JP2005243212A - 光記録方法、光記録装置及び光記録媒体 - Google Patents

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浩 田畑
Ikuo Matsumoto
郁夫 松本
Kenji Tokui
健二 徳井
Kazuo Yonehara
和男 米原
Kenichi Shimomai
賢一 下舞
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Abstract

【課題】 低記録線速度から高記録線速度にわたって良好な記録特性が得られ、更に1回または複数回のオーバライト特性を良好に維持することができる光記録方法を提供する。
【解決手段】 光記録媒体Aの記録層3に対する第1の記録線速度Vlにおける第1の消去パワーPelを第1の記録パワーPwlで割った第1のパワー比εlと、第2の記録線速度Vmにおける第2の消去パワーPemを第2の記録パワーPwmで割った第2のパワー比εmと、第3の記録線速度Vhにおける第3の消去パワーPehを第3の記録パワーPwhで割った第3のパワー比εhとが下記(1)式なる関係(ここでVl<Vm<Vh)を満たす。
εh<εm<εl …(1)
【選択図】 図1

Description

本発明は、光(例えばレーザ光)の照射によって情報の記録・再生または消去を行う光記録方法、光記録装置及び光記録媒体に関するものである。特に本発明は、光ディスク、光カードなどの書き換え可能な相変化型記録媒体において、低線速度(低倍速)から高線速度(高倍速)までにわたる複数の線速度のうちから選択した線速度で光記録する際に複数の線速度のいずれにおいても良好なオーバーライト特性が得られる光記録方法、光記録装置及び光記録媒体を提供するものである。
相変化型光記録媒体とは、例えば近年のCD−RW、DVD−RWやDVD−RAMであり、情報を書換えることを可能とする媒体である。なかでもDVD−RWやDVD−RAMは主に映像情報のような情報量が大きいものの記録、書換えに使用される。相変化型光記録媒体には、優れた記録特性、優れたオーバーライト特性に加えて高線速度での記録も要求されている。
従来の書換え可能な相変化型光記録媒体の構成及び記録方法は以下の通りである。
相変化型光記録媒体は、記録・再生または消去用の各パワーを有するレーザ光が照射される面を底面とする基板上に、少なくとも誘電体層、記録層、誘電体層、反射層を順次積層した構成である。このように構成される相変化型光記録媒体において、記録時に記録パワーのレーザ光で記録パルスを記録層に印加(照射)して記録層を溶融し、急冷することにより、非結晶の記録マークを形成する。この記録マークの反射率は結晶状態の記録層の反射率より低いので、この記録マークを光学的に記録情報として読み取ることが可能である。この記録マークを消去する場合、記録パワーより小さなパワー(消去パワー)のレーザ光を照射することにより、記録層を結晶化温度以上融点以下の温度にし、非結晶状態から結晶状態にすることによって記録マークを消去し、オーバーライト可能としている。
近年、DVD1倍速の複数倍(例えば4倍速)に対応した光記録媒体が登場しており、記録情報を複数の線速度のうちから選択した線速度で記録することができるようになってきた。このようなマルチスピード化に対応して、特開2000−155945号公報では、低線速度記録における記録パワーPwlと消去パワーPelとのパワー比(Pel/Pwl)を、高線速度記録における記録パワーPwhと消去パワーPehとのパワー比(Peh/Pwh)より小さくするといった記録方法が提案されている。しかしこの方法では高線速度記録において、消去パワーPehが高くなるために結晶部となるべき部分がアモルファス化して、初回記録から記録特性が悪化する。また、このアモルファス化を防ぐために記録膜組成の結晶化速度を速めるなどの調整を行ったとしても、消去パワーPehが高いために記録膜の偏析が起こり易くなり1千回以上の繰り返し記録で反射率が低下して、記録特性が悪化し、オーバライトには好ましくないことが本発明者の検討で分かった。
特開2002−92889号公報では、記録線速度や記録パワーに無関係に消去パワーPeを一定にするといった記録方法が提案されている。しかし、低線速度、中線速度及び高線速度での記録において、それぞれの線速度に最適の消去パワー値があるために、幅広い(低〜高)線速度で良好な記録特性が得られないことが、本発明者の検討で分かった。
特開2001−297481号公報では、低線速度でのパワー比(Pe/Pw)Lと中線速度でのパワー比(Pe/Pw)refと高線速度でのパワー比(Pe/Pw)Hにおいて、(Pe/Pw)ref>(Pe/Pw)H>(Pe/Pw)Lといった関係が提案されている。しかし、この方法では、特に低線速度において消去パワーが小さいために少数回のオーバーライト特性が良くないことが、本発明者の検討で分かった。
特開2000−155945号公報 特開2002−92889号公報 特開2001−297481号公報
上記したように、光記録媒体のマルチスピード化に対応する従来の記録方法は、記録線速度を高くするほどパワー比を大きくする、またはパワー比を中線速度で最も大きくし低線速度で最も小さくする、あるいは消去パワーをいずれの線速度でも一定にするといった方法である。しかしこれらの方法では、高記録線速度での消去パワーPehが大きくなるために初回記録特性またはオーバーライト特性を十分に確保することが難しい、あるいは低記録線速度での消去パワーPeLが低いためにオーバーライト特性を十分に確保することが難しかった。
そこで本発明は、前記した問題を解決するために創案されたものであり、マルチスピードでの記録において各記録線速度での記録条件を規定することによって、低記録線速度から高記録線速度(例えばDVD1倍速の低線速度からDVD4倍速(線速度:14.0m/s)以上の高線速度の記録)にわたって良好な記録特性が得られ、更に1回または複数回のオーバーライト特性を良好に維持することができる光記録方法、光記録装置及び光記録媒体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、次の(a)〜(i)の光記録方法、光記録装置及び光記録媒体を提供するものである。
(a)相変化型光記録媒体(A)の記録層(3)に記録情報を記録する光記録方法において、前記記録情報を変調して変調データを生成する変調ステップと、前記変調データに基づいて所望のマーク長を生成するマーク長生成ステップと、前記マーク長に基づいて、消去パワー(Pe)から立ち上がり前記消去パワーより大なる記録パワー(Pw)と前記消去パワーより小なるボトムパワー(Pb)との間で形成される記録パルス(Ttop,Tmp)と、前記ボトムパワーから前記消去パワーへと立ち上がる消去パルス(Tcl)とよりなる記録パルスパターンを生成し、前記記録層に対して記録光を前記記録パルスパターンに応じて照射して前記記録情報を示す記録マークを記録する記録ステップとを含み、前記記録ステップは、前記記録層に対する記録線速度を第1の記録線速度Vlと第2の記録線速度Vmと第3の記録線速度Vh(ここでVl<Vm<Vh)とから選択した記録線速度で記録するものであり、前記記録ステップにおける前記第1の記録線速度Vlによる記録と前記第2の記録線速度Vmによる記録と前記第3の記録線速度Vhによる記録は、前記第1の記録線速度Vlにおける第1の消去パワーPelを第1の記録パワーPwlで割った第1のパワー比εlと、前記第2の記録線速度Vmにおける第2の消去パワーPemを第2の記録パワーPwmで割った第2のパワー比εmと、前記第3の記録線速度Vhにおける第3の消去パワーPehを第3の記録パワーPwhで割った第3のパワー比εhとが下記(1)式なる関係
εh<εm<εl …(1)
を満たすことを特徴とする光記録方法。
(b)前記第3のパワー比εhと前記第1のパワー比εlとの比εh/εlをαとしたとき、前記記録ステップにおける前記第1の記録線速度Vlによる記録と前記第3の記録線速度Vhによる記録は、下記(2)式なる関係
0.45<α<0.80 …(2)
を満たすことを特徴とする(a)記載の光記録方法。
(c)前記記録ステップにおける前記第1の記録線速度Vlによる記録と前記第2の記録線速度Vmによる記録と前記第3の記録線速度Vhによる記録は、下記(3)式なる関係
Pwl<Pwm<Pwh …(3)
を満たすことを特徴とする(a)または(b)記載の光記録方法。
(d)相変化型光記録媒体(A)の記録層(3)に記録情報を記録する光記録装置において、前記記録情報を変調して変調データを生成するエンコーダ(42)と、前記変調データに基づいて所望のマーク長を生成するマーク長生成部(41)と、前記マーク長に基づいて、消去パワー(Pe)から立ち上がり前記消去パワーより大なる記録パワー(Pw)と前記消去パワーより小なるボトムパワー(Pb)との間で形成される記録パルス(Ttop,Tmp)と、前記ボトムパワーから前記消去パワーへと立ち上がる消去パルス(Tcl)とよりなる記録パルスパターンを生成し、前記記録層に対して記録光を前記記録パルスパターンに応じて照射して前記記録情報を示す記録マークを記録する記録部(400)とを含み、前記記録部は、前記記録層に対する記録線速度を第1の記録線速度Vlと第2の記録線速度Vmと第3の記録線速度Vh(ここでVl<Vm<Vh)とから選択した記録線速度で記録するものであり、前記記録部における前記第1の記録線速度Vlによる記録と前記第2の記録線速度Vmによる記録と前記第3の記録線速度Vhによる記録は、前記第1の記録線速度Vlにおける第1の消去パワーPelを第1の記録パワーPwlで割った第1のパワー比εlと、前記第2の記録線速度Vmにおける第2の消去パワーPemを第2の記録パワーPwmで割った第2のパワー比εmと、前記第3の記録線速度Vhにおける第3の消去パワーPehを第3の記録パワーPwhで割った第3のパワー比εhとが下記(1)式なる関係
