JP4738168B2 - 余水路流水の減勢工及び減勢方法 - Google Patents

余水路流水の減勢工及び減勢方法 Download PDF

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Description

本発明は、余水路流水を減勢させる減勢工に関する。
例えば、水力発電システムは、川などからの水を水力発電用水として蓄える水槽と、一端が水槽に接続された水圧管路と、水槽の下方に位置し水圧管路の他端が接続された発電機と、上流側端部が発電所に接続され、下流側端部が河川に接続された放水路と、上流側端部が水槽に接続され、下流側端部が放水路の上流側端部と下流側端部との間において発電機より下方の位置に接続された余水路と、を備える。
そのような水力発電システムで水力発電を行う場合、高所に設けられた水槽に蓄えられた水力発電用水を、水圧管路を介して、水槽より下方に設けられた発電機に流下させることで、水力発電用水の位置エネルギーが運動エネルギーに転化し、発電機において水力発電用水の運動エネルギーを電力に変換する。
発電機の定期検査や発電機が緊急停止した場合、水力発電システムは、水槽に溜まった水力発電用水を、発電機に供給させないで、余水路を介して放水路により流下させる。これにより、水力発電用水は、これの位置エネルギーが運動エネルギーに転化されて、放水路から河川に放出されるので、余水路ひいては放水路を流れる水力発電用水は、急流となって、河川に放出される。
従来より、急流となった水力発電用水を減勢する減勢工として、縦長の立坑を建設し、立坑の下方に流入水路を接続し、立坑の上方に流出水路を接続している。これにより、立坑内に水が貯留され、高速の流水は立坑内の水中に流れ込むので、高速の流水の流れを、立坑内全体に分散することで、流水の流れを減勢させる減勢工(特許文献1)が用いられている。
また、流速が比較的緩やかな場合には堰により強制的に水位を上昇させ、鉛直方向に流水の運動エネルギーを発散させることで流水の流れを減勢させる減勢工(特許文献2)が用いられている。
特開2002−188133号公報 特開2003−105849号公報
しかしながら、立坑の建設コストが高く、既存の水路に立坑を設置することが困難である。また、流水の流れを上昇させることにより、鉛直方向に流水の運動エネルギーを発散させることのみで流水の流れを減勢させるのでは、流水が極めて高速である場合、運動エネルギーを発散させきれず、高速流水の減勢は難しい。
したがって、立坑を設ける必要や、余水路(流入水路)と放水路(流出水路)とに高低差を設ける必要が無く、極めて流れの速い流水の勢いも減勢することが可能な減勢工の提供が望まれている。
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものである。その目的は、立坑や、余水路と放水路との高低差を設けずに、極めて流れの速い流水の勢いも減勢することが可能な減勢工を提供することである。
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 流水を流入する余水路が接続された床面及び天井面を有する筒状の放水路に設置された減勢工であって、前記余水路が接続された部分より下流側の前記放水路の床面に設置された第1の突起部と、該第1の突起部に衝突した流水が前記放水路の天井面に達する範囲であるせり上がり領域における前記天井面に設置された第2の突起部とを備えることを特徴とする減勢工。
(1)の発明によれば、余水路から流入された流水を床面に設置された第1の突起部に衝突させる。これにより、流水の勢いを減勢するとともに、流水の一部を天井面まで吹き上げ、さらに、流水の一部を上流側に逆流させることが可能となる。流水の一部を天井面までせり上げることで重力により勢いを減勢させることが可能とともに、流水の一部を上流側に逆流させることで、第1の突起部に衝突する前の流水の勢いをも減勢することが可能となる。天井面までせり上がった流水は、天井面に設置された第2の突起部に衝突させる。これにより、さらに流水の勢いを減勢するとともに、第1の突起部側に戻された流水と第1の突起部に衝突しせり上げられた流水とが衝突し、互いの勢いを打ち消し合うので、さらにまた流水の勢いを減勢することが可能となる。すなわち、立坑や、余水路と放水路との高低差を設けずに、極めて流れの速い流水の勢いも減勢することが可能な減勢工を提供することが可能となる。
(2) 前記床面は、前記余水路が接続された接続部分を有し、前記接続部分は、前記余水路の床面と略同一平面上に形成されていることを特徴とする(1)に記載の減勢工。
(2)の発明によれば、同一平面状で接続された余水路からの流水の減勢が可能となるので、流水を落下させて流水の勢いを減勢する必要がない。例えば、既存の水路に立抗等を構築することは、作業性の悪い環境での掘削が伴い、多大なコストが発生する。また、水路は所定の勾配で、設計や施工を行わなければならないので、流入路と流出路に減勢のための高低差を設けることは、水路の設計や施工において非常に困難である。よって、立坑や、余水路と放水路との高低差を設けずに、極めて流れの速い流水の勢いも減勢することが可能な減勢工は、高い経済性を有し、水路の設計施工を容易にする減勢工を提供することを可能とする。
(3) 前記第1の突起部は、前記余水路から流入される流水の流れる方向に対して略直交するように設置された第1突起部垂直面を有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の減勢工。
(3)の発明によれば、第1突起部に垂直面を設け、その垂直面を流水の流れる方向に対して略直交させる。これにより、第1突起部において流水の運動エネルギーを真正面から受けられるので、第1突起部に衝突してくる流水をより効果的に減勢するとともに、より効率よく天井面まで吹き上げることが可能となる。
(4) 前記放水路は、流水の流れる方向に対して略平行方向に延びる側面を有し、前記側面には、前記余水路に繋がる余水路開口部が形成され、前記第1突起部垂直面の一端は、前記側面における前記余水路開口部の近傍に接することを特徴とする(3)に記載の減勢工。
(4)の発明によれば、第1突起部垂直面の一端を余水路開口部近傍の放水路側面に接している。これにより、第1突起部に衝突し、側面方向に流れる向きを変えた流水を、勢いを保ったまま下流に流すことなく、第1突起部にむかってくる流水と再度衝突させることで、第1突起部での減勢効果をさらに高めることが可能となる。
(5) 前記第1突起部垂直面は、前記余水路の床面の幅と略同じ幅であることを特徴とする(3)又は(4)に記載の減勢工。
(5)の発明によれば、第1突起部垂直面を余水路の床面の幅と略同じ幅にする。これにより、第1突起部の幅の寸法を抑え、通常発電時において第1突起部による背水影響でドラフト部の水位が上昇することに伴う発生電力量の低下を防ぐことが可能となる。また、第1突起部を形成するためのコストを下げることが可能となる。さらに、勢いのある流水が流れ込む幅は確保しているので、高い減勢効果を確保することも可能である。
(6) 前記第2の突起部は、前記せり上がり領域における前記放水路の最も下流側に設置されることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の減勢工。
(6)の発明によれば、第2の突起部をせり上がり領域における放水路の最も下流側に設置する。これにより、第1の突起部側に戻された流水と第1の突起部に衝突し吹き上げられた流水とが衝突し、互いの勢いを打ち消し合う減勢領域を最大限に確保できるので、より高い減勢性能を有する減勢工を提供することが可能となる。
(7) 前記せり上がり領域は、前記天井面の下流側端部に接する接線を含み、前記第2の突起部は、前記下流側端部の近傍に、前記接線に略平行の第2突起部垂直面を有することを特徴とする(1)から(6)のいずれかに記載の減勢工。
