JP3728315B2 - 電子ビーム露光装置、電子ビーム露光方法、および、デバイス製造方法 - Google Patents

電子ビーム露光装置、電子ビーム露光方法、および、デバイス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は電子ビーム露光装置及びその露光方法に関し、特にウエハ直接描画またはマスク、レチクル露光の為に、複数の電子ビームを用いてパターン描画を行う電子ビーム露光装置及びその露光方法に関する。
電子ビーム露光装置には、ビームをスポット状にして使用するポイントビーム型、サイズ可変の矩形断面にして使用する可変矩形ビーム型、ステンシルを使用して所望断面形状にするステンシルマスク型等の装置がある。
ポイントビーム型の電子ビーム露光装置ではスループットが低いので、研究開発用にしか使用されていない。可変矩形ビーム型の電子ビーム露光装置では、ポイント型と比べるとスループットが1〜2桁高いが、0.1μm程度の微細なパターンが高集積度で詰まったパターンを露光する場合などではやはりスループットの点で問題が多い。他方、ステンシルマスク型の電子ビーム露光装置は、可変矩形アパーチャに相当する部分に複数の繰り返しパターン透過孔を形成したステンシルマスクを用いる。従って、ステンシルマスク型の電子ビーム露光装置では繰り返しパターンを露光する場合のメリットが大きく、可変矩形ビーム型に比べてスループットが向上される。
米国特許第4158140号 米国特許第5334282号
図2に、ステンシルマスクを備えた電子ビーム露光装置の概要を示す。電子銃501からの電子ビームは、ステンシルマスクの電子ビーム照射領域を規定する第1アパーチャ502に照射される。第1アパーチャによって規定される照明用の電子ビームが投影電子レンズ503を介して第2アパーチャ504上のステンシルマスクを照射し、ステンシルマスクに形成された繰り返しパターン透過孔からの電子ビームを縮小電子光学系505によってウエハ506上に縮小投影する。更に偏向器507により繰り返しパターン透過孔の像がウエハ上を移動し、順次露光される。
ステンシルマスク型は、繰り返しパターンを一時に露光でき、露光速度を挙げることができる。しかしステンシルマスク型は、図3に示すように、複数のパターン透過孔を持つものの、そのパターンは露光パターンに合わせて、事前にステンシルマスクとして形成しなければならない問題がある。
また、空間電荷効果及び縮小電子光学系の収差の為、一時に露光できる露光領域には限りがあるので、1枚のステンシルマスクに納まらない多数の転写パターンが必要な半導体回路に対しては、複数枚のステンシルマスクを作成しておいてそれを1枚ずつ取り出して使用する必要があり、マスク交換の時間が必要になるため、著しくスループットが低下するという問題ある。
またステンシルマスクに、大きさの異なるパターンがある場合、もしくは大きさの異なるパターンが結合されたような1つのパターンがある場合、パターンの大きさに応じて、空間電荷効果による露光パターンのぼけが異なる。そのぼけをリフォーカシングにより補正しようとしてもパターンの大きさによりリフォーカス量が異なり、実質的に上述のようなパターンはステンシルマスクのパターンとして使用出来ないという問題がある。
本発明は前記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、パターンの制限がない電子ビーム露光装置を提供することにある。
(1)本発明の電子ビーム露光装置の第1の形態は、電子ビーム源と前記電子ビーム源からの電子ビームを被露光面上に集束させる電子光学系とを有する電子ビーム露光装置において、前記電子光学系の瞳面上での前記電子ビームの電子密度分布を周辺部の電子密度が中央部の電子密度より大とせしめる電子密度分布調整手段を有することを特徴とする。
)本発明の電子ビーム露光装置の第の形態は、電子ビーム源と、前記電子ビーム源から放射された電子ビームを用いて被露光面上にパターンを投影する電子光学系と、前記電子光学系の瞳面、または、前記電子光学系の瞳面と共役な面で、前記電子光学系の光軸近傍を通過する電子を遮蔽する手段と、を備えることを特徴とする。
)本発明の電子ビーム露光装置の第の形態は、電子ビーム源と、前記電子ビームから放射された電子ビームを用いて被露光面上にパターンを投影する電子光学系と、を備え、前記電子光学系の瞳面位置、または、前記電子光学系の瞳面位置と共役な位置に、ホロビーム形成手段を設けたことを特徴とする。
(4)本発明の電子ビーム露光装置の第の形態は、電子ビーム源と、複数の要素電子光学系を用いて、前記電子ビーム源から放射された電子ビームにより複数の中間像を形成する第1電子光学系と、前記第1電子光学系で形成された中間像を被露光面上に投影する第2電子光学系と、を備え、前記第1電子光学系は、前記要素電子光学系を通過する電子ビームの電子密度分布を周辺部の電子密度が中央部の電子密度より大とせしめる絞りを複数有することを特徴とする。
(5)本発明の電子ビーム露光方法の第1の形態は、電子光学系により電子ビームを被露光面に収束させる段階を有する電子ビーム露光方法において、前記電子光学系の瞳面での前記電子ビームの電子密度分布を中央部の電子密度が周辺部の電子密度より小さい分布とすることを特徴とする。
本発明によれば、ホロビーム状電子ビームを形成することにより、空間電荷効果の影響を低減し、特にステンシルマスク型の電子ビーム露光装置において、ステンシルマスクに使用できるパターンの制限を小さくでき、よりスループットを高くできる。
〔原理の説明〕
図4は、本発明の原理を説明する図である。PLは縮小電子光学系で、AXは縮小電子光学系PLの光軸である。また、O1,O2,O3は電子を放射する点光源であり、I1,I2,I3は、各点光源に対応する点光源像である。
