JP2005246983A - 車両の衝突安全装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転舵輪の後方に車両の前後方向に配備された車両骨格の一部であるロッカを有し、前面衝突時の衝突の衝撃力によって転舵された転舵輪からロッカに衝突荷重を分散させる車両前部構造に於いて、衝撃力の大きさや方向によっては転舵されないことがある。
【解決手段】衝突対象物との距離と車速に基づいて衝突時間を演算し、衝突時間が衝突回避可能な時間より短い場合、衝突の可能性があると判断される。その後、舵角センサ9から検出された舵角の大きさに基づき転舵の強制操舵力を設定し、操舵を補助するモータ7を駆動させ、衝突前に転舵輪5が直進状態となる方向に転舵輪5を転舵させる。転舵輪5が直進状態となった後、タイロッド固定装置24によりタイロッド4の車両幅方向の動きを固定することで、転舵を制限し、転舵輪5の直進状態を維持する。また、衝突の可能性がなくなった場合には、転舵の制限を低減させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、車両の衝突安全装置に係るものであり、好適には衝突荷重を転舵輪から車体骨格部材に分散させる車体前部構造を有する車両の衝突安全装置に利用されるものである。
車両の衝突エネルギーを受け止める車体前部構造として、車両前部に車両前後方向に配置されたサイドメンバおよび転舵輪の後方の車両側部に配置されたロッカパネルを車両骨格部材の一部に有し、前方からの衝突荷重をサイドシルおよびロッカパネルから後方の骨格部材に分散させる構造が一般的に知られている。この構造では、車両が前方から衝突されると、前方からの衝撃力により車体前面のバンパが後退させられる。そのバンパに押されることで、転舵輪は、後方に移動させられる。その後、転舵輪は、ロッカパネルの前端部に接触する。このとき、転舵輪が直進状態であると、転舵輪とロッカパネルとの接触面積が大きくなるので、最も効率よく衝突荷重を転舵輪からロッカパネルに伝達することができる。このように、衝突荷重は、サイドメンバで受けるものと、転舵輪からロッカパネルに伝達されるものに分散され、車両骨格全体でエネルギーが受け止められる。特許文献1には、車両骨格全体でエネルギーを受け止めるための構成として、衝突時に転舵輪を直進状態に操舵させる技術が開示されている。
特開2003−182629号公報
しかしながら、特許文献1の構成は、衝突時の衝撃力によって転舵輪が直進状態となる方向に転舵される構成であるので、衝撃力の大きさや方向によっては転舵輪が直進状態となる方向に転舵されない場合がある。この場合、衝突荷重を車両骨格全体に効率よく分散させることができない。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、衝撃力の大きさや方向によらず転舵輪が直進状態となる方向に転舵させることで、転舵輪から車両骨格部材に衝突荷重を効率よく分散させることを目的とする。
前記課題を解決するために請求項1に係る発明は、車両の骨格部材の一部であって、転舵輪の後方に位置し、車両の前後方向に延びる転舵輪後方骨格部と、前記転舵輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、自車の衝突の可能性を判定する衝突判定手段と、前記衝突判定手段により衝突の可能性があると判定された場合、前記転舵角検出手段により検出された転舵角に基づき前記転舵輪が直進状態となる方向に前記転舵輪を転舵させる転舵手段と、を備える。
前記骨格部材は、衝突による車両への衝撃を受けるものであり、例えば、サイドメンバ、ダッシュパネル、フロントクロスメンバ、フレームレール、ラジエターサポート、フードロックサポート、ロッカ等により構成されるものである。この車両の骨格部材のうち、転舵輪の後方に位置し、車両の前後方向に延びるものが、転舵輪後方骨格部であるが、これに該当するものは、例えば、ロッカパネルであり、ロッカパネルはサイドシルとも呼ばれることもある。
前記転舵手段は、転舵輪の転舵角を変化させる手段であればいかなる手段でもよく、例えば、パワーステアリング装置でもよいし、或いは、駆動源によって転舵輪を転舵させる装置でもよい。