εh<εm<εl …(1)
を満たすことを特徴とする光記録装置。
(e)前記第3のパワー比εhと前記第1のパワー比εlとの比εh/εlをαとしたとき、前記記録部における前記第1の記録線速度Vlによる記録と前記第3の記録線速度Vhによる記録は、下記(2)式なる関係
0.45<α<0.80 …(2)
を満たすことを特徴とする(d)記載の光記録装置。
(f)前記記録部における前記第1の記録線速度Vlによる記録と前記第2の記録線速度Vmによる記録と前記第3の記録線速度Vhによる記録は、下記(3)式なる関係
Pwl<Pwm<Pwh …(3)
を満たすことを特徴とする(d)または(e)記載の光記録装置。
(g)相変化型光記録媒体(A)において、消去パワー(Pe)から立ち上がり前記消去パワーより大なる記録パワー(Pw)と前記消去パワーより小なるボトムパワー(Pb)との間で形成される記録パルス(Ttop,Tmp)と、前記ボトムパワーから前記消去パワーへと立ち上がる消去パルス(Tcl)とよりなる記録パルスパターンに応じて記録光を照射することにより記録情報を示す記録マークを記録する記録層(3)を備え、前記記録層の所定の領域には第1の記録線速度Vlと第2の記録線速度Vmと第3の記録線速度Vh(ここでVl<Vm<Vh)それぞれにおける記録パワーと消去パワーとを示す識別情報が記録されており、前記識別情報は前記第1の記録線速度Vlにおける第1の消去パワーPelを第1の記録パワーPwlで割った第1のパワー比εl、前記第2の記録線速度Vmにおける第2の消去パワーPemを第2の記録パワーPwmで割った第2のパワー比εm、前記第3の記録線速度Vhにおける第3の消去パワーPehを第3の記録パワーPwhで割った第3のパワー比εhとが下記(1)式なる関係
εh<εm<εl …(1)
を満たすことを特徴とする光記録媒体。
(h)前記第3のパワー比εhと前記第1のパワー比εlとの比εh/εlをαとしたとき、前記識別情報は下記(2)式なる関係
0.45<α<0.80 …(2)
を満たすことを特徴とする(g)記載の光記録媒体。
(i)前記識別情報は下記(3)式なる関係
Pwl<Pwm<Pwh …(3)
を満たすことを特徴とする(g)または(h)記載の光記録媒体。
記録線速度のマルチスピード化においても良好な記録特性が得られ、更に1回または複数回のオーバーライトを行ってもその特性を良好に維持することができる。
≪光記録媒体の構成≫
相変化型光記録媒体としては、DVD−RWなどの相変化型光ディスク、光カードなどの、情報を繰り返しオーバーライト可能な媒体が挙げられる。なお以下の説明においては相変化型光記録媒体の一実施形態として、相変化型光ディスク(光記録媒体A)を用いるが、これ以外の光カード等の同様な構成を有する相変化型光記録媒体についても本発明を適用可能であることは言うまでもない。
図1は、本発明の一実施形態である光記録媒体Aを示す拡大断面図である。光記録媒体Aは、その基本的な構成として、記録・再生または消去用レーザ光が入射する入射面1aを底面とする基板1上に、第1保護層2、記録層3、第2保護層4、反射層5、第3保護層6を順次積層したものである。
基板1の材料としては、各種透明な合成樹脂、透明ガラスなどが使用できる。埃の付着や基板1の傷などの影響を避けるために、透明な基板1を用い、集光したレーザ光で基板1の入射面1a側から記録層3に情報を記録する。このような基板1の材料として例えば、ガラス、ポリカーボネイト、ポリメチル・メタクリレート、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。特に、光学的複屈折及び吸湿性が小さく、成形が容易であることからポリカーボネイト樹脂が好ましい。
基板1の厚さは、特に限定するものではないが、DVDとの互換性を考慮すると0.01mm〜0.6mmが好ましく、なかでも0.6mmが最も好ましい(DVDの全厚は1.2mm)。これは基板1の厚さが0.01mm未満であれば、基板1の入射面1a側から収束したレーザ光で記録する場合でも、ごみの影響を受け易くなるからである。また、光記録媒体の全厚に制限がないのであれば、実用的には0.01mm〜5mmの範囲内であればよい。5mm以上であれば対物レンズの開口数を大きくすることが困難になり、照射レーザ光のスポットサイズが大きくなるため、記録密度をあげることが困難になるからである。
基板1はフレキシブルなものでも良いし、リジッドなものであっても良い。フレキシブルな基板1は、テープ状、シート状、カード状の光記録媒体で使用する。リジッドな基板1は、カード状、あるいはディスク状の光記録媒体で使用する。
第1保護層2及び第2保護層4は、記録時に基板1、記録層3などが熱によって変形して記録特性が劣化することを防止するなど、基板1、記録層3を熱から保護する効果を奏したり、光学的な干渉効果により再生時の信号コントラストを改善する効果を奏する。
第1保護層2及び第2保護層4はそれぞれ、記録・再生または消去用のレーザ光に対して透明であって屈折率nが1.9≦n≦2.3の範囲にあることが望ましい。さらに、第1保護層2及び第2保護層4の材料は熱特性の点から、SiO2、SiO、ZnO、TiO2、Ta25、Nb25、ZrO2、MgOなどの酸化物、ZnS、In23、TaS4などの硫化物、SiC、TaC、WC、TiCなどの炭化物の単体及び混合物が好ましい。なかでも、ZnSとSiO2の混合膜は、記録、消去の繰り返しによっても、記録感度、C/N、消去率などの劣化が起こりにくいことから特に好ましい。
また第1保護層2及び第2保護層4は、同一の材料、組成でなくとも良く、異種の材料から構成されていてもかまわない。
第1保護層2の厚さは、およそ5nm〜500nmの範囲である。さらには、第1保護層2の厚さは、基板1や記録層3から剥離し難く、クラックなどの欠陥が生じ難いことから、20nm〜300nmの範囲が好ましい。20nmより薄いと、ディスクの光学特性を確保しにくく、300nmより厚いと生産性に劣る。なお、より好ましくは30nm〜80nmの範囲である。
第2保護層4の厚さは、C/N、消去率などの記録特性が良く、安定に多数回の書き換えが可能なことから、5nm〜40nmの範囲が好ましい。5nmより薄いと記録層3の熱確保が難しくなるため最適記録パワーが上昇し、40nmより厚いとオーバーライト特性の悪化を招く。より好ましくは、8nm〜20nmの範囲である。
記録層3は、Ag−In−Sb−Te合金やGe−In−Sb−Te合金、またはGe−In−Sb−Te合金にAgまたはSi、Al、Ti、Bi、Gaのいずれかを少なくとも1種類含んでいる合金層である。また記録層3の層厚は、10nm〜25nmが好ましい。層厚が10nmより薄いと結晶化速度が低下し高速記録特性が悪くなり、25nmより厚いと記録時に大きなレーザパワーが必要となる。
記録層3の片面、もしくは両面に接する界面層を設けても良い。界面層の材料としては、硫黄物を含まないことが重要である。硫黄物を含む材料を界面層として用いると、オーバーライトの繰り返しにより界面層に含まれる硫黄が記録層3中に拡散し、記録特性が劣化することがあるので好ましくない。また、消去特性が優れないという点からも好ましくない。
界面層の材料としては、窒化物、酸化物、炭化物のうち少なくとも1種類を含む材料が好ましく、具体的には窒化ゲルマニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、炭化シリコン、炭素のうち少なくとも1種類を含む材料が好ましい。また、これらの材料に酸素、窒素、水素などを含有させても良い。前述の窒化物、酸化物、炭化物は化学量論組成でなくても良く、窒素、酸素、炭素が過剰あるいは不足していても良い。このことで界面層が剥離しにくくなり、保存耐久性等が向上するなど、界面層の特性が向上する場合がある。
反射層5の材料としては、光反射性を有するAl、Au、Agなどの金属、これらの金属を主成分とし、1種類以上の金属または半導体からなる添加元素を含む合金、及びこれらの金属にAl、Siなどの金属窒化物、金属酸化物、金属カルコゲン化物などの金属化合物を混合したものなどが挙げられる。
なかでもAl、Au、Agなどの金属、及びこれらの金属を主成分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝導度を高くできることから好ましい。合金の例としては、AlにSi、Mg、Cu、Pd、Ti、Cr、Hf、Ta、Nb、Mn、Zrなどの少なくとも1種類の元素を混合したもの、あるいは、AuまたはAgにCr、Ag、Cu、Pd、Pt、Ni、Nd、In、Caなどの少なくとも1種類の元素を混合したものなどが一般的である。しかし高線速度記録を考慮した場合には、とりわけ熱伝導率の高いAgを主成分とする金属または合金が、記録特性の点から好ましい。
ただし、反射層5に純銀や銀合金を用いた場合には、AgS化合物の生成を抑制するため、反射層5に接する層はSを含有していない材料を用いることが好ましい。
反射層5の厚さは、反射層5を形成する材料の熱伝導率の大きさによって変化するが、50nm〜300nmであるのが好ましい。反射層5の厚みが50nm以上であれば、反射層5は光学的には変化せず反射率の値に影響を与えないが、反射層5の厚みが増すと冷却速度への影響が大きくなる。また、300nmを超える厚さを形成するのは製造上時間を要する。従って熱伝導率の高い材料を用いることにより、反射層5の層厚をなるべく最適範囲に制御する。
ここで、反射層5にAgまたはAg合金を、第2保護層4にZnSとSiO2の化合物を用いる場合には、第2保護層4と反射層5の間に拡散防止層(図示せず)を挿入することが好ましい。これは第2保護層4中のSと反射層5中のAgとの化学反応により生成されるAgS化合物による反射率の低下を抑制するためである。
拡散防止層の材料としては、上記した界面層と同様に硫黄物を含まない材料であるのが重要であり、具体的な材料は界面層の材料と同様である。
