
流下水は通常、管渠の底部を流れるところ、例えば、上流側から見て6時の位置を螺旋状の開始位置とすると、第1螺旋状板部材の上流側の面に約半分の流下水しか最初に当接せず、第1螺旋状板部材においては約半分の流下水しか渦を巻かないこと等から、スムーズな空気芯の形成が阻害されるおそれがある。一方、下流側に向かって反時計回りの螺旋状をなす螺旋案内路において、例えば上流側から見て3時の位置を螺旋状の開始位置とすると、管渠の底部を流れる流下水は、6時の位置辺りで第1螺旋状板部材の上流側の面に最初に当接する。しかし、流下水が最初に当接する部位よりも上流側に第1螺旋状板部材(9時〜12時、12時〜3時の部位)が存在することから、当接して跳ね返った流下水が第1螺旋状板部材の下流側の面に当接し水流が乱れるため、この場合も、スムーズな空気芯の形成が阻害されるおそれがある。
この点、上記構成によれば、最も上流側の螺旋状板部材の上流側の面に流下水が最初に当接し易くなることから、流下水全体が渦を巻き、且つ、跳ね返った流下水が螺旋状板部材の下流側の面に当接し難くなることから、水流が乱れないので、空気芯がスムーズに形成されることになる。これにより、脱気が促進され、流下水の空気連行率を低減することができるので、大量の空気が人孔内に持ち込まれるのを抑えて、雨水排水の流下が阻害されるのを抑制することができる。
以上、説明したように本発明に係る減勢管によれば、広い施工ヤードを要せず、且つ、工期の長期化やコストの増大等を招くことなく、傾斜した管渠内を流下する水流を効果的に減勢することができる。
本発明の実施形態に係る減勢管を模式的に示す図であり、同図(a)は縦断面図であり、同図(b)は同図(a)のb−b線の端面図である。 減勢管を急傾斜地に設置した状態を模式的に示す縦断面図である。 図2のIII−III線の横断面図である。 流下水が螺旋状板部材に当接する状態を模式的に説明する図であり、同図(a)は上流側から見た図であり、同図(b)は上方から見た図である。 シミュレーション解析に用いたモデルを示す斜視図である。 人孔入口部における流速についての解析結果を示すグラフ図である。 壁最大圧力についての解析結果を示すグラフ図である。 人孔入口部における空気連行率についての解析結果を示すグラフ図である。 人孔出口部における空気連行率についての解析結果を示すグラフ図である。 人孔入口部の手前に整流板を設けた状態を模式的に示す図である。 その実施形態に係る減勢管の螺旋案内路を模式的に示す端面図である。 流下水が螺旋状板部材に当接する状態を模式的に説明する図であり、同図(a)は上流側から見た図であり、同図(b)は上方から見た図である。 流下水が螺旋状板部材に当接する状態を模式的に説明する図であり、同図(a)は上流側から見た図であり、同図(b)は側方から見た図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る減勢管1を模式的に示す図であり、同図(a)は縦断面図であり、同図(b)は同図(a)のb−b線の端面図である。この減勢管1は、傾斜した管渠(以下、傾斜管渠ともいう。)10(図2参照)内を流下する水流を減勢するものであり、傾斜管渠10の末端部を構成する管本体2と、管本体2内に設けられた螺旋案内路3と、を備えている。減勢管1に用いられる材料は、特に限定されないが、強度や耐久性等の観点から、例えば、硬質塩化ビニル樹脂、FRP(繊維強化プラスチック)、ポリカーボネート等の合成樹脂系材料が好ましい。
管本体2は、円筒状に形成されていて、急傾斜地B(図2参照)に設置された状態で上端部となる一端部に受け口2aを有する一方、急傾斜地Bに設置された状態で下端部となる他端部に挿し口2bを有している。受け口2aは、図1(a)に示すように、管本体2の一端部に、例えば、管本体2の外径とほぼ等しい内径を有し、且つ、内周面に止水用のゴムパッキン6が取り付けられた円筒部材4を、管本体2の外周面に接着接合することで構成されている。
