JP2005244105A - 電子線鏡筒装置及び電子線露光装置 - Google Patents

電子線鏡筒装置及び電子線露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子ビームを走査する最大偏向領域の大きさを維持しつつ、電子ビームの飛程を短縮して露光パターンの分解能を向上することが可能な、電子線鏡筒装置を提供する。
【解決手段】 電子線鏡筒装置10を、電子線源14から生じた電子ビーム15をそのビーム光軸19を平行に保ったまま偏向する1対の主偏向器21及び22の間に、電子ビーム15がマスク30に所定入射角度で入射するように電子ビーム15を偏向する副偏向器51及び52を配置して構成する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、半導体集積回路などの製造工程で使用される微細パターンを露光する電子線露光装置とその電子線鏡筒装置に関し、特に露光パターンに対応する開口を有するマスクを半導体ウエハなどの試料の表面に近接して配置し、マスクに電子ビームを照射して開口を通過した電子ビームで露光を行う電子線近接露光装置とその電子線鏡筒装置に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化のニーズに伴い、回路パターンの一層の微細化が要望されている。現在、微細化の限界を規定しているのは主として露光装置であり、電子ビーム直接描画装置やX線露光装置などの新しい方式の露光装置が開発されている。
最近では新しい方式の露光装置として、量産レベルで超微細加工用に使用可能な電子線近接露光装置が開示されている(例えば特許文献1、およびこれに対応する日本国特許出願の特許文献2)。
図1は、特許文献1に開示された電子線近接露光装置の基本構成を示す図である。この図を参照して、電子線近接露光装置について簡単に説明する。図示するように、電子線鏡筒(カラム)10内には、電子ビーム15を発生する電子線源14と整形アパチャ18と電子ビーム15を平行ビームにする照射レンズ16とを有する電子銃12、対となる主偏向器21、22と、対となる副偏向器51、52とを含み、電子ビーム15を光軸19に平行に走査する走査手段13、露光するパターンに対応する開口を有するマスク30、および静電チャック44とXYステージ46とから構成される。試料(半導体ウエハ)40は、表面にレジスト層42が形成され、静電チャック44上に保持されている。
マスク30は、厚い外縁部34の中央部に、開口が形成された薄膜部32を有しており、試料40は表面がマスク30に近接するように配置される。この状態で、マスクに垂直に電子ビーム15を照射すると、マスクの開口を通過した電子ビーム15が試料40の表面のレジスト層42に照射される。
電子ビーム15は、1対の偏向器である主偏向器21及び22により、マスク30の薄膜部32上の全面を走査するように偏向制御される。図2に示すように電子ビーム15が薄膜部32上を全面走査することよりマスク30のマスクパターンが試料40上のレジスト層42に等倍転写される。
主偏向器21及び22には、露光可能なマスクパターンの最大サイズに応じて電子ビーム15を走査可能な最大偏向領域36に応じて設計されている。すなわち、主偏向器21及び22には、このような所定の偏向領域36内において電子ビーム15を偏向して電子ビーム15をマスク30面上に照射することが可能である。
図3は、走査手段13の動作説明図である。主偏向器21及び22は、電子ビーム15のビーム光軸を平行に保ったまま、電子ビーム15をマスク30上の偏向領域36内の各偏向位置71A及び71Cに偏向する。
なお、電子ビーム位置71Bは主偏向器21及び22により偏向制御されないときの電子ビーム15の位置を示すこととする。図示するとおり、電子ビーム15は各偏向位置71A及び71Cに照射するため、主偏向器21及び22によって参照番号15A’及び15C’の点線に示すように偏向される。
すなわち、電子ビーム15は、偏向位置71A及び位置71Bとの距離、並びに主偏向器21及び22間の距離に応じて、主偏向器21によって各偏向角βAで偏向され、偏向位置71Cと位置71Bとのそれぞれの距離、並びに主偏向器21及び22間の距離に応じて、主偏向器21によって各偏向角βCにそれぞれ偏向される。そして、主偏向器22によって同じ角度だけそれぞれ戻される。これにより電子ビーム15は、参照記号15A’、15C’に示すようにそのビーム光軸を電子ビーム15B’と平行に保ったまま、偏向領域36内の各偏向位置に偏向制御される。
また、走査手段13中の副偏向器51、52は、マスク歪みを補正するように電子ビーム15のマスクパターンへの入射角度を制御(傾き制御)する。このように傾き制御された電子ビーム15の軌道の様子を参照番号15A〜15Cの実線に示す。
いま、図3に示すように位置71A〜71Cに偏向された電子ビーム15の、露光用マスク30への入射角度をそれぞれαA〜αC、露光用マスク30とウエハ40(やレジスト層表面42)とのギャップをGとすると、入射角度αAによるマスクパターンの転写位置のずれ量DA〜DCはそれぞれ、
DA=G・tanαA
DB=G・tanαB
DC=G・tanαC
で表される。図3上ではマスクパターンが正規の位置からずれ量DA〜DCだけずれた位置に転写される。
したがって、露光用のマスク30に、例えば図4(A)に示されるようなマスク歪みがある場合には、電子ビーム走査位置におけるマスク歪みに応じて、電子ビームの傾き制御を行うことにより、図4(B)に示されるようにマスク歪みのない状態でのマスクパターンを転写することが可能となる。
XYステージ46は、静電チャック44に吸着された試料40を水平の直交2軸方向に移動させるもので、マスクパターンの等倍転写が終了するたびに試料40を所定量移動させ、これにより1枚の試料40に複数のマスクパターンを転写できるようにしている。
米国特許第5,831,272号明細書(全体) 日本特許第2951947号公報(全体)
しかし、上記の電子線近接露光装置を含む電子線装置では、電子ビーム15内の電子が互いに反発して拡散するいわゆるクーロン効果が働き、このクーロン効果により露光パターンの分解能に劣化をもたらされる。したがって、電子線装置では電子ビーム15の飛程が短くなるように設計することが望ましい。
一方で、上述の電子線近接露光装置において、電子ビーム15の飛程の短縮化のために主偏向器21及び22間の距離を短縮すると、電子ビーム15を走査可能な最大偏向領域である偏向領域36を確保するために主偏向器21及び22による偏向角(βA、βC)を拡大する必要がある。しかし主偏向器21及び22による偏向角を拡大すると電子ビーム15に生じる偏向収差の増大を招き、この場合も露光パターンの分解能に劣化をもたらす。
上記問題点を鑑みて、本発明は、電子ビームを走査する最大偏向領域の大きさを維持しつつ、電子ビームの飛程を短縮して露光パターンの分解能を向上することが可能な、電子線鏡筒装置を提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、電子線源から生じた電子ビームをそのビーム光軸を平行に保ったまま偏向する1対の主偏向器の間に、電子ビームがマスクに所定入射角度で入射するように電子ビームを偏向する副偏向器を配置して電子線鏡筒装置を構成する。