≪光記録媒体の製造方法≫
第1保護層2、記録層3、第2保護層4、反射層5などを基板1上に積層する方法としては、公知の真空中での薄膜形成法が挙げられる。例えば、真空蒸着法(抵抗加熱型や電子ビーム型)、イオンプレーティング法、スパッタリング法(直流や交流スパッタリング、反応性スパッタリング)であり、特に、組成、層厚のコントロールが容易であることから、スパッタリング法が好ましい。
また、真空漕内で複数の基板1を同時に成膜するバッチ法や、基板1を1枚ずつ処理する枚葉式成膜装置を使用することが好ましい。形成する第1保護層2、記録層3、第2保護層4、反射層5などの層厚の制御は、スパッタ電源の投入パワーと時間を制御したり、水晶振動型膜厚計で堆積状態をモニタリングしたりすることで容易に行える。
また、第1保護層2、記録層3、第2保護層4、反射層5などの形成は、基板1を固定した状態、あるいは移動、回転した状態のどちらで行っても良い。層厚の面内の均一性に優れることから、基板1を自転させることが好ましく、さらに公転を組み合わせることがより好ましい。必要に応じて基板1の冷却を行うと、基板1の反り量を減少させることができる。
また本発明の効果を著しく損なわない範囲において、反射層5などを形成した後、すでに形成した各層の変形防止等のため、ZnS、SiO2等を用いた誘電体層あるいは紫外線硬化樹脂等を用いた樹脂保護層を第3保護層6として必要に応じて設けても良い。
このあと、同様に各層を形成した基板1をもう1枚用意し、2枚の基板1を接着剤などで貼り合わせて、両面の光記録媒体としても良い。
続いて、初期化は記録層3にレーザ光、キセノンフラッシュランプ等の光を照射して加熱し、記録層3の構成材料を結晶化させることである。再生ノイズが少ないことから、レーザ光による初期化が好ましい。
図2に光記録媒体Aの平面図を示す。光記録媒体Aはセンターホール51と、その外周にクランプエリア52を有する。クランプエリア52の外周には情報エリア(リードインエリア)53が同心円上に設けられていて、さらにその外周領域は映像情報や音声情報等の実データを記録するための記録エリア54となっている。ここで、リードインエリア53は、ROM状態またはRAM状態のどちらであっても良い。その他に、トラッキング信号を得るためのレーザガイド溝に高周波ウォブルやピットを形成することにより、再生専用の記録情報として格納する方法もある。
リードインエリア53には、光記録媒体Aが良好な特性を得られるよう記録されるための記録条件が識別情報として記録されている。識別情報は例えば後述する記録マーク形成時に用いるレーザ光のレーザ強度や、後述する(1)、(2)、(3)式のような関係を示す記録条件である。
≪光記録媒体の記録方法≫
図3に、光記録媒体Aに情報を記録するときに使用する記録パルスパターンを示す。記録パルスパターンに基づいてレーザ光を3値(記録パワーPw、消去パワーPe、ボトムパワーPb)のレーザ強度で変調して、記録信号のマーク長に対応してパルス数を増減させ、所望のマーク長の記録マークを記録層3に形成する。レーザ強度は記録パワーPwが一番大きく、消去パワーPe、ボトムパワーPbの順に小さい。
記録パルスパターンは図3に示すように、消去パワーPeから立ち上がって最初に記録層3にレーザ光を記録パワーPwで印加する先頭パルスTtopと、先頭パルスTtopに続くパルスであり、記録パワーPwとボトムパワーPbとを交互に印加するマルチパルスTmpと、レーザ光をボトムパワーPbから立ち上がって、消去パワーPeを印加する終端に位置する消去パルスTclからなる。先頭パルスTtopとマルチパルスTmpとは記録層3に対して記録マークを形成するための記録パルスとなっている。なお、マルチパルスTmpがなく先頭パルスTtopのみで記録パルスが形成される場合もある。
例えばDVD−RWでは、マーク長は3T、4T、5T、6T、7T、8T、9T、10T、11T、14Tの10種類ある。マーク長をnTとした場合、マルチパルスTmpの数は一般的に(n−1)または(n−2)である。図3では(n−2)の場合を示した。ここで、Tとは単位クロックであり、DVD−RWでは、DVD1倍速時(記録線速度:3.5m/s)で1T=38.2ns、DVD4倍速時(記録線速度:14.0m/s)で1T=9.6nsである。
また、近年の高速化記録に伴い単位クロックTが数nsオーダーと短くなるため、レーザパルスの立ち上がり・立ち下り応答限界を考慮して、図4に示すような、2Tを基準とした記録パルスパターンを用いても良い。図4において記録パルスAは3T、記録パルスBは11T、記録パルスCは14Tのマーク長を有する記録マークを形成するための記録パルスパターンを示す。
≪光記録装置≫
図5に、所望の記録パルスパターンをもったレーザ光を光記録媒体Aに照射するための本発明の一実施形態である光記録装置を示す。
まず、スピンドルモータ31は光記録媒体Aを回転させる。スピンドルモータ31の回転数が目的の記録速度に対応する記録線速度となるよう回転制御部32が制御する。また光記録媒体Aの記録・再生または消去に用いる半導体レーザ(LD)33や、LD33のレーザ光を集光照射させる対物レンズ(図示せず)及び例えば4分割受光素子(図示せず)を備えた光ヘッド34が、光記録媒体Aの半径方向に移動自在に設けられている。
なお、本実施形態の光記録装置に用いる記録用の光源としては、レーザ光、ストロボ光のように高強度の光源が好ましい。なかでも半導体レーザ光は光源が小型化できること、消費電力が小さいこと、変調が容易であることから好ましい。
光ヘッド34の4分割受光素子は、光記録媒体AにLD33から照射したレーザ光の反射光を受光する。4分割受光素子は受光した光に基づいてプッシュプル信号を生成し、ウォブル検出部36に出力する。また、4分割受光素子は受光した光に基づいてフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号をドライブコントローラ44に出力する。更に、4分割受光素子の合成信号である再生信号は、反射率検出部46に出力される。
ドライブコントローラ44は、供給されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいてアクチュエータ制御部35を制御する。アクチュエータ制御部35は光ヘッド34の光記録媒体Aへのフォーカス及びトラッキングを制御する。反射率検出部46は、供給された再生信号に基づいて反射率を検出し、検出結果をシステムコントローラ45に出力する。
ウォブル検出部36はプログラマブルバンドパスフィルタ(BPF)361を備え、検出したウォブル信号をアドレス復調回路37に出力する。アドレス復調回路37は検出されたウォブル信号からアドレスを復調して出力する。復調されたアドレスが入力される記録クロック生成部38はPLLシンセサイザ回路381を有し、記録チャネルクロックを生成して記録パルス生成部39及びパルス数制御部40に出力する。
記録クロック生成部38はドライブコントローラ44によって制御される。ドライブコントローラ44は回転制御部32,アクチュエータ制御部35、ウォブル検出部36、アドレス復調回路37及びシステムコントローラ45も制御する。
ドライブコントローラ44はウォブル検出部36より供給されたウォブル信号を、記録クロック生成部38に出力する。また、アドレス復調回路37より供給されたアドレス情報をシステムコントローラ45に出力する。
システムコントローラ45はメモリ451を有し、EFM+エンコーダ42、マーク長カウンタ41、パルス数制御部40及びLDドライバ部43を制御する。EFM+エンコーダ42は入力された記録情報を8−16変調して変調データとし、記録パルス生成部39とマーク長カウンタ41に出力する。マーク長カウンタ41は変調データに基づいて所定のマーク長をカウントするマーク長生成部として動作し、そのカウント値を記録パルス生成部39とパルス数制御部40に出力する。パルス数制御部40は、供給されたカウント値と記録チャネルクロックに基づいて記録パルスが所定のパルスとなるように記録パルス生成部39を制御する。
記録パルス生成部39は先頭パルス制御信号生成部39tとマルチパルス制御信号生成部39mと消去パルス制御信号生成部39cとを備える。先頭パルス制御信号生成部39tは先頭パルス制御信号を、マルチパルス制御信号生成部39mはマルチパルス制御信号を、消去パルス制御信号生成部39cは消去パルス制御信号をそれぞれ生成する。それぞれの制御信号はLDドライバ部43に供給され、スイッチング部431は記録パワーPwの駆動電流源431w、消去パワーPeの駆動電流源431e、ボトムパワーPbの駆動電流源431bを供給された制御信号に基づいてスイッチングすることで記録パルスパターンを生成する。
Pw駆動電流源431w、Pe駆動電流源431e及びPb駆動電流源431bは、システムコントローラ45のメモリ451に記憶されている記録パワーPw、消去パワーPe及びボトムパワーPbに基づいて光ヘッド34に電流を供給する。これら3値は光記録媒体Aの記録特性を良好にするための最適な値であり、この最適な値を示す識別情報は予めメモリ451に格納されているか、アップデートにより格納されるか、あるいは反射率検出部46を利用して求めて格納することもできる。なお、メモリ451は例えばROM(Read Only Memory)または、記録可能なRAM(Random Access Memory)である。
ところで、本実施形態の光記録装置は、光記録媒体の高線速度(高倍速)化に対応して複数の記録線速度のうちから選択した記録線速度を設定できる用にしている。システムコントローラ45は記録線速度(倍速モード)を選択するための指示信号が入力されると、メモリ451に記憶されている指示された記録線速度における識別情報に基づいてPw駆動電流源431w、Pe駆動電流源431e及びPb駆動電流源431bを上記同様に制御する。メモリ451には複数の記録線速度における識別情報が上述したように格納されている。