減勢管1は、螺旋案内路3を備えている点を除けば、急傾斜地B等に設置される他の排水管11(図2参照)と同様に構成されている。換言すると、管本体2自体は、他の排水管11と同様に構成されている。それ故、減勢管1は、他の排水管11の下端部(挿し口2bに相当)を管本体2の受け口2aに嵌め込むことで、他の排水管11と容易に接続されるようになっている。なお、減勢管1と他の排水管11とが接続されると、円筒部材4の内周面に取付けられたゴムパッキン6が他の排水管11の外周面に密着することによって、接続部における止水性が確保される。
螺旋案内路3は、同じ形状を有する6枚の螺旋状板部材5によって構成されている。各螺旋状板部材5は、例えば、径方向に1本切れ目が形成された合成樹脂製の円環板状部材(図示せず)を、熱風を吹き付けて溶融状態とし、切れ目によって分割された部位を相互に軸方向に離れるように押圧して、1周分の螺旋状に成形することで形成されている。このようにして形成された6枚の螺旋状板部材5を、相隣接する螺旋状板部材5の始端と終端とが連続するように配置し、各螺旋状板部材5の外周縁部を管本体2の内周面に例えば溶接によって接続すると、管本体2の内径の1/20〜5/12程度内側に突出し、且つ、軸心部3aが空洞になった螺旋案内路3が形成される。なお、本実施形態の減勢管1における螺旋案内路3は、図1(b)の矢印で示すように、上流側から下流側に向かって反時計回りの螺旋状をなすように形成されている。
かかる螺旋案内路3を設けることにより、減勢管1に流入した水流は、螺旋案内路3に沿って流れることにより渦を巻き、管本体2の管壁面に沿った流れ(旋回流)を形成する。このとき、空洞になった軸心部3aに空気芯が形成されれば、水は遠心力によって管本体2の管壁面に集まる一方、空気は空洞になった軸心部3aに集まることから、脱気が促進されて、減勢管1から放流される流下水の空気連行率が低減されることになる。
図2は、減勢管1を急傾斜地Bに設置した状態を模式的に示す縦断面図である。減勢管1は、図2に示すように、急傾斜地Bの上流側の平坦部Aに設置された上流側管渠12と、急傾斜地Bの下流側の平坦部Cに設置された下流側管渠13とを接続する、急傾斜地Bに設置された傾斜管渠10の末端部に設置される。減勢管1を含む、上流側管渠12、傾斜管渠10および下流側管渠13を構成する排水管11は全て、基礎コンクリート14の上方に設置されており、基礎コンクリート14に固定されたアンカーボルト15と、減勢管1および各排水管11の外周部に巻き付けられた固定バンド16と、によって固定された状態で、所定の土被りにて埋め戻されている。また、特に水圧が作用し易い、上流側管渠12と傾斜管渠10との接続部、および、傾斜管渠10と下流側管渠13との接続部には、コンクリート20が巻き立てられている。
ここで、傾斜管渠10が、管本体2と同様の通常の排水管11のみで構成されている場合、すなわち、末端部に減勢管1が設けられていない場合には、上流側人孔17に集水された雨水排水は、上流側管渠12を介して傾斜管渠10に流入した後、急傾斜により流速を増しながら流下し、運動エネルギーが増大した状態で下流側管渠13を介して下流側人孔18に流入する。このため、水流の衝撃によって人孔壁18aが摩耗したり破損したりするおそれがある。
これに対し、本実施形態では、内部に螺旋案内路3を有する減勢管1が傾斜管渠10の末端部に設置されていることから、傾斜管渠10を流下することで流速が増した流下水は、最も上流側の螺旋状板部材5aに衝突し、螺旋案内路3により管本体2の壁面に沿って渦を巻くように流下することで流速が低減されて、運動エネルギーが減勢される。これにより、水流の衝撃によって人孔壁18aが摩耗したり破損したりするのを抑えることができる。
ところで、水流を減勢することができても、排水管11内に溜まった空気が流下水によって押されて、流下水が流入するのと同時に下流側人孔18内に大量の空気が持ち込まれると、下流側人孔18に接続された更に下流側の排水管19への雨水排水の流下を阻害する原因となる場合がある。このような問題を解決するには、減勢管1から放流される流下水の空気連行率を低減することが有効であるが、そのためには、上述の如く、螺旋案内路3の空洞になった軸心部3aに空気芯を形成する必要がある。そこで、本実施形態では、図3に示すように、上流側から見て、管本体2の中心Oから右向きの方向を+X方向とし、管本体2の中心Oから鉛直上向きの方向を+Y方向とした場合における、180°の位置が螺旋案内路3の開始位置となるように、減勢管1を急傾斜地Bに設置している。つまり、螺旋案内路3は、上流側から下流側に向かって反時計回りの螺旋状をなしており、上流側から見て9時の位置が螺旋状の開始位置となっている。このように、螺旋状の開始位置を上流側から見て9時の位置としているのは、以下の理由による。
