JP2005242789A - タイヤモデル作成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ周方向における断面形状や配置位置の変動を含めたタイヤ特性をシミュレーションすることができるタイヤモデルの作成方法を提供する。
【解決手段】タイヤ特性をシミュレーションするためのタイヤモデル作成方法であって、タイヤを構成するタイヤ構成部材をタイヤ周方向に直交する平面で切断したタイヤ断面形状を再現した断面形状モデルを作成するステップと、作成された断面形状モデルをタイヤ周方向に展開するとともに、この展開の際に、タイヤ周方向の展開角度に応じて、前記断面形状モデルをタイヤ断面内で変動させることにより、タイヤ構成部材の3次元形状モデルを作成するステップと、この作成された3次元形状モデルを用いて、3次元形状のタイヤモデルを作成するステップと、を有する。
【選択図】図8

Description

本発明は複数の部材で構成されるタイヤモデルを作成してタイヤ特性をシミュレーションするためのタイヤモデルの作成方法に関する。
複数の有限要素に分割した有限要素モデルを用いてタイヤ特性を予測し、このタイヤ特性に基づいてタイヤを設計する方法が種々提案されている。これらの方法は、いずれもコンピュータを用いてタイヤの有限要素モデルを作成し、作成したタイヤモデルを用いてタイヤの静止状態あるいは転動状態を再現し、このときに発生するモデルに作用する特性物理量を算出してタイヤ特性を評価している。このタイヤ特性を用いることで、実際にタイヤを作製することなく、タイヤ特性の優れたタイヤを設計することができる。
このようなタイヤのシミュレーションに用いるタイヤモデルの作成方法として、トレッドパターンによる影響を解析することができるトレッドパターン付きタイヤの有限要素モデルの作成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1では、タイヤの有限要素モデルにおけるタイヤボディ部のモデルと、トレッドパターン部のモデルとを別個に作成し、この後互いのモデルを結合することで、タイヤの有限要素モデルを作成する。その際、タイヤボディ部のモデルに対してトレッドパターン部のモデルを種々変更してモデルの作成を行うことにより、トレッドパターンを考慮にいれた、実際の開発に適用可能な精度のよいタイヤ特性を効率よくシミュレーションすることができるとされている。
特許第3314082号公報
ところで、実際のタイヤは、所定の長さに切断されたタイヤ構成部材を、円筒状に巻き付けて所定の形状に成形したグリーンタイヤを加硫することによって製造されるため、タイヤ構成部材を巻き付けてグリーンタイヤを成形する際、タイヤ構成部材は必ずしも同一の断面形状で均一に巻き付けられるわけでなく、また、巻き付け位置もタイヤ周方向で微妙に変動する。このため、実際のタイヤは、タイヤの転動とともに微妙な振動成分(ユニフォーミティ成分)が発生し、この振動成分がタイヤ特性に影響を与えていることが知られている。
しかしながら、特許文献1では、タイヤの有限要素モデルにおけるタイヤボディ部がタイヤの周方向に対して同一断面形状で展開されるため、タイヤボディ部を構成する各タイヤ構成部材のモデルのタイヤ周方向における変動は考慮されていないものとなっている。このため、タイヤ構成部材の形状や配置位置の変動を含めたタイヤ特性をシミュレーションすることができなかった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、タイヤ周方向における断面形状や配置位置の変動を含めたタイヤ特性をシミュレーションすることができるタイヤモデルの作成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、タイヤ特性をシミュレーションするためのタイヤモデル作成方法であって、タイヤを構成するタイヤ構成部材をタイヤ周方向に直交する平面で切断したタイヤ断面形状を再現した断面形状モデルを作成するステップと、作成された断面形状モデルをタイヤ周方向に展開するとともに、この展開の際に、タイヤ周方向の展開角度に応じて、前記断面形状モデルをタイヤ断面内で変動させることにより、タイヤ構成部材の3次元形状モデルを作成するステップと、この作成された3次元形状モデルを用いて、3次元形状のタイヤモデルを作成するステップと、を有することを特徴とするタイヤモデル作成方法を提供する。