なお、後述する(1)式(2)式(3)式で示す識別情報もメモリ451に格納されている。
生成された記録パルスパターンは光ヘッド34に入力される。光ヘッド34はLD33が所望の記録パルスパターン及びパワー比ε(Pw/Pe)のLD発光波形を出力するよう制御することにより、記録情報を光記録媒体Aに記録する。
記録パルス生成部39とLDドライバ部43と光ヘッド34とは、マーク長カウンタ41で生成されたマーク長に基づいて、消去パワーPeから立ち上がり、消去パワーPeより大なる記録パワーPwと消去パワーPeより小なるボトムパワーPbとの間で形成される記録パルスと、ボトムパワーPbから消去パワーPeへと立ち上がる消去パルスとよりなる記録パルスパターンを生成し、記録層3に対してLD33より記録光を記録パルスパターンに応じて照射して記録情報を示す記録マークを記録する記録部400として動作している。
≪パワー比εの検討≫
なお本実施形態では、各記録線速度における記録パワーPw、消去パワーPe及びパワー比ε(消去/記録:Pe/Pw)を次のように設定した。低線速度での記録パワーPwl、消去パワーPel、中線速度での記録パワーPwm、消去パワーPem、高線速度での記録パワーPwh、消去パワーPehとし、低線速度、中線速度、高線速度のパワー比をそれぞれεl(=Pel/Pwl)、εm(=Pem/Pwm)、εh(=Peh/Pwh)とした。
ここで高線速度、中線速度、低線速度とは、記録・再生または消去用レーザの光記録媒体への相対走査速度Vがそれぞれ高速、中速、低速であることを示し、それぞれの走査速度をVh(高速)、Vm(中速)、Vl(低速)とした場合に、Vl<Vm<Vhであることとしている。
例えばCLV(線速度一定)記録の場合では、Vh=4倍速、Vm=2倍速、Vl=1倍速の組み合わせとしたり、Vh=6倍速、Vm=4倍速、Vl=2倍速の組み合わせとしても良い。また、CAV(角速度一定)記録の場合には、最内周と最外周との間の径方向の位置の違いによる走査速度Vの違いであり、例えば最内周でVl、最外周でVh、その間の半径では任意の位置のVmである。
本発明者は光記録媒体Aの記録及びオーバライト特性を良好にするには、各記録線速度におけるパワー比ε(εl、εm、εh)の大小関係を特許文献3とは異なる関係とするほうが好ましいのではないかと推定し、下記の実施例D−1〜D−3及び比較例D−4〜D−8に基づいてその推定が正しく、記録及びオーバライト特性が最良となるパワー比εの関係を有することを見出した。
以下の各実施例及び各比較例では、波長が658nmのレーザダイオード、NA=0.60の光学レンズを搭載したパルステック社製光ディスクドライブテスタ(DDU1000)を用いて記録(1ビーム・オーバーライト)と再生を行った。
記録信号は8−16(EFM+)変調ランダムパターンを用いて記録再生評価を行った。ビット長は0.267μm/ビットであり、DVD−ROMと同密度の記録を行い、容量は4.7Gバイトに相当する。記録は、隣接トラックも含め10回オーバーライトした後、その再生信号の振幅の中心でスライスし、クロック・トゥー・データ・ジッタを測定した。なお再生光のレーザパワーPrは0.7mWで一定とした。
また、記録ストラテジは、図3に示すようなDVD-RW Version1.1の規定に従った分割パルス系列を用いた。
(実施例D−1)
直径が120mm、板厚が0.6mmのポリカーボネイト樹脂製の基板1上に、後述する各層を形成した。基板1にはトラックピッチが0.74μmで空溝が形成されている。この溝深さは25nmであり、グルーブ幅とランド幅の比は、およそ40:60であった。
まず、真空容器内を3×10-4Paまで排気した後、2×10-1PaのArガス雰囲気中でSiO2を20mol%添加したZnSターゲットを用い高周波マグネトロンスパッタ法により、基板1上に層厚70nmの第1保護層2を形成した。
続いて、記録層3をGe−In−Sb−Teの4元素単一合金ターゲットで層厚16nm、続いて第2保護層4を第1保護層2と同じ材料で層厚16nm、反射層5をAg−Pd−Cuターゲットで層厚120nmとして、順次積層した。
基板1を真空容器内より取り出した後、この反射層5上にアクリル系紫外線硬化樹脂(ソニーケミカル製SK5110)をスピンコートし、紫外線照射により硬化させて膜厚が3μmの第3保護層6を形成して、図1に示す光記録媒体Aを得た。
記録層3の初期化は、初期化装置(日立コンピュータ機器製POP120)にて、ラジアル方向レーザ光幅250μm、走査方向レーザ光幅1.0μmのレーザを用いて、走査線速度4.5m/s、レーザパワー1600mW、送りピッチ220μmの条件で行った。
続いて、光記録媒体Aに基板1の入射面1a側から記録層3の案内溝であるグルーブ部に記録を行った。グルーブは記録・再生または消去用レーザの光の入射方向から見て凸状になっている。
記録線速度は、低線速度記録では3.5m/s(DVD規格1倍速相当)、中線速度記録では7.0m/s(DVD規格2倍速相当)、高線速度記録では14.0m/s(DVD規格4倍速相当)として、8−16変調ランダムパターンを用いて評価を行った。単位クロック時間Tはそれぞれ、低線速度(1x)で38.2ns、中線速度(2x)で19.1ns、高線速度(4x)で9.6nsである。
記録の条件である記録パルスパターンは、低線速度とした記録線速度3.5m/sにおいて、Ttop=0.3[T]、Tmp=0.4[T]、Tcl=1.3[T]とした。また、レーザ光のレーザ強度は記録パワーPw(Pwl)=14.1[mW]、消去パワーPe(Pel)=7.2[mW]、ボトムパワーPb=0.5[mW]の3値を用いた(εl=0.51)。
中線速度とした記録線速度7.0m/sにおいては、Ttop=0.4[T]、Tmp=0.4[T]、Tcl=0.9[T]を、記録パワーPw(Pwm)=16.2[mW]、消去パワーPe(Pem)=7.6[mW]、ボトムパワーPb=0.5[mW]を用いた(εm=0.47)。
高線速度とした記録線速度14.0m/sにおいては、Ttop=0.6[T]、Tmp=0.5[T]、Tcl=0.0[T]を、記録パワーPw(Pwh)=17.2[mW]、消去パワーPe(Peh)=4.6[mW]、ボトムパワーPb=0.5[mW]を用いた(εh=0.27)。
なお、本実施例D−1のパワー比の関係はεh<εm<εlである。
本実施例D−1の記録特性を表1に示す。なお、以下の各実施例D及び各比較例Dについても表1に示す。また、以下の各実施例D及び各比較例D全てにおいて低線速度はDVD規格1倍速(1x)、中線速度はDVD規格2倍速(2x)、高線速度はDVD規格4倍速(4x)である。
Figure 2005243212
オーバライト9回目(Direct Over Write:DOW9)のジッタは、低線速度(1x)で7.3%、中線速度(2x)で7.1%、高線速度(4x)で7.8%と全ての記録線速度において10%を下回って良好であった。オーバーライト特性である1000回オーバライト後(DOW1000)のジッタは、1xで7.5%、2xで7.4%、4xで8.2%と良好であり、反射率もそれぞれ21.5%、21.3%、20.2%と反射率特性も良好であった(表1には4x(高線速度)のDOW1000の反射率のみを示した)。
ここで述べるオーバーライトはワンビームオーバーライトのことであり、1回のレーザ走査で以前に形成された記録マークを消し、新たに記録マークを形成することをいう。そしてDOW0は初期化した光記録媒体Aの未記録部へ記録マークを形成する初回記録、DOW1は更にそこへ記録マークを形成するオーバライト1回目である。なお、ジッタ特性はエラーレートに悪影響を与えないジッタである10%を基準とし、それより低い場合に良好、高い場合には良好でないとした。反射率はDVDプレーヤなどのROM互換性を考慮して16%以上の値を良好とした。
光記録媒体における最適なパワー比ε(εh、εm、εl)は記録層3の組成により多少変動することがある。そのため異なる組成での検証を行い本発明の妥当性を示す。
(実施例D−2)
本実施例は、記録層3の組成をGa−Sb−In−Sn4元素単一合金ターゲットに変更した他は全て実施例D−1と同じ構成の光記録媒体を用いた。また各記録線速度における記録条件は、1xで記録パワーPwl=15.5[mW]、消去パワーPel=5.0[mW](εl=0.32)、2xで記録パワーPwm=17.0[mW]、消去パワーPem=4.3[mW](εm=0.25)、4xで記録パワーPwh=18.5[mW]、消去パワーPeh=3.7[mW](εh=0.20)を用いた(εh<εm<εl)。これ以外の記録条件は実施例D−1と同じ条件として、記録特性を測定した。
表1に示すように、DOW9のジッタは1xで7.9%、2xで7.6%、4xで8.0%と全ての線速度において10%を下回り良好であった。オーバーライト特性も同様に良好であった。
(実施例D−3)
本実施例は、記録層3の組成をAg−In−Sb−Te4元素単一合金ターゲットに変更した他は、全て実施例D−1と同じ構成の光記録媒体を用いた。また各記録線速度における記録条件は、1xで記録パワーPwl=14.0[mW]、消去パワーPel=9.8[mW](εl=0.70)、2xで記録パワーPwm=16.0[mW]、消去パワーPem=9.6[mW](εm=0.60)、4xで記録パワーPwh=17.8[mW]、消去パワーPeh=7.1[mW](εh=0.40)を用いた(εh<εm<εl)。これ以外の記録条件は実施例D−1と同じ条件として、記録特性を測定した。
表1に示すように、DOW9のジッタは1xで8.2%、2xで8.0%、4xで8.0%と全ての線速度において10%を下回り良好であった。オーバーライト特性も同様に良好であった。
(比較例D−4)
