JP6667905B2 - エアリフト装置 - Google Patents

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本発明は、水底にある物体を、ライザー管を通して水面付近まで引き上げて回収するエアリフト装置に関するものである。
揚水ポンプの一つとしては、ライザー管に圧縮空気を吹き込んで揚水を行うエアリフトポンプが知られている。
また、水底に沈殿している土砂や汚泥などの堆積物を水面付近まで引き上げるために、エアリフトポンプによる揚水機能を利用する形式の装置が知られている。この種の装置の一つとしては、バブル噴流式エアリフトポンプが従来提案されている。
これは、上下に延びるライザー管(エアリフトライザー)と、ライザー管の底部に設けられた円錐状のスカートと、スカートに設けられた複数のバブル噴流発生装置とを備えた構成とされている。各バブル噴流発生装置は、気泡が混合された水を、スカートの内側で斜め下の内向きに噴出させる機能を備えている(たとえば、特許文献1参照)。
かかる構成としてあるバブル噴流式エアリフトポンプは、各バブル噴流発生装置から噴出される噴流により、スカートの内側で旋回流を発生させ、この旋回流により水底に溜まっている土砂や汚泥などの堆積物を巻き上げると共に、スカートの内側で水と撹拌、混合することができる。更に、スカートの内側では、遠心力により中心部の気泡を合体させて、大きなバブルとして上昇させることができる。よって、前記バブル噴流式エアリフトポンプは、ライザー管内でエアリフトポンプの作用を生じさせることができて、前記のように巻き上げられた堆積物と水の混合物を、ライザー管を通して上方へ引き上げることができるものとされている。
特開2005−291171号公報
ところが、特許文献1に示されたバブル噴流式エアリフトポンプは、水底の堆積物を巻き上げるために、ライザー管の底部に備えたスカートの内側で旋回流を発生させるようにしている。
そのため、前記バブル噴流式エアリフトポンプは、水底に存在している土砂や汚泥のような堆積物の回収に有効であるとしても、より大きな粒径の物体、たとえば、粒径が数十ミリメートルから百ミリメートル、あるいはそれ以上の粒径となる礫や瓦礫のような物体を水底から回収する作業には適していない。
すなわち、スカートの内側で旋回流を発生させると、旋回流に乗って移動している物体には、遠心力が作用する。この際、物体に作用する遠心力の大小は、物体の慣性質量の大小に依存する。
そのため、土砂や汚泥のように粒径が大きくても数ミリメートル程度の物体は、その慣性質量の小ささに応じて旋回流中で作用する遠心力があまり大きくならないので、旋回流が存在するとしても、スカート内からライザー管に向かう水の流れによって容易に搬送される。
これに対し、粒径が数十ミリメートルから百ミリメートル、あるいはそれ以上の粒径となる礫や瓦礫のような物体は、より大きな慣性質量を備えているため、スカート内で生じている旋回流中では、より大きな遠心力を受けて外周方向へ移動しやすい。この際、スカートは、下方に向けて拡径する形状とされているため、前記粒径の礫や瓦礫のような物体は、スカート内で外周方向に移動すると、スカートの周壁の傾斜に沿い下方へ送られてしまう。そのため、前記粒径の礫や瓦礫のような物体は、スカートよりも上方のライザー管まで到達しにくく、よって、ライザー管を通して上方に送られる現象が生じにくいというのが実情である。
そこで、本発明は、水底に沈んでいる物体であって、設定された粒径範囲の回収対象となる物体について、水面付近まで引き上げて回収する効率の向上化を図ることができるエアリフト装置を提供しようとするものである。
本発明は、前記課題を解決するために、ライザー管と、前記ライザー管の下端寄りに設けられた散気部と、前記散気部に接続されて圧縮空気を供給する空気供給部と、前記ライザー管の下端側開口の外周に設けられたフランジ部と、前記ライザー管の上端側開口に接続されて、該上端側開口から吐出される混合流体から空気を分離する分離器と、前記分離器の出口の下流側に設けられて、前記分離器から水と共に排出される回収対象物体を回収する回収部と、を備え、更に、前記散気部は、前記ライザー管の下端寄りの周壁に周方向に間隔を隔てて配置されて、長手方向の一端側が前記ライザー管の周壁に固定された複数の空気噴出管を備え、前記複数の空気噴出管の間には、回収を望む前記回収対象物体について設定された粒径範囲の上限値よりも設定された余裕分、大きな通路を形成した構成を備えたエアリフト装置とする。
前記散気部は、前記複数の空気噴出管を、前記ライザー管の軸心位置から放射方向に延びる姿勢で、前記ライザー管の下端寄りの周壁に周方向に間隔を隔てて配置した構成としてもよい。
前記散気部は、前記ライザー管の中央部で且つ前記各空気噴出管の突出端部同士の内側となる個所と、前記ライザー管の外周寄りにおける周方向に隣接して配置された前記空気噴出管同士の間に、前記通路を備えた構成としてもよい。
前記分離器は、サイクロン形式としてもよい。
前記分離器は、空気出口を備え、前記分離器の前記空気出口の下流側には、バグフィルタが接続された構成としてもよい。
前記分離器は、空気出口を備え、前記分離器の前記空気出口には、排気筒の上流側端部が接続され、前記排気筒の下流側端部は水面に向く姿勢とされた構成としてもよい。
本発明のエアリフト装置によれば、水底に沈んでいる物体であって、設定された粒径範囲の回収対象となる物体について、水面付近まで引き上げて回収する効率の向上化を図ることができる。
エアリフト装置の第1実施形態を示す概略側面図である。 図1のエアリフト装置における散気部を拡大して示す図である。 散気部における空気噴出管の別の配置例を示す図である。 図1のエアリフト装置における分離器を拡大して示す図である。 第1実施形態の第1応用例を示す図である。 第1実施形態の第2応用例を示す図である。 エアリフト装置の第2実施形態を示す概略側面図である。 エアリフト装置の第3実施形態を示す概略側面図である。