前記衝突判断手段は、自車と衝突対象物との間の衝突の可能性を判断することができる手段であればいかなる手段でもよく、例えば、ミリ波レーダから検出される距離と車速センサから検出される車速などをもとに衝突の可能性を判断してもよい。また、ナビゲーションシステムによって自車の位置と衝突対象物との位置より求めた両者間の距離や両者の相対速度に基づいて衝突の可能性を判断してもよい。
前記直進状態は、車両が直進方向に進む状態の転舵輪の状態をいい、例えば、転舵輪が車両の前後方向と平行となった状態がこの状態に該当する。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加え、前記転舵角検出手段により検出された転舵角が大きいほど、前記転舵輪を転舵させるモータの強制転舵力を大きく設定する強制転舵力設定手段を有することを特徴とする。
前記強制転舵力は、操縦者による操舵の有無にかかわらず前記転舵輪を転舵させる力をいい、例えば、前記モータにより出力される力がこの力に該当する
前記強制転舵力設定手段は、検出された転舵角が大きいほど、強制転舵力を大きく設定する手段であればよく、例えば、検出された転舵角の大きさが大きくなるにつれて、モータの強制転舵力が線形的、或いは、非線形的に大きくなるようにしてもよい。
請求項3に係る発明は、請求項1の構成に加え、前記転舵手段により前記転舵輪が所定の直進状態となった場合、前記転舵手段による転舵を終了させ、前記転舵輪が所定の直進状態から前記所定の直進状態より転舵された状態に転舵されることを制限する転舵制限手段を有することを特徴とする。
前記転舵制限手段は、転舵輪が所定の直進状態から所定の直進状態より転舵された状態に転舵されない手段であれば、いかなる手段でもよく、例えば、転舵輪を転舵させるために転舵輪と接続された部材の動きを制限してもよいし、或いは、転舵輪を直進状態となる方向に転舵させることよって転舵を制限してもよい。また、操舵された場合に所定の転舵角より転舵輪の転舵角を増大させないようにしてもよい。
前記所定の直進状態は、前記転舵角検出手段によって検出された転舵角が、予め定めた直進状態とみなせる状態に該当すれば所定の直進状態とするものであり、例えば、転舵輪が車両の前後方向と平行となった状態に加え、転舵輪が車両の前後方向と平行となる状態から転舵輪が所定の角度に転舵された状態までをも含むものである。また、車両のヨーレートが小さい状態、或いは、左右輪の速度差が小さい状態をも含めてもよい。
請求項4に係る発明は、請求項3の構成に加えて、前記転舵輪を転舵させるタイロッドの車幅方向の動きを前記所定の直進状態の範囲内に制限する部材である。
前記所定の直進状態の範囲内は、転舵角が所定の直進状態に該当する状態にあれば所定の直進状態の範囲内であり、例えば、転舵輪が車両の前後方向と平行となる状態から転舵輪が所定の角度に転舵された状態までとしてもよいし、或いは、転舵輪が車両の前後方向と平行となる状態から転舵輪が所定の角度よりも小さい角度まで転舵された状態までとしてもよい。
請求項5に係る発明は、請求項3または4の構成に加えて、前記衝突判定手段により衝突の可能性がなくなったことが判定された場合、前記転舵制限手段による転舵の制限を低減させる制限低減手段を有することを特徴とする。
前記制限低減手段は、転舵制限手段による転舵の制限を低減できる手段であればいかなる手段でもよく、例えば、転舵の制限を終了してもよいし、或いは、転舵輪が直進状態となる方向に転舵させる強制転舵力を低減させてもよい。
請求項1の発明に於いては、自車の衝突の可能性が判定されると、検出された転舵輪の転舵角に基づいて転舵輪が直進状態となる方向に転舵される。その後、車両が衝突すると、衝突荷重が転舵輪に伝達され、転舵輪は後方にある転舵輪後方骨格部に接触する。このとき、衝突荷重が直進状態となる方向に転舵された転舵輪から転舵輪後方骨格部に伝達されるので、衝突荷重を車体骨格部全体に分散することができる。また、衝突時の衝撃力によらず、より確実に衝突荷重を転舵輪から転舵輪後方骨格部に分散できる。
請求項2の発明に於いては、衝突の可能性が判定されると、検出された転舵角の大きさが大きいほど、転舵輪を転舵するモータの強制転舵力が大きく設定され、転舵輪が直進状態となる方向に転舵されるので、早急に衝突前に転舵角を所定の直進状態とできる。