εm=0.25(Pem=4.1mW、εm<εh<εl)と変更した他は、実施例D−1と全て同じ条件とした。実施例D−1と同様の測定をしたところ、表1に示すように、1x、4xでのDOW9ジッタは実施例D−1と同じであったが、2xではジッタが25.0%と非常に悪化しており、良好なジッタ特性が得られなかった。これは2x(中線速度)のパワー比εm=0.25を、4x(高線速度)のεh=0.27より小さくしたことで、中線速度での消去パワーが十分でなく消え残りが発生したためである。
(比較例D−5)
εl=0.25(Pel=3.5mW、εl<εh<εm)と変更した他は、実施例D−1と全て同じ条件とした。実施例D−1と同様の測定をしたところ、表1に示すように、2x、4xでのDOW9ジッタは実施例D−1と同じであったが、1xではジッタが25.5%と非常に悪化しており、良好なジッタ特性が得られなかった。これは1x(低線速度)のパワー比εl=0.25を、4x(高線速度)のεh=0.27より小さくしたことで、低線速度での消去パワーが十分でなく消え残りが発生したためである。
(比較例D−6)
εl=0.35(Pel=4.9mW、εh<εl<εm)と変更した他は、実施例D−1と全て同じ条件とした。実施例D−1と同様の測定をしたところ、表1に示すように、2x、4xでのDOW9ジッタは実施例D−1と同じであったが、1xでのジッタが11.1%と悪化しており、良好なジッタ特性が得られなかった。これは1x(低線速度)のパワー比εl=0.35を、2x(中線速度)のεm=0.47より小さくしたことで、低線速度での消去パワーが十分でなく消え残りが発生したためである。
(比較例D−7)
εh=0.60(Peh=10.3mW、εm<εl<εh)と変更した他は、実施例D−1と全て同じ条件とした。実施例D−1と同様の測定をしたところ、表1に示すように、1x、2xでのDOW9ジッタは実施例D−1と同じであったが、4xでのジッタが13.8%と悪化しており、良好なジッタ特性が得られなかった。また、4xでのDOW1000の反射率が14.3%と非常に低下しており、オーバーライトでも良好な特性が得られなかった。これは、4x(高線速度)記録でεhを大きくしたことで過剰に消去パワーが印加されたために、記録層3の過冷却による結晶状態の悪化が原因である。
(比較例D−8)
εl=0.35、εh=0.50(Pel=4.9mW、Peh=8.6mW、εl<εm<εh)と変更した他は、実施例D−1と全て同じ条件とした。実施例D−1と同様の測定をしたところ、表1に示すように2xでのDOW9ジッタは実施例D−1と同じであったが、1xでは11.1%、4xでは13.0%と悪化しており、良好な特性が得られなかった。また、4xでのDOW1000の反射率が16.8%と低下しており、良好なオーバーライト特性が得られなかった。これは、4x(高線速度)記録でεhを大きくしたことで過剰に消去パワーが印加されたために、記録層3の過冷却による結晶状態の悪化が原因である。
以上の結果から図6に実施例D−1及び比較例D−4〜D−8の各記録線速度におけるDOW9ジッタの関係を示す。なお図示していない残りの実施例D−2以降も、表1から読み取れるように全ての記録線速度において、DOW9ジッタが10%以下となる。
表1及び図6より、各記録線速度におけるパワー比εが下記(1)式の関係を満たしている場合に、良好な記録及びオーバライト特性が得られることが判明した。
εh<εm<εl …(1)
更に本発明者は、記録線速度が上記実施例D−1〜D−3及び比較例D−4〜D−8で検討した組み合わせ(1x、2x、4x)と異なる場合にも、上記(1)式に示す各記録線速度におけるパワー比εの関係において光記録媒体の最良な記録及びオーバライト特性が得られることを実施例E−1〜E−3及び比較例E−4〜E−8に基づいて見出した。なお、記録層3の組成についても上記各実施例D及び各比較例Dと異ならせて検討をした。
以下の各実施例E及び各比較例E全てにおいて低線速度はDVD規格2倍速(2x)、中線速度はDVD規格4倍速(4x)、高線速度はDVD規格6倍速(6x)である。
(実施例E−1)
記録層3のSb量を増加させて結晶化速度が若干向上するように変更した他は、実施例D−1と同様の光記録媒体を作成した。また、記録線速度は、低線速度記録では7.0m/s(DVD規格2倍速相当)、中線速度記録では14.0m/s(DVD規格4倍速相当)、高線速度記録では21.0m/s(DVD規格6倍速相当)とし、8−16(EFM+)変調ランダムパターンを用いて記録再生評価を行った。単位クロック時間Tはそれぞれ、2倍速で19.1ns、4倍速で9.6ns、6倍速で6.4nsである。ビット長、再生パワーPr、及び記録測定方法は上記した通りである。
また記録ストラテジは、低線速度(2x)と中線速度(4x)の場合は図3の分割パルス系列を用い、高線速度(6x)の場合は図4の分割パルス系列を用いた。なお、光記録装置も上記した実施例Dと同じものを用いた。
記録の条件である記録パルスパターンは、低線速度とした記録線速度7.0m/sにおいては、記録パワーPwl=16.1[mW]、消去パワーPel=8.0[mW]、ボトムパワーPb=0.5[mW]を用いた(εl=0.50)。
中線速度とした記録線速度14.0m/sにおいては、記録パワーPwm=17.2[mW]、消去パワーPem=7.2[mW]、ボトムパワーPb=0.5[mW]を用いた(εm=0.42)。
高線速度とした記録線速度21.0m/sにおいては、記録パワーPwh=20.0[mW]、消去パワーPeh=5.8[mW]、ボトムパワーPb=0.5[mW]を用いた(εh=0.29)(εh<εm<εl:(1)式)。
本実施例E−1の記録特性を表2に示す。なお、以下の実施例E−2、E−3及び各比較例E−4〜E−8についても同様に表2に示す。
Figure 2005243212
DOW9のジッタはそれぞれ、低線速度(2x)で7.5%、中線速度(4x)で7.4%、高線速度(6x)で8.1%と全ての線速度において10%を下回り良好であった。オーバーライト特性はDOW1000でのジッタがそれぞれ2xで7.9%、4xで7.9%、6xで9.2%と良好であり、反射率もそれぞれ20.5%、20.2%、19.6%と反射率特性も良好であった(表2には6x(高線速度)のDOW1000の反射率のみを示した)。
(実施例E−2)
記録層3のSb量を増加させて結晶化速度が若干向上するように変更した他は、実施例D−2と同様の光記録媒体を作成した。また各記録線速度における記録条件は、2xで記録パワーPwl=18.0[mW]、消去パワーPel=5.4[mW](εl=0.30)、4xで記録パワーPwm=20.0[mW]、消去パワーPem=5.0[mW](εm=0.25)、6xで記録パワーPwh=22.0[mW]、消去パワーPeh=4.4[mW](εh=0.20)を用いた(εh<εm<εl:(1)式)。これ以外の記録条件は実施例E−1と同じ条件とし、記録特性を測定した。
表2に示すようにDOW9ジッタは2xで8.3%、4xで8.0%、6xで8.6%と全ての線速度において10%を下回り良好であった。オーバーライト特性も同様に良好であった。
(実施例E−3)
記録層のSb量を増加させて結晶化速度が若干向上するように変更した他は、実施例D−3と同様の光記録媒体を作成した。また各記録線速度における記録条件は、2xで記録パワーPwl=18.0[mW]、消去パワーPel=10.8[mW](εl=0.60)、4xで記録パワーPwm=21.0[mW]、消去パワーPem=10.5[mW](εm=0.50)、6xで記録パワーPwh=23.0[mW]、消去パワーPeh=9.2[mW](εh=0.40)を用いた(εh<εm<εl:(1)式)。これ以外の記録条件は実施例E−1と同じ条件とし、記録特性を測定した。
表2に示すようにDOW9ジッタは2xで8.0%、4xで7.6%、6xで8.6%と全ての線速度において10%を下回り良好であった。オーバーライト特性も同様に良好であった。
(比較例E−4)
εm=0.25(Pem=4.3mW、εm<εh)と変更した他は、実施例E−1と全て同じ条件とした。実施例E−1と同様の測定をしたところ、表2に示すように、2x、6xでのDOW9ジッタは実施例E−1と同じであったが、4xではジッタが25.1%と非常に悪化しており、良好なジッタ特性が得られなかった。これは4x(中線速度)のパワー比εm=0.25を、6x(高線速度)のεh=0.29より小さくしたことで、中線速度での消去パワーが十分でなく消え残りが発生したためである。
(比較例E−5)
εl=0.25(Pel=4.0mW、εl<εh)と変更した他は、実施例E−1と全て同じ条件とした。実施例E−1と同様の測定をしたところ、表2に示すように、4x、6xでのDOW9ジッタは実施例E−1と同じであったが、2xではジッタが24.3%と非常に悪化しており、良好なジッタ特性が得られなかった。これは2x(低線速度)のパワー比εl=0.25を、6x(高線速度)のεh=0.29より小さくしたことで、低線速度での消去パワーが十分でなく消え残りが発生したためである。
(比較例E−6)
εl=0.35(Pel=5.6mW、εm>εl>εh)と変更した他は、実施例E−1と全て同じ条件とした。実施例E−1と同様の測定をしたところ、表2に示すように、4x、6xでのDOW9ジッタは実施例E−1と同じであったが、2xではジッタが14.6%と悪化しており、良好なジッタ特性が得られなかった。これは2x(低線速度)のパワー比εl=0.35を、4x(中線速度)のεm=0.42より小さくしたことで、低線速度での消去パワーが十分でなく消え残りが発生したためである。
(比較例E−7)
εh=0.60(Peh=12.0mW、εm<εl<εh)と変更した他は、実施例E−1と全て同じ条件とした。実施例E−1と同様の測定をしたところ、表2に示すように、2x、4xでのDOW9ジッタは実施例E−1と同じであったが、6xではジッタが16.2%と悪化しており、良好なジッタ特性が得られなかった。また、DOW1000の反射率が14.2%と非常に低下しており、オーバーライトでも良好な特性が得られなかった。これは、6x(高線速度)記録でεhを大きくしたことで過剰に消去パワーが印加されたために、記録層3の過冷却による結晶状態の悪化が原因である。
