JP2010184871A - アクリル酸の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な装置を用い、収率高く高品質のアクリル酸を製造する。
【解決手段】アクリル酸原料の接触気相酸化反応(20)により得たアクリル酸含有ガスを捕集して(30)、得られたアクリル酸含有溶液に晶析処理を行い(50)、該晶析工程で得た残留母液の50〜100重量%に蒸留工程を施し(70)、該蒸留工程で得た留出液を捕集塔に循環させる。該アクリル酸含有液を晶析工程により処理して得たアクリル酸に追加の精製処理を行うこと無く高品質のアクリル酸を製造することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、水捕集して得たアクリル酸含有溶液を晶析工程によってアクリル酸結晶と結晶母液とを得て、該結晶母液を捕集塔に循環してアクリル酸捕集率を向上させ、高収率でアクリル酸を製造する方法に関する。
工業的なアクリル酸の製造方法は、プロピレンおよび/またはアクロレインを接触気相酸化するプロピレン酸化法が一般的である。このプロピレン酸化法によりアクリル酸を製造する場合、プロピレンの酸化工程で、水や、プロピオン酸、酢酸、マレイン酸などの酸類、アセトン、アクロレイン、フルフラール、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類などの不純物が副生する。これらの副生物を含んだガスは、一般的に捕集溶液と接触させることにより、アクリル酸含有溶液として捕集後、蒸留などの方法で捕集溶液を分離している。
例えば、接触気相酸化により得られたアクリル酸を含むガスを、高沸点溶剤で捕集した後、蒸留により溶剤と粗製アクリル酸に分離した後、晶析工程によって高純度のアクリル酸を製造する方法がある(特許文献1)。該方法では、高沸点溶剤に吸収されなかった残留アクリル酸含有ガスは冷却され、水、ホルムアルデヒド、酢酸などを含む凝縮液とされ、系外に排出される。また、結晶母液を捕集塔に循環させ、低沸点物質のスクラビングおよび低沸点物質のストリッピングによる共成分の分離を良好にしている。
また、アクリル酸含有ガスを凝縮して得た凝縮液を直接晶析するアクリル酸の製造方法もある(特許文献2、特許文献3、特許文献4)。有機溶媒や抽出剤を使用しないと晶析工程で溶液が冷却される際に結晶が沈殿されることなく固化されるため従来は有機溶媒を使用していたが、アクリル酸含有ガスの凝縮液から直接的にアクリル酸が結晶化され得ることを見出してなされたものであり、補助物質の添加を必要としない点に特徴がある。特許文献2の方法では、結晶母液の一部を晶析工程に循環し、特許文献3および4の方法では、通常の凝縮とは対照的に各成分を分別凝縮している。アクリル酸は中沸点留分として分離され、アクリル酸を含有する低沸点留分は廃水として廃棄され、アクリル酸を含む高沸点留分は一部分を分離塔に再循環し残りは廃棄されている。
また、アクリル酸含有ガスを噴霧冷却器などで急冷し、さらに凝縮して得た粗アクリル酸を晶析するアクリル酸の製造方法もある(特許文献5)。該方法は、アクリル酸製造工程で発生するアクリル酸オリゴマーを有効利用するためになされたものであり、アクリル酸オリゴマーを含有する分離塔塔底液をアクリル酸含有ガスの急冷液として使用し、該急冷液の一部を流出物として取り出しおよびアクリル酸オリゴマーをアクリル酸に分解し、得られたアクリル酸を凝縮して急冷液として使用するものである。
なお、アクリル酸を含有する混合物を結晶化した際に得られる母液を蒸留して、蒸留残留物と塔頂生成物とを得て、該塔頂生成物の一部を再結晶させる工程を含むアクリル酸の製造方法も開示されている(特許文献6)。該方法では、第一の結晶化で生じる母液の少なくとも一部を蒸留し、この際生じる塔頂生成物を結晶化し、この結晶を第一の結晶化に返送し、結晶化残留物を系外に除去することで、アクリル酸純度を高めることを目的としている。
一方、アクリル酸捕集液として、高価な高沸点溶剤に代えて水溶液を使用できれば経済的である。特に、高濃度のアクリル酸含有溶液を処理できればその後の精製工程の処理量を低減でき、効率的でもある。そこで、アクリル酸原料の接触気相酸化反応により得たアクリル酸含有ガスを捕集塔に導入し、捕集用水溶液と接触させて高濃度のアクリル酸含有溶液を得る工程、該アクリル酸含有溶液を結晶化工程に供給し、アクリル酸と残留母液とに分離する工程、該残留母液の一部を蒸留し、該蒸留工程で得た留出液を上記捕集塔に循環する工程を含む、アクリル酸の製造方法が開示されている(特許文献7)。
