JP2005245139A - ファンモータ - Google Patents

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Shoji Oiwa
昭二 大岩
Yasuo Matsuda
靖夫 松田
Osamu Sekiguchi
治 関口
Yuji Enomoto
裕治 榎本
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Japan Servo Corp
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Abstract

【課題】電子回路搭載したプリント配線基板を内蔵したインナーロータ形のブラシレスDCモータをファンモータとして使用する場合に,モータから生じる振動に起因する騒音を低減する。
【解決手段】ステータ厚みのほぼ2/3までを第2のケースの内周に隙間無く挿入し,ステータの羽根取付方向側にプリント配線基板を配置し,ステータ外径をガイドにして第1のケースを挿入し,羽根とモータからなるファンモータ重心位置とモータ取付部位置をほぼ一致させ,2個のケースの取付部を向かい合わせて密着させ,取付部にモータ軸方向に貫通した穴を設け,その穴を使用して緩衝部材を介して筐体に固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は特にファン等に使用されるブラシレスDCモータ(以下モータと称す)の振動・騒音抑制に関し,モータ出力軸先端に大きな羽根を有するモータの構造に関するものである。
このようなモータにおいて発生する振動としては,コギングトルクリップルや通電トルクリップルを主原因とする回転方向振動,またモータ軸方向にはマグネットとステータの磁気中心ずれによるスラスト方向振動,更に電磁加振力によるステータ径方向に発生する応力振動がある。また,騒音には直接モータから発生する騒音以外では,振動が起因する騒音に2通りの伝搬経路がある。第1の伝搬経路は前記振動がモータのロータを介して直接ファン羽根に伝搬し騒音となるものであり,第2の伝搬経路は前記の振動がモータ取付部から製品本体に伝わり、製品から不快な騒音を発生するものである。
この第2の伝搬経路によるモータの振動を防振するためには、モータ振動が比較的小さな位置である重心付近でモータを支持し、振動を吸収できる柔らかさで,ファンモータの重量と羽根による推進力に耐えうる固定方法の工夫が必要である。
ファンモータを筐体に固定する場合の取付位置は,エアコン熱交換器の貫流ファンの駆動用モータとして特開2002−330574の請求項3に開示され,ファンモータの軸方向荷重分布が不均一となり、軸方向のたわみによってモータ駆動時にファン振動が発生する防止策として,モータ部のほぼ重心位置で筐体に支持する方法を提案している。
また,電気掃除機に使用されるファンモータの支持方法について特開平5−84194に開示され,モータの振動が小さい重心付近を防振材にて支持することで騒音低減が図れることを提案している。
前記のような開示された技術から,従来の大形ファン用モータの構造を図2に示す。図において1はファン用の羽根,2は先端に羽根が取り付けられたモータ軸であり,2個の軸受け3により支持されている。15はモータ軸に固着されたロータマグネットであり,ステータコア4に装巻された巻線5との間に作用する電磁力によって回転するものである。また,電子部品を実装したプリント配線基板7は,ステータ4から延びる複数のクランプ6で固定されている。ステータ4は第1のケース13と第2のケース14により収納される。また,第1のケースから延びる取付部16と第2のケースから延びる取付部17を重ね合わせて,第1のケース取付部16と第2のケース取付部17を一致させて,その取付部に防振ゴム10を挟み込み,取付ネジ12により筐体支柱11に取付られている。
前記のモータ構造では取付部16と17はモータ単品ではほぼ重心に近い位置で取り付けられている。しかしながら,モータ軸2の先端に取付られた大きな羽根1を含めて考慮すると,重心の位置がずれ,最適位置とは言えない位置で取り付けていることになる。
これはモータ組立上の制約が多いためである。モータ部の組立手順は,巻線されたステータ4の軸方向長さのほぼ2/3を第1のケース13の内周に隙間無し締結である温嵌め,あるいは圧入を施し,クランプ6で電子部品の実装されたプリント配線基板7を取り付けし,巻線5の端末をプリント配線基板上で半田付けする。そして,ステータ4の軸方向長さ1/3部分に第2のケース14の内周を,微少隙間をもって挿入する。ここでステータ長2/3を第1のケース13に隙間無しで締結する理由は,2/3以下ではケースとステータの締結強度が確保できない,また2/3以上では重心のずれが大きくなり過ぎるためである。
また,ケースの製作の容易さから,第1と第2のケースの接合面である外周にモータ軸方向と直角にそれぞれ複数の取付部を設けているが,この取付位置を第1と第2のケースの接合面でない軸方向に配置することも考えられるが,溶接工程が必要になったり,強度不足の問題,カバーの製作コストがアップする等で実現性に問題がある。
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、モータの振動が増幅されず,羽根と筐体に伝わりにくく、騒音の小さいモータ構造を提供することを目的とする。
特開2002−330574号公報 特開平5−84194号公報
前記の従来のモータ構造は重心の位置を考慮した最適位置とは言えない位置で取り付けられ,モータと羽根の振動が増幅され,防振ゴムでは取りきれずに,取付板を介して筐体に伝搬され騒音の原因となっている。また,羽根自体の振動もモータ支持位置がずれていることにより大きくなり,直接的に騒音増加となっている。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、モータを固定位置と羽根を含めたモータ重心位置でモータを支持できるようなモータ構造を提供するものである。
巻線されたステータ4の軸方向長さのほぼ2/3を第2のケース14に隙間無し締結である温嵌め,あるいは圧入を施し,第1のケース13側となる方向にクランプ6で電子部品の実装されたプリント配線基板7を取り付けし,巻線5の端末をプリント配線基板上で半田付けする。そして,第1のケース13を微少隙間で挿入する。モータ部の重心を取付面に対して若干第2のケース方向にずらし,モータ軸に羽根を取り付けた状態で全体の重心を取付面に一致させる構造とする。
本発明になるモータ構造を使用したファンモータでは,ステータとケースの締結強度が十分に確保可能であり,モータ軸に羽根を取り付けた状態で全体の重心が取付面位置に一致させることが可能となり,ロータを介してファン羽根に伝搬されるモータの電磁振動を低減でき,羽根から生じる騒音を低減すると同時に,モータ取付部から製品筐体に伝わる振動成分も低減され、不快な騒音の発生を抑制することができる。
ファンの羽根が固定されるモータ軸先端側に軸受け保持部を有する円筒状の第1のケース内周と,モータ軸終端側には軸受け保持部を有する円筒状の第2のケース内周とで,複数のスロットに巻線が装巻されたステータをモータ軸方向に挟んで保持し,第1と第2のケースの接合面である外周にモータ軸方向と直角にそれぞれ複数の取付部を設け, モータ軸先端方向となるステータ側にプリント配線基板を配置し,ステータ厚みのほぼ2/3までを第2のケースの内周に隙間無く挿入し,ステータ厚みのほぼ1/3の外径をガイドにして第1のケースを挿入し,前記羽根とモータからなるファンモータ重心位置とモータ取付部位置をほぼ一致させ,取付部にはモータ軸方向に貫通した穴を設け,該穴に緩衝部材を取り付け,該緩衝部材を介して筐体に固定する。
図1は本発明の実施例を示すもので,1はファン用の羽根,2は先端に羽根が取り付けられたモータ軸であり,2個の軸受け3により支持されている。15はモータ軸に固着されたロータマグネットであり,ステータコア4に装巻された巻線5との間に作用する電磁力によって回転するものである。また,電子部品を実装したプリント配線基板7は,ステータ4から延びる複数のクランプ6で固定されている。ステータ4は第1のケース13と第2のケース14により収納される。また,第1のケースから延びる取付部16と第2のケースから延びる取付部17を密着させ重ね合わせて,取付部にはモータ軸方向に貫通した穴を設け,その穴に緩衝部材となる防振ゴム10を挟み込み,取付ネジ12により筐体支柱11に取付られている。
モータ部の組立手順は,巻線されたステータ4の軸方向長さのほぼ2/3を第2のケース14に隙間無し締結である温嵌め,あるいは圧入を施し,ステータの羽根側にプリント配線基板を配置しクランプ6で電子部品の実装されたプリント配線基板7を取り付けし,巻線5の端末をプリント配線基板上で半田付けする。そして,第1のケース13を微少隙間をもってステータ外径をガイドにして挿入する。ステータ長2/3を隙間無く第2のケース14に締結されているため,締結面積が十分に確保でき,ステータとケースの締結強度が十分に確保可能であり,モータ軸に羽根を取り付けた状態でファンモータ全体の重心が取付面位置に一致させることが可能となり,ロータマグネットを介してファン羽根に伝搬されるモータの電磁振動を低減でき,羽根から生じる騒音を低減すると同時に,モータ取付部から製品筐体に伝わる振動成分も低減され、不快な騒音の発生を抑制することができる。
本発明によれば、電子回路と搭載したプリント配線基板をファンモータに内蔵し,モータ軸に羽根を取り付けた状態でファンモータ全体の重心が取付面位置に一致させることが可能となり,ロータマグネットを介してファン羽根に伝搬されるモータの電磁振動を低減でき,羽根から生じる騒音を低減すると同時に,モータ取付部から製品筐体に伝わる振動成分も低減され、不快な騒音の発生を抑制することができ,あらゆるインナーロータ形のブラシレスDCモータから成るファンモータに適用することができる。
本発明のモータの断面図である。 従来のファンモータの断面図である。
符号の説明
1:羽根
2:モータ軸
3:軸受け
4:ステータコア
5:巻線
6:クランプ
7:プリント配線基板
10:防振ゴム
11:筐体支柱
12:取付ネジ
13:第1のケース
14:第2のケース
15:ロータマグネット
16:取付部
17:取付部

