JP2005247854A - バリヤ機能の回復、表皮の分化の促進及び増殖の抑制のためのFXR、PPARα及びLXRαの活性剤の使用 - Google Patents
バリヤ機能の回復、表皮の分化の促進及び増殖の抑制のためのFXR、PPARα及びLXRαの活性剤の使用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005247854A JP2005247854A JP2005062692A JP2005062692A JP2005247854A JP 2005247854 A JP2005247854 A JP 2005247854A JP 2005062692 A JP2005062692 A JP 2005062692A JP 2005062692 A JP2005062692 A JP 2005062692A JP 2005247854 A JP2005247854 A JP 2005247854A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epidermis
- hydroxycholesterol
- methyl
- mucous membrane
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/335—Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
- A61K31/336—Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having three-membered rings, e.g. oxirane, fumagillin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/075—Ethers or acetals
- A61K31/08—Ethers or acetals acyclic, e.g. paraformaldehyde
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/11—Aldehydes
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/21—Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates
- A61K31/215—Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids
- A61K31/22—Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids of acyclic acids, e.g. pravastatin
- A61K31/23—Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids of acyclic acids, e.g. pravastatin of acids having a carboxyl group bound to a chain of seven or more carbon atoms
- A61K31/232—Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids of acyclic acids, e.g. pravastatin of acids having a carboxyl group bound to a chain of seven or more carbon atoms having three or more double bonds, e.g. etretinate
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0012—Galenical forms characterised by the site of application
- A61K9/0014—Skin, i.e. galenical aspects of topical compositions
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P17/00—Drugs for dermatological disorders
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P17/00—Drugs for dermatological disorders
- A61P17/02—Drugs for dermatological disorders for treating wounds, ulcers, burns, scars, keloids, or the like
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P17/00—Drugs for dermatological disorders
- A61P17/06—Antipsoriatics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P17/00—Drugs for dermatological disorders
- A61P17/08—Antiseborrheics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P17/00—Drugs for dermatological disorders
- A61P17/16—Emollients or protectives, e.g. against radiation
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Dermatology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Emergency Medicine (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Cosmetics (AREA)
Abstract
【課題】表皮バリヤが混乱し機能不全になっている皮膚及び粘膜の障害の改善。
【解決手段】ファルネソイドX受容体の活性化剤、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体αの活性化剤及びLXRα受容体のオキシステロール活性化剤のいずれかの化合物を局所的に塗布することによって治療され又は予防される。
【効果】上記の化合物は、表皮の分化と増殖の障害の治療にも有効である。
【選択図】なし
【解決手段】ファルネソイドX受容体の活性化剤、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体αの活性化剤及びLXRα受容体のオキシステロール活性化剤のいずれかの化合物を局所的に塗布することによって治療され又は予防される。
【効果】上記の化合物は、表皮の分化と増殖の障害の治療にも有効である。
【選択図】なし
Description
関連出願の相互参照
本出願は、1997年1月24日付けで出願された同時継続中の原出願である米国特許願第08/788,973号の一部継続出願である。なおこの特許願は本明細書に援用するものである。
本出願は、1997年1月24日付けで出願された同時継続中の原出願である米国特許願第08/788,973号の一部継続出願である。なおこの特許願は本明細書に援用するものである。
政府の権利
本発明は、米国国立衛生研究所の助成第HD29706号に基づいて、少なくとも一部が米国連邦政府の援助でなされたものである。したがって、米国連邦政府はこの発明に特定の権利を有している。
本発明は、米国国立衛生研究所の助成第HD29706号に基づいて、少なくとも一部が米国連邦政府の援助でなされたものである。したがって、米国連邦政府はこの発明に特定の権利を有している。
この発明は、皮膚に塗布するのに用いる局所用配合物の技術分野に関し、そしてバリヤ機能の混乱を示す皮膚または粘膜の疾患または障害、および表皮の分化と増殖の障害を起こす疾患が診られる患者の治療に関する。
発明の背景
哺乳類の表皮が行う機能の一つは、環境に対して皮膚を通して過大に水を失わないようにバリヤを形成することである。このバリヤは、総合して角質層として知られている表皮の無角層、角化層、最外層によって形成されている。表皮バリヤの局在的または全身的な混乱は、皮膚および粘膜の各種の疾患と症状で起こる。これらの混乱は、皮膚の病変部の形態に重大な影響があるだけではなく、乾癬のケブナー現象および湿疹症の炎症などの特定の皮膚疾患も促進する。また、表皮バリヤが健全であることは、表皮のDNA合成を調節する重要な要因でもある。したがって、正常な表皮バリヤを維持することは、表皮の過大増殖を抑制する生理的手段である。混乱しているか又は機能不全の表皮バリヤを生じる症状の例は以下のとおりである。
哺乳類の表皮が行う機能の一つは、環境に対して皮膚を通して過大に水を失わないようにバリヤを形成することである。このバリヤは、総合して角質層として知られている表皮の無角層、角化層、最外層によって形成されている。表皮バリヤの局在的または全身的な混乱は、皮膚および粘膜の各種の疾患と症状で起こる。これらの混乱は、皮膚の病変部の形態に重大な影響があるだけではなく、乾癬のケブナー現象および湿疹症の炎症などの特定の皮膚疾患も促進する。また、表皮バリヤが健全であることは、表皮のDNA合成を調節する重要な要因でもある。したがって、正常な表皮バリヤを維持することは、表皮の過大増殖を抑制する生理的手段である。混乱しているか又は機能不全の表皮バリヤを生じる症状の例は以下のとおりである。
懐胎期間が33週以下の早産児の体液と電解質の異常、低体温症および皮膚を通じての感染症;口唇炎、荒れた唇、鼻の刺激および外陰膣炎などの粘膜の炎症;
アトピー性および脂漏性の皮膚炎、アレルギー性皮膚炎若しくは刺激物接触皮膚炎、冬季湿疹、光アレルギー皮膚炎、光毒性皮膚炎、植物性光皮膚炎、放射線皮膚炎およびうつ血性皮膚炎などの湿疹皮膚炎;
皮膚または粘膜の外傷、火傷、水疱性障害または乏血から起こる潰瘍とびらん;
各種の形態の魚鱗癬;
表皮水疱症;
乾癬;
肥大した瘢痕とケロイド;
内因性老化と光老化による皮膚の変化;
皮膚の機械的剪断によって生じる摩擦発疱;
および
コルチコステロイド類の局所使用で起こる皮膚萎縮症。
アトピー性および脂漏性の皮膚炎、アレルギー性皮膚炎若しくは刺激物接触皮膚炎、冬季湿疹、光アレルギー皮膚炎、光毒性皮膚炎、植物性光皮膚炎、放射線皮膚炎およびうつ血性皮膚炎などの湿疹皮膚炎;
皮膚または粘膜の外傷、火傷、水疱性障害または乏血から起こる潰瘍とびらん;
各種の形態の魚鱗癬;
表皮水疱症;
乾癬;
肥大した瘢痕とケロイド;
内因性老化と光老化による皮膚の変化;
皮膚の機械的剪断によって生じる摩擦発疱;
および
コルチコステロイド類の局所使用で起こる皮膚萎縮症。
機能性バリヤに必要な表皮の重要要素は、角質層脂質の細胞間のラメラ2層シートである。角質層脂質の合成は、循環系または食事の影響に対して比較的自律的である。その合成応答は、代わりに、浸透性のバリヤ機能の変化によって調節される。その調節は、3種の各重要脂質の律速酵素:セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(セラミド類に対する)、HMGCoAリダクターゼ(コレステロールに対する)およびアセチルCoAカルボキシラーゼと脂肪酸シンターゼの両者(脂肪酸に対する)の活性、リン酸化(活性化)状態、質量およびmRNAの変化によって起こる。バリヤ機能が変化して起こる別の事象は、細胞外脂質のプロセシングを行う重要酵素の調節である。このような酵素の一つはβ−グルコセレブロシダーゼであり、これは、前駆体のグリコシルセラミド類のセラミド類への転化反応を触媒する。
バリヤが必要とする浸透性に基づいて脂質の合成は調節されるが、バリヤの発育と恒常性の内因性調節剤は知られていない。本発明の発明者らの研究室の細菌の研究によって、核受容体のスーパーファミリーのいくつもの活性化剤とリガンド、例えばグルココルチコイド類、甲状腺ホルモンおよびエストロゲンなどが、げっ歯動物胎仔の皮膚の成熟バリヤの出現を加速することが分かった(Hanley,K.他、「Epidermal barrier ontogenesis:maturation in serum-free media and acceleration by glucocorticoids and thyroid hormonbut not selected growth factors」、J.Invest Dermatol、106:404〜411、1996年;Hanley,K.他、「Hormonal basis for the gender difference in epidermal barrier formation in the fetal rat. Acceleration by estrogen and delay by androgen」、J.Invest.Dermatol、97:2576〜2584、1996年)。対照的に、このファミリーの他のメンバー、例えば、1,25−ジヒドロキシビタミンD3、9−cis−レチノイン酸、および全trans−レチノイン酸は全く作用がなかった。
発明の要約
成熟し完全に分化した角質層の形成と機能的表皮浸透性バリヤは、3つの核受容体、すなわちファルネソイドX−応答性受容体(FXR)、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α(PPARα)及びLXRαとして知られた肝臓ベース受容体のうちのいずれか1つの特定活性化剤を局所的投与することによって促進されることが発見された。これら3つの受容体は核受容体であり、かつ転写因子の核受容体のスーパーファミリーの一部分である。3つの受容体は、上記スーパーファミリーの1つのサブグループに属し、このサブグループの全ての受容体は、レチノイドX受容体(RXR)とヘテロ二量体を形成したときにのみ機能するという特徴を共有している。しかしながら、このサブグループの他の多くのメンバーは、成熟した角質層の形成又はバリヤの発育を促進する活性化剤を有せず、そのメンバーには、ビタミンD受容体(VDR)、全trans−レチノイン酸受容体(RARα,β,δ)及び9−cis−レチノイン酸(RXR)受容体が含まれる。したがって、この結果を達成するFXR、PPARαおよびLXRαの活性化剤の能力は、このサブグループのメンバーのなかでユニークなものである。
成熟し完全に分化した角質層の形成と機能的表皮浸透性バリヤは、3つの核受容体、すなわちファルネソイドX−応答性受容体(FXR)、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α(PPARα)及びLXRαとして知られた肝臓ベース受容体のうちのいずれか1つの特定活性化剤を局所的投与することによって促進されることが発見された。これら3つの受容体は核受容体であり、かつ転写因子の核受容体のスーパーファミリーの一部分である。3つの受容体は、上記スーパーファミリーの1つのサブグループに属し、このサブグループの全ての受容体は、レチノイドX受容体(RXR)とヘテロ二量体を形成したときにのみ機能するという特徴を共有している。しかしながら、このサブグループの他の多くのメンバーは、成熟した角質層の形成又はバリヤの発育を促進する活性化剤を有せず、そのメンバーには、ビタミンD受容体(VDR)、全trans−レチノイン酸受容体(RARα,β,δ)及び9−cis−レチノイン酸(RXR)受容体が含まれる。したがって、この結果を達成するFXR、PPARαおよびLXRαの活性化剤の能力は、このサブグループのメンバーのなかでユニークなものである。
バリヤの発育を促進するFXRの活性化剤の能力は、ファルネソール(卓越したFXR活性化剤)に構造が類似しているが、それ自体FXR活性化剤ではないがその化合物が構造が類似しているにもかかわらずバリヤの発育を促進しないことから、特に驚異的である。また、PPARα受容体の能力も、構造と機能が類似している他のPPAR受容体が(それら自体別個の活性化剤をもっている)存在するが、PPARα受容体の活性化剤のみがバリヤの発育を促進することから、特に驚異的である。この発見のさらに驚くべき点は、PPARα活性化に伴うバリヤ発育の促進は、必須脂肪酸と非必須脂肪酸の間の差になんら関係がなく、むしろある共通の構造的特徴に関係するということである。この発見のさらに驚くべき点は、LXRαの活性化剤ではないオキシステロール類が、LXRαの活性化剤であるオキシステロール類と構造が非常に似ているということである。LXRαの活性化剤ではないオキシステロール類は、構造が類似しているにもかかわらず本発明の有益な効果をもたらさない。さらに、本発明の主題である多くの活性化剤が、局所表皮用剤としての用途を有することは過去には全く知られていなかった。
この3つのクラスの活性化剤の新規に発見された活性は、欠陥のある、又は撹乱されたバリヤ機能に悩む哺乳類の皮膚の治療にこれらの薬剤を有用なものとした。本発明は、早産児、特に懐胎期間33週以下の幼児の治療に対して特に有用である。また、本発明は、表皮の分化と増殖の変調に対して有用である。適用症には、黒色腫と非黒色腫皮膚癌および皮膚前癌;乾癬、アトピー性皮膚炎および関連するバリヤ異常を伴うか又は伴わない種々のタイプの魚鱗癬などの表皮の分化と増殖の障害;ならびにいぼやコンジロームや脂漏性角化症のような良性新生物が含まれる。
本発明の他の特徴と利点は、以下の説明によって明らかになるであろう。
発明の詳細な説明と好ましい実施態様
