JP2005247731A - (メタ)アクリル酸組成物及びその製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 (メタ)アクリル酸の保存安定性や、(メタ)アクリル酸を原料として重合に用いたときの重合の安定性を阻害する不純物を除去し、(メタ)アクリル酸を安定化する。
【解決手段】 (メタ)アクリル酸組成物中における、炭素数が8〜10の芳香族炭化水素の組成物中の総濃度を2ppm未満にする。この(メタ)アクリル酸組成物は、前記芳香族炭化水素を含有する粗(メタ)アクリル酸組成物から(メタ)アクリル酸を晶出させ、晶出した(メタ)アクリル酸を発汗させ、発汗後に結晶として残った(メタ)アクリル酸を分離することにより得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高純度(メタ)アクリル酸組成物の製造方法に関し、詳しくは、不純物として炭素数が8〜10の芳香族炭化水素類を含有する粗(メタ)アクリル酸組成物を晶析処理して高純度(メタ)アクリル酸組成物を製造する方法に関する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」の表記は、アクリル酸とメタクリル酸の一方又は両方を意味する。
アクリル酸は、例えば次の様な方法で製造されている。すなわち、先ず、原料のプロピレンを気相接触酸化し、得られた酸化生成物を水で吸収してアクリル酸を水溶液として回収し、次いで、得られた水溶液を共沸溶剤の存在下に濃縮して粗アクリル酸を得、次いで、粗アクリル酸を蒸留塔で精製して高純度のアクリル酸を回収する。メタクリル酸の場合は、原料としてイソブチレンを使用することで、上記と同様のプロセスによって製造される。
前記製造工程においては、フルフラール、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類や、マレイン酸及び無水マレイン酸、酢酸等のカルボン酸が副生することは公知である。
近年、アクリル酸は、紙おむつ等の高吸水性樹脂や食品添加剤等の原料としてその需要が増加しており、かかる用途においては高純度のアクリル酸が要求されている。即ち、不純物を除去せずに粗アクリル酸を重合用の原料として用いると、重合誘導期の大幅な変動や、得られるポリマーの重合度の低下、重合物の着色等、アクリル酸を原料とする製品の安定した製造に問題が発生する。このため、工業的には、蒸留によるアクリル酸の精製が行われる。
しかしながら、気相接触酸化により得られた粗アクリル酸中の不純物を蒸留により除去することは容易ではなく、理論段数の増加(例えば6〜20段増加すること)や還流比の増加等が必要となる。
従来、気相接触酸化で得られた粗アクリル酸からアルデヒド類を分離除去して高純度アクリル酸を製造する方法としては、例えば、分子中に一個以上のメルカプト基を有する化合物(アルデヒド除去処理剤)及び酸性触媒の存在下に粗(メタ)アクリル酸を反応処理する方法(例えば、特許文献1参照。)や、ヒドラジン類の存在下に蒸留を行う方法(例えば、特許文献2及び3参照。)等が知られている。
これらの方法では、薬剤処理により高沸化した不純物の分離は可能であるが、炭素数が8〜10の芳香族炭化水素の分離にはまだ不十分であった。
特に近年、製造コスト削減を図るべく、プロピレン等を接触気相酸化させて得られるガス状の酸化生成物と接触させる捕集液として、蒸留工程でアクリル酸を分離した後の廃液が再利用されているが、該廃液中には酸化反応の副生物や、助剤として使用する化合物中の副生成物が蓄積される。そのため、操業期間が長くなり、再利用回数が増えるにつれて、製造プロセス内を循環することとなる。
これらの化合物は、製造プロセス内の蒸留塔の運転が不安定になった時等に、プロセスから排出されるために、製品であるアクリル酸とともに留出することがある。このような
不純物は、アクリル酸の保存安定性を損なう原因になることがあり、またアクリル酸を重合反応の原料として用いたときに、重合を阻害する原因にもなる。
特公平4−29658号公報 特開昭49−30312号公報 特公昭58−37290号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、上記不純物を除去し(メタ)アクリル酸を安定化させることを目的とするものである。
本発明者らが詳細に分析した結果、炭素数8〜10の芳香族炭化水素類が存在するとアクリル酸の安定性が低下することが判明した。本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、晶析法を利用することで、炭素数8〜10の芳香族炭化水素の分離が容易に達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、炭素数が8〜10の芳香族炭化水素の組成物中の総濃度が2ppm未満である(メタ)アクリル酸組成物、及び(メタ)アクリル酸の晶析を利用して前記(メタ)アクリル酸組成物を製造する方法である。