(7)の発明によれば、放水路のせり上がり領域内において、下流側端部すなわち流水を河川へ放流する放水口の近傍に第2突起部垂直面を設置する。これにより、減勢領域を最大限に確保できることにより、流水面を整えることができるので、より高い減勢性能と整流効果を有する減勢工を提供することが可能となる。
(8) 前記第2突起部垂直面は、前記天井面における下流側端部の幅と略同じ幅であることを特徴とする(7)に記載の減勢工。
(8)の発明によれば、第2突起部垂直面を下流側端部の幅と略同じ幅とする。これにより、第1の突起部に衝突し吹き上げられた流水が、第2突起部に衝突せずに、直接河川に放流されるのを防止することができるので、より高い減勢性能と確実性を有する減勢工を提供することが可能となる。
(9) 前記第1の突起部は、前記余水路から流入される流水の流れる方向の垂直断面形状が略矩形であることを特徴とする(1)から(8)のいずれかに記載の減勢工。
(9)の発明によれば、第1の突起部における流水の流れる方向の垂直断面形状を略矩形とする。これにより、極めて勢いのある流水に対しても第1の突起部は安定しているので、より高い減勢性能と確実性を有する減勢工を提供することが可能となる。
(10) 前記第2の突起部は、鋼製であることを特徴とする(1)から(9)のいずれかに記載の減勢工。
(10)の発明によれば、第2の突起部は通常発電時には、常に水にさらされるわけでなく、空気中にあるため錆びの発生や劣化等の可能性が低く鋼製とすることが可能である。第2の突起部を鋼製とすることで、既存の水路の天井面に突起部を形成する場合でも、コンクリートで突起部を形成する場合に比べて、取り付け作業が容易になるとともに、より低廉に製作することができるので、取付け作業の容易性と経済性を有する減勢工を提供することが可能となる。
(11) 前記余水路は、流水の流れる方向に対して略平行方向に延びる余水路側面を有し、前記余水路側面に接して前記余水路の床面から天井面まで設置された第3の突起部を備え、前記第3の突起部は、前記放水路側面に対して略直交するように設置された第3突起部垂直面を有し、前記第3突起部垂直面は、前記余水路開口部を通る面に交わることを特徴とする(4)に記載の減勢工。
(11)の発明によれば、放水路側面に対して略直交するように設置された第3突起部垂直面を有する第3の突起部を、余水路側面に接して余水路の床面から天井面まで設置することで、放水路に対して余水路が鋭角に接続されている場合でも、余水路の流水の流れる方向を放水路の側面に向けることが可能となり、流水を放水路の側面に衝突させることで、流水の勢いをさらに減勢することが可能となる。
また、前記第3の突起部の水平方向の断面形状は、三角形であることを特徴とする(11)に記載の減勢工、とすることもできる。これにより、例えば、第3の突起部を鉄筋コンクリートで形成する場合であっても、型枠を二面設置すればよいので、容易に施工することが可能となる。また、第3の突起部を三角柱として余水路の側面と一体的になるように形成することで、極めて勢いのある流水が第3突起部垂直面に衝突した場合でも、第3の突起部は安定しているので、より高い減勢性能と確実性を有する減勢工を提供することが可能となる。
(12) 前記放水路の流水の流れる方向に対して直交方向の垂直断面積は、前記余水路の流水の流れる方向に対して直交方向の垂直断面積より大きいことを特徴とする(1)から(11)のいずれかに記載の減勢工。
(12)の発明によれば、勢いを有する流水を流し込む余水路内部の断面積に対して、第1の突起部と第2の突起部の間に減勢領域を形成する放水路内部の断面積を大きくする。これにより、減勢領域において流水を十分に拡散することができるので、より高い減勢性能を有する減勢工を提供することが可能となる。
(13) (1)から(12)のいずれかに記載の減勢工が設置された水力発電システムであって、水力発電用水を蓄える水槽と、前記水槽に一端が接続され、前記水力発電用水を下方に流下させる水圧管路と、前記水圧管路の他端に接続され、前記水圧管路から流下された前記水力発電用水の位置エネルギーを電力に変換する発電所と、前記発電所に上流側端部が接続され、前記発電所により位置エネルギーを電力に変換された前記水力発電用水を下流側端部から河川に放流する放水路と、前記水槽に上流側端部が接続され、前記水力発電用水を下方に流下させ、下流側端部が前記放水路に接続された余水路とを備えることを特徴とする水力発電システム。
(13)の発明によれば、水力発電システムにおける放水路に余水路を接続し、放水路に上述した第1の突起部と上述した第2の突起部とを設ける。これにより、例えば、発電所のメンテナンス等による発電機を停止する場合でも、余水路から流下される水槽の余水を十分に減勢した後に河川に放流できるので、環境に配慮した水力発電システムを提供することが可能となる。
(14) (1)から(12)に記載の減勢工又は(13)に記載の水力発電システムに用いられる流水の減勢方法であって、前記放水路において、前記余水路から流入された流水を、前記第1の突起部に衝突させ、前記第1の突起部に衝突させた流水を前記せり上がり領域に吹き上がらせ、前記せり上がり領域に吹き上がらせた流水を前記第2の突起部に衝突させることを特徴とする減勢方法。
(14)の発明によれば、余水路から流入された流水を床面に設置された第1の突起部に衝突させる。これにより、流水の勢いを減勢させるとともに、流水を天井面まで吹き上げることが可能となり、天井面まで吹き上がった流水を重力により勢いを減勢させる。次に、天井面まで吹き上がった流水を天井面に設置された第2の突起部に衝突させる。これにより、さらに流水の勢いを減勢させ、第1の突起部側に戻された流水と第1の突起部に衝突し吹き上げられた流水とが衝突し、互いの勢いを打ち消し合うので、さらにまた流水の勢いを減勢させる。すなわち、立坑や、余水路と放水路との高低差を設けずに、極めて流れの速い流水の勢いも減勢することが可能な減勢工を提供することが可能となる。
本発明によれば、減勢工は、水力発電用水を第1の突起部に衝突させることで、水力発電用水の勢いを減勢する。さらに、減勢工は、第1の突起部に衝突させた水力発電用水を天井面まで吹き上げることで、水力発電用水に作用する重力により水力発電用水の勢いを減勢させる。減勢工は、天井面まで吹き上がった水力発電用水を第2の突起部に衝突させ、さらに水力発電用水の勢いを減勢させとともに、第1の突起部側に戻させる。
これにより、減勢工は、第2の突起部から第1の突起部へ移動する水力発電用水と第1の突起部に衝突し吹き上げられた水力発電用水とが衝突し、互いの勢いを打ち消し合うので、さらに水力発電用水の勢いを減勢する。すなわち、本発明に係る減勢工は、立坑や、余水路と放水路との間に高低差を設けずに、極めて流れの速い水力発電用水の勢いを減勢することができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
[減勢工の構成]
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係わる減勢工20と、減勢工20が設置された放水路1と、放水路1に接続された余水路2について説明する。
図1は、本実施形態における減勢工20が設置された放水路1に余水路2が接続された状態を示す配置図である。また、図2は、放水路1を放水口1e側から上流側へ正面視した正面図である。なお、放水路の流れる方向6が示す矢印は、放水路1の流水の流れる方向を示し、余水路の流れる方向7が示す矢印は、余水路2の流水の流れる方向を示し、河川の流れる方向8が示す矢印は、河川の流れる方向を示している。
図1に示すように、放水路1には、余水路2が接続されている。放水路1は、下流側端部で河川護岸5に繋がっている。また、放水路1には、余水路2が接続され部分より下流側に下部シル3が形成され、下流側端部には、上部シル4が設置されている。さらに、下部シル3と上部シル4の間に、せり上がり領域10を形成している。
図1に示すように、放水路1は、下流側端部で河川護岸5に繋がる放水口1eを形成し、放水路床面1a、放水路天井面1b、及び流水の流れる方向に対して略平行方向に延びる側面の一例である放水路の余水路接続側内壁面1c、放水路の余水路対向側内壁面1dを有するボックスカルバートである。換言すると、余水路2は、流水を流入する余水路の一例であり、放水路1は、流水を流入する余水路が接続された床面及び天井面を有する筒状の放水路の一例である。