以下、本発明のエアリフト装置について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、エアリフト装置の第1実施形態を示す一部切断概略側面図である。図2は、エアリフト装置における散気部を拡大して示すもので、図2(a)は切断側面図、図2(b)は、図2(a)のA−A方向矢視図である。図3(a)(b)は、それぞれ散気部の別の構成例を示す図2(b)に対応する図である。図4は、エアリフト装置における分離部を拡大して示す切断側面図である。
本実施形態のエアリフト装置は、図1に符号1で示すもので、ライザー管2と、ライザー管2の下端寄りに設けられた散気部3と、散気部3に接続されて、散気部3へ圧縮空気5を供給する空気供給部4と、ライザー管2の下端側開口2aの外周に設けられたフランジ部6と、ライザー管2の上端側開口2bに接続されて、上端側開口2bから吐出される混合流体7から空気5aを分離する分離器8と、分離器8の出口9の下流側に設けられて、分離器8の出口9から水10と共に排出される回収対象物体11を回収する回収部12と、を備えた構成とされている。
ライザー管2は、下端側開口2aを回収対象物体11が沈んでいる水底13の付近に配置した状態のときに、上端側開口2bが、水面14よりも設定された寸法分、上方に位置するように、ライザー管2の上下方向寸法が設定されている。
たとえば、本実施形態のエアリフト装置1が、水深が数メートルから十数メートル程度となる水底13からの回収対象物体11の回収に使用される場合、ライザー管2の上下方向寸法は、目的とする作業領域の水深に、1メートルから2メートル程度に設定される付加寸法を足した寸法に設定される。なお、この付加寸法は、分離器8の形式やサイズなどを考慮して適宜変更してもよいことは勿論である。
本実施形態では、ライザー管2は、図2(b)に示すような円形の断面形状を備えた管とされている。また、本実施形態では、ライザー管2は、図1に示すように、全長に亘り一定の径(内径)を備えた管とされている。
ところで、本実施形態のエアリフト装置1は、回収を望む回収対象物体11の粒径範囲が、下限値Xから上限値Yというように設定される。下限値Xは、たとえば、数十ミリメートルに設定され、上限値Yは、たとえば、百ミリメートル程度に設定される。なお、この下限値Xと上限値Yの数値は、一例であって、いずれか一方、または、双方を異なる数値に設定してもよいことは勿論である。よって、上限値Yは、百ミリメートルよりも大きな設定値であってもよい。説明の便宜上、回収を望む回収対象物体11について設定された粒径範囲は、以下、単に、粒径範囲という。
ところで、本実施形態のエアリフト装置1は、後述するように、ライザー管2内で生じるエアリフトポンプの作用を利用して、回収対象物体11を水底から水面付近まで引き上げて回収するものである。そのため、揚程、ライザー管2の流路の断面形状や断面積、回収対象物体11の密度や形状に関連して、回収可能な回収対象物体11の粒径には、制限が生じる。よって、粒径範囲の上限値Yは、予備試験や数値計算などで回収可能な条件を見出して設定するようにすればよい。なお、本発明者は、本実施形態のエアリフト装置1の試験モデルにより、ライザー管2の内径が約200ミリメートル、揚程が数メートルという条件について、粒径が100ミリメートル程度の瓦礫などの物体を、ライザー管2を通して引き上げることが可能であることを確認している。
ライザー管2は、粒径範囲の上限値Yの粒径を有する回収対象物体11を、下端側開口2aから上端側開口2bまで通す機能が必要とされる。この点から考えると、ライザー管2の内径は、粒径範囲の上限値Yの2倍以上の寸法であることが好ましい。なお、この条件は、ライザー管2の内径の好ましい設定例であって、ライザー管2の内径は、粒径範囲の上限値Yの2倍以上の寸法に限定されるものではない。
更に、本実施形態では、ライザー管2は、図1に示すように、上端側が横向きに屈曲されて、上端側開口2bが横向きとなる構成とされている。ライザー管2は、ライザー管2内を流通する混合流体7を上端側開口2bへより確実に導くためには、上端側における横向きに屈曲された部分が、水平方向に延びるか、または、上端側開口2bに向けてやや下方傾斜となる構成とすることが好ましい。
なお、ライザー管2は、上端側における横向きに屈曲された部分が、水平方向か、または、上端側開口2bに向けてやや下方傾斜となる構成に限定されるものではない。更に、ライザー管2は、上端側開口2bが分離器8に接続可能であれば、たとえば、上端側がより大きな曲率で湾曲して上端側開口2bが横向きとなる形状など、図示した形状以外の形状としてもよいことは勿論である。
散気部3は、図2(a)(b)に示すように、ライザー管2の下端寄りの周壁に周方向に間隔を隔てた配置で設けられた複数の空気噴出管15と、空気供給部4から供給される圧縮空気5を、各空気噴出管15へ分散して供給するヘッダ16とを備えた構成とされている。
各空気噴出管15は、図2(b)に示すように、ライザー管2の軸心位置Oを中心とする放射方向に沿う姿勢とされている。各空気噴出管15は、外周側に位置する長手方向の一端側が、ライザー管2の周壁に、内外方向に貫通する状態で取り付けられている。したがって、各空気噴出管15は、長手方向の一端側がライザー管2の周壁に固定され、長手方向の他端側が自由端となる片持ち支持が行われている。
更に、散気部3は、各空気噴出管15の長手方向寸法と周方向の配列が、次の2つの条件を満たすように設定されている。
第1の条件は、ライザー管2の中央部では、ライザー管2の軸心方向に突出して配置されている各空気噴出管15の他端部同士の内側に、粒径範囲の上限値Yよりも設定された余裕分、大きな直径を備えた一点鎖線で示す如き通路17aが形成されるという条件である。