あるいは、本発明は、タイヤ特性をシミュレーションするためのタイヤモデル作成方法であって、複数のタイヤ構成部材からなるタイヤをタイヤ周方向に直交する平面で切断したタイヤ断面形状で再現した断面形状モデルを作成するステップと、作成された断面形状モデルをタイヤ周方向に展開するとともに、この展開の際に、タイヤ周方向の展開角度に応じて、前記断面形状モデルに含まれる複数のタイヤ構成部材のモデルのうちの少なくとも一つのモデルをタイヤ断面内で変動させながら、3次元形状モデルを作成するステップと、この作成された3次元形状モデルを用いて、3次元形状のタイヤモデルを作成するステップと、を有することを特徴とするタイヤモデル作成方法を提供してもよい。
このようなステップを有することにより、タイヤ周方向における断面形状や配置位置の変動を含めたタイヤ特性をシミュレーションすることができるタイヤモデルを作成することができる。
また、本発明では、前記タイヤ周方向への断面形状モデルの展開は、タイヤ周方向に対して1周行われ、かつ前記タイヤ周方向の展開開始位置と展開終了位置において断面形状モデルが一致するように前記断面形状モデルを変動させることが好ましい。このようにすることにより、展開開始位置と展開終了位置の境界部分が不連続となることを防ぐことができる。
また、本発明では、前記断面形状モデルのタイヤ周方向の展開角度に応じた変動は、タイヤ周方向の1周を基本周期とし、この基本周期を少なくとも有する周期関数で表される変動量に基づいていることが好ましい。このようにすることにより、3次元形状モデルの形状変化を滑らかに近似することができ、3次元形状モデルを複数の有限要素で分割する際に要素分割を容易にする。さらに、本発明では、前記周期関数は三角関数であることが好ましい。
さらに、本発明では、前記変動量を表す周期関数は、タイヤ周方向の1周が2周期以上となる高次の周期関数を含み、前記3次元形状モデルを用いて3次元形状のタイヤモデルを作成するステップは、3次元形状モデルを複数の有限要素で分割するステップをさらに有し、前記3次元形状モデルのうち少なくともタイヤケーシング部分は、前記周期関数の最大次数の6倍以上の数を有限要素の分割数として均等分割して有限要素を生成することが好ましい。
このようにすることにより、タイヤの1周において周期性が保てるとともに、要素分割の周期と形状変化の周期とが干渉することを抑制できるため、シミュレーションを実行した際に精度のよいタイヤ特性を得ることができる。このような高次周期関数としては、例えばフーリエ級数をあげることができる。
本発明に従えば、断面形状モデルをタイヤ周方向に展開して、3次元形状モデルを作成する際に、断面形状モデルをタイヤ断面内で変動させるので、タイヤ周方向における断面形状や配置位置の変動を含めたタイヤ特性をシミュレーションすることができるタイヤモデルの作成方法を提供することができる。
本発明は、タイヤ構成部材の断面形状モデルをタイヤ周方向位置に展開して3次元形状の形状モデルを作成する際、タイヤ周方向位置に応じて断面形状モデルの形状や位置を変動させてタイヤモデルを作成するので、タイヤのユニフォーミティ成分を考慮したタイヤ特性をシミュレーション演算することができる。
以下、本発明のタイヤモデル作成方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1は本発明のタイヤモデル作成方法を行い、さらにタイヤ特性のシミュレーションを実行するシミュレーション装置の概略を示す概略図である。
シミュレーション装置1は、各部位(処理部)の機能を制御し、装置全体の処理を制御する中央演算処理装置(CPU)2と、各部位で得られた演算結果などを一時的に記憶するRAMや各部位の処理を実行するための各種制御情報を記憶するROMなどのメモリ3と、入出力ポート4とを備える。シミュレーション装置1は、入出力ポート4を介して、モデル作成条件、処理条件、あるいは特性演算条件など各種の条件を入力するキーボード、マウスなどの入力装置5と、その入力装置5による入力結果やタイヤ特性のシミュレーション結果などを表示するディスプレイ、プリンタなど出力装置6と、ハードディスクや光磁気ディスクなどの外部記憶装置7と接続されている。
このようなシミュレーション装置1は、オペレータの入力に従ってタイヤの有限要素法解析モデル(以下、タイヤモデルという)を作成し、シミュレーション条件を設定し、シミュレーションを実行してタイヤ特性を演算する。