放水路1は、鉄筋コンクリートで形成されている。放水路1の放水路床面1aの幅は、4600mmである。放水路の余水路接続側内壁面1c及び放水路の余水路対向側内壁面1dは、放水路床面1aからの高さが総高1700mmであり、高さ1400mmより内部側に300mm傾斜している。また、放水路床面1aの流水の流れる方向に対して直交方向の幅は、4600mmである。一方、余水路2は、内径床面からの高さが総高1100mmであり、高さ900mmより内部側に200mm傾斜している。また、内径床面の幅が1400mmである。換言すると、放水路1と余水路2は、放水路の流水の流れる方向に対して直交方向の垂直断面積は、余水路の流水の流れる方向に対して直交方向の垂直断面積より大きい放水路と余水路の一例である。
図1に示すように、放水路の余水路接続側内壁面1cには、流水を流入する余水路2が接続され、余水路に繋がる余水路開口部1fが形成されている。また、図2に示すように、放水路の余水路接続側内壁面1cには、点線で示すように、余水路2が接続され、放水路床面1aと余水路2の床面とは、同一レベルで接続されている。換言すると、放水路床面1aは、余水路が接続された接続部分を有し、当該接続部分は、余水路の床面と略同一平面上に形成されている。
図1に示すように、余水路2は、余水路接続側内壁面1cに対して、直線的に鋭角に交わるように接続されている。具体的には、余水路2は、余水路接続側内壁面1cに対して37度15分で交わるように接続されている。
下部シル3について、図1から図5を用いて説明する。
図1に示すように、下部シル3は、放水路1における余水路2が接続された部分の下流側の放水路床面1aに形成されている。換言すると、下部シル3は、余水路が接続された部分より下流側の放水路の床面に設置された第1の突起部の一例である。
また、下部シル3は、余水路の流れ方向7に対して略直交するように下部シル垂直面3aを有する。そして、下部シル垂直面3aの一方の端部は、放水路の余水路開口部1fの下流側近傍に接している。換言すると、下部シル3は、余水路から流入される流水の流れる方向に対して略直交するように設置された第1突起部垂直面を有する第1の突起部の一例であり、第1突起部垂直面の一端は、放水路の側面における余水路開口部の近傍に接している。
下部シル垂直面3aの幅は、1400mmである。すなわち、上述した余水路2の内径床面の幅1400mmと同じ寸法である。換言すると、下部シル垂直面3aは、余水路の床面の幅と略同じ幅である第1突起部垂直面の一例である。また、下部シル3は、上面視で台形であり、余水路の流れ方向7の垂直断面形状が矩形である。換言すると、下部シル3は、余水路から流入される流水の流れる方向の垂直断面形状が略矩形である第1の突起部の一例である。
次に、下部シル3の構造について、図3から図5を用いて説明する。図3は、図2におけるAA断面図であり、図4は、図3におけるBB断面図であり、図5は、床面挿筋33の詳細図である。
下部シル3は、上面視における長辺の寸法が1856mmで短辺すなわち下部シル垂直面3aの水平方向の寸法が1400mmの台形である。また、放水路床面1aから下部シル3の天端までの高さは、400mmである。
また、図3に示すように、下部シル3は、鉄筋コンクリート構造である。下部シル3は、長辺方向にD19のフープ筋31a、31bが交互に200mmピッチで配列されている。図4に示すように、フープ筋31aの形状は、コの字型のフープの両端部がL形のフックを有するものである。フープ筋31bの形状は、コの字型のフープの一方端部がL形のフックを有し、他方端部が垂直方向に伸ばしたものである。下部シル3は、フープ筋31a、31bにD13の配力筋35が150mmピッチで、かぶり厚が100mmとなるように結束されている。配力筋35の放水路の余水路接続側内壁面1c側端部は、放水路1に400mm挿入された壁面挿筋36に結束されている。
さらに、放水路床面1aは、下部シル3が形成された部分の周囲を200mmの厚さではつられた放水路床面はつり部分12を有する。放水路床面はつり部分12は、上面視で余水路の流れ方向7と平行する方向は、下部シル3の寸法400mmに加え両側300mmの範囲であり、当該方向に直交する方向は、下部シル3の端部までの範囲である。
そして、放水路床面はつり部分12においては、D13の組立筋34が横架され、組立筋34は、既設鉄筋に結束されている。さらに、組立筋34には、フープ筋31a、31bが一つおきに結束されている。また、フープ筋31a、31bは一つおきに床面挿筋33の一方側に結束されている。床面挿筋33の他方側は、図5に示すように、放水路1に200mm挿入されている。
せり上がり領域10および上部シル4について、図1、図2および図6から図8を用いて説明する。
図1に示すように、せり上がり領域10は、2点鎖線で示すように、放水路1における下部シル3より下流の空間に、下部シル3に衝突した流水が放水路1の天井面に達する範囲であるせり上がり領域10が形成されている。また、図2に示すように、せり上がり領域10における放水路天井面1bには、上部シル4が設置されている。換言すると、せり上がり領域10は、第1の突起部に衝突した流水が放水路の天井面に達する範囲であるせり上がり領域の一例である。上部シル4は、第1の突起部に衝突した流水が放水路の天井面に達する範囲であるせり上がり領域における天井面に設置された第2の突起部の一例である。
また、上部シル4は、放水路1における下流側端部に形成された放水口1eの近傍に設置されている。せり上がり領域10は、上部シル4に接している。さらに、上部シル4は、放水口1eとせり上がり領域10に沿って設置されている。上部シル4には、放水路1の上流側に向かって、上部シル垂直面4aが形成されている。上部シル垂直面4aの寸法は、放水路天井面1bから下方へ500mmである。換言すると、上部シル4は、せり上がり領域における放水路の最も下流側に設置された第2の突起部の一例である。せり上がり領域10は、天井面の下流側端部に接する接線を含むせり上がり領域の一例である。さらに、上部シル垂直面4aは、下流側端部の近傍に、天井面の下流側端部に接する接線に略平行の第2突起部垂直面の一例である。
図2に示すように、上部シル垂直面4aの水平方向の幅は、放水路天井面1bの下流側端部に形成された放水口1eの水平方向の寸法と同じ4880mmである。また、上部シル垂直面4aの鉛直方向の高さは、上部シル垂直面4aは、放水口1eに沿って形成されている。換言すると、上部シル垂直面4aは、放水路の天井面における下流側端部の幅と略同じ幅である第2突起部垂直面の一例である。
次に、上部シル4の構造について、図6から図8を用いて説明する。図6は、放水路1の放水口1e近傍の見上図である。図7は、放水路1を放水口1e側から上流側へ正面視した立面図である。図8は、放水路1における上部シル4の取り付け部分の断面図である。
上部シル4は、せり上がり領域10内に、鋼製のL型アングル42、取付部チャンネル44、および先端部チャンネル45により骨組みが組まれている。当該骨組みには、放水路1の上流側に向かって鋼製のプレート41が取り付けられている。換言すると、上部シル4は、鋼製である第2の突起部の一例である。
図6に示すように、L型アングル42は、L150X150X15の鋼材である。取付部チャンネル44は、C150X75X6.5X16の鋼材である。L型アングル42と取付部チャンネル44とは、放水口1eに対して直交する方向に、500mmピッチで配列され、放水路天井面1bに樹脂カプセルアンカー43により取り付けられている。先端部チャンネル45は、C150X75X6.5X16の鋼材であり、放水口1eに平行して放水路天井面1bに樹脂カプセルアンカー43により取り付けられている。
また、図7及び図8に示すように、放水路1には、L型アングル42と取付部チャンネル44と先端部チャンネル45とにより、放水路1の上流側に向かって仮想面が形成されている。当該仮想面には、PL16の鋼材であるプレート41が取り付けられている。