本発明によれば、特定のスペックの(メタ)アクリル酸が得られる。この(メタ)アクリル酸は、液状のまま安定して保存することができる。また、この(メタ)アクリル酸を原料に用いて重合を行った場合に、重合の阻害や重合の不安定化を防止することができる。本発明における特定のスペックの(メタ)アクリル酸の有用性は、例えば、吸水性樹脂等の、高品質の(メタ)アクリル酸を要する(メタ)アクリル酸ポリマーを製造する過程において特に顕著に現れる。
本発明の(メタ)アクリル酸組成物は、炭素数が8〜10の芳香族炭化水素の組成物中の総濃度が2ppm未満である。
本発明において、(メタ)アクリル酸組成物とは、(メタ)アクリル酸を晶析時に結晶の状態で得ることができる組成物である。(メタ)アクリル酸組成物としては、(メタ)アクリル酸そのもの、及び(メタ)アクリル酸に微量の不純物を含むもの等が挙げられる。
本発明の(メタ)アクリル酸組成物は、炭素数が8〜10の芳香族炭化水素を含有する粗(メタ)アクリル酸組成物から(メタ)アクリル酸を晶出させ、晶出した(メタ)アクリル酸を発汗させ、発汗後に結晶として残った(メタ)アクリル酸を分離することによって製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(メタ)アクリル酸の製造工程においては、まずプロパン、プロピレンやアクロレインあるいはイソブテンの気相接触酸化により酸化生成物を生成する。得られる酸化生成物中には、目的であるアクリル酸やメタクリル酸のほかに、不純物として、フルフラールやホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等の各種のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、マレイン酸等の二塩基酸、及び多量の水を含んでいる。
そこで、この酸化生成物を、先ず脱水工程に供給して、(メタ)アクリル酸成分から水を分離除去する。この脱水工程では、溶剤抽出法や共沸蒸留法等の方法による脱水が採用される。その際使用される共沸溶剤としては、水と共沸する酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、水とも酢酸とも共沸するトルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類及びこれらの混合物が挙げられる。
また、溶剤抽出法では、(メタ)アクリル酸の水溶液から(メタ)アクリル酸を抽出溶剤に抽出する。抽出溶剤としては、例えばメチルイソブチルケトン、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサン等が挙げられる。(メタ)アクリル酸の抽出液には、少量の水が含まれるので、共沸蒸留法によって(メタ)アクリル酸の抽出液から水を除くことが一般的である。このような場合では、プロセスの簡略化の観点から、共沸溶剤と同じ種類の溶剤が抽出溶剤として用いられることが好ましい。
例えば共沸蒸留塔は、通常、減圧蒸留塔であるが、これを例にとれば、前記不純物中の低沸点成分、具体的にはホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、アセトン等が水とともに留去されるが、その際に共沸溶剤として添加された前記共沸溶剤中の不純物が蒸留塔内で濃縮される。濃縮された化合物は、蒸留塔の非濃縮性ガスとともに、蒸留塔の圧力制御システムから塔外に留出される。
我々は鋭意検討した結果、原料中では検出不能であったが、(メタ)アクリル酸の製造工程を循環するうちに濃縮される成分であって、高純度(メタ)アクリル酸組成物中に留出すると、(メタ)アクリル酸を原料として重合を行う場合の重合を不安定化させる化合物を見出した。
本発明における前記不純物とは、炭素数が8〜10の芳香族炭化水素である。炭素数が8〜10の芳香族炭化水素としては、例えばアルキル基で置換された三員環、四員環、五員環、又は六員環の芳香族単環式炭化水素等が挙げられる。これらの中で好ましくは、環に結合する水素原子がアルキル基で置換された六員環の芳香族単環式炭化水素である。なお、本発明において、芳香族単環式炭化水素とは、一つの芳香族環とこれに結合する炭化水素基とからなる化合物である。
ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。アルキル基による置換数は、1〜4であることが好ましい。