すなわち、本発明の第1形態に係る電子線鏡筒装置は、電子ビームを発生する電子ビーム源と、試料表面に露光するパターンに応じたマスクパターンを備えるマスクとを備え、電子ビームをマスク上の所定の偏向領域内の各偏向位置に所定の入射角度で入射させ、マスクを通過した電子ビームで、試料表面にマスクパターンを露光する電子線露光装置に使用される電子線鏡筒装置であって、電子ビームをそのビーム光軸を平行に保ったまま各偏向位置に偏向する、1対の偏向器である第1主偏向器および第2主偏向器を有する主偏向手段と、電子ビームがマスクに所定の入射角度で入射するように電子ビームを偏向する1対の偏向器である第1副偏向器および第2副偏向器を有する副偏向手段と、を備え、副偏向手段を、電子ビームの光軸方向に関して第1主偏向器と第2主偏向器との間に設けて構成される。
前記偏向器は、電子ビーム光軸上に静電場を生じて、静電力により電子ビームに偏向力を加える電極(静電偏向器)により構成してよく、電子ビーム光軸上に磁場を生じて、磁力により電子ビームに偏向力を加えるコイルにより構成してよい。またこれらを組み合わせて構成してもよい。
前記電子線鏡筒装置は、副偏向手段を制御して前記の所定の偏向領域を拡大縮小するよう可変できることとしてよく、主偏向手段を制御して電子ビームのマスクへの入射角度を変化できることとしてよい。
さらに本発明では、電子ビームをそのビーム光軸を平行に保ったまま各偏向位置に偏向する偏向制御と、電子ビームがマスクに所定の入射角度で入射するように電子ビームを偏向する偏向制御とを、1対の偏向手段によって行うこととしてもよい。
すなわち、本発明の第2形態に係る電子線鏡筒装置は、電子ビームを発生する電子ビーム源と、試料表面に露光するパターンに応じたマスクパターンを備えるマスクとを備え、電子ビームをマスク上の所定の偏向領域内の各偏向位置に所定の入射角度で入射させ、マスクを通過した電子ビームで、試料表面に前記マスクパターンを露光する電子線露光装置に使用される電子線鏡筒装置であって、電子ビームを偏向する第1偏向手段および第2偏向手段と、第1偏向手段及び第2偏向手段により前記電子ビームをそのビーム光軸を平行に保ったまま各偏向位置に偏向制御するための主偏向信号を生成する主偏向信号生成手段と、第1偏向手段及び第2偏向手段により前記マスクに所定入射角度で入射するように前記電子ビームを偏向制御するための副偏向信号を生成する副偏向信号生成手段と、を備えて、これら主偏向信号及び副偏向信号を第1偏向手段及び第2偏向手段の各々に供給する。
電子ビームをそのビーム光軸を平行に保ったまま各偏向位置に偏向する偏向制御と、電子ビームがマスクに所定入射角度で入射するように電子ビームを偏向する偏向制御とを、各々行う1対の偏向手段の各偏向手段は、単一の偏向器により実現してよい。
このように偏向手段を構成する場合は、電子線鏡筒装置に、前記主偏向信号と前記副偏向信号とを重畳して、前記1対の偏向手段の各偏向手段に各々供給する信号重畳手段を設ける。
また、電子ビームをそのビーム光軸を平行に保ったまま各偏向位置に偏向する偏向制御と、電子ビームがマスクに所定入射角度で入射するように電子ビームを偏向する偏向制御とを行う1対の偏向手段である第1偏向手段及び第2偏向手段は、専ら電子ビームをそのビーム光軸を平行に保ったまま各偏向位置に偏向するための主偏向用偏向器と、専ら電子ビームがマスクに所定入射角度で入射するように電子ビームを偏向するための副偏向用偏向器と、からなる複数の偏向器により構成される偏向器群の対である、第1及び第2の偏向器群によりそれぞれ実現することとしてよい。
偏向器群により各偏向手段を構成する場合は、各偏向器群において、主偏向用偏向器及び副偏向用偏向器により生じる電場又は磁場を、電子ビーム光軸上の同じ位置で重ね合わせることにより、上述の単一の偏向器により各偏向手段を構成する場合と同様の効果を得ることが可能となる。
したがって、第1偏向器群に設けられる1つ以上の主偏向器と1つ以上の副偏向器は、電子ビームのビーム光軸方向に沿って交互に配置され、第2偏向器群に設けられる1つ以上の主偏向器と1つ以上の副偏向器は、電子ビームのビーム光軸方向に沿って交互に配置されることが好適である。
さらに、本発明の第3形態に係る電子線露光装置は、上記本発明の第1形態及び第2形態に係る電子線光学鏡筒装置を備える。
主偏向手段を構成する各主偏向器の間に副偏向手段を配置することにより、各主偏向器間の距離を短縮することなく、偏向領域の大きさを維持しつつ電子線源からマスクまでの距離を短縮することが可能となる。したがって、主偏向手段による偏向角を大きくすることなく、偏向領域の大きさを維持しつつ電子ビームの飛程を短縮することが可能となり、露光パターンの分解能を向上することが可能となる。
副偏向手段を制御して偏向領域を拡大縮小するよう可変することにより、主偏向手段だけでは所望の偏向領域を実現することが困難な場合に、偏向領域を拡大して所望の偏向領域を実現することが可能となる。
主偏向手段を制御して電子ビームのマスクへの入射角度を変化することにより、副偏向手段だけでは所望の入射角度変化幅を実現することが困難な場合に、主偏向手段を制御して入射角度変化幅を拡大して所望の入射角度変化幅を実現することが可能となる。また、副偏向手段によって調整された入射角度を主偏向手段によってより詳細に調整することも可能となる。
また、電子ビームをそのビーム光軸を平行に保ったまま各偏向位置に偏向する偏向制御と、電子ビームがマスクに所定入射角度で入射するように電子ビームを偏向する偏向制御を、1対の偏向手段により行うことによって、偏向器による偏向角を大きくすることなく、偏向領域の大きさを維持しつつ電子ビームの飛程を短縮することが可能となる。
また、1対の偏向手段の各偏向手段を、主偏向用偏向器及び副偏向用偏向器からなる複数の偏向器からなる偏向器群の対である第1偏向器群及び第2偏向器群で実現する場合に、第1偏向器群に設けられる主偏向器と副偏向器とを電子ビーム光軸方向に沿って交互に配置し、第2偏向器群に設けられる主偏向器と副偏向器とを電子ビーム光軸方向に沿って交互に配置して構成し、各偏向器群内の主偏向用偏向器及び副偏向用偏向器からそれぞれ生じる電場又は磁場を重ね合わされて発生することにより、各偏向器群内において、主偏向用偏向器によって電子ビーム15に偏向力が加えられる位置と、副偏向用偏向器によって偏向力が加えられる位置との光軸方向の位置ずれを防止することが可能となる。これにより、単一の偏向器によって1対の偏向手段の各偏向手段を構成する場合と同様の効果を奏することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図5は、本発明の第1実施例に係る電子線光学鏡筒装置とこれを備える電子線近接露光装置の構成図である。電子線光学鏡筒装置及び電子線近接露光装置の基本構成は、図1に示した構成及び上記の文献1に開示された構成に類似した構成を有している。よって、図1と同一の機能部分には同一の参照番号を付して表し、詳しい説明は省略する。
電子線鏡筒装置(カラム)10は、電子ビーム15を発生する電子ビーム源14と整形アパチャ18と電子ビーム15を平行ビームにする照射レンズ16とを有する電子銃12、対となる第1主偏向器21および第2主偏向器22からなる主偏向手段と、対となる第1副偏向器51および第2副偏向器52からなる副偏向手段とを含み、電子ビーム15を光軸に平行に走査するように前記電子ビーム15を偏向する偏向手段走査手段とを備える。
