JP2005246623A - 樹脂密着性に優れた樹脂被覆金属板の製造方法 - Google Patents

樹脂密着性に優れた樹脂被覆金属板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂密着性に優れた樹脂被覆金属板を比較的安価に製造する方法を提供する。
【解決手段】金属板9に溶融した熱可塑性樹脂を流下して接触させて、金属板9上に少なくとも1層の熱可塑性樹脂層10をラミネートする樹脂被覆金属板11の製造方法において、金属板9の表面に、化成処理により化成皮膜を形成した後、前記化成皮膜に表面活性化処理を施し、その後、30秒以内に、前記熱可塑性樹脂を溶融させた状態で金属板9の前記化成皮膜上に接触させて、金属板9上に前記熱可塑性樹脂層10をラミネートすることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂と鋼板の積層により構成され、優れた樹脂密着性を有する樹脂被覆金属板の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂は、加工が容易であることから、フィルム、シートあるいは成形容器材料として用いられるのみならず、各種樹脂フィルムや紙、金属箔などとの積層体としても広く用いられている。これら積層体にはポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂が主に用いられ、加熱した基材に樹脂フィルムを圧着、もしくは基材とフィルムを加熱しつつ圧着するフィルムラミネート法(サーマルラミネート法ともいう)や、非特許文献1並びに特許文献1および2に記載されているように、加熱溶融した熱可塑性樹脂を直接基材上に積層する押出しラミネート法により一般に製造されている。中でも、押出しラミネート法は、フィルム製膜のコストが不要であるため、積層体の製造方法として経済性に優れている。
加工技術研究会発行「コンバーティングのすべて」(1993年出版) 特開昭57−203545号公報 特開平2−241737号公報
鋼板と樹脂を積層した積層体は建材や容器などに広く用いられている。特に、各種鋼板と熱可塑性樹脂を積層したいわゆるラミネート鋼板は、耐食性、絶縁性などに優れるため、内外装などの建材や缶などへの利用が拡大している。
これらラミネート鋼板などの樹脂被覆金属板では、金属板と樹脂の密着性が必要となるが、一般に熱可塑性樹脂を金属上に熱融着しても満足な密着性は得られ難い。よって、良好な密着性を得るための何らかの方策が必要となる。
特許文献3には、樹脂フィルムと金属基材の両接合面に火炎処理を施し、即接合することにより密着を図る方法が開示されている。しかし、フィルムラミネート法では樹脂の基材に対する濡れが乏しいため、なお密着性は不十分である。加えて、押出しラミネート法に比べ、コストの点で不利である。また、押出しラミネート法で製造した樹脂被覆鋼板は、フィルムフィルムラミネート法で製造したものに比べると、密着性に優れているものの、さらに改善の余地があり、例えば、特許文献4には、基材にプラズマ処理等の表面活性化処理を施し、オゾン処理を伴う押出しラミネートを行うことにより密着性の向上を図る方法が開示されている。しかし、オゾンを溶融樹脂に吹き付けることにより樹脂の温度が低下するため、密着性の向上効果は小さい。また、オゾンは人体に有害な気体であるので、処理設備からの漏洩を防ぐための方策が必要となり、コスト増の要因となる。
特開平5−212799号公報 特開2001−260297号公報
この発明は、樹脂密着性に優れた樹脂被覆金属板を比較的安価に製造する方法を提供することを目的とする。
さて、上記の従来技術では、いずれも樹脂密着性を満足させることは困難であった。また、フィルムラミネート法は、フィルム製膜工程が必要になるため、製造コストが高くなるといった欠点を有していた。