図2は、シミュレーション装置1によって実行されるタイヤ特性のシミュレーション処理の流れを示す。
シミュレーションを実行するための処理として、後述する方法を用いてタイヤモデルが作成される(ステップS101)。
作成されるタイヤモデルは、複数のタイヤ構成部材(以降、部材という)のモデル(部材モデル)からなり、各部材モデルを構成する要素は3次元モデルである。
図3(a),(b)は、乗用車用タイヤのタイヤモデルの一例の斜視図および正面図である。
タイヤモデル10は、主にトレッドパターン部モデル12とタイヤボディ部モデル14とに分けられ、これらのモデルは別々に作成された後、トレッドパターン部モデル12とタイヤボディ部モデル14とは接合される。その際、接合部分の節点を共有することによって、あるいは接合部分の節点に所定の拘束条件を与えることによりモデル同士が結合されて作成さる。各モデルは、多数の有限要素、例えば、6面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、4面体ソリッド要素、さらにはシェル要素、あるいは膜要素等によって構成される。このようにトレッドパターン部モデル12とタイヤボディ部モデル14を別々に作成した後、結合するのは、タイヤボディ部モデル14を変更せず、トレッドパターン部モデル12を変更してタイヤ特性をシミュレーションするためである。
図4(a)はタイヤボディ部モデル14の斜視図である。
タイヤボディ部モデル14は、タイヤモデル10からトレッドパターン部モデル12が取り除かれたモデルであり、略トロイダル形状を成している。図4(a)中、タイヤ周方向はA方向を、タイヤ幅方向はB方向を、タイヤ断面方向はタイヤ回転軸を通り、かつタイヤ周方向に直交する平面で切断したときの平面の方向を表す。図4(b)は、タイヤボディ部モデル14のタイヤ断面方向で切断したときのタイヤボディ部モデル14の右半分の断面図である。
タイヤボディ部モデル14は、主に、ベルト部材を再現したベルト部材モデル14a、トレッドベース部材を再現したとトレッドベース部材モデル14b、カーカス部材を再現したカーカス部材モデル14c、サイド部材を再現したサイド部材モデル14d、ビードフィラー部材を再現したビードフィラー部材モデル14eおよびビード部材を再現したビード部材モデル14f等を有して構成される。
図5は、トレッドパターン部モデル12の斜視図である。
トレッドパターン部モデル12は、タイヤのトレッドパターンを再現したモデルであって、タイヤボディ部モデル14に比べて細かい有限要素によって構成されている。
このようなタイヤモデル10は、後述する本発明のタイヤモデル作成方法によって作成される。
作成されたタイヤモデル10に対して、シミュレーション条件が設定される(ステップS102)。
シミュレーション条件として境界条件や試験条件が設定される。境界条件は、力学的境界条件と幾何学的境界条件からなり、力学的境界条件はいわゆる外力に関する条件であり、幾何学的境界条件は拘束条件や強制変位などに関する条件である。
試験条件は、タイヤが使用されるときの使用条件(負荷荷重、内圧、走行速度、路面の状態等の各種の条件)である。例えば、走行状態のタイヤ特性をシミュレーションする場合、タイヤモデルを内圧充填処理し、接地状態に設定する条件が試験条件として設定される。すなわち、タイヤモデルに別途作成したリムモデルを装着し、タイヤモデルの内周面に一定の荷重を負荷することによって内圧充填を再現する。内圧充填処理後に、タイヤモデルを剛体の路面モデルに設定して負荷荷重で接地し、接地状態のタイヤモデルを作成する。
次に、シミュレーション演算を実行し、演算結果が出力装置に出力される(ステップS103)。
例えば、走行状態のタイヤ特性をシミュレーションする場合には、接地状態に設定されたタイヤモデルに対して並進速度と回転角速度を付与して、路面上をタイヤが走行する状態がシミュレーション演算が行われる。シミュレーション演算は、公知の有限要素ソルバー等を用いて行われる。
シミュレーション演算としては、例えば、キャンバ角やスリップ角が付いたコーナリング時のドライ性能、タイヤ回転軸に制動トルクや駆動トルクを付与した時の制駆動性能、ウェット路面を再現した流体モデルを備え、ウェット路面でのハイドロプレーニング性能等のウェット性能のシミュレーション演算が挙げられ、上記試験条件を用いて演算される。