ファルネソイドX応答性受容体(FXR)、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α(PPARα)および受容体LXRαは、それらの標的遺伝子のプロモーターのシス作用領域に結合してホルモン活性化剤またはリガンドに応答して遺伝子発現を調節する約150種のタンパク質のスーパーファミリーのメンバーである。これらの受容体の多くのものに対する活性化剤は知られているが、「オーファン受容体」と呼ばれているその外の受容体に対する活性化剤は知られていない。さらに、これら受容体のいくつかは、同じ受容体2分子からなる二量体(ホモ二量体)として、それらの標的遺伝子に結合するが、残りの受容体は、2種の受容体各々1分子ずつからなる二量体(ヘテロ二量体)として結合する。後者の受容体の中で目立つのは、Yu V.C.他、「RXRβ:coregulator that enhances binding of retinoic acid, thyroid hormon, and vitamin D receptors to their cognate response elements」、Cell、67:1251〜1266,1991年に開示されているレチノイドX受容体とヘテロ二量体を形成する必要がある核受容体である。このグループのメンバーとしては、ビタミンD受容体、甲状腺ホルモン受容体(T3R)、レチノイン酸受容体(RAR)、ファルネソイドX応答性受容体(FXR)、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)およびLXRαである。
ファルネソイドX応答性受容体(FXR)、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α(PPARα)および受容体LXRαは、それらの標的遺伝子のプロモーターのシス作用領域に結合してホルモン活性化剤またはリガンドに応答して遺伝子発現を調節する約150種のタンパク質のスーパーファミリーのメンバーである。これらの受容体の多くのものに対する活性化剤は知られているが、「オーファン受容体」と呼ばれているその外の受容体に対する活性化剤は知られていない。さらに、これら受容体のいくつかは、同じ受容体2分子からなる二量体(ホモ二量体)として、それらの標的遺伝子に結合するが、残りの受容体は、2種の受容体各々1分子ずつからなる二量体(ヘテロ二量体)として結合する。後者の受容体の中で目立つのは、Yu V.C.他、「RXRβ:coregulator that enhances binding of retinoic acid, thyroid hormon, and vitamin D receptors to their cognate response elements」、Cell、67:1251〜1266,1991年に開示されているレチノイドX受容体とヘテロ二量体を形成する必要がある核受容体である。このグループのメンバーとしては、ビタミンD受容体、甲状腺ホルモン受容体(T3R)、レチノイン酸受容体(RAR)、ファルネソイドX応答性受容体(FXR)、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)およびLXRαである。
ファルネソイドX応答性受容体(FXR)は、Formanと共同研究者が初めて報告した(Forman,B.B.「Identification of a nuclear receptor that is activated by farnesol metabolites」、Cell、81:678〜693,1995年)。この受容体は相対質量(Mr)が約54,000のタンパク質であり、細胞内代謝物によって調節される脊椎動物の転写因子である。この受容体は、特定のフェルネソイド類、すなわち、ファルネソール自体およびファルネソールから誘導されるかおよび/またはファルネソールに構成が類似している化合物によって活性化される。これらフェルネソイド類としては、ファルネソール、ファルネサル、酢酸ファルネシル、ファルネソール酸、ゲラニルゲラニオールおよび幼若ホルモンIIIがある。ファルネソールの化学名は、3,7,11トリメチル−2,6,10−ドデカトリエンオールであり、そして幼若ホルモンIIIの化学名は、7−メチル−9−(3,3−ジメチルオキシラニル)−3−メチル−2,6−ノナジエン酸メチルエステルである。FXRを活性化しないフェルネソイド類と代謝物は、ゲラニオール、スクアレン、メトプレン、メバロネート、スクアレンオキシド、スクアレンジオキシド、ラノステロール、24,25−エポキシコレステロール、プレグネナロン、デヒドロエビアンドロステロン、胆汁酸類および25−ヒドロキシコレステロールである。特に興味深いFXR活性化剤は、ファルネソール(以後、trans記号を付けてtrans−ファルネソールと呼ぶ)、ファルネサル、メチルファルネシルエーテル、エチルファルネシルエーテル、メチルファルネソエート、エチルファルネソエート、7−メチル−9−(3,3−ジメチルオキシラニル)−3−メチル−2,6−ノナジエン酸メチルエステル、および7−メチル−9−(3,3−ジメチルオキシラニル)−3−メチル−2,6−ノナジエン酸エチルエステルである。これらの中で好ましいのは、ファルネソール、ファルネサル、メチルファルネシルエーテル、メチルファルネソエート、および7−メチル−9−(3,3−ジメチルオキシラニル)−3−メチル−2,6−ノナジエン酸メチルエステルである。特に好ましいのは、ファルネソールと7−メチル−9−(3,3−ジメチルオキシラニル)−3−メチル−2,6−ノナジエン酸メチルエステル(幼若ホルモンIII)である。
ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)は、総説論文である、Schoonjans,J.、「Role of the peroxisome proliferator-activated receptor (PPAR) in mediating the effects of fibrates and fatty acids on gene expression」,J.Lipid Res.、37:907〜925,1996年に記載されている。PPARの3種のサブタイプが確認されており、これらサブタイプはα、β(またはδ)およびγと命名されている。そのαサブタイプはアフリカツメガエル(Xenopus)、ヒト、マウスおよびラットからクローン化されており、アフリカツメガエル、ヒトおよびマウスからはβ(またはδ)サブタイプが得られそしてアフリカツメガエル、ヒトおよびハムスターからはγサブタイプが得られる。PPAR類は6個の機能ドメインからなるモジコール構造を有している。DNA結合ドメインとして働く一つのドメインは、約66個のアミノ酸を含有し、2個の亜鉛原子で安定化され、これら亜鉛原子は各々、四つの不変システインの残基に結合している。PPARαの活性化剤としては、フイブレート類(fibrates)、短い連鎖(<C10)の脂肪酸以外の脂肪酸、長連鎖のモノ不飽和脂肪酸、およびジカルボン酸特にドデカン二酸がある。フイブレートの低級アルキルエステル好ましくはメチルエステル、および脂肪酸の低級アルキルエステル好ましくはメチルエステルも含まれる。フイブレート類としては以下のものがある。
クロフィブレート:2−(4−クロロフェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
クロフィブレート:2−(4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ)−2−メチルプロパン酸イソプロピルエステル
クロフィブレート:2−(4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)フェノキシ)イソ酪酸
ゲムフィブロジル:2−(2,4−ジメチルフェノキシプロピロ)−2−メチルプロパン酸
ベザフイブレート:2−(4−(4−クロロベンゾイルアミノエチル)フェノキシ)−2−メチルプロパン酸。
クロフィブレート:2−(4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ)−2−メチルプロパン酸イソプロピルエステル
クロフィブレート:2−(4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)フェノキシ)イソ酪酸
ゲムフィブロジル:2−(2,4−ジメチルフェノキシプロピロ)−2−メチルプロパン酸
ベザフイブレート:2−(4−(4−クロロベンゾイルアミノエチル)フェノキシ)−2−メチルプロパン酸。
これらの脂肪酸の中で、置換された脂肪酸が特に強力な活性化剤である。特に興味深いPPARα活性化剤は、リノール酸、オレイン酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸、(4−クロロ−6−(2,3−キシリジノ)−2−ピリミジニル)チオ酢酸およびクロフィブレートである。これらのPPARα活性化剤と他の例を含むリストは以下の通りである。
2,4−ジクロロフェノキシ酢酸
2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸
2−メチル−4−クロロフェノキシ酢酸
2−フェノキシ−2−2メチルプロパン酸エチルエステル
2−(4−プロモフェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
2−(4−ヨードフェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
2−(2−クロロフェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
2−(3−クロロフェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
2−(4−クロロフェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
2−(4−(4−クロロフェニル)フェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
2−(4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ)−2−メチルプロパン酸イソプロピルエステル
2−(4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)フェノキシ)−2−メチルプロパン酸
2−(4−(4−クロロベンゾイルアミノエチル)フェノキシ)−2−メチルプロパン酸
2−(2,3−ジメチル−4−(1,2,3,4−テトラヒドロメフチ−1−イル)フェノキシ)酢酸
2−(2−メチル−3−エチル−4−(4−クロロベンジル)フェノキシ)酢酸
(4−クロロ−6−(2,3−キシリジノ)−2−ピリミジニル)チオ酢酸
2((4−クロロ−6−(2,3−キシリジノ)−2−ピリミジニル)チオアセトアミド)エタノール
ペルフルオロ−n−デカン酸
ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート
ジ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート
ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート
ゼス−(カルボキシメチルチオ)−1,10−デカン
エチル4−(4−クロロフェノキシ)ブタノエート
2−(2−ニトロ−5−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゾイルオキシ)プロパン酸エチルエステル
2−(4−(4−クロロベンゾイル))フェノキシ−2−(2−メチルプロピオンアミド)エチルスルホン酸テトラデシルオキシ酢酸
テトラデシルオキシ酢酸
テトラデシルオキシプロピオン酸
ペルフルオロブタン酸
ペルフルオロオクタン酸
テトラデシルチオ酢酸
テトラデシルチオプロピオン酸
ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート
モノ−(2−エチルヘキシル)フタレート
2−エチルヘキサン酸
2−プロピルヘキサン酸。
2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸
2−メチル−4−クロロフェノキシ酢酸
2−フェノキシ−2−2メチルプロパン酸エチルエステル
2−(4−プロモフェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
2−(4−ヨードフェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
2−(2−クロロフェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
2−(3−クロロフェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
2−(4−クロロフェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
2−(4−(4−クロロフェニル)フェノキシ)−2−メチルプロパン酸エチルエステル
2−(4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ)−2−メチルプロパン酸イソプロピルエステル
2−(4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)フェノキシ)−2−メチルプロパン酸
2−(4−(4−クロロベンゾイルアミノエチル)フェノキシ)−2−メチルプロパン酸
2−(2,3−ジメチル−4−(1,2,3,4−テトラヒドロメフチ−1−イル)フェノキシ)酢酸
2−(2−メチル−3−エチル−4−(4−クロロベンジル)フェノキシ)酢酸
(4−クロロ−6−(2,3−キシリジノ)−2−ピリミジニル)チオ酢酸
2((4−クロロ−6−(2,3−キシリジノ)−2−ピリミジニル)チオアセトアミド)エタノール
ペルフルオロ−n−デカン酸
ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート
ジ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート
ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート
ゼス−(カルボキシメチルチオ)−1,10−デカン
エチル4−(4−クロロフェノキシ)ブタノエート
2−(2−ニトロ−5−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゾイルオキシ)プロパン酸エチルエステル
2−(4−(4−クロロベンゾイル))フェノキシ−2−(2−メチルプロピオンアミド)エチルスルホン酸テトラデシルオキシ酢酸
テトラデシルオキシ酢酸
テトラデシルオキシプロピオン酸
ペルフルオロブタン酸
ペルフルオロオクタン酸
テトラデシルチオ酢酸
テトラデシルチオプロピオン酸
ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート
モノ−(2−エチルヘキシル)フタレート
2−エチルヘキサン酸
2−プロピルヘキサン酸。
受容体LXRαは、Willy,P.J.他、「LXR,a nuclear receptor that defines a distinctretinoid response pathway」,Genes & Development、9:1033〜1045(Cold Sprong Harbor Laboratory Press)に初めて記載され、この受容体は最初肝臓から分離されかつ肝臓で豊富に発現されるためLXRαと命名された。LXRαの活性化剤はオキシステロール類のサブセットであり、7α−ヒドロキシコレステロール、25−ヒドロキシコレステロール、27−ヒドロキシコレステロール、4β−ヒドロキシコレステロール、24−ヒドロキシコレステロール、20(S)−ヒドロキシコレステロール、22(R)−ヒドロキシコレステロールおよび20,22−ジヒドロキシコレステロールが含まれる。LXRαの活性化剤ではないが構造が類似している化合物としては、コレステロール自体とオキシステロール類の7,25−ジヒドロキシコレステロール、17α−ヒドロキシコレステロールおよび22(S)−ヒドロキシコレステロール(22(R)−ヒドロキシコレステロールのエナンチオマー)が含まれる。置換コレステロール類に用いられる番号付けの方式は以下のとおりである。
用語「活性化剤」は、本明細書で使用する場合、分子種を局所に投与したとき、その分子種自体が受容体に結合するかまたはその分子種の代謝物が受容体に結合するかのいかんに拘わらず、指定の受容体を活性化する分子種を意味する。したがって、活性化剤は受容体のリガンドでもなく、または代謝されて受容体のリガンドになる活性化剤、すなわち組織中で形成されて実際のリガンドである代謝物でもよい。
本発明を実施する場合、これら活性化剤が、局所投与用に医薬として許容される配合物の有効成分として投与される。これらの配合物は、媒体を含有していてもいなくてもよいが、媒体は使用した方が好ましい。好ましい媒体は非脂質の媒体であり、特に水混和性の液体または液体の混合物である。その例は、メタノールエタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコール、ならびにこれら化合物の2種以上の混合物である。
媒体中の有効成分の濃度は一般に約10μM〜約1000μMの範囲内であるが、特定の有効成分の場合その濃度はこの範囲外に変えてもよい。有効成分として、ファルネソールを含有する配合物の場合、好ましい濃度は約10μM〜約100μMの範囲内である。有効成分として幼若ホルモンIIIを含有する配合物の場合、好ましい濃度は約10μM〜約200μMの範囲内である。有効成分としてクロフィブレートを含有する配合物の場合、好ましい濃度は約100μM〜約1000μMの範囲内である。有効成分としてオレイン酸を含有する配合物の場合、好ましい濃度は約100μM〜約1000μMの範囲内である。有効成分としてリノール酸を含有する配合物の場合、好ましい濃度は約5μM〜約50μMの範囲内である。
本発明による、FXRまたはPPARαの活性化剤を含有する局所用配合物は、皮膚および/または粘膜に塗布すると有益な作用がある。これらの活性化剤は、ローション剤、液剤、ゲル剤、クリーム剤、皮膚軟化クリーム剤、軟膏、スプレー剤、または局所塗布を行える他の形態として配合することができる。本発明の配合物は、その疾患領域の上への塗り広げを促進するがそれ以外は生物学的に不活性の薬剤1種以上を含有していてもよい。これら薬剤の例は、界面活性剤、保湿剤、湿潤剤、乳化剤または噴射剤である。