図4(A)において、縮小電子光学系PLの物体側であって、光軸AXと垂直な面に位置する点光源O1,O2,O3から放射される電子は、縮小電子光学系PLを介して像側に各点光源に対応した点光源像I1,I2,I3を形成する。その際、点光源像I1,I2,I3は縮小電子光学系の収差(像面湾曲)により光軸AXと垂直である同一面内に形成されない。
そこで、図4(B)に示すように、本発明では、点光源像I1,I2,I3を光軸AXと垂直である同一面内に形成される様に、点光源O1,O2,O3の光軸方向の位置を縮小電子光学系の収差(像面湾曲)に応じて、それぞれ予め異ならしめている。更に縮小電子光学系は物体側の光源の位置によって収差(非点、コマ、歪曲)が異なるので、それに応じて光源を予め歪ませれば、より所望の光源像が同一面内に形成される。
よって、本発明では、縮小電子光学系の物体側に光源の中間像を複数形成し、各中間像が前記縮小電子光学系よって被露光面に縮小投影される際に発生する収差を予め補正する補正電子光学系を設けることにより、広い露光領域に所望の形状を有する光源像を同時に多く形成することができる。
当然のことであるが、前述の複数の中間像は一つの光源から形成されることに限定されず、複数の光源から複数の中間像を形成しても構わない。
以下、本発明を実施例を用いて詳しく説明する。
〔露光系の構成要素説明〕
図1は本発明に係る電子ビーム露光装置の実施例1を示す図である。
図1において、1は、カソード11、グリッド12、アノード13よりなる電子銃であって、カソード11から放射された電子はグリッド12、アノード13の間でクロスオーバ像を形成する。
この電子銃1は、グリッド電圧を変化させる機能を有することによりクロスオーバ像の大きさを変えられる。
また、このクロスオーバ像を拡大又は縮小するもしくは整形する電子光学系(不図示)を設けることにより、拡大また縮小もしくは整形されたクロスオーバ像が得られ、それによりクロスオーバ像の大きさ・形状が変えられる。(以下、これらのクロスオーバ像を光源と記す)
この光源から放射される電子は、その前側焦点位置が前記光源位置にあるコンデンサーレンズ2によって略平行の電子ビームとなる。略平行な電子ビームは、複数の要素電子光学系(31、32)(要素電子光学系の数はできるだけ多いことが望ましい。しかしながら、説明を簡略化するためにこの二つ要素電子光学系を図示し、説明の対象とする)が光軸に直交する方向に複数配列された補正電子光学系3に入射する。補正電子光学系3を構成する複数の要素電子光学系(31、32)の詳細については後述する。
補正電子光学系3は、光源の中間像(MI1,MI2)を複数形成し、各中間像は縮小電子光学系4によってウエハ5に光源像(I1,I2)を形成する。その際、ウエハ5上の光源像の間隔が光源像の大きさの整数倍になるように、補正電子光学系3の各要素は設定されている。更に、補正電子光学系3は、各中間像の光軸方向の位置を縮小電子光学系4の像面湾曲に応じて異ならせるとともに、各中間像が縮小電子光学系4よってウエハ5に縮小投影される際に発生する収差を予め補正している。
また、縮小電子光学系4は、第1投影レンズ41と第2投影レンズ42とからなる対称磁気タブレットである。第1投影レンズ41の焦点距離をf1、第2投影レンズ42の焦点距離をf2とすると、この2つのレンズ間距離はf1+f2になっている。光軸上AXの中間像は第1投影レンズ41の焦点位置にあり、その像は第2投影レンズの焦点に結ぶ。この像は−f2/f1に縮小される。また、2つのレンズ磁界が互いに逆方向に作用する様に決定されているので、理論上は、球面収差、等方性非点収差、等方性コマ収差、像面湾曲収差、軸上色収差の5つの収差を除いて他のザイデル収差および回転と倍率に関する色収差が打ち消される。
6は、複数の中間像からの電子ビームを偏向させて、複数の中間像の像をウエハ5上でX,Y方向に移動させる偏向器である。偏向器6は、収束磁界とMOL 条件を満足する偏向磁界により偏向させるMOL(moving object lens)型の電磁偏向器61と、電界により偏向させる静電偏向器62とで構成されている。光源像の移動距離に応じて電磁偏向器61と静電偏向器62は使い分けられる。7は、偏向器を作動させた際に発生する偏向収差によるフォーカス位置のずれを補正するダイナミックフォーカスコイルであり、8は、同様に偏向により発生する非点収差を補正するダイナミックスティグコイルである。
91、92は、補正電子光学系で形成された複数の中間像からの電子ビームを平行移動(X,Y方向)もしく偏向(Z軸に対する傾き)させる複数の静電偏向器で構成される偏向器である。
10は、X方向およびY方向にのびる2つシングルナイフエッジを有するファラデーカップである。
11は、ウエハ5を載置して移動するXYZ方向に移動可能なXYZステージで、ステージ駆動制御装置23で制御される。
ウエハステージに固設されたファラデーカップ10は、XYZステージの位置を検出するレーザ干渉光学系20と共同して、要素電子光学系からの電子ビームが形成する光源像の電荷量をナイフエッジを介して移動しながら検出することにより、光源像の大きさ、その位置(X、Y,Z)、及び要素電子光学系から照射される電流が検出できる。
次に、図5を用いて補正電子光学系3を構成する要素電子光学系について説明する。
図5(A)において、301は一対の電極で構成され、偏向機能を有するブランキング電極であり、302は、透過する電子ビームの形状を規定する開口(AP)を有する開口絞りで、その上にブランキング電極301と電極on/ofするための配線(W)が形成されている。303は、3つの開口電極で構成され、上下の電極を加速電位V0と同じにし、中間の電極を別の電位V1に保った収斂機能を有するユニポテンシャルレンズである。304はユニポテンシャルレンズ302の焦点面上に位置するブランキング開口である。