この電子線鏡筒装置10に加えて、電子線近接露光装置は、露光するパターンに対応する開口を有するマスク30、静電チャック44とXYステージ46とから構成される。試料(半導体ウエハ)40は、表面にレジスト層42が形成され、静電チャック44上に保持されている。
そして静電チャック44に吸着された試料40の表面に近接するように(マスク30と試料40とのギャップが、例えば、50μmとなるように)配置される。
電子線鏡筒装置10は、電子ビーム15をマスク30の薄膜部32上で走査するように偏向制御し、マスク30のマスクパターンが試料40上のレジスト層42に等倍転写する。前段の主偏向器である第1主偏向器21および後段の主偏向器である第2主偏向器22は、電子ビーム15をそのビーム光軸を平行に保ったまま、マスク30上の前記各偏向位置に偏向する1対の偏向器である。
電子ビーム15を、第1主偏向器21及び第2主偏向器22によってマスク平面上で走査可能な領域(偏向領域)は予め定められており、この偏向領域は露光可能なマスクパターンの最大サイズに応じて設計される。
第1主偏向器21は、この所定の偏向領域に応じた範囲の偏向角βMで電子ビーム15を偏向可能であり、第2主偏向器22は、第1主偏向器21によって偏向領域の各偏向位置に偏向された電子ビーム15のビーム光軸がそれぞれ平行となるように、第1主偏向器21による偏向角に応じて電子ビーム15を偏向制御する。
また、電子線鏡筒装置10は、電子ビーム15のマスクパターンへの入射角度を制御(傾き制御)してマスク30の歪みを補正する。前段の副偏向器である第1副偏向器51および後段の副偏向器である第2副偏向器52は、マスク30に所定の入射角度で入射するように電子ビーム15を偏向する1対の偏向器である。
図示するとおり、電子線鏡筒装置10では、第1副偏向器51および第2副偏向器52からなる副偏向手段が、電子ビーム15の光軸方向に関して第1主偏向器21と第2主偏向器22との間に設けられる。
電子線鏡筒装置10及び電子線近接露光装置の制御は計算機91により行われる。計算機91は、走査中の電子ビームの偏向位置を逐次計算して、計算された偏向位置をデータバス93を経由して主偏向信号生成部60に供給する。
主偏向信号生成部60は、供給される電子ビームの偏向位置情報に基づき、第1主偏向器21および第2主偏向器22によって電子ビーム15をそのビーム光軸を平行に保ったまま前記偏向位置に偏向制御するための主偏向信号を生成して、第1主偏向器21および第2主偏向器22に供給する。第1主偏向器21および第2主偏向器22は、供給される主偏向信号に基づき電子ビーム15を偏向制御する。
さらに、計算機91は、走査中の電子ビームの偏向位置におけるマスク30のマスク歪みを記憶部92から抽出し、このマスク歪みを補正するためのマスク30への電子ビーム15の入射角度を逐次計算する。そして計算された入射角度をデータバス93を経由して副偏向信号生成部61に供給する。
副偏向信号生成部61は、供給される電子ビームの入射角度情報に基づき、第1副偏向器51および第2主偏向器52によって、マスク30に前記入射角度で入射するように電子ビーム15を偏向制御するための副偏向信号を生成し、第1副偏向器51および第2主偏向器52に供給する。第1副偏向器51および第2主偏向器22は、供給される副偏向信号に基づき電子ビーム15を偏向制御する。
図6は、図5に示す構成の電子線鏡筒装置10の電子ビーム走査手段の機能説明図である。以下の説明において、電子ビーム15をそのビーム光軸を平行に保ったまま各偏向位置に偏向制御することを主偏向制御と呼び、マスク30への入射角度を制御する偏向制御のことを副偏向制御と呼ぶこととする。
いま、マスク30上の各位置71A、71B及び71Cに、それぞれ入射角αA、αB及びαCで電子ビーム15を照射するように偏向することを考える。ここで位置71Bは、第1主偏向器21および第2主偏向器22による主偏向制御が行われていない位置であり、理想的には電子線近接露光装置10の電子銃12の中心線軸19上に位置する。
また、図6において、各位置71A、71B及び71Cに主偏向制御され、それぞれ入射角度αA、αB及びαCに副偏向制御された電子ビーム15を、それぞれ実線15A、15B及び15Cにより示す。
またそれぞれ各位置71A、71B及び71Cに主偏向制御されたが副偏向制御されていない電子ビーム15を、それぞれ点線15A’、15B’及び15C’により示す。
なお、以下の説明では簡単のため、主偏向制御と副偏向制御とがマスク平面上の同一方向線上で行われる場合を例示して説明を行うが、当業者には、主偏向と副偏向とがマスク平面上の異なる方向線上で行われる場合に本説明を敷延して、本発明を実施することは容易であろう。
主偏向信号生成部60は、計算機91から電子ビーム15の位置情報71A〜71Cを供給され、偏向位置71A、71C及び主偏向制御されないときの電子ビーム15の位置71Bの間の各距離dA及びdCと、第1主偏向器21および第2主偏向器22間の距離とに基づき、偏向角βA及びβCを算出する。
そして、第1主偏向器21は、主偏向信号生成部60により算出される偏向角βA及びβCで電子ビーム15を偏向し、第2主偏向器22は、偏向角βA及びβCで電子ビーム15を逆方向に偏向する。これにより電子ビーム15は、点線15A’、15B’及び15C’に示すようにそのビーム光軸を平行に保ったまま各偏向位置71A及び71Cに偏向制御される。
副偏向信号生成部61は、計算機91から供給される、電子ビーム15の位置情報71A〜71C、並びに各位置における電子ビーム15の入射角度αA、αB及びαCに基づき、第1副偏向器51による偏向角γA、γB及びγC、並びに第2副偏向器52による偏向角δA、δB及びδCを計算する。
すなわち、副偏向信号生成部61は、各偏向位置71A〜71C、入射角度αA〜αC、及び第2主偏向器22とマスク30間の距離に基づいて(これらの値は既知である)、第2主偏向器22に入射した際の、電子銃12の中心線軸19に垂直な面上における電子ビーム位置72A〜72Cを計算する。
さらに、副偏向信号生成部61は、電子ビーム位置72A〜72C、第2主偏向器22による偏向角βA〜βC、及び第2主偏向器22と第2副偏向器52との距離に基づいて(これらの値は既知である)、第2副偏向器52に入射した際の、電子銃12の中心線軸19に垂直な面上における電子ビーム位置73A〜73Cを計算する。
一方、副偏向信号生成部61は、第1主偏向器21による偏向角βA〜βC、及び第1主偏向器21と第1副偏向器51との距離に基づいて(これらの値は既知である)、第1副偏向器51に入射した際の、電子銃12の中心線軸19に垂直な面上における電子ビーム位置74A〜74Cを計算する。
そして、副偏向信号生成部61は、電子ビーム位置73A〜73C、電子ビーム位置74A〜74C並びに、第1副偏向器52及び第2副偏向器52との距離に基づいて(これらの値は既知である)、第1副偏向器51により電子ビーム15に与えるべき偏向角γA〜γCを計算する。そして、第1副偏向器51による偏向角γA〜γCと、偏向角βA〜βC及び入射角αA〜αCに基づき、第2副偏向器52による偏向角δA〜δCを算出する。または、電子ビーム位置72A〜72C、73A〜73C、及び74A〜74Cに基づき、第2副偏向器52による偏向角δA〜δCを算出する。