図4および図12は、流下水が螺旋状板部材5に当接する状態を模式的に説明する図であり、同図(a)は上流側から見た図であり、同図(b)は上方から見た図である。図4は、上流側から見て9時の位置が螺旋状の開始位置の場合を示し、図12は、上流側から見て6時の位置(270°の位置)が螺旋状の開始位置の場合を示している。なお、以下の説明では、最も上流側の螺旋状板部材5を第1螺旋状板部材5aといい、上流側から2番目の螺旋状板部材5を第2螺旋状板部材5bという。
流下水は通常、傾斜管渠10の底部を流れるところ、上流側から見て6時の位置を螺旋状の開始位置とすると、図12(a)のハッチングおよび図12(b)の実線矢印で示すように、第1螺旋状板部材5aの上流側の面に約半分の流下水しか最初に当接せず、残りの流下水は、図12(b)の矢印で示すように、第1螺旋状板部材5aの終点部分や第2螺旋状板部材5bの開始部分に最初に当接することになる。このため、第1螺旋状板部材5aにおいては約半分の流下水しか渦を巻かず効率が悪い上、その渦流が直線流である残りの流下水と衝突するため、旋回流および空気芯のスムーズな形成が阻害されるおそれがある。さらに、第1螺旋状板部材5aの終点部分や第2螺旋状板部材5bの開始部分に最初に当接して跳ね返った流下水が、第1螺旋状板部材5aの下流側の面に当接し、水流が乱れることも、スムーズな空気芯の形成を阻害する要因となる。
これに対し、上流側から見て9時の位置を螺旋状の開始位置とすると、図4(a)のハッチングおよび図4(b)の矢印で示すように、第1螺旋状板部材5aの上流側の面に大半の流下水が最初に当接することから、大半の流下水が渦を巻き、旋回流および空気芯のスムーズな形成が促進されることになる。
このように、螺旋状の開始位置を6時まで遅らせると、上記のように旋回流および空気芯のスムーズな形成が阻害されるおそれがあるが、螺旋状の開始位置を早め過ぎても、以下のような弊害が生じるおそれがある。図13は、上流側から見て3時の位置(0°の位置)が螺旋状の開始位置の場合における、流下水が螺旋状板部材5に当接する状態を模式的に説明する図であり、同図(a)は上流側から見た図であり、同図(b)は側方から見た図である。上流側から見て3時の位置を螺旋状の開始位置とすると、図13(a)のハッチングおよび図13(b)の実線矢印で示すように、第1螺旋状板部材5aの上流側の面に大半の流下水が最初に当接するが、流下水が最初に当接する部位よりも上流側に第1螺旋状板部材5aが存在することから、当接して跳ね返った流下水が、図13(b)の破線矢印で示すように、第1螺旋状板部材5aの下流側の面における、9時〜12時や12時〜3時の部位に当接し、水流が乱れるため、スムーズな空気芯の形成が阻害されるおそれがある。
これに対し、上流側から見て9時の位置を螺旋状の開始位置とすると、9時よりも上流側には第1螺旋状板部材5aが存在しないことから、当接して跳ね返った流下水が衝突することがないので、水流が乱れ難くなる。
このように、螺旋状の開始位置を上流側から見て9時の位置とすれば、旋回流および空気芯のスムーズな形成が促進されることになり、流下水における脱気が促進されるので、減勢管1から放流される流下水の空気連行率を低減することができる。なお、上流側から見て9時はあくまでも例示であり、螺旋案内路3は、第1螺旋状板部材5aの上流側の面に流下水が最初に当接し易く、且つ、当該上流側の面に当接して跳ね返った流下水が第1螺旋状板部材5aの下流側の面に当接し難い形状になるように、螺旋状の開始位置を設定するのであれば、例えば上流側から見て8時や10時の位置を螺旋状の開始位置としてもよい。