本明細書で、バリヤの発育を高めるのに有効であると称している量とは、繰返し塗布して時間が経過すると、混乱しているかまたは機能不全の表皮の浸透バリヤの症状を実質的に除く量である。与えられる事例の最適量は、当業技術者には容易に分かるであろうし、または日常的な実験で決定できる。
本発明を実施して治療を受けることができる皮膚の症状の例は次のとおりである。
懐胎期間が33週以下の早産幼児の皮膚;
アトピー性皮膚炎と脂漏性皮膚炎;
口唇炎、荒れた唇、鼻の刺激および外陰膣炎などの粘膜の炎症;
アレルギーおよび刺激物接触で起こる湿疹皮膚炎、冬季湿疹、放射線皮膚炎およびうつ血性皮膚炎;
化学薬剤または火傷、水疱性障害、または静脈、動脈、塞栓性もしくは糖尿病の潰瘍を含む血管の損傷または欠血による潰瘍とびらん;
バリヤの異常を伴うかまたは伴わない魚鱗癬;
表皮水疱症;
乾癬;
肥大した瘢痕とケロイド;
内因性老化およびダーマトヘリオサス(dermatoheliosus);
機械的摩擦による発疱;
コルチコステロイド萎縮症;および
リグニン黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、紫外線角化症およびウイルス誘発異常増殖(いぼおよび尖形コンジローム)を含む黒色腫と非黒色腫の皮膚癌。
アトピー性皮膚炎と脂漏性皮膚炎;
口唇炎、荒れた唇、鼻の刺激および外陰膣炎などの粘膜の炎症;
アレルギーおよび刺激物接触で起こる湿疹皮膚炎、冬季湿疹、放射線皮膚炎およびうつ血性皮膚炎;
化学薬剤または火傷、水疱性障害、または静脈、動脈、塞栓性もしくは糖尿病の潰瘍を含む血管の損傷または欠血による潰瘍とびらん;
バリヤの異常を伴うかまたは伴わない魚鱗癬;
表皮水疱症;
乾癬;
肥大した瘢痕とケロイド;
内因性老化およびダーマトヘリオサス(dermatoheliosus);
機械的摩擦による発疱;
コルチコステロイド萎縮症;および
リグニン黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、紫外線角化症およびウイルス誘発異常増殖(いぼおよび尖形コンジローム)を含む黒色腫と非黒色腫の皮膚癌。
投与の最適の方法と頻度は、当業技術者であれば容易に分かるであろうし、または日常的な実験で決定できる。疾患の領域または望ましい作用を達成することが求められている領域の上に薄い層で局所塗布を行うことによって、ほとんどの症例で有効な結果が達成される。取り上げられる症例、その病気または程度および塗布の理由が治療か予防かということによって、2日もしくは3日毎に1回の塗布〜1日に4回以上の塗布の塗布回数で有効な結果が得られる。 本発明は、一般に、ヒト、家庭ペット、および家畜類などの飼育動物を含む陸生動物の皮膚の治療に適用できる。
以下の実施例は、例示を目的として提供するものであり、本発明を限定または定義するものではない。これら実施例中および本明細書を通じての引用文献はすべて、それによって提供されるすべての法的目的を達成するため本明細書に援用するものである。
実施1〜11の材料と方法。
実施1〜11の材料と方法。
A. 期間培養モデルとバリヤ機能の測定
妊娠中のSprague−Dawleyラット(プラグデイト(plug date)=ゼロ日)をSimonsen(米国、カリフォルニア州ギルロイ)から入手して17日目に早産させた。皮膚経由水損失量(TEWL)は、ラットの胎仔から切り取った側腹部の皮膚(全厚み)について、各種の期間培養した後に測定した。その皮膚の外植片を、培地M−199(血清なし)中、コラーゲン膜挿入体(細孔の大きさ3μ)上に、真皮の面をペトロラタムでシールして、水損失が表皮表面を通じてのみ起こるようにした。外植片の試料の重量を、外界温度(24±3℃)および湿度(40±5%)にて、6時間にわたって、Cahn天秤(感度0.001mg)を使って1時間毎に測定した。TEWLのレベルは、1hrで表皮の表面1mm2当たりの水損失量のmgとして報告した。
妊娠中のSprague−Dawleyラット(プラグデイト(plug date)=ゼロ日)をSimonsen(米国、カリフォルニア州ギルロイ)から入手して17日目に早産させた。皮膚経由水損失量(TEWL)は、ラットの胎仔から切り取った側腹部の皮膚(全厚み)について、各種の期間培養した後に測定した。その皮膚の外植片を、培地M−199(血清なし)中、コラーゲン膜挿入体(細孔の大きさ3μ)上に、真皮の面をペトロラタムでシールして、水損失が表皮表面を通じてのみ起こるようにした。外植片の試料の重量を、外界温度(24±3℃)および湿度(40±5%)にて、6時間にわたって、Cahn天秤(感度0.001mg)を使って1時間毎に測定した。TEWLのレベルは、1hrで表皮の表面1mm2当たりの水損失量のmgとして報告した。
これらの実施例で使用した化合物は以下のとおりである。
ファルネソール
幼若ホルモンIII
リノール酸
オレイン酸
クロフィブレート
WY14,643(pirinixic acid)
5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)
トログリタゾン
レチノイン酸
9-cisレチノイン酸
1,25−ジヒドロキシビタミンD
プロスタグランジンJ2
ネロリドール
ゲラニルゲラニオール
cis,trans-ファルネソール
コレステロール
25−ヒドロキシコレステロール
22(R)−ヒドロキシコレステロール
22(S)−ヒドロキシコレステロール
スクアレン
メバロネート
幼若ホルモンIII
リノール酸
オレイン酸
クロフィブレート
WY14,643(pirinixic acid)
5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)
トログリタゾン
レチノイン酸
9-cisレチノイン酸
1,25−ジヒドロキシビタミンD
プロスタグランジンJ2
ネロリドール
ゲラニルゲラニオール
cis,trans-ファルネソール
コレステロール
25−ヒドロキシコレステロール
22(R)−ヒドロキシコレステロール
22(S)−ヒドロキシコレステロール
スクアレン
メバロネート
プロスタグランジンJ2はCayman Chemical Company(米国ミシガン州アン・アーバー)から入手した。トログリタゾンはParke-Davis Laboratories(米国ミシガン州デトロイト)から入手した。化合物(4−クロロ−6−(2,3−キシリジノ)−2−ピリミジニル)チオ酢酸(pirinixic acidおよびWY14,643として知られている)はWyeth Laboratories(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)から入手した。化合物のcis-ファルネソール、ネロリドールおよびゲラニルゲラニオールはカリフォルニア大学(米国カリフォルニア州ロスアンゼルス)から入手した。その外の化合物はすべてSigma Chemical Company(米国ミズーリ州セントルイス)から入手した。
脂肪酸類とクロフィブレート(p−クロロフェノキシイソ酪酸)は、0.5%(重量/容積)ウシ血清アルブシン(BSA)に結合させて培地に加えた。イソププレノイド類とオキシステロール類はエタノール(≦0.1%)に入れて加え、幼若ホルモンIIIはジメチルスルホキシド(DMSO)溶液(≦0.1%)として加えた。対照の外植片は、適当な媒体(≦0.1%のDMSOもしくはエタノール、および/または≦0.5%のBSA)の存在下でインキュベートした。
B.光学顕微鏡検査および電子顕微鏡検査
光学顕微鏡検査用試料は改変カーノブスキー溶液(modified
karnovsky's solution)で固定し、プラスチックに埋包し、次いで0.5μMの切片をトルイジンで染色した。電子顕微鏡検査用試料はつぶして1mm3の大きさの断片にし、改変カーノブスキー固定液で固定し、切片を酢酸ウラニルとクエン酸鉛で染色し、四酸化ルテニウムで後固定を行い、次いでZeiss 10A電子顕微鏡で測定した。
光学顕微鏡検査用試料は改変カーノブスキー溶液(modified
karnovsky's solution)で固定し、プラスチックに埋包し、次いで0.5μMの切片をトルイジンで染色した。電子顕微鏡検査用試料はつぶして1mm3の大きさの断片にし、改変カーノブスキー固定液で固定し、切片を酢酸ウラニルとクエン酸鉛で染色し、四酸化ルテニウムで後固定を行い、次いでZeiss 10A電子顕微鏡で測定した。
C.酵素検査用組織の調製
Ca++イオンとMg++を含有していないリン酸緩衝食塩水(PBS)pH7.4(10mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)含有)中で、37℃にて30〜40分間インキュベートした後表皮を真皮から分離した。その組織をつぶし、次いで0.1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)および0.1%TritonX−100を含有するPBS(β−グルコセレブロシダーゼの場合)中、または0.15Mスクロースおよび2mMEDTAを含有する10mMTris(pH7.5)(ステロイドスルファターゼの場合)中で、氷上にてホモジナイズした(Polytronホヒジナイザーを使って3回15秒間ずつホモジナイズし、続いて、35%パワーで2回10秒間ずつ超音波処理を行った)。β−グルコセレブロシダーゼの活性を、4℃で15分間、10,000×gにて遠心分離して得た上澄み液で測定した。ステロイドスルファターゼの活性は、10,000×gによる遠心分離(10分間、4℃)、続いて4℃で60分間の100,000×gによる超遠心分離を行って得たミクロソームの画分で測定した。タンパク質の含有量は通常の方法で測定した。
Ca++イオンとMg++を含有していないリン酸緩衝食塩水(PBS)pH7.4(10mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)含有)中で、37℃にて30〜40分間インキュベートした後表皮を真皮から分離した。その組織をつぶし、次いで0.1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)および0.1%TritonX−100を含有するPBS(β−グルコセレブロシダーゼの場合)中、または0.15Mスクロースおよび2mMEDTAを含有する10mMTris(pH7.5)(ステロイドスルファターゼの場合)中で、氷上にてホモジナイズした(Polytronホヒジナイザーを使って3回15秒間ずつホモジナイズし、続いて、35%パワーで2回10秒間ずつ超音波処理を行った)。β−グルコセレブロシダーゼの活性を、4℃で15分間、10,000×gにて遠心分離して得た上澄み液で測定した。ステロイドスルファターゼの活性は、10,000×gによる遠心分離(10分間、4℃)、続いて4℃で60分間の100,000×gによる超遠心分離を行って得たミクロソームの画分で測定した。タンパク質の含有量は通常の方法で測定した。
D.β−グルコセレブロシダーゼとステロイドスルファターゼの活性 β−グルコセレブロシダーゼの活性は、合成基質の4−メチルウンベリフェリルβ−Dグルコシド(4−MUG)を使用して検定した。その検定は、5mMのタウロコール酸ナトリウムを含有するクエン酸−リン酸緩衝液(pH5.6)中で0.5mM4−MUGを使い、37℃で60分間、最終検定容積100μLにてそしてタンパク質濃度1〜2mg/mLで実施した。反応は、炭酸−重炭酸緩衝液(pH10.5)2mLで停止させた。次に蛍光を360λ(励起)と450λ(発光)で測定し、標準の4−メチルウンベリフェロン(4−MU)曲線と比較した。
ステロイドスルファターゼの活性は、5.6mMグルコース(pH7.4)を含有する0.1MTris中100μgのミクロソームタンパク質を、15μMの(3H)ジヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEAS)(15μCi)と共に、最終容積1.1mLでインキュベートして測定した。生成物の(3H)DHEAをベンゼンで抽出し、その一部分を取って、シンチレーションスクトロホトメトリーで計数した。
E.統計的解析
統計的評価はスチューデント検定法を用いて実施した
実施例1
この実施例にて報告された試験は、すべてのRXRヘテロ二量体の活性化剤がバリヤの発育を加速するとは限らないことを実証している。レチノイド受容体、ビタミンD受容体およびペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)の三つの特定受容体の活性化剤が使用され、否定的な結果が実証された。
統計的評価はスチューデント検定法を用いて実施した
実施例1
この実施例にて報告された試験は、すべてのRXRヘテロ二量体の活性化剤がバリヤの発育を加速するとは限らないことを実証している。レチノイド受容体、ビタミンD受容体およびペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)の三つの特定受容体の活性化剤が使用され、否定的な結果が実証された。
従来の研究によれば、妊娠17日のラット由来の全厚皮膚は、2日培養した後、顆粒細胞中に層板状体(lamellay body)を示し、かつ角質層間隙に層板状物質が分泌されるが、胎内の妊娠19日のラットの皮膚と同様に、表皮が成熟層板状膜構造とコンペテントバリヤ(competent barrier)を欠いていることが示された。(Hanley,K.他、「Epidermal barrier ontogenesis:maturation in serum-
free media and accelaration by glucocorticoids and thyroid
hormon but not selected growth factors」J. Invest, Dermatol.106:404−411、1996年)。反対に、成熟表皮に観察されるのと同等のバリヤ機能をもつ角質層が胎内における21日に相当する4日の培養によって通常形成される。(Hanley他、1996年の報告)。
free media and accelaration by glucocorticoids and thyroid
hormon but not selected growth factors」J. Invest, Dermatol.106:404−411、1996年)。反対に、成熟表皮に観察されるのと同等のバリヤ機能をもつ角質層が胎内における21日に相当する4日の培養によって通常形成される。(Hanley他、1996年の報告)。
各種の活性化剤又は媒体(vehicle)のいずれかの存在下にて妊娠17日のラット由来の皮膚の外植片をインキュベートし、二日後に表皮経由水分損失量を測定した。この測定に用いた活性化剤とその濃度は次のとおりであった。
9−cis-レチノイン酸;レチノイドX受容体(RXR)の活性化剤;濃度1μM
全−trans−レチノイン酸:レチノイン酸受容体(RAR)の受容体;濃度1μM
1,25ジヒドロキシビタミンD3:ビタミンD受容体の活性化剤;濃度1μM
プロスタグランジンJ2:PPARγの活性化剤;濃度10μM
表皮経由水分損失量(TEWL)の試験結果を図1の棒グラフにて上方四本のバーにより示したが、対照(図の底部に示したバー)と比較したとき、上記四つの活性化剤はTEWLを減じてバリヤの発育を促進するのに有意な効果がなかったことを示している。
全−trans−レチノイン酸:レチノイン酸受容体(RAR)の受容体;濃度1μM
1,25ジヒドロキシビタミンD3:ビタミンD受容体の活性化剤;濃度1μM
プロスタグランジンJ2:PPARγの活性化剤;濃度10μM
表皮経由水分損失量(TEWL)の試験結果を図1の棒グラフにて上方四本のバーにより示したが、対照(図の底部に示したバー)と比較したとき、上記四つの活性化剤はTEWLを減じてバリヤの発育を促進するのに有意な効果がなかったことを示している。
更なるテストにおいて、図1にはその結果を示さなかったが、最初の三つの活性化剤を、バリヤの発育速度に対するこれらの効果について1nM〜1μMの濃度でテストした。この範囲でテストした濃度では効果が全く見られなかった。
これらのデータはレチノイド受容体、ビタミンD受容体およびPPARγの活性化剤は胎仔のバリヤの発育を促進しないことを実証している。
実施例2
この実施例にて報告された試験は、PPARαの活性化剤がバリヤの発育を促進し、一方他のPPARサブタイプの活性化剤はバリヤの発育を促進しないことを実証している。
この実施例にて報告された試験は、PPARαの活性化剤がバリヤの発育を促進し、一方他のPPARサブタイプの活性化剤はバリヤの発育を促進しないことを実証している。
リノール酸がPPARαの活性化剤の一例であり、図1には300μM濃度のリノール酸中にて2日間インキュベートした外植片のTEWL値が示されている。実施例1にて検討した四つの無効な活性化剤および対照(これらすべて図1に示してある)とは反対に、リノール酸はTEWLを著しく減少させた(p<0.005,n=8)。
現在知られている三つのPPARサブタイプは、PPARα、PPARδとPPARγである。これらのサブタイプは薬理学的に異種のものであって各種の因子によって特異的に活性化される。(Yu,V.C.他、「RXRβ:coregulator that enhances binding of
retinoic acid,thynoid hormon,and vitamin D receptors to
their cognate response elements」Cell、67:1251−1266、1991年)。
retinoic acid,thynoid hormon,and vitamin D receptors to
their cognate response elements」Cell、67:1251−1266、1991年)。
バリヤの発育促進がPPARαに特異的に起因しているか否かを判定するために、各種のPPARの活性化剤を次のようにテストした。
オレイン酸:PPARαの活性化剤(PPARδの活性化剤と推測される)を300μMの濃度でテストした。
ETYA:PPARαの活性化剤(PPARδの活性化剤と推測される)を100μMの濃度でテストした。
WY14,643:PPARαのみの活性化剤を100μMの濃度でテストした。
クロフィブレート:PPARαのみの活性化剤を300μMの濃度でテストした。