演算結果としてタイヤモデル10に作用する所定の特性物理量が算出され、算出された特性物理量は、タイヤ特性の指標としてディスプレイに表示される。あるいは、プリンタに出力される。
このようなタイヤ特性は、タイヤの転動に伴うユニフォーミティ成分に影響を与えるが、本発明では、このユニフォーミィティを考慮して、タイヤ特性をシミュレーションすることができる。
図6は、本発明のタイヤモデル作成方法の流れを説明するフローチャートである。
まず、タイヤ構成部材が、タイヤ断面方向に切断してタイヤ構成部材の断面形状を再現した断面形状モデルが作成される(ステップS201)。
図7(a)は、タイヤ構成部材の一例であるベルト部材の斜視図である。ベルト部材100は、スチール素線を複数本撚ったスチール線材102をタイヤ周方向(図7(a)中のA方向)に対して所定の角度傾斜させて一定の間隔で平行に配置した状態でコーティングゴム部材によりコートした、ゴム部材とスチール線材とを有するシート状の積層部材である。この積層部材は、図4(b)に示すシェル要素で表されたベルト部材モデル14aによって再現される。
図7(b)は、ベルト部材100をタイヤ断面方向に切断してタイヤ構成部材の断面形状を再現した図である。すなわち、ベルト部材100をタイヤ周方向に直交する平面で切断したときの形状を曲線要素で表すことによりベルト部材の断面形状モデル104が作成される。
次に、作成された断面形状モデルがタイヤ周方向に展開される(ステップS202)。
この展開の際、タイヤ周方向の位置に応じて断面形状モデルの形状がタイヤ断面内で変動されて、タイヤ構成部材の3次元形状モデルが作成される(ステップS203)。
図7(b)に示すベルト部材100の断面形状モデル104の例で説明すると、断面形状モデル104がタイヤ回転軸を中心にタイヤ周方向に1周展開され、回転体形状を成す。その際、断面形状モデル104のタイヤ周方向位置に応じて断面形状モデル104の形状や位置が変動される。この変動は、断面形状モデル104のタイヤ周方向における展開開始位置と展開終了位置において断面形状モデル104が一致するように与えられる。例えば、タイヤ周方向の1周を基本周期とし、この基本周期を少なくとも有する三角関数等の周期関数を用いて表された変動量が与えられる。例えば、周期関数はタイヤ周方向の1周が2周期以上となる高次の周期関数を含んで構成される。すなわち、上記変動量はフーリエ級数展開等の級数展開によって表された変動量が与えられる。
図8(a)は、断面形状モデル104をタイヤ周方向に展開する際、タイヤ幅方向位置(図8(a)中の角度θ)に応じて所定の変動量を与えて変動させて作成された3次元形状モデルの例を示す斜視図である。ここで、領域RおよびRは、変動によって断面形状モデル104の端を急激に変化させている。このような変化は、図8(b)に示すような、実際のタイヤの成形段階でベルト部材を1周巻き付けてグリーンタイヤを成形する際の接合位置のずれを反映したものである。すなわち、領域RおよびRは、ベルト部材100の接合位置の位置ずれを、図8(b)中の拡大図に示すように破線で形状近似したものに対応する。
このような変動量は、図8(c)に示すように、sinやcos等の三角関数を用いて、タイヤ周方向位置を表す角度θに対して高次の周期関数で表した和で表現することができる。特に、周期関数はタイヤ周方向において断面形状モデルを滑らかに接続させるので、タイヤ特性のシミュレーション演算を精度高く行うことができる。
次に、作成された3次元形状モデルに対してメッシュ分割が行われる(ステップS204)。メッシュ分割は、公知の自動分割メッシュモジュールを用いて行われてもよいし、操作者の指示に応じて行われてもよい。図8(d)は、メッシュ分割されて有限要素(シェル要素)からなるベルト部材モデル104aを示している。
こうして分割されたタイヤ構成部材の3次元形状の有限要素モデルは、同様にステップS205およびS206を通して作成された他のタイヤ構成部材の3次元形状の有限要素モデルと結合される。(ステップS207)。
モデルの結合は、双方のモデルの接合する部分の節点を互いに共有させる処理を行うことにより、あるいは、接合する境界面に位置する一方のモデルの節点を他方のモデルの節点に対して、変位、力等の物理量を拘束させる拘束条件を付与することによって行われる。
次に、定められた有限要素に対して材料定数が付与されて、タイヤモデルが完成する(ステップS208)。
