JP2005246961A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電方式インクジェットヘッドにおいて、引き出し電極を厚く、幅を狭くして、高密度化を達成する。
【解決手段】2次元的に配列された各インク吐出ノズルに対応して設けられた圧力室と、圧電素子と、その両側に設置された共通電極及び個別電極とを有するインクジェットヘッドにおいて、前記個別電極の厚さをT1とし、前記個別電極に対して電気を供給する個別引き出し電極の厚さをT2とするとき、T1及びT2が、式、T1<T2、を満たすように、前記個別電極及び前記個別引き出し電極を構成した。
【選択図】 図4

Description

本発明は、インクジェットヘッド及びその製造方法に係り、特に、圧電素子を用いてインクを吐出する圧電方式インクジェットヘッドにおいて個別電極の配線をエアロゾル法で形成するようにしたインクジェットヘッド及びその製造方法に関する。
従来より、画像形成装置として、多数のノズル(インク吐出口)を配列させたインクジェットヘッド(インク吐出ヘッド)を有し、このインクジェットヘッドと記録媒体を相対的に移動させながら、記録媒体に向けてノズルからインク(インク液滴)を吐出することにより、記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)が知られている。
このようなインクジェット記録装置におけるインク吐出方法として、例えば、圧電素子(ピエゾ素子)の変形によって圧力室(インク室)の一部を構成する振動板を変形させて、圧力室の容積を変化させ、圧力室の容積増大時にインク供給路から圧力室内にインクを導入し、圧力室の容積減少時に圧力室内のインクをノズルから液滴として吐出する圧電方式が知られている。
インクジェット記録装置においても、写真プリントと同様の高画質の画像記録を行うことが望まれており、そのためには、ノズルを小さくしてノズルから吐出されるインク滴をより小さくし、さらにノズルを高密度化する必要がある。
このように、ノズル(記録ドット)の高密度化を図ったものとして、例えば、圧電素子の圧力室側及び圧力室と反対側の両面にそれぞれ設けられた電極の少なくとも一方における配線部の幅が圧力室の凹部開口の最大幅の1/2よりも小さく設定するようにして、電極の配線部に工夫を凝らすことによって、その電極配線部の断線を抑えるとともに、インクジェットヘッドを小型化しかつドットの高密度化を図るようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
またこれと同様に、配線部の幅を圧力室の凹部開口の最大幅の1/3よりも小さく設定するようにして、ドットの高密度化を図ったものも知られている(例えば、特許文献2等参照)。さらに、これらの従来技術においては、共通電極側に絶縁層を挟んで、配線下部を不活性にするようにしている。
また、各々の圧電アクチュエータ素子について、表面側電極とフレキシブル配線基板の対応する信号ラインまたは導電層とが、1つの半田バンプを介して、かつ所望の間隙を有する態様で、電気的に接続されるようにして、高密度配列化すなわちマトリクス配列化された平板状の圧電アクチュエータ素子と配線基板との高密度電気接合を可能としたものが知られている(例えば、特許文献3等参照)。
このように、従来インクジェットヘッドにおいて、ノズルの高密度化を達成するために、圧電素子からフレキシブルプリント配線基板(FPC)等の外部電極取り出し部までの配線を取り出す方法として、配線幅を圧力室開口幅の1/2(あるいは1/3)以下にしたり、マトリクス配列に対応し、半田バンプを用いてフレキシブルに接続する方法が知られていたが、以下のように、インクジェットヘッド以外の分野においては、回路基板やコンデンサあるいはディスプレイの配線等エアロゾル法で形成するものが知られていた。
ここでエアロゾル法とは、エアロゾル式ガスデポジション法、あるいは単にガスデポジション法あるいは粉体法等とも呼ばれるものであり、超微粒子状態のPZT(ジルコン酸チタン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3 )にアルゴン等のキャリアガスを吹き込み、このガスによって巻き上げられたPZTの微粒子をキャリアガスとともにスプレーノズルを通して基板に高速噴射して堆積させ、加熱処理を施して成膜するものである。このようにエアロゾル法は、その場に直接微粒子を堆積させて膜を作るものであり、広範囲な膜厚を得ることができる。
例えば、所望領域のみに精度よく微細な超微粒子膜を形成するために、回路基板をマスクで覆い、開口部を通して回路基板に超微粒子を吹き付けて、超微粒子膜を形成するものが知られており(例えば、特許文献4等参照)、これによれば、裾野の広がりを防止でき、微細なパターン、アスペクト比の高いパターンを形成することができる。
また、抵抗やコンデンサ等の受動素子を一体に形成された回路基板において、ガスデポジション法によって成膜された超微粒子膜によって抵抗やコンデンサ等の受動素子の少なくとも一部を形成し、特に、ノズル位置によって超微粒子の堆積位置を制御し、誘電体と電極をガスデポジション法で形成するようにしたものが知られており(例えば、特許文献5等参照)、これによれば、熱的な劣化がなく、基板材料や形成材料の自由度を広げることができる。
さらに、例えば、単純マトリクス型の有機EL表示装置用配線と基板上の配線を繋ぐ導電部材をインクジェット法あるいはガスデポジション法によって作成するようにしたものが知られており(例えば、特許文献6等参照)、これによれば、絶縁層を設けなくとも導電部材が接続可能となる。
特開2001−80068号公報 特開2003−154646号公報 特開2003−69103号公報 特開平6−93418号公報 特開平5−48235号公報 特開2003−152299号公報
しかしながら、前記特許文献1あるいは特許文献2に記載された、圧電素子からフレキシブルプリント配線基板、回路基板に至るまでの高密度配線のような構成においては、例えば前記特許文献1の図6のような構成を2列に配列することによって、4列までのノズル列は構成可能であるが、6列や8列のマトリクス配列の場合には、ノズルピッチの関係から、できるだけ配線の幅を細くせざるを得ず、その結果、配線の抵抗が増大するといった問題がある。