Claims (1)

  1. 外周に多極着磁されたリング状のマグネットの中央部にモータ軸が固定され,モータ軸を支える軸受け部と,前記マグネット外周と空隙を介して,複数のスロットに巻線が装巻されたステータと,該ステータの軸方向端面には電子回路が搭載されたプリント配線基板を具備し,モータ軸先端にファン用の羽根を保持し,モータ軸先端側に軸受け保持部を有する円筒状の第1のケース内周と,モータ軸終端側に軸受け保持部を有する円筒状の第2のケース内周とで前記ステータをモータ軸方向に挟んで保持し,第1と第2のケースの接合面である外周にモータ軸方向と直角にそれぞれ複数の取付部を設け,且つ2個のケースの取付部を向かい合わせて密着させ,取付部にはモータ軸方向に貫通した穴を設け,該穴に緩衝部材を取り付け,該緩衝部材を介して筐体に固定するインナーロータ形ブラシレスDCモータにおいて,モータ軸先端方向となるステータ側にプリント配線基板を配置し,ステータ厚みのほぼ2/3までを第2のケースの内周に隙間無く挿入し,残りのステータ厚みのほぼ1/3を第1のケース内周に微少隙間を保って挿入しステータを被い,前記羽根とモータからなるファンモータ重心位置を前記モータ取付部位置とほぼ一致させたことを特徴とするファンモータ。
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