トログリタゾン:PPARαのみの活性化剤を10μMの濃度でテストした。
ETYA:PPARαの活性化剤(PPARδの活性化剤と推測される)を100μMの濃度でテストした。
WY14,643:PPARαのみの活性化剤を100μMの濃度でテストした。
クロフィブレート:PPARαのみの活性化剤を300μMの濃度でテストした。
トログリタゾン:PPARαのみの活性化剤を10μMの濃度でテストした。
この研究に関連して、プロスタグランジンJ2、すなわちPPARγの活性化剤のテスト結果のみが図1に示されている。
上記の五つの活性化剤の結果が、図2にて棒グラフで示されている。図2には二つの対照が含まれている。PPARαのみを活性化するとして知られているものを含むPPARαのすべての活性化剤は有意な正の効果を実証した。これに反して、PPARγ活性化剤のトログリタゾン(troglitazone)は、(図1に示したPPARγの活性化剤であるプロスタグランジンJ2と同様に)効果がなかった。これらの結果は、PPARαの活性化剤はバリヤの発育を促進するのに反して、PPARγのみを活性化する活性化剤はバリヤの発育を促進しないことを示している。
実施例3
この実施例にて報告された試験は、ファルネソールX応答性受容体(FXR)はバリヤの発育を促進するが、ファルネソール、ファルネソールの代謝産物、ファルネソールの代謝前駆体又はファルネソールの代謝前駆体の代謝産物と構造が類似している他の化合物はバリヤの発育を促進しないことを実証している。
この実施例にて報告された試験は、ファルネソールX応答性受容体(FXR)はバリヤの発育を促進するが、ファルネソール、ファルネソールの代謝産物、ファルネソールの代謝前駆体又はファルネソールの代謝前駆体の代謝産物と構造が類似している他の化合物はバリヤの発育を促進しないことを実証している。
再び図1を参照すると、ファルネソールがその棒グラフに含まれており、50μMのファルネソール中で2日間インキュベートした外植片のTEWL値が列挙されている。実施例1にて検討した四つの無効な活性化剤と対照とは反対に、ファルネソールはTEWLをリノール酸が果たしたと同様な度合まで顕著に減少させた(p<0.005,n=8)。
ファルネソールによるバリヤ発育の効果がFXRによって仲介されるか否かを確認するため、活性化されるFXRについて述べられているように、または活性化されるFXRについて同様に知られていることによって、ファルネソールに類縁の数種の他の化合物をTEWLについてテストした。ファルネソールはアセチル補酵素Aから多段階の代謝合成によって産生され、重要中間体の一つはメバロネートである。経路の一部として、メバロネートは律速段階でイソペンテニルピロホスフェートに転化され、そのイソペンテニルピロホスフェートは、一連の反応を通じてファルネシルピロホスフェートに転化される。ファルネシルピロホスフェートはファルネソールに直接変換されるが、コレステロール、ユビキノン、ドリコール、カロチノイド類、ビタミンD、胆汁酸類及びステロイドホルモン類のような化合物の合成を行う別の経路を取ることもできる。このファルネソール経路は次に、ファルネサル、ファルネソール酸(farnesoic acid)、メチルファルネソエート及び幼若ホルモンIIIのようなファルネソイド代謝産物に至る。
従って、この一連の試験は、メバロネート(200μMにてテストした)、幼若ホルモンIII(100μM)及び25−ヒドロキシコレステロール(50μM)についてのテスト、ならびにネロリドール(100μM)、ゲラニルゲラニオール(50μM)、cis-ファルネソール(50μM)およびスクアレン(50μM)についての試験が含まれている(後者の四つの化合物とファルネソールとは構造が類似している)。
これらのテスト結果が図3の棒グラフに示されている。この棒グラフは幼若ホルモンIIIが100μMにて有意にバリヤ形成を促進したことを示している(p<0.005,n=6)。これと対照的に、200μMにてのメバロネート、50μMにての25−ヒドロキシコレステロール、50μMにてのスクアレン、50μMにてのゲラニルゲラニオール、50μMにてのcis-ファルネソールまたは100μMにてのネロリドールはいずれもバリヤ機能に有意な影響をしなかった。これらの結果は、ファルネソールと幼若ホルモンIIIによるバリヤ発育の促進がFXRにより仲介されることを示している。
実施例4
この実施例にて報告された試験は、先の実施例においてテストしたPPARαおよびFXRの各種活性化剤の投与量反応を探究している。クロフィブレート、オレイン酸、リノール酸、ファルネソールおよび幼若ホルモンIIIを各々ある範囲の濃度にわたって使用して、TEWLの試験を先に述べたようにして実施した。その結果が図4a(クロフィブレートとオレイン酸)、図4b(リノール酸)および4c(ファルネソールと幼若ホルモンIII)に表示されている。クロフィブレートとオレイン酸の両者については、バリヤ発育に対する最大の効果が約500μMの濃度にて生じ、最大効果の半分の効果が約250μMの濃度で生じている。リノール酸については、バリヤ発育に対する最大効果が約30μMの濃度にて生じ、最大効果の半分効果が12.5μMの濃度にて生じる。ファルネソールは約50μMの濃度にて最大効果を示し約20μMの濃度にて最大効果の半分の効果を示した。
この実施例にて報告された試験は、先の実施例においてテストしたPPARαおよびFXRの各種活性化剤の投与量反応を探究している。クロフィブレート、オレイン酸、リノール酸、ファルネソールおよび幼若ホルモンIIIを各々ある範囲の濃度にわたって使用して、TEWLの試験を先に述べたようにして実施した。その結果が図4a(クロフィブレートとオレイン酸)、図4b(リノール酸)および4c(ファルネソールと幼若ホルモンIII)に表示されている。クロフィブレートとオレイン酸の両者については、バリヤ発育に対する最大の効果が約500μMの濃度にて生じ、最大効果の半分の効果が約250μMの濃度で生じている。リノール酸については、バリヤ発育に対する最大効果が約30μMの濃度にて生じ、最大効果の半分効果が12.5μMの濃度にて生じる。ファルネソールは約50μMの濃度にて最大効果を示し約20μMの濃度にて最大効果の半分の効果を示した。
実施例5
RXRとFXRの両者またはRXRとFXRの両者の活性化が、相乗効果または加成効果で、FXRまたはPPARα単独の活性化より、大きくバリヤを発育させるかどうかを確認するため、一連の試験が行われた。
RXRとFXRの両者またはRXRとFXRの両者の活性化が、相乗効果または加成効果で、FXRまたはPPARα単独の活性化より、大きくバリヤを発育させるかどうかを確認するため、一連の試験が行われた。
外植片が、9−cis-レチノイン酸中にて最初にクロフィブレートと次いでファルネソールと更に両者と組合せて、続いてTEWLが測定された。9−cis-レチノイン酸は1μMの濃度でテストされ、一方クロフィブレートとファルネソールは共に上記実施例4にて定めたような最適下限の濃度、すなわち、クロフィブレートは100μM、ファルネソールは10μMにてテストされた。いずれの組み合わせによっても機能または表皮形態学的な成熟に対する効果は見られなかった。
次いで、PPARα活性化剤とFXR活性化剤の組み合わせが相乗効果または加成効果を生じるかどうかを測定するための試験がなされた。最初の試験は、これら二つの活性化剤の最適下限の濃度(クロフィブレート100μMとファルネソール10μM)を用いて行われた。その結果が図5aの棒グラフに(活性化剤が存在しない)対照と比較して表示されている。「Clo」と標識したバーによって表示したクロフィブレートのTEWL値は同一濃度で図4aに示したデータ点と同じであり、一方図5aにおいて「Farn」と標識したバーによって表示したファルネソールのTEWL値は同一濃度で図4cに示したデータ点と同じである。上記二つの活性化剤の組み合わせについてのTEWL値は図5aにおいて「Clo+Farn」と標識下バーによって表示され、バリヤの発育が顕著に促進されたことを示し、クロフィブレートとファルネソールの加成効果を示している。
図5bにおいてその結果が示されている第2の試験においては、ファルネソールとクロフィブレートが図4aと4cにて確認されたそれらの最大濃度にて用いられた。クロフィブレートのTEWL値は、図5において「Clo」と標識したバーにより表示されおり図4aにおける効果が最大の濃度での値と同じである。一方、ファルネソールのTEWL値は図5において「Farn」を標識したバーによって表示されており図4cにおける効果が最大の濃度での値と同じである。効果が最大の濃度での上記二つの活性化剤の組み合わせのTEWL値は図5bにおいて「Clo+Farn」と標識したバーによって表示され、バリヤの発育が上記二つの活性化剤のみの値と較べてそれ以上促進されなかったことを示している。
最適下限の投与量のクロフィブレートとファルネソールに加成効果があることはバリヤの発育に向かう類似の活性化経路を示唆している。このことは、効果が最大の濃度にて同じ二つの活性化剤を組み合わせた場合に相乗効果が欠除していることでも示唆される。9−cis-レチノイン酸とクロフィブレートまたはファルネソールとの間の相乗効果が欠除しているのは、バリヤの発育に向かう経路がRXRの活性化とは独立していること、すなわち充分な内因性のRXR活性化剤が存在していたことを示唆している。
実施例6
この実施例は、PPARαおよびFXRの活性化剤の効果を表皮成熟の間に、光学顕微鏡のレベルと電子顕微鏡レベルで関係があるかどうかを判定することを目的としている。
この実施例は、PPARαおよびFXRの活性化剤の効果を表皮成熟の間に、光学顕微鏡のレベルと電子顕微鏡レベルで関係があるかどうかを判定することを目的としている。
各種の培地中にてインキュベートした外植片が光学顕微鏡によって検査された。インキュベーション培地には、対照培地(活性化剤を含まない)、ならびに、個別に、300μMのクロフィブレート、100μMの幼若ホルモンIII、300μMのオレイン酸、30μMのリノール酸、50μMのファルネソール、各種濃度の9−cis-レチノイン酸、全trans−レチノイン酸および1,25−ジヒドロキシビタミンD3を含有する培地が含まれている。対照の外植片中の表皮の光学顕微鏡検査は、対照の外植片が明確な顆粒層と明確な角質層の両者を欠除していることを示した。これと対比して、クロフィブレート含有培地中、幼若ホルモンIII含有培地中、オレイン酸含有培地中、リノール酸含有培地中、およびファルネソール含有培地中にてそれぞれ48時間インキュベートした外植片はすべて多層の顆粒層と角質層の両者を有していた。レチノイン酸含有培地(9−cisと全−transの両者)中にてインキュベートした外植片と、1,25−ジヒドロキシビタミンD3含有培地中にてインキュベートした外植片は明確な角質層を示さず形態学的に対照と区別できなかった。
各種の培地でインキュベートし次いで四酸化ルテニウムで後固定した外植片中の外表皮の超微細構造の成熟について観察した。レチノイン酸含有培地と1,25−ジヒドロキシビタミンD3含有培地を除いて、上記パラグラフで用いたのと同じ培地を使用した。FXRとPPARαの活性化剤を含有するすべての培地で処理した外植片は、角質層の細胞外ドメインを埋める、成熟したラメラ膜単位構造(mature lamellar membrane unit structure)の多重アレイ(multiple array)を示した。対照、ビタミンD3、全trans−レチノイン酸または9−cis-レチノイン酸の培養物には、いずれも単一層状角質層中に、成熟ラメラ膜単位構造まで器質化された細胞がラメラはなかった。
これらの結果は、バリヤの機能の発育が刺激されると、これに付随して、表皮の層化と分化が加速されかつ成熟ラメラ膜単位構造が角質層中に迅速に出現することを示している。
実施例7
この実施例は、バリヤの形成にその活性が増大する酵素の発現に対するPPARαとFXRの活性化剤の効果を精査している。表皮のβ−グルコセレブロシダーゼ活性が体内と生体外のラットの角質層とバリヤの発育中に増大すること、この酵素の阻害が正常なバリヤの形成を妨げること、およびこの酵素がバリヤのホメオスタシス(成人の生体内でのバリヤ機能)に必要とされることが当業技術分野で知られている。表皮バリヤの形成を加速するホルモン類が、胎児の皮膚の外植片のβ−グルコセレブロシダーゼ活性を増大することも分かっている。また、ステロイドスルファターゼの活性がバリヤの形成中に増大することも知られており、この活性はバリヤ形成を促進するホルモンによって刺激される。よって、β−グルコセレブロシダーゼとステロイドスルファターゼが二の研究のための酵素として選ばれた。
この実施例は、バリヤの形成にその活性が増大する酵素の発現に対するPPARαとFXRの活性化剤の効果を精査している。表皮のβ−グルコセレブロシダーゼ活性が体内と生体外のラットの角質層とバリヤの発育中に増大すること、この酵素の阻害が正常なバリヤの形成を妨げること、およびこの酵素がバリヤのホメオスタシス(成人の生体内でのバリヤ機能)に必要とされることが当業技術分野で知られている。表皮バリヤの形成を加速するホルモン類が、胎児の皮膚の外植片のβ−グルコセレブロシダーゼ活性を増大することも分かっている。また、ステロイドスルファターゼの活性がバリヤの形成中に増大することも知られており、この活性はバリヤ形成を促進するホルモンによって刺激される。よって、β−グルコセレブロシダーゼとステロイドスルファターゼが二の研究のための酵素として選ばれた。
17日胎仔ラット由来の皮膚外植片がクロフィブレート(300μM)と幼若ホルモンIII(100μM)を個々に含有している培地と対照培地中に24時間又は48時間インキュベートされた。かくして、酵素の活性が測定され、その結果が表1に五つの測定値の平均値±SEM(平均値の標準誤差)として表示されている。p値はすべて、同じ期間の対照と比べて≦0.005である。
表1のデータは、β−グルコセレブロシダーゼの活性が、24時間インキュベーションおよび48時間インキュベーション後に処理された外植片にて対照におけるよりも約2倍高くなったこと、およびステロイドスルファターゼの活性が、24時間インキュベーション後においては対照の1.6倍に増大され、48時間インキュベーション後においては2.5倍に増大されたことを示している。これらのデータは、クロフィブレートと幼若ホルモンIIIの両者が共にコンプテントバリヤの形成に関連する二つの脂質代謝酵素の活性の発育増大を加速することを実証している。
実施例8
この実施例は、PPARαの活性化剤が角質細胞の分化を誘発し、この分化が成熟表皮バリヤを発育させる過程の一部であることを示す。インボルクリンとトランスグルタミナーゼ(およびそれらのmRNA)が分化の指標として測定された。これら二つのタンパク質は角質層角質細胞の表面骨格の成分である。テストしたPPARαの活性化剤はクロフィブレートであった。
この実施例は、PPARαの活性化剤が角質細胞の分化を誘発し、この分化が成熟表皮バリヤを発育させる過程の一部であることを示す。インボルクリンとトランスグルタミナーゼ(およびそれらのmRNA)が分化の指標として測定された。これら二つのタンパク質は角質層角質細胞の表面骨格の成分である。テストしたPPARαの活性化剤はクロフィブレートであった。
ヒトの角質細胞が0.03mMCa++の濃度(低すぎて分化を誘発できないレベル)にてカルシウムを含有する培養物中にてインキュベートされた。また、この培養地中には400μMのクロフィブレートまたは10μMと20μMのETYAが含まれ、一方別の細胞培養物がクロフィブレートまたはETYAを含有しない対照として維持された。インボルクリンとトランスグルタミナーゼの両者に対するmRNAの産生が48時間にわたって時間間隔(0,6,12,24および48時間をとって)ノーザンブロット分析によって測定された。図6aにはインボルクリンについての結果が示され、図6bにはトランスグルタミナーゼについての結果が示されている。いずれの場合においても、明るいバーが対照細胞を示し、暗いバーがクロフィブレート含有培地中にてインキュベートした細胞を示している。発生したmRNAの度合が、ゼロ時間における対照に対する百分率で示されている。上記の図におけるデータは、クロフィブレートで処理された細胞が、6時間でインボルクリンのレベルを有意に増大し始め、かつ12時間でグルタミナーゼのレベルを有意に増大し始めたことを示している。同様な結果がETYAについても得られた。
次いで、上記の試験を、培地中1.2mMCa++の濃度(それ自体によって分化を誘発させるのに充分高い濃度)にてカルシウムを用いて繰り返した。図7aにはインボルクリンについての結果が示され、図7bにはトランスグルタミナーゼについての結果が示されている。同様にこれらの図においても、明るいバーが対照細胞を示し、暗いバーがクロフィブレート含有培地中にインキュベートされた細胞を示し、発生したmRNAの度合が、ゼロ時間における対照に対する百分率として示されている。対照細胞においては、インボルクリンmRNAのレベルは24時間にて最大値まで増大し、次いで48時間まで低下し、一方トランスグルタミナーゼmRNAは最初の24時間上昇し、次いで横ばい状態になるかまたは緩やかに上昇し続ける。クロフィブレート処理細胞は、対照と比べてすべての時点にて、インボルクリンとトランスグルタミナーゼの両者のmRNAが増大した。同様な結果がETYAについても得られた。
上記二つのmRNAのレベルのクロフィブレートの投与量に対する依存性が、0(媒体のみ)から400μM間での範囲で変化する濃度のクロフィブレートを、0.03mMまたは1.2mMCa++存在下で含有する培地を用いて24時間にわたる一連のインキュベーションによって確認された。インボルクリンとトランスグルタミナーゼのmRNAのレベルについての結果が図8に示されている。この図において、発生するmRNAの度合はゼロ時間にて実施されたそれぞれの測定値のパーセントとして表示されている。各タンパク質についてのmRNAレベルはこの範囲内にて投与量が増加するにつれて増大することを示している。
インボルクリン蛋白それ自体のレベルの測定が培地中にてウエスターンブロットにより行われた。この場合、各種のインキュベーションがクロフィブレートを0(媒体のみ)から400μMまでの範囲の濃度にて含有しカルシウムイオンを0.03mMと1.2mMにて含有する培地中にて行われた。図9aにおいては、0.03mMにてカルシウムイオンを含有する場合のテスト結果が示され、図9bにおいては、1.2mMにてカルシウムイオンを含有する場合のテスト結果が示されている。これらの図において、これらタンパク質の含有量は、クロフィブレートの存在しない状態で同じ時間インキュベートした培地で得たそれぞれの測定値のパーセントとして表されている。