以上により、副偏向信号生成部61は、第2副偏向器52を制御して、第2主偏向器22によって偏向される電子ビーム15がマスク30に入射角度αA〜αCで入射するように電子ビーム15を偏向することが可能となる。
また、副偏向信号生成部61は、第1副偏向器51を制御して、第2副偏向器52及び第2主偏向器22によって偏向される電子ビーム15がマスク30の偏向位置71A〜71Cに入射するように電子ビーム15を偏向することが可能となる。
上記の各偏向器は、電子ビーム光軸上に静電場を生じて、静電力により電子ビームに偏向力を加える電極(静電偏向器)により構成してよく、電子ビーム光軸上に磁場を生じて、磁力により電子ビームに偏向力を加えるコイルにより構成してよい。またこれらを組み合わせて構成してもよい。
また、電子線鏡筒装置10の電子ビーム15の偏向制御の原理は、上記説明した通りであるが、実際の偏向制御では、第1主偏向器21、第2主偏向器22、第1副偏向器51及び第2副偏向器52に加える偏向角の指令値と、各偏向器による電子ビーム15の偏向角との間には誤差が生じる。例えば、主偏向制御の偏向角の大きさ(すなわち偏向位置)の変化に応じて、副偏向器51及び52に加える指令値と実際に電子ビームに生じる偏向角との関係が変化する。
したがって、電子ビーム15を照射するマスク30上の各偏向位置と、この各偏向位置に照射する際の電子ビーム15のマスクへの各入射角度とについて、各偏向位置および各入射角度毎に、主偏向制御及び副偏向制御を行うのに好適な、第1主偏向器21、第2主偏向器22、第1副偏向器51及び第2副偏向器52の制御量の各指令値を測定しておき、電子線鏡筒装置10や電子線近接露光装置の記憶部92に予め記憶しておくことが好適である。
そして主偏向信号生成部60は主偏向信号を生成する際に、計算機91により供給される偏向位置情報及び入射角度情報に対応して、予め記憶部92に記憶された第1主偏向器21及び第2主偏向器22の制御量の各指令値を読み出して、これら各偏向器にそれぞれ供給することが好適である。同様に、副偏向信号生成部61は副偏向信号を生成する際に、計算機91により供給される偏向位置情報及び入射角度情報に対応して、予め記憶部92に記憶された第1副偏向器51及び第2副偏向器52の制御量の各指令値を読み出して、これら各偏向器にそれぞれ供給することが好適である。
電子ビームの偏向領域のサイズは、副偏向手段(51及び52)を使用することにより、主偏向手段(21及び22)のみで実現可能なサイズよりも拡大(又は縮小)することが可能である。電子線鏡筒装置10は、副偏向手段(51及び52)を制御して前記の所定の偏向領域を拡大(又は縮小)するよう可変できることとしてもよい。
すなわち、電子線鏡筒装置10は、主偏向手段(21及び22)による主偏向制御に併せて、第1副偏向器51及び第2副偏向器52によっても主偏向制御を補助的に行うことにより、電子ビーム15の偏向領域を、主偏向手段(21及び22)だけで実現する偏向領域に比べて拡大(又は縮小)する。
このために電子線鏡筒装置10は、第1副偏向器51及び第2副偏向器52による主偏向制御のために第1副偏向器51及び第2副偏向器52に供給するべき主偏向補助信号を生成する主偏向補助信号生成部63を備える。
主偏向信号生成部60は、計算機91から供給される電子ビーム15の偏向位置情報に基づき決定される必要な主偏向量を、主偏向手段(21及び22)により偏向すべき主偏向量と副偏向手段(51及び52)より偏向すべき主偏向量とに分離する。そして主偏向手段(21及び22)により偏向すべき主偏向量に対応する偏向制御信号を主偏向信号として主偏向手段(21及び22)に供給するとともに、副偏向手段(51及び52)により偏向すべき主偏向量を主偏向補助信号生成部63に供給する。
主偏向補助信号生成部63は、主偏向信号生成部60から供給される制御量情報に基づき、副偏向手段より行うべき主偏向制御の偏向量に応じた主偏向補助信号を生成する。
そして、副偏向信号生成部61による副偏向信号と、主偏向補助信号生成部63による主偏向補助信号とは、重畳手段65によって重畳されて第1副偏向器51及び第2副偏向器52に供給される。
図7は、主偏向手段の主偏向制御を副偏向手段によって補助する場合の電子ビーム走査手段の機能説明図である。図7において、実線15A〜15Cは、主偏向手段による主偏向制御並びに副偏向手段よる主偏向制御及び副偏向制御が行われた電子ビーム15の軌道を示し、点線15A’〜15C’は、主偏向手段による主偏向制御だけが行われた電子ビーム15の軌道を示し、3点鎖線15A”〜15C”は、主偏向手段による主偏向制御及び副偏向手段よる主偏向制御だけが行われた電子ビーム15の軌道を示す。
図示するとおり、主偏向手段21及び22のみで主偏向制御を行う場合、その偏向領域の幅は、主偏向手段21及び22の制御だけが行われた電子ビーム15A’及び15C’のマスク30上位置である71A’及び71C’の間の距離WD’となる。
偏向領域幅WD’は、例えば、主偏向器の後段22の偏向角度を偏向領域の外側にΔβだけずらす(即ち後段22の偏向角度βAをΔβだけ減じる)ことによって拡大することも可能であるが、このように後段22の偏向角度が前段21の偏向角度と異なると、電子ビーム15A”の光軸が15A’の光軸と平行にならなくなる。
そこで、偏向領域を拡大するときには、電子ビーム15の軌道15A”に示すように、主偏向器後段22の偏向角度を前段21の偏向角度βAよりもΔβだけ減じ、第1副偏向器51による偏向角を偏向領域の外側に向けてΔβに対応して定まるεA分だけ増加させることにより、電子ビーム15の光軸を平行に保ったままマスク30へ電子ビームを偏向することが可能となる。
これにより、偏向領域幅WDを、主偏向手段(21及び22)のみによる偏向領域幅WD’よりも増加することが可能となる。
なお、第1副偏向器51による偏向角を偏向領域の外側に向けて増加させ、第2副偏向器52による偏向角をその反対方向に同じ角度だけ増加することによっても、偏向領域幅を拡大することができる。
同様に、主偏向器後段22の偏向角度を前段21の偏向角度βAよりもΔβだけ増し、第1副偏向器51による偏向角を偏向領域の内側に向けてΔβに対応して定まるεA分だけ増加させることにより、電子ビーム15の光軸を平行に保ったままマスク30へ電子ビームを偏向領域を縮小することが可能となる。
第1副偏向器51による偏向角を偏向領域の内側に向けて増加させ、第2副偏向器52による偏向角をその反対方向に同じ角度だけ増加させることにより、偏向領域幅を、主偏向手段(21及び22)のみによる偏向領域幅よりも減少することができる。
電子線鏡筒装置10は、主偏向手段(21及び22)を制御して、電子ビームのマスクへの入射角度を変化できることとしてよい。すなわち、電子線鏡筒装置10は、副偏向手段(51及び52)による副偏向制御に併せて、第1主偏向器21及び第2主偏向器22によっても副偏向制御を行うことにより、電子ビーム15の入射角度変化幅を、副偏向手段(51及び52)だけで実現する入射角度変化幅に比べて拡大(又は縮小)する。
このために電子線鏡筒装置10は、第1主偏向器21及び第2主偏向器22による副偏向制御のために第1主偏向器21及び第2主偏向器22に供給するべき副偏向補助信号を生成する副偏向補助信号生成部62を備える。