このように、本発明では、タイヤ構成部材の断面形状を表した断面形状モデルをタイヤ周方向に展開する際、断面形状モデルの形状や位置を変動させることで、タイヤ周方向においてタイヤ断面形状が変化したタイヤモデルを作成することができる。これにより、タイヤのシミュレーション演算において、タイヤ断面形状が不均一になることにより生じるタイヤのユニフォーミティを考慮したタイヤ特性を求めることができる。
上述の説明では、タイヤ構成部材としてベルト部材を用いてタイヤ幅方向に変動する場合を説明したが、本発明では、タイヤ幅方向の変動のみならずタイヤ径方向(タイヤ周方向およびタイヤ幅方向の双方に直交する方向)に変動するものであってもよく、また、タイヤ幅方向およびタイヤ径方向の変動を組み合わせたものであってもよい。
例えば、図9(a)に示すように、タイヤ中心線CLに対して角度φ傾斜して配置されたベルト部材を再現してもよい。また、ベルト部材の他に、トレッドベース部材、カーカス部材、サイド部材、ビードフィラー部材、ビード部材等の断面形状モデルをタイヤ周方向に変動させて3次元形状モデルを作成してもよい。
図9(b)は、ゴム部材からなるトレッドベース部材の断面形状モデルをタイヤ周方向に展開する際、タイヤ中心軸Oに対して偏芯させた厚さ分布w(θ)を変動量として与えた3次元形状モデルである。
図9(c)は、トレッドベース部材の断面形状モデルをタイヤ中心軸Oの回りにタイヤ周方向に展開する際、タイヤ径方向に厚さ分布w(θ)を変動量として与えた3次元形状モデルである。
さらに、本発明では、タイヤボディ部の断面を表した断面形状モデルを、タイヤの外殻の断面形状と、この断面形状におけるタイヤ構成部材の配置を再現することによって作成し、作成された断面形状モデルをタイヤ周方向に展開するとともに、この展開の際に、タイヤ周方向の位置に応じて断面形状モデルにおけるタイヤ構成部材の配置位置をタイヤ断面内で所定の変動量を用いて変動させることにより、3次元形状のタイヤモデルを作成してもよい。これにより、少なくともタイヤ構成部材をタイヤ周方向位置で配置位置や形状を変化させることができる。
また、本発明では、断面形状モデルに与える変動量を表す周期関数が、タイヤ周方向の1周が2周期以上となる高次の周期関数を含む関数である場合、このタイヤモデルの少なくともタイヤボディ部のモデルは、最大次数の周期関数における周期の6分の1以下の長さで、タイヤ周方向に分割されて有限要素が生成されていることが好ましい。タイヤ周方向における上記変動に対して有限要素のタイヤ周方向の長さを、最大次数の周期関数における周期の6分の1以下とすることで、ユニフォーミティ成分を精度高く算出することができ、精度の高いタイヤ特性を算出することができる。
ベルト部材をタイヤ周方向に1周巻き付けて両端を接続してグリーンタイヤを成形する際、ベルト部材の接続部分を5mmタイヤ幅方向にずらすことによって試作された乗用車用タイヤに対して、ユニフォーミティ試験を行った。ユニフォーミティ試験は、円筒状のドラム路面にタイヤを所定の荷重で押しつけて所定の速度で転動させたとき、タイヤに発生する上下方向、前後方向および左右方向に作用する力の振動成分(ユニフォーミティ成分)を計測するものである。計測された左右方向の振動成分(ラテラルフォースバリエーション(LFV))を基準(指数100)とした。
一方、試作タイヤを有限要素で再現した、ベルト部材が接続部分で5mmずれているタイヤのシミュレーションモデルを上述した方法により作成し(モデル1〜4)、タイヤのユニフォーミティ試験を再現したシミュレーション演算を行った。
タイヤモデルに与えるベルト部材モデルの変動量はフーリエ級数展開の形式で与えた。このときのフーリエ級数展開の採用次数(最高次数)およびタイヤモデルの周方向の分割数と、ラテラルフォースバリエーション(LFV)のシミュレーション演算結果との関係を表1に示す。
Figure 2005242789
表1によると、フーリエ級数展開における最大次数の4倍(モデル1)および最大次数の4.8倍(モデル2)の数で有限要素を均等分割した場合、ユニフォーミティ試験(実験)結果に対して7〜8%の誤差が生じる。