両カルシウムレベルにてクロフィブレートの濃度が上記の範囲内で増大するにつれてタンパク質の含有量が実質的に増加することが観察された。それと共に、これらのデータはPPARαの活性化剤が表皮分化のタンパクマーカーの発現に深い効果を有することを実証している。
実施例9
この実施例は、FXRの活性化剤に角質細胞の分化が増大することを実証している。これは、表皮分化の主要なタンパクマーカーの発現の増大が指標である。用いた活性化剤はファルネソールと幼若ホルモンIIIであった。
この実施例は、FXRの活性化剤に角質細胞の分化が増大することを実証している。これは、表皮分化の主要なタンパクマーカーの発現の増大が指標である。用いた活性化剤はファルネソールと幼若ホルモンIIIであった。
実施例8の処理がなされ、次に0.03mMと1.2mMのカルシウムイオンを含有する培地中にて0(媒体のみ)から15μMの範囲内の各種濃度のファルネソールと幼若ホルモンIIIで24時間インキュベートした細胞からのインボルクリン蛋白のレベルの測定がなされた。図10には0.03mMCa++におけるファルネソールについての結果が示され、図11には0.03mMCa++における幼若ホルモンIIIについての結果が示されている。これらの図は、ファルネソールの濃度が上記の範囲内にて増大するにつれてインボルクリン蛋白の含有量がタンパク質を実質的に増加することを示し、同様なことが幼若ホルモンIIIについても起こることを示している。これらのデータは、FXRの活性化剤が表皮分化の主要なタンパクマーカーの発現を増大させることを示している。
実施例10
この実施例は、クロフィブレート、ファルネソールおよび幼若ホルモンIIIの角化エンベロープの生成率に対する効果を示している。その効果は洗浄剤と還元剤不溶性タンパク中への35S取り込みによって測定された。
この実施例は、クロフィブレート、ファルネソールおよび幼若ホルモンIIIの角化エンベロープの生成率に対する効果を示している。その効果は洗浄剤と還元剤不溶性タンパク中への35S取り込みによって測定された。
正常なヒトの角質細胞が0.07μMCa++を含有するKGM中にて80%コンフリーエンス(confluence)まで培養された。80%コンフリーエンスで、上記細胞を、0.03μMCa++または1.2μMのCa++を含有し、かつクロフィブレートの濃度を0〜400μMの範囲で変えたKGMに移した。次いで、細胞が35S−メチオニン/システインを含むこれら溶液中にて48時間インキュベートされた。イオノマイシン、5μMが46時間の時点、すなわち角化エンベロープを検定する2時間前に添加された。かくして、細胞がリン酸−緩衝食塩水(PBS)によりすすがれて、2%のドデシル硫酸ナトリウム溶液に溶解され、その一部と煮沸水中の4%ナトリウムドデシル硫酸ナトリウム/40mMジチオトレイトール中に30分間おかれた。ドデシル硫酸ナトリウムに不溶性のペレットが0.1%ドデシル硫酸ナトリウム/0.1%ジチオトレイトールで洗浄され、洗浄剤−不溶性角化エンベロープ中に取り込まれた放射能がシンチレーション計数によって測定された。35S−期間中に合成された全タンパク質を測定するために、煮沸前の細胞溶解産物の一部が10%三塩化酢酸によって30分間氷上で沈降され、5%三塩化酢酸により洗浄され、シンチレーション計数によって定量された。角化エンベロープの割合がパーセンテージcpm/全タンパク質cpm×100として算出された。
上記の結果が表2に示されている。この表において、試験結果は、0.03mMCa++を含有する対照を表す値のパーセントとして表示され、各記入数値は、二つの独立した試験地の平均値±SEMを示している。0.03mMCa++と200μMおよび400μMのクロフィブレートにてのデータと1.2mMCa++と400μMにてのデータについては、pの値が対応する媒体のみの対照に比べて0.01小さい。
表2におけるデータは、クロフィブレートが高いCa++の培地および低いCa++の培地中にて角化エンベロープの生成を増大させたことを示している。
同様なテストがそれぞれ低カルシウム濃度(0.03mM)の別々の培地中で10μMのファルネソールと15μMの幼若ホルモンIIIを用いて行われた。48時間の結果が図12に示されている。この結果は、ファルネソールと幼若ホルモンIIIが角化エンベロープ生成速度を実質的に増大させたことを示している。
実施例11
この実施例は、角質細胞の成長に対するクロフィブレート、ファルネソールおよび幼若ホルモンIIIの効果を示す。その結果は、PPARαとFXRの活性化剤が細胞の成長と増殖を抑制することを示している。
この実施例は、角質細胞の成長に対するクロフィブレート、ファルネソールおよび幼若ホルモンIIIの効果を示す。その結果は、PPARαとFXRの活性化剤が細胞の成長と増殖を抑制することを示している。
プレコンフリューエント(preconfluent)角質細胞を、低濃度(0.03mM)のカルシウムおよび高濃度(1.2mM)のカルシウムの存在下、濃度をゼロ(媒体のみ)〜400μMの範囲内で変えたクロフィブレートとともに48hr処理した。処理された角質細胞を収穫し次いで超音波処理を行い。次に、得られたホモジネートを、1μL/mLのビス−ベンゾイミダゾールとともに、2時間暗所でインキュベートした。試料を、分光蛍光光度計で読み取ってDNA含有量を定量した。測定結果を表3に示す。表中の各数値は3試料の平均値である。
10μMのファルネソールおよび15μMの幼若ホルモンIIIを使用し、両者ともに0.03mMCa++の存在下で48時間インキュベートして類似の試験を実施した。試験結果を図13に示す。表2と図13は、PPARαとFXR両者の活性化剤が細胞の成長を抑制することを総合的に示している。
実施例12〜13では、この発明で取込む用途におけるLXRαのオキシステロール活性化剤の活性について述べる。
実施例12〜17の材料と方法:
A.細胞培養
ヒトの表皮を新生児の包皮から切り取り、次いで通常の方法を使って、角質細胞を血清なしの角質細胞増殖培地(「KGM」、Clonetics,米国カリフォルニア州サンディエゴ所在)にプレートした。細胞を、媒体中の試験化合物でまたは媒体のみ(<0.1%エタノール)で、24時間または48時間処理した。試験化合物はSigma Chemical Co.(米国シズーリ州セントルイス)から入手し、15mMの原液として−20℃で貯蔵した。メバロネートは減菌水で可溶化した。
A.細胞培養
ヒトの表皮を新生児の包皮から切り取り、次いで通常の方法を使って、角質細胞を血清なしの角質細胞増殖培地(「KGM」、Clonetics,米国カリフォルニア州サンディエゴ所在)にプレートした。細胞を、媒体中の試験化合物でまたは媒体のみ(<0.1%エタノール)で、24時間または48時間処理した。試験化合物はSigma Chemical Co.(米国シズーリ州セントルイス)から入手し、15mMの原液として−20℃で貯蔵した。メバロネートは減菌水で可溶化した。
B.RNAの単離、ノーザンブロッティングおよびDNAプローブ
全DNAを、TRIZOL(Sigma Chemical Co.)を使用し、製造メーカーのプロトコルにしたがって単離した。エタノールで沈降させたRNAのペレットを、ジエチルピロカルボネート(DEPC)で処理した減菌水中に懸濁させ、次いでRNAを、純度の指数として260/280nmの比率を使用して260nmの吸光度によって定量した。2.2Mホルムアルデヒドを含有する1%アガロースゲルによって、RNA(15μg/試料)のサイズ分画を行った。RNAの完全性(integrity)を、電気泳動法で得たゲルをアクリジンオレンジで染色して視覚化した。そのRNAをナイロン膜に移し、続いて、80℃で2hrベークした。ブロットを、65℃で一夜かけて、32Pで標識したプローブとハイブリッドを形成させた。0.1%のSSCと0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有する溶液で、室温にて20分間洗浄し、次いで65℃で20分間洗浄した。オートラジオグラフィーを−70℃で実施した。ブロットをβ−アクチンでプローブして等しいローディング(loading)を確認した。適当なバンドをデンシトメトリーで定量した。
全DNAを、TRIZOL(Sigma Chemical Co.)を使用し、製造メーカーのプロトコルにしたがって単離した。エタノールで沈降させたRNAのペレットを、ジエチルピロカルボネート(DEPC)で処理した減菌水中に懸濁させ、次いでRNAを、純度の指数として260/280nmの比率を使用して260nmの吸光度によって定量した。2.2Mホルムアルデヒドを含有する1%アガロースゲルによって、RNA(15μg/試料)のサイズ分画を行った。RNAの完全性(integrity)を、電気泳動法で得たゲルをアクリジンオレンジで染色して視覚化した。そのRNAをナイロン膜に移し、続いて、80℃で2hrベークした。ブロットを、65℃で一夜かけて、32Pで標識したプローブとハイブリッドを形成させた。0.1%のSSCと0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有する溶液で、室温にて20分間洗浄し、次いで65℃で20分間洗浄した。オートラジオグラフィーを−70℃で実施した。ブロットをβ−アクチンでプローブして等しいローディング(loading)を確認した。適当なバンドをデンシトメトリーで定量した。
C.インボルクリン蛋白質とトランスグルタミナーゼ蛋白質のレベル
タンパク質の濃度は、タンパク質電気泳動法とウエスターンブロット法で検定した。細胞を2%SDSに溶解し、その溶解物を超音波処理した。タンパク質の測定は、Bicin-choninic acid タンパク質検定法(Pierce Chemical Company、米国イリノイ州ロックフォード)を用いて行った。タンパク質を測定した後、等しい量のタンパク質(50μM)を7.5%ポリアクリルアミドゲルの電気泳動で分離し、次いでポリ二フッ化ビニリデンの膜(0.2−μ、Bio-Rad Laboratories、米国カリフォルニア州ハーキュレス所在から入手)上にエレクトロブロットした。インボルクリン蛋白質は、ポリクローナルウサギ抗ヒトボルクリン抗体(1:1000希釈率)とともに、一夜、4℃でインキュベートすることによって検出した。オートラジオグラム上のインボルクリン特異的バンドをデンシトメトリーで定量した。トランスグルタミナーゼ蛋白質の発現は、スタッキング(stacking)、試料および4Mの尿素を含有する流動緩衝液を使用して類似の方法で測定し、次いで電気泳動法で得たゲルを、4M尿素、25mMTRIS−HCl、pH7.4、7.5mMNaCl、0.1mMジチオトレイトール(DTT)および2mMエチレンジアミン四酢酸で90分間洗浄し、次いでエレクトロブロッティングを行い、抗体でトランスグルタミナーゼを検出した。オートラジオグラム上の特異的バンドをデンシトメトリーで定量した。
タンパク質の濃度は、タンパク質電気泳動法とウエスターンブロット法で検定した。細胞を2%SDSに溶解し、その溶解物を超音波処理した。タンパク質の測定は、Bicin-choninic acid タンパク質検定法(Pierce Chemical Company、米国イリノイ州ロックフォード)を用いて行った。タンパク質を測定した後、等しい量のタンパク質(50μM)を7.5%ポリアクリルアミドゲルの電気泳動で分離し、次いでポリ二フッ化ビニリデンの膜(0.2−μ、Bio-Rad Laboratories、米国カリフォルニア州ハーキュレス所在から入手)上にエレクトロブロットした。インボルクリン蛋白質は、ポリクローナルウサギ抗ヒトボルクリン抗体(1:1000希釈率)とともに、一夜、4℃でインキュベートすることによって検出した。オートラジオグラム上のインボルクリン特異的バンドをデンシトメトリーで定量した。トランスグルタミナーゼ蛋白質の発現は、スタッキング(stacking)、試料および4Mの尿素を含有する流動緩衝液を使用して類似の方法で測定し、次いで電気泳動法で得たゲルを、4M尿素、25mMTRIS−HCl、pH7.4、7.5mMNaCl、0.1mMジチオトレイトール(DTT)および2mMエチレンジアミン四酢酸で90分間洗浄し、次いでエレクトロブロッティングを行い、抗体でトランスグルタミナーゼを検出した。オートラジオグラム上の特異的バンドをデンシトメトリーで定量した。
D.角化エンベロープの生成
角化エンベロープの生成率を測定するため、細胞を、48hrかけて、35S−メチオニン/システイン(2μCi/mL;trans35S標識、ICN Biomedical, Inc.、米国カリフォルニア州アービン)で標識し、この48hrのうち最後の2hrは5μMのイオノマイシンとともにインキュベートし、リン酸緩衝食塩水(BPS)で洗浄し、次いで、2%SDS1.1mL中に収穫した。得られたものを小分けしてタンパク質測定用に保管した。残りの細胞溶解物(1mL)を短時間(10秒間)超音波処理した。次に、4%SDS/4mMDTT1mLを添加し、得られた混合物を、>95℃に30分間で加熱した。得られた混合物を放冷し、SDS/DTTに不溶性の物質をフィルターディスク上に集め、0.5%SDS/0.5%DTTで洗浄し、次いで、シンチレーションスクトロホトメトリーで定量した。35Sの標識を付けていた48hr中に合成された全タンパク質を測定するため、保管中の小分けした細胞溶解物(加熱する前に採取)を、同容積の2%ウシ血清アルブシン(BSA)および1mLの10%(重量/容積)トリクロロ酢酸(TCA)を用い、氷上で30分間沈降させ、次に沈降した35S標識化タンパク質をフィルター(細孔の大きさP8、Fisher Scientific、米国ペンシルベニア州ピッツバーグ)上に集め、5%TCAで洗浄し、次いでシンチレーションスペクトロスコピーで定量した。全タンパク質は通常の方法で測定した。
角化エンベロープの生成率を測定するため、細胞を、48hrかけて、35S−メチオニン/システイン(2μCi/mL;trans35S標識、ICN Biomedical, Inc.、米国カリフォルニア州アービン)で標識し、この48hrのうち最後の2hrは5μMのイオノマイシンとともにインキュベートし、リン酸緩衝食塩水(BPS)で洗浄し、次いで、2%SDS1.1mL中に収穫した。得られたものを小分けしてタンパク質測定用に保管した。残りの細胞溶解物(1mL)を短時間(10秒間)超音波処理した。次に、4%SDS/4mMDTT1mLを添加し、得られた混合物を、>95℃に30分間で加熱した。得られた混合物を放冷し、SDS/DTTに不溶性の物質をフィルターディスク上に集め、0.5%SDS/0.5%DTTで洗浄し、次いで、シンチレーションスクトロホトメトリーで定量した。35Sの標識を付けていた48hr中に合成された全タンパク質を測定するため、保管中の小分けした細胞溶解物(加熱する前に採取)を、同容積の2%ウシ血清アルブシン(BSA)および1mLの10%(重量/容積)トリクロロ酢酸(TCA)を用い、氷上で30分間沈降させ、次に沈降した35S標識化タンパク質をフィルター(細孔の大きさP8、Fisher Scientific、米国ペンシルベニア州ピッツバーグ)上に集め、5%TCAで洗浄し、次いでシンチレーションスペクトロスコピーで定量した。全タンパク質は通常の方法で測定した。
E.DNAの合成
培地1mL当たり2μCiの3H−チシジン(110Ci/mmolのメチル−1’,2’−3H−チミジン(Amersham Laboratories,米国イリノイ州アーリントンハイツ))とともに16時間インキュベートした後、細胞DNA中に取り込まれた3H−チミジンの量を測定することによって、DNAの合成率を求めた。次に、これらの細胞を1N NaOHで可溶化し、ついで、洗浄されたTCA沈降物の放射能を、シンチレーションスペクトロスコピーによって定量した。
培地1mL当たり2μCiの3H−チシジン(110Ci/mmolのメチル−1’,2’−3H−チミジン(Amersham Laboratories,米国イリノイ州アーリントンハイツ))とともに16時間インキュベートした後、細胞DNA中に取り込まれた3H−チミジンの量を測定することによって、DNAの合成率を求めた。次に、これらの細胞を1N NaOHで可溶化し、ついで、洗浄されたTCA沈降物の放射能を、シンチレーションスペクトロスコピーによって定量した。
F.トランスフェクション
角質細胞を次のようにしてトランスフェクトした。すなわち、初代(primary)角質細胞を、6ウェルの多重ウェルプレートを通過させ、1〜2日後にトランスフェクトして、そのトランスフェクトした日に20〜40%のコンフリーエンス(confluence)を得た。インボルクリンプロモーター構造体(construct)(1μg)、0.1μgのRSV−β−galおよび7.5μgのポリブリン(ジヘキサブロミド、Aldrich Chemistry Company,Inc.、米国ウィスコンシン州シルウォーキー)を、培地(0.03mMCa++を含有するKGM)に、最終容積0.35mLで添加し、次いで角質細胞を、5hr、各hr緩やかに振盪しながら37℃でインキュベートした。次に、細胞を、CMFPBSですすぎ、次に、培地に10%グリセリンを入れて、3分間室温でインキュベートした。CMFPBSで2回すすいだ後、角質細胞を、0.03mMCa++を含有するKGM2mLとともに一夜インキュベートした。次に日に、角質細胞質を、媒体(エタノール)の試験化合物10mMを含有する新しい培地(0.03mMまたは1.2mMのCa++)で処理した。細胞を250μLの細胞溶解緩衝液ですすいで収穫した。その溶解物を、10,000×g(4℃)で2分間、遠心分離し、次に、上澄液20μLを、ルシフェラーゼの基質とβ−ガラクトシダーゼの基質で検定した。β−ガラクトシダーゼの活性を利用してデータを正規化して、トランスフェクトの無効(transfection inefficiency)について修正した。