上記した芳香族炭化水素は、炭素数が8〜10、好ましくは9〜10である。炭素数が9〜10の芳香族炭化水素としては、具体的には、例えば、下記構造式で示される、2−エチルトルエン、3−エチルトルエン、4−エチルトルエン、n−プロピルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4―トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、4−エチル−m−キシレン、5−エチル−m−キシレン、2−エチル−p−キシレン、2−n−プロピルトルエン、3−n−プロピルトルエン、4−n−プロピルトルエン、1,2−ジエチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、o−シメン、m−シメン、p−シメン等が挙げられる。
Figure 2005247731
Figure 2005247731
これら不純物は、炭素数が近い異性体のため分離が難しく、混合状態で存在していると考えられる。
炭素数が8〜10の芳香族炭化水素の好適な除去方法としては、(メタ)アクリル酸の晶析による精製を挙げることができる。すなわち、炭素数が8〜10の芳香族炭化水素を含有する粗(メタ)アクリル酸組成物から(メタ)アクリル酸を晶出させ、晶出した(メタ)アクリル酸を発汗させ、発汗後に結晶として残った(メタ)アクリル酸を分離する。
粗(メタ)アクリル酸組成物には、(メタ)アクリル酸と水とを含有する(メタ)アクリル酸含水物を、共沸溶剤の存在下で蒸留して、(メタ)アクリル酸含水物から水を除いた組成物を用いることができる。粗(メタ)アクリル酸組成物には、(メタ)アクリル酸含水物を用いても良い。(メタ)アクリル酸含水物には、有機溶剤を含んでいても良い(メタ)アクリル酸の水溶液や、水を含んでいても良い(メタ)アクリル酸の有機溶剤の溶液等が挙げられる。具体的には、粗(メタ)アクリル酸組成物には、前述した共沸溶剤や抽出溶剤を繰り返し用いる共沸蒸留法や溶剤抽出法によって得られる組成物が用いられる。
本発明において、(メタ)アクリル酸の晶出は、晶出前の(メタ)アクリル酸組成物の温度を下げることによって行うことができる。晶析の操作温度は、結晶が析出する温度以下であればよいが、操作の面から、操作温度は−10〜13℃が好ましい。
本発明において、晶出した(メタ)アクリル酸の発汗は、晶出した(メタ)アクリル酸の一部を融解させることによって行うことができる。なお、発汗とは、結晶内に取り込まれた母液に起因する不純物を、結晶の温度を上げること等によって結晶外に取り除く現象及び操作である。
このような操作は、晶出した(メタ)アクリル酸を徐々に融解させることによって行うことができる。このようなゆっくりとした融解は、晶出した(メタ)アクリル酸の温度の緩やかな上昇や、晶出した(メタ)アクリル酸に母液を接触させることや、晶出した(メタ)アクリル酸に(メタ)アクリル酸の結晶の融解物を接触させることによって行うことができる。
また、発汗後に分離した(メタ)アクリル酸の結晶を融解し、(メタ)アクリル酸の晶出、晶出した(メタ)アクリル酸の発汗及び分離を繰り返し行っても良い。このような操作によれば、前記芳香族単環式炭化水素をはじめ、種々の不純物をさらに除去し、より一層高純度の(メタ)アクリル酸を得る観点から好ましい。
晶析や発汗を行う装置としては、(メタ)アクリル酸の融解の際に急激な熱を加えることが避けられる装置であれば特に限定されない。小スケールであればガラス製容器と冷却恒温槽のような簡単な設備でも構わないし、工業スケールであれば、例えば、「化学工学便覧、改訂6版(1999)」に掲載されている公知の装置を用いることができる。晶析や発汗の操作の形式は回分式及び連続式のいずれでもよい。
結晶と母液を分離する方法としては、固体と液体とを分離することができる方法であれば特に制限はなく、例えば、ろ過法、遠心分離法等の公知の方法を利用することができる。分離の操作の形式は、回分式及び連続式のいずれでも良い。
前述した(メタ)アクリル酸の晶出、発汗、及び結晶と母液との分離には、これらの操作の全てを行うことができる装置を用いることが好ましい。このような装置としては、例えば回分操作の流下液膜型装置(FFC)、複数の結晶析出槽と塔型の精製部とを有する連続式の4C晶析装置、及び清水忠造:“クレハ連続結晶精製装置による有機合成の精製”、ケミカルエンジニアリング,第27巻,第3号(1982)、第49頁.に掲載されているKCP装置等が挙げられる。
なお、前述した装置において、分離した結晶は、結晶の状態のまま装置から取り出しても良いし、これを融解させて液体の状態で装置から取り出しても良い。
(メタ)アクリル酸組成物中の前記芳香族炭化水素の総濃度は、公知の定量方法を利用して測定することができる。このような測定方法としては、高速液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーを用いる絶対検量線法や内部標準法等が挙げられる。この測定では、前記芳香族炭化水素の検出強度によっては、測定試料を濃縮する等の、測定試料中の前記芳香族炭化水素の濃度を適切に測定するための処理を行った測定試料を用いても良い。