特開平9−227446号公報 特表2000−514077号公報 特表2001−516736号公報 特表2002−521353号公報 特表2002−539104号公報 特表2002−519402号公報 特開2005−15478号公報
しかしながら、上記文献に記載された方法は、高価な有機溶剤を必要とし、このため使用された有機溶剤の再精製などの付加的な操作を伴うか(特許文献1)、または通常の凝縮とは異なった煩雑な分別凝縮を実施する必要があり、装置も高価になる。また目的成分以外の分別された留分は相当量のアクリル酸を含有するものの系外に排出されるため精製収率が低下し、さらに該留分の廃水処理など相当量の廃棄処理が必要となる(特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
一方、上記文献の中でもより簡便な装置を用い、収率高くアクリル酸を製造する方法もあるが、得られるアクリル酸の品質が十分でないためさらに精製処理が必要となる(特許文献7)。
このような現状下、簡便な装置を用い、収率高く高品質のアクリル酸を製造する方法の開発が望まれる。
本発明者らは、アクリル酸製造工程において、捕集水溶液を用いて得たアクリル酸含有溶液はそのまま粗アクリル酸として晶析処理を行い、晶析工程で得た残留母液の50〜100重量%に蒸留工程を施し、該蒸留工程で得た留出液を捕集塔に循環させることで高収率かつ高品質のアクリル酸を得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明では、特にアクリル酸濃度が高いアクリル酸含有溶液の精製に適し、このような高濃度アクリル酸は、晶析工程で得た残留母液を蒸留して得た留出液を捕集塔に循環させることで得られる。
本発明の方法によれば、簡便に高収率、高品質のアクリル酸を得ることができる。本発明によれば、水捕集したアクリル酸含有溶液を晶析工程で処理して得たアクリル酸に追加の精製処理を行うこと無く高品質のアクリル酸を製造することができる。
本発明の精製方法を実施する一態様を示した説明図である。
本発明の第一は、
a)アクリル酸原料の接触気相酸化反応により得たアクリル酸含有ガスを捕集塔に導入し、捕集用水溶液と接触させてアクリル酸含有溶液を得る工程、
b)該アクリル酸含有溶液を結晶化工程に供給し、アクリル酸と残留母液とに分離する工程、
c)該残留母液の50〜100重量%に蒸留工程を施し、該蒸留工程で得た留出液を上記a)の捕集塔に循環する工程、を含むことを特徴とするアクリル酸の製造方法である。
本発明の特徴は、水溶液捕集したアクリル酸含有溶液を晶析処理する点、および晶析工程で得た残留母液の50〜100重量%を蒸留し、得られた留出物を捕集塔に循環させる点にある。従来は、前記特許文献7に記載されるように、水溶液捕集したアクリル酸含有溶液を晶析処理し、該晶析工程で得た残留母液の大部分をそのまま捕集塔に循環していた。
しかしながら、本発明は、アクリル酸含有ガスを水溶液捕集して得たアクリル酸含有溶液に晶析処理を行い、該晶析工程で発生した残留母液の50〜100重量%を蒸留して捕集塔に循環させることで、高品質のアクリル酸を簡便な工程で製造することができる。
本発明の好ましい態様の一例を図1を用いて説明する。
まず、空気3などの分子状酸素含有ガス、プロピレンおよび/またはアクロレインなどのアクリル酸原料1、および希釈ガス5とを混合する。同工程において、アクリル酸捕集工程を経た後は、捕集塔の塔頂から排出されるリサイクルガス34も、空気、プロピレンおよび/またはアクロレインならびに希釈ガスに混合することができる。この混合ガス(以下、原料ガスとも称する。)を、接触気相酸化触媒10を充填した反応器20に供給し、接触気相酸化反応によってアクリル酸含有ガス25を得る。該ガス25を捕集塔30の塔底に供給し、該捕集塔30の塔頂からは捕集用水溶液33を供給してアクリル酸含有ガス25と捕集用水溶液33とを接触させる。
該捕集塔30には、後記する蒸留塔70からの留出液71または、留出液71と晶析装置50からの残留母液51とを混合したものが供給されている。捕集塔30の塔頂からの排出ガス32の内、リサイクルガス34のみを冷却塔36に導入して、新たに系内に供給する捕集用水33’と気液接触して冷却させ、リサイクルガス34に含まれる凝縮性物質を凝縮した後に反応器20に循環する。凝縮液は捕集用水33’と混合して捕集用水溶液33として捕集塔30に供給してもよい。
なお、本明細書では、捕集塔30の塔頂からの排出ガス32のうち、反応器に循環させる排出ガスを「リサイクルガス」と、系外に排出されるガスを「廃ガス」とする。このように、蒸留塔留出液71または、留出液71と晶析装置50からの残留母液51とを混合したものを循環させ、かつリサイクルガス34を冷却することで、捕集塔塔底より高濃度にアクリル酸を含有するアクリル酸含有溶液35が得られる。