角質細胞を次のようにしてトランスフェクトした。すなわち、初代(primary)角質細胞を、6ウェルの多重ウェルプレートを通過させ、1〜2日後にトランスフェクトして、そのトランスフェクトした日に20〜40%のコンフリーエンス(confluence)を得た。インボルクリンプロモーター構造体(construct)(1μg)、0.1μgのRSV−β−galおよび7.5μgのポリブリン(ジヘキサブロミド、Aldrich Chemistry Company,Inc.、米国ウィスコンシン州シルウォーキー)を、培地(0.03mMCa++を含有するKGM)に、最終容積0.35mLで添加し、次いで角質細胞を、5hr、各hr緩やかに振盪しながら37℃でインキュベートした。次に、細胞を、CMFPBSですすぎ、次に、培地に10%グリセリンを入れて、3分間室温でインキュベートした。CMFPBSで2回すすいだ後、角質細胞を、0.03mMCa++を含有するKGM2mLとともに一夜インキュベートした。次に日に、角質細胞質を、媒体(エタノール)の試験化合物10mMを含有する新しい培地(0.03mMまたは1.2mMのCa++)で処理した。細胞を250μLの細胞溶解緩衝液ですすいで収穫した。その溶解物を、10,000×g(4℃)で2分間、遠心分離し、次に、上澄液20μLを、ルシフェラーゼの基質とβ−ガラクトシダーゼの基質で検定した。β−ガラクトシダーゼの活性を利用してデータを正規化して、トランスフェクトの無効(transfection inefficiency)について修正した。
実施例12
この実施例は、LXRαのオキシステロール活性化剤が、インボルクリンmRNAとトランスグルタミナーゼmRNAのレベルで示される角質細胞の分化を刺激するが、コレステロール、メバロネートおよび22(S)−ヒドロキシコレステロールは有意な効果を示さなかったことを実証する。
この実施例は、LXRαのオキシステロール活性化剤が、インボルクリンmRNAとトランスグルタミナーゼmRNAのレベルで示される角質細胞の分化を刺激するが、コレステロール、メバロネートおよび22(S)−ヒドロキシコレステロールは有意な効果を示さなかったことを実証する。
低カルシウム(0.03mM)中に維持し、次いで、媒体のみ(<0.1%エタノール)、または25−ヒドロキシコレステロール(10μM)、22(R)−ヒドロキシコレステロール(10μM)、コレステロール(10μM)もしくはメバロネート(500μM)を(個々に)含有する媒体の存在下、24hrインキュベートした角質細胞について、ノーザンブロット分析を実施した。インボルクリン(「INV」)とトランスグルタミナーゼ(「TGアーゼ」)のmRNAレベルを図14aの棒グラフに示す。なお、INVが白い棒で示しそしてTGアーゼは影付き棒グラフで示し両方に誤差限界を示してある。図14aは、25−ヒドロキシコレステロール(「25−OH」)と22(R)−ヒドロキシコレステロール(「22R−OH」)が、媒体のみの場合と比べて、mRNAのレベルが約2倍であったことを示している。対照的に、コレステロール(「chol」)もメバロネート(「mev」)も全く効果がなかった。
別の比較として、22(R)−ヒドロキシコレステロールと22(S)−ヒドロキシコレステロール(「22S−OH」)を同じ条件下で試験して、その結果を、図14aと同じ棒の表示を用いて、図14bの棒グラフに示してある。22S−OHのデータには、INVまたはTGアーゼのmRNAに対する効果が全く観察されなかったが、22R−OHのデータには、図14aで観察されたデータが繰り返された。
次に、22(R)−ヒドロキシコレステロールの投与量依存性を、0.01μM、1.0μM、10.0μMおよび15.0μMの投与量を使用して測定した。その結果を、図14aと14bと同じ、INVとTGアーゼのmRNAのバーの指標を用いて、図15の棒グラフに示してある。このプロットは、最大効果が10〜15μMの投与量で見られ、そして最大効果の1/2の効果が約5μMに見られたことを示している。
実施例13
1.2mMの細胞外カルシウム濃度が角質細胞の分化を刺激することは周知である。この実施例は、高濃度のカルシウムの存在下、LXRαのオキシステロール活性剤が角質細胞の分化を、一層、刺激することを実証する。
1.2mMの細胞外カルシウム濃度が角質細胞の分化を刺激することは周知である。この実施例は、高濃度のカルシウムの存在下、LXRαのオキシステロール活性剤が角質細胞の分化を、一層、刺激することを実証する。
カルシウム濃度を1.2mMまで上げ、ならびに媒体のみ、媒体プラス25−ヒドロキシコレステロール(10μM)、22(R)−ヒドロキシコレステロール(10μM)またはコレステロール(10μM)で試験したこと除いて、実施例12の実験を繰り返した。試験結果を、上記の諸図と同じバーの指標を使って図16の棒グラフに示す。図16の棒グラフは、25−ヒドロキシコレステロールと22(R)−ヒドロキシコレステロールの両者が、INVとTGアーゼの両者のmRNAのレベルを、INVについては対照の約2.3〜2.4倍まで、そしてTGアーゼについては対照の約2.5〜2.9倍まで誘発したが、コレステロールはどちらにも効果が全くなかったことを示している。β−アクチンmRNAのレベルの測定を行ったが、その結果(図示していない)は、そのレベルが、低カルシウム(0.03mM)または高カルシウム(1.2mM)の条件下でのオキシステロールによる処理で影響を受けなかったことを示した。
実施例14
この実施例は、LXRのオキシステロール活性剤がインボルクソンとトランスグルタミナーゼのタンパク質のレベルを刺激するが、コレステロールは刺激しないことを実証する。
この実施例は、LXRのオキシステロール活性剤がインボルクソンとトランスグルタミナーゼのタンパク質のレベルを刺激するが、コレステロールは刺激しないことを実証する。
低カルシウム(0.03mM)の存在下でインキュベートし、そして試験化合物で24hr処理した角質細胞中の、インボルクソンとトランスグルタミナーゼのタンパク質のレベルを測定した。試験結果を図17aの棒グラフに示す。図17aで、試験化合物を、図14〜16と同じバーの指標を用いて、媒体のみ(対照)およびコレステロールを比較した。プロットは、25−ヒドロキシコレステロールが、対照と比べて、約1.7倍のレベルのINVを誘発しかつ約1.6倍のTGアーゼタンパク質を誘発し、そして22(R)−ヒドロキシコレステロールが、対照と比べて、約3.2倍のレベルのINVを誘発しかつ約2.8倍のTGアーゼ蛋白質を誘発したことを示している。コレステロールは全く効果がなかった。
高カルシウム条件(1.2mM)で実施した結果を、図17b(22(R)−ヒドロキシコレステロールのみの場合、3種の投与量レベル)および図17c(22(R)−ヒドロキシコレステロール、25−ヒドロキシコレステロールおよびコレステロールの場合、投与量はすべて15μM)に示す。22(R)−ヒドロキシコレステロールは、5μMという低い濃度で、TGアーゼ蛋白質のレベルが2.1倍に増大したことを示した(図17b)。INVタンパク質レベルは、22(R)−ヒドロキシコレステロールの場合、濃度15μMで2.8倍に増大し、そして25−ヒドロキシコレステロールの場合、やはり濃度15μMで3.2倍に増大し、一方コレステロールの場合、ほとんど増加しなかった(図17c)。
実施例15
角質細胞の分化のその外の尺度は、角化エンベロープの生成率である。上記材料と方法の章で述べた手順を使用して、低カルシウム(0.03mM)および高カルシウム(1.2mM)の両条件下48hr処理し、25−ヒドロキシコレステロール(10μM)と22(R)−ヒドロキシコレステロール(10μM)を、コレステロール(10μM)および媒体のみ(対照)と比較した。試験結果を、図18a(低カルシウム)および図18b(高カルシウム)の棒グラフに示す。低カルシウムの試験結果(図18a)は、角化エンベロープ(CE)の生成が、25−ヒドロキシコレステロールで処理した場合、1.6倍に増大し、そして22(R)−ヒドロキシコレステロールで処理した場合、1.3倍に増大したことを示した。高カルシウムの試験結果(図18b)は、CEの生成が、25−ヒドロキシコレステロールで処理した場合、1.75倍に増大し、そして22(R)−ヒドロキシコレステロールで処理した場合、2.1倍に増大したことを示した。コレステロール自体は、低カルシウム条件または高カルシウム条件のいずれかの場合もCEは全く増大しなかった。
角質細胞の分化のその外の尺度は、角化エンベロープの生成率である。上記材料と方法の章で述べた手順を使用して、低カルシウム(0.03mM)および高カルシウム(1.2mM)の両条件下48hr処理し、25−ヒドロキシコレステロール(10μM)と22(R)−ヒドロキシコレステロール(10μM)を、コレステロール(10μM)および媒体のみ(対照)と比較した。試験結果を、図18a(低カルシウム)および図18b(高カルシウム)の棒グラフに示す。低カルシウムの試験結果(図18a)は、角化エンベロープ(CE)の生成が、25−ヒドロキシコレステロールで処理した場合、1.6倍に増大し、そして22(R)−ヒドロキシコレステロールで処理した場合、1.3倍に増大したことを示した。高カルシウムの試験結果(図18b)は、CEの生成が、25−ヒドロキシコレステロールで処理した場合、1.75倍に増大し、そして22(R)−ヒドロキシコレステロールで処理した場合、2.1倍に増大したことを示した。コレステロール自体は、低カルシウム条件または高カルシウム条件のいずれかの場合もCEは全く増大しなかった。
実施例16
この実施例は、LXRαのオキシステロール活性剤が、角質細胞内のDNA合成率で示される角質細胞の増殖を抑制することを実証する。オキシステロール類が、胸腺細胞やリンパ球のような他の細胞型の細胞増殖の強力な阻害剤であることは知られている。
この実施例は、LXRαのオキシステロール活性剤が、角質細胞内のDNA合成率で示される角質細胞の増殖を抑制することを実証する。オキシステロール類が、胸腺細胞やリンパ球のような他の細胞型の細胞増殖の強力な阻害剤であることは知られている。
前記材料と方法の項に記載の手順を使用して、低カルシウム(0.03mM)条件下24hr処理して、25−ヒドロキシコレステロール(10μM)と22(R)−ヒドロキシコレステロール(10μM)を、コレステロール(10μM)と媒体のみ(対照)と比較した。その試験結果は図19の棒グラフに示してある。その棒グラフは、DNAの合成を測定した16hr中に、25−ヒドロキシコレステロールが、DNAの合成率を対照の50%まで低下させ、そして22(R)−ヒドロキシコレステロールが対照の42%まで低下させたことを示している。対照的に、コレステロールは、DNAの合成をわずかであるが、有意に増大させた(対照の117%)。
実施例17
この実施例は、オキシステロール類がINVおよびTGアーゼのmRNAのレベルを増大させることが、これらオキシステロール類がコレステロール合成反応の律速酵素でありかつイソプレノイド類のレベルを減少させる酵素HMGCoAリダクターゼを阻害するという事実と関連があるのかどうかについて探求する。この問題に答えるため、上記実施例12に記載したのと類似の試験を、HMGCoAリダクターゼの最も早期の産物であるメバロネートの存在下および非存在下で実施した。
この実施例は、オキシステロール類がINVおよびTGアーゼのmRNAのレベルを増大させることが、これらオキシステロール類がコレステロール合成反応の律速酵素でありかつイソプレノイド類のレベルを減少させる酵素HMGCoAリダクターゼを阻害するという事実と関連があるのかどうかについて探求する。この問題に答えるため、上記実施例12に記載したのと類似の試験を、HMGCoAリダクターゼの最も早期の産物であるメバロネートの存在下および非存在下で実施した。
これらの試験では、25−ヒドロキシコレステロール(10μM)単独またはメバロネート(μM)の存在下25−ヒドロキシコレステロール(10μM)で、およびメバロネート単独(10μM)で、それぞれ24hr処理した角質細胞のINVとTGアーゼのmRNAのレベルを測定した。メバロネート単独で処理した場合は、INVとTGアーゼのmRNAのレベルに対し全く効果がなかった。25−ヒドロキシコレステロール単独で、およびメバロネートの存在下25−ヒドロキシコレステロールで処理した場合、INVとTGアーゼのmRNAのレベルは2倍に増大した。結論は、HMGCoAリダクターゼの阻害が、オキシステロール類によって起こるINVとTGアーゼのmRNAのレベルの増大の根拠ではないということである。
以上実施例は、本来、例示を目的として提供している。この明細書に記載されているプロトコルの濃度、操作条件、材料、手順のステップなどのパラメータは本発明の精神と範囲を逸脱することなく、各種の方式で、さらに改変または置換できることは、当業技術者には容易にわかるであろう。
Claims (8)
- 乱された分化の症状に悩む患者の表皮の治療剤であって、ファルネサル、メチルファルネシルエーテル、エチルファルネシルエーテル、メチルファルネソエイト、エチルファルネソエイト、7−メチルー9−(3,3−ジメチルオキシラニル)−3−メチル2、6−ノナジエン酸メチルエステル、及び7−メチルー9−(3,3−ジメチルオキシラニル)−3−メチル‐2,6−ノナジエン酸エチルエステルからなる群から選ばれたメンバーであるファルネソイドX応答性受容体の活性化剤を有効成分として含む局所組成物からなり、前記分化の症状を正常化するのに有効な濃度で存在する状態にて表皮に局所的に投与される表皮の治療剤。
- 過度な増殖の症状に悩む患者の表皮又は粘膜の治療剤であって、ファルネサル、メチルファルネシルエーテル、エチルファルネシルエーテル、メチルファルネソエイト、エチルファルネソエイト、7−メチルー9−(3,3−ジメチルオキシラニル)−3−メチル2、6−ノナジエン酸メチルエステル、及び7−メチルー9−(3,3−ジメチルオキシラニル)−3−メチル‐2,6−ノナジエン酸エチルエステルからなる群から選ばれたメンバーであるファルネソイドX応答性受容体の活性化剤を有効成分として含む局所組成物からなり、過度な増殖の症状を正常化するのに有効な濃度で存在する状態にて表皮又は粘膜に局所的に投与される表皮又は粘膜の治療剤。
- 前記ファルネソイドX応答性受容体の活性化剤が、約10μM‐約200μMの濃度で表皮又は粘膜に局所的に投与される7−メチルー9−(3,3−ジメチルオキシラニル)−3−メチル2、6−ノナジエン酸メチルエステルである請求項1又は2に記載した表皮又は粘膜の治療剤。
- 乱された分化の症状に悩む患者の表皮又は粘膜の治療剤であって、5,8,11,14−エイコサテトライン酸、4−クロロー6−(2,3−キシリジノ)−2−ピリミジニル)チオ酢酸、及びクロロフィブレートからなる群から選ばれたメンバーであるペルオキシソーム増殖剤応答性受容体αの活性化剤を有効成分として含む局所組成物からなり、乱された分化の症状を正常化するのに有効な濃度で存在する状態にて表皮又は粘膜に局所的に投与される表皮又は粘膜の治療剤。
- 過度な増殖の症状に悩む患者の表皮又は粘膜の治療剤であって、5,8,11,14−エイコサテトライン酸、4−クロロー6−(2,3−キシリジノ)−2−ピリミジニル)チオ酢酸、及びクロロフィブレートからなる群から選ばれたメンバーであるペルオキシソーム増殖剤応答性受容体αの活性化剤を有効成分として含む局所組成物からなり、過度な増殖の症状を正常化するのに有効な濃度で存在する状態にて表皮又は粘膜に局所的に投与される表皮又は粘膜の治療剤。
- 前記ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体αの活性化剤が約100μM‐約1000μMの濃度で表皮に局所的に投与されるクロロフィブレートである請求項3に記載した表皮の治療剤。
- 乱された分化の症状に悩む患者の表皮又は粘膜の治療剤であって、
22(R)−ヒドロキシコレステロール、25−ヒドロキシコレステロール、7α―ヒドロキシコレステロール、24−ヒドロキシコレステロール、27−ヒドロキシコレステロール、4β‐ヒドロキシコレステロール、20,22−ヒドロキシコレステロール、及び20(S)‐ヒドロキシコレステロールからなる群から選ばれたメンバーであるLXRαのオキシステロール活性化剤を有効成分として含む局所組成物からなり、乱された分化の症状を正常化に有効な濃度で存在する状態にて表皮又は粘膜に局所的に投与される表皮又は粘膜の治療剤。 - 過度な増殖の症状に悩む患者の表皮又は粘膜の治療剤であって、22(R)−ヒドロキシコレステロール、25−ヒドロキシコレステロール、7α―ヒドロキシコレステロール、24−ヒドロキシコレステロール、27−ヒドロキシコレステロール、4β‐ヒドロキシコレステロール、20,22−ヒドロキシコレステロール、及び20(S)‐ヒドロキシコレステロールからなる群から選ばれたメンバーであるLXRαのオキシステロール活性化剤を有効成分として含む局所組成物からなり、過度な増殖の症状を正常化するのに有効な濃度で存在する状態にて表皮又は粘膜に局所的に投与される表皮又は粘膜の治療剤。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US78897397A | 1997-01-24 | 1997-01-24 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP53213198A Division JP2001509165A (ja) | 1997-01-24 | 1998-01-22 | バリヤ機能の回復、表皮の分化の促進及び増殖の抑制のためのFXR、PPARα及びLXRαの活性剤の使用 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005247854A true JP2005247854A (ja) | 2005-09-15 |
Family
ID=25146166
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP53213198A Pending JP2001509165A (ja) | 1997-01-24 | 1998-01-22 | バリヤ機能の回復、表皮の分化の促進及び増殖の抑制のためのFXR、PPARα及びLXRαの活性剤の使用 |
