JP2005248008A - インクジェットインク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸素や水分の影響を受けず、様々な環境下においても安定に硬化膜を形成可能なインクジェットインク及びインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】 分子内に2つ以上のチオール基を有するポリチオール化合物を30質量%以上含有するインクジェットインク又は分子内に2つ以上の重合性不飽和結合を有する化合物を30質量%以上含有するインクジェットインク及びこれらのインクジェットインクによるインクジェット記録方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェットインク及びインクジェット記録方法に関し、さらに詳しくは、様々な記録材料に対して、様々な環境下においても、良好な硬化性が得られるインクジェットインク(単にインクともいう)及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作製出来るため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは、記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後紫外線(UV)光により架橋させるUVインクジェット方式などである。
中でも、UVインクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつあり、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されて(例えば、特許文献1、2参照。)いる。
しかしながら、これらのインクを用いたとしても、記録材料の種類や作業環境によって、着弾後のドット径が大きく変化してしまい、様々な記録材料に対して、高精細な画像を形成することは不可能である。特に、前記のようなラジカル重合性化合物を用いた硬化型インクにおいては、酸素による反応阻害を受け、膜強度が不十分となることが多い。
一方、カチオン重合性化合物を用いた紫外線硬化型インクジェットインク(例えば、特許文献3〜5参照。)は、酸素阻害作用をうけることはないが、分子レベルの水分(湿度)の影響を受けやすいといった問題がある。
特開平6−200204号公報 特表2000−504778号公報 特開2001−220526号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2002−188025号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2002−317139号公報(特許請求の範囲、実施例)
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、酸素や水分の影響を受けず、様々な環境下においても安定に硬化膜を形成可能なインクジェットインク及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
分子内に2つ以上のチオール基を有するポリチオール化合物を30質量%以上含有することを特徴とするインクジェットインク。
(請求項2)
前記ポリチオール化合物を50質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインク。
(請求項3)
重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットインク。
(請求項4)
分子内に2つ以上の重合性不飽和結合を有する化合物を30質量%以上含有することを特徴とするインクジェットインク。
(請求項5)
前記分子内に2つ以上の重合性不飽和結合を有する化合物を50質量%以上含有することを特徴とする請求項4に記載のインクジェットインク。
(請求項6)
重合開始剤を含まないことを特徴とする請求項4又は5に記載のインクジェットインク。
(請求項7)
ポリチオール化合物を含む液体と、重合性不飽和結合を有する化合物を含む液体の、いずれか一方をインクジェットヘッドにより吐出し、もう一方の液体とは被記録媒体上で混合後、硬化させる工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項8)
請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインクと、請求項4〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインクをそれぞれインクジェットヘッドにより吐出し、被記録媒体上で混合することを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項9)
ポリチオール化合物のチオール基と、重合性不飽和結合を有する化合物の重合性不飽和結合の総数の比率が、1:0.5〜1:2となるように液量比を調節し、被記録媒体上で混合することを特徴とする請求項7又は8に記載のインクジェット記録方法。
(請求項10)
ポリチオール化合物のチオール基と、重合性不飽和結合を有する化合物の重合性不飽和結合の総数の比率が、1:0.8〜1:1.2となるように液量比を調節し被記録媒体上で混合することを特徴とする請求項7又は8に記載のインクジェット記録方法。
(請求項11)
ポリチオール化合物と重合性不飽和結合を有する化合物を混合後、エネルギー線を照射し、硬化させる工程を有することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