請求項3の発明に於いては、自車の衝突の可能性が判定されると、転舵輪が直進状態となる方向に転舵される。そして、転舵輪が所定の直進状態になると転舵輪の転舵は終了される。その後、転舵輪の所定の直進状態から所定の直進状態よりも転舵された状態への転舵が制限される。転舵輪を所定の直進状態に維持することができるので、転舵を制限しない場合に比べて、より確実に衝突荷重を転舵輪から転舵輪後方骨格部に分散できる。
請求項4の発明に於いては、転舵輪が所定の直進状態となった後、転舵輪と接続されたタイロッドの車幅方向の動きを前記所定の直進状態の範囲内に制限するので、確実に衝突荷重を転舵輪から転舵輪後方骨格部に分散できる。
請求項5の発明に於いては、自車の衝突の可能性が判定されると、転舵輪が所定の直進状態となる方向に転舵される。そして、転舵輪が所定の直進状態になると転舵輪の転舵を終了し、転舵輪の転舵を制限することで、転舵輪の所定の直進状態が維持される。その後、自車の衝突の可能性がないと判定されると、転舵の制限が低減されるので、衝突対象物が移動するなどして衝突の可能性がなくなった場合に、操縦者による操舵を車両の挙動に反映させることができる。
本実施の形態に係る車両の衝突安全装置を図1から図11の図面を参照して説明する。
図1は本発明による電動式パワーステアリング装置およびタイロッド固定装置の一つの実施形態を示す概略構成図、図2は図1に示された電子制御装置を示すブロック線図である。
図1に於いて、1はステアリングホイールを示しており、ステアリングホイール1はステアリングシャフト2、ラックアンドピニオン機構3及びタイロッド4a、4bを介して転舵輪5a、5bを転舵するようになっている。また、ステアリングホイール1は、エアバック6を有する。モータ7は、歯車減速機構8を介して、ステアリングシャフト2を転舵させる。
図示の実施形態に於ては、ステアリングシャフト2には操舵角θを検出する操舵角センサ9及び操舵トルクTを検出するトルクセンサ10が設けられており、これらのセンサの出力は電子制御装置11へ供給されるようになっている。また電子制御装置11には、ミリ波レーダ12により検出された自車から前方の衝突対象物までの距離Lを示す信号、車速センサ13により検出された車速Vを示す信号、衝突センサ14により検出された衝突したことを示す信号が入力されるようになっている。
図2に於いて、電子制御装置11は、マイクロコンピュータ15、駆動回路16、駆動回路17、駆動回路18を含んでいる。マイクロコンピュータ15は中央処理ユニット(CPU)19と、リードオンリメモリ(ROM)20と、ランダムアクセスメモリ(RAM)21と、入力インターフェイス22と、出力インターフェイス23とを有している。
電子制御装置11は、検出された操舵トルクTに基き強制転舵力を演算し、駆動回路16を経て強制転舵力に対応する制御信号をモータ7へ出力するようになっている。更に電子制御装置11は後に詳細に説明する如く、正面衝突時にはモータ7に対し転舵輪5を直進状態となる方向に転舵する制御を行い、しかる後に駆動回路17を経てタイロッド固定装置24へ制御信号を出力するようになっている。また、衝突センサ14から衝突したことを示す信号が検出された場合には、駆動回路18を経てエアバック6を起動させる信号が出力される。
図3は車両上方から見た本実施形態に於ける前部車体構造の一部である。図3に示すように、本実施形態の前部車体構造は、車両前部に於いて車両の前後方向に設けられ、後方の車両骨格と接合されたサイドメンバ25と、転舵輪5a後方に、サイドメンバ25の後端部近傍から車体下部両側にサイドメンバ25と略平行となるように配備された前輪後方骨格部であるロッカ26とから構成されている。
サイドメンバ25は、前部車体構造の剛性を高めるための基本的な骨格であり、車体前部の左右に車両前後方向にそれぞれ配置されている。サイドメンバ25の前端部25aには、フロントバンパ27が設置され、後端部25b下面には、車幅方向に延びるフロントサスペンションクロスメンバ(以下、クロスメンバと略す)28が配置されている。クロスメンバ28には、転舵輪5aを支持するサスペンションアーム29が揺動可能に支持されている。サイドメンバ25の後端は、ダッシュパネル30に連結しており、前面からの衝突荷重がサイドメンバ25からダッシュパネル30に伝達される。