第2の条件は、ライザー管2の外周寄りでは、周方向に隣接して配置された空気噴出管15同士の間に、前記した通路17aと同様の直径を備えた二点鎖線で示す如き通路17bが形成されるという条件である。
これら2つの条件を満たすことにより、散気部3では、粒径範囲の上限値Y以下の粒径を有する回収対象物体11は、通路17aや通路17bを通して容易に散気部3を通過させることができる。よって、本実施形態のエアリフト装置1は、粒径範囲の上限値Y以下の粒径を有する回収対象物体11は、散気部3を下方から上方へ通過させてライザー管2内へ進入させることができる。
一方、散気部3では、粒径範囲の上限値Yよりも大きい粒径の物体は、各空気噴出管15の存在により、通路17aや通路17bを通過することが阻害される。よって、本実施形態のエアリフト装置1は、粒径範囲の上限値Yよりも大きい粒径の物体が、散気部3を通過してライザー管2内へ進入することを抑制することができる。
したがって、本実施形態のエアリフト装置1では、散気部3の各空気噴出管15が、回収対象物体11を選択的にライザー管2へ進入させるためのスクリーンとして機能する。
図2(b)は、ライザー管2の内径と、粒径範囲の上限値Yとの比が、約4対1の場合について、前記した第1と第2の各条件を満たす散気部3の構成例を示している。
本構成例では、ライザー管2の周壁には、周方向45度間隔の8個所に、空気噴出管15が設けられている。
これにより、ライザー管2の外周寄りでは、周方向に隣接して配置された空気噴出管15同士の間となる周方向の8個所に、通路17bが形成されている。
各空気噴出管15のうち、図上、上下左右となる周方向90度間隔の配置となる4本の空気噴出管15は、長手方向の他端部が、通路17aに近接する長さ寸法に設定されている。
残る4本の空気噴出管15は、長さ寸法が、前記4本の空気噴出管15の半分程度に設定されている。
本構成例の散気部3は、長さ寸法が長短異なる空気噴出管15を周方向に交互に備えることにより、短い空気噴出管15の長手方向他端部よりも内周寄りで、且つ周方向に隣接配置されている長い空気噴出管15同士の間となる個所に、前記した通路17bと同様の直径を備えた二点鎖線で示す如き通路17cを、更に形成している。
したがって、本構成例の散気部3は、通路17aと通路17bに加えて、通路17cを備えているので、粒径範囲の上限値Y以下の粒径を有する回収対象物体11を、散気部3を下方から上方へ通過させてライザー管2内へ、より円滑に進入させることができる。
なお、散気部3は、図2(b)と同様の構成において、4本の短い空気噴出管15を備える構成に代えて、8本の空気噴出管15のすべてが、長手方向の他端部が通路17aに近接する長さ寸法に設定された構成としてもよい。この構成の散気部3では、通路17cは形成されないが、通路17aと通路17bは形成されるため、前記した散気部3の各空気噴出管15によるスクリーン機能を得ることができることは明らかである。
また、図2(b)では、ライザー管2の内径と、粒径範囲の上限値Yとの比が、約4対1の場合の散気部3の構成例を示したが、ライザー管2の内径と、粒径範囲の上限値Yとの比が、たとえば、約8対3の場合、約2対1の場合は、それぞれ図3(a)、図3(b)に示す構成例とすればよい。なお、図3(a)(b)において、図2(b)と同一のものには、同一符号が付してある。
図3(a)は、ライザー管2の内径と、粒径範囲の上限値Yとの比が、約8対3の場合について、前記した第1と第2の各条件を満たす散気部3の構成例を示している。したがって、図3(a)では、粒径範囲の上限値Yに対応して設定される通路17aと通路17bのライザー管2に対する相対的な寸法が、図2(b)とは相違している。
本構成例では、ライザー管2の周壁には、周方向90度間隔の4個所に、空気噴出管15が設けられている。各空気噴出管15は、長手方向の他端部が、ライザー管2の中央部に設定される一点鎖線で示す如き通路17aに近接する長さ寸法に設定されている。
これにより、ライザー管2の外周寄りでは、周方向に隣接して配置された空気噴出管15同士の間となる周方向の4個所に、二点鎖線で示す如き通路17bが形成されている。
図3(b)は、ライザー管2の内径と、粒径範囲の上限値Yとの比が、約2対1の場合について、前記した第1と第2の各条件を満たす散気部3の構成例を示している。したがって、図3(b)では、粒径範囲の上限値Yに対応して設定される通路17aと通路17bのライザー管2に対する相対的な寸法が、図2(b)とは相違している。
本構成例では、ライザー管2の周壁には、周方向120度間隔の3個所に、空気噴出管15が設けられている。各空気噴出管15は、長手方向の他端部が、ライザー管2の中央部に設定される一点鎖線で示す如き通路17aに近接する長さ寸法に設定されている。
これにより、ライザー管2の外周寄りでは、周方向に隣接して配置された空気噴出管15同士の間となるに、二点鎖線で示す如き通路17bが形成されている。
図3(a)、図3(b)の各構成例の散気部3によっても、各空気噴出管15によるスクリーン機能を得ることができる。
各空気噴出管15は、他端部が閉塞されると共に、図2(a)に示すように、各空気噴出管15の長手方向の複数個所には、空気ノズル18が、下方に向く姿勢で設けられている。
ヘッダ16は、ライザー管2の外周面に、ライザー管2の外周面に沿って延びる樋状の部材を、各空気噴出管15の長手方向一端部を覆う配置で、周方向の全周に亘り取り付けた構成とされている。
ヘッダ16には、周方向の一個所に空気入口19が設けられている。
空気供給部4は、一端側がヘッダ16の空気入口19に接続された空気ライン20と、空気ライン20の他端側に接続された圧縮空気5の供給源21とを備えた構成とされている。供給源21としては、コンプレッサや圧縮空気タンクを用いるようにすればよい。