そこで、発明者らは、樹脂被覆金属板における上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、クロム酸処理やリン酸塩処理などの化成処理を施して化成皮膜を形成した金属板の被覆される面を、火炎処理および/またはプラズマ処理した直後に熱可塑性樹脂を溶融させた状態で金属板に接触させることが、金属板に対する樹脂層の密着性向上に有効であることを新規に見出し、この発明を完成するに到った。
すなわち、この発明の要旨構成は、次の通りである。
(1)金属板に溶融した熱可塑性樹脂を流下して接触させて、金属板上に少なくとも1層の熱可塑性樹脂層をラミネートする樹脂被覆金属板の製造方法において、
金属板表面に、化成処理により化成皮膜を形成した後、前記化成皮膜に表面活性化処理を施し、その後、30秒以内に、前記熱可塑性樹脂を溶融させた状態で金属板の前記化成皮膜上に接触させて、金属板上に前記熱可塑性樹脂層をラミネートすることを特徴とする、樹脂密着性に優れた樹脂被覆金属板の製造方法。
(2)前記表面活性化処理は、火炎処理および/またはプラズマ処理であることを特徴とする、上記(1)に記載の樹脂密着性に優れた樹脂被覆金属板の製造方法。
(3)前記熱可塑性樹脂層は複数層で構成することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の樹脂密着性に優れた樹脂被覆金属板の製造方法。
(4)前記熱可塑性樹脂層は共押出し法によって形成することを特徴とする、上記(3)に記載の樹脂密着性に優れた樹脂被覆金属板の製造方法。
この発明によって、優れた密着性を有する樹脂被覆金属板を比較的安価に製造することができる。
以下に、この発明の構成を詳細に説明する。
この発明では、熱可塑性樹脂を被覆する金属板として、化成処理により化成皮膜を形成した金属板を用いる必要がある。化成処理を施すことにより、良好な樹脂密着性を得ることができる。また、この金属板を用いることにより、後述する表面活性化処理の効果が倍増する。化成処理としては、リン酸塩処理またはクロム酸処理とすることが好ましく、リン酸塩処理あるいはクロム酸処理の両者とも、従来公知の方法を用いることが可能であり、クロム酸処理は、電解処理や無電解処理のいずれで行なってもよい。
金属板としては、例えば、鋼板、アルミニウム板などが挙げられる。
リン酸塩処理により形成する化成皮膜の付着量は、リンの付着量にして0.1〜100mg/m2とするのが好ましい。なお、リン酸塩処理としては、リン酸錫処理、リン酸亜鉛処理、リン酸鉄処理などが挙げられる。クロム酸処理により形成する化成皮膜の付着量は、クロムの付着量にして1〜200mg/m2とするのが好ましい。各付着量がそれぞれ上記範囲未満では効果が不十分であり、上記範囲を超えると、かえって密着性が低下するので好ましくない。また、クロム酸処理またはリン酸塩処理の下地として、金属板に錫、亜鉛、クロム等のめっきを施してあっても構わない。これら金属板の寸法は特に規定しないが、コイル状に巻くことのできる帯状の形状であれば、連続して大量の処理が可能であり、生産性や用途の面からも好ましい。
上記金属板に熱可塑性樹脂をラミネートする方法としては、金属板に熱可塑性樹脂を溶融した状態で接触させ、ロールで圧着する方法を用いることが好ましい。ここでラミネートするとは、具体的には、材料を貼り合わせて薄い層をつくるなど板(シートあるいはストリップ)状の基材上に異種の材料から成る層を形成する(積層する)ことを意味する。
この種のラミネート法としては、加熱溶融した熱可塑性樹脂をTダイより押出し、フィルム状の溶融樹脂を直接金属板上に積層する押出しラミネート法が一般的である。この方法を用いることにより、溶融状態で温度が高く、表面の活性が高い状態の樹脂を金属板に接触させることが可能である。
そのため、フィルム状の樹脂を金属板に重ねて加熱するフィルムラミネート法に比べ、押出しラミネート法によると良好な樹脂密着性を得ることが出来る。また、押出しラミネート法を用いることにより、後述する金属板に施す表面活性化処理の効果が倍増する。