ロッカ26は、転舵輪の後方に設けられた車体中央部の剛性を高めるための基本的な骨格の一つであり、サイドメンバ25の後端部25b近傍から車両前後方向に配置され、車体中央下部の両側に設けられている。その断面は閉断面形状を有している。
次に、図4は車両上方から見た本実施形態に於けるタイロッド固定装置24付近の前部車体構造である。図4に示されるように、タイロッド固定装置24aは、クロスメンバ28上に、ラックアンドピニオン機構3の外部にあるタイロッド4aがタイロッド固定装置24a内を通過するように設置される。電子制御装置11より駆動回路17を経てタイロッド固定装置24へ出力される制御電流ITがk(タイロッドを固定できる電流値)とされると、ソレノイドにより作動される摩擦部を有する部材がタイロッド4aに接触し、タイロッド4aの車幅方向の動きを制限し、タイロッド4aを機械的に固定する。また、通常走行時、制御電流ITは0であり、タイロッド固定装置24aは作動せず、タイロッド4aは固定されない。
次に図5に示されたフローチャートを参照して本件の第1の実施形態について説明する。
イグニッションスイッチがオンになると同時に図5のフローチャートは開始され、まず、ステップ100に於いては、ミリ波レーダ12により検知される自車から衝突対象物までの距離Lと車速センサー13により検知される車速Vを読み込ませる。ステップ102に於いては、衝突までの時間t=L/Vを演算させる。
ステップ104に於いては、衝突までの時間tが規定値t0(衝突が回避不可能な時間)以下であるか否かの判別が行われ、t0≧tである旨の判別が行われた場合にはステップ110に進み、t0≧tでない旨の判別が行われたときにはステップ106へ進む。
ステップ106に於いては、モータ7の強制転舵力に対応して設定される制御電流IMが0とされる。次にステップ108に於いては、タイロッド固定装置24に対する制御電流ITを0とする。
ステップ110に於いては、操舵角センサ9より舵角θを読み込ませる。続いて、ステップ112においては、転舵輪5が直進状態であることを判別するために舵角θの絶対値が所定の舵角θ0以下であるか否かの判別が行われ、θ0≧|θ|である旨の判別が行われたときには、ステップ118に進み、θ0≧|θ|でない旨の判別が行われたときには、ステップ114へ進む。
ステップ114に於いては、図6のグラフに示す特性に基づいてモータ7の強制転舵力を演算する。舵角θは右切り回転で正,左切り回転で負の値をとるものとして、舵角の絶対値がθ0(0に近い正の定値)以下である直進状態位置付近、即ち、所定の直進状態である場合を除いて、右転舵領域(θは正)では、左切り方向の強制転舵力(電流制御信号IMが負)が演算され、左転舵領域(θは負)では右切り方向の強制転舵力(電流制御信号IMが正)が演算される。また、舵角θの絶対値が大きいほど強制転舵力の絶対値も大きくなるように演算される。ステップ116に於いては、ステップ114に於いて演算された強制転舵力に対応する電流制御信号IMが駆動回路16を経てモータ7へ出力される。
ステップ118に於いては、タイロッド固定装置24に対する制御電流ITがkとされ、タイロッド固定装置24が作動させられ、タイロッド4の車幅方向の動きが制限される。
かくして図示の実施形態によれば、まずステップ100〜104に於いて、距離、車速が読み込まれた後、衝突の可能性が判別される。衝突の可能性がない場合は、ステップ106〜108に於いて、転舵輪5の転舵およびタイロッド4の固定はされず、最初に衝突の可能性があると判定されるまで、ステップ100〜108を繰り返す。ステップ104に於いて、衝突の可能性があると判断された場合には、ステップ110に於いて転舵角θを検出し、ステップ116に於いて転舵輪5がθ0≧|θ|となっているかどうかが判定される。転舵輪5がθ0≧|θ|となっていない場合には、ステップ114〜116に於いて舵角が直進状態となる方向に転舵される。その後、転舵輪5がθ0≧|θ|となった場合には、ステップ118に進み、タイロッド4が固定される。タイロッド4が固定された後、ステップ104に於いて、衝突の可能性がなくなったと判定された場合には、ステップ108に於いて、タイロッド4を固定させる制御が終了する。また、本実施形態では、ステップ104で、衝突の可能性があると判断され、ステップ114で転舵輪5が直進状態となる方向に転舵された後にステップ104で衝突の可能性がないと判断された場合は、ステップ106でモータ駆動電流IMが0とされ、転舵輪5の転舵を終了する。
