以下、本発明を実施するための最良な形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、本発明を、客席フロアが1階(1F),2階(2F),3階(3F)の3フロアからなり、各階をそれぞれ管理対象領域として管理するとともに、厨房を揚げ物コーナ,焼き物コーナ,ドリンク・デザートコーナ及びサラダコーナの4つのコーナに区分してなる飲食店に適用した場合である。
図1は本発明の店舗管理機能を実現する飲食店システムの第1の実施形態を示す図であり、本実施形態のシステムは、店舗管理に関する各種情報処理の中枢を担うコンピュータとしてステーション1を備えている。また、接客担当の店員がそれぞれ携帯して客のオーダ内容等を入力するための端末として、無線回路内蔵のオーダエントリターミナル2を用いている。そして、客席フロアの各所に各オーダエントリターミナル2と無線による双方向通信が可能な無線機3を設け、各無線機3をそれぞれステーション1に接続して、各オーダエントリターミナル2で入力され、無線送信されたデータをステーション1が取り込めるようになっている。
ステーション1には、LAN(Local Area Network)4が接続されており、このLAN4を介して、厨房のコーナ毎に設けられた厨房端末5A,5B,5C,5Dや、オーダ伝票を印字発行する伝票発行機6、会計を処理するPOS(Point Of Sales)端末7、待ち客の予約情報を入力する予約端末8等の電子機器がステーション1に接続されている。
飲食店内の各客席フロア1F,2F,3F及び出入口の各所には、それぞれ監視カメラ9A,9B,9C,9Dが取付けられており、各カメラ9A〜9Dによって撮像された画像データがステーション1に供給されて、モニタ10にカラー表示されるようになっている。
モニタ10には、例えば図2に示すレイアウトの店内監視画面11が常時表示されている。この画面11は、フロア(管理対象領域)1F,2F,3F別のフロア状況表示部12,13,14(フロア状況表示部13,14は図示せず)と、実績表示部15と、カメラ画像表示部16とから構成されている。
フロア状況表示部12,13,14には、それぞれそのフロア(管理対象領域)に配置されている各客席の空席,在席等の状況を示す客席レイアウト画像17がカラー表示されている。また、厨房の各コーナにおける仕事量をインジケータとしてコーナ別に示す厨房レイアウト画像18と、予約端末8によって管理されている待ち客の人数を示す待ち客画像19とが、各フロア状況表示部12,13,14に共通にカラー表示されている。なお、店内監視画面11には、いずれか1つのフロア状況表示部12,13または14が表示されており、例えばモニタ10に接続されたマウス等の図示しない操作手段で画面を操作して各フロア状況表示部12,13,14のタグ12T,13T,14Tを選択することによって、フロア状況表示部の画像を切り換えられるようになっている。
実績表示部15には、オーダエントリターミナル2によってオーダを受けた時点の時間帯別売上金額とPOS端末7によって会計を処理した時点の時間帯別売上金額とを対比して示すグラフや、各フロアでそれぞれ従事している接客担当者のオーダ回数,配膳回数,片付回数を示すグラフ等が表示されている。
カメラ画像表示部16には、各カメラ9A,9B,9C,9Dによって撮像された画像が表示されている。
図3は客席レイアウト画像17に表示される客席画像20の一例であり、(a)は客が在席している客席画像20aを示し、(b)は客が在席していない客席画像20bを示している。在席中の客席画像20aには、その客席を特定する客席コード21とともに、在席時間を示すインジケータ22が表示されている。また、メニュー品目の注文を受けていない客席には注文待ちを示すマーク[注]が表示され、配膳されていないオーダが残っている客席には未配膳を示すマーク[未]23が表示されている。在席時間インジケータ22は、不在を示す客席画像20bには表示されない。不在を示す客席画像20bのうち、片付中の客席にはマーク[片]24が表示されている。また、予約席にはマーク[予]が表示されている。
図4は厨房レイアウト画像18に表示されるコーナ別の仕事量インジケータ25の一例であり、円26の中に、仕事量インジケータ25がコーナ名27とともに表示されている。円26の外側には、そのコーナでメニュー品目の製造を担当している店員の氏名28と人物マーク29とが表示されている。