JP2005062692A Pending JP2005247854A (ja) | 1997-01-24 | 2005-03-07 | バリヤ機能の回復、表皮の分化の促進及び増殖の抑制のためのFXR、PPARα及びLXRαの活性剤の使用 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP53213198A Pending JP2001509165A (ja) | 1997-01-24 | 1998-01-22 | バリヤ機能の回復、表皮の分化の促進及び増殖の抑制のためのFXR、PPARα及びLXRαの活性剤の使用 |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US6184215B1 (ja) |
EP (1) | EP1019059A4 (ja) |
JP (2) | JP2001509165A (ja) |
CN (1) | CN1248916A (ja) |
AU (1) | AU5928898A (ja) |
BR (1) | BR9806989A (ja) |
CA (1) | CA2278123A1 (ja) |
HU (1) | HUP0001938A3 (ja) |
PL (1) | PL334840A1 (ja) |
WO (1) | WO1998032444A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009508850A (ja) * | 2005-09-16 | 2009-03-05 | 株式會社アモーレパシフィック | 有効成分としてガロカテキンガレートを含有する保湿用皮膚外用剤組成物 |
Families Citing this family (75)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2760362B1 (fr) | 1997-03-10 | 2000-08-11 | Vitasterol | Utilisation cosmetique ou dermatologique de steroides 7-hydroxyles |
FR2773075B1 (fr) | 1997-12-31 | 2000-05-05 | Cird Galderma | Utilisation d'activateurs de ppar-gamma en dermatologie |
GB9804861D0 (en) | 1998-03-06 | 1998-04-29 | Res Inst Medicine Chem | Chemical compounds |
EP1137940A4 (en) * | 1998-10-23 | 2004-06-02 | Glaxo Group Ltd | METHOD FOR IDENTIFYING LIGANDS OF NUCLEAR RECEPTORS |
JP4194196B2 (ja) | 1999-02-22 | 2008-12-10 | 花王株式会社 | 浴用剤組成物 |
US6071955A (en) * | 1999-02-25 | 2000-06-06 | The Regents Of The University Of California | FXR, PPARA and LXRA activators to treat acne/acneiform conditions |
AU3742100A (en) * | 1999-03-16 | 2000-10-04 | Glaxo Group Limited | Nuclear receptor arylating compounds |
US6284802B1 (en) | 1999-04-19 | 2001-09-04 | The Procter & Gamble Company | Methods for regulating the condition of mammalian keratinous tissue |
US6444647B1 (en) | 1999-04-19 | 2002-09-03 | The Procter & Gamble Company | Skin care compositions containing combination of skin care actives |
EP1189922A4 (en) | 1999-04-30 | 2002-08-14 | Arch Dev Corp | STEROID DERIVATIVES |
US6365138B1 (en) * | 2000-04-07 | 2002-04-02 | The Regents Of The University Of California | Compositions for metabolic protection and repair of lips |
DE50012500D1 (de) * | 2000-11-09 | 2006-05-18 | Phenion Gmbh & Co Kg | Ppar-alpha,beta-aktivatoren zur behandlung von alopecia areata und vitiligo |
WO2002083131A1 (en) * | 2001-04-13 | 2002-10-24 | The Regents Of The University Of California | Activators and ligands of ppar-beta/delta for the treatment of skin conditions |
US7078396B2 (en) | 2001-05-03 | 2006-07-18 | Arch Development Corporation | Method of treating disorder related to high cholesterol concentration |
GB0114848D0 (en) | 2001-06-18 | 2001-08-08 | Unilever Plc | Antiperspirant or deodorant compositions |
US6756399B2 (en) | 2001-06-29 | 2004-06-29 | The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services | Use of lipoxygenase inhibitors and PPAR ligands as anti-cancer therapeutic and intervention agents |
WO2003030857A1 (en) * | 2001-10-04 | 2003-04-17 | Unilever Plc | Enhancing epidermal barrier development in skin |
US6924311B2 (en) * | 2001-10-17 | 2005-08-02 | X-Ceptor Therapeutics, Inc. | Methods for affecting various diseases utilizing LXR compounds |
JP5249484B2 (ja) * | 2001-12-11 | 2013-07-31 | 第一三共株式会社 | 医薬組成物 |
US7482366B2 (en) | 2001-12-21 | 2009-01-27 | X-Ceptor Therapeutics, Inc. | Modulators of LXR |
WO2003060078A2 (en) | 2001-12-21 | 2003-07-24 | X-Ceptor Therapeutics, Inc. | Heterocyclic modulators of nuclear receptors |
ES2421511T3 (es) | 2001-12-21 | 2013-09-03 | X Ceptor Therapeutics Inc | Moduladores de LXR |
US6987121B2 (en) * | 2002-04-25 | 2006-01-17 | Smithkline Beecham Corporation | Compositions and methods for hepatoprotection and treatment of cholestasis |
JP2006503819A (ja) * | 2002-08-29 | 2006-02-02 | ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア | 骨形成を増進するための作用剤および方法 |
WO2004048349A1 (en) | 2002-11-22 | 2004-06-10 | Smithkline Beecham Corporation | Farnesoid x receptor agonists |
FR2847467B1 (fr) * | 2002-11-25 | 2006-05-26 | Oreal | UTILISATION D'UN AGENT MODULATEUR DE L'ACTIVITE DE L'OXYSTEROL 7alpha-HYDROXYLASE POUR LE TRAITEMENT COSMETIQUE DE DESORDRES CUTANES |
WO2004058717A1 (en) * | 2002-12-20 | 2004-07-15 | X-Ceptor Therapeutics, Inc. | Isoquinolinone derivatives and their use as therapeutic agents |
US20040259948A1 (en) * | 2003-01-10 | 2004-12-23 | Peter Tontonoz | Reciprocal regulation of inflammation and lipid metabolism by liver X receptors |
GB0311815D0 (en) * | 2003-05-22 | 2003-06-25 | Unilever Plc | Skin treatments |
WO2005020928A2 (en) * | 2003-08-29 | 2005-03-10 | The Regents Of The University Of California | Agents and methods for enhancing bone formation by oxysterols in combination with bone morphogenic proteins |
ATE359284T1 (de) * | 2003-12-11 | 2007-05-15 | Galderma Res & Dev | Neue verbindungen, bei denen es sich um modulatoren von rezeptoren vom ppar-typ handelt, und deren verwendung in kosmetischen oder pharmazeutischen zusammensetzungen |
FR2863610B1 (fr) * | 2003-12-11 | 2006-01-20 | Galderma Res & Dev | NOUVEAUX COMPOSES MODULATEURS DES RECEPTEURS DE TYPE PPARs ET LEUR UTILISATION DANS DES COMPOSITIONS COSMETIQUES OU PHARMACEUTIQUES |
US7105263B2 (en) * | 2003-12-30 | 2006-09-12 | Samsung Electronics Company | Dry toner comprising encapsulated pigment, methods and uses |
WO2005101011A2 (en) * | 2004-04-15 | 2005-10-27 | Bayer Healthcare Ag | Diagnostics and therapeutics for diseases associated with lxr-alpha (lxra) |
US20060008432A1 (en) * | 2004-07-07 | 2006-01-12 | Sebastiano Scarampi | Gilsonite derived pharmaceutical delivery compositions and methods: nail applications |
CN101163882B (zh) * | 2005-04-23 | 2011-08-10 | 艾克塞蒂克马克有限公司 | 轴向活塞机及其制造方法 |
US7618956B2 (en) * | 2005-05-31 | 2009-11-17 | The Gillette Company | Reduction of hair growth |
ES2525217T3 (es) | 2005-06-27 | 2014-12-19 | Exelixis Patent Company Llc | Moduladores de LXR basados en imidazol |
JP2009512422A (ja) * | 2005-09-02 | 2009-03-26 | ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ カリフォルニア | 骨形成及び抗脂肪細胞形成オキシステロール類 |
US7790745B2 (en) | 2005-10-21 | 2010-09-07 | Bristol-Myers Squibb Company | Tetrahydroisoquinoline LXR Modulators |
US7741317B2 (en) | 2005-10-21 | 2010-06-22 | Bristol-Myers Squibb Company | LXR modulators |
US9670244B2 (en) * | 2006-02-27 | 2017-06-06 | The Regents Of The University Of California | Oxysterol compounds and the hedgehog pathway |
WO2007106912A2 (en) * | 2006-03-16 | 2007-09-20 | University Of Pittsburgh Of The Commonwealth System Of Higher Education | Peroxisome-proliferator activated receptor-alpha agonists for organ preservation |
GB0605900D0 (en) | 2006-03-23 | 2006-05-03 | Lipigen As | Modulators of nuclear receptors |
US20100048944A1 (en) * | 2006-07-19 | 2010-02-25 | Farhad Parhami | Interactions of hedgehog and liver x receptor signaling pathways |
US7998995B2 (en) | 2006-12-08 | 2011-08-16 | Exelixis Patent Company Llc | LXR and FXR modulators |
CA2673513A1 (en) | 2006-12-19 | 2008-07-10 | The Regents Of University Of California | Inhibition of ppar gamma expression by specific osteogenic oxysterols |
US20100112030A1 (en) * | 2007-03-16 | 2010-05-06 | The Regents Of The University Of California | Role of hedgehog signaling in atherosclerosis and cardiovascular disease |
US20080299118A1 (en) * | 2007-06-01 | 2008-12-04 | Wyeth | FXR Agonists for the Treatment of Malignancies |
US20080300235A1 (en) * | 2007-06-01 | 2008-12-04 | Wyeth | FXR Agonists for Reducing LOX-1 Expression |
US20090082314A1 (en) * | 2007-06-29 | 2009-03-26 | The Provost Fellows And Scholars Of The College Of The | Targeting Prodrugs for the Treatment of Gastrointestinal Diseases |
US20090163474A1 (en) * | 2007-10-19 | 2009-06-25 | Wyeth | FXR Agonists for the Treatment of Nonalcoholic Fatty Liver and Cholesterol Gallstone Diseases |
CN101951915A (zh) * | 2007-12-03 | 2011-01-19 | 加利福尼亚大学董事会 | 用于刺猬蛋白信号、骨诱导、抗脂肪形成和wnt信号的激活的氧固醇 |
US20090215748A1 (en) * | 2007-12-20 | 2009-08-27 | Wyeth | FXR agonists for treating vitamin D associated diseases |
EP2093222A1 (en) * | 2008-02-22 | 2009-08-26 | Newbiotechnic, S.A. | Polyisoprenoid epoxides useful for decreasing cholesterol and/or increasing coenzyme Q biosynthesis |