押出しラミネート法で用いる押出し機は、単軸または多軸のもの、Tダイは、ストレートマニホールド型やテーパーマニホールド型などのそれぞれ各種公知のものを使用することができる。
図1は、共押出し法によって金属板上に2層の熱可塑性樹脂をラミネートして樹脂被覆鋼板を製造するための製造ラインの概略を一例として示したものであり、図中の符号1は表面活性化装置、2は上層を構成するための熱可塑性樹脂、3は下層を構成するための熱可塑性樹脂、4はTダイ、5はニップロール、6は冷却ロール、7はガイドロール、8は冷却ゾーン、9は金属帯、10は熱可塑性樹脂層、そして11は樹脂被覆鋼帯である。
樹脂を積層した金属板は、一対以上のニップロール−冷却ロール間を通過することにより、金属板に樹脂が確実に密着する。
ラミネート基材となる金属板には、熱可塑性樹脂と積層する直前に、表面活性化処理、好適には火炎処理および/またはプラズマ処理を施す。火炎処理はガスバーナー等の火炎放射装置によって、金属板の熱可塑性樹脂と接触する面に火炎を放射する。火炎の温度や放射の時間は金属板の材質などに応じて適宜設定すればよいが、通常は800〜3000℃の火炎を10秒以下放射するのが適当である。プラズマ処理は高電圧の電極間の放電により生じるプラズマを金属板の熱可塑性樹脂と接触する面に照射する。プラズマ処理は、例えば、金属板を挟んで上下に電極を設けてその間にプラズマを発生する方法か、あるいは、金属板の片側に電極を並べ、電極間を金属板に向かって流れるガスをプラズマ化する方法を用いて行なうことができる。このプラズマ処理は、一般にコロナ放電処理と呼ばれるものも含む。ここで、プラズマ処理とは、気体を励起して生成したプラズマを金属板の表面に接触させることをいう。本発明で利用するプラズマ処理は、例えば、金属板の片側に並べた電極間に、空気等の酸素を含むガスを流し、200〜1200Wの電力を印加してプラズマ化し、金属板に照射することによって行うのが好ましい。
これらの火炎処理やプラズマ処理により金属板表面、より厳密には金属板に形成した化成皮膜表面が活性化され、積層する熱可塑性樹脂との密着性が大きく向上する。ここで、化成皮膜表面が活性化されることによって、積層する熱可塑性樹脂との密着性が大きく向上する理由としては定かではないが、密着に寄与する極性基が化成皮膜表面に多量に生成するからであると推定される。
また、表面活性化処理は、金属板表面の油脂や水分を取り除く作用もあるので、金属板の塗油量によっては脱脂その他の前処理工程が不要となる。なお、火炎処理とプラズマ処理の両方を施す場合、どちらを先に施しても良い。
金属板に形成した化成皮膜に表面活性化処理を施した後、30秒以内に、熱可塑性樹脂を溶融させた状態で金属板の化成皮膜上に接触させて、金属板上に熱可塑性樹脂をラミネートする必要がある。30秒を超えると、表面活性化処理により活性化した金属板表面の劣化が大きくなり、十分な樹脂密着性が得られなくなる。なお、表面活性化処理として、火炎処理とプラズマ処理の両方を施す場合には、両方の処理を施し終えた後、30秒以内とする。
熱可塑性樹脂としては、押出し成形が可能であるものを用いることができ、用途等に応じて適宜選択することができる。例えば、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルなどであるが、中でもポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどが適している。ラミネートする熱可塑性樹脂層の膜厚は、0.1〜1000μmであることが好ましい。0.1μm未満だと、些細な傷によっても金属板が露出し、耐食性などの性能が損なわれるからであり、1000μm超えだと、ラミネート時における冷却ロールによる積層板の十分な冷却が困難となり、樹脂のロールへの巻き付きが発生する可能性が生じるからである。
熱可塑性樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、諸特性を改善するために各種成分を添加してもよい。また、熱可塑性樹脂を溶融押出しする際の樹脂温度は、樹脂の融点よりも50〜150℃程度高い温度であることが好ましい。