アクリル酸含有溶液35は必要に応じアクロレイン分離塔31に供給し、含まれるアクロレインを分離処理し、塔底からアクロレイン量を低減させたアクリル酸含有溶液35’を得る。分離塔31の塔頂留出液は、捕集塔30の塔底に循環させると、アクロレインと共に留出したアクリル酸を有効に回収することができる。なお、本発明においてはアクロレイン分離塔31を省いても良い。
次いで、該アクリル酸含有溶液35’を晶析装置50に供給すると製品アクリル酸60が得られる。一方、晶析装置50からの残留母液51の50〜100重量%を蒸留塔70の中段に供給し、含まれる低沸点物質およびアクリル酸を塔頂から留出させ、該留出液71を前記捕集塔30に循環させる。該残留母液が残る場合はこれを直接捕集塔30に循環させる。
また、蒸留塔70の塔底液に含まれる高沸点物質にはアクリル酸二量体が含まれるため、これを反応蒸留塔80に供給してアクリル酸に熱分解する。分解反応により得られたアクリル酸を蒸留塔70の中段に供給することにより塔頂から留出する留出液71に同伴され、これを捕集塔30に循環させると最終的に製品アクリル酸60として回収することができる。
本発明は、上記のように水溶液捕集して得たアクリル酸含有溶液をそのまま、またはアクロレイン分離処理によってアクロレインを除去した後に晶析処理する点に特徴があり、このためにはアクリル酸含有量が80質量%以上、好ましくは85質量%以上、特には87質量%以上であることが好ましい。アクリル酸含有量が80質量%を下回ると、晶析処理によってアクリル酸結晶を得るために行う晶析化の回数が増加して煩雑となる。本発明により、追加の精製処理を行うこと無く高収率、高品質のアクリル酸を製造することができる。
なお、本明細書において、「低沸点物質」とは、標準状態においてアクリル酸よりも沸点が低い物質をいい、「高沸点物質」とは、標準状態においてアクリル酸よりも沸点が高い物質をいう。「凝縮性物質」とは、20 ℃ 、大気圧において液体である物質をいい、「蒸留」とは、溶液をその沸点まで加熱し含まれる揮発性成分を分離する方法であり、「放散」とは、放散ガスを供給して溶液中の目的物を気相に移す方法をいい、「晶析」とは、液相および気相から結晶を析出させる操作である。また、「動的結晶化工程」とは、結晶化に際して、ポンプなどの強制対流によって液相を移動させる晶析方法、「静的結晶化工程」とは、ポンプなどを使用せず自然対流だけで液相を移動させる晶析方法をいう。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)アクリル酸捕集工程
高濃度のアクリル酸含有溶液を得るには、特開2005−15478号公報に記載される捕集塔、捕集方法を用いることができる。
本発明ではプロピレンおよび/またはアクロレインの接触気相酸化反応により得られるアクリル酸含有ガス25を捕集用水溶液33と接触させてアクリル酸を捕集する際に、後記する晶折装置50からの残留母液の50〜100重量%を蒸留塔70に導入して得た留出液71(以降、これを循環液と称する場合がある)を捕集塔30の中段に供給する。好ましくは該残留母液の80〜100重量%、更に好ましくは該残留母液の95〜100重量%を蒸留塔70に導入して得た留出液を捕集塔30の中段に供給する。該循環液には酢酸が含まれ酢酸含有溶液として使用することができる。
なお、本発明において、「塔頂以外」とは蒸留塔や捕集塔の塔頂を理論段数1とし、塔底を理論段数100とした場合に、理論段数2〜100段の範囲をいう。アクリル酸は、塔頂から降る捕集用水溶液33に吸収されるが、この際に捕集塔の塔頂以外の箇所から酢酸を導入すると、アクリル酸捕集率が向上する。特に、理論段数2〜100段、より好ましくは25〜100段、特には50〜100段などの捕集塔の中段から酢酸含有溶液を導入することが好ましい。
前記循環液に含まれる酢酸濃度は、2質量%以上、より好ましくは2〜20質量%、特には3〜15質量%とすることが好ましい。2質量%を下回ると、アクリル酸の捕集率を向上させる効果が得られない。
特に、導入する酢酸量をアクリル酸含有ガスに含まれるアクリル酸の質量流量の0.005〜0.2倍、より好ましくは0.008〜0.15倍、特に好ましくは0.01〜0.1倍の質量流量となるように、循環液量を調整する。場合によっては、新たに酢酸を加えることができる。0.005倍を下回るとアクリル酸の捕集効率向上効果がなく、その一方、0.2倍を超えると、捕集液中の酢酸濃度が大幅に増加するため、高濃度のアクリル酸含有溶液を得ることが困難となる。