コンデンサーレンズ2で略平行にされた電子ビームは、ブランキング電極301と開口(AP)を介し、ユニポテンシャルレンズ302によって、ブランキング開口304上に光源の中間像(MI)を形成する。この時、ブランキング開口304の電極間に電界をかけていないと電子ビーム束305の様にブランキング開口304の開口を透過する。一方、ブランキング開口304の電極間に電界をかけると電子ビーム束306の様にブランキング開口304によって遮断される。また、電子光束305と電子ビーム束306は、ブランキング開口304上(縮小電子光学系の物体面)で互いに異なる角度分布を有するので、図5(B)ように縮小電子光学系の瞳位置(図1のP面上)では電子ビーム束305と電子ビーム束306は互いに異なる領域に入射される。したがって、ブランキング開口304を設ける代わりに電子ビーム束305だけを透過させるブランキング開口304’を縮小電子光学系の瞳位置(図1のP面上)に設けても構わない。それにより補正電子光学系3を構成する他の要素電子光学系のブランキング開口と共用できる。
本実施例では、収斂作用を有するユニポテンシャルレンズを用いたが、発散作用を有するバイポテンシャルレンズを用いて、虚像の中間像を形成してもかまわない。
図1に戻って説明する。補正電子光学系3は、上述した要素電子光学系のそれぞれが形成する中間像の光軸方向の位置が縮小電子光学系4の像面湾曲に応じて異ならしめている。その具体的手段の1つとして、各要素電子光学系を同一のものにし、各要素電子光学系の光軸方向の位置を変えて設置する。もう一つの方法として、各要素電子光学系を同一平面上に設置し、各要素電子光学系の特にユニポテンシャルレンズの電子光学特性(焦点距離、主面位置)を異ならしめて、各中間像の光軸方向の位置を変えるのである。本実施例で採用している後者について、図6を用いて詳細に説明する。
図6において、2つの同一形状の開口(AP1,AP2)を有する開口しぼり302上に開口毎にブランキング電極が形成されブランキングアレイを構成している。そして、各ブランキング電極は個別に配線され独立に電界をon/offできる。(図7参照)
ユニポテンシャルレンズ303−1、303−2は、電極が形成された3枚のインシュレータ307、308、309を張り合わせられてレンズアレイを構成している。上下の電極(303U,303D)は共通電位に(図8参照)、中間電極(303M)は個別に電位が設定できるように(図9参照)配線されている。ブランキングアレイとレンズアレイは、インシュレータ310を介在させて一体構造となっている。
そして、ユニポテンシャルレンズ303−1、303−2の電極形状は同じであるが、中間電極の電位を異ならせているために焦点距離が異なる。よって、電子ビーム束311、312のように各中間像(MI1,MI2)の光軸方向の位置は異なる。
また、各中間像が縮小電子光学系4によって被露光面に縮小投影される際に発生する非点収差を補正するために、各要素電子光学系は逆の非点収差を発生させている。逆の非点収差を発生させるためユニポテンシャルレンズを構成する開口電極の形状を歪ませている。図10に示すように、ユニポテンシャルレンズ303−1のように開口電極形状が円形であるればM方向に分布する電子もS方向に分布する電子も略同じ位置313に中間像を形成する。しかしながらユニポテンシャルレンズ303−3のように開口電極形状が楕円形であると、M方向(短径方向)に分布する電子は、位置314に中間像を形成し、S方向(長径方向)に分布する電子は、位置315に中間像を形成する。
よって、縮小電子光学系4の非点収差に応じて、各要素電子光学系のユニポテンシャルレンズの開口電極形状を変えることにより、各中間像が縮小電子光学系4によって被露光面に縮小投影される際に発生する非点収差を補正できる。
さらに、各中間像が縮小電子光学系4によって被露光面に縮小投影される際に発生するコマ収差を補正するために、各要素電子光学系は逆のコマ収差を発生させている。逆のコマ収差を発生させるために、一つ方法として、各要素電子光学系は、開口絞り302上の開口の中心をユニポテンシャルレンズ303の光軸に対して偏心させている。もう一つ方法として、各要素電子光学系形成された複数の中間像からの電子ビームを偏向器(91、92)によって個別に偏向させている。
さらに、複数の中間像が縮小電子光学系4によって被露光面に縮小投影される際に発生する歪曲収差を補正するために、予め縮小電子光学系4の歪曲特性を知り、それに基づいて、縮小電子光学系4の光軸と直交する方向の各要素電子光学系の位置を設定している。
〔動作の説明〕
各要素電子光学系(31、32)によってウエハ5上に形成される光源像(I1,I2)は、図11(A)に示すように、各要素電子光学系の走査フィールドを各基準位置(A,B)を起点として一定の同一移動量を偏光器6により得て、ウエハを露光し、順に(図中の矢印のように)つぎの露光位置に偏向されウエハを露光する。同図において各升目は、一つの光源像が露光する領域を示し、ハッチングされた升目が露光するべき領域であり、ハッチングされていない升目が露光しない領域であることを示す。