EP2110374A1 (en) | 2008-04-18 | 2009-10-21 | Merck Sante | Benzofurane, benzothiophene, benzothiazol derivatives as FXR modulators |
AU2010244136B2 (en) * | 2009-05-08 | 2016-05-12 | Pronova Biopharma Norge As | Polyunsaturated fatty acids for the treatment of diseases related to cardiovascular, metabolic and inflammatory disease areas |
CN102648184B (zh) | 2009-05-28 | 2015-09-30 | 埃克塞利希斯专利有限责任公司 | Lxr调节剂 |
US8829213B2 (en) | 2009-07-29 | 2014-09-09 | The University Of Chicago | Liver X receptor agonists |
US20120309730A1 (en) * | 2010-02-16 | 2012-12-06 | The Johns Hopkins University | Oxysterols that activate liver x receptor signaling and inhibit hedgehog signaling |
FR2958641B1 (fr) * | 2010-04-08 | 2014-12-26 | Sederma Sa | Nouveaux composes de type polyterpenique, compositions cosmetiques, nutraceutiques et pharmaceutiques les contenant et utilisations dans ces domaines. |
MX2012014801A (es) | 2010-07-08 | 2013-01-29 | Wyeth Llc | Esteres de quinolina nuevos utiles para el tratamento de transtornos cutaneos. |
JP2014505017A (ja) | 2010-11-05 | 2014-02-27 | プロノヴァ・バイオファーマ・ノルゲ・アーエス | 脂質化合物を用いる処置方法 |
JP2012171924A (ja) * | 2011-02-22 | 2012-09-10 | Kao Corp | Ppar活性化剤 |
TW201242953A (en) | 2011-03-25 | 2012-11-01 | Bristol Myers Squibb Co | Imidazole prodrug LXR modulators |
EP2847206A4 (en) | 2012-05-07 | 2016-01-20 | Univ California | OXYSTEROL ANALOGUE OXY133 FOR INDUCTION OF OSTEOGENESIS AND HEDGEHOG SIGNALING AND ADIPOGENESIS INHIBITION |
CN104619350A (zh) | 2012-06-14 | 2015-05-13 | Ambrx公司 | 结合到核受体配体多肽的抗psma抗体 |
JP6537980B2 (ja) | 2013-02-28 | 2019-07-03 | プロノヴァ・バイオファーマ・ノルゲ・アーエスPronova BioPharma Norge AS | 脂質化合物、トリグリセリドおよび界面活性剤を含む組成物、ならびにその使用方法 |
EP2968275B1 (en) | 2013-03-15 | 2017-11-29 | Bristol-Myers Squibb Company | Lxr modulators |
CN105263500A (zh) | 2013-05-02 | 2016-01-20 | 加利福尼亚大学董事会 | 骨选择性成骨性氧固醇-骨靶向剂 |
WO2016001870A1 (en) * | 2014-07-02 | 2016-01-07 | David Lembo | Oxysterols for use in the treatment and prevention of diseases caused by viruses |
MA40814A1 (fr) | 2015-02-06 | 2019-08-30 | Intercept Pharmaceuticals Inc | Compositions pharmaceutiques pour thérapie combinée |
CN115025079A (zh) | 2015-04-28 | 2022-09-09 | 普罗诺瓦生物医药挪威公司 | 结构增强的含硫脂肪酸在预防和/或治疗非酒精性脂肪性肝炎中的用途 |
CN110621333A (zh) * | 2017-05-08 | 2019-12-27 | 荷兰联合利华有限公司 | 炎性皮肤病的预防和/或治疗 |
WO2019111048A1 (en) | 2017-12-06 | 2019-06-13 | Basf As | Fatty acid derivatives for treating non-alcoholic steatohepatitis |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4743597A (en) * | 1986-01-27 | 1988-05-10 | Javitt Norman B | Composition comprising an oxygenated cholesterol and use thereof for topical treatment of diseases |
DE3621861A1 (de) * | 1986-06-30 | 1988-01-14 | Laszlo Dr Med Ilg | Verwendung von aryloxycarbonsaeure-derivaten gegen dermatologische erkrankungen |
EP0839529A3 (en) * | 1989-03-13 | 2000-03-22 | Cellegy Pharmaceuticals, Inc. | Compositions containing aliphatic monocarboxylic acid esters or amides for the treatment of skin diseases |
GB8920228D0 (en) * | 1989-09-07 | 1989-10-18 | Efamol Holdings | Fatty acid therapy |
FR2659554B1 (fr) * | 1990-03-16 | 1994-09-30 | Oreal | Composition pour le traitement cosmetique et/ou pharmaceutique des couches superieures de l'epiderme par application topique sur la peau et procede de preparation correspondant. |
US5175190A (en) * | 1991-02-15 | 1992-12-29 | The University Of British Columbia | Medium chain fatty acids of C8-10 for the treatment of skin lesions |
FR2702391B1 (fr) * | 1993-03-11 | 1995-04-28 | Roussel Uclaf | Nouvelles émulsions multiples, leur préparation, leur application à la préparation de compositions cosmétiques et ces compositions cosmétiques. |
FR2735367B1 (fr) * | 1995-06-19 | 1997-07-18 | Cird Galderma | Utilisation de ligands specifiques des recepteurs rxrs |
-
1998
- 1998-01-22 AU AU59288/98A patent/AU5928898A/en not_active Abandoned
- 1998-01-22 WO PCT/US1998/001276 patent/WO1998032444A1/en not_active Application Discontinuation
- 1998-01-22 HU HU0001938A patent/HUP0001938A3/hu unknown
- 1998-01-22 CN CN98802901A patent/CN1248916A/zh active Pending
- 1998-01-22 CA CA002278123A patent/CA2278123A1/en not_active Abandoned
- 1998-01-22 PL PL98334840A patent/PL334840A1/xx unknown
- 1998-01-22 JP JP53213198A patent/JP2001509165A/ja active Pending
- 1998-01-22 EP EP98902692A patent/EP1019059A4/en not_active Withdrawn
- 1998-01-22 BR BR9806989-6A patent/BR9806989A/pt not_active Application Discontinuation
-
1999
- 1999-08-24 US US09/382,031 patent/US6184215B1/en not_active Expired - Fee Related
- 1999-10-29 US US09/429,070 patent/US6187814B1/en not_active Expired - Fee Related
-
2005
- 2005-03-07 JP JP2005062692A patent/JP2005247854A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009508850A (ja) * | 2005-09-16 | 2009-03-05 | 株式會社アモーレパシフィック | 有効成分としてガロカテキンガレートを含有する保湿用皮膚外用剤組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
PL334840A1 (en) | 2000-03-27 |
HUP0001938A2 (hu) | 2001-05-28 |
EP1019059A4 (en) | 2004-01-14 |
HUP0001938A3 (en) | 2001-09-28 |
CA2278123A1 (en) | 1998-07-30 |
BR9806989A (pt) | 2000-03-14 |
JP2001509165A (ja) | 2001-07-10 |
US6184215B1 (en) | 2001-02-06 |
WO1998032444A1 (en) | 1998-07-30 |
AU5928898A (en) | 1998-08-18 |
EP1019059A1 (en) | 2000-07-19 |
CN1248916A (zh) | 2000-03-29 |
US6187814B1 (en) | 2001-02-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005247854A (ja) | バリヤ機能の回復、表皮の分化の促進及び増殖の抑制のためのFXR、PPARα及びLXRαの活性剤の使用 | |
US6060515A (en) | Treatment of skin conditions by use of PPARα activators | |
Orfanos et al. | Oral retinoids in the treatment of seborrhoea and acne | |
US6221911B1 (en) | Uses for thyroid hormone compounds or thyroid hormone-like compounds | |
Grubauer et al. | Relationship of epidermal lipogenesis to cutaneous barrier function. | |
Kao et al. | Short-term glucocorticoid treatment compromises both permeability barrier homeostasis and stratum corneum integrity: inhibition of epidermal lipid synthesis accounts for functional abnormalities | |
Hanley et al. | Activators of the nuclear hormone receptors PPARalpha and FXR accelerate the development of the fetal epidermal permeability barrier. | |
EP0831769B1 (en) | Novel uses for thyroid hormones or thyroid hormone-like compounds | |
Yasui et al. | Androgen in postmenopausal women | |
JP3773790B2 (ja) | 皮膚科学におけるPPAR−γアクチベーターの使用 | |
Kim et al. | Phytosphingosine stimulates the differentiation of human keratinocytes and inhibits TPA-induced inflammatory epidermal hyperplasia in hairless mouse skin | |
Proksch et al. | Epidermal HMG CoA reductase activity in essential fatty acid deficiency: barrier requirements rather than eicosanoid generation regulate cholesterol synthesis | |
WO1996040048A9 (en) | Novel uses for thyroid hormones or thyroid hormone-like compounds | |
JP3604382B2 (ja) | レチノイドを含有する皮膚科用および/または化粧用組成物 | |
Iwata et al. | Augmentation of lipogenesis by 15-deoxy-Δ12, 14-prostaglandin J2 in hamster sebaceous glands: Identification of cytochrome P-450-mediated 15-deoxy-Δ12, 14-prostaglandin J2 production | |
Downie et al. | Advances in sebaceous gland research: potential new approaches to acne management | |
Nakamura et al. | Arachidonic acid cascade inhibitors modulate phorbol ester-induced oxidative stress in female ICR mouse skin: differential roles of 5-lipoxygenase and cyclooxygenase-2 in leukocyte infiltration and activation | |
Bergfeld | The pathophysiology of acne vulgaris in children and adolescents, Part 1 | |
Negrei et al. | Acitretin treatment in psoriasis may influence the cell membrane fluidity | |
US11382888B2 (en) | Combination of topical medications for the treatment of skin diseases and methods of use | |
USRE37770E1 (en) | Treatment of skin conditions by use of PPARα activators | |
Varani et al. | Separation of retinoid-induced epidermal and dermal thickening from skin irritation | |
Karimqulovich | The effect of sertoderm cream in the treatment of moderate and severe forms of acne vulgaris | |
Kochhar et al. | Tretinoin: a review of the nonclinical developmental toxicology experience | |
Nikam et al. | Acitretin |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090106 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090616 |