従って、第1の実施形態では、衝突荷重が直進状態となる方向に転舵された転舵輪5からロッカ26に伝達されるので、衝突荷重を車体骨格部全体に分散することができる。また、衝突時の衝撃力ではなく、モータ7の駆動によって転舵輪5を直進状態とするので、より確実に衝突荷重を転舵輪5からロッカ26に分散できる。衝突前に転舵輪5を転舵する構成なので、衝突後に転舵する場合に比べて、より確実に衝突荷重を転舵輪5からロッカ26に分散できる。
また、第1の実施形態に於いては、衝突の可能性が判定されると、検出された転舵角が大きいほど、転舵輪5を転舵するモータ7の強制転舵力が大きく設定され、直進状態となる方向に転舵されるので、早急に衝突前に転舵角を所定の直進状態とできる。
また、第1の実施形態に於いては、転舵輪5が所定の直進状態に転舵された後、タイロッド固定装置24によりタイロッド4の車幅方向の動きが制限される。これにより転舵輪5を所定の直進状態に維持することができるので、転舵を制限しない場合に比べて、より確実に衝突荷重を転舵輪5からロッカ26に分散できる。
また、第1の実施形態に於いては、転舵が制限された後、自車の衝突の可能性がないと判定されると、転舵の制限が低減されるので、衝突対象物が移動するなどして衝突の可能性がなくなった場合に、操縦者による操舵を車両の挙動に反映することができる。
また、第1の実施形態に於いては、所定の直進状態となる方向に転舵輪5が転舵されている途中に於いて、自車の衝突の可能性がないと判定されると、転舵輪5の転舵が中止されるので、操縦者の意思を車両の挙動に反映させることができる。
また、第1の実施形態では、図4で説明したタイロッド固定装置24aに代えて、図7に示すようなタイロッド固定装置24aを用いてもよい。図7は車両側面から見たタイロッド固定装置24a付近の前部車体構造である。タイロッド固定装置24aは、クロスメンバ28上のタイロッド4aの後方に衝突時の衝撃により車両前方にのみスライドし、車幅方向には移動しないように設置される。本実施形態と同様に衝突の可能性がある場合には、転舵輪5が直進状態に転舵され、その後、車両が衝突した場合、タイロッド固定装置24aは、慣性力により前進してタイロッド4aと接触し、摩擦力によりタイロッド4aを固定し、転舵輪の車幅方向の転舵を制限することができるので、本実施形態と同様の作用効果が得られる。
次に図8に示されたフローチャートを参照して本件の第2の実施形態について説明する。
本件の第1実施形態に於いては、転舵輪5を直進状態に転舵した後、タイロッド4が固定されることで、直進状態が維持されていたが、第2の実施形態においては、操舵を補助するモータ7の強制転舵力を直進状態となる方向に出力することで、転舵輪の転舵を制限するものである。
イグニッションスイッチがオンになると同時に図8のフローチャートは開始され、ステップ200に於いては、ミリ波レーダ12により検知される自車から衝突対象物までの距離Lと車速センサー13により検知される車速Vを読み込ませる。ステップ202に於いては、衝突までの時間t=L/Vを演算させる。ステップ204に於いては、衝突までの時間tが規定値t0(衝突が回避不可能な時刻)以下であるか否かの判別が行われ、t0≧tである旨の判別が行われた場合にはステップ208へ進み、t0≧tでない旨の判別が行われたときには、ステップ206に進み、モータに対する制御電流IMを0とする。
ステップ208に於いては、操舵角センサ9より舵角θを読み込ませ、ステップ210に於いて、図9のグラフに示す特性に基づいてモータ7の強制転舵力を演算する。図9に於いては、右転舵領域(舵角θは正)では、左切り方向の強制転舵力(電流制御信号IMが負)が演算され、左転舵領域(舵角θは負)では右切り方向の強制転舵力(電流制御信号IMが正)が演算され、舵角θの絶対値が大きいほど強制転舵力の絶対値も大きくなるように演算されている。また、直進状態に維持するために舵角の絶対値がθ0以下である直進状態付近では、検出された舵角θの絶対値にかかわらず、検出された舵角θと逆方向に一定の強制転舵力が演算される。ステップ212に於いては、ステップ210に於いて演算された強制転舵力に対応する電流制御信号IMが駆動回路16を経てモータ7へ出力される。