本発明により、酸素や水分の影響を受けず、様々な環境下においても安定に硬化膜を形成可能なインクジェットインク及びインクジェット記録方法を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。本発明におけるポリチオール化合物を含むインクは、分子内に二つ以上のチオール基を有するポリチオール化合物を30質量%以上含有する。ポリチオール化合物については、同一分子内に三つ以上のチオール基を有していることがより好ましく、インク中の含有量は50質量%以上であることが好ましい。さらに、膜の硬化性向上、揮発性化合物の残留を防ぐ目的から、チオール化合物以外の有機溶媒を含まないことがより好ましい。
ポリチオール化合物としては、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、トリグリコールジメルカプタン、α,ω−ジメルカプトポリエチレンオキサイド、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、1,2,6−ヘキサントリオールトリチオグリコレートなどが挙げられる。インクの粘度や膜物性などを調節するために、これらの化合物を2種類以上併用しても良く、また、単官能のチオール化合物を併用しても良い。
本発明における重合性不飽和結合を有する化合物を含むインクは、分子内に二つ以上の重合性不飽和結合を有する化合物を30質量%以上含有する。重合性不飽和結合とは、ラジカル、カチオン、アニオンなどの活性種と反応し、重合可能な不飽和結合を指す。重合性不飽和結合を有する化合物は、同一分子内に三つ以上の重合性不飽和結合を有していることがより好ましく、インク中の含有量は50質量%以上であることが好ましい。さらに、膜の硬化性向上、揮発性化合物の残留を防ぐ目的から、重合性不飽和結合を有する化合物以外の有機溶剤を含まないことがより好ましい。
二官能の重合性不飽和結合を有する化合物としては、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエートジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等のアクリレート類、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート類、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル等のビニルエーテル類、トリメチロールプロパンジアリルエーテル等のアリルエーテル類、ジアリルカーボネート、ジアリルフタレート、ジアリルピロカーボネート、ジアリルスクシネート、N,N’−ジアリルタータージアミド、1,3−ジアリルウレア等のジアリル化合物等が挙げられる。
三官能以上の重合性不飽和結合を有する化合物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールプロポキシレートトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のアクリレート類、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート類、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のビニルエーテル類、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等のアリルエーテル類、トリアリルアミン、1,3,5−ベンゼントリカルボキシレート、トリアリルトリメリテート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のポリアリル化合物等が挙げられる。
また、インクの粘度や膜物性などを調節するために、これらの化合物を2種類以上併用しても良く、単官能の重合性不飽和結合を有する化合物を併用しても良い。単官能の化合物としては、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可とう性アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート等の従来公知のモノマーを使用することができる。
本発明のインクは、上述のポリチオール化合物、重合性不飽和結合を有する化合物と共に各種公知の染料及び/または顔料を含有しているが、好ましくは顔料を含有する。色材は、ポリチオール含有インク、重合性不飽和結合を有する含有インクのいずれか一方もしくは両方に含ませることができる。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、42、74、81、83、87、95、109、128、138
C.I Pigment Orange−16、36、38、
C.I Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、122、144、146、185、101、
C.I Pigment Violet−19、23、
C.I Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29、
C.I Pigment Green−7、36、
C.I Pigment White−6、18、21、
C.I Pigment Black−7。
また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げる為に、白インクを用いることが好ましい。特に、軟包装印刷、ラベル印刷においては、白インクを用いることが好ましいが、吐出量が多くなるため、吐出安定性の観点から自ずと使用量に関しては制限がある。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナジストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いるインクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無くポリチオール化合物または重合性不飽和結合を有する化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