また、図1に示すように、放水路の余水路対向側内壁面1dには、河川護岸5の先端から放水路1の上流側に向けて、補強板9が設置されている。補強板9は、水平方向の幅が11200mmであり、垂直方向の高さが放水路床面1aより1400mmの鋼板である。
[減勢工の作用]
本発明の実施形態に係わる放水路1に設置された下部シル3と上部シル4の作用について、図9を用いて説明する。図9は、図1におけるイイ断面図である。なお、流水の勢いと方向を示す矢印160〜164の矢印の向きは、流水の流れる方向を示し、矢印の太さは、流水の勢いを示し、矢印の太さが太い程勢いが強いことを示し、矢印の太さが細くなるにつれ、流水の勢いが減勢されていることを示す。
図9に示すように、まず流水は、流水の勢いと方向を示す矢印160が示すように、余水路2から流入され、流水の勢いは非常に強い。そして、流水は、放水路1の放水路床面1aに設置された下部シル3に衝突する。その後流水は、流水の勢いと方向を示す矢印161a、161b、161cが示すように、流水は、勢いが衝突により減勢する。また、衝突後の流水は、流水の勢いと方向を示す矢印161aが示すように、放水路天井面1bまでせり上がり天端に沿って放水路1の下流方向へ向かうものと、流水の勢いと方向を示す矢印161bが示すように、余水路2の上流方向へ向かうものと、流水の勢いと方向を示す矢印161cが示すように、放水路天井面1bまでは達せず放水路1の下流方向へ向かうものとに分かれる。
また、下部シル3は、余水路2の床面の幅と略同じ幅で、流水の流れる方向に対して略直交して下部シル垂直面3a(図1参照)が設けられ、なおかつ、一方の端部を放水路の余水路接続側内壁面1c(図1参照)に接続しているので、余水路2から流入する流水を的確に衝突させることが可能となる。
流水の勢いと方向を示す矢印161aが示すように、放水路天井面1bまでせり上がり天端に沿った流水は、放水路天井面1bまでせり上がることで重力により流水の勢いを減勢する。放水路天井面1bまでせり上がった流水は、放水路天井面1bに設置された上部シル4に衝突する。これにより、流水の勢いと方向を示す矢印163が示すように、さらに流水の勢いを減勢する。
また、流水の勢いと方向を示す矢印161bが示すように、余水路2の上流方向へ向かった流水は、下部シル3に衝突する前の流水に衝突し流水をさらに減勢する。
上部シル4は、放水路1の下流側端部に設けられた放水口1eの水平方向の幅と略同じ幅で設置しているので、せり上がった流水を的確に衝突させることが可能となる。
そして、上部シル4に衝突したが示す流水(流水の勢いと方向を示す矢印163)と下部シル3に衝突した流水(流水の勢いと方向を示す矢印161c)とが衝突することで、さらに流水の勢いは、減勢される。
また、上部シル4は、せり上がり領域の下流側端部に設けられているので、より長時間流水をせり上げるので、重力により勢いを減勢する時間を長く取れるとともに、より広い範囲で上部シル4に衝突したが示す流水(流水の勢いと方向を示す矢印163)と下部シル3に衝突した流水(流水の勢いと方向を示す矢印162)との衝突をさせることが可能となる。
その後、流水の勢いは、流水の勢いと方向を示す矢印164に示すように、最も減勢され、流水は河川に放流される。これにより、立坑や、余水路と放水路との高低差を設けずに、極めて流れの速い流水の勢いも減勢することが可能な減勢工を提供することが可能となる。
[水力発電システム]
水力発電システムについて、図10と図11を用いて説明する。
図10は、本発明の実施形態である水力発電システム100の配置図である。図11は、本発明の実施形態である水力発電システム100の概念図である。
図10に示すように、水力発電システム100は、水槽130と、水槽130と水力発電所110とを繋ぐ水圧管120と、水力発電所110と河川140とを繋ぐ放水路1と、水槽130と放水路1とを繋ぐ余水路2と、放水路1に設けられた下部シル3と上部シル4とを含む。
図11に示すように、最も高所に設けられた水槽130には、水力発電用水が蓄えられている。換言すると、水槽130は、水力発電用水を蓄える水槽の一例である。水槽130に蓄えられた水力発電用水は、水圧管120を通って、位置エネルギーを運動エネルギーに転換し、水力発電所110に注ぎ込む。換言すると、水圧管120は、水槽に一端が接続され、水力発電用水を下方に流下させる水圧管路の一例である。また、水力発電所110は、水圧管120により流下された水力発電用水の運動エネルギーを電力に変換する発電機を有する。換言すると、水力発電所110は、水圧管路の他端に接続され、水圧管路から流下された水力発電用水の位置エネルギーを電力に変換する発電所の一例である。
水力発電所110と河川140とを繋ぐ放水路1は、水圧管120により流下された水力発電用水が発電機により位置エネルギーが電力に変換され、水流の勢いが無くなった水力発電用水を河川140に放流する。換言すると、放水路1は、発電所に上流側端部が接続され、発電所により位置エネルギーを電力に変換された水力発電用水を下流側端部から河川に放流する放水路の一例である。水槽130と放水路1とを繋ぐ余水路2は、例えば、発電機の緊急停止時に、水槽130の余水を、水力発電所110を介すことなく、放水路1に流入し、河川140に放流するためのものである。換言すると、余水路2は、水槽に上流側端部が接続され、水力発電用水を下方に流下させ、下流側端部が放水路に接続された余水路の一例である。また、余水路2を流下する水力発電用水は、水力発電所110を介していない。よって、余水路2を流下する水力発電用水は、高いエネルギーを有しているので、水流の勢いが強い。しかし、放水路1には、下部シル3と上部シル4とが設けられているので、水流の勢いを減勢することが可能となる。換言すると、水力発電システム100は、本発明に係わる減勢工が設置された水力発電システムの一例である。
[本実施形態における水理実験]
本実施形態における水理実験について、図12から図17を用いて説明する。
本水理実験は、高所に設けられた水槽の水力発電用水の位置エネルギーを利用して発電を行う水力発電所に接続され、水力発電用水を河川に放流する放水路に関する水理実験である。例えば、発電機の緊急停止時に、水力発電所を介さずに水槽の余水を余水路から流下させ、上記の放水路に余水を流入した場合には、余水は、勢いを保ったまま放水路に流入することとなり、流水が放水路壁面に当たり放水口で吹き上がる現象が確認された。そこで、流水の吹き上がり現象を抑制し、且つ経済的な減勢工の検討を行った。
本水理実験の対象とする発電所の概要は、最大使用水量8.348m/s、有効落差25.75m、余水路内最大流速18m/s(1次元不等流計算)である。水理模型は、長さスケールを1/10縮尺とした。
図12と図13は、上記水理模型の斜視図である。図12は、減勢工の模型を設けない場合の放水口における吹き上がり状況を示す図面であり、図13は、減勢工の模型を設けた場合の放水口における吹き上がり状況を示す図面である。
図14は、後述するように、複数種類のケースの中から最も経済的、且つ十分な減勢効果を得られたケースにおける減勢工の配置と形態を示す平面図である。また、図15は、当該ケースにおける断面図である。
図14に示すように、仮想放水路51は、仮想余水路52が接続され、下流側端部において仮想河川護岸55に接続されている。また、仮想放水路51における仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cには、仮想下部シル53が設置され、仮想放水路51の下流側端部には、仮想上部シル54が設置されている。また、仮想下部シル53の仮想余水路の流れ方向57に直行する面の幅は、仮想余水路52の幅と略同じである。また、仮想上部シル54の仮想河川の流れ方向58に平行する方向の幅は、仮想放水路51の下流側端部の幅と同じとしている。