分離した母液は、そのまま(メタ)アクリル酸エステルの製造の原料として使用することができるし、(メタ)アクリル酸の製造工程に戻すこともできる。分離した母液は、経
済性の点から、特に再精製を行うことなく、(メタ)アクリル酸エステルの製造の原料に用いることが好ましい。
以上説明した本発明によれば、(メタ)アクリル酸中の炭素数が8〜10の芳香族炭化水素の総濃度を2ppm未満にすることで、(メタ)アクリル酸を保存時に安定化することができるとともに、この(メタ)アクリル酸を重合の原料として用いたときの重合への影響を除くことができるので、本発明の工業的価値は顕著である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いたアクリル酸は、断りのない限り、プロピレン及びアクロレインを分子状酸素で接触気相酸化した後、反応生成ガスを凝縮し抽出したものを蒸留することで得られたものである。
<実施例1>
原料には、2−エチルトルエン1質量ppm、1,2,4−トリメチルベンゼン5質量ppm、3−n−プロピルトルエン25質量ppm、5−エチル−m−キシレン9質量ppm、2−n−プロピルトルエン13質量ppm、2−エチル−p−キシレン2質量ppm、酢酸607質量ppm、プロピオン酸385質量ppm、水分1310質量ppm、アクリル酸ダイマー1600質量ppm、メトキシハイドロキノン200質量ppmを含むアクリル酸を使用した。
このアクリル酸1Lを5℃の冷蔵庫にて15時間ゆっくりと冷却後、結晶化したアクリル酸が500mLになるまで、室温下で徐々に融解させた。
残りの結晶化アクリル酸をろ別後、全量融解し、同様に冷却して結晶化させ、結晶化したアクリル酸が250mLになるまで、室温下で徐々に融解させた。
このように、ゆっくりと冷却して結晶化させたアクリル酸の半分の量のアクリル酸を融解させ、半分の量の結晶化されたアクリル酸を取り出す操作を2回繰り返し、精製前に、酢酸322質量ppm、プロピオン酸263質量ppm、水分180質量ppm、アクリル酸ダイマー115質量ppm、メトキシハイドロキノン5質量ppmを含む高純度アクリル酸250mLを得た。
この高純度アクリル酸から20mLをホールピペットにてサンプル瓶に秤量し、17℃の恒温槽にて3ヶ月恒温放置したが、3ヶ月経過しても放置したアクリル酸は液体の状態を保っていた。
<比較例1>
実施例1にて得られた高純度アクリル酸に対して、精製前に存在していた2−エチルトルエン1質量ppm、1,2,4−トリメチルベンゼン5質量ppm、3−n−プロピルトルエン25質量ppm、5−エチル−m−キシレン9質量ppm、2−n−プロピルトルエン13質量ppm、2−エチル−p−キシレン2質量ppmを添加し、実施例1と同様にサンプル瓶に秤量し、17℃の恒温槽にて3ヶ月恒温放置した。
3ヶ月経過後に性状を確認したところ、放置したアクリル酸はもはや液状ではなく、無色透明のポリアクリル酸重合物となっていた。

Claims (6)

  1. 炭素数が8〜10の芳香族炭化水素の組成物中の総濃度が2ppm未満であることを特徴とする(メタ)アクリル酸組成物。
  2. 前記芳香族炭化水素は、炭素数が9〜10であり、アルキル基で置換された六員環の芳香族単環式炭化水素のうちの一又は二以上の化合物であることを特徴とする請求項1記載の(メタ)アクリル酸組成物。
  3. 炭素数が8〜10の芳香族炭化水素を含有する粗(メタ)アクリル酸組成物から前記芳香族炭化水素の組成物中の総濃度が2ppm未満である(メタ)アクリル酸組成物を製造する方法であって、
    粗(メタ)アクリル酸組成物から(メタ)アクリル酸を晶出させ、晶出した(メタ)アクリル酸を発汗させ、発汗後に結晶として残った(メタ)アクリル酸を分離することを特徴とする(メタ)アクリル酸組成物の製造方法。
  4. 分離した(メタ)アクリル酸から(メタ)アクリル酸を晶出させ、晶出した(メタ)アクリル酸の発汗とその後の分離をさらに行う工程を一回以上実施することを特徴とする請求項3記載の(メタ)アクリル酸組成物の製造方法。
  5. 前記粗(メタ)アクリル酸組成物には、(メタ)アクリル酸と水とを含有する(メタ)アクリル酸含水物を、水と共沸する共沸溶剤の存在下で蒸留して、(メタ)アクリル酸含水物から水を除くことによって得られた組成物を用いることを特徴とする請求項3記載の(メタ)アクリル酸組成物の製造方法。
  6. 前記芳香族炭化水素は、炭素数が9〜10であり、アルキル基で置換された六員環の芳香族単環式炭化水素のうちの一又は二以上の化合物であることを特徴とする請求項3記載の(メタ)アクリル酸組成物の製造方法。
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