更に、空気ライン20は、遠隔操作による開閉操作が可能な電磁弁22を備えた構成とされている。なお、空気ライン20は、本実施形態のエアリフト装置1の使用時に水中に配置される部分は、ライザー管2に、図示しない保持具を介して保持させておくようにすればよい。
これにより、空気供給部4は、電磁弁22が開操作されると、供給源21から空気ライン20を通して導かれる圧縮空気5を、散気部3におけるヘッダ16の空気入口19へ供給することができる。
このヘッダ16に供給された圧縮空気5は、ヘッダ16内で周方向に分散された後、各空気噴出管15に一端部から流入する。したがって、散気部3では、各空気噴出管15の各空気ノズル18から、圧縮空気5が下方に向けて噴出される。
このとき、図1に示したように、ライザー管2の下端側開口2aが水底13付近に配置されている状態であれば、各空気噴出管15の空気ノズル18から下方に向けて噴出された圧縮空気5により気泡が発生する。この気泡は、各空気噴出管15が配置されているライザー管2内で上昇するため、この気泡の上昇に伴い、ライザー管2内には、エアリフトポンプの作用が生じる。
したがって、ライザー管2では、下端側開口2aからの水10の吸入が開始される。このため、ライザー管2の下端側開口2aの付近に存在している回収対象物体11は、ライザー管2の下端側開口2aから吸入される水10の流れに乗ると、下端側開口2aから、前記したように散気部3の各空気噴出管15の間を通過して、ライザー管2に吸入されるようになる。したがって、ライザー管2内では、下端側開口2aから吸入される水10と、気泡と、回収対象物体11とを含む混合流体7が、上端側開口2bへ向けて送られる現象が生じる。
一方、空気供給部4は、電磁弁22が閉操作されると、圧縮空気5の散気部3への供給を停止する。
これにより、散気部3では、各空気噴出管15の空気ノズル18からの圧縮空気5の噴出が停止されるため、気泡の発生が停止される。したがって、ライザー管2内では、気泡の上昇が行われなくなるため、エアリフトポンプの作用が停止される。
フランジ部6は、図2(a)に示すように、ライザー管2の下端側の外周面に取り付けられた環状のプレートであり、下端側開口2aを中心として外周側へ設定された寸法で広がる下向きの面を備える構成とされている。本実施形態では、ヘッダ16の底板が、フランジ部6を兼ねる構成とされている。
なお、フランジ部6が備える下向きの面は、フランジ部6の製作を容易にする点から考えると、図2(a)に示すように、ライザー管2の軸心方向に対して直交する方向に沿う平面とすることが好適である。なお、フランジ部6が備える下向きの面は、中心側から外周側へ、ライザー管2の軸心方向に対して直交する方向から30度以内の角度範囲で上下方向に傾斜する面(錐台面)であってもよい。更に、フランジ部6が備える下向きの面は、たとえば、下端側開口2aを中心とする放射方向に延びる凹部を周方向に配列して備えるなど、凹凸を備えていてもよい。
これにより、本実施形態のエアリフト装置1では、ライザー管2の下端側開口2aが水底13付近に配置された状態になると、フランジ部6と、水底13におけるフランジ部6の下方に位置する部分との間に、ライザー管2の下端側開口2aを中心として水底13に沿って外周に広がる隙間23を形成することができる。
この隙間23が形成された状態で、前記したようなライザー管2の下端側開口2aからの水10の吸入が行われると、隙間23では、水底13に沿い外周側から中心側へ向かう水10の流れが形成される。
ここで、本実施形態に対する比較例として、本実施形態と同様のライザー管2が、下端側開口2aの外周にフランジ部を備えない構成について考える。この構成では、ライザー管2の下端側開口2aから水10の吸入を行うと、下端側開口2aの外周側近傍位置に対しては、外周側に加えて上方からも水10が供給される。このため、下端側開口2aの周囲に生じる水底13に沿う方向の水10の流れはあまり強くならず、また、発生領域も下端側開口2aの近くに限定される。
これに対し、本実施形態におけるライザー管2は、フランジ部6を備えているため、下端側開口2aの外周側近傍位置に対して上方から水10が流入することはない。よって、フランジ部6と水底13との隙間23では、ライザー管2の下端側開口2aからの水10の吸入時に、水底13に沿って下端側開口2aに向かう水10の流れを、前記比較例に比して強い流れとして発生させることができる。
このため、本実施形態のエアリフト装置1は、ライザー管2の下端側開口2aからの水10の吸入時には、水底13に沈んでいる回収対象物体11を、水底13に沿って下端側開口2aに向かう強い水10の流れにより下端側開口2aまで移動させることができ、よって、下端側開口2aからライザー管2へ回収対象物体11を吸入する効率を向上させることができる。
分離器8は、本実施形態では、サイクロン形式の分離器8とされている。
分離器8は、図4に示すように、上下に延びる円筒形状の外筒24と、外筒24の上端側を閉塞する天井壁25と、天井壁25の中央部を貫通させて上方から外筒24の中心部に同心状に挿入配置された内筒26とを備えた構成とされている。
外筒24は、上端側の周方向の一個所に開口を備え、この開口に、ライザー管2の上端側開口2bが、外筒24の接線に沿う方向から連通接続されている。図4では、図示する便宜上、外筒24に対するライザー管2の上端側開口2bの接続部分の構成を簡略化して示してある。
分離器8は、外筒24の下端側の開口が、回収対象物体11を含む水10の出口9とされ、内筒26の上端側の開口が、空気出口27とされている。
これにより、分離器8では、ライザー管2を通して導かれて上端側開口2bから吐出される水10と気泡と回収対象物体11とを含む混合流体7が、外筒24内に流入すると、外筒24の内周面に沿い混合流体7の旋回流が形成される。