本発明に係るインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%以上10質量%未満であることが好ましい。
本発明のインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。
また、硬化手段として紫外線などの活性光線を照射する場合、光ラジカル発生剤などの重合開始剤をインクに添加することが望ましい。重合開始剤は、ポリチオール化合物を含むインク、重合性不飽和結合を有する化合物を含むインクのいずれにも添加することができるが、インク保存性の点から重合性不飽和結合を有する化合物を含むインクには添加せず、ポリチオール化合物を含むインクに添加することが好ましい。光ラジカル発生剤としては、ベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイドなどのベンゾフェノン誘導体、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノンなどのアリールアルキルケトン誘導体、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミドなどのマレイミド類、アシルフォスフィンオキサイド、チタノセン化合物、ベンジルとキノン誘導体、ケトクマリン類などの従来公知の光ラジカル発生剤が使用出来る。
本発明のインクの粘度は、25℃において好ましくは3〜100mPa・sである。更に、インク出射時のインク粘度が3〜20mPa・sとなるように、インクを加温して粘度を調節することも安定出射、小液滴化の点から好ましい。
次に、本発明の記録方法について説明する。本発明のインクジェット記録方法においては、上記のインクをインクジェット記録方式により吐出し、ポリチオール化合物と重合性不飽和結合を有する化合物を被記録媒体上で混合し、次いで活性光線、放射線などのエネルギー線の照射によりインクを硬化する方法が好ましい。ポリチオール化合物と重合性不飽和結合を有する化合物を混合する方法としては、事前にポリチオールまたは重合性不飽和結合を有する化合物を含む液を被記録媒体に塗布し、もう一方の化合物を含むインクをインクジェットヘッドにより吐出して混合する方法、ポリチオール化合物、重合性不飽和結合を有する化合物を含むインクをそれぞれインクジェットヘッドにより吐出して被記録媒体上で混合する方法、などが挙げられる。ポリチオール化合物、重合性不飽和結合を有する化合物の混合比率の調整が容易なことから後者の方法がより好ましい。
ポリチオール化合物を含むインク、重合性不飽和結合を有する化合物を含むインクのいずれもインクジェットヘッドにより吐出し、被記録媒体上で混合する場合は、両インクの着弾タイミングの差はできるだけ少ないことが好ましく、1.0秒未満、さらには0.5秒未満、さらに好ましくは0.1秒未満である。
ポリチオール化合物を含むインクと重合性不飽和結合を有するv化合物を含むインクの混合比率については、チオール基と重合性不飽和結合が基本的には1:1で反応することから、チオール基と重合性不飽和結合の総数が1:0.5〜1:2、好ましくは1:0.8〜1:1.2となるように混合することが望ましい。混合比率は、インク中の各化合物の比率及びヘッドからのインク吐出量により調節が可能である。
エネルギー線の照射条件については、インクを吐出し、被記録媒体にインクが着弾してから0.001秒〜1.0秒の間にエネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
光源としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、冷陰極管、ブラックライト、紫外線LED、紫外線レーザー、電子線、ガンマ線、フラッシュ光など、インクを重合開始可能なエネルギー線であればいずれでも良い。
(インクの作製)
以下の組成により顔料分散物を作製した。なお、各顔料粒子の平均粒径が0.2〜0.3μmの範囲となるように、公知の分散装置を用いて分散条件を適宜調整した。また、分散後にフィルター濾過を行った。
(分散液A)
ピグメントブルー15:3 20質量部
高分子分散剤(ソルスパーズ24000:Avecia社製) 5質量部
フェノキシエチルアクリレート 75質量部
(分散液B)
ピグメントブルー15:3 20質量部
高分子分散剤(ソルスパーズ24000:Avecia社製) 5質量部
イソボルニルアクリレート 75質量部
(分散液C)
ピグメントブルー15:3 20質量部
高分子分散剤(ソルスパーズ24000:Avecia社製) 5質量部
OXT211(オキセタン化合物:東亞合成(株)社製) 75質量部
作製した各分散物を用い、下記に記載の処方に従って混合した後、0.8μmのフィルターにより濾過をして、インクを作製した。
(インクA1)
トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート) 80質量部
1,6−ヘキサンジチオール 15質量部
開始剤(イルガキュアー907:チバガイギー社製) 5質量部
(インクA2)
分散液A 20質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 75質量部
フェノキシエチルアクリレート 5質量部
(インクB)
分散液B 20質量部
イソボルニルアクリレート 25質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 40質量部
トリプロピレングリコールジアクリレート 10質量部
開始剤(イルガキュアー907:チバガイギー社製) 5質量部
(インクC)
分散液C 20質量部