アクリル酸含有ガスに対する外部より新たに供給する捕集用水33’の質量流量比は、目的とするアクリル酸濃度によって適宜選択することができ、アクリル酸含有ガスに含まれるアクリル酸の質量流量の0.1〜1.5倍、好ましくは0.1〜10倍、特には0.15〜0.8倍の質量流量を向流接触させてアクリル酸を捕集する。該質量流量比が0.1倍を下回るとアクリル酸捕集塔の極端な効率低下を引き起こす場合がある。その一方、1.5倍を超えると、高濃度のアクリル酸含有溶液を得ることが困難となる。
なお、捕集用水には、アクリル酸などの重合性物質の重合を防止するために、特開2001−348360号公報、2001−348358号公報、2001−348359号公報等に記載されるN−オキシル化合物、フェノール化合物、酢酸マンガン等のマンガン塩、ジブチルチオカルバミン酸銅などのジアルキルジチオカルバミン酸銅塩、ニトロソ化合物、アミン化合物およびフェノチアジンからなる群から選ばれる1種以上の化合物を含有させてもよい。
アクリル酸捕集塔は、常圧以上で操作するのが一般的である。本発明では、塔頂圧力(ゲージ圧)としては、0〜0.4MPa、好ましくは0〜0.1MPa、特には0〜0.03MPaである。0MPa(ゲージ圧)より低いと減圧装置が必要となり設備費、用役費がかかる一方、0.4MPa(ゲージ圧)より高いと塔頂から低沸点物質を排出させるために捕集塔の温度をかなり上げる必要が生じ捕集効率が低下する場合がある。また、塔頂温度としては、一般には30〜85℃、特には40〜80℃であることが好ましい。
本発明では、このような捕集条件によって、アクリル酸:80〜98質量%、水:1〜19質量%、およびその他の不純物(酢酸、マレイン酸、プロピオン酸などの酸類およびフルフラール、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類など):1〜10質量%のアクリル酸含有溶液35が得られる。
なお、リサイクルガスの冷却方法に制限はなく、リサイクルガスに含まれる凝縮性物質を凝縮できる装置であればよい。例えば、多管式熱交換器、フィンチューブ式熱交換器、空冷熱式交換器、二重管式熱交換器、コイル式熱交換器、直接接触式熱交換器、プレート式熱交換器などを使用できる。
しかし、凝縮液には、アクリル酸等の重合性物質を含んでいる場合が多いので、図1に示すように、冷却塔36と冷却器39とを組み合わせた冷却方法が重合防止剤を容易に供給することができるので好ましい。
また、リサイクルガスの冷却温度に制限はないが、反応器に供給する原料ガス全量中の水分濃度を0〜10体積%、より好ましくは0〜7体積%、特には0〜6体積%となるように、より好ましくは更に全酸濃度が0〜0.2体積%、より好ましくは0〜0.1体積%になるように冷却により凝縮する。分子状酸素含有ガスとして空気を使用すると、該空気には水分が含まれている。空気の配合量と原料ガスの上記好ましい水分濃度および配合量から、リサイクルガスを冷却した後の水分量を求め、該水分濃度になるように冷却する。本発明では、廃ガスの温度よりも該リサイクルガスの温度を1〜50℃、より好ましくは2〜40℃、特に好ましくは3〜30℃低い温度に冷却する。
上記により、アクリル酸濃度が80質量%以上と極めて高濃度の捕集塔塔底液を得ることができる。
(2)アクリル酸含有溶液の結晶化工程
本発明ではアクリル酸含有溶液35または35’を晶析装置50に供給し、精製アクリル酸60を得る。使用される結晶化方法に制限はなく、連続式または回分式のいずれでもよく、1段または2段以上で実施することができる。具体的には特開2005−15478号公報に記載される晶析器、晶析方法を用いることができる。
連続式晶析装置としては例えば、結晶化部、固液分離部、結晶精製部が一体となった塔型のBMC(BackmixingColumCrystallizer)型晶析器(新日鉄化学社:日本)、結晶化部として例えばCDC(CoolingDiskCrystallizer)晶析装置(GOUDA社:オランダ)などと、固液分離部として例えばベルトフィルターあるいは遠心分離器などと、結晶精製部として例えばKCP(KurehaCrystalPurifier)精製装置(呉羽テクノエンジ社:日本)などを組み合わせた晶析装置を使用することができる。
本発明における他の有利な形態は、回分式晶析装置を用いる方法である。このような装置としては、例えばSulzerChemtech社スイスの層結晶化装置(動的結晶化装置)、BEFSPROKEM社フランスの静的結晶化装置などを使用することができる。