CPU12は、図11(A)ような露光パターンのパターンデータが入力されると、各要素電子光学系毎の走査フィールドに分割し、図11(B)に示すように、各走査フィールド毎の起点位置(A,B)を基準とした露光位置の位置データ(dx,dy)と、その露光位置における、各走査フィールド毎に露光するかどうかの露光データ(ハッチングされた升目を1、ハッチングされていない升目を0とする)とを一組の露光制御データとする。そして、露光制御データを露光順に並べた露光制御データファイルを作成する。(各要素電子光学系の走査フィールドは各基準位置(A,B)を起点として一定の同一移動量を偏向器6により得ているので、一つの位置データに対し複数の走査フィールドの露光データが組み合わせられる。)
更に、露光制御データの中で、すべての走査フィールドで露光しないすなわちすべての露光データが0である露光制御データは削除し(図11(B)のDELで囲まれた露光データ)、図11(C)に示すような露光制御データファイルに作成し直す。そして、その露光制御データファイルをインターフェース13を介してメモリ19に記憶させる。
また、入力されるパターンがある特定の周期(ピッチ)の繰り返しパターンが多い場合(例えば、セルピッチに対応した周期のパターンが多いDRAMの回路パターン)は、各走査フィールドの起点位置間隔がその特定の周期(ピッチ)の整数倍になるように各走査フィールドの起点位置(ウエハ上での、各要素電子光学系を介して形成される光源位置の間隔)を設定する。それにより、すべての露光データが0である露光制御データが増加し、よりデータが圧縮できる。その具体的方法としては、縮小電子光学系4の倍率を調整する方法(第1投影レンズ41と第2投影レンズ42のそれぞれの焦点距離を倍率調整回路22によって変化させる)と、各要素電子光学系が形成する中間像位置を偏向器91、92によって調整する方法とがある。
また、ウエハ5上に既にパターンが形成されていて、そのパターンに本装置に入力されたパターンを重ね焼きする場合、ウエハが重ね焼きする以前に通ったプロセスによりウエハが伸縮し、既に形成されているパターンも伸縮していることがある。そこで、本装置では、図示されていないアライメント装置(ウエハマーク位置検出装置)により、ウエハ5上の少なくとも2つウエハアライメントマークの位置を検出し、既に形成されているパターンの伸縮率を検出する。そして検出された伸縮率に基づいて、縮小電子光学系4の倍率を倍率調整回路22により調整し光源像の間隔を伸縮させるとともに、偏光器6のゲインを偏向制御回路21により調整して光源像の移動量を伸縮させる。よって、伸縮を受けたパターンに対しても、良好な重ね焼きが達成できる。
再度、図1にもどり、本実施例の動作について説明する。CPU12により、露光システムのキャリブレーション命令が出されると、シーケンスコントローラ14は、フォーカス制御回路15を介して、補正電子光学系3の各要素電子光学系が形成する中間像の光軸方向の位置を予め決められた位置に設定する様に各要素電子光学系の中間電極の電位を設定する。
そして、システムコントローラ14は、要素電子光学系31からの電子ビームだけがXYZステージ11側に照射するようにブランキング制御回路16を制御して、要素電子光学系31以外のブランキング電極を作動させる(ブランキングon)。同時に駆動制御装置17によってXYZステージ11を駆動させ、要素電子光学系31からの電子ビームにより形成される光源像近傍にファラデーカップ10を移動させ、その時のXYZステージ11の位置をレーザ干渉計20によって検出する。そして、XYZステージ11の位置の検出およびXYZステージの移動をしながら要素電子光学系31からの電子ビームにより形成される光源像をファラデーカップ10で検出して、その光源像の位置、大きさ、照射される電流を検出する。その光源像が予め決められた大きさになる位置(X1,Y1,Z1)とその時の照射される電流I1を検知する。
つぎに、要素電子光学系32からの電子ビームだけがXYZステージ11側に照射するようにブランキング制御回路16を制御して、要素電子光学系32以外のブランキング電極を作動させる。同時に駆動制御装置17によってXYZステージ11を駆動させ、要素電子光学系31からの電子ビームにより形成される光源像近傍にファラデーカップ10を移動させ、その時のXYZステージ11の位置をレーザ干渉計20によって検出する。そして、XYZステージ11の位置の検出およびXYZステージの移動をしながら要素電子光学系32からの電子ビームにより形成される光源像をファラデーカップ10で検出して、その光源像の位置、大きさ、その時の照射される電流を検出する。その光源像が予め決められた大きさになる位置(X2,Y2,Z2)とその時の照射電流I2を検知する。
そして、検出結果に基づいて、シーケンスコントローラは、要素電子光学系31、32からの電子ビームにより形成される各光源像のXY方向の位置を予め決められた相対的位置関係に位置させる為に、光軸アライメント制御回路18を介して、偏向器91、92により各中間像をXY方向に平行移動させる。また、要素電子光学系31、32からの電子ビームにより形成される各光源像のZ方向の位置を予め決められた範囲内に位置させる為にフォーカス制御回路15を介して各要素電子光学系の中間電極の電位を設定しなおす。さらに、検出された各要素電子光学系のウエハ上に照射する電流をメモリ19に記憶させる。
次に、CPU12の命令によりパターンの露光が開始されると、シーケンスコントローラ14は、予めメモリ19に入力されたウエハ5に塗布されたレジストの感度と、前述したようにメモリ19に記憶された各要素電子光学系毎のウエハ上への照射電流とに基づいて、各要素電子光学系が形成する光源像の露光位置での露光時間(露光位置での光源像の滞在時間)を、要素電子光学系毎に算出し、ブランキング制御回路16に送信する。また、シーケンスコントローラ14は、前述したようにメモリ19に記憶されている露光制御ファイルをブランキング制御回路16に送信する。ブランキング制御回路16では、要素電子光学系毎のブランキングOFF時間(露光時間)を設定し、また送信されてきた露光制御ファイルの中にある、要素電子光学系毎の露光データと要素電子光学系毎のブランキングOFF時間(露光時間)とに基づいて、図12に示すようなブランキング信号を各要素電子光学系に偏向制御回路21と同期して送信し、要素電子光学系毎の露光タイミング、露光量が制御される。(フィールド1に比べフィールド2の方が各露光位置での露光時間が長い)