また、図15に示すように、仮想下部シル53は、仮想放水路床面51aに設置され、仮想上部シル54は、仮想放水路天井面51bに設置されている。また、仮想下部シル53の仮想放水路床面51aからの高さは、400mmである。また、仮想上部シル54の仮想放水路天井面51bから下方への高さは、500mmである。
上記構成の模型に、最大使用水量8.348m/s、有効落差25.75m、余水路内最大流速18m/sを1/10縮尺にスケール換算した流量(以下、Qmaxと呼ぶ)の流水を流入した。これにより、以下の水理現象に対して検討および確認を行った。
仮想放水路51に水(クッション効果)がない場合は、水理実験により有為な影響がないことを確認した。Qmax以外の流量(実験はQmaxで実施)は、水理実験により有為な影響がないことを確認した。河川水位のある場合(実験は河川水位なしで実施)は、水理実験により放水口前面で高さ50cm程度の波状路水を確認した。仮想余水路52からの空気供給量は、水理実験により有為な影響がないことを確認した。上流端境界条件の変更は、水理実験により有為な影響がないことを確認した。仮想下部シル53設置による損失落差の検討は、不等流計算の結果、ドラフト部で32cm(落差の1.2%)以下の水位上昇を確認した。なお、キャビテーションについて、水理実験は空気混入量が十分多いため、発生が確認できなかった。現地においても、十分な空気混入量が見込まれることから、発生の可能性は低いと思われる。
次に、図16と図17を用いて、放水口流速、およびシル他への作用圧力について説明する。
摸型放水口前面にピトー管、模型内部に圧力計を設置し計測を行ったところ、模型放水口前面の最大流速はQmax時に6.18m/sであった。また、仮想上部シル54右岸側の圧力計測の結果を図16に、また仮想下部シル53の圧力計測の結果を図17に示す。
図16に示すように、仮想上部シル54右岸側の圧力は、流量が約2m/sの場合の圧力は、約20kPaであった。流量が約4.3m/sの場合の圧力は、約100kPaであった。流量が約6m/sの場合の圧力は、約150kPaであった。流量が約8.3m/sの場合の圧力は、約120kPaであった。なお、流量約2m/sから約4.3m/sの間のグラフ勾配で圧力が増加すると仮定した場合には、流量が約8.3m/sの場合の圧力は、約226kPaでる。
図17に示すように、仮想下部シル53の圧力は、流量が約2m/sの場合の圧力は、約80kPaであった。流量が約4.3m/sの場合の圧力は、約150kPaであった。流量が約6m/sの場合の圧力は、約250kPaであった。流量が約8.3m/sの場合の圧力は、370.2kPaであった。
なお、設計荷重は、他所での水理実験と現地計測結果の比較実績より、上記計測結果の1割増(すなわち、上部シルの圧力を226kPaから250kPaに、下部シルの圧力を370kPaから407kPaに増した。)で実施設計を行うのが好ましい。
図12に示すように、上記の水理実験により、仮想下部シル53および仮想上部シル54を設けない場合の仮想放水路出口吹き上がり60は、仮想川面59から仮想河川護岸55の高さ以上に吹き上がっているのに対して、仮想下部シル53および仮想上部シル54を設けた場合の仮想放水路出口吹き上がり60は、図13に示すように、抑制されていることを確認した。
[最適な減勢工の形状検討]
放水口での流水の吹き上がり現象を抑制することを目的とした場合に、最適な減勢工の形状(設置位置、方向、寸法)を求めるために、以下の10ケースについて実験を行った。
図18は、減勢工の配置する仮想放水路51と仮想余水路52の平面図である。また、図19は、減勢工の配置する仮想放水路51の断面図である。
図18と図19に示すように、仮想放水路51は、仮想余水路52が接続され、下流側端部において仮想河川に接続されている。また、仮想放水路51は、仮想放水路床面51a、仮想放水路天井面51b、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51c、仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51d、仮想放水口51eを有する。また、流水を流す方向は、仮想放水路の流れ方向56、仮想余水路の流れ方向57、仮想河川の流れ方向58に示す通りである。
実験条件は、全てのケースにおいて、流量をQmax(8.348m/s)程度とし、空気混入量として仮想余水路52底面に直径1cm(模型スケール)程度の空気穴を1箇所設け、流脈は模型上流より、仮想余水路52上部に沿わせ、仮想河川水位は0cmとした。
図20、図22、図24、図26、図28、図30、図33、図35、図37、図39は、ケース1における減勢工の模型を設置した仮想放水路51と仮想余水路52との平面図を示す。図21、図23、図25、図27、図29、図31、図34、図36、図38、図40は、減勢工の模型を設置した仮想放水路51の断面図を示す。
ケース1について、図20と図21を用いて説明する。図20に示すように、上部シル(1)401を、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に設置した。また、図21に示すように、仮想放水路天井面51bから下方への高さは、300mmから500mmとした。
ケース1の減勢工の模型を仮想放水路51に設置することで、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51c側(以下、右岸側とする)の仮想放水口51eにおける吹き上がりは、仮想河川護岸55(図12参照)の高さより若干低い程度の高さであった。また、仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51d側(以下、左岸側とする)の仮想放水口51eにおける吹き上がりは、見られなかった。
ケース2について、図22と図23を用いて説明する。図22に示すように、下部シル(1)301を、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。また、図23に示すように、仮想放水路床面51aから上方への高さは、300mmから500mmとした。
ケース2の減勢工の模型を仮想放水路51に設置することで、仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、仮想河川護岸55(図12参照)の半分程度の高さであった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。
ケース3について、図24と図25を用いて説明する。図24に示すように、下部シル(2)302を、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。また、上部シル(2)402を、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。また、図25に示すように、下部シル(2)302の仮想放水路床面51aから上方への高さは、500mmとした。また、上部シル(2)402の仮想放水路天井面51bから下方への高さは、300mmとした。
ケース3の減勢工の模型を仮想放水路51に設置することで、仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、仮想河川護岸55(図12参照)の半分より若干低い程度の高さであった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。
ケース4について、図26と図27を用いて説明する。図26に示すように、下部シル(3)303を、仮想余水路52に直交するように、仮想余水路52の側面から仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。また、上部シル(3)403を、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。また、図27に示すように、下部シル(3)303の仮想放水路床面51aから上方への高さは、500mmとした。また、上部シル(3)403の仮想放水路天井面51bから下方への高さは、500mmとした。