オキセタン化合物(OXT211:東亞合成(株)社製) 60質量部
脂環式エポキシ樹脂(UVR6105:UCC社製) 15質量部
開始剤(UVI6990:UCC社製) 5質量部
実施例1
ノズル径23μm、128ノズルのピエゾ型インクジェットインクジェットノズルを用いたインクジェット記録装置によって、記録媒体への記録を行った。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンクから成り、前室インクタンクからヘッド部分まで断熱および加温を行った。温度センサーは前室タンクおよびピエゾヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に60℃±2℃となるよう、温度制御を行った。解像度は720×720dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)で射出できるよう、駆動周波数10kHzにて駆動した。記録する支持体は、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、印刷直前にプラズマ処理できるようプリンターに配置し、処理しながら記録を行った。
インクA2の着弾の0.05秒後、A2の着弾位置と同じ場所にインクA1が着弾するよう射出した。インクA1とA2の吐出量について、インクA1に含まれるチオール基の総数とインクA2に含まれる重合性不飽和結合の総数が1:0.4となるように吐出量を調整した。
インクA1の着弾の0.2秒後に、メタルハライドランプにより露光面照度1000mW/cm2、露光時間0.2秒、露光エネルギー200mJ/cm2となる条件で光照射し、インクを硬化させた。
画像形成時の環境の影響について、温度25℃、湿度40%の通常環境、画像硬化プロセスで酸素ガスを噴きつけた場合の酸素過剰環境、温度25℃、湿度90%の湿度の高い環境、の3つの環境で画像を作製し、評価した。
実施例2、3
実施例2、3についても、チオール基と重合性不飽和結合の総数の比が、1:1.8、1:1.1となるように比率を変えた以外は、同様の手法によって画像を作製した。
実施例4
実施例1と同様な装置を用い、さらに、プラズマ処理した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにインクA2を塗布コーターにより塗布した後、インクA1をインクジェットヘッドより射出した、チオール基と重合性不飽和結合の総数の比が、1:0.85となるように、A1の吐出量ととA2の付量を調整した。実施例1と同様にインクを硬化させた後、非画像形成部に存在する硬化していないインクA2を、イソプロピルアルコールで洗浄、除去した。
比較例1、2
実施例1におけるインクA1,A2の組み合わせを、比較例1についてはインクB単独に変更、比較例2についてはインクC単独に変更した以外、実施例1と同様の手法により画像を形成した。
評価
3cm×3cmのベタ画像について、目視による膜の確認と画像部へのセロハンテープ貼り付け、剥離によって、硬化性を評価した。
◎:画像部は膜を形成しており、セロハンテープ剥離後も画像部のはがれは全く見られなかった
○:画像部は膜を形成しているが、セロハンテープ剥離時に画像の一部がわずかにはがれた
△:画像部は膜を形成しているが、セロハンテープ剥離時にかなりの画像が一緒に剥離した
×:画像部が液と膜の混合物になっており、セロハンテープ剥離時に大部分の画像が一緒に剥離した。
Figure 2005248008
表1から、本発明の試料は、酸素や水分の影響を受けず、様々な環境下においても安定に硬化膜を形成することがわかる。

Claims (11)

  1. 分子内に2つ以上のチオール基を有するポリチオール化合物を30質量%以上含有することを特徴とするインクジェットインク。
  2. 前記ポリチオール化合物を50質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットインク。
  4. 分子内に2つ以上の重合性不飽和結合を有する化合物を30質量%以上含有することを特徴とするインクジェットインク。
  5. 前記分子内に2つ以上の重合性不飽和結合を有する化合物を50質量%以上含有することを特徴とする請求項4に記載のインクジェットインク。
  6. 重合開始剤を含まないことを特徴とする請求項4又は5に記載のインクジェットインク。
  7. ポリチオール化合物を含む液体と、重合性不飽和結合を有する化合物を含む液体の、いずれか一方をインクジェットヘッドにより吐出し、もう一方の液体とは被記録媒体上で混合後、硬化させる工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインクと、請求項4〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインクをそれぞれインクジェットヘッドにより吐出し、被記録媒体上で混合することを特徴とするインクジェット記録方法。
  9. ポリチオール化合物のチオール基と、重合性不飽和結合を有する化合物の重合性不飽和結合の総数の比率が、1:0.5〜1:2となるように液量比を調節し、被記録媒体上で混合することを特徴とする請求項7又は8に記載のインクジェット記録方法。
  10. ポリチオール化合物のチオール基と、重合性不飽和結合を有する化合物の重合性不飽和結合の総数の比率が、1:0.8〜1:1.2となるように液量比を調節し被記録媒体上で混合することを特徴とする請求項7又は8に記載のインクジェット記録方法。
  11. ポリチオール化合物と重合性不飽和結合を有する化合物を混合後、エネルギー線を照射し、硬化させる工程を有することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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