この混合流体7の旋回流中では、混合流体7に含まれている気泡が、水10や回収対象物体11との密度差に応じて外筒24の軸心位置に集められて、回収対象物体11を含んだ水10と効率よく分離される。その後、回収対象物体11を含んだ水10は、自重により、出口9を通して下方に排出される。一方、外筒24の軸心位置に集められた気泡は、合体して空気5aの固まりとなって内筒26に下端側から進入し、内筒26の上端側の空気出口27から排出される。
なお、本実施形態では、分離器8は、本実施形態のエアリフト装置1を、図1に示すようにライザー管2の下端側開口2aを回収対象物体11が沈んでいる水底13付近に配置した使用状態のときに、外筒24の下端寄りの部分が水没して、出口9が水面下に配置されるように、外筒24の上下方向寸法が設定されている。
このように、本実施形態のエアリフト装置1の使用時に分離器8の出口9が水中に配置される構成としたのは、以下の理由による。
すなわち、ライザー管2の上端側開口2bから分離器8へ流入する混合流体7には、回収対象物体11と同様に水底13に沈んでいた砂や汚泥のような微細な固形物が含まれていることがある。また、回収対象物体11を含む水10が水面14に落下するときには、飛沫が生じる。よって、この飛沫には、水底13に沈んでいた微細な固形物が含まれる可能性がある。
そこで、本実施形態における分離器8は、出口9を水中に配置することにより、水底13に沈んでいた微細な固形物が飛沫に含まれた状態で周辺環境に飛散することや、飛沫自体が周辺環境に飛散することを抑制できるようにしてある。
分離器8の空気出口27には、図1に示すように、下流側端部が水面14に向く姿勢に配置された排気筒28の上流側端部を接続した構成とすることが好ましい。この構成によれば、分離器8の空気出口27から排出される空気5aは、排気筒28を通過した後、排気筒28の下流側端部から、水面14に向かう流れとして排出される。したがって、この排気筒28を備えた構成では、分離器8の空気出口27から排出される空気5aに、外筒24内で生じる飛沫や、前記したような水底13に沈んでいた微細な固形物が含まれた飛沫が同伴されていたとしても、それらの飛沫を、空気5aの流れにのせて水面14に向けて吹き付けることができる。よって、排気筒28を備えた構成によれば、分離器8の空気出口27から排出される空気5a中に含まれている飛沫自体や、飛沫に含まれる微細な固形物は、水面14でトラップすることができて、周辺環境への放散を抑制することができる。
回収部12は、本実施形態では、上端側に開口29を有し、側部と底部が金網や多孔板などの孔を有する部材で形成された籠状の容器とされている。側部と底部に備える孔は、個々の孔の開口面積や開口形状が、粒径範囲の下限値Xの回収対象物体11が通過できないように設定されている。なお、回収部12は、側部と底部のいずれか一方のみが、水10を通過させる孔を有する部材で形成された構成としてもよい。
更に、回収部12は、上端側の開口29が、分離器8の出口9を囲む大きさに設定されていて、開口29の外周にはフロート30が取り付けられている。これにより、回収部12は、図1に示すように、開口29を、分離器8の出口9を取り囲むように配置した状態で、フロート30の浮力によって水面14付近に浮かんだ状態に配置できるようにしてある。
この状態で、回収部12は、分離器8の出口9から排出される回収対象物体11を含んだ水10を、回収部12の内側に受けることができる。更に、回収部12は、側部と底部に備えた孔を通して水10を外部に排出することができると共に、側部と底部に備えた孔を通過する水10の流れにのせて、粒径範囲の下限値Xよりも小さい回収対象とはならない物体を外部に排出することができる。
よって、回収部12は、分離器8の出口9から排出される回収対象物体11を含んだ水10から、回収対象物体11を選択的に捕集することができる。
本実施形態のエアリフト装置1は、天井クレーンや、他の形式のクレーンのような搬送装置で吊り上げて、使用時の位置決めや、水底13における回収対象物体11の回収を行う位置の変更を行うことができるように、装置全体の上端側に位置する個所に吊部31を備えることが好ましい。図1は、ライザー管2の上端側と排気筒28の上端側に吊部31を備えた構成を例示しているが、吊部31を備える個所の配置や数はこれに限定されないことは勿論である。
以上の構成としてある本実施形態のエアリフト装置1を使用する場合は、回収対象物体11が沈んでいる水底13付近にライザー管2の下端側開口2aが配置されるように、本実施形態のエアリフト装置1の位置決めを行う。この際、分離器8の出口9に対応する位置には、回収部12を配置する。
また、空気供給部4は、電磁弁22を閉止した状態で、供給源21から空気ライン20への圧縮空気5の供給を開始しておく。
次に、本実施形態のエアリフト装置1は、回収対象物体11の回収作業を実際に開始するときには、空気供給部4の電磁弁22を開操作する。
これにより、空気供給部4は、散気部3への圧縮空気5の供給を開始する。
したがって、散気部3では、各空気噴出管15の各空気ノズル18から下方に向けて圧縮空気5が噴出され、この噴出された圧縮空気5により気泡が発生する。
散気部3で発生した気泡は、ライザー管2内で上昇するため、ライザー管2内には、エアリフトポンプの作用が生じる。
したがって、ライザー管2では、下端側開口2aからの水10の吸入が開始されるため、下端側開口2aの付近に存在している粒径範囲の下限値Xから上限値Yまでの粒径を備える回収対象物体11は、散気部3の各空気噴出管15の間を通過して、ライザー管2に吸入される。
よって、ライザー管2内では、水10と、気泡と、回収対象物体11とを含む混合流体7が、水面14よりも上方に配置されている上端側開口2bに向けて送られる。