さらに、金属板に積層する熱可塑性樹脂は、単一層のみならず、複数層とすることも可能である。例えば、金属板と接する層(下層)の熱可塑性樹脂層として、接着性を有する樹脂を用いたり、また、上層の熱可塑性樹脂層として、大きな強度を有する樹脂を用いたりすることができる。なお、複数層の熱可塑性樹脂層をラミネートする手段としては、例えば、タンデム押出しラミネーター等を用いて一層ずつ押出して複数回ラミネートするタンデム押出しラミネート法と、多層Tダイを用いて複数層を一度にラミネートする共押出しラミネート法が挙げられ、いずれを用いてもよい。また、共押出し法には、フィードブロック法、マルチマニホールド法、デュアルスロット法などがあり、それぞれ溶融樹脂をダイの前、ダイの中、ダイから出た後で積層するが、いずれの方法も用いることができる。
ラミネート時における金属板の積層面温度は、接合する熱可塑性樹脂の融点−80℃〜融点+200℃程度であることが好ましい。前記積層面温度が前記樹脂の融点−80℃よりも低い場合には、密着性が不足するおそれがあり、融点+200℃よりも高い温度である場合には、冷却ロールによる積層板の冷却が不十分となり、樹脂がロールに巻き付くおそれがある。
本発明において、表面活性化処理として、火炎処理および/またはプラズマ処理を用いる場合には、火炎処理およびプラズマ処理により金属板に熱を加えることができるので、火炎処理またはプラズマ処理とラミネートを連続して行う場合は、この熱を接合に利用することができる。火炎処理および/またはプラズマ処理のみでは熱量が足りない場合は、火炎処理および/またはプラズマ処理の前および/または後に、金属板を適当な温度まで加熱する装置を設置して温度を調節するのが好ましい。また、火炎処理および/またはプラズマ処理により金属板の温度が上がりすぎる場合は、火炎処理および/またはプラズマ処理の前および/または後に金属板を適当な温度まで冷却する装置および/または空冷などの冷却する過程を設けるのが好ましい。
本発明では、熱可塑性樹脂層を金属板の片面または両面に施すことができる。金属板の両面にラミネートを施す場合は、片面ずつ、または両面同時に押出しラミネートする公知の方法を用いることができる。火炎処理および/またはプラズマ処理についても、片面ずつ別々に行っても良いし、両面同時に行っても良い。両面にラミネートを施す場合であっても、用途に応じて火炎処理および/またはプラズマ処理を片面のみに施しても良いし、あるいは、片面に火炎処理、もう一方の面にプラズマ処理を施しても良い。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
金属板として、厚さ0.2mm、幅300mmの冷間圧延鋼帯を用いた。この鋼帯の両面にクロム酸処理として電解クロム酸処理を施した。電解クロム酸処理は、同一ライン上で、表1に示す処理液組成および処理条件で処理を行なった後、表2に示す処理液組成および処理条件で処理を連続して行ない、化成皮膜(クロム付着量115mg/m2)を形成した。その後、化成皮膜の表面活性化処理を行なった。表面活性化処理としては、ガスバーナーにより、火炎温度1000℃、0.5秒の火炎処理を用い、この火炎処理を前記鋼帯の片面に施し、続いて赤外線ヒーターで鋼帯を260℃に加熱した後、単軸スクリューとTダイを備えた押出し機を用いて、融点が127℃の低密度ポリエチレンを鋼帯の片面に連続的に押出しラミネートした。押出しラミネート条件は、Tダイリップ幅400mm、リップ開度0.5mm、エアギャップ(Tダイ吐出口からラミネート部までの距離)80mm、樹脂吐出量10kg/h、ラインスピード6m/minであり、火炎処理からラミネートまでの時間は20秒である。鋼帯と樹脂の圧着には、一組の鋼製ロールであるニップロールおよび冷却ロールを用い、図1に示したのと同様に鋼帯が通過する前記鋼製ロール間に溶融樹脂を流下させることにより行なった。
Figure 2005246623