また、螺旋状板部材5における管底の近傍部には、図1に示すように、螺旋案内路3を軸方向に貫通する水抜き孔7が設けられている。傾斜管渠10を流下する雨水排水の流量が低下した場合には、流下水が渦を巻かず螺旋状板部材5を乗り越えることが困難になり、螺旋状板部材5の間で流下水が滞留し、水溜りが生じるおそれがあるところ、このように管底の近傍部に水抜き孔7を設けることで、常に雨水排水を自然流下させることができるので、水溜りが生じるのを抑えることができる。なお、水抜き孔7のエッジ部が引っ掛りとなることで旋回流のスムーズな形成を阻害しないように、水抜き孔7のエッジ部は面取り加工しておくのが好ましい。
以上のように、本実施形態の減勢管1によれば、傾斜管渠10内を流下する水流を効果的に減勢することができるとともに、流下水の空気連行率を低減することができる。これにより、流速が低減した状態で流下水が下流側人孔18に流入するので、人孔壁18aが摩耗したり破損したりするのを抑えることができるとともに、下流側人孔18から更に下流側の排水管19へ雨水排水をスムーズに流下させることができる。
しかも、末端部に減勢管1を配置するという簡単な構成で、傾斜管渠10内を流下する水流を減勢することができることから、広い施工ヤードを要せず、且つ、工期の長期化やコストの増大等を招くのを抑えることができる。
次に、本実施形態の減勢管1による効果を確認するために行ったシミュレーション実験について説明する。
シミュレーション実験は、市販の汎用流体解析ソフトFLUENT16.0を使用して行った。具体的には、図5に示すような、上流側管渠12M、傾斜管渠10M、下流側管渠13M、下流側人孔18Mおよび排水管19Mを有する解析モデルを設定した。そうして、管の内径がφ1000(mm)、重力加速度が鉛直下向きに9.8(m/s2)、乱流がssTk−ωモデル、流速に換算した上流側管渠12Mの入口12Maでの流量が0.824(m3/s)という条件、且つ、水の密度が998.2(kg/m3)、水の粘度1.003E−03、が、空気の密度が1.225(kg/m3)、空気の粘度が1.789E−05という材料物性値で、非定常混相流解析を行った。
傾斜管渠10Mの末端部に減勢管1Mを設けたもの、換言すると、傾斜管渠10Mに螺旋案内路3を設けたものを実施例とし、傾斜管渠10Mに螺旋案内路3を設けなかったものを比較例とした。減勢管1Mにおける螺旋案内路3は、上流側から下流側に向かって反時計回りの螺旋状をなしており、上流側から見て9時の位置が螺旋状の開始位置になるように設定した。そうして、実施例および比較例について、上流側管渠12Mの入口12Maから水を流した場合における、人孔入口部18Mbでの流下水の流速、人孔壁18Maにおける壁最大圧力、人孔入口部18Mbにおける空気連行率、および、人孔出口部18Mcにおける空気連行率を計算した。なお、本実験は、施工実績のある縦管における実測結果と、縦管についてのシミュレーション実験の解析結果との整合性を確認した上で行った。
図6は、人孔入口部18Mbにおける流速についての解析結果を示すグラフ図であり、図7は、人孔壁18Maにおける壁最大圧力についての解析結果を示すグラフ図であり、図8は、人孔入口部18Mbにおける空気連行率についての解析結果を示すグラフ図であり、図9は、人孔出口部18Mcにおける空気連行率についての解析結果を示すグラフ図である。なお、図6〜図9のいずれにおいても、本実施例を実線で示し、比較例を破線で示している。また、各グラフ図における横軸の時間(sec)は、上流側管渠12Mの入口12Maから水を流し始めた時間を0としている。
図6に示すように、実施例では、螺旋案内路3において流下水が渦を巻くことから、比較例に比べて、人孔入口部18Mbへの到達が約4秒遅れるとともに、人孔入口部18Mbにおける流速自体も、比較例に比べて50%近く低減された。また、図7に示すように、実施例では、比較例と比べて、人孔壁18Maにおける壁最大圧力が約1/3程度にまで低減された。これらにより、傾斜管渠10の末端部に減勢管1を設ければ、流速が増した流下水の運動エネルギーを大幅に減勢することができ、これにより、人孔壁の摩耗や破損を抑えることが可能であることが確認された。