また一方、シーケンスコントローラ14は、前述したようにメモリ19に記憶されている露光制御ファイルを偏向制御回路21に送信する。偏向制御回路2では、送信されてきた露光制御ファイルの中にある、位置データ基づいて、偏向制御信号、フォーカス制御信号、非点補正信号のそれぞれをD/Aを介して偏向器6、ダイナミックフォーカスコイル7、ダイナミックスティグコイル8にブランキング制御回路16と同期して送信、ウエハ上での複数の光源像の位置が制御される。
偏向器を作動させた際に発生する偏向収差によるフォーカス位置のずれをダイナミックフォーカスコイルだけでは補正しきれない場合は、光源像のZ方向の位置を予め決められた範囲内に位置させる為にフォーカス制御回路15を介して各要素電子光学系の中間電極の電位を調整して中間像の光軸方向の位置を変えても良い。
〔要素電子光学系の他の実施例1〕
図13(A)を用いて要素電子光学系の他の実施例1について説明する。同図中、図5と同一構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
図5の要素電子光学系と大きく異なる点は、開口絞り上の開口形状、ブランキング電極である。この開口(AP)は、ユニポテンシャルレンズ303の光軸近傍に入射する電子ビームを遮蔽し、ホロビーム(中空円筒ビーム)状の電子ビームを形成するものである。ブランキング電極321はこの開口形状に適したブランキング電極で、一対の円筒電極により構成されている。
コンデンサーレンズ2で略平行にされた電子ビームは、ブランキング電極321と開口絞り322を介し、ユニポテンシャルレンズ302によって、ブランキング開口304上に光源の中間像を形成する。この時、ブランキング開口304の電極間に電界をかけていないと電子ビーム束323の様にブランキング開口304の開口を透過する。一方、ブランキング開口304の電極間に電界をかけると電子ビームは偏向され、電子ビーム束324の様にブランキング開口304によって遮断される。また、電子ビーム束323と電子光束324は、ブランキング開口304上(縮小電子光学系の物体面)で互いに異なる角度分布を有するので、図13(B)ように縮小電子光学系の瞳位置(図1のP)では電子ビーム束323と電子ビーム束324は互いに異なる領域に入射される。したがって、ブランキング開口304を設ける代わりに電子ビーム束323だけを透過させるブランキング開口304’を縮小電子光学系の瞳位置に設けても構わない。それにより補正電子光学系3を構成する他の要素電子光学系のブランキング開口と共用できる。
また、ホロビーム(中空円筒ビーム)状の電子ビームは、中空でない電子ビーム(例えばガウスビーム)に比べ空間電荷効果が小さいので、電子ビームをウエハ上に集束してぼけの小さい光源像がウエハ上に形成できる。すなわち、各要素電子光学系からの電子ビームが縮小電子光学系4の瞳面Pを通過する際、瞳面上での電子ビームの電子密度分布を周辺部の電子密度が中央部の電子密度より大とせしめることにより、上記効果が得られる。そしてそのような瞳面P上での電子密度分布は、本実施例のように縮小電子光学系4の瞳面Pとほぼ共役位置に設けられた開口絞り320上の開口(中心部が遮光された開口)によって達成できる。
〔要素電子光学系の他の実施例2〕
次に、図14(A)を用いて要素電子光学系の他の実施例2について説明する。同図中、図5または図13と同一構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
図5の要素電子光学系と大きく異なる点は、開口絞り上の開口形状(図13(A)の開口絞りと同形状)、ブランキング電極がない点である。
コンデンサーレンズ2で略平行にされた電子ビームは、開口絞り322を介し、ユニポテンシャルレンズ302によって、ブランキング開口304上に光源の中間像を形成する。この時、ユニポテンシャルレンズ302の中間電極を所定の電位にしておけば電子ビームは収斂され電子ビーム束330の様にブランキング開口304の開口を透過する。一方、ユニポテンシャルレンズ302の中間電極を他の電極の電位と同じにすると電子ビームは収斂されず、電子ビーム束331の様にブランキング開口304によって遮断される。ユニポテンシャルレンズ302の中間電極の電位を変化させることによりブランキングが制御できる。
また、電子ビーム束331と電子ビーム束332は、ブランキング開口304上(縮小電子光学系の物体面)で互いに異なる角度分布を有するので、図14(B)ように縮小電子光学系の瞳位置(図1のP)では電子光束330と電子光束331は互いに異なる領域に入射される。したがって、ブランキング開口304を設ける代わりに電子ビーム束330だけを透過させるブランキング開口304’を縮小電子光学系の瞳位置に設けても構わない。それにより補正電子光学系3を構成する他の要素電子光学系のブランキング開口と共用できる。
〔露光系の構成要素説明〕
図15は本発明に係る電子ビーム露光装置の実施例2を示す図である。同図中、図1と同一構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