オーダエントリターミナル2は、図6のブロック図で示すように、半導体メモリ等の記憶部31、キーボード,ダッチパネル等の操作入力部32、液晶ディスプレイ等の表示部33、無線部34及び各部を制御する制御部35の各部で構成されている。記憶部31には、当該オーダエントリターミナル2を携帯して使用する接客担当(フロア担当)の店員に設定された店員コードや、当該飲食店で販売するメニュー品目のメニューコード,品目名等の情報が記憶されている。
オーダエントリターミナル2の外観構成の一例を図5に示す。このオーダエントリターミナル2は、携帯可能なブック型の本体36からなり、本体36を見開いたときの一方の面にキーボード37が設けられ、他方の面にタッチパネル付きのディスプレイ38が設けられている。キーボード37には、「新規」,「追加」,「取消」,「設定」,「席No」,「案内完了」,「配膳完了」,「片付完了」の各機能キーや、「ランチ」,「サラダ/スープ」,「パスタ」等の料理種別キー、「0」〜「9」の置数キー、確認/送信キー等が配列されている。
本実施の形態において、各フロア1F,2F,2Fにそれぞれ配置された接客担当の各店員は、それぞれオーダエントリターミナル2を携帯し、予め設定キーや置数キー等を操作して、自身の店員コードを記憶部31に設定しておく。この状態で、各店員は、来店した客を空いている席まで案内する案内業務、客のオーダを受けるオーダ業務、厨房で製造されたメニュー品目を客席まで配膳する配膳業務及び客が帰った客席の皿等を片付ける片付業務等を行う。そして、案内業務を行った際には、席番号キーと置数キーとを操作して案内した客席を特定するための客席コードを入力した後、案内完了キーを操作する。オーダ業務を行った際には、オーダをした客が着いている客席の客席コードを入力した後、メニュー群キーの操作により表示されるメニューリストからオーダを受けたメニュー品目を選択し登録する。そして、登録を完了すると、確認/送信キーを操作する。配膳業務を行った際には、配膳した客席の客席コードを入力した後、配膳完了キーを操作する。片付業務を行った際には、片付け終わった客席の客席コードを入力した後、片付完了キーを操作する。
案内完了キーの操作によりオーダエントリターミナル2から無線送信される案内完了データ伝文のフォーマットを図7(a)に示し、確認/送信キーの操作により無線送信されるオーダメニューデータ伝文のフォーマットを図7(b)に示し、配膳完了キーの操作により無線送信される配膳完了データ伝文のフォーマットを図7(c)に示し、片付完了キーの操作により無線送信される片付完了データ伝文のフォーマットを図7(d)に示す。各伝文ファーマットにおいて、STNコードは、伝文の宛先であるステーション1の識別コードである。客席コードは、都度、操作入力される客席コードである。店員コードは、記憶部31に記憶されている店員コードである。案内完了データ,配膳完了データ及び片付完了データはそれぞれ異なる固定のデータである。オーダメニューデータは、オーダ入力されたメニュー品目のメニューコード及び注文数等である。これらの無線データ伝文は、無線機3で受信され、ステーション1に取れ込まれて処理される。
各厨房端末5A〜5Dは同一構成であり、その要部を図8のブロック図で示す。すなわち厨房端末5A〜5Dは、タッチパネル付のディスプレイ41と、このディスプレイ41を制御するコントローラ42とからなり、コントローラ42は、ディスプレイ41に表示させる画像データを記憶する画像メモリ43、タッチパネル信号によりメニュー品目の製造完了を検知する製造完了検知部44、半導体メモリ等の記憶部45、LAN4に接続される通信部46及びこれらを制御する制御部47等で構成されている。記憶部45には、各厨房端末5A〜5D毎に、それぞれ設置されている厨房コーナを識別するための厨房コーナコードが予め記憶されている。
各厨房端末5A〜5Dは、それぞれ厨房のコーナ毎にそのコーナで製造するメニュー品目のうち、客からオーダを受けたメニュー品目のリストをタッチパネル付ディスプレイ41に表示させるものであり、各厨房コーナの製造担当である店員は、このディスプレイ41に表示されたリストに従い、メニュー品目を製造(調理)する。そして、製造を完了する毎に、ディスプレイ41をタッチ操作してリストから削除する。このとき、製造完了検知部44は、ディスプレイ41からのタッチパネル信号により製造を完了したメニュー品目を認識し、制御部47に通知する。制御部47は、製造完了検知部44からの通知に応じて図9に示すフォーマットの製造完了データ伝文を作成し、通信部46から送信する。