(比較例E−8)
εl=0.35、εh=0.50(Pel=5.6mW、Peh=10.0mW、εl<εm<εh)と変更した他は、実施例E−1と全て同じ条件とした。実施例E−1と同様の測定をしたところ、表2に示すように、4xでのDOW9ジッタは実施例E−1と同じであったが、2xでは14.6%、6xでは14.1%と悪化しており、良好なジッタ特性が得られなかった。また、6xでのDOW1000の反射率が15.3%と低下しており、良好なオーバーライト特性が得られなかった。これは、6x(高線速度)記録でεhを大きくしたことで過剰に消去パワーが印加されたために、記録層3の過冷却による結晶状態の悪化が原因である。
実施例E−1と比較例E−4〜E−8の各記録線速度におけるDOW9ジッタの関係を図7に示す。表2及び図7からも各記録線速度におけるパワー比の関係が(1)式を満たすと記録及びオーバライト特性が最良となることが判明した。なお図示していない残りの実施例E−2以降も、表2からわかるように全ての記録線速度において、DOW9ジッタが10%以下となる。
以上より、低線速度を1倍速、高線速度を4倍速とした実施例D−1〜D−3及び比較例D−4〜D−8と、低線速度を2倍速、高線速度を6倍速とした実施例E−1〜E−3及び比較例E−4〜E−8のいずれにおいても、パワー比εが(1)式の関係を満たすと光記録媒体は最良の記録及びオーバライト特性を得られることが判明した。更に、(1)式の関係は光記録媒体の記録層3の組成や最高記録線速度によって影響を受けるものではないことも判明した。
パワー比εが高線速度εh、中線速度εm、低線速度εlの順に大きくなり(1)式の関係を満たす場合には、いずれの記録線速度においてもDOW9ジッタが良好であることがわかる。
中線速度のパワー比を高線速度のパワー比より小さくした(εm<εh)場合には、高線速度記録で消去パワーPehが過剰に高くなり、結晶化すべき部分にアモルファス化が起き、初回記録特性から特性悪化が引き起こされるので、好ましくない。また、アモルファス化しないように記録層3の組成を調整しても、消去パワーPehが高いためにDOW1000での反射率の低下が起こり、記録特性が悪化するので、好ましくない。
低線速度のパワー比を中線速度のパワー比より小さくした(εl<εm)場合には、低線速度で消去パワーPelが足りないために消し残りが発生し、オーバーライト特性が悪化するので、好ましくない。
以上より、各記録線速度のパワー比εは記録層3の組成や最高記録速度によらず、(1)式の関係が好ましい。
≪パワー比εlとεhの関係の検討≫
続いて本発明者は、低線速度のパワー比εlと高線速度のパワー比εhとが所定の関係にあることで、光記録媒体は良好な記録及びオーバライト特性が得られると推定し、実施例F−1〜F−5及び比較例F―6〜F−11に基づいてその推定が正しく、パワー比εlとεhとの関係を有することを見出した。ここでは、εh/εl=αである係数αを指標にして関係を求めた。なお、全ての実施例F及び比較例Fにおいてパワー比は(1)式の関係を満たしている。
(実施例F−1)
本実施例は全て実施例D−1と同じ条件とした(εh=0.27(Peh=4.6mW、係数α=0.529))。高線速度である4倍速(4x)における記録特性を実施例D−1と同様に測定したところ、表3に示すようにジッタが、DOW0で6.2%、DOW1で7.8%、DOW9で7.8%とそれぞれ良好であり、さらにDOW1000もジッタが8.2%、反射率が20.2%と低下がなく良好であった(表3には4xにおけるDOW1000の反射率のみを示す)。
なお、表3には以下の実施例F−2〜F−5及び比較例F―6〜F−11も同様に示す。
Figure 2005243212
(実施例F−2)
εh=0.23(Peh=4.0mW、α=0.451)と変更した他は、実施例F−1と同じ条件とした。4xにおける記録特性を実施例F−1と同様に測定したところ、表3に示すようにDOW0からDOW9までジッタが良好であり、さらにDOW1000の反射率も19.5%と低下がなく良好であった。
(実施例F−3)
εh=0.40(Peh=6.9mW、α=0.784)と変更した他は、実施例F−1と同じ条件とした。4xにおける記録特性を実施例F−1と同様に測定したところ、表3に示すようにDOW0からDOW9までジッタ特性が良好であり、さらにDOW1000の反射率も20.7%と低下がなく良好であった。
(実施例F−4)
光記録媒体Aを構成する第1保護層2の層厚を50nmに変更し、εl=0.40、εh=0.21(Peh=3.6mW、α=0.525)と変更した他は全て実施例D−1と同じ条件とした。4xにおける記録特性を実施例D−1と同様に測定したところ、表3に示すようにジッタがDOW0で7.0%、DOW1で9.2%、DOW9で8.6%とジッタ特性が良好であり、さらにDOW1000でもジッタは8.9%、反射率も18.3%と低下がなく良好であった。
(実施例F−5)
実施例F−5では、光記録媒体Aを構成する第1保護層2の層厚を90nmに変更し、εl=0.75、εh=0.40(Peh=6.9mW、α=0.533)と変更した他は全て実施例D−1と同じ条件とした。4xにおける記録特性を実施例D−1と同様に測定したところ、表3に示すようにジッタがDOW0で7.2%、DOW1で8.8%、DOW9で8.4%と良好であり、さらにDOW1000でもジッタが9.3%、反射率も22.6%と低下がなく良好であった。
(比較例F−6)
εh=0.20(Peh=3.4mW、α=0.392)と変更した他は、実施例F−1と同じ条件とした。4xにおける記録特性を実施例F−1と同様に測定したところ、表3に示すようにDOW1ジッタが12.3%、DOW9ジッタが12.1%とジッタ特性が良好でなかった。これは高線速度(4x)の消去パワーPehが3.4mWと低すぎるために、消し残りによる特性悪化が現れたためである。
(比較例F−7)
εh=0.45(Peh=7.7mW、α=0.882)と変更した他は、実施例F−1と同じ条件とした。4xにおける記録特性を実施例F−1と同様に測定したところ、表3に示すようにDOW1ジッタが11.3%とジッタ特性が良好でなかった。また高線速度(4x)の消去パワーPehが7.7mWと高いために、高線速度のDOW1000の反射率が17.6%と悪化していた。
(比較例F−8)
εh=0.15(Peh=2.6mW、α=0.375)と変更した他は、実施例F−4と同じ条件とした。4xにおける記録特性を実施例F−4と同様に測定したところ、表3に示すようにDOW0ジッタは9.1%と良好であったものの、DOW1ジッタが15.6%とジッタ特性が良好でなかった。
(比較例F−9)
εh=0.34(Peh=5.8mW、α=0.850)と変更した他は、実施例F−4と同じ条件とした。4xにおける記録特性を実施例F−4と同様に測定したところ、表3に示すようにDOW0ジッタは8.4%と良好であったものの、DOW1ジッタが13.2%とジッタ特性が良好でなかった。
(比較例F−10)
εh=0.27(Peh=4.6mW、α=0.360)と変更した他は、実施例F−5と同じ条件とした。4xにおける記録特性を実施例F−5と同様に測定したところ、表3に示すようにDOW0ジッタは9.2%と良好であったものの、DOW1ジッタが14.8%とジッタ特性が良好でなかった。
(比較例F−11)
εh=0.65(Peh=11.2mW、α=0.867)と変更した他は、実施例F−5と同じ条件とした。4xにおける記録特性を実施例F−5と同様に測定したところ、表3に示すようにDOW0ジッタは8.8%と良好であったものの、DOW1ジッタが12.2%とジッタ特性が良好でなかった。
以上の実施例F−1〜F−5及び比較例F−6〜F−11の4xにおけるDOW1ジッタと係数αとの関係を図8に示す。DOW1ジッタが10%以下となるαの範囲は下記(2)式の関係となることが判明した。αの値が(2)式より大きすぎても小さすぎても、すなわち高線速度のパワー比εhの値が大きすぎても小さすぎても良好なDOW1ジッタが得られない。
0.45<α<0.80 …(2)
更に本発明者は、記録線速度が上記実施例F−1〜F−5及び比較例F−6〜F−11で検討した組み合わせ(1x、2x、4x)と異なる場合にも、光記録媒体の記録及びオーバライト特性が最良となる所定の関係を低線速度のパワー比εlと高線速度のパワー比εhとが有することを、実施例G−1〜G−5及び比較例G−6〜G−11に基づいて見出した。上記同様に係数αを指標として求めた。
以下の全ての実施例G−1〜G−5及び比較例G−6〜G−11において低線速度はDVD規格2倍速(2x)、中線速度はDVD規格4倍速(4x)、高線速度はDVD規格6倍速(6x)である。なお、全ての実施例G及び比較例Gにおいてパワー比は(1)式の関係を満たしている。
(実施例G−1)
全て実施例E−1と同じ条件とした(εh=0.29(Peh=5.8mW、係数α=0.580))。高線速度である6倍速(6x)における記録特性を実施例E−1と同様に測定したところ、表4に示すようにジッタが、DOW0で7.1%、DOW1で9.2%、DOW9で8.1%とそれぞれ良好であり、さらにDOW1000でもジッタが9.2%、反射率も19.6%と低下がなく良好であった。
なお、表4には以下の実施例G−2〜G−5及び比較例G−6〜G−11も同様に示す。
Figure 2005243212
(実施例G−2)
εh=0.23(Peh=4.6mW、α=0.460)と変更した他は、実施例G−1と同じ条件とした。6xにおける記録特性を実施例G−1と同様に測定したところ、表4に示すようにDOW0〜DOW9までジッタが良好であり、さらにDOW1000の反射率も17.8%と大きな低下がなく良好であった。