ケース4の減勢工の模型を仮想放水路51に設置することで、仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、仮想河川護岸55(図12参照)の半分より若干高い程度の高さであった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。
ケース5について、図28と図29を用いて説明する。図28に示すように、下部シル(4)304を、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。また、上部シル(4)404を、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。さらに、仮想放水路51と仮想余水路52の接続部分の下流側に三角シル500を設置した。また、図29に示すように、下部シル(4)304の仮想放水路床面51aから上方への高さは、400mmとした。また、上部シル(4)404の仮想放水路天井面51bから下方への高さは、500mmとした。また、三角シル500の形態は、仮想放水路床面51aから仮想放水路天井面51bまでの高さを有する三角柱である。三角シル500の第1の面は、仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dに略直交するように形成した。第2の面は、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cと同一平面上に形成した。第3の面は、仮想余水路52の側面に接するように形成した。
換言すると、三角シル500は、余水路側面に接して余水路の床面から天井面まで設置された第3の突起部の一例である。三角シル500の第1の面は、放水路側面に対して略直交するように設置された第3突起部垂直面の一例であり、余水路開口部を通る面の一例である仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cに交わる第3突起部垂直面の一例である。
このように、放水路側面に対して略直交するように設置された第3突起部垂直面を有する第3の突起部を、余水路側面に接して余水路の床面から天井面まで設置することで、放水路に対して余水路が鋭角に接続されている場合でも、余水路の流水の流れる方向を放水路の側面に向けることが可能となり、流水を放水路の側面に衝突させることで、流水の勢いをさらに減勢することが可能となる。
また、三角シル500は、水平方向の断面形状が三角形であることを特徴とする第3の突起部の一例である。これにより、例えば、三角シル500を鉄筋コンクリートで形成する場合であっても、型枠を二面設置すればよいので、容易に施工することが可能となる。また、三角シル500を三角柱として仮想余水路52の側面と一体的になるように形成することで、極めて勢いのある流水が三角シル500の第1の面に衝突した場合でも、三角シル500は安定しているので、より高い減勢性能と確実性を有する減勢工を提供することが可能となる。
ケース5の減勢工の模型を仮想放水路51に設置することで、仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、仮想河川護岸55(図12参照)の半分より若干低い程度の高さであった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。
ケース6について、図30と図31と図32を用いて説明する。図30に示すように、下部シル(5)305を、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。また、水平方向上部シル(5)405a、鉛直方向上部シル(5)405bを、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。さらに、仮想放水路51と仮想余水路52の接続部分の下流側に三角シル500を設置した。また、図30に示すように、下部シル(5)305の仮想放水路床面51aから上方への高さは、400mmとした。また、水平方向上部シル(5)405aの仮想放水路天井面51bから下方への高さは、500mmとした。また、三角シル500は、仮想放水路床面51aから仮想放水路天井面51bまでの高さとした。また、図32に示すように、鉛直方向上部シル(5)405bは、仮想放水路床面51aから仮想放水路天井面51bまでの高さであり、幅は1500mmとした。
ケース6の減勢工の模型を仮想放水路51に設置することで、仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、仮想河川護岸55(図12参照)の高さより若干低い程度の高さであった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。
ケース7について、図33と図34を用いて説明する。図33に示すように、下部シル(6)306を、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。また、上部シル(6)406を、仮想放水口51eに沿うように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。さらに、仮想放水路51と仮想余水路52の接続部分の下流側に三角シル500を設置した。また、図34に示すように、下部シル(6)306の仮想放水路床面51aから上方への高さは、400mmとした。また、上部シル(6)406の仮想放水路天井面51bから下方への高さは、500mmとした。また、三角シル500は、仮想放水路床面51aから仮想放水路天井面51bまでの高さとした。
ケース7の減勢工の模型を仮想放水路51に設置することで、仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、見られなかった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかったが、右岸側と比較して、若干水位が高かった。
ケース8について、図35と図36を用いて説明する。図35に示すように、下部シル(7)307を、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。また、上部シル(7)407を、仮想放水口51eに沿うように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。また、図36に示すように、下部シル(7)307の仮想放水路床面51aから上方への高さは、400mmとした。また、上部シル(7)407の仮想放水路天井面51bから下方への高さは、500mmとした。
ケース8の減勢工の模型を仮想放水路51に設置することで、仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、見られなかったが、左岸側と比較して、若干水位が高かった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。
ケース9について、図37と図38を用いて説明する。図37に示すように、下部シル(8)308を、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cに一方端部を接続し、仮想余水路52の幅で設置した。また、上部シル(8)408を、仮想放水口51eに沿うように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。また、図38に示すように、下部シル(8)308の仮想放水路床面51aから上方への高さは、400mmとした。また、上部シル(8)408の仮想放水路天井面51bから下方への高さは、500mmとした。