また、従来のスパッタリングや蒸着という方法では、厚みを、例えば数μm以上の厚みにすることは、膜レートの面から難しく、配線の幅を極端に減らすことができない。またこれら従来の方法では、膜面着けの為、膜を付けたくない場所にマスクが必要であり、電極として独立させるためには、リフトオフや表面研磨という後工程を行わざるを得ないという問題がある。
また、メッキについては、高アスペクト比の電極形成は可能であるが、マスクは必須であること、及び、配線パターン形状によっては、電流密度が変わり、メッキ膜の硬度が変わってしまうため、硬度一定な配線パターンを形成することが困難であるという問題点もある。
また、このような観点から前記特許文献3に記載されているような半田バンプを用いた方法が考えられているが、これについても、2次元配置での半田付けは、表面精度や反りあるいは加圧条件等から技術的に困難であり、活性部近傍で半田付けすることによる半田の活性部への流れ込みや熱による素子特性の劣化という問題がある。
また、前記特許文献4〜6に記載されたものは、前述したようにインクジェット記録装置に関するものではなく、これらをそのままインクジェットヘッドにおける配線形成に用いることはできない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、圧電方式インクジェットヘッドにおいて、個別引き出し電極の厚みを厚くし、配線部幅を狭くして、高密度化を達成したインクジェットヘッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、2次元的に配列されたインク吐出ノズルと、前記各インク吐出ノズルに対応して2次元的に配列して設けられ、前記インク吐出ノズルに連通し、インクを貯える圧力室と、圧電素子と、前記圧電素子の前記圧力室側とその反対側に設置された共通電極及び個別電極とを有し、前記共通電極及び個別電極に電圧を印加することにより前記圧電素子を変形させて、前記圧力室の体積を変化させて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドであって、前記個別電極の厚さをT1とし、前記個別電極に対して電気を供給する個別引き出し電極の厚さをT2とするとき、T1及びT2が、次の式(1)
T1<T2 ・・・・・・(1)
を満たすように、前記個別電極及び前記個別引き出し電極を構成したことを特徴とするインクジェットヘッドを提供する。
これにより、2次元高密度配列されたノズルを有するインクジェットヘッドにおける個別引き出し電極の形成が可能となり、特に、個別引き出し電極の厚みを厚くすることにより、接続断面積が増加するため、電極の抵抗を下げることができる。
また、前記個別引き出し電極は、前記圧力室の開口位置に重ならないように形成されていることが好ましい。これにより、圧電素子の変位が拘束されることはない。
また、前記インクジェットヘッドは、前記個別電極の前記個別引き出し電極の幅方向と同じ方向の幅をD、前記個別引き出し電極の幅をdとし、前記2次元的に配列して設けられた圧力室の短手方向の配列数をNとするとき、D、d及びNが次の式(2)
D/(N/2)>d ・・・・・・(2)
を満たすように、前記個別電極、前記個別引き出し電極及び圧力室を構成したことを特徴とする。
これによれば、個別引き出し電極の厚みを厚くするとともに、個別引き出し電極の幅を狭くすることができ、高密度化した配線が可能となる。
また、前記インクジェットヘッドは、前記個別引き出し電極の、厚さをT2、許容抵抗値をR、抵抗率をρ及び引き出し長さをLとするとき、T2、R、ρ及びLが次の式(3)
ρ/T2 ≦ Rd/L ・・・・・・(3)
を満たすように前記個別引き出し電極の抵抗率ρ及び厚さT2を構成したことを特徴とする。これによれば、所望の配線抵抗を実現することができる。
また、前記引き出し電極の抵抗値が等しくなるように、前記引き出し電極の厚さT2を設定したことが好ましい。これにより、すべての圧電素子を同じように駆動することが可能となる。
また、前記引き出し電極の長さが最も長い前記引き出し電極に対応する抵抗値で、前記引き出し電極の厚さT2を統一したことが好ましい。これにより、引き出し電極の製造が容易となる。
また、前記個別電極の短い方の幅をD、前記個別電極の厚さをT1、前記個別引き出し電極の幅をd、及び前記個別引き出し電極の厚さをT2とするとき、これらの値が次の式(4) T1/D ≧ 1/1000 かつ T2/d ≧ 2 ・・・(4)
を満たすように前記個別電極及び前記個別引き出し電極を構成したことが好ましい。また、前記個別電極と前記個別引き出し電極が2面で接合するように形成したことが好ましい。これにより、接合抵抗を低減し、接合強度を向上させることができる。
さらに、前記個別電極をエアロゾル法によって形成したことが好ましい。また、前記個別引き出し電極をエアロゾル法によって形成したことが好ましい。これにより、厚さの大きな電極を形成することが可能となる。
また、同様に前記課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、2次元的に配列されたインク吐出ノズルと、前記各インク吐出ノズルに対応して2次元的に配列して設けられ、前記インク吐出ノズルに連通し、インクを貯える圧力室と、前記圧力室の一部を形成する圧電素子と、前記圧電素子の前記圧力室側とその反対側に設置された共通電極及び個別電極とを有し、前記共通電極及び個別電極に電圧を印加することにより前記圧電素子を変形させて、前記圧力室の体積を変化させて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドを製造するに際し、前記振動板上に形成した共通電極の上にレジストマスクを形成して、前記圧力室に対応する位置に前記圧電素子及び前記個別電極を形成する際、その少なくとも一方はエアロゾル法で形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法を提供する。
また、同様に前記課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、2次元的に配列されたインク吐出ノズルと、前記各インク吐出ノズルに対応して2次元的に配列して設けられ、前記インク吐出ノズルに連通し、インクを貯える圧力室と、前記圧力室の一部を形成する圧電素子と、前記圧電素子の前記圧力室側とその反対側に設置された共通電極及び個別電極とを有し、前記共通電極及び個別電極に電圧を印加することにより前記圧電素子を変形させて、前記圧力室の体積を変化させて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドを製造するに際し、前記振動板上に前記共通電極と前記圧電素子の膜を形成し、その上にレジストマスクを形成して、前記圧力室に対応する位置に前記個別電極をエアロゾル法で形成したことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法を提供する。