かくして図示の実施形態によれば、ステップ200〜204に於いて、衝突の可能性が判別され、衝突の可能性がない場合は、ステップ206に於いてモータ7による転舵は行われず、衝突の可能性があるまで、ステップ200〜206を繰り返す。ステップ204に於いて、衝突の可能性が判定された場合には、ステップ208〜212に於いて転舵輪5が直進状態となる方向に転舵される。その後、再びステップ200〜204に於いて、衝突の可能性が判別され、衝突の可能性がある場合は、衝突の可能性がある限りステップ208〜212において転舵輪5が直進状態に維持される。また、ステップ204に於いて、衝突の可能性がなくなった場合には、ステップ206に於いて転舵輪5を直進状態に戻す制御を終了する。
第2の実施形態では、車両が衝突すると、衝突荷重が直進状態となる方向に転舵された転舵輪5からロッカ26に伝達されるので、衝突荷重を車体骨格部全体に分散することができる。また、衝突前に転舵輪5を転舵する構成なので、衝突後に転舵する場合に比べて、衝突時の衝撃力によらず、より確実に衝突荷重を転舵輪5からロッカ26に分散できる。
また、第2の実施形態では、検出された転舵角が大きいほど、モータ7の強制転舵力が大きく設定され、転舵輪5が直進状態となる方向に転舵されるので、早急に衝突前に転舵角を所定の直進状態とできる。
また、第2の実施形態では、転舵輪5が直進状態となる方向に転舵され続けることで、転舵輪5が所定の直進状態に維持されるので、転舵を制限しない場合に比べて、より確実に衝突荷重を転舵輪5からロッカ26に分散できる。
また、第2の実施形態では、第1の実施形態に於いては、図4で説明したタイロッド固定装置24aを用いて転舵を制限するのに対して、転舵手段として用いたモータ7の駆動によって転舵を制限するので、第1の実施形態より、簡易な構成で転舵輪を直進状態に維持することができる。
以上、第1および2の実施形態について、以下のような構成を加えてもよい。
第1および2の実施形態において、強制転舵力設定手段は、図6および9の特性表に基づき検出された舵角の大きさに応じてモータ7の強制転舵力を変更するが、衝突までの時間tが短いほど強制転舵力を増加させるようにしてもよく、例えば、図10の特性に基づくゲインGをモータ7に対する制御電流IMに掛けてもよい。
このように構成した場合、衝突までの時間tが短いほど強制転舵力が大きく設定され、転舵輪を直進状態となる方向に転舵させるので、衝突前に早急に転舵輪5を直進状態に近づけることができる。
また、第1および2の実施形態において、転舵角θが大きいほど、衝突の可能性を判断する際のしきい値t0を増加させてもよく、例えば、図11に示すように、転舵角θの絶対値が大きいほど、大きくなる値α(α≧1)を衝突の可能性を判断する際のしきい値t0に掛けてもよい。
このような構成にした場合、転舵角θの絶対値が大きくなるにつれて衝突の可能性の判断がより早く行われる。これにより、転舵手段による転舵がより早く開始されるので、衝突前に転舵輪5を早急に直進状態に近づけることができる。
また、第1および2の実施形態において、車速と距離より求めた衝突までの時間に基づいて衝突の可能性を求め、転舵の制限を行っているが、転舵の制限を低減するための条件としては別の条件を用いてもよく、例えば、ステアリング1のトルクセンサ10によって一定以上のトルクが検出された場合、乗員の転舵意志が強いと判断して、即座に転舵の制限制御を中止するようにしてもよい。このような構成にした場合、場合操縦者の意思を車両の挙動に反映させることができる。
第1および2の実施形態において、衝突の可能性があると判定された場合、車幅方向と上下方向で形状の異なるエアバック6を有するステアリング1が中立となる方向に転舵されてもよい。
このような構成にした場合、エアバック6はステアリングホイール1が中立であるとき最も乗員を保護する効果があるように設計されているので、衝突時にステアリングホイール1が中立に近い状態に転舵されることで、効果的に乗員を保護できる方向にエアバック6を展開させることができる。