ライザー管2の上端側開口2bまで送られた混合流体7は、分離器8で気泡を形成していた空気5aが分離された後、水10と回収対象物体11が、出口9から回収部12へ送られる。
回収部12では、水10と、粒径範囲の下限値Xよりも小さい回収対象とはならない物体は、側部と底部に備えた孔を通して外部に排出される。よって、本実施形態のエアリフト装置1は、粒径範囲の下限値Xから上限値Yまでの粒径を備える回収対象物体11を、回収部12に捕集することができる。
その後は、本実施形態のエアリフト装置1は、必要に応じて、ライザー管2の下端側開口2aの位置を、水底13付近で新たな回収対象物体11が沈んでいる位置へ移動させて、回収対象物体11を水底13から引き上げて回収部12へ捕集する作業を、継続して行うようにすればよい。
本実施形態のエアリフト装置1は、回収対象物体11の回収作業を停止、あるいは終了するときには、空気供給部4の電磁弁22を閉操作する。
しかる後、本実施形態のエアリフト装置1では、回収部12に補修された回収対象物体11を、回収部12ごと水面14から引き揚げて回収するようにすればよい。この回収部12の水面14からの引き揚げに伴い、回収部12に捕集されている回収対象物体11は、水10を切った状態で回収される。
このように、本実施形態のエアリフト装置1によれば、設定された粒径範囲の粒径、たとえば、数十ミリメートルに設定された下限値Xから、100ミリメートル程度に設定された上限値Yまでの粒径を有する回収対象物体11を、水底13から引き揚げて回収することができる。
更に、本実施形態のエアリフト装置1は、ライザー管2の下端寄りに備えたフランジ部6と水底13との隙間23で、水底13に沿い下端側開口2aに向かう水10の流れを生じさせることができる。このため、本実施形態のエアリフト装置1は、この水10の流れにのせて、水底13に沈んでいる回収対象物体11を下端側開口2aまで移動させることができて、下端側開口2aからライザー管2へ回収対象物体11を吸入する効率を向上させることができる。
しかも、本実施形態のエアリフト装置1は、ライザー管2の下端側で、特許文献1に示されたもので発生させていたような旋回流を発生させることはない。
したがって、本実施形態のエアリフト装置1は、水底13に沈んでいる回収対象物体11について、水面14付近まで引き上げて回収する効率の向上化を図ることができる。
更に、本実施形態のエアリフト装置1では、散気部3における各空気噴出管15が、設定された粒径範囲の上限値Yよりも大きな粒径の物体がライザー管2に引き込まれることを抑制するスクリーンとしても機能する。したがって、本実施形態のエアリフト装置1は、想定外の粒径の物体によるライザー管2の詰まりを防ぐことができる。
なお、本実施形態のエアリフト装置1では、散気部3の各空気噴出管15が前記したようなスクリーンとしての機能を備えることに伴い、ライザー管2に吸い込まれる回収対象物体11の形状や粒径によっては、空気噴出管15に対して多少の引っ掛かりを生じることが考えられる。
しかし、本実施形態のエアリフト装置1は、各空気噴出管15を片持ちで支持した構成として、各空気噴出管15におけるライザー管2の軸心寄りに配置された端部が自由端となっている。このため、各空気噴出管15は、回収対象物体11が空気噴出管15に沿い自由端側へスライドして自由端を通り過ぎれば、回収対象物体11の空気噴出管15に対する引っ掛かりは容易に解消される。更に、各空気噴出管15は、回収対象物体11から受ける力が大きくなる場合には、自由端側が変位する撓みを生じることが可能である。
よって、本実施形態のエアリフト装置1は、ライザー管2に吸い込まれる回収対象物体11が空気噴出管15に対して引っ掛かりを生じたとしても、回収対象物体11が空気噴出管15に沿い自由端の方向へ移動することや、空気噴出管15が撓むことで、その回収対象物体11の引っ掛かりを解くことができる。
各空気噴出管15は、長手方向の複数個所に設けた各空気ノズル18から、下方に向けて圧縮空気5を噴出している。このため、ライザー管2の下端側開口2aから吸い込まれた回収対象物体11が空気噴出管15に下方から接近するときには、各空気ノズル18から噴出される圧縮空気5により、回収対象物体11が、空気噴出管15に当たる勢いを弱めることができる。これにより、本実施形態のエアリフト装置1は、ライザー管2に吸入される回収対象物体11が空気噴出管15に当たることで生じる空気噴出管15の損傷を抑制することができる。
[第1実施形態の第1応用例]
図5は、第1実施形態の第1応用例を示すもので、図5(a)は、別の構成例のフランジ部を備えたライザー管の下端寄り部分の切断側面図、図5(b)は、更に別の構成例のフランジ部を備えたライザー管の下端寄り部分の切断側面図である。
なお、図5(a)(b)において、第1実施形態と同一のものには同一符号を付して、その説明を省略する。
前記第1実施形態では、ヘッダ16の底板が、フランジ部6を兼ねる構成を示したが、フランジ部は、図5(a)に示す構成や、図5(b)に示す構成としてもよい。
図5(a)に示す構成は、第1実施形態と同様の構成としてあるヘッダ16の外周面の下端寄り位置に、外周側へ張り出す円環形状のプレート部材32を取り付けて、このプレート部材32とヘッダ16の底板とを合わせたものがフランジ部6aを形成している。
ヘッダ16は、空気供給部4(図1参照)から供給される圧縮空気5を各空気噴出管15へ分散して供給するものであり、この圧縮空気5の分散供給機能を得るために必要とされる寸法は定まる。よって、その必要とされる寸法よりも過剰に大きなヘッダ16を備えることは、ヘッダ16の製造に要する材料やコストの増加につながる。
これに対し、図5(a)に示すフランジ部6aは、ヘッダ16を拡大することなく、フランジ部6aの径寸法を容易に拡大することができる。
図5(b)に示すフランジ部6bは、ライザー管2の下端寄り個所の外周面に、ヘッダ16とは別体の円環形状のプレート部材を、取り付けた構成とされている。