また、同様に前記課題を解決するために、請求項13に記載の発明は、2次元的に配列されたインク吐出ノズルと、前記各インク吐出ノズルに対応して2次元的に配列して設けられ、前記インク吐出ノズルに連通し、インクを貯える圧力室と、前記圧力室の一部を形成する圧電素子と、前記圧電素子の前記圧力室側とその反対側に設置された共通電極及び個別電極とを有し、前記共通電極及び個別電極に電圧を印加することにより前記圧電素子を変形させて、前記圧力室の体積を変化させて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドを製造するに際し、前記振動板上に前記共通電極を形成し、その上に前記圧電素子及び前記個別電極の膜を、その少なくとも一方はエアロゾル法で形成し、さらにその上にレジストマスクを形成して、前記個別電極及び前記圧電素子に対してパターン加工を行い、前記圧力室に対応する位置に前記圧電素子及び前記個別電極を形成したことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法を提供する。
また、前記インクジェットヘッドの製造方法は、前記個別電極に電圧を印加するための個別引き出し電極を、エアロゾル法のノズル走査で該個別引き出し電極の部分のみ厚く形成するようにしたことを特徴とする。さらに、前記個別電極に電圧を印加するための個別引き出し電極を、レジストマスクを用いてエアロゾル法により該個別引き出し電極の部分のみ厚く形成するようにしたことを特徴とする。
このように、配線部である個別引き出し電極をエアロゾル法で形成することにより、配線幅を狭く、厚みを厚くすることができ、個別電極との接続断面積を増加させ、電極の抵抗を低減することができ、マトリクスの配線に有利であり、マトリクスで側面配線取り出しが可能となり、インクジェットヘッドの高密度化を達成することが可能となる。
また、圧電素子、個別電極及び個別引き出し電極を含めてエアロゾル法で形成することにより、同一チャンバで製膜が可能となるため、製造工程が簡略化されるとともに製造コストを低減することができる。
以上説明したように、本発明に係るインクジェットヘッド及びその製造方法によれば、圧電方式インクジェットヘッドにおいて、引き出し電極の厚みを厚くし、幅を狭くして、高密度化を達成することが可能となる。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係るインクジェットヘッド及びその製造方法について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)の一実施形態の概略を示す全体構成図である。
図1に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26とを備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、4色(KCMY)に対応する印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからなり、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、それぞれが複数の吐出口を有する複数の吐出ヘッドを記録紙16の全幅を担うように、各吐出ヘッドの長手方向を記録紙16の幅方向に並べて構成された、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを、紙搬送方向と直交する方向に配置した、いわゆるフルライン型ヘッドを含んでいる。詳しくは後述するが、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、このように複数の吐出ヘッドによって構成されたライン型ヘッドの他に、ヘッド回復手段、ヘッド退避手段及び補助ヘッドを有している。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの印字ヘッドからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの印字ヘッドと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの印字ヘッドによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が2次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
次に、印字ヘッドについて説明する。各色毎の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yはいずれも同様であるので符号50で代表させて、以下単に印字ヘッド50として説明する。
図2に、印字ヘッドの概略構成を示す。図2(a)は、印字ヘッド( インクジェットヘッド)50の一つの構造例を示す平面透視図であり、図2(b)は本実施例の印字ヘッド50の電極配線を示す拡大図であり、図2(c)は、図2(b)の一部を拡大した拡大図である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。そこで図2(a)または(b)に示すように、印字ヘッド50は、インク滴を吐出するノズル51と各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥状に2次元マトリクス状に配置させた構造を有し、これによって見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。各ノズル51に対して設けられている圧力室52は、その平面形状が矩形状となっており、対角線上の隅部にノズル51が設けられている。
このように、印字ヘッド50は、インクを吐出する複数のノズル51が記録媒体の送り方向と略直交する方向に記録媒体の全幅に対応する長さに亘って配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。図2(a)においては、6列のノズル列が表示され、図2(b)においては、8列のノズル列が表示されている。