精製は、例えば、多段分別晶析法であって、結晶化、発汗、融解を行うための温度制御機構を備えた管状の結晶器と、発汗後の母液を回収するタンクと、結晶器にアクリル酸を供給する循環ポンプとを備え、結晶器下部に配設した貯蔵器から循環ポンプによってアクリル酸を結晶器の管内上部へ移送できる動的結晶化装置を使用した動的結晶化工程か、または、結晶化、発汗、融解を行うための温度制御機構を備えた管状の結晶器であって下部に抜き出し弁を備えたものと、発汗後の母液を回収するタンクとを配設した静的結晶化装置も同時に使用する動的結晶化工程と静的結晶化工程との組み合わせによって晶析を行うことができる。
粗アクリル酸含有溶液を液相として結晶器へ導入し、次に、導入された液相とは組成が異なる固相を冷却面に凝固させる。使用したアクリル酸のうちの40〜90質量%、好ましくは50〜80質量%の範囲内が凝固したら直ちに残りの液相を分離除去する。残存相をポンプで汲み出したり(動的結晶化工程)、流出させる(静的結晶化工程)ことによって分離除去する。続いて、例えば、いわゆる結晶層の洗浄、またはいわゆる発汗、即ち不純結晶領域の部分的融解除去などの工程をさらに行うことができる。
動的結晶化および静的結晶化を多段工程で行う場合には、向流の原理によって有利に実施され、各工程において結晶化された物質は結晶化後に残留母液から分離され、この結晶化された物質は、次のいっそう高い純度を有する各工程に供給され、他方、結晶化残留物は、次のいっそう低い純度を有する各工程に供給される。
通常、供給される粗製酸溶液よりも高い純度の酸が得られる全工程は精製工程として、他の全工程はストリッピング工程として知られている。ストリッピング工程は精製工程から母液中のアクリル酸を回収するために実施する。動的結晶化ではアクリル酸の純度が低くなると結晶化が困難となるが、それに対し、静的結晶化は、動的結晶化と比較してアクリル酸の純度が低下しても結晶化が容易であることから、アクリル酸の回収率を上げるため、動的結晶化の最終母液は静的結晶化でさらに結晶化される。
必要となる結晶化段数の数は、どの程度の純度が要求されるかに依存するが、高い純度のアクリル酸を製造するには、精製工程(動的結晶化工程)は1〜5回、好ましくは2〜3回、ストリッピング工程(動的結晶化工程)は1〜5回、好ましくは1〜4回、ストリッピング工程(静的結晶化工程)は1〜5回、好ましくは1〜3回行うことが好ましい。
上記結晶化工程の残留母液の50〜100重量%、好ましくは該残留母液の80〜100重量%、更に好ましくは該残留母液の95〜100重量%を後記する蒸留塔70に供給して得た留出液71を前記の通り捕集塔に供給することにより、晶析装置50から高品質の製品アクリル酸60を得ることができる。この理由は明らかではないが、蒸留塔70の塔底より高沸点物質をより多く抜き出すことにより、残留母液中成分の製品アクリル酸品質への影響を無くすことができるものと考えられる。
(3)アクリル酸含有溶液の蒸留
晶析装置50からの残留母液には高濃度のアクリル酸のほか、酢酸、水などの低沸点物質、アクリル酸二量体や重合防止剤などの高沸点物質が含まれている。本発明では、これら残留母液を有効利用するために該残留母液の50〜100重量%、好ましくは該残留母液の80〜100重量%、更に好ましくは該残留母液の95〜100重量%を蒸留塔70に供給し、塔底から高沸点物質を、塔頂から低沸点物質およびアクリル酸を留出させる。このような目的で使用される蒸留塔70は、充填塔、棚段塔(トレイ塔)等を用いることができる。
また、蒸留条件は、水や酢酸などの低沸点物質およびアクリル酸を留出させる条件で蒸留するが、導入する残留母液のアクリル酸濃度や水濃度、酢酸濃度などによって適宜選択することができる。一般には、塔頂圧力(絶対圧)は10〜400hPa、好ましくは15〜300hPa、特には20〜200hPaとすることが好ましい。10hPa(絶対圧)より低いと、塔、コンデンサ、真空装置が大型化し設備費がかかり不利である。一方、400hPa(絶対圧)より高いと蒸留塔70内の温度が高くなり重合の危険性が増し不利である。また、塔頂温度は、一般には30〜70℃、特には40〜60℃である。一方、塔底温度は、一般には50〜140℃、特には60〜120℃である。このような蒸留条件によって、酢酸の濃度が残留母液の酢酸濃度よりも高い留出液71を得ることができる。該留出液71は捕集塔30に循環させる。
なお、蒸留時にはアクリル酸などの重合性物質の重合を防止するために、還流液に重合防止剤を添加することができる。このような重合防止剤としては、前記した捕集用水溶液に添加できる各種の重合防止剤を使用することができる。
(4)アクリル酸二量体の分解