図15において、電子銃1の光源から放射される電子は、その前側焦点位置が前記光源位置にあるコンデンサーレンズ2によって略平行の電子ビームとなる。略平行な電子ビームは、図13で説明された要素電子光学系が光軸に直交する方向に複数配列して形成された要素電子光学系アレイ130(実施例1の補正電子光学系3に相当する)に入射し、複数の中間像を形成する。要素電子光学系アレイ130は、同一の電子光学特性を有する要素電子光学系が複数配列されたサブアレイが複数あり、少なくとも2つのサブアレイ間では、それぞれに属する要素電子光学系の電子光学特性が異なる。要素電子光学系アレイ130の詳細については後述する。
140はサブアレイに入射する電子ビームを偏向(Z軸に対する傾き)させる偏向器であり、サブアレイ毎に設置されている。偏向器140の機能は、コンデンサーレンズ2の収差により異なる位置のサブアレイに入射する電子ビームの入射角の違いをサブアレイ毎に補正するものである。
150はサブアレイが形成する複数中間像の電子ビームを平行移動(X、Y方向)及び偏向(Z軸に対する傾き)する偏向器である。実施例1の91、92に相当するもので、その違いはサブアレイからの複数の電子ビームをまとめて平行移動及び偏向する点である。
要素電子光学系アレイ130によって形成された複数の中間像は、縮小電子光学系100と縮小電子光学系4によってウエハ5に縮小投影される。
本実施例では、露光装置を大型化せずにその縮小率を小さくする為に2段階の縮小を採用している。縮小電子光学系100は、縮小電子光学系4と同様に第1投影レンズ101と第2投影レンズ102よって構成されている。すなわち、縮小電子光学系4と縮小電子光学系100とで一つの縮小電子光学系を構成している。
110は、リフォーカスコイルで、要素電子光学系アレイからの電子ビームの数が多くなると実質的に縮小電子光学系に入射するビームサイズが大きくなり、空間電荷効果により光源像にぼけが発生するので、これを補正するために、シーケンスコントローラ14から得たウエハに照射する光源像の数(offになるブランキング電極の数)に基づいて、フォーカス位置を制御するものである。
120は、縮小電子光学系100の瞳面に位置し、要素電子光学系アレイを構成する要素電子光学系の共通のブランキング開口であり、図13の304’に相当する。
次に、図16を用いて要素電子光学系アレイ130について説明する。同図は要素電子光学系アレイ130を電子銃1側から見た図である。
要素電子光学系アレイ130は、図13で説明された要素電子光学系を配列したもので、複数の開口とそれに対応するブランキング電極及びその配線が一つの基板上に形成されたブランキングアレイと、ユニポテンシャルレンズを構成する電極をインシュレータを介在させて一つの基板に積層させたレンズアレイとで構成され、各開口とそれに対応するユニポテンシャルレンズが向かい合うようにブランキングアレイとレンズアレイとを位置させ結合されている。
130A〜130Gは、複数の要素電子光学系で構成されているサブアレイである。例えばサブアレイ130Aでは要素電子光学系130A−1から130A−16の16個の要素電子光学系が形成されている。そして一つのサブアレイ内では補正する収差量はほぼ同じか、許容範囲内であるので、要素電子光学系130A−1から130A−16のユニポテンシャルレンズは、同一開口電極形状で同一の電位が印可されている。よって電極に個別の電位を印可するための配線が不要となっている。但し、ブランキング電極は、実施例1同様個別の配線が必要である。
もちろんサブアレイを更に複数のサブサブアレイに分け、サブサブアレイ毎に要素電子光学系の電子光学特性(焦点距離、非点収差、コマ収差等)を同一にしても良い。もちろんその時はサブサブアレイ毎に中間電極の配線が必要となる。
〔動作の説明〕
実施例1と異なる点に関し説明する。
まず、露光システムの校正キャリブレーションをする場合、実施例1では、全ての光源像について、その光源像が予め決められた大きさになる位置(X,Y,Z)とその時の照射電流Iを検知していたが、本実施例では、サブアレイを代表する少なくとも1の光源像を検出する。その検出結果に基づいて、シーケンスコントローラは、サブアレイを代表する要素電子光学系の各光源像のXY方向の位置を予め決められた相対的位置関係に位置させる為に、光軸アライメント制御回路18を介して、偏向器150によりサブアレイ内の各中間像を縮小電子光学系の光軸と直交する方向に同じ量だけ平行移動させる。また、そのサブアレイを代表する要素電子光学系の各光源像のZ方向の位置を予め決められた範囲内に位置させる為に、フォーカス制御回路15を介して各サブアレイの中間電極の電位を設定しなおす。さらに、検出されたサブアレイ代表の要素電子光学系の照射電流を、同一のサブアレイ内の各要素電子光学系の照射電流として、メモリ19に記憶させる。
サブアレイ内の各要素電子光学系によってウエハ5上に形成される光源像は、図17に示すように、各要素電子光学系の走査フィールドを各基準位置(黒丸)を起点として同一の移動量を偏向器6により得て、各要素電子光学系の走査フィールドが隣接してウエハを露光する。すると、全てのサブアレイにより、図18のようにウエハを露光する。そして、偏光器7によりY方向にLyステップし、各要素電子光学系の走査フィールドを各基準位置(黒丸)を起点として同一の移動量を偏向器6により得て、ウエハを露光する。以上を4回繰り返すことに図19のように、各サブアレイの露光フィールドが隣接した露光フィールドが形成される。
〔露光系の構成要素説明〕
図20は本発明に係る電子ビーム露光装置の実施例3を示す図である。同図中、図1及び図15と同一構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