副偏向信号生成部61は、計算機91から供給される電子ビーム15の入射角度情報に基づき決定される必要な偏向量を、副偏向手段(51及び52)により偏向すべき副偏向量と主偏向手段(21及び22)より偏向すべき副偏向量とに分離する。そして副偏向手段(51及び52)により偏向すべき副偏向量に対応する偏向制御信号を副偏向信号として副偏向手段(51及び52)に供給するとともに、主偏向手段(21及び22)により偏向すべき副偏向量を副偏向補助信号生成部62に供給する。
副偏向補助信号生成部62は、副偏向信号生成部61から供給される制御量情報に基づき、主偏向手段(21及び22)より行うべき副偏向制御の偏向量に応じた副偏向補助信号を生成する。
そして、主偏向信号生成部60による主偏向信号と、副偏向補助信号生成部62による副偏向補助信号とは、重畳手段64によって重畳されて第1主偏向器21及び第2副偏向器22に供給される。
図8は、副偏向手段の副偏向制御を主偏向手段よって補助する場合の電子ビーム走査手段の機能説明図である。図8において、実線15A〜15Cは、主偏向手段(21及び22)による主偏向制御及び副偏向制御並びに副偏向手段(51及び52)による副偏向制御が行われた電子ビーム15の軌道を示し、点線15A’〜15C’は、主偏向手段による主偏向制御だけが行われた電子ビーム15の軌道を示し、3点鎖線15A”〜15C”は、主偏向手段による主偏向制御及び副偏向手段よる副偏向制御だけが行われた電子ビーム15の軌道を示す。
電子ビーム15の軌道15Aに示すように、主偏向制御に必要な第1主偏向器21による偏向角βAに、副偏向制御の補助のための偏向角ξAを、第1副偏向器51による副偏向角γAと同じ方向に加えて第1主偏向器21による偏向角とし、主偏向制御に必要な第2主偏向器22による偏向角βAに、副偏向制御の補助のための偏向角ηAを偏向角ξAの反対方向に加えて第2主偏向器22による偏向角とすることにより、主偏向手段による副偏向制御が行われない電子ビーム15の軌道15A”と比べて、マスク30への電子ビーム15の入射角度を増加することが可能となる。
上記の主偏向器21及び22による副偏向制御の補助が行われているときには、副偏向手段による(51、52)の副偏向制御によって、電子ビーム15のマスク30上の入射位置が変動する。
したがって、主偏向器21及び22による副偏向制御の補助を行う際には、主偏向信号生成部60は、副偏向手段による(51、52)の副偏向制御による電子ビーム15のマスク30上の入射位置の変動を相殺するように、主偏向器21及び22の主偏向信号を補正することが望ましい。
同様に、第1主偏向器21による偏向角を、主偏向制御に必要な第1主偏向器21による偏向角βAに、副偏向制御の補助のための偏向角ξAを、第1副偏向器51による副偏向角γAと反対方向に加えて第1主偏向器21による偏向角とし、主偏向制御に必要な第2主偏向器22による偏向角βAに、副偏向制御の補助のための偏向角ηAを偏向角ξAの反対方向に加えて第2主偏向器22による偏向角とすることにより、主偏向手段による副偏向制御が行われない電子ビーム15の軌道15A”と比べて、マスク30への電子ビーム15の入射角度を減少することが可能となる。
主偏向補助信号、及び副偏向補助信号は、それぞれ主偏向信号生成部60及び副偏向生成部61により直接生成されて、それぞれ副偏向手段(51及び52)及び主偏向手段(21及び22)に供給されることとしてもよい。
また、副偏向手段(51及び52)に加えるべき主偏向補助信号、及び主偏向手段(21及び22)に加えるべき副偏向補助信号を、電子ビーム15を照射するマスク30上の各偏向位置と、この各偏向位置に照射する際の電子ビーム15のマスクへの各入射角度とについて測定しておき、電子線鏡筒装置10及び電子線近接露光装置の記憶部92に予め記憶しておくこととしてもよい。
そして、主偏向補助信号生成部63及び副偏向補助信号生成部62は、計算機91により供給される偏向位置情報及び入射角度情報に応じて、記憶部92に予め記憶された主偏向補助信号及び副偏向補助信号をそれぞれ読み出して、それぞれ副偏向手段(51及び52)及び主偏向手段(21及び22)に供給することとしてもよい。
または、主偏向信号生成部60及び副補助信号生成部61は、計算機91により供給される偏向位置情報及び入射角度情報に応じて、記憶部92に予め記憶された主偏向補助信号及び副偏向補助信号をそれぞれ読み出して、それぞれ副偏向手段(51及び52)及び主偏向手段(21及び22)に供給することとしてもよい。
なお本実施例における第1主偏向器21は、本発明に係る電子線鏡筒装置の所定の偏向領域に応じた範囲の偏向角で電子ビームを偏向可能な第1の偏向器に対応しており、本実施例における第2主偏向器22は、本発明に係る電子線鏡筒装置の各偏向位置においてビーム光軸がそれぞれ平行となるように、第1の偏向器による偏向角に応じて電子ビームを偏向する第2の偏向器に対応しており、本実施例における第2副偏向器52は、本発明に係る電子線鏡筒装置の第1の偏向器と第2の偏向器との間に配置され第2の偏向器によって偏向される電子ビームがマスクに所定の入射角度で入射するように電子ビームを偏向する第3の偏向器に対応しており、本実施例における第1副偏向器51は、本発明に係る電子線鏡筒装置の第1の偏向器と第2の偏向器との間に配置され、第2の偏向器によって偏向される電子ビームがマスクの所定の偏向位置に入射するように、電子ビームを偏向する第4の偏向器に対応する。
図9は、本発明の第2実施例に係る電子線鏡筒装置及び電子線近接露光装置の構成図である。電子線近接露光装置の基本構成は、図1及び図5に示した構成及び上記の文献1に開示された構成に類似した構成を有している。よって、図1及び図5と同一の機能部分には同一の参照番号を付して表し、詳しい説明は省略する。
図9に示すように、電子線鏡筒装置10は、単一の偏向器である前段の第1偏向手段(第1偏向器)81および単一の偏向器である後段の第2偏向手段(第2偏向器)82の1対の偏向器からなる偏向手段を電子ビーム走査手段として備える。
計算機91は、走査中の電子ビームの偏向位置を逐次計算して、計算された偏向位置をデータバス93を経由して主偏向信号生成部60に供給する。
主偏向信号生成部60は、供給される電子ビームの偏向位置情報に基づき、第1偏向器81および第2偏向器82によって電子ビーム15をそのビーム光軸を平行に保ったまま前記偏向位置に偏向制御(主偏向制御)するための主偏向信号を生成して、主偏向第1指示信号生成部66及び主偏向第2指示信号生成部68に供給する。
主偏向第1指示信号生成部66は、主偏向信号生成部60から供給される主偏向信号に基づいて、第1偏向器81に出力すべき主偏向第1指示信号を生成し、重畳手段64に供給する。
同様に、主偏向第2指示信号生成部68は、主偏向信号生成部60から供給される主偏向信号に基づいて、第2偏向器82に出力すべき主偏向第2指示信号を生成し、重畳手段65に供給する。
さらに、計算機91は、走査中の電子ビームの偏向位置におけるマスク30のマスク歪みを記憶部92から抽出し、このマスク歪みを補正するためのマスク30への電子ビーム15の入射角度を逐次計算する。そして計算された入射角度をデータバス93を経由して副偏向信号生成部61に供給する。
副偏向信号生成部61は、供給される電子ビームの入射角度情報に基づき、電子ビーム15がマスク30に前記入射角度で入射するように、第1偏向器81および第2偏向器82により電子ビーム15を偏向制御(副偏向制御)するための副偏向信号を生成して、副偏向第1指示信号生成部67及び副偏向第2指示信号生成部69に供給する。