また、フーリエ級数展開における最大次数の6倍の数で有限要素をタイヤ周方向に分割した場合、不均等分割することにより、LFVの値は実験結果に対して10%の誤差が生じる。しかし、均等分割(モデル4)することにより、LFVが実験結果に対して2%の誤差に低減する。これは、有限要素の要素分割の周期と変動量の周期とが干渉するためであると考えられる。すなわち、有限要素のタイヤ周方向における要素分割数はタイヤ周方向の形状変化に応じてモデルの作成を行うことが必要であり、実験結果に対応するシミュレーション結果を得るには、タイヤ周方向の有限要素の要素分割数は、変動量を与える周期関数の最大次数の6倍以上の分割数(モデル4)とするのが好ましい。
また、タイヤ周方向の要素分割を不等分割(モデル3)すると、分割数より低い次数の要素分割による変動が生じると予測でき、精度が悪化している。したがって、有限要素の要素分割はフーリエ級数の最大次数の6倍以上の要素に分割し、かつ等分割することが好ましい。
以上、本発明に係るタイヤモデルの作成方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
シミュレーション装置の概略図である。 タイヤ特性のシミュレーションにおける処理フローを示す図である。 乗用車用タイヤのタイヤモデルの一例の斜視図および正面図である。 タイヤボディ部モデルを示す図である。 トレッドパターン部モデルの斜視図である。 タイヤモデル作成方法の流れを説明するフローチャートである。 タイヤ構成部材の一例であるベルト部材およびベルト部材モデルの断面形状を示す図である。 断面形状モデルのタイヤ周方向に展開を説明するための図である。 断面形状モデルを周方向に変動させた展開する場合の変形例を示す図である。
符号の説明
1 シミュレーション装置
2 中央演算処理装置(CPU)
3 メモリ
4 入出力ポート
5 入力装置
6 出力装置
7 外部記憶装置

Claims (6)

  1. タイヤ特性をシミュレーションするためのタイヤモデル作成方法であって、
    タイヤを構成するタイヤ構成部材をタイヤ周方向に直交する平面で切断したタイヤ断面形状を再現した断面形状モデルを作成するステップと、
    作成された断面形状モデルをタイヤ周方向に展開するとともに、この展開の際に、タイヤ周方向の展開角度に応じて、前記断面形状モデルをタイヤ断面内で変動させることにより、タイヤ構成部材の3次元形状モデルを作成するステップと、
    この作成された3次元形状モデルを用いて、3次元形状のタイヤモデルを作成するステップと、を有することを特徴とするタイヤモデル作成方法。
  2. タイヤ特性をシミュレーションするためのタイヤモデル作成方法であって、
    複数のタイヤ構成部材からなるタイヤをタイヤ周方向に直交する平面で切断したタイヤ断面形状で再現した断面形状モデルを作成するステップと、
    作成された断面形状モデルをタイヤ周方向に展開するとともに、この展開の際に、タイヤ周方向の展開角度に応じて、前記断面形状モデルに含まれる複数のタイヤ構成部材のモデルのうちの少なくとも一つのモデルをタイヤ断面内で変動させながら、3次元形状モデルを作成するステップと、
    この作成された3次元形状モデルを用いて、3次元形状のタイヤモデルを作成するステップと、を有することを特徴とするタイヤモデル作成方法。
  3. 前記タイヤ周方向への断面形状モデルの展開はタイヤ周方向に対して1周行われ、かつ前記タイヤ周方向の展開開始位置と展開終了位置において断面形状モデルが一致するように前記断面形状モデルを変動させる請求項1または2に記載のタイヤモデル作成方法。
  4. 前記断面形状モデルのタイヤ周方向の展開角度に応じた変動は、タイヤ周方向の1周を基本周期とし、この基本周期を少なくとも有する周期関数で表される変動量に基づいている請求項3に記載のタイヤモデル作成方法。
  5. 前記周期関数は三角関数である請求項4に記載のタイヤモデル作成方法。
  6. 前記変動量を表す周期関数は、タイヤ周方向の1周が2周期以上となる高次の周期関数を含み、
    前記3次元形状モデルを用いて、3次元形状のタイヤモデルを作成するステップは、3次元形状モデルを複数の有限要素で分割するステップをさらに有し、前記3次元形状モデルのうち少なくともタイヤケーシング部分は、前記周期関数の最大次数の6倍以上の数を有限要素の分割数として均等分割して有限要素を生成する請求項4または5に記載のタイヤモデル作成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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