詳しくは後で説明するが、図2(c)に破線で示す圧力室52よりも、その上に形成される個別電極60の方が大きく形成され、個別電極60の下に圧力室52が配置されていない部分(圧力室52の開口が存在しない部分)で、個別引き出し電極62の先端部62’が個別電極60に接合されている。
また、インク室ユニット53を図2(c)中の一点鎖線、3-3 線に沿って切断し、図の左側から見た様子を図3に示す。図3に示すように、インク室ユニット53は、ノズル51を有する圧力室52、圧力室52の天面を構成する振動板54、振動板54を押圧するPZT膜で形成された圧電素子(圧電アクチュエータ)56及び圧電素子56を挟んでその上下に配置された個別電極(上部電極)60と共通電極(下部電極)58によって構成されている。また、図3には、断面ではないが、上部後方に、個別電極60に電力を供給するための個別引き出し電極62(配線部)がその先端部62’が個別電極60の上に乗り上げる形で接合している様子が示されている。
なお、図3(あるいは図2(b))に示すように、この例では、振動板54及び共通電極58は、全ての圧力室52に共通の2枚の基板として形成され、各圧力室52毎に圧電素子56及び個別電極60が形成されて、各インク室ユニット53が複数形成されている。
個別引き出し電極62を介して個別電極60に駆動電圧を印加することによって、圧電素子56が変形し、圧電素子56が振動板54を押圧することによって振動板54が圧力室52側に撓み、その結果圧力室52の容積が減少して、圧力室52内のインクがノズル51から吐出されるようになっている。インクが吐出されると、図示しない共通流路およびインク供給口を介して、新しいインクが圧力室52に供給される。
また、個別引き出し電極62と個別電極60との接合の様子を、よりわかり易く表すために、図2(c)あるいは図3に示したインク室ユニット53を図4に斜視図で示す。なお、図4では、振動板54や共通電極58等は圧力室52に対応する部分のみを示すとともに、圧力室52の側壁やノズル51を形成する基板は省略し、個別電極60と個別引き出し電極62との接合の様子がよくわかるようにした。図2(c)にも示したように、圧力室52よりも個別電極60のサイズの方が、個別引き出し電極62の幅の分だけ(図4に矢印dで示す幅の分)大きくなっている。
個別引き出し電極62はその先端部62’が、この圧力室52よりもサイズが大きくなった個別電極60の部分(その下に圧力室52の開口部が存在しない部分)で個別電極60に接合しており、個別引き出し電極62の下には圧力室52が存在しないようになっている。すなわち、圧力室52の開口に対し、個別引き出し電極62が重ならないように構成されている。このように個別引き出し電極62が圧力室52開口と重ならないようになっているため、圧電素子56及び圧力室52の変位が拘束されるようなことはない。
さらに、個別引き出し電極62は、圧力室52の開口方向とは反対側(図3あるいは図4の上方向)に厚く形成され、図4に示すように、個別引き出し電極62は、個別電極60に対し、2つの接合面63a、63bで接合するようになっている。これにより、接続断面積を増加させることができ、接合抵抗を低減するとともに、接合強度を強化させることが可能となる。
また、このように個別引き出し電極62の厚さ(T2)を厚くすることによりその幅(d)を狭くできるため、図2(b)に示すようなマトリクスの配線に有利であり、マトリクス状にインク室ユニット53を配列した場合に、その側面に配線を取り付けることが可能となる。これにより、ノズル51の高密度化を達成することができる。
また、本実施形態では、個別電極60及び個別引き出し電極62の幅及び厚さ等の寸法については、具体的に以下のように規定している。
すなわち、図2(c)あるいは図4に示すように、個別電極60の前記個別引き出し電極の幅方向と同じ方向の幅をD、個別引き出し電極62の幅をdとし、また、図3あるいは図4に示すように、個別電極60の厚さをT1、個別引き出し電極62の厚さをT2とする。
このとき、個別電極60の厚さT1と、個別引き出し電極62の厚さT2との関係は、次の式(5)によって規定される。
T1 < T2 ・・・・・・(5)
また、個別電極60の幅Dと厚みT1のアスペクト比は、次の式(6)によって規定される。
T1/D ≧ 1/1000 ・・・・・・(6)
また、個別引き出し電極62の幅dと厚みT2のアスペクト比は、次の式(7)によって規定される。
T2/d ≧ 2 ・・・・・・(7)
このように、個別電極60の厚さT1は、その(短い方の)幅Dの1000分の1以上で、個別引き出し電極62の厚さT2は、その幅dの2倍以上であることが所望の配線抵抗の確保と高密度化の両立の観点で好ましい。
以上をまとめて図5に示す。図5(a)は個別電極60と個別引き出し電極62を示す平面図である。この図に示すように、個別引き出し電極62の幅をdとし、これと同じ方向の個別電極60の幅をDとする。また、図5(b)は、図5(a)を上方から見た個別引き出し電極62の断面図である。この図に示すように、個別引き出し電極62の幅をd、厚さをT2とする。また、図5(c)は、図5(a)を下方から見た個別電極60の断面図である。この図に示すように、個別電極60の厚さをT1とする。
このとき上で述べたように、式(6)及び式(7)
T1/D ≧ 1/1000 ・・・・・・(6)
T2/d ≧ 2 ・・・・・・(7)
の両方を満たすことで高密度配線で、最大許容抵抗値以下の抵抗値を保証することができる。
また、図6(a)に示すように、2次元的に配列して設けられた圧力室52(インク室ユニット53)の短手方向の配列数をNとする。また、図6(b)に示すように、個別引き出し電極62の幅をdとし、これと同じ方向の個別電極60の幅(短い方の幅)をDとする。
このとき、個別電極60の(短い方の)幅D、個別引き出し電極62の幅d及び圧力室52の短手方向の配列数Nの間に、次の式(8)で規定される関係が成立するように、個別電極60、個別引き出し電極62及び圧力室52が構成される。
D/(N/2) > d ・・・・・・(8)