本実施例は実施例2に電子ビームを減速する電極もしくは加速する電極を少なくとも1つを付加した点と、光源形状を可変できる手段を設けた点である。
要素電子光学系アレイ130を構成する静電レンズであるユニポテンシャルレンズは、エネルギーの低い電子であればあるほど小型な電子レンズを達成出来る。
しかしながら、電子銃1からの電子ビームを多く取り出す為にアノード電圧を高める必要があり、その結果、電子銃からの電子はエネルギーが高くなることがある。そこで本実施例では、図中のDCEの様な減速用電極を電子銃1と要素電子光学系アレイ130との間にを設けている。減速用電極とはアノードに対して電位の低い電極であって、それにより要素電子光学系アレイ130に入射する電子のエネルギーを調整している。その形状は図中(A)のような要素電子光学系のそれぞれに対応した開口を有するタイプと図中(B)ようなサブアレイのそれぞれに対応した開口を有するタイプがある。
縮小電子光学系(4、100)は、電子ビームのエネルギーが低いと空間電荷効果によりウエハ上での電子ビームの集束性が悪くなるので、ユニポテンシャルレンズからの電子ビームのエネルギーを高める(加速する)必要がある。そこで本実施例では、図中のACEの様な加速用電極を要素電子光学系アレイ130と縮小電子光学系(4、100)との間にを設けている。加速用電極とは要素電子光学系アレイに対して電位の高い電極であって、それにより縮小電子光学系(4、100)に入射する電子のエネルギーを調整している。減速用電極と同様に、その形状は図中(A)のような要素電子光学系のそれぞれに対応した開口を有するタイプと図中(B)ようなサブアレイのそれぞれに対応した開口を有するタイプがある。
実施例1、2および本実施例においても、光源像をウエハ上に転写し、走査することにより所望の露光パターンを形成している。その光源像の大きさは露光パターンの最小線幅の1/5から1/10に設定される。したがって、露光パターンの最小線幅によって光源の大きさを変更することにより、露光の為の光源像移動ステップの数を最小にできる。そこで本実施例では、図中の160のような光源形状整形の為の電子光学系を設けている。電子光学系160は、電子銃の光源S0を第1電子レンズ161によって光源像S1を形成し、第2電子レンズ162によって光源像S1の像S2を形成している。このような構成により、第1電子レンズ161と第2電子レンズ162の焦点距離のそれぞれを変更すれば、光源像S2の位置を固定してその大きさのみを変更できる。第1電子レンズ161と第2電子レンズ162の焦点距離は光源形状整形回路163によって制御される。
また光源像のS2位置に所望の形状を有する開口を設けることにより、光源の大きさばかりでなく形状も変更できる。
〔露光系の構成要素説明〕
図21は本発明に係る電子ビーム露光装置の実施例4を示す図である。同図中、図1、図15及び図20と同一構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
本実施例の電子ビーム露光装置は、ステンシルマスク型の露光装置である。すなわち、電子銃1からの電子ビームを照明領域を規定する開口を有する第1成形アパーチャ200により成形し、第1成形電子レンズ210(電子レンズ211、212で構成する)と成形偏向器220を用いてパターン透過孔を有するステンシルマスク230を照明する。そして、ステンシルマスク230の描画パターン要素を縮小電子光学系(4、100)によってウエハ5上に縮小投影している。
本実施例が従来のステンシルマスク型の露光装置と異なる点は、縮小電子光学系100の瞳近傍に、ステンシルマスク230からの電子ビームが瞳面を通過する際、瞳面上での電子ビームの電子密度分布を周辺部の電子密度が中央部の電子密度より大とせしめる絞りを設けたことである。すなわち図中(A)のような絞り中央部を遮蔽したホロビーム形成絞り240を設けている。すると図22のように、ステンシルマスクからの電子ビームはホロビームの電子密度分布になる。参考のため、従来のガウスビームの電子密度分布も図示する。
〔要素電子光学系の他の実施例1〕で述べたように、ホロビームは従来のガウスビームに比べ空間電荷効果が小さいので、電子ビームをウエハ上に集束してぼけの小さい光源像がウエハ上に形成できる。また、ステンシルマスクを通過する電子ビームはステンシルマスク上に位置する光源と考えられる。すると、ステンシルマスクのパターンの形状を有する光源の像をウエハ上に形成する場合も、空間電荷効果が小さいので光源形状に忠実な光源像が形成できる。すなわち、ステンシルマスクのパターンに忠実な露光パターンがウエハ上に形成できる。
本実施例では、縮小電子光学系100の瞳面近傍にホロビーム形成絞り240を設けたが、縮小電子光学系100の瞳と共役な位置、例えば第1成形レンズ210の瞳位置、光源S2の位置にホロビーム形成絞り240と同形状の絞りを設けても上記効果を達成できる。
また、電子銃の各電極の形状、電位を調整して、光源自体をホロビーム形状にしても良い。
もちろん、本実施例において、第1成形アパーチャ200を矩形開口にし、ステンシルマスクの代わり矩形開口を有する第2成形アパーチャを設置して、可変矩形ビーム型の露光装置に変更しても、同様の構成で同様の効果を達成できる。
次に上記説明した電子ビーム露光装置及び露光方法を利用したデバイスの生産方法の実施例を説明する。