図9において、STNコードは伝文の宛先であるステーション1の識別コードである。厨房コーナコードは、記憶部45に記憶されている厨房コーナコードである。メニューコードは、製造を完了したメニュー品目のメニューコードである。客席コードは、製造を完了したメニュー品目をオーダした客の客席コードである。この製造完了データ伝文は、LAN4を伝送され、ステーション1に取れ込まれて処理される。
POS端末7は、図10のブロック図で示すように、半導体メモリ等の記憶部51、キーボード,スキャナ等の操作入力部52、オペレータ用及び客用の表示部53、レシート印字等を行う印字部54、LAN4に接続される通信部55及びこれらを制御する制御部56の各部で構成されている。記憶部51には、当該POS端末7を識別するためのPOSコードが予め記憶されている。
操作入力部52には、客席コード入力手段57が設けられており、会計担当の店員は、飲食を終えた客がその飲食代金の会計を申し出ると、その客が着いていた客席の客席コードを入力する。すると、制御部56は、図11に示すフォーマットの会計入力データ伝文を作成し、通信部55から送信する。
図11において、STNコードは伝文の宛先であるステーション1の識別コードである。POSコードは、記憶部51に記憶されているPOSコードである。客席コードは、都度、客席コード入力手段57によって入力される客席コードである。この会計入力データ伝文は、LAN4を伝送され、ステーション1に取れ込まれて処理される。これにより、ステーション1からは、当該客席コードの客席に着いていた客のオーダデータがLAN4経由で与えられるので、制御部56は、このオーダデータに基づき売上情報を記憶部51にメモリ処理する。また、印字部54を動作させて、レシートを印字発行するものとなっている。
ステーション1は、図12のブロック図で示すように、ハードディスク等に形成されたデータベース部61、半導体メモリ等のメモリ部62、前記モニタ10に表示させる画像データを記憶する画像メモリ63、前記無線機3が接続される無線機インターフェイス64、現在の日時を計時する時計部65、LAN4に接続される通信部66、各監視カメラ9A〜9Dの撮像動作を制御するカメラ制御部67及びこれらを制御する主制御部68等で構成されている。メモリ部62には、当該ステーション1を識別するためのSTNコードが記憶されている。またメモリ部62には、警告ログデータを蓄積するための警告ログファイル69が形成されている。
データベース部61には、店員データベース70,メニューデータベース71,フロアデータベース72,客席データベース73,厨房データベース74等の各種データベースが保存されている。
店員データベース70には、各店員毎に、図13に示すように、その店員の識別情報である店員コードと、氏名と、その店員の担当部署(接客担当,厨房担当など)を示す担当部署コード及びその部署での作業実績データとが1レコードとして記憶されている。接客担当の店員に対しては、その店員が配置されたフロア(管理対象領域)のフロアコードが担当部署コードとして設定されており、作業実績データとしてオーダ回数,配膳回数及び片付回数が累計記憶される。また、厨房担当等の店員に対しては、その店員が配置された厨房コーナの厨房コーナコードが担当部署コードとして設定されており、作業実績データとして製造品目数が累計記憶される(店員情報記憶手段)。
メニューデータベース71には、各メニュー品目毎に,図14に示すように、そのメニュー品目の識別情報であるメニューコードと、品目名と、単価と、そのメニュー品目が製造される厨房のコーナ特定情報である厨房コーナコードと、オーダ回数,売上累計金額等のオーダ実績データとが1レコードとして記憶されている。
フロアデータベース72には、各フロア1F,2F,3F毎に、図15に示すように、そのフロアの識別情報であるフロアコードと、フロア名と、そのフロアに設置されている客席の総数と、店内監視画面11に客席レイアウト画像17として表示されるそのフロアのレイアウト画像データと、そのフロアの現時点における在席数,未オーダ数,未配膳数等のフロア管理データと、警告フラグとが1レコードとして記憶されている。本実施の形態では、管理対象領域であるフロア1F,2F,3F単位に注文待ち状態であることを示す未オーダの客席数を計数し、この未オーダ数が一定値を超えると、そのフロアは稼動状況が悪く接客業務が滞っているとみなして、警告フラグをセットするものとなっている。