このフランジ部6bを採用する構成では、ヘッダ16は、フランジ部6bの形成には関係しない。よって、ヘッダ16は、空気供給部4から供給される圧縮空気5を、ライザー管2に取り付けられている各空気噴出管15の一端部に分配して供給することができれば、樋状の部材をライザー管2の外周面に取り付けた構成以外の任意の構成を採用してもよい。
よって、図5(b)のフランジ部6bを採用する場合は、ヘッダ16の形状や構成の自由度を高めることができる。
[第1実施形態の第2応用例]
図6は、第1実施形態の第2応用例を示すもので、図6(a)は、散気部の別の構成例を示す切断平面図、図6(b)は、図6(a)のB−B方向矢視図である。
なお、図6(a)(b)において、第1実施形態と同一のものには同一符号を付して、その説明を省略する。
ここで、ライザー管2の径を拡大する場合を考える。ライザー管2の径を拡大する場合は、散気部3より噴出させる圧縮空気5の量を増加させる必要がある。
前記第1実施形態では、散気部3は、各空気噴出管15に空気ノズル18を備える構成を示した。したがって、前記第1実施形態における散気部3にて、各空気噴出管15に備えた空気ノズル18から噴出する圧縮空気5の量を増加させるためには、各空気噴出管15の径を太くする必要が生じる。
ところで、散気部3の各空気噴出管15は、回収対象物体11(図1参照)を選択的にライザー管2へ進入させるためのスクリーンとしての機能も備えている。このスクリーンとしての機能から考えると、各空気噴出管15が太くなることは、回収対象物体11が通過する通路17a,17b,17cを狭めることにつながってしまう。更に、空気噴出管15が撓むことで、回収対象物体11の引っ掛かりを解くという作用は、各空気噴出管15が太くなるにつれて得にくくなる。
そこで、本応用例における散気部3は、図6(a)(b)に示すように、第1実施形態における散気部3と同様の構成に加えて、ライザー管2の側壁に、空気ノズル18aを備え、空気ノズル18aがヘッダ16に連通接続された構成とされている。
図6(a)は、一例として、空気ノズル18aが、周方向に隣接する空気噴出管15同士の中間となる位置ごとに設けられた構成を示している。なお、空気ノズル18aは、ライザー管2にて望まれる圧縮空気5の噴出量と、各空気噴出管15の空気ノズル18から噴出可能な圧縮空気5の量との差などに応じて、ライザー管2の側壁に備える空気ノズル18aの数と配置は、図示した以外の設定としてよいことは勿論である。
以上の構成としてある本応用例における散気部3を採用する場合は、各空気噴出管15の空気ノズル18に加えて、ライザー管2の側壁の空気ノズル18aからも圧縮空気5を噴出することができる。したがって、本応用例の散気部3は、各空気噴出管15の太さの増加を抑えながら、圧縮空気5の噴出量の増加を図ることができる。よって、本応用例の散気部3は、ライザー管2の径の拡大化を図る場合に好適な散気部3とすることができる。
なお、本応用例における散気部3は、図5(a)(b)に示した第1実施形態の第1応用例に適用してもよいことは勿論である。
[第2実施形態]
図7は、エアリフト装置の第2実施形態を示す概略側面図である。
なお、図7において、第1実施形態と同一のものには同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態のエアリフト装置1は、第1実施形態と同様の構成において、分離器8の空気出口27の下流側に、排気筒28を接続した構成に代えて、分離器8の空気出口27(図4参照)の下流側に、バグフィルタ33を接続した構成としたものである。
バグフィルタ33の排気口の下流側には、誘引ファン34が接続されている。
以上の構成としてある本実施形態のエアリフト装置1は、誘引ファン34の運転により、分離器8の空気出口27から排出される空気5aを、バグフィルタ33に導いて、集塵処理を行うことができる。
したがって、分離器8の空気出口27から排出される空気5aに外筒24内で生じる飛沫が含まれ、その飛沫に水底13に沈んでいた微細な固形物が含まれていたとしても、その微細な固形物は、バグフィルタ33で捕集される。
よって、本実施形態のエアリフト装置1は、水底13に沈んでいた微細な固形物が、放射性物質や化学物質などの環境への放出を防止すべき環境汚染物質を含む場合に、その環境汚染物質が周辺環境に放散されることを、より確実に防止することができる。
なお、本実施形態のエアリフト装置1に、前記第1実施形態の第1応用例と第2応用例のいずれか一方または双方を適用してもよいことは勿論である。
[第3実施形態]
図8は、エアリフト装置の第3実施形態として、分離器の別の例を示す切断側面図である。
なお、本実施形態のエアリフト装置1の構成は、分離器以外は、図1から図3(a)(b)に示した第1実施形態と同様である。また、図8において、第1実施形態と同一のものには、同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態のエアリフト装置1における分離器8aは、図8に示すように、上下に延びる筒状の容器35を備え、容器35の側壁に設けられた開口に、ライザー管2の上端側開口2bが接続された構成を備えている。
容器35は、容器35内に流入した混合流体7が流れる流路の断面積が、ライザー管2における流路断面積よりも大となるように設定されている。これにより、容器35は、容器35内に流入した混合流体7の流速を減速させて、混合流体7中で、水10と回収対象物体11は自重により落下する一方、気泡は上方に移動する現象が生じるようにしてある。
本実施形態における分離器8aは、図8に示すように、前記した容器35内での混合流体7の減速の効果を高めるための手段として、たとえば、容器35内に、板状の減速部材36を、容器35内に流入する混合流体7が衝突する配置で備えた構成とされている。