また、図8に示すように、実施例では、比較例に比べて人孔入口部18Mbに運ばれる空気量が大幅に減少した。これに伴い、図9に示すように、実施例では、比較例に比べて人孔出口部18Mcにおける空気連行率(%)が大幅に低減された。これらにより、上流側から見て9時の位置を反時計回りの螺旋状の開始位置とすることにより、流下水の空気連行率(%)を大幅に低減することができるとともに、雨水排水を下流側の排水管19へスムーズに流下させることが可能であることが確認された。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神または主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、螺旋案内路3を6枚の螺旋状板部材5によって構成したが、これに限らず、急傾斜地Bの角度や、管本体2の管長および管径や、流下水の流量等に応じて、例えば5枚以下の螺旋状板部材5や7枚以上の螺旋状板部材5によって螺旋案内路3を構成してもよい。なお、螺旋状板部材5が少な過ぎると減勢効果が得られないため、1つの目安として、螺旋案内路3を構成する螺旋状板部材5の枚数は、3〜6枚が好ましい。
また、上記実施形態では、傾斜管渠10と異なり、上流側管渠12や下流側管渠13には特殊な加工等を施さなかったが、例えば、図10に示すように、下流側管渠13に円環状の整流板21を設けるようにしてもよい。このような整流板21を設ければ、螺旋案内路3によって旋回流となった流下水が、整流板21に当たることでさらに減勢され、非旋回流として下流側人孔18に流入するので、人孔壁18aが摩耗したり破損したりするのをより一層抑えることができる。
さらに、上記実施形態では、上流側から見て9時の位置が螺旋案内路3の開始位置となるようにしたが、螺旋案内路3が、上流側から下流側に向かって時計回りの螺旋状をなす場合には、図11に示すように、上流側から見て3時の位置が螺旋状の開始位置となるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、減勢管1を新設の傾斜管渠10の一部として用いる例を示したが、これに限らず、例えば既設の管渠の末端部のみを減勢管1に置き換えるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、各螺旋状板部材5における管底の近傍部に1つの水抜き孔7を設けたが、旋回流のスムーズな形成を阻害しないのであれば、これに限らず、例えば、各螺旋状板部材5における管底の近傍部に複数の水抜き孔7を設けてもよいし、水抜き孔7に代えて水抜き用のスリットを形成してもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、広い施工ヤードを要せず、且つ、工期の長期化やコストの増大等を招くことなく、傾斜した管渠内を流下する水流を効果的に減勢することができるので、急傾斜地の減勢工に適用して極めて有益である。
1 減勢管
2 管本体
3 螺旋案内路
5 螺旋状板部材
7 水抜き孔
10 傾斜管渠

Claims (4)

  1. 傾斜した管渠内を流下する水流を減勢する減勢管であって、
    上記管渠の末端部を構成する円筒状の管本体と、
    上記管本体内に設けられ、複数の螺旋状板部材によって構成される螺旋案内路と、
    を備えていることを特徴とする減勢管。
  2. 上記請求項1に記載の減勢管において、
    上記各螺旋状板部材における管底の近傍部に、上記螺旋案内路を軸方向に貫通する水抜き孔が設けられていることを特徴とする減勢管。
  3. 上記請求項2に記載の減勢管において、
    上記水抜き孔のエッジ部が面取り加工されていることを特徴とする減勢管。
  4. 上記請求項1〜3のいずれか1つに記載の減勢管において、
    上記螺旋案内路は、最も上流側の上記螺旋状板部材の上流側の面に流下水が最初に当接し易く、且つ、当該上流側の面に当接して跳ね返った流下水が当該螺旋状板部材の下流側の面に当接し難い形状になるように、螺旋状の開始位置が設定されていることを特徴とする減勢管。
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