副偏向第1指示信号生成部67は、副偏向信号生成部61から供給される副偏向信号に基づいて、第1偏向器81に出力すべき副偏向第1指示信号を生成し、重畳手段64に供給する。
同様に、副偏向第2指示信号生成部69は、副偏向信号生成部61から供給される副偏向信号に基づいて、第2偏向器82に出力すべき副偏向第2指示信号を生成し、重畳手段65に供給する。
重畳手段64は、主偏向第1指示信号生成部66から供給される主偏向第1指示信号と、副偏向第1指示信号生成部67から供給される副偏向第1指示信号とを重畳して第1偏向器81に供給し、重畳手段65は、主偏向第2指示信号生成部68から供給される主偏向第2指示信号と、副偏向第2指示信号生成部69から供給される副偏向第2指示信号とを重畳して第2偏向器82に供給する。
図10は、図9に示す構成の電子線鏡筒装置10の電子ビーム走査手段の機能説明図である。図10において実線15A〜15Cは、第1偏向器81及び第2偏向器82によって、偏向位置71A〜71Cへの主偏向制御が行われ、入射角度をαA〜αCとする副偏向制御が行われた場合の電子ビーム15の軌道を示し、点線15A’〜15C’は、第1偏向器81及び第2偏向器82によって、偏向位置71A〜71Cへの主偏向制御のみが行われた場合の電子ビーム15の軌道を示す。以下、偏向位置71Aへ偏向された軌道15A及び15A’の場合について説明する。
主偏向信号生成部60は、供給される電子ビームの偏向位置情報と、第1偏向器81及び第2偏向器82間の距離とに基づき、電子ビーム15を偏向位置71Aに偏向するために必要な第1偏向器81による偏向角(βA)および第2偏向器82による偏向角(βA)を計算し、それぞれの偏向角情報を主偏向信号として主偏向第1指示信号生成部66及び主偏向第2指示信号生成部68に供給する。
主偏向第1指示信号生成部66及び主偏向第2指示信号生成部68は、主偏向信号生成部60から供給される各偏向角に基づいて、第1偏向器81及び第2偏向器82にそれぞれ加えるべき主偏向第1偏向指示信号及び主偏向第2偏向指示信号を生成し、それぞれ重畳手段64及び65に供給する。
一方、副偏向信号生成部61は、供給される電子ビームの偏向位置情報(75A)及び入射角度情報(αA)、並びに第2偏向器82とマスク30との距離(既知)に基づき、第2偏向器82に入射した際の、電子銃12の中心線軸19に垂直な面上における電子ビーム位置75Aを計算する。
そして、副偏向信号生成部61は、電子ビーム位置75A、第1偏向器81と第2偏向器間の距離(既知)、及び偏向角βAに基づいて、電子ビーム15を位置75Aに照射するために必要な第1偏向器81による偏向角(γA)を計算する。
また、副偏向信号生成部61は、偏向角βA及びγA並びに入射角度αAに基づき電子ビーム15を入射角度αAに偏向するために必要な第2偏向器82による偏向角(δA)を計算する。なお図10において、3点鎖線83は中心線軸19との平行線を示し、3点鎖線84は第1偏向器81に主偏向制御のみされた後の電子ビーム軌道15A’との平行線を示し、3点鎖線85は第1偏向器81に偏向された後の電子ビーム軌道15Aの延長線を示す。
そして副偏向信号生成部61は、それぞれの偏向角情報(γA及びδA)を副偏向信号として副偏向第1指示信号生成部67及び副偏向第2指示信号生成部69に供給する。
副偏向第1指示信号生成部67及び副偏向第2指示信号生成部69は、副偏向信号生成部61から供給される各偏向角に基づいて、第1偏向器81及び第2偏向器82にそれぞれ加えるべき副偏向第1偏向指示信号及び副偏向第2偏向指示信号を生成し、それぞれ重畳手段64及び65に供給する。
重畳手段64は、主偏向第1指示信号生成部66から供給される主偏向第1指示信号と、副偏向第1指示信号生成部67から供給される副偏向第1指示信号とを重畳して第1偏向器81に供給する。したがって、第1偏向器81に供給される偏向指示量は、主偏向制御に対応する偏向角βAと副偏向制御に対応する偏向角γAとが合計されて重ね合わされた偏向角分の偏向指示量となる。
一方、重畳手段65は、主偏向第2指示信号生成部68から供給される主偏向第2指示信号と、副偏向第2指示信号生成部69から供給される副偏向第2指示信号とを重畳して第2偏向器82に供給する。したがって、第2偏向器82に供給される偏向指示量は、主偏向制御に対応する偏向角βAと副偏向制御に対応する偏向角δAとが合計されて重ね合わされた偏向角分の偏向指示量となる。
以上により、図9に示す電子線鏡筒装置10は、単一の偏向器である第1偏向手段81および単一の偏向器である第2偏向手段82の1対の偏向器からなる偏向手段により、電子ビーム15の主偏向制御と副偏向制御を行うことを可能とする。
図9に示す電子線鏡筒装置10において単一の偏向器として構成された第1偏向手段81および第2偏向手段82の各々は、主偏向制御を行うための1つ以上の主偏向用偏向器及び副偏向制御を行うための1つ以上の副偏向用偏向器からなる複数の偏向器からなる偏向器群で実現することとしてよい。このように構成された電子線鏡筒装置10を図11に示す。
図11は、本発明の第3実施例に係る電子線鏡筒装置及び電子線近接露光装置の構成図である。電子線鏡筒装置及び電子線近接露光装置の基本構成は、図1及び図9に示した構成及び上記の文献1に開示された構成に類似した構成を有している。よって、図1及び図9と同一の機能部分には同一の参照番号を付して表し、詳しい説明は省略する。
図示するように、本実施例に係る電子線鏡筒装置では前段の第1偏向手段81は、2つの主偏向用偏向器23及び24と、副偏向用偏向器53とから構成されている。これら偏向器は、電子ビーム光軸上に静電場を生じて、静電力により電子ビームに偏向力を加える電極(静電偏向器)により構成してよく、電子ビーム光軸上に磁場を生じて、磁力により電子ビームに偏向力を加えるコイルにより構成してよい。またこれらを組み合わせて構成してもよい。
また、第1偏向手段81を構成する主偏向用偏向器及び副偏向用偏向器の数は任意に定めてよく、例えば後述の第2の偏向手段82のように3つの主偏向用偏向器と2つの副偏向用偏向器による5段構成としてよい。
図示するとおり、前段の第1偏向手段81の主偏向用偏向器23及び24と、副偏向用偏向器53とは、電子ビーム15のビーム光軸19に沿って交互に(入れ子状に)配置されている。
また、後段の第2偏向手段82は、3つの主偏向用偏向器25、26及び27と、2つの副偏向用偏向器54及び55とから構成されている。そして、第2偏向手段82の主偏向用偏向器25、26及び27、並びに副偏向用偏向器54及び55も電子ビーム15のビーム光軸19に沿って交互に(入れ子状に)配置されている。
第2偏向手段82を構成する主偏向用偏向器及び副偏向用偏向器の数は任意に定めることとしてよい。
そして、主偏向第1指示信号生成部66は、図9と同様の主偏向信号生成部60から供給される主偏向信号に基づいて、主偏向第1指示信号を生成し第1偏向手段81内の主偏向用偏向器23及び24に直接供給する。
同様に、主偏向第2指示信号生成部68は、主偏向信号生成部60から供給される主偏向信号に基づいて、主偏向第2指示信号を生成し第2偏向手段82内の主偏向用偏向器25、26及び27に直接供給する。