図20は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(露光制御データ作成)では設計した回路パターンに基づいて露光装置の露光制御データを作成する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意した露光制御データが入力された露光装置とウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図21は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によって回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
本実施例の製造方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを低コストに製造することができる。
本発明に係る電子ビーム露光装置の実施例1を示す図。 ステンシルマスクを備えた電子ビーム露光装置の概要を示す図。 ステンシルマスク型露光の概念を説明する図。 本発明の原理を説明する図。 要素電子光学系について説明する図。 補正電子光学系を説明する図。 ブランキング電極の配線図。 上下の開口電極を説明する図。 中間電極を説明する図。 非点収差を有するユニポテンシャルレンズを説明する図。 露光パターンと露光制御データを説明する図。 各要素電子光学系に送信されるブランキング信号を説明する図。 要素電子光学系の他の実施例1を説明する図。 要素電子光学系の他の実施例2を説明する図。 発明に係る電子ビーム露光装置の実施例2を示す図。 要素電子光学系アレイについて説明する図。 サブアレイの走査フィールドを説明する図。 要素電子光学系アレイの走査フィールドを説明する図。 露光フィールドを説明する図。 発明に係る電子ビーム露光装置の実施例3を示す図。 発明に係る電子ビーム露光装置の実施例4を示す図。 瞳面上の電子密度分布を説明する図。 微小デバイスの製造フローを説明する図。 ウエハプロセスを説明する図。
符号の説明
1 電子銃
2 コンデンサーレンズ
3 補正電子光学系
31、32 要素電子光学系
4 縮小電子光学系
5 ウエハ
6 偏向器
7 ダイナミックフォーカスコイル
8 ダイナミックスティグコイル
91、92 偏向器
10 ファラデーカップ
11 XYZステージ
12 CPU
13 インターフェース
14 シーケンスコントローラ
15 フォーカス制御回路
16 ブランキング制御回路
17 駆動制御装置
18 光軸アライメント制御回路
19 メモリ
21 レーザ干渉系
130 要素電子光学系アレイ
160 光源形状整形の為の電子光学系
DCE 減速用電極
ACE 加速用電極
240 ホロビーム形成絞り

Claims (10)

  1. 電子ビーム源からの電子ビームを用いてマスクを照明する照明電子光学系と、
    前記マスクのパターンの像を形成する第1縮小電子光学系と、
    前記第1縮小電子光学系で形成された前記マスクのパターンの像を被露光面上に縮小投影する第2縮小電子光学系と、
    前記第1縮小電子光学系の瞳面を通過する電子ビームの電子密度分布を中央部の電子密度が周辺部の電子密度より小とせしめる電子密度分布調整手段と、を備えることを特徴とする電子ビーム露光装置。
  2. 前記電子密度分布調整手段は、前記第1縮小電子光学系の瞳面位置に設けられた、前記電子ビームの中央部を遮蔽する絞りであることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  3. 前記第2縮小電子光学系に、前記電子ビームを偏向する偏向手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子ビーム露光装置。
  4. 前記第2縮小電子光学系に、前記偏向手段を作動させた際に発生する収差を補正するための補正手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電子ビーム露光装置。
  5. 電子ビーム源からの電子ビームを用いてマスクを照明する照明電子光学系と、
    前記マスクのパターンを前記被露光面上に縮小投影する縮小電子光学系と、
    前記照明電子光学系の瞳面を通過する電子ビームの電子密度分布を中央部の電子密度が周辺部の電子密度より小とせしめる電子密度分布調整手段と、を備えることを特徴とする電子ビーム露光装置。
  6. 前記電子密度分布調整手段は、前記照明電子光学系の瞳面位置に設けられた、前記電子ビームの中央部を遮蔽する絞りであることを特徴とする請求項5に記載の電子ビーム露光装置。
  7. 電子ビーム源から電子ビームを用いて複数の中間像を形成するための複数の要素電子光学系を有する第1電子光学系と、
    前記第1電子光学系で形成された前記複数の中間像を被露光面上に投影する第2電子光学系と、を備え、
    前記第1電子光学系は、前記複数の要素電子光学系の各々を通過する電子ビームの電子密度分布を中央部の電子密度が周辺部の電子密度より小とせしめるための複数の電子密度分布調整手段を有することを特徴とする電子ビーム露光装置。
  8. 前記電子密度分布調整手段は、前記第2電子光学系の瞳面位置と共役な位置に設けられた、前記電子ビームの中央部を遮蔽する絞りであることを特徴とする請求項7に記載の電子ビーム露光装置。
  9. 前記複数の中間像の形成位置は、前記第2電子光学系の収差に基づいて調整されることを特徴とする請求項7または8に記載の電子ビーム露光装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1つに記載の電子ビーム露光装置を用いて被露光基板を露光する段階と、前記被露光基板を現像する段階とを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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