(実施例G−3)
εh=0.39(Peh=8.0mW、α=0.780)と変更した他は、実施例G−1と同じ条件とした。6xにおける記録特性を実施例G−1と同様に測定したところ、表4に示すようにDOW0〜DOW9までジッタが良好であり、さらにDOW1000の反射率も18.1%と大きな低下がなく良好であった。
(実施例G−4)
光記録媒体Aを構成する第1保護層2の層厚を50nmに、εl=0.38、εh=0.22(Peh=4.4mW、α=0.579)と変更した他は、全て実施例E−1と同じ条件とした。6xにおける記録特性を実施例E−1と同様に測定したところ、表4に示すようにジッタが、DOW0で7.3%、DOW1で9.1%、DOW9で8.0%とそれぞれ良好であり、さらにDOW1000でもジッタが9.1%、反射率も18.2%と低下がなく良好であった。
(実施例G−5)
光記録媒体Aを構成する第1保護層2の層厚を90nmに、εl=0.75、εh=0.38(Peh=7.6mW、α=0.507)と変更した他は、全て実施例E−1と同じ条件とした。6xにおける記録特性を実施例E−1と同様に測定したところ、表4に示すようにジッタが、DOW0で7.4%、DOW1で9.1%、DOW9で7.9%とそれぞれ良好であり、さらにDOW1000でもジッタ値が9.9%、反射率も22.2%と低下がなく良好であった。
(比較例G−6)
εh=0.20(Peh=4.0mW、α=0.400)と変更した他は、実施例E−1と同じ条件とした。6xにおける記録特性を実施例G−1と同様に測定したところ、表4に示すようにDOW1ジッタが12.3%、DOW9ジッタが12.2%と良好でなかった。これは高線速度(6x)における消去パワーPehが4.0mWと低すぎるために、消し残りによる特性悪化が現れたためである。
(比較例G−7)
εh=0.45(Peh=9.0mW、α=0.900)と変更した他は、実施例G−1と同じ条件とした。6xにおける記録特性を実施例G−1と同様に測定したところ、表4に示すようにDOW1ジッタが13.3%、DOW9ジッタが12.1%と良好でなかった。また高線速度(6x)における消去パワーPehが9.0mWと高いために、DOW1000の反射率が13.3%と悪化していた。
(比較例G−8)
εh=0.15(Peh=3.0mW、α=0.395)と変更した他は、実施例G−4と同じ条件とした。6xにおける記録特性を実施例G−4と同様に測定したところ、表4に示すようにDOW0ジッタは9.8%と良好であったものの、DOW1ジッタが15.3%とジッタ特性が良好でなかった。
(比較例G−9)
εh=0.34(Peh=6.8mW、α=0.895)とした他は、実施例G−4と同様である。実施例G−4と同様に6xにおける記録特性を測定したところ、表4に示すように、DOW0ジッタは9.5%と良好であったものの、DOW1ジッタが11.1%と良好でなかった。
(比較例G−10)
εh=0.28(Peh=5.6mW、α=0.373)と変更した他は、実施例G−5と同じ条件とした。6xにおける記録特性を実施例G−5と同様に測定したところ、表4に示すようにDOW0ジッタは9.7%と比較的良好であったものの、DOW1ジッタが14.2%と良好でなかった。
(比較例G−11)
εh=0.61(Peh=12.2mW、α=0.813)と変更した他は実施例G−5と同じ条件とした。6xにおける記録特性を実施例G−5と同様に測定したところ、表4に示すようにDOW0ジッタは9.8%と良好であったものの、DOW1ジッタが12.3%と良好でなかった。
以上の実施例G−1〜G−5及び比較例G−6〜G−11の6xにおけるDOW1ジッタとαの関係を図9に示す。DOW1ジッタが10%以下となるαの範囲は、実施例G−1〜G−5及び比較例G−6〜G−11においても上記(2)式となることが判明した。αの値が(2)式より大きすぎても小さすぎても、すなわち高線速度のパワー比εhの値が大きすぎても小さすぎても良好なDOW1ジッタが得られない。
以上より、低線速度を1倍速、高線速度を4倍速とした実施例F−1〜F−5及び比較例F−6〜F−11と、低線速度を2倍速、高線速度を6倍速とした各実施例G−1〜G−5及び比較例G−6〜G−11のいずれにおいても、光記録媒体が最良の記録及びオーバライト特性、特に良好なDOW1ジッタを得られる低線速度のパワー比εlと高線速度のパワー比εhとの所定の関係があることが判明した。そしてεlとεhとの比εh/εlをαで表したときに、係数αが上記(2)式の範囲にあることが好ましいことが判明した。
すなわち、DOW1ジッタをより良好にするには、(1)式を満たすことが必要である。更には、(1)式に加えて(2)式も満たすことが好ましい。
α<0.45である場合、高線速度での消去パワーPehが小さくなりすぎて消去しづらく、消し残りからDOW1以降のジッタが悪化するので、好ましくない。一方、0.80<αである場合、高線速度での消去パワーPehが比較的高くなり、結晶化すべき部分にアモルファス化が起き、DOW1のジッタ特性が悪化するので好ましくない。従って、光記録媒体の記録及びオーバライト特性が良好となるために好ましいαの範囲は(2)式である。
更に、媒体の環境安定性や汎用記録装置のマージンを考慮してジッタ値が9%を下回る、0.55<α<0.65の範囲がより好ましい。
≪記録パワーの関係を検討≫
続いて、低線速度の記録パワーPwlと中線速度の記録パワーPwmと高線速度の記録パワーPwhとの大小関係が、光記録媒体の良好な記録及びオーバライト特性に影響を与えるのではないかと推定し、下記の実施例H−1、H−2及び比較例H−3〜H−5に基づいてその推定が正しく、記録パワーが最良な関係を有することを見出した。
(実施例H−1)
全て実施例D−1と同じ条件とした(Pwl=14.1mW、Pwm=16.2mW、Pwh=17.2mW、Pwl<Pwm<Pwh)。実施例D−1と同様の測定をしたところ、表5に示すようにDOW9ジッタが、低線速度(1x)で7.3%、中線速度(2x)で7.1%、高線速度(4x)で7.8%とそれぞれ良好であり、さらにそのときの変調度(DOW9)はそれぞれ60.8%、64.9%、65.9%と良好であった。
なお、表5には以下の実施例H−2及び比較例H−3〜H−5も同様に示す。
ここで、変調度とは信号強度の大きさであり、図10に示すように、(変調度)=(I14/I14H)で表され、DVDの規格値である60%以上を良好の基準とした。
Figure 2005243212
(実施例H−2)
Pwl=15.2mW、Pwm=15.8mW、Pwh=16.2mW(Pwl<Pwm<Pwh)と変更した他は、実施例H−1と同じ条件とした。実施例H−1と同様の測定をしたところ、表5に示すようにDOW9ジッタが、1xで7.7%、2xで7.2%、4xで8.0%とそれぞれ良好であり、さらにそのときの変調度もそれぞれ61.1%、63.9%、63.2%と良好であった。
(比較例H−3)
Pwh=15.0mW(Pwl<Pwh<Pwm)と変更した他は、実施例H−1と同じ条件とした。実施例H−1と同様の測定をしたところ、表5に示すように4xのDOW9ジッタが11.5%と実施例H−1と比べて劣っており、さらにそのときの変調度も56.2%と悪化していた。
(比較例H−4)
Pwm=13.0mW(Pwm<Pwl<Pwh)と変更した他は、実施例H−1と同じ条件とした。実施例H−1と同様の測定をしたところ、表5に示すように2xのDOW9ジッタが12.1%と実施例H−1と比べて劣っており、さらにそのときの変調度も52.3%と悪化していた。
(比較例H−5)
Pwl=17.8mW(Pwm<Pwh<Pwl)と変更した他は、実施例H−1と同じ条件とした。実施例H−1と同様の測定をしたところ、表5に示すように、1xのDOW9ジッタが10.9%と実施例H−1と比べて劣っていた。
以上より、記録線速度の上昇とともに記録パワーを上げないとパワー不足となり、十分な信号強度(=変調度)が得られずジッタが悪化することが判明した。一方低線速度で高記録パワーを用いて記録すると、過剰なレーザパワー密度によりクロストークが大きくなるのでジッタが悪化する。
従って光記録媒体の良好な記録及びオーバライト特性を得るためには高線速度になるほど記録パワーを大きくする下記(3)式の関係を満たすことが好ましい。
Pwl<Pwm<Pwh …(3)
更に本発明者は、記録線速度が上記実施例H−1、H−2及び比較例H−3〜H−5で検討した組み合わせ(1x、2x、4x)と異なる場合にも、上記(3)式に示す各記録線速度における記録パワーの大小関係において光記録媒体の最良な記録及びオーバライト特性が得られることを実施例I−1、I−2及び比較例I−3〜I−5に基づいて見出した。
以下の全ての実施例I及び比較例Iにおいて低線速度はDVD規格2倍速(2x)、中線速度はDVD規格4倍速(4x)、高線速度はDVD規格6倍速(6x)である。
(実施例I−1)
全て実施例E−1と同じ条件とした(Pwl=16.1mW、Pwm=17.2mW、Pwh=20.0mW、Pwl<Pwm<Pwh)。実施例E−1と同様の測定をしたところ、表6に示すようにDOW9ジッタが、低線速度(2x)で7.5%、中線速度(4x)で7.4%、高線速度(6x)で8.1%と良好であり、さらにそのとき(DOW9)の変調度はそれぞれ61.2%、63.5%、62.2%と良好であった。
なお、表6には以下の実施例I−2及び比較例I−3〜I−5も同様に示す。
Figure 2005243212
(実施例I−2)
Pwl=15.5mW、Pwm=16.4mW、Pwh=18.6mW(Pwl<Pwm<Pwh)と変更した他は、実施例I−1と同じ条件とした。実施例I−1と同様の測定をしたところ、表6に示すようにDOW9ジッタが、2xで8.3%、4xで8.2%、6xで9.2%とそれぞれ良好であり、さらにそのときの変調度もそれぞれ60.3%、61.9%、60.1%と良好であった。