例えば、図2(b)に示す例の場合、図の上下方向が短手方向、左右方向が長手方向であり、短手方向に圧力室52が8個配列されており、短手方向の圧力室52の配列数はN=8であり、上記式(8)は、D/4>dとなる。従って、この例では、個別引き出し電極62の幅dは、個別電極60の幅Dの1/4より小となるように形成される。このようにして、個別引き出し電極の幅dを設定することで個別引き出し電極間同士のショートを防止し、かつ高密度化が可能となる。
また、図7(a)は、図3と同様の圧力室ユニット53の断面図であり、ノズル51を有する圧力室52の上側には、振動板54、共通電極58、圧電素子56及び個別電極60が形成され、個別電極60からは個別引き出し電極62が引き出されている。図7(b)は、図7(a)を左方向から見た個別電極60の側面図であり、幅D、厚さT1となっている。また、図7(c)は、図7(a)を右方向から見た個別引き出し電極62の側面図であり、幅d、厚さT2となっている。
また、個別引き出し電極62の許容抵抗値(配線に許容される最大抵抗値)をR、材料の抵抗率をρとし、個別引き出し電極62の引き出し長さ(配線長さ)をLとするとき、これらの値及び個別引き出し電極62の厚さT2及び幅dに対し、次の式(9)で規定される関係が成立するようにρ及びT2を構成する。
ρ/T2 ≦ Rd/L ・・・・・・(9)
この式(9)を満たすように個別引き出し電極62の配線抵抗を設定することにより、個別引き出し電極62の配線抵抗を所定値以下にすることが可能となる。
また、このとき、各引き出し電極62の抵抗値が等しくなるように、引き出し電極62の厚さ(高さ)T2を設定することが好ましい。例えば、図8(a)に示すように、各個別電極60からそれぞれ配線長さの異なる個別引き出し電極62a、62b、62c、62dが引き出されているとき、図8(b)に示すように、配線長さの長い個別引き出し電極62a程その厚さ(高さ)T2を大きく設定する。このように、配線長さによって厚さ(高さ)T2を変えることによって、各配線の抵抗値を最大抵抗値以下に合わせるようにする。
また、配線長さが最も長い個別引き出し電極62に対応する抵抗値で、各個別引き出し電極62の厚さ(高さ)T2を統一するようにしてもよい。例えば、図9(a)に示すように、各個別電極60からそれぞれ配線長さの異なる個別引き出し電極62a、62b、62c、62dが引き出されているとき、図9(b)に示すように、各個別引き出し電極62a、62b、62c、62dの厚さを、最も配線長さの長い個別引き出し電極62aの厚さT2に統一することで、最大抵抗値を保証することが可能となる。
以上説明したように、圧力室52、個別電極60及び個別引き出し電極62を形成することによって、2次元高密度配列ノズルヘッドの引き出し電極が実現可能となり、また引き出し電極抵抗を所望で実現可能となる。
次に、このような印字ヘッド(インクジェットヘッド)50の製造方法について説明する。まず、本製造方法で用いられるエアロゾル法について説明する。
図10に、エアロゾル法による成膜装置の模式図を示す。この成膜装置は、原料の粉体81を収容するエアロゾル生成容器82を有している。ここでエアロゾルとは、気体中に浮遊している個体や液体の微粒子のことをいう。
エアロゾル生成器82には、キャリアガス導入部83、エアロゾル導出部84、振動部85が設けられている。キャリアガス導入部83から窒素ガス(N2 )等の気体を導入することによってエアロゾル生成容器82内に収容された原料の粉体81が噴き上げられ、エアロゾルが生成される。その際に、振動部85によってエアロゾル生成容器82に振動を与えることにより、原料の粉体81が攪拌され、効率よくエアロゾルが生成される。生成されたエアロゾルは、エアロゾル導出部84を通って成膜チャンバ86に導かれる。
成膜チャンバ86には、排気管87、ノズル88、可動ステージ89が設けられている。排気管87は、真空ポンプに接続されており、成膜チャンバ86内を排気する。エアロゾル生成容器82において生成され、エアロゾル導出部84を通って成膜チャンバ86に導かれたエアロゾルは、ノズル88から基板80に向けて噴射される。これにより、原料の粉体81が基板80上に衝突して堆積する。基板80は、3次元に移動可能な可動ステージ89に載置されており、可動ステージ89を制御することにより、基板80とノズル88との相対的位置が調節される。
図11に印字ヘッド50の一つの製造方法を、その製造過程を順に追って示す。図11に示す製造方法は、圧電素子が各圧力室毎に機械的に分離、独立した構成とする、いわゆるメカニカル分離法と言われるものである。
まず、図11(a)に示すように、振動板54となるべき1枚のSUS基板を用意し、図11(b) のように、このSUS基板で構成される振動板54上に、共通電極58となるプラチナ/酸化チタン(Pt/TiO2 )膜をスパッタで形成する。次に、図11(c)のように、圧電素子56を形成するために、レジストを塗布してマスク(レジストマスク)64を形成し、図11(d)のように、スパッタ、レーザーアブレーション、CVDあるいはエアロゾル法により、ピエゾ(PZT)の膜を形成することによって圧電素子56を形成する。
次に、図11(e)のように、この上に個別電極60となるべき金(Au)の膜をスパッタあるいはエアロゾル法によって形成する。そして、図11(f)のように、リフトオフにより、圧電素子56の部分以外に形成された個別電極60の膜及びレジストマスク64を除去することにより、1枚の基板からなる振動板54及び共通電極58の上の各圧力室52に対応する位置に、圧電素子56及び個別電極60が形成される。
次に、図11(g)のように、個別引き出し電極62を形成するためにその配線部分を除いてレジストマスク66を形成する。そして、図11(h)に示す工程において、図10で説明したようなエアロゾル法の製膜装置を用いて、エアロゾル化された微粒子粉末69をノズル68(図10の製膜装置におけるノズル88に対応する。)から噴射し、エアロゾル法によって個別引き出し電極62を形成する。
次に、図11(i)のように、リフトオフしてレジストマスク66を除去し、さらに、およそ600℃程度でポストアニールを行う。このようにして基板(振動板54)上に、共通電極58、圧電素子56、個別電極60及び個別引き出し電極62を形成した後、図11(j)に示すように、ノズル51を有する圧力室52および圧力室52にインクを供給するインク流路(図示省略)等の形成された基板70を接合することによって、印字ヘッド(インクジェットヘッド)50が完成する。