蒸留塔70の塔底液には、アクリル酸二量体が含まれており、これを分解しアクリル酸を回収することができる。ここで、アクリル酸二量体分解は、アクリル酸二量体などを分解し、アクリル酸として回収するものであれば特に限定されない。例えばアクリル酸二量体分解とアクリル酸の留出とを同時に行うものであってもよく(特公昭61−35977号公報、特公昭61−36501号公報など参照)、熱分解槽と段塔を併設した薄膜蒸発器を備えたアクリル酸回収塔を用いたものであってもよい(特開平11−12222号公報など参照)。好ましくは反応蒸留形式によるアクリル酸の回収方法(特開2007−182437号公報)が挙げられる。
反応蒸留形式(特開2007−182437号公報)を用いる場合、ミカエル付加物や高沸点成分を含む蒸留塔70の塔底液を反応蒸留装置80(ミカエル付加物分解工程)へと供給する。反応蒸留装置80で生成したアクリル酸は、蒸留塔70の中断へと循環させ、蒸留塔70で留去させられる他の低沸点物質と共に、捕集塔30へと供給し、アクリル酸溶液として回収する。なお、反応蒸留装置80の残留液は、系外に排出させればよい。
ここで、反応蒸留形式とは、ミカエル付加物を分解しつつ、分解生成物を蒸留により留去させる手法を意味する。アクリル酸からミカエル付加物が生成する反応は平衡反応である。したがって、反応蒸留形式を採用して、ミカエル付加物の分解反応と同時に分解生成物であるアクリル酸を蒸留により留去させれば、アクリル酸生成量が増加する向きに平衡が移動するので、分解反応が促進され、効率的なミカエル付加物の分解が行なえる。上記反応蒸留の実施態様は限定されず、回分式、半連続式、連続式のいずれでも行なえるが、連続式を採用するのが好ましい。また、反応装置の形式にも特に制限はなく、単蒸留器、蒸留塔、充填塔のような単純な反応器、反応器にトレイ(棚段)を設けた蒸留塔、反応器と精留塔を組み合わせた装置、攪拌器を備えた反応装置等、一般的な反応蒸留装置が使用できる。
上記反応蒸留装置は、分解温度(塔底温度)120〜220℃で運転するのが好ましく、より好ましくは140〜200℃、さらに好ましくは155〜190℃である。滞留時間(抜き出し液基準)は塔底温度に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.2〜30時間とするのが好ましく、より好ましくは0.5〜15時間、さらに好ましくは1〜8時間である。温度が高すぎたり、滞留時間が長すぎると、分解反応は進行するが、粘度上昇など反応液の性状を悪化させたり、反応蒸留装置内の汚れ付着を招く場合がある。
一方、温度が低すぎたり、滞留時間が短すぎると、ミカエル付加物を十分に分解し難い場合がある。結晶化精製後の残留母液を処理する場合、残留母液中のマレイン酸は有水マレイン酸として存在する場合が多く、析出などのトラブルを発生し易いため、上記条件のように、高温、且つ、短い滞留時間とすれば、効率よく、且つ、反応液の性状を悪化させることなくミカエル付加物を分解させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(触媒の調製)
触媒I
特開2000‐325795号公報の実施例1の記載に従ってモリブデン‐ビスマス系触媒を調製した。これを触媒(I)とする。この触媒(I)の金属元素組成(酸素を除く原子比、以下同じ)は、Mo120.2Bi1.7Fe1.5Co4Ni30.08Si、であった。
触媒II
特開平8−206504号公報の実施例1の記載に従ってモリブデン‐バナジウム系触媒を調製した。これを触媒(II)とする。この触媒(II)の金属元素の組成(酸素を除く原子比)は、Mo126.11Cu2.3Sb1.2、であった。
(実施例1)
図1に示す工程に従ってアクリル酸を製造した。
(アクリル酸の合成)
アクリル酸の合成には、熱媒循環用ジャケットを外周に備え、内部に内径25mm、長さ7000mmの反応管を収納し、ジャケット下部から3,500mmの位置に熱媒ジャケットを上下に2分割する厚さ75mmの穴あき管板を設けた反応器を使用した。
反応器下部(第一反応ゾーン)および上部(第二反応ゾーン)には、それぞれ熱媒を循環させて温度を制御し、反応管下部から上部に向かって、(1)平均径5mmのセラミックボール(層長250mm)、(2)触媒(I)と平均径5mmのセラミックボールとを容量比70:30の割合で混合した混合物(層長700mm)、(3)触媒(I)(層長2,300mm)、(4)外径5mm、内径4.5mm、長さ6mmのステンレス製ラシヒリング(層長500mm)、(5)触媒(II)と、平均径5mmのセラミックボールとを容量比75:25の割合で混合した混合物(層長600mm)、および(6)触媒(II)(層長1,900mm)をこの順で充填した。