また、副偏向第1指示信号生成部67は、図9と同様の副偏向信号生成部61から供給される副偏向信号に基づいて、副偏向第1指示信号を生成し第1偏向手段81内の副偏向用偏向器53に直接供給する。
同様に、副偏向第2指示信号生成部69は、副偏向信号生成部61から供給される副偏向信号に基づいて、副偏向第2指示信号を生成し第2偏向手段82内の副偏向用偏向器54及び55に直接供給する。
図12は、図11に示す構成の電子線鏡筒装置10の電子ビーム走査手段の機能説明図である。図12において実線15A〜15Cは、第1偏向手段81及び第2偏向手段82によって、偏向位置71A〜71Cへの主偏向制御が行われ、入射角度をαA〜αCとする副偏向制御が行われた場合の電子ビーム15の軌道を示し、点線15A’〜15C’は、第1偏向手段81及び第2偏向手段82によって、偏向位置71A〜71Cへの主偏向制御のみが行われた場合の電子ビーム15の軌道を示す。
また、3点鎖線83は中心線軸19との平行線を示し、3点鎖線84は第1偏向手段81に主偏向制御のみされた後の電子ビーム軌道15A’との平行線を示し、3点鎖線85は第1偏向手段81に偏向された後の電子ビーム軌道15Aの延長線を示す。
図12に示される第1偏向手段81による主偏向角βA、第1偏向手段81による副偏向角γA、第2偏向手段82による主偏向角βA、及び第2偏向手段82による副偏向角δAの計算は、図10を参照して説明した図9に示す電子線近接露光装置の場合と同様に行うこととし説明を省略する。以下、偏向位置71Aへ偏向された軌道15A及び15A’の場合について説明する。
電子ビーム15を主偏向制御するために必要な第1偏向手段81による偏向角(βA)は、第1偏向手段81内の2つの主偏向用偏向器23及び24により生じる合成電場(及び/又は合成磁場)が電子ビーム15に作用することにより生じる静電力(及び/又は磁力)によって電子ビーム15に加えられる。
同様に、電子ビーム15を副偏向制御するために必要な第1偏向手段81による偏向角(γA)は、第1偏向手段81内の副偏向用偏向器53により生じる電場(及び/又は磁場)が電子ビーム15に作用すること加えられる。
また、電子ビーム15を主偏向制御するために必要な第2偏向手段82による偏向角(βA)は、第2偏向手段82内の3つの主偏向用偏向器25、26及び27により生じる合成電場(及び/又は合成磁場)が電子ビーム15に作用することにより加えられる。
さらに電子ビーム15を副偏向制御するために必要な第2偏向手段82による偏向角(δA)は、第2偏向手段82内の副偏向用偏向器54及び55により生じる合成電場(及び/又は合成磁場)が電子ビーム15に作用することにより加えられる。
ここで、第1偏向手段81は、上述の通り主偏向用偏向器23及び24と副偏向用偏向器53とを、電子ビーム15の光軸19に沿って交互に配置して備える。
したがって、主偏向用偏向器23及び24によって電子ビーム15に主偏向制御用の偏向力が加えられる位置と、副偏向用偏向器53によって副偏向制御用の偏向力が加えられる位置とのビーム光軸方向のずれを防止することが可能となる。
同様に、第2偏向手段82は、主偏向用偏向器25、26及び27と副偏向用偏向器54及び55とを、電子ビーム15の光軸19に沿って交互に配置して備える。したがって、主偏向用偏向器25、26及び27によって電子ビーム15に主偏向制御用の偏向力が加えられる位置と、副偏向用偏向器54及び55によって副偏向制御用の偏向力が加えられる位置とのビーム光軸方向のずれを防止することが可能となる。
上記構成により、図11に示す第1偏向手段81及び第2偏向手段82は、図9に示す単一の偏向器でそれぞれ構成される第1偏向器81及び第2偏向器と同様に電子ビーム15の主偏向制御及び副偏向制御を行うことが可能となる。
また図9及び図11に示す電子線鏡筒装置及び電子線近接露光装置において、主偏向第1指示信号及び主偏向第2指示信号はそれぞれ主偏向信号生成部60により直接生成されて、それぞれ第1偏向手段81及び第2偏向手段82に供給されることとしてもよく、副偏向第1指示信号及び副偏向第1指示信号はそれぞれ副偏向信号生成部61により直接生成されて、それぞれ第1偏向手段81及び第2偏向手段82に供給されることとしてもよい。
また、図9及び図11に示す電子線鏡筒装置及び電子線近接露光装置において、第1偏向手段81に加えるべき主偏向第1指示信号及び副偏向第1指示信号、並びに第2偏向手段82に加えるべき主偏向第2指示信号及び副偏向第2指示信号を、電子ビーム15を照射するマスク30上の各偏向位置と、この各偏向位置に照射する際の電子ビーム15のマスクへの各入射角度とについて測定しておき、電子線鏡筒装置10又は電子線近接露光装置の記憶部92に予め記憶しておくこととしてもよい。
そして、主偏向第1指示信号生成部66及び副偏向第1指示信号生成部67は、それぞれ計算機91により供給される偏向位置情報及び入射角度情報に応じて、記憶部92に予め記憶された主偏向第1指示信号及び副偏向第1指示信号をそれぞれ読み出して、それぞれ第1偏向手段81に供給することとしてもよく、主偏向第2指示信号生成部68及び副偏向第2指示信号生成部69は、それぞれ計算機91により供給される偏向位置情報及び入射角度情報に応じて、記憶部92に予め記憶された主偏向第2指示信号及び副偏向第2指示信号をそれぞれ読み出して、それぞれ第2偏向手段82に供給することとしてもよい。
または、主偏向信号生成部60は、それぞれ計算機91により供給される偏向位置情報及び入射角度情報に応じて、記憶部92に予め記憶された主偏向第1指示信号及び主偏向第2指示信号をそれぞれ読み出して、それぞれ第1偏向手段81及び第2偏向手段82に供給することとしてもよく、副偏向信号生成部61は、それぞれ計算機91により供給される偏向位置情報及び入射角度情報に応じて、記憶部92に予め記憶された副偏向第1指示信号及び副偏向第2指示信号をそれぞれ読み出して、それぞれ第1偏向手段81及び第2偏向手段82に供給することとしてもよい。
特に、図11に示す電子線鏡筒装置及び電子線近接露光装置において、第1偏向手段81の各主偏向用偏向器23及び24に加えるべき各主偏向第1指示信号、第1偏向手段81の各副偏向用偏向器53に加えるべき各副偏向第1指示信号、第2偏向手段82の各主偏向用偏向器25、26及び27に加えるべき各主偏向第2指示信号、並びに第2偏向手段82の各副偏向用偏向器54及び55に加えるべき各副偏向第2指示信号を、電子ビーム15を照射するマスク30上の各偏向位置と、この各偏向位置に照射する際の電子ビーム15のマスクへの各入射角度とについて測定しておき、電子線鏡筒装置10又は電子線近接露光装置の記憶部92に予め記憶しておくこととしてもよい。
そして、主偏向第1指示信号生成部66、副偏向第1指示信号生成部67、主偏向第2指示信号生成部68、並びに副偏向第2指示信号生成部69は、それぞれ計算機91により供給される偏向位置情報及び入射角度情報に応じて、記憶部92に予め記憶された前記各主偏向第1指示信号、前記各副偏向第1指示信号、前記各主偏向第2指示信号、並びに前記各副偏向第2指示信号をそれぞれ読み出して、それぞれ第1偏向手段81の各主偏向用偏向器23及び24、第1偏向手段81の各副偏向用偏向器53、第2偏向手段82の各主偏向用偏向器25、26及び27、並びに第2偏向手段82の各副偏向用偏向器54及び55に加えることとしてよい。