(比較例I−3)
Pwh=16.6mW(Pwl<Pwh<Pwm)と変更した他は、実施例I−1と同じ条件とした。実施例I−1と同様の測定をしたところ、表6に示すように、6xのDOW9ジッタが13.6%と実施例I−1と比べて劣っており、さらにそのときの変調度も52.8%と悪化していた。
(比較例I−4)
Pwm=14.0mW(Pwm<Pwl<Pwh)と変更した他は、実施例I−1と同じ条件とした。実施例I−1と同様の測定をしたところ、表6に示すように、4xのDOW9ジッタが12.7%と実施例I−1と比べて劣っており、さらにそのときの変調度も52.3%と悪化していた。
(比較例I−5)
Pwl=21.0mW(Pwm<Pwh<Pwl)と変更した他は、実施例I−1と同じ条件とした。実施例I−1と同様の測定をしたところ、表6に示すように、2xのDOW9ジッタが11.2%と実施例I−1と比べて劣っていた。
以上より、各記録線速度での記録パワーが上記(3)式の関係を満たすと、光記録媒体は良好な記録及びオーバライト特性を得られることが判明した。
以上のように、低線速度を1倍速、高線速度を4倍速とした実施例H−1、H−2及び比較例H−3〜H−5、または低線速度を2倍速、高線速度を6倍速とした実施例I−1、I−2及び比較例I−3〜I−5のいずれにおいても、記録速度の上昇とともに記録パワーを上げないと、パワー不足となり十分な信号強度(=変調度)が得られずジッタが悪化することが判明した。一方低線速度で高記録パワーを用いて記録すると、過剰なレーザパワー密度によりクロストークが大きくなるのでジッタ値が悪化する。このことより、高線速度になるほど記録パワーを大きくする(3)式の関係が好ましい。
記録線速度を高速化していくと、単位面積あたりの記録パワー密度が低下するので、十分な記録信号が得られるマーク幅を大きくするために、記録パワーをPwh=Pwl×1.2〜Pwl×1.4くらいの範囲で記録速度とともに順次大きくすることが好ましい。
上述で述べているDVD−RWなどの相変化型光記録媒体のみならず、図11に示すような超高密度の相変化型記録媒体の構成でも同様の効果があるといえる。図11に示す光記録媒体Bは記録・再生または消去用のレーザ光の入射面17aを底面とした保護層17の上に、第1保護層12、記録層13、第2保護層14、反射層15、及び基板11を順次積層した構成となっている。
本発明に係る光記録媒体の一実施形態を示す拡大断面図である。 本発明に係る光記録媒体の一実施形態を示す平面図である。 記録パルスパターンの第一例を示す図である。 記録パルスパターンの第二例を示す図である。 本発明に係る光記録装置の一実施形態を示すブロック図である。 実施例D−1及び各比較例Dの各記録線速度におけるDOW9ジッタの関係を示す図である。 実施例E−1及び各比較例Eの各記録線速度におけるDOW9ジッタの関係を示す図である。 各実施例F及び各比較例FにおけるDOW1ジッタと係数Aとの関係を示す図である。 各実施例G及び各比較例GにおけるDOW1ジッタと係数Aとの関係を示す図である。 信号強度を示す図である。 本発明に係る光記録媒体の他の実施形態を示す拡大断面図である。
符号の説明
A 光記録媒体
Pe 消去パワー(Pel、Pem、Peh)
Pw 記録パワー(Pwl、Pwm、Pwh)
Pb ボトムパワー
ε パワー比(Pe/Pw)(εl、εm、εh)
V 記録線速度(Vl、Vm、Vh)
3 記録層
34 光ヘッド34(記録部)
39 記録パルス生成部(記録部)
41 EFM+エンコーダ(エンコーダ)
42 マーク長カウンタ(マーク長生成部)
43 LDドライバ部(記録部)
400 記録部(記録パルス生成部39、LDドライバ部43、光ヘッド34)

Claims (9)

  1. 相変化型光記録媒体の記録層に記録情報を記録する光記録方法において、
    前記記録情報を変調して変調データを生成する変調ステップと、
    前記変調データに基づいて所望のマーク長を生成するマーク長生成ステップと、
    前記マーク長に基づいて、消去パワーから立ち上がり前記消去パワーより大なる記録パワーと前記消去パワーより小なるボトムパワーとの間で形成される記録パルスと、前記ボトムパワーから前記消去パワーへと立ち上がる消去パルスとよりなる記録パルスパターンを生成し、前記記録層に対して記録光を前記記録パルスパターンに応じて照射して前記記録情報を示す記録マークを記録する記録ステップとを含み、
    前記記録ステップは、前記記録層に対する記録線速度を第1の記録線速度Vlと第2の記録線速度Vmと第3の記録線速度Vh(ここでVl<Vm<Vh)とから選択した記録線速度で記録するものであり、
    前記記録ステップにおける前記第1の記録線速度Vlによる記録と前記第2の記録線速度Vmによる記録と前記第3の記録線速度Vhによる記録は、前記第1の記録線速度Vlにおける第1の消去パワーPelを第1の記録パワーPwlで割った第1のパワー比εlと、前記第2の記録線速度Vmにおける第2の消去パワーPemを第2の記録パワーPwmで割った第2のパワー比εmと、前記第3の記録線速度Vhにおける第3の消去パワーPehを第3の記録パワーPwhで割った第3のパワー比εhとが下記(1)式なる関係
    εh<εm<εl …(1)
    を満たすことを特徴とする光記録方法。
  2. 前記第3のパワー比εhと前記第1のパワー比εlとの比εh/εlをαとしたとき、前記記録ステップにおける前記第1の記録線速度Vlによる記録と前記第3の記録線速度Vhによる記録は、下記(2)式なる関係
    0.45<α<0.80 …(2)
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の光記録方法。
  3. 前記記録ステップにおける前記第1の記録線速度Vlによる記録と前記第2の記録線速度Vmによる記録と前記第3の記録線速度Vhによる記録は、下記(3)式なる関係
    Pwl<Pwm<Pwh …(3)
    を満たすことを特徴とする請求項1または2記載の光記録方法。
  4. 相変化型光記録媒体の記録層に記録情報を記録する光記録装置において、
    前記記録情報を変調して変調データを生成するエンコーダと、
    前記変調データに基づいて所望のマーク長を生成するマーク長生成部と、
    前記マーク長に基づいて、消去パワーから立ち上がり前記消去パワーより大なる記録パワーと前記消去パワーより小なるボトムパワーとの間で形成される記録パルスと、前記ボトムパワーから前記消去パワーへと立ち上がる消去パルスとよりなる記録パルスパターンを生成し、前記記録層に対して記録光を前記記録パルスパターンに応じて照射して前記記録情報を示す記録マークを記録する記録部とを含み、
    前記記録部は、前記記録層に対する記録線速度を第1の記録線速度Vlと第2の記録線速度Vmと第3の記録線速度Vh(ここでVl<Vm<Vh)とから選択した記録線速度で記録するものであり、
    前記記録部における前記第1の記録線速度Vlによる記録と前記第2の記録線速度Vmによる記録と前記第3の記録線速度Vhによる記録は、前記第1の記録線速度Vlにおける第1の消去パワーPelを第1の記録パワーPwlで割った第1のパワー比εlと、前記第2の記録線速度Vmにおける第2の消去パワーPemを第2の記録パワーPwmで割った第2のパワー比εmと、前記第3の記録線速度Vhにおける第3の消去パワーPehを第3の記録パワーPwhで割った第3のパワー比εhとが下記(1)式なる関係
    εh<εm<εl …(1)
    を満たすことを特徴とする光記録装置。
  5. 前記第3のパワー比εhと前記第1のパワー比εlとの比εh/εlをαとしたとき、前記記録部における前記第1の記録線速度Vlによる記録と前記第3の記録線速度Vhによる記録は、下記(2)式なる関係
    0.45<α<0.80 …(2)
    を満たすことを特徴とする請求項4記載の光記録装置。
  6. 前記記録部における前記第1の記録線速度Vlによる記録と前記第2の記録線速度Vmによる記録と前記第3の記録線速度Vhによる記録は、下記(3)式なる関係
    Pwl<Pwm<Pwh …(3)
    を満たすことを特徴とする請求項4または5記載の光記録装置。
  7. 相変化型光記録媒体において、
    消去パワーから立ち上がり前記消去パワーより大なる記録パワーと前記消去パワーより小なるボトムパワーとの間で形成される記録パルスと、前記ボトムパワーから前記消去パワーへと立ち上がる消去パルスとよりなる記録パルスパターンに応じて記録光を照射することにより記録情報を示す記録マークを記録する記録層を備え、
    前記記録層の所定の領域には第1の記録線速度Vlと第2の記録線速度Vmと第3の記録線速度Vh(ここでVl<Vm<Vh)それぞれにおける記録パワーと消去パワーとを示す識別情報が記録されており、前記識別情報は前記第1の記録線速度Vlにおける第1の消去パワーPelを第1の記録パワーPwlで割った第1のパワー比εl、前記第2の記録線速度Vmにおける第2の消去パワーPemを第2の記録パワーPwmで割った第2のパワー比εm、前記第3の記録線速度Vhにおける第3の消去パワーPehを第3の記録パワーPwhで割った第3のパワー比εhとが下記(1)式なる関係
    εh<εm<εl …(1)
    を満たすことを特徴とする光記録媒体。
  8. 前記第3のパワー比εhと前記第1のパワー比εlとの比εh/εlをαとしたとき、前記識別情報は下記(2)式なる関係
    0.45<α<0.80 …(2)
    を満たすことを特徴とする請求項7記載の光記録媒体。
  9. 前記識別情報は下記(3)式なる関係
    Pwl<Pwm<Pwh …(3)
    を満たすことを特徴とする請求項7または8記載の光記録媒体。

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