第1および2の実施形態において、衝突の可能性があると判定された場合、ステアリングホイール1に於いて、エアバック6が配置された中心部だけが外側部分とは別に中立となる方向に回転するような構成としてもよい。
このような構成にした場合、操縦者がステアリングホイール1を保持していても、車幅方向と上下方向で形状の異なるエアバック6を中立に近い状態で展開させることができるので、中心部と外側部分が共に回転するステアリングホイール1よりも効果的に乗員を衝突の衝撃から保護することができる。
本発明の実施形態における車両の衝突安全装置を示す概略構成図である。 図2に示された電子制御装置を示すブロック線図である。 本発明の実施形態における車両上方から見た前部車体構造の一部を示す平面図である。 本発明の実施形態における車両上方から見たタイロッド固定装置付近の前部車体構造を示す平面図である。 本発明の実施形態における車両の衝突安全装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における制御電流の特性グラフである。 本発明の他の実施形態におけるタイロッド固定装置付近の前部車体構造を示す側面図である。 本発明の他の実施形態における車両の衝突安全装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態における制御電流の特性グラフである。 本発明の他の実施形態において、制御電流のゲインの特性グラフである。 本発明の他の実施形態において、衝突の可能性を判断するしきい値のゲインの特性グラフである。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ラックアンドピニオン機構
4 タイロッド
5 転舵輪
6 エアバック
7 モータ
8 歯車減速機構
9 操舵角センサ
10 トルクセンサ
11 電子制御装置
12 ミリ波レーダ
13 車速センサ
14 衝突センサ
15 マイクロコンピュータ
16 駆動回路
17 駆動回路
18 駆動回路
19 中央処理ユニット(CPU)
20 リードオンリメモリ(ROM)
21 ランダムアクセスメモリ(RAM)
22 入力インターフェイス
23 出力インターフェイス
24 タイロッド固定装置
25 フロントサイドメンバ(サイドメンバ)
26 ロッカ
27 フロントバンパ
28 フロントサスペンションクロスメンバ(クロスメンバ)
29 サスペンションアーム
30 ダッシュパネル

Claims (5)

  1. 車両の骨格部材の一部であって、転舵輪の後方に位置し、車両前後方向に延びる転舵輪後方骨格部と、
    前記転舵輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、
    自車の衝突の可能性を判定する衝突判定手段と、
    前記衝突判定手段により衝突の可能性があると判定された場合、前記転舵角検出手段により検出された転舵角に基づき前記転舵輪が直進状態となる方向に前記転舵輪を転舵させる転舵手段と、
    を備える車両の衝突安全装置。
  2. 前記転舵手段は、前記転舵角検出手段により検出された転舵角が大きいほど、前記転舵輪を転舵させるモータの強制転舵力を大きく設定する強制転舵力設定手段を有することを特徴とする請求項1記載の車両の衝突安全装置。
  3. 前記車両の衝突安全装置は、前記転舵手段により前記転舵輪が所定の直進状態となった場合、前記転舵手段による転舵を終了させ、前記転舵輪が所定の直進状態から前記所定の直進状態より転舵された状態に転舵されることを制限する転舵制限手段を有することを特徴とする請求項1記載の車両の衝突安全装置。
  4. 前記転舵制限手段は、前記転舵輪を転舵させるタイロッドの車幅方向の動きを前記所定の直進状態の範囲内に制限する部材である請求項3記載の車両の衝突安全装置。
  5. 前記転舵制限手段は、前記衝突判定手段により衝突の可能性がなくなったことが判定された場合、前記転舵制限手段による転舵の制限を低減させる制限低減手段を有することを特徴とする請求項3または4記載の車両の衝突安全装置。

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