Figure 2005246623
金属板として、錫めっき鋼帯を用い、この鋼帯上(両面)にリン酸塩処理としてリン酸錫処理を施した厚さ0.2mm、幅300mmの鋼帯を用いた事以外は実施例1と同様の方法で樹脂被覆を行った。リン酸錫処理の処理液組成と処理条件を表3に示す。
Figure 2005246623
熱可塑性樹脂として、融点が160℃のポリプロピレンを用いた事以外は実施例1と同様の方法で樹脂被覆を行った。
熱可塑性樹脂として、融点が264℃のポリエチレンテレフタレートを用いた事以外は実施例1と同様の方法で樹脂被覆を行った。
ラミネート法として、単軸スクリュー2基と共押出し(フィードブロック法)用Tダイを備えた押出し機を用いて、鋼帯に接する樹脂が、融点107℃、変性量0.5質量%のマレイン酸変性ポリエチレン、もう一方の層が、融点127℃の低密度ポリエチレンである2層共押出しラミネートを行った事以外は実施例1と同様の方法で樹脂被覆を行った。2つの層はほぼ等しい厚さで形成し、2層合計の樹脂吐出量を10kg/hとした。
表面活性化処理としてプラズマ処理を用いた事以外は実施例1と同様の方法で樹脂被覆を行った。プラズマ処理は、大気圧プラズマ装置を用い、鋼帯の幅方向と平行に2つの電極を60mmの間隔で配置し、その間で鋼板に向かって空気を流し、電極に電圧を印加して空気をプラズマ化する方法により行った。この装置を鋼帯の幅方向に5組並べて配置し、鋼帯の全幅にわたって同時に処理を行った。プラズマ処理条件は、電力700W、照射距離5mmであり、プラズマ照射時間は0.5秒、プラズマ処理からラミネートまでの時間は20秒である。
表面活性化処理としてプラズマ処理を行った事以外は実施例2と同様の方法で樹脂被覆を行った。プラズマ処理の条件は実施例6と同様である。
表面活性化処理としてプラズマ処理を行った事以外は実施例3と同様の方法で樹脂被覆を行った。プラズマ処理の条件は実施例6と同様である。
表面活性化処理としてプラズマ処理を行った事以外は実施例4と同様の方法で樹脂被覆を行った。プラズマ処理の条件は実施例6と同様である。
表面活性化処理としてプラズマ処理を行った事以外は実施例5と同様の方法で樹脂被覆を行った。プラズマ処理の条件は実施例6と同様である。
表面活性化処理として、火炎処理の1秒後にプラズマ処理を行う手順を採用した事以外は実施例1と同様の方法で樹脂被覆を行った。プラズマ処理の条件は実施例6と同様であり、プラズマ処理からラミネートまでの時間は20秒である。
火炎処理の1秒後にプラズマ処理を行った事以外は実施例5と同様の方法で樹脂被覆を行った。プラズマ処理の条件は実施例6と同様であり、プラズマ処理からラミネートまでの時間は20秒である。
[比較例1]
表面活性化処理を行わない事以外は実施例1と同様の方法で樹脂被覆を行った。
[比較例2]
ラミネート法として、厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルム(融点127℃)を加熱した鋼板に積層し、ニップロール−冷却ロール間を通過させてフィルムラミネート法によりラミネートした事以外は実施例1と同様の方法で樹脂被覆を行った。
[比較例3]
表面活性化処理としてプラズマ処理を行った事以外は比較例2と同様の方法で樹脂被覆を行った。プラズマ処理の条件は実施例6と同様である。
[比較例4]
表面活性化処理として、火炎処理の1秒後にプラズマ処理を行う手順を採用した事以外は比較例2と同様の方法で樹脂被覆を行った。プラズマ処理の条件は実施例6と同様であり、プラズマ処理からラミネートまでの時間は20秒である。
[比較例5]
表面活性化処理を行わない事以外は比較例2と同様の方法で樹脂被覆を行った。
[比較例6]
表面活性化処理からラミネートまでの時間を60秒とした事以外は実施例1と同様の方法で樹脂被覆を行った。
[比較例7]
鋼帯として厚さ0.2mm、幅300mmの冷間圧延鋼帯を用い、クロム酸処理またはリン酸塩処理といったいずれの化成処理も施さない事以外は実施例11と同様の方法で樹脂被覆を行った。