該反応器の第一反応ゾーンに、プロピレン、空気(水分濃度2質量%)、および捕集塔3からの排出ガスの一部(リサイクルガス)を循環させ、第一反応ゾーンの空間速度が1,250hr−1(STP)となるように各流量およびリサイクルガスの冷却温度を調整し供給した。なお、第一反応ゾーンに循環させた原料およびリサイクルガスからなる混合ガスの組成は、プロピレン:8.0体積%、O:14.4体積%、HO:2.0体積%、残りはN、プロパン、CO、アクリル酸、酢酸等であった。
第二反応ゾーンの出口(出口圧力(絶対圧)0.15MPa)におけるプロピレン転化率が97±0.5モル%、アクロレイン収率が1±0.5モル%になるように、第一反応ゾーン、第二反応ゾーンそれぞれの熱媒温度を調整して、16.62質量%のアクリル酸を含むアクリル酸含有ガスを18.77kg/時で得た。
次に、予冷器で200℃に冷却したアクリル酸含有ガスをアクリル酸捕集塔30に導き、アクリル酸溶液として捕集した。
上記アクリル酸捕集塔30は、規則充填物を充填した充填塔で、計算上の理論段21段を有し、塔底部にアクリル酸含有ガスの供給口および捕集液の抜き出し口、塔頂部に捕集用水溶液導入口およびガスの排出口、塔側部(理論段第19段)に分解工程の反応蒸留装置からの留出液(循環液)の供給管などを備え、さらに塔頂部より排出されるガスの一部を冷却するための冷却器を備えたものである。
アクリル酸の捕集用溶剤としては、捕集塔30に導入するアクリル酸含有ガス中のアクリル酸量に対して200質量ppmに相当するハイドロキノンを含む水を用い、これを1.01kg/時で捕集塔30に供給した。
なお、アクリル酸含有液捕集時の捕集塔30の運転は、塔頂温度66.9℃、塔頂圧力(絶対圧)0.11MPa、リサイクルガスの冷却温度40.6℃、リサイクル率29.0%で行った。このとき、リサイクルガスの冷却によって得られた凝縮液は全量、捕集塔30に循環した。捕集塔30の塔側部から、蒸留塔70からの留出液を2.33kg/時で供給した。
この時の捕集塔30におけるアクリル酸の吸収効率は、98.22%であった。
(結晶化精製工程)
次に、捕集塔30で得られたアクリル酸含有水溶液を動的晶析装置50に直接供給し、4回の動的結晶化により精製した。
動的結晶化は、特公昭53‐41637号公報に記載される晶析装置に準じた晶析精製装置で行った。当該装置は、下部に貯蔵器を備えた、長さ6m、内径70mmの金属管であり、循環ポンプにより貯蔵器中の液体を管上部へ移送し、液体を管内壁面に落下皮膜(fallingfilm)状に流すことができるようになっている。管の外表面は二重のジャケットから構成され、このジャケットは、サーモスタットで一定の温度になるように制御されている。なお、1回の動的結晶化は以下の手順で行った。
1.結晶化:貯蔵器に供給したアクリル酸含有溶液を、循環ポンプにより管壁面に落下被膜状に流し、ジャケットの温度を凝固点以下にまで下降させて、貯蔵器に供給したアクリル酸含有溶液に含まれるアクリル酸の約60〜80質量%を壁面に結晶化させた。
2.発汗:循環ポンプを停止し、ジャケットの温度を凝固点付近まで上昇させ、結晶化させたアクリル酸の約2〜15質量%を発汗させた。発汗後、貯蔵器内の残留アクリル酸含有溶液および発汗液をポンプで汲み出した。
3.融解:ジャケットの温度を凝固点以上に上昇させ、結晶を融解し、これをポンプで汲み出した。
以上の操作において、温度、および凝固点は実施されるそれぞれの工程に依存させた。これにより、99.94質量%の純度を有するアクリル酸を3.12kg/時で得た。
なお、動的晶析装置から取り出された残留母液の組成は、水:9質量%、酢酸:3.7質量%、マレイン酸:0.9質量%、フルフラール:1.1質量%、ベンズアルデヒド:0.3質量%、アクリル酸二量体(ミカエル付加物):3.4質量%であった。
(蒸留工程)
晶析装置50より得られた残留母液の全量を、段数20段のシーブトレイと、リボイラーを備えた蒸留塔70の中段(20段の10段目)に供給した。このとき蒸留塔70は、操作圧:93hPa、還流比:0.3の条件で制御した。
蒸留塔12の塔頂部より、2.35kg/時でアクリル酸を回収し、捕集塔30の塔側部に循環させた。
(分解工程)
一方、蒸留塔70の塔底液を、棚段を備えた反応蒸留装置80に供給して、塔底液に含まれるミカエル付加物を分解し、アクリル酸を回収した。上記塔底液の組成は、アクリル酸:22.0質量%、マレイン酸:15.3質量%、フルフラール:4.4質量%、ベンズアルデヒド:4.1質量%、アクリル酸二量体:45.2質量%、その他の不純物:9.0質量%であった。