ケース9の減勢工の模型を仮想放水路51に設置することで、仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、見られなかったが、左岸側と比較して、若干水位が高かった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。
ケース10について、図39と図40を用いて説明する。図39に示すように、下部シル(9)309を、仮想余水路52に直交するように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cに一方端部を接続し、仮想余水路52の幅で設置した。また、上部シル(9)409を、仮想放水口51eに沿うように、仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面51cから仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面51dの間に隙間無くに設置した。また、図40に示すように、下部シル(9)309の仮想放水路床面51aから上方への高さは、400mmとした。また、上部シル(9)409の仮想放水路天井面51bから下方への高さは、500mmとした。さらに、下部シル(9)309と上部シル(9)409とのシル幅をケース9と比べて拡大し、シル幅を600mmとした。
ケース10の減勢工の模型を仮想放水路51に設置することで、仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、見られなかったが、左岸側と比較して、若干水位が高かった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。
[推測される水理条件検討]
上記最適な減勢工の形状検討の結果により流水の吹き上がり現象を抑制し、且つ最も経済的な減勢工の形態として、ケース10を選択し、ケース10における推測される水理条件検討を行った。
放水路に水が溜まることにより、クッション効果が働き、減勢効果を過大に見積もっている可能性があることから、放水路より排水を行なった実験による流況を確認した。
実験条件は、流量をQmax(8.348m/s)程度とし、空気混入量として仮想余水路52底面に直径1cm(模型スケール)程度の空気穴を1箇所設け、流脈は模型上流より、仮想余水路52上部に沿わせ、仮想河川水位は0cmとした。
仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、見られなかった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。なお、放水路に水が流れている場合でも、水が流れていない場合でも、顕著な違いは見られなかった。
流量最大Qmaxが最も吹き上がり現象が顕著であるとの認識から、これまで流量Qmaxで実験を行ってきたが、流量が少ない場合には、下部シル、上部シルに水流が当たらずに減勢効果が得られないことも推測されることから、流量を変更し実験を行った。
実験条件は、流量をQmax(8.348m/s)、QmaxX(3/4)、QmaxX(2/4)、QmaxX(1/4)とし、空気混入量として仮想余水路52底面に直径1cm(模型スケール)程度の空気穴を1箇所設け、流脈は模型上流より、仮想余水路52上部に沿わせ、仮想河川水位は0cmとした。
仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、見られなかった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。なお、仮想放水口51eでの流況は流量Qmax時が最も乱れており、Qmaxにおいて減勢効果の確認を行うことで、その他の流量にも減勢効果が維持できた。
これまで河川水位は0cmとして実験を行ってきたが、河川水位50cmとした場合の流況の確認を行う。
実験条件は、流量をQmax(8.348m/s)程度とし、空気混入量として仮想余水路52底面に直径1cm(模型スケール)程度の空気穴を1箇所設け、流脈は模型上流より、仮想余水路52上部に沿わせ、仮想河川水位は0cm、50cmとした。
仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、見られなかった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。なお、放水路出口から30cm程度前面において,最大高さ50cm程度の波状跳水が見られた。
これまで空気穴は余水路底面に1箇所として実験を行ってきたが、空気混入量の違いによる放水路出口での流況の違いを確認する。
実験条件は、流量をQmax(8.348m/s)程度とし、空気混入量として仮想余水路52底面に直径1cm(模型スケール)程度の空気穴を0〜4箇所設け、流脈は模型上流より、仮想余水路52上部に沿わせ、仮想河川水位は0cmとした。
仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、見られなかった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。なお、減勢工を設置しない場合、0〜2個の空気穴では,穴の数が増えるに従って吹き上がり高さが高くなる傾向にある。3個以上の空気穴では,2個の空気穴の場合と流況の変化は見られなかった。現地現象の再現性から,空気穴は1個が好ましい。また、減勢工を設置した場合、現地現象以上の吹き上がり高さ(2又は3個の空気穴)の場合も,放水口の出口での吹き上がり現象が抑えられていることが分かった。
これまで模型上流端では流脈を余水路上部に沿わせているので、余水路下部に沿わせた場合の流況の確認を行う。
実験条件は、流量をQmax(8.348m/s)程度とし、空気混入量として仮想余水路52底面に直径1cm(模型スケール)程度の空気穴を1箇所設け、流脈は模型上流より、仮想余水路52下部に沿わせ、仮想河川水位は0cmとした。
仮想放水路51の右岸側eにおける吹き上がりは、見られなかった。また、仮想放水口51eの左岸側における吹き上がりは、見られなかった。なお、上流端境界条件の変更によっては、放水路出口での流況に顕著な違いは見られなかった。
本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の配置図である。 本発明の一実施形態の減勢工の正面図である。 本発明の一実施形態の減勢工の図2におけるAA断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工の図3におけるBB断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工における床面挿筋33の詳細図である。 本発明の一実施形態の減勢工の見上げ図である。 本発明の本発明の一実施形態の減勢工の正面図である。 本発明の一実施形態の減勢工の断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の図1におけるイイ断面図である。 本発明の一実施形態の水力発電システムの配置図である。 本発明の一実施形態の水力発電システムの概念図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の斜視図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の斜視図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の平面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の断面図である。 本発明の一実施形態の実験データのグラフを示す図である。 