(試験方法)
実施例および比較例の作製条件を表4にまとめて示す。
かくして得られた樹脂被覆鋼帯から50mm×50mmに切り出した試験片を作製し、エリクセン試験により密着性の評価を行った。以下にその手順を述べる。
各試験片のラミネート面に、中心線の両側2.5mmの距離に縦横各々2本の切り込みを入れる。この切り込みの形成には鋭利な刃物を使用し、樹脂層のみを切断するようにする。図2にこの試験片の模式図を示す。JIS B 7729で規定されるエリクセン試験機のポンチと試験片の中心を一致させ、ラミネート面が凸になるように6mm押出し加工を施す。試験片を室温で24時間放置し、目視によって樹脂の剥離が生じたかどうかを調べる。密着性の優劣は、以下に示す基準で5段階評価を行なう。
<密着性の評価基準>
1:凸加工部の全面にわたって剥離が認められる。
2:各切り込みに沿って剥離が認められる。
3:中心部付近の切り込みのみに沿って剥離が認められる。
4:切り込みの交差部のみでわずかに剥離が認められる。
5:全く剥離が認められない。
Figure 2005246623

Figure 2005246623
発明例および比較例について、樹脂膜厚(片面あたり)と密着性の評価結果を表5に示す。なお、膜厚は電磁誘導式膜厚計を用いて測定した。
本発明に従った実施例1〜12は、いずれも良好な密着性を示した。比較例1は表面活性化処理を施していないため、また、比較例2〜5は、いずれもフィルムラミネート法で製造しているため、さらに、比較例6は火炎処理の後、ラミネートまでの時間が60秒と長すぎるため、そして、比較例7は鋼板にクロム酸処理またはリン酸塩処理を施していないため、いずれも密着性が劣る。
Figure 2005246623
この発明によって、優れた密着性を有する樹脂被覆金属板を比較的安価に製造することができる。
共押出し法によって金属板上に2層の熱可塑性樹脂をラミネートして樹脂被覆鋼板を製造するための製造ラインの概略図である。 密着性試験に供する試験片を示した模式図である。
符号の説明
1 表面活性化装置
2 上層を構成するための熱可塑性樹脂
3 下層を構成するための熱可塑性樹脂
4 Tダイ
5 ニップロール
6 冷却ロール
7 ガイドロール
8 冷却ゾーン
9 金属帯
10 熱可塑性樹脂層
11 樹脂被覆鋼帯
12 ラミネート面
13 樹脂層のみを切断する切り込み

Claims (4)

  1. 金属板に溶融した熱可塑性樹脂を流下して接触させて、金属板上に少なくとも1層の熱可塑性樹脂層をラミネートする樹脂被覆金属板の製造方法において、
    金属板表面に、化成処理により化成皮膜を形成した後、前記化成皮膜に表面活性化処理を施し、その後、30秒以内に、前記熱可塑性樹脂を溶融させた状態で金属板の前記化成皮膜上に接触させて、金属板上に前記熱可塑性樹脂層をラミネートすることを特徴とする、樹脂密着性に優れた樹脂被覆金属板の製造方法。
  2. 前記表面活性化処理は、火炎処理および/またはプラズマ処理であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂密着性に優れた樹脂被覆金属板の製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂層は複数層で構成することを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂密着性に優れた樹脂被覆金属板の製造方法。
  4. 前記熱可塑性樹脂層は共押出し法によって形成することを特徴とする、請求項3に記載の樹脂密着性に優れた樹脂被覆金属板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011115711A (ja) * 2009-12-02 2011-06-16 Honda Motor Co Ltd 金属と樹脂の接合方法

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