なお、上記製造方法において、図11(d)に示す圧電素子56を形成する工程、及び図11(e)に示す個別電極60を形成する工程においては、それぞれスパッタあるいはエアロゾル法によって各膜を形成するとしていたが、圧電素子56、個別電極60の少なくとも一方はエアロゾル法で製膜することが好ましい。
図12(a)にエアロゾル法で圧電素子56を形成する様子を示す。図12(a)に示すように、共通電極58上にレジストマスク64を形成した後、エアロゾル法による成膜装置(図示省略)のノズル68からエアロゾル化された微粒子粉末69を噴射して、エアロゾル法によって圧電素子56を形成する。
また、図12(b)に、同様にエアロゾル法で個別電極60を形成する様子を示す。図12(b)に示すように、ノズル68からエアロゾル化された微粒子粉末69を噴射して、圧電素子56上に個別電極60を形成する。
次に、印字ヘッド50の他の製造方法について説明する。これは、図13に示すように、振動板54、共通電極58のみならず圧電素子56をも、全ての圧力室52に対し共通した1枚の膜で形成し、この1枚の圧電素子56の上に、各圧力室52(図13では図示省略)に対応して個別電極60を形成するようにして、個別電極60によって各インク室ユニット53を分離するものであり、電極分離方式と言われるものである。
図14に、圧電素子は複数の圧力室に渡って共通に形成され、一方個別電極が各圧力室毎に機械的に分離、独立した構成である電極分離方式による印字ヘッド50の製造方法を、その製造過程を順を追って示す。
まず、図14(a)に示すように、振動板54となるべき1枚のSUS基板を用意し、図14(b)のように、このSUS基板で構成される振動板54上に、共通電極58となるPt/TiO2 膜をスパッタで形成し、さらにその上に、図14(c)に示すように、薄膜形成手段あるいはエアロゾル法により、ピエゾ(PZT)膜を形成することによって、全ての圧力室52に共通の1枚の膜からなる圧電素子56を形成する。
次に、図14(d)のように、各圧力室52に対応する位置に個別電極60を形成するために、個別電極60を形成する領域を除いてレジストを塗布して、レジストマスク72を形成する。そして、図14(e)に示すように、レジストマスク72の開口部72aに、スパッタあるいはエアロゾル法により金(Au)の膜を堆積させて、個別電極60を形成する。
次に、図14(f)に示すように、リフトオフによりマスク72を除去し、図14(g)に示すように、個別引き出し電極62を形成するためのレジストマスク66を形成する。そして、図14(h)に示すように、エアロゾル化された微粒子粉末69をノズル68から噴射し、エアゾル法によって個別引き出し電極62を形成する。
次に、図14(i)に示すように、リフトオフによりレジストマスク66を除去し、さらに、およそ600℃程度でポストアニールを行う。このようにして、基板(振動板54)上に、共通電極58、圧電素子56を1枚の膜で形成した上に、個別電極60および個別引き出し電極62を形成した後、図14(j)に示すように、ノズル51を有する圧力室52及び圧力室52にインクを供給するインク流路(図示省略)等の形成された基板70を接合することによって印字ヘッド50が完成する。
また次に、印字ヘッド50の、さらに他の製造方法を説明する。この方法は、振動板54、共通電極58、圧電素子56および個別電極60までを重ねて、ベタの膜で形成し、レジストマスクを用いて、圧電素子56までパターン加工して個別電極60を分離して形成するようにしたものである。
図15に、本方法による印字ヘッド50の製造過程を順を追って示す。これは、圧電素子56及び個別電極60の少なくとも一方はエアロゾル法で製膜するようにしたものである。
まず図15(a)に示すように、振動板54となるべきSUS基板を用意し、図15(b)に示すように、この上に共通電極58となるPt/TiO2 膜をスパッタで形成する。次に、図15(c)に示すように、さらにその上にエアロゾル法を用いてノズル68からエアロゾル化された微粒子粉末69を噴射して圧電素子56となるべきPZT膜を形成する。また、図15(d)に示すように、さらにその上に同様にエアロゾル法を用いてノズル68からエアロゾル化された微粒子粉末69を噴射して個別電極60となるべき金(Au)の膜を形成する。なお、ここでは圧電素子56及び個別電極60の両方ともエアロゾル法によって形成するように説明したが、これらのうち少なくとも一方がエアロゾル法によって形成されるようにしてもよい。
次に、図15(e)に示すように、各圧力室52に対応する位置に個別電極60が配置されるように分離すべくレジストを塗布してレジストマスク74を形成する。そして、図15(f)に示すように、イオンミリングあるいはサンドブラスト等によるパターン加工により、レジストマスク74の存在しない部分を圧電素子56まで削り取り、共通電極58が露出するようにする。
次に、レジストマスク74をリフトオフによって除去し、図15(g)に示すように、個別電極60及び圧電素子56を分離形成する。
その後、図15(h)に印字ヘッド50を平面図で示すように、個別電極60に対して個別引き出し電極62を形成し、共通電極58(振動板54)の下方に圧力室52(図示せず)を接着することによって印字ヘッド50が完成する。
次に個別引き出し電極62の部分のみ厚くつける製造方法について説明する。
最初に説明する方法は、個別電極60上にはレジストマスクを設けずに、エアロゾル法を行う膜形成装置のノズル走査によって個別引き出し電極62のみ厚く形成するものである。
図16に、本方法によって製造中の一つのインク室ユニット53の平面図を示し、図16中の一点鎖線、17-17 線に沿った断面図を図17に示す。なお、図17は、振動板54より上の部分を示したものである。
図16あるいは図17に示すように、個別電極60上にはレジストマスク76は形成されておらず、エアロゾル法のノズル走査によって個別引き出し電極62が個別電極60に乗り上げるように厚く形成される。
また、次に説明する方法は、個別電極60上にも、個別引き出し電極62が形成される部分以外に厚くレジストマスクを形成するようにして、個別引き出し電極62の部分のみ厚く形成するようにしたものである。
図18に、本方法によって製造中の一つのインク室ユニット53の平面図を示し、図18中の一点鎖線、19-19 線に沿った断面図を図19に示す。なお図17同様、図19も振動板54より上の部分のみを示したものである。