かかる構成の分離器8aは、容器35内に混合流体7が流入すると、混合流体7の流れが減速部材36に衝突するので、混合流体7の流れの勢いを、より効率よく低減させることができる。
なお、減速部材36は、容器35内に流入する混合流体7の流れの勢いを減じることができるものであれば、図8に示した以外の形状、配置、数としてもよいことは勿論である。
また、ライザー管2に生じるエアリフトポンプの作用では、ライザー管2の上端側開口2bから混合流体7が吐出されるときには、回収対象物体11を含んだ水10の吐出と、気泡の排出とが交互に行われることがある。そのため、減速部材36は、ライザー管2の上端側開口2bから回収対象物体11を含んだ水10の吐出が断続的に行われると、その衝撃を繰り返し受けることがある。よって、このような衝撃が繰り返して減速部材36に作用するときにも分離器8aが揺れないようにするためには、分離器8aの重量は大きい方が有利である。
分離器8aは、容器35の下端側の開口が、回収対象物体11を含む水10の出口9とされ、容器35の頂部に、空気出口27が設けられている。
分離器8aは、空気出口27の下流側には、第1実施形態と同様の排気筒28が接続された構成とすればよいが、第2実施形態と同様にバグフィルタ33が接続された構成としてもよい。
以上の構成としてある分離器8aを備えた本実施形態のエアリフト装置1は、第1実施形態のエアリフト装置1と同様に使用して、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態のエアリフト装置1に、前記第1実施形態の第1応用例におけるフランジ部6a,6bと、第2応用例の散気部3のいずれか一方または双方を適用してもよいことは勿論である。
また、本発明は、前記各実施形態と各応用例にのみ限定されるものではない。
図1、図7に示した本開示のエアリフト装置1の各構成要素の形状や寸法、構成要素同士の寸法比は、図示する便宜上のものであって、実際の各構成要素の形状や寸法、構成要素同士の寸法比を反映したものではない。
ライザー管2は、円形の断面形状を備えた管を例示したが、角形など、円形以外の断面形状であってもよい。
また、ライザー管2内では、水圧の減少に伴って混合流体7中の気泡のサイズが大きくなることを考慮して、ライザー管2は、下端側開口2aよりも上端側開口2bで流路断面積が大きくなるように、長手方向の途中で断面形状や断面積が変化する管であってもよい。
分離器8,8aは、ライザー管2の上端側開口2bから吐出される混合流体7を受けて、回収対象物体11を含んだ水10と、空気5aとを分離する事ができれば、図4、図8に示した以外の分離方式や形式の分離器を採用してもよい。
回収部12は、分離器8,8aの出口9から排出される水10と回収対象物体11との混合物から、回収対象物体11を選択的に捕集することができれば、前記した以外の任意の形式の回収部12を採用してもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
2 ライザー管
2a 下端側開口
2b 上端側開口
3 散気部
4 空気供給部
5 圧縮空気
5a 空気
6,6a,6b フランジ部
7 混合流体
8,8a 分離器
9 出口
10 水
11 回収対象物体
12 回収部
14 水面
15 空気噴出管
17a,17b,17c 通路
27 空気出口
28 排気筒
33 バグフィルタ
Y 上限値

Claims (6)

  1. ライザー管と、
    前記ライザー管の下端寄りに設けられた散気部と、
    前記散気部に接続されて圧縮空気を供給する空気供給部と、
    前記ライザー管の下端側開口の外周に設けられたフランジ部と、
    前記ライザー管の上端側開口に接続されて、該上端側開口から吐出される混合流体から空気を分離する分離器と、
    前記分離器の出口の下流側に設けられて、前記分離器から水と共に排出される回収対象物体を回収する回収部と、を備え、
    更に、前記散気部は、前記ライザー管の下端寄りの周壁に周方向に間隔を隔てて配置されて、長手方向の一端側が前記ライザー管の周壁に固定された複数の空気噴出管を備え、
    前記複数の空気噴出管の間には、回収を望む前記回収対象物体について設定された粒径範囲の上限値よりも設定された余裕分、大きな通路を形成したこと、
    を特徴とするエアリフト装置。
  2. 前記散気部は、前記複数の空気噴出管を、前記ライザー管の軸心位置から放射方向に延びる姿勢で、前記ライザー管の下端寄りの周壁に周方向に間隔を隔てて配置した
    請求項1記載のエアリフト装置。
  3. 前記散気部は、前記ライザー管の中央部で且つ前記各空気噴出管の突出端部同士の内側となる個所と、前記ライザー管の外周寄りにおける周方向に隣接して配置された前記空気噴出管同士の間に、前記通路を備えた
    請求項2記載のエアリフト装置。
  4. 前記分離器は、サイクロン形式とした
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエアリフト装置。
  5. 前記分離器は、空気出口を備え、
    前記分離器の前記空気出口の下流側には、バグフィルタが接続された
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエアリフト装置。
  6. 前記分離器は、空気出口を備え、
    前記分離器の前記空気出口には、排気筒の上流側端部が接続され、
    前記排気筒の下流側端部は水面に向く姿勢とされた
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエアリフト装置。
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