本発明の一実施形態の実験データのグラフを示す図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の平面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の平面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の平面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の平面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の平面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の平面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の平面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工の模型の立面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の平面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の平面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の平面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の断面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の平面図である。 本発明の一実施形態の減勢工が設置された放水路の模型の断面図である。
符号の説明
1 放水路
1a 放水路床面
1b 放水路天井面
1c 放水路の余水路接続側内壁面
1d 放水路の余水路対向側内壁面
1e 放水口
1f 余水路開口部
2 余水路
3 下部シル
3a 下部シル垂直面
4 上部シル
4a 上部シル垂直面
5 河川護岸
6 放水路の流れ方向
7 余水路の流れ方向
8 河川の流れ方向
9 補強板
10 せり上がり領域
11 放水路既設鉄筋
12 放水路床面はつり部分
20 減勢工
31a、31b フープ筋
33 床面挿筋
34 組立筋
35 配力筋
36 壁面挿筋
41 プレート
42 L型アングル
43 樹脂カプセルアンカー
44 取付部チャンネル
45 先端部チャンネル
51 仮想放水路
51a 仮想放水路床面
51b 仮想放水路天井面
51c 仮想放水路の仮想余水路接続側内壁面
51d 仮想放水路の仮想余水路対向側内壁面
51e 仮想放水口
51f 仮想余水路開口部
52 仮想余水路
53 仮想下部シル
54 仮想上部シル
55 仮想河川護岸
56 仮想放水路の流れ方向
57 仮想余水路の流れ方向
58 仮想河川の流れ方向
59 仮想川面
60 仮想放水路出口吹き上がり
100 水力発電システム
110 水力発電所
120 水圧管
130 水槽
140 河川
160〜164 流水の勢いと方向を示す矢印
301 下部シル(2)
302 下部シル(3)
303 下部シル(4)
304 下部シル(5)
305 下部シル(6)
306 下部シル(7)
307 下部シル(8)
308 下部シル(9)
309 下部シル(10)
401 上部シル(2)
402 上部シル(3)
403 上部シル(4)
404 上部シル(5)
405a 水平方向上部シル(6)
405b 鉛直方向上部シル(6)
406 上部シル(7)
407 上部シル(8)
408 上部シル(9)
409 上部シル(10)
500 三角シル

Claims (14)

  1. 流水を流入する余水路が接続された床面及び天井面を有する筒状の放水路に設置された減勢工であって、
    前記余水路が接続された部分より下流側の前記放水路の床面に設置された第1の突起部と、
    該第1の突起部に衝突した流水が前記放水路の天井面に達する範囲であるせり上がり領域における前記天井面に設置された第2の突起部とを備えることを特徴とする減勢工。
  2. 前記床面は、前記余水路が接続された接続部分を有し、
    前記接続部分は、前記余水路の床面と略同一平面上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の減勢工。
  3. 前記第1の突起部は、前記余水路から流入される流水の流れる方向に対して略直交するように設置された第1突起部垂直面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の減勢工。
  4. 前記放水路は、流水の流れる方向に対して略平行方向に延びる放水路側面を有し、
    前記放水路側面には、前記余水路に繋がる余水路開口部が形成され、
    前記第1突起部垂直面の一端は、前記放水路側面における前記余水路開口部の近傍に接することを特徴とする請求項3に記載の減勢工。
  5. 前記第1突起部垂直面は、前記余水路の床面の幅と略同じ幅であることを特徴とする請求項3又は4に記載の減勢工。
  6. 前記第2の突起部は、前記せり上がり領域における前記放水路の最も下流側に設置されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の減勢工。
  7. 前記せり上がり領域は、前記天井面の下流側端部に接する接線を含み、
    前記第2の突起部は、前記下流側端部の近傍に、前記接線に略平行の第2突起部垂直面を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の減勢工。
  8. 前記第2突起部垂直面は、前記天井面における下流側端部の幅と略同じ幅であることを特徴とする請求項7に記載の減勢工。
  9. 前記第1の突起部は、前記余水路から流入される流水の流れる方向の垂直断面形状が略矩形であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の減勢工。
  10. 前記第2の突起部は、鋼製であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の減勢工。
  11. 前記余水路は、流水の流れる方向に対して略平行方向に延びる余水路側面を有し、
    前記余水路側面に接して前記余水路の床面から天井面まで設置された第3の突起部を備え、
    前記第3の突起部は、前記放水路側面に対して略直交するように設置された第3突起部垂直面を有し、
    前記第3突起部垂直面は、前記余水路開口部を通る面に交わることを特徴とする請求項4に記載の減勢工。
  12. 前記放水路の流水の流れる方向に対して直交方向の垂直断面積は、前記余水路の流水の流れる方向に対して直交方向の垂直断面積より大きいことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の減勢工。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の減勢工が設置された水力発電システムであって、
    水力発電用水を蓄える水槽と、
    前記水槽に一端が接続され、前記水力発電用水を下方に流下させる水圧管路と、
    前記水圧管路の他端に接続され、前記水圧管路から流下された前記水力発電用水の位置エネルギーを電力に変換する発電所と、
    前記発電所に上流側端部が接続され、前記発電所により位置エネルギーを電力に変換された前記水力発電用水を下流側端部から河川に放流する放水路と、
    前記水槽に上流側端部が接続され、前記水力発電用水を下方に流下させ、下流側端部が前記放水路に接続された余水路とを備えることを特徴とする水力発電システム。
  14. 請求項1から12に記載の減勢工又は請求項13に記載の水力発電システムに用いられる流水の減勢方法であって、
    前記放水路において、前記余水路から流入された流水を、前記第1の突起部に衝突させ、
    前記第1の突起部に衝突させた流水を前記せり上がり領域に吹き上がらせ、
    前記せり上がり領域に吹き上がらせた流水を前記第2の突起部に衝突させることを特徴とする減勢方法。
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