JP6646497B2 - 流水用縦管装置 - Google Patents
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Description
また、都市部での浸水被害を低減するために、地表面近くの接近水路で雨水を集め、この雨水を地下深くに設けられた貯留施設に送ることが知られているが、この貯留施設の近傍にも、雨水を垂直に流下させる装置を設置することが求められる。
特許文献1には、流水用縦管装置として渦流式落差工が開示されている。この渦流式落差工は、一般的に現場打ちコンクリートで形成されており、縦管本体と、縦管本体の上端部に接続された導水路と、縦管本体の下端部に接続された流出管部とを備えている。導水路は縦管本体の内壁の接線方向に水平に延びている。導水路からの水が縦管本体の内壁の接線方向から流入するため、水は渦流(螺旋流)をなして縦管本体の内壁に沿って流れ落ち、その過程で水の落下エネルギーを減衰させることができる。
特許文献2の螺旋案内路式ドロップシャフトでは、落下エネルギーを十分に減衰でき、空気連行量も少なく安定した水流を確保できるが、上部の螺旋案内板とこの螺旋案内板の内周縁に固定される中心筒が必要であるため、構造が複雑になるとともに装置サイズが大きくなってしまう。
この構成によれば、上述した渦流式落差工と螺旋案内路式ドロップシャフトの利点を併せ持つことができる。すなわち、水の落下エネルギーを十分に減衰させることができ、空気連行率を減じることができ、装置の構造を簡略化し装置サイズを小さくできる。
この構成によれば、縦管本体の上端部から直管部にわたり、縦管本体の内壁に沿う渦流をより一層良好に形成することができる。
この構成によれば、直管部の長さが縦管本体の内径の10倍以下であるので、渦流は直管部を流下する過程で良好に維持される。また、直管部の長さが縦管本体の内径の2倍以上であるので、直管部での跳水を防止でき、上流側への背水を防止できる。
この構成によれば、螺旋案内板が3ピッチ以上であるので、流下する水に十分な螺旋運動を付与でき、6ピッチ以下であるので、装置構造をより一層の簡略化できる。
この構成によれば、流出管部の内径が縦管本体の内径の略半分であるので、空気連行率を低く抑えることができる。また、流出管部の縦管本体からの突出長さが流出管部の内径と略等しいので、水が流出管部からラッパ状に吐出するのを防止できる。
導水路3は上流から下流に向かって順に配列された3つの水路部分3a,3b,3cを有している。上流側水路部分3aは、その上流端が下水管6に接続されており、下流に向かって徐々に幅寸法が減少し、深さが増すようになっている。中間水路部分3bは断面形状が縦長の長方形で一定である。下流側水路部分3cは、下流に向かって徐々に幅が狭くなるとともに、深さが増すようになっていて、その下流端が上記流入口1aに接続されている。
上記流出管部4の内径は縦管本体1の内径Dの略半分であり、流出管部4の縦管本体1からの突出長さは、流出管部4の内径以上である。
導水路3の一方の内壁1xが縦管本体1の内壁1xの接線方向に延びているので、下水は縦管本体1の内壁1xに沿って渦流となって落下していく。流入口1aおよび導水路3の下流端近傍は垂直に細長く形成されているので、内壁1xに沿ってその近傍を流れるため、良好な渦流を形成することができる。
直管部1bの長さLを縦管本体1の内径Dの2倍以上としたのは、2倍未満では直管部1bで跳水が起き、上流側へ背水を引き起こすおそれがあるからである。
上記実施形態では、流水用縦管装置を下水道に用いたが、都市部での浸水被害の低減のために地表面近くの接近水路で集めた雨水を貯留施設に送るシステムに、用いてもよい。
縦管本体の上端は導水路の上端より上方に突出していてもよい。
1a 流入口
1b 直管部
1x 縦管本体の内壁
3 導水路
4 流出管部
5 螺旋案内板
Claims (6)
- 垂直に設置されるとともに、その上端部に側方に開口する流入口を有する縦管本体と、この縦管本体の上記流入口に接続された導水路とを備えた流水用縦管装置において、
上記流入口が垂直方向に細長く形成され、
上記導水路の下流側水路部分の一方の内壁が上記縦管本体の内壁の接線方向に延びるようにして上記流入口に接続され、上記導水路の下流側水路部分の他方の内壁が、上記縦管本体の中心を通り上記接線方向と平行な仮想線から見て、上記一方の内壁寄りの位置で上記流入口に接続され、
上記縦管本体の下部の内壁には螺旋案内板が取り付けられ、
上記縦管本体において、上記流入口の下端と上記螺旋案内板の上端との間の部位が直管部として提供され、上記直管部は、その中心部に渦流に囲まれた空気芯が形成されるように、空洞をなしていることを特徴とする流水用縦管装置。 - 上記導水路の下流側水路部分が上記流入口に向かって徐々に深くなるとともに、上記導水路の下流側水路部分の上記他方の内壁が上記流入口に向かって上記一方の内壁に近づくように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の流水用縦管装置。
- 上記直管部の長さが上記縦管本体の内径の2〜10倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の流水用縦管装置。
- 上記螺旋案内板は3〜6ピッチを有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流水用縦管装置。
- 上記縦管本体の下端が底部材で閉塞され、上記縦管本体の下端部には側方に延びる流出管部が接続されており、
上記流出管部の内径は上記縦管本体の内径の略半分であり、上記流出管部の縦管本体からの突出長さは、上記流出管部の内径以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の流水用縦管装置。 - 上記螺旋案内板の下端が、上記流出管部の上端と等しい高さであることを特徴とする請求項5のいずれかに記載の流水用縦管装置。
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