図18あるいは図19に示すように、個別引き出し電極62が形成される部分以外の部分に厚いレジストマスク78を形成して、エアロゾル法によって個別引き出し電極62を形成する。このように、個別電極60上にも厚いレジストマスク78を設け、エアロゾル法で個別引き出し電極62を形成するようにした場合には、個別電極60の上部に広がりのない膜を形成することができ、圧力室52( 図示せず)が存在しない部分の上にのみ個別引き出し電極62を形成することができる。
また、今まで説明した例では、図4に示すように個別引き出し電極62は、その先端部62’のみを個別電極60上に乗り上げるようにして形成されていたが、個別引き出し電極62の形状はこれに限定されるものではなく、様々な形態が可能である。
例えば、図20に示すように、個別引き出し電極62の先端部62’を個別電極60の端部まで伸ばすようにしてもよい。このようにすると、個別電極60と個別引き出し電極62の接触面積が接合面63bにおいて大きくとれるため、個別引き出し電極62の幅をさらに狭くすることが可能となる。
また、このとき図21に示すように、個別引き出し電極62の個別電極60上の先端部62’とそれ以外の部分との間に段差62’’を設けるようにして、個別引き出し電極62の厚さを全体で一定となるようにしてもよい。
さらに、図22に示すように、個別引き出し電極62の先端部62’を、符号62’’’で示すように、さらに伸ばして個別電極60の外周を囲むようにしてもよい。このようにすれば、さらに接触断面積を増加させることができ、個別引き出し電極62の幅をさらに狭くすることができる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、エアロゾル法で配線部である個別引き出し電極を形成するようにすることで、厚みを厚くでき、配線幅を狭くすることができるため、個別電極との接続断面積が増加し、電極の抵抗を下げることができる。そのため、マトリクス状に圧力室を配置する場合の配線に有利であり、マトリクスの配線において、側面配線取り出しが可能となり、ノズル高密度化を達成することができる。
また、エアロゾル法のノズル走査で、面付けでなく、膜を形成できるため、レジストマスクを設けずに個別引き出し電極を形成することが可能となる。また、個別引き出し電極の厚みが、個別電極に対して、圧力室の開口方向とは反対側に厚くなるように形成され、特に、圧力室開口に対し、個別引き出し電極の引き出し部が重なっていないようにすることで、圧電素子の変位拘束がない。
さらに、圧電素子、個別電極および個別引き出し電極も含めてエアロゾル法で製膜することにより、同一チャンバで製膜が可能であり、製造工程を簡略化し、コストを低減することが可能となる。
以上、本発明のインクジェットヘッド及びその製造方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係るインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置の一実施形態の概略を示す全体構成図である。 本発明の一実施例に係る印字ヘッドを示す概略構成図であり、(a)は平面透視図、(b)は印字ヘッドの電極配線を示す拡大図であり、(c)は(b)の一部拡大図である。 図2の3-3線に沿った断面図である。 図2(c)のインク室ユニットを示す斜視図である。 (a)は個別電極と個別引き出し電極を示す平面図であり、(b)は個別引き出し電極の断面図、(c)は個別電極の断面図である。 (a)は印字ヘッドの電極配線を示す拡大図であり、(b)は個別電極と個別引き出し電極を示す平面図である。 (a)は圧力室ユニットの断面図であり、(b)は個別電極の断面図、(c)は個別引き出し電極の断面図である。 引き出し電極の配線長さに応じて厚さを変化させる様子を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 引き出し電極の厚さを統一した様子を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 エアロゾル法の製膜装置の概略を示す斜視図である。 (a)〜(j)は、印字ヘッドの一つの製造方法の工程を順に追って示す説明図である。 (a)はエアゾル法によって圧電素子を形成する様子を示す説明図であり、(b)はエアゾル法によって個別電極を形成する様子を示す説明図である。 印字ヘッドの他の例の概略構成を示す平面図である。 (a)〜(j)は、図13の印字ヘッドの一つの製造方法の工程を順に追って示す説明図である。 (a)〜(h)は、印字ヘッドのその他の製造方法の工程を順に追って示す説明図である。 個別引き出し電極の厚みを厚く形成する方法を示す平面図である。 図16の17-17 線に沿った断面図である。 個別引き出し電極の厚みを厚く形成する他の方法を示す平面図である。 図18の19-19 線に沿った断面図である。 個別引き出し電極の他の形状を示すインク室ユニットの斜視図である。 同じく、個別引き出し電極の他の形状を示すインク室ユニットの斜視図である。 同じく、個別引き出し電極の他の形状を示すインク室ユニットの斜視図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、12…印字部、14…インク貯蔵/装填部、16…記録紙、18…給紙部、20…デカール処理部、22…吸着ベルト搬送部、24…印字検出部、26…排紙部、28…カッター、30…加熱ドラム、31、32…ローラー、33…ベルト、34…吸着チャンバー、35…ファン、36…ベルト清掃部、40…加熱ファン、42…後乾燥部、44…加熱・加圧部、45…加圧ローラー、48…カッター、50…印字ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、53…インク室ユニット、54…振動板、56…圧電素子、58…共通電極、60…個別電極、62…個別引き出し電極、63a、63b…接合面

Claims (15)

  1. 2次元的に配列されたインク吐出ノズルと、前記各インク吐出ノズルに対応して2次元的に配列して設けられ、前記インク吐出ノズルに連通し、インクを貯える圧力室と、圧電素子と、前記圧電素子の前記圧力室側とその反対側に設置された共通電極及び個別電極とを有し、前記共通電極及び個別電極に電圧を印加することにより前記圧電素子を変形させて、前記圧力室の体積を変化させて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドであって、