なお、このとき採用した反応蒸留装置80は、20段のシーブトレイと強制循環型の外部熱交換器(図示せず)を備えたもので、ミカエル付加物の熱分解は、熱分解温度(塔底温度):170℃、滞留時間:4時間、塔頂圧力:26.6kPa、還流比:1.5、塔頂温度:98℃の条件で行った。このときのミカエル付加物の転化率は83%、アクリル酸選択率は98%であった。反応蒸留装置80の塔頂から回収したアクリル酸は、蒸留塔70の中段に供給した。
最終的に、動的晶析装置から取り出された結晶を分析したところ、アクリル酸の純度は99.94質量%であり、水:90質量ppm、酢酸:440質量ppm、マレイン酸:3質量ppm、フルフラール:0.3質量ppm、ベンズアルデヒド:0.1質量ppm、ホルムアルデヒド:0.0質量ppm、アクリル酸二量体:35質量ppmを含むものであった。また該アクリル酸の色調は2(APHA)であった。
(比較例1)
晶析装置50より得られた残留母液の40%を、蒸留塔70の中段に供給し、残りの残留母液をそのまま捕集塔の塔側に供給した以外は実施例1と同様の操作を行って、アクリル酸を製造した。
その結果、最終的に、動的晶析装置から取り出されたアクリル酸を分析したところ、純度は99.94質量%であり、水:100質量ppm、酢酸:450質量ppm、マレイン酸:4質量ppm、フルフラール:0.4質量ppm、ベンズアルデヒド:0.2質量ppm、ホルムアルデヒド:0.0質量ppm、アクリル酸二量体:40質量ppmを含むものであった。また該アクリル酸の色調は7(APHA)であった。
(実施例2)
晶析装置50より得られた残留母液の70%を、蒸留塔70の中段に供給し、残りの残留母液をそのまま捕集塔の塔側に供給した以外は実施例1と同様の操作を行って、アクリル酸を製造した。
その結果、最終的に、動的晶析装置から取り出されたアクリル酸を分析したところ、純度は99.94質量%であり、水:100質量ppm、酢酸:450質量ppm、マレイン酸:4質量ppm、フルフラール:0.4質量ppm、ベンズアルデヒド:0.2質量ppm、ホルムアルデヒド:0.0質量ppm、アクリル酸二量体:40質量ppmを含むものであった。また該アクリル酸の色調は5(APHA)であった。
(実施例3)
晶析装置50より得られた残留母液の95%を、蒸留塔70の中段に供給し、残りの残留母液をそのまま捕集塔の塔側に供給した以外は実施例1と同様の操作を行って、アクリル酸を製造した。
その結果、最終的に、動的晶析装置から取り出されたアクリル酸を分析したところ、純度は99.94質量%であり、水:100質量ppm、酢酸:450質量ppm、マレイン酸:4質量ppm、フルフラール:0.4質量ppm、ベンズアルデヒド:0.2質量ppm、ホルムアルデヒド:0.0質量ppm、アクリル酸二量体:40質量ppmを含むものであった。また該アクリル酸の色調は3(APHA)であった。
1・・・アクリル酸原料、3・・・空気、5・・・希釈ガス、10・・・接触気相酸化触媒、20・・・反応器、25・・・アクリル酸含有ガス、30・・・アクリル酸捕集塔、31・・・アクロレイン分離塔、32・・・捕集塔塔頂排出ガス、33・・・捕集用水溶液、33'・・・捕集用水、34・・・リサイクルガス、35、35’・・・アクリル酸含有溶液、36・・・冷却塔、39・・・冷却器、50・・・晶析装置、51・・・残留母液、60・・・製品アクリル酸、70・・・蒸留塔、71・・・留出液、80・・・反応蒸留装置。

Claims (4)

  1. 以下のa)、b)、c)の工程を含む、アクリル酸の製造方法。
    a)アクリル酸原料の接触気相酸化反応により得たアクリル酸含有ガスを捕集塔に導入し、捕集用水溶液と接触させてアクリル酸含有溶液を得る工程、
    b)該アクリル酸含有溶液を結晶化工程に供給し、アクリル酸と残留母液とに分離する工程、
    c)該残留母液の50〜100重量%に蒸留工程を施し、該蒸留工程で得た留出液を上記a)の捕集塔に循環する工程。
  2. 更に、上記c)の蒸留工程の塔底液をアクリル酸二量体分解装置に供給する工程を含む、請求項1記載のアクリル酸の製造方法。
  3. 上記b)の残留母液の酢酸含有量が2質量%以上である請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記a)で得られるアクリル酸含有溶液に含まれるアクロレインを分離処理した後、得られたアクリル酸含有溶液を用いて上記b)を行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル酸の製造方法。
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