または、主偏向信号生成部60は、それぞれ計算機91により供給される偏向位置情報及び入射角度情報に応じて、記憶部92に予め記憶された前記各主偏向第1指示信号、並びに前記各主偏向第2指示信号をそれぞれ読み出して、それぞれ第1偏向手段81の各主偏向用偏向器23及び24、並びに第2偏向手段82の各主偏向用偏向器25、26及び27に供給することとし、副偏向信号生成部61は、それぞれ計算機91により供給される偏向位置情報及び入射角度情報に応じて、記憶部92に予め記憶された前記各副偏向第1指示信号、並びに前記各主偏向第2指示信号をそれぞれ読み出して、それぞれ第1偏向手段81の各副偏向用偏向器53、並びに第2偏向手段82の各副偏向用偏向器54及び55に供給することとしてもよい。
電子線近接露光装置の構成図である。 走査手段の動作説明図である。 電子ビームの走査方法の説明図である。 マスク歪み補正の説明図である。 本発明の第1実施例に係る電子線鏡筒装置及び電子線近接露光装置の構成図である。 図5に示す電子線鏡筒装置の電子ビーム走査手段の機能説明図(その1)である。 図5に示す電子線鏡筒装置の電子ビーム走査手段の機能説明図(その2)である。 図5に示す電子線鏡筒装置の電子ビーム走査手段の機能説明図(その3)である。 本発明の第2実施例に係る電子線鏡筒装置及び電子線近接露光装置の構成図である。 図9に示す電子線鏡筒装置の電子ビーム走査手段の機能説明図である。 本発明の第3実施例に係る電子線鏡筒装置及び電子線近接露光装置の構成図である。 図11に示す電子線鏡筒装置の電子ビーム走査手段の機能説明図である。
符号の説明
10…電子線鏡筒装置
12…電子銃
14…電子線源
15…電子ビーム
16…照射レンズ
21、22…主偏向器
30…マスク
40…試料
51、52…副偏向器

Claims (9)

  1. 電子ビームを発生する電子ビーム源と、試料表面に露光するパターンに応じたマスクパターンを備えるマスクとを備え、前記電子ビームを前記マスク上の所定の偏向領域内の各偏向位置に所定の入射角度で入射させ、前記マスクを通過した前記電子ビームで、前記試料表面に前記マスクパターンを露光する電子線露光装置に使用される電子線鏡筒装置であって、
    前記電子ビームをそのビーム光軸を平行に保ったまま前記各偏向位置に偏向する、1対の偏向器である第1主偏向器および第2主偏向器を有する主偏向手段と、
    前記電子ビームが前記マスクに前記入射角度で入射するように前記電子ビームを偏向する、1対の偏向器である第1副偏向器および第2副偏向器を有する副偏向手段と、を備え、
    前記副偏向手段は、前記電子ビームのビーム光軸方向に関して前記第1主偏向器と第2主偏向器との間に設けられることを特徴とする電子線鏡筒装置。
  2. 前記副偏向手段を制御して、前記偏向領域を拡大縮小するよう可変することを特徴とする請求項1に記載の電子線鏡筒装置。
  3. 前記主偏向手段を制御して、前記入射角度を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子線鏡筒装置。
  4. 電子ビームを発生する電子ビーム源と、試料表面に露光するパターンに応じたマスクパターンを備えるマスクとを備え、前記電子ビームを前記マスク上の所定の偏向領域内の各偏向位置に所定の入射角度で入射させ、前記マスクを通過した前記電子ビームで、前記試料表面に前記マスクパターンを露光する電子線露光装置に使用される電子線鏡筒装置であって、
    前記偏向領域に応じた範囲の偏向角で、前記電子ビームを偏向可能な第1の偏向器と、
    前記各偏向位置においてビーム光軸がそれぞれ平行となるように、前記第1の偏向器による前記偏向角に応じて前記電子ビームを偏向する第2の偏向器と、
    前記第1の偏向器と前記第2の偏向器との間に配置され、前記第2の偏向器によって偏向される前記電子ビームが前記マスクに前記入射角度で入射するように、前記電子ビームを偏向する第3の偏向器と、
    前記第1の偏向器と前記第2の偏向器との間に配置され、前記第2の偏向器によって偏向される前記電子ビームが前記マスクの前記偏向位置に入射するように、前記電子ビームを偏向する第4の偏向器と、
    を備えることを特徴とする電子線鏡筒装置。
  5. 前記第4の偏向器を制御して、前記偏向領域を拡大縮小するよう可変することを特徴とする請求項4に記載の電子線鏡筒装置。
  6. 前記第1の偏向器を制御して、前記入射角度を変化させることを特徴とする請求項4又は5に記載の電子線鏡筒装置。
  7. 電子ビームを発生する電子ビーム源と、試料表面に露光するパターンに応じたマスクパターンを備えるマスクとを備え、前記電子ビームを前記マスク上の所定の偏向領域内の各偏向位置に所定の入射角度で入射させ、前記マスクを通過した前記電子ビームで、前記試料表面に前記マスクパターンを露光する電子線露光装置に使用される電子線鏡筒装置であって、
    前記電子ビームを偏向する第1偏向手段および第2偏向手段と、
    前記第1偏向手段及び前記第2偏向手段により前記電子ビームをそのビーム光軸を平行に保ったまま前記各偏向位置に偏向制御するための主偏向信号を生成して出力する主偏向信号生成手段と、
    前記第1偏向手段及び前記第2偏向手段により前記マスクに前記所定入射角度で入射するように前記電子ビームを偏向制御するための副偏向信号を生成して出力する副偏向信号生成手段と、
    前記主偏向信号生成手段から出力される前記主偏向信号及び前記副偏向信号生成手段から出力される前記副偏向信号を重畳して、前記第1偏向手段及び前記第2偏向手段の各々に供給する信号重畳手段と、
    を備えることを特徴とする電子線鏡筒装置。
  8. 電子ビームを発生する電子ビーム源と、試料表面に露光するパターンに応じたマスクパターンを備えるマスクとを備え、前記電子ビームを前記マスク上の所定の偏向領域内の各偏向位置に所定の入射角度で入射させ、前記マスクを通過した前記電子ビームで、前記試料表面に前記マスクパターンを露光する電子線露光装置に使用される電子線鏡筒装置であって、
    前記電子ビームを偏向する第1偏向器群および第2偏向器群を備え、
    前記第1偏向器群および前記第2偏向器群の各々は、前記電子ビームをそのビーム光軸を平行に保ったまま前記各偏向位置に偏向制御するための1個以上の主偏向器、及び前記電子ビームを前記マスクに前記入射角度で入射するように偏向制御するための1個以上の副偏向器を備え、
    前記第1偏向器群に設けられる前記1つ以上の主偏向器と前記1つ以上の副偏向器は、前記電子ビームのビーム光軸方向に沿って交互に配置され、
    前記第2偏向器群に設けられる前記1つ以上の主偏向器と前記1つ以上の副偏向器は、前記電子ビームのビーム光軸方向に沿って交互に配置されることを特徴とする電子線鏡筒装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子線鏡筒装置を備えることを特徴とする電子線露光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105097062A (zh) * 2015-09-11 2015-11-25 中广核达胜加速器技术有限公司 一种用于提高能量利用率的加速器扫描盒

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