    前記個別電極の厚さをT1とし、前記個別電極に対して電気を供給する個別引き出し電極の厚さをT2とするとき、T1及びT2が、次の式(1)
    T1<T2 ・・・・・・(1)
    を満たすように、前記個別電極及び前記個別引き出し電極を構成したことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記個別引き出し電極は、前記圧力室の開口位置に重ならないように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記個別電極の前記個別引き出し電極の幅方向と同じ方向の幅をD、前記個別引き出し電極の幅をdとし、前記2次元的に配列して設けられた圧力室の短手方向の配列数をNとするとき、D、d及びNが次の式(2)
    D/(N/2)>d ・・・・・・(2)
    を満たすように、前記個別電極、前記個別引き出し電極及び圧力室を構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記個別引き出し電極の、厚さをT2、幅をd、許容抵抗値をR、抵抗率をρ及び引き出し長さをLとするとき、T2、d、R、ρ及びLが次の式(3)
    ρ/T2 ≦ Rd/L ・・・・・・(3)
    を満たすように前記個別引き出し電極の抵抗率ρ及び厚さT2を構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記引き出し電極の抵抗値が等しくなるように、前記引き出し電極の厚さT2を設定したことを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記引き出し電極の長さが最も長い前記引き出し電極に対応する抵抗値で、前記引き出し電極の厚さT2を統一したことを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記個別電極の短い方の幅をD、前記個別電極の厚さをT1、前記個別引き出し電極の幅をd、及び前記個別引き出し電極の厚さをT2とするとき、これらの値が次の式(4) T1/D ≧ 1/1000 かつ T2/d ≧ 2 ・・・(4) を満たすように前記個別電極及び前記個別引き出し電極を構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記個別電極と前記個別引き出し電極が2面で接合するように形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記個別電極をエアロゾル法によって形成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記個別引き出し電極をエアロゾル法によって形成したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  11. 2次元的に配列されたインク吐出ノズルと、前記各インク吐出ノズルに対応して2次元的に配列して設けられ、前記インク吐出ノズルに連通し、インクを貯える圧力室と、前記圧力室の一部を形成する圧電素子と、前記圧電素子の前記圧力室側とその反対側に設置された共通電極及び個別電極とを有し、前記共通電極及び個別電極に電圧を印加することにより前記圧電素子を変形させて、前記圧力室の体積を変化させて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドを製造するに際し、
    前記振動板上に形成した共通電極の上にレジストマスクを形成して、前記圧力室に対応する位置に前記圧電素子及び前記個別電極を形成する際、その少なくとも一方はエアロゾル法で形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  12. 2次元的に配列されたインク吐出ノズルと、前記各インク吐出ノズルに対応して2次元的に配列して設けられ、前記インク吐出ノズルに連通し、インクを貯える圧力室と、前記圧力室の一部を形成する圧電素子と、前記圧電素子の前記圧力室側とその反対側に設置された共通電極及び個別電極とを有し、前記共通電極及び個別電極に電圧を印加することにより前記圧電素子を変形させて、前記圧力室の体積を変化させて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドを製造するに際し、
    前記振動板上に前記共通電極と前記圧電素子の膜を形成し、その上にレジストマスクを形成して、前記圧力室に対応する位置に前記個別電極をエアロゾル法で形成したことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  13. 2次元的に配列されたインク吐出ノズルと、前記各インク吐出ノズルに対応して2次元的に配列して設けられ、前記インク吐出ノズルに連通し、インクを貯える圧力室と、前記圧力室の一部を形成する圧電素子と、前記圧電素子の前記圧力室側とその反対側に設置された共通電極及び個別電極とを有し、前記共通電極及び個別電極に電圧を印加することにより前記圧電素子を変形させて、前記圧力室の体積を変化させて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドを製造するに際し、
    前記振動板上に前記共通電極を形成し、その上に前記圧電素子及び前記個別電極の膜を、その少なくとも一方はエアロゾル法で形成し、さらにその上にレジストマスクを形成して、前記個別電極及び前記圧電素子に対してパターン加工を行い、前記圧力室に対応する位置に前記圧電素子及び前記個別電極を形成したことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  14. 前記個別電極に電圧を印加するための個別引き出し電極を、エアロゾル法のノズル走査で該個別引き出し電極の部分のみ厚く形成するようにしたことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  15. 前記個別電極に電圧を印加するための個別引き出し電極を、レジストマスクを用いてエアロゾル法により該個別引き出し電極の部分のみ厚く形成するようにしたことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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