客席データベース73には、全フロアの客席毎に、図16に示すように、その客席の識別情報である客席コードと、客席名と、その客席が設けられているフロアのフロアコードと、その客席の定員及び禁煙席か喫煙席かを識別するステータスデータと、その客席の稼動状況データと、その客席に着いている一単位の客の入店からの滞留時間をカウントする滞留時間データと、その客席に客が着いてからオーダを受けるまでの注文待ち時間データと、その客席に着いている客がオーダしたメニュー品目のメニューコード,合計金額等のオーダ管理データとが1レコードとして記憶されている(客席情報記憶手段)。
稼動状況データは、空席を“0”とし、注文待ちを“1”とし、配膳待ちを“2”とし、飲食中を“3”とし、片付中を“4”とし、予約席を“9”とする。滞留時間データ及び注文待ち時間データは、時計部65にて計時される時刻に同期して1分毎に“1”ずつカウントアップするようになっている。なお、一単位の客とは、1つの伝票で管理される個人またはグループの客のことである。
この客席データベース73に保存された各レコードの稼動状況データにより、客席レイアウト画像17に表示される各客席の画像が決定される。すなわち、稼動状況データが空席“0”または片付中“4”若しくは予約“9”の客席は、図3(b)に示す客席画像20bとなり、その画像内に該当する客席名が表示される。また、片付中“4”の場合にはマーク[片]24が表示され、予約“9”の場合にはマーク[予]が表示される。一方、稼動状況データが注文待ち“1”または配膳待ち“2”若しくは飲食中“3”の客席は、図3(a)に示す客席画像20aとなり、その画像内に該当する客席名が表示される。また、注文待ち“1”の場合にはマーク[注]が表示され、配膳待ち“2”の場合にはマーク[未]23が表示される。また、滞留時間データが例えば15分を経過する毎にインジケータ22が左端から順番に例えば赤色になるようになっている(客席状況表示手段)。
厨房データベース74には、厨房の各コーナ毎に、図17に示すように、その厨房コーナの識別情報である厨房コーナコードと、コーナ名と、製造実績データとが1レコードとして記憶されている。製造実績データは、その厨房コーナに対して製造指示がなされたメニュー品目のメニューコード,注文受付時刻,製造完了時刻等である。
しかして、オーダエントリターミナル2から無線送信される案内完了データ伝文(図7(a)を参照)を無線機インターフェイス64を介して取り込むと、主制御部68は、図19の流れ図に示す案内完了入力処理を開始する。
先ず、主制御部68は、受信伝文中の客席コードを取得し、客席データベース73を検索して、当該客席コードに対応した稼動状況データを調べる。ここで、稼動状況データが“0”(空席)または“9”(予約席)の場合には、当該客席コードの客席に対して客を案内できるので、主制御部68は、客席データベース73の当該客席コードに対応した稼動状況データを“1”(注文待ち)に変更し(注文待ち客席検知手段)、滞留時間データ及び注文待ち時間データのカウントを開始させる(注文待ち時間計時手段)。また、オーダ管理データをクリアする。次に、主制御部68は、当該客席コードに対応して設定されたフロアコードを取得し、フロアデータベース72を検索して、当該フロアコードに対応したフロア管理データの在席数,未オーダ数及び未配膳数をそれぞれ“1”ずつ加算する(注文待ち客席数計数手段)。しかる後、主制御部68は、後述するフロア警告判定処理を実行するものとなっている。
また、オーダエントリターミナル2から無線送信されるオーダメニューデータ伝文(図7(b)を参照)を無線機インターフェイス64を介して取り込むと、主制御部68は、図20の流れ図に示すオーダ入力処理を開始する。
先ず、主制御部68は、受信伝文中の客席コードを取得し、客席データベース73を検索して、当該客席コードに対応した稼動状況データを調べる。ここで、稼動状況データが“1”(注文待ち),“2”(配膳待ち)または“3”(飲食中)の場合には、当該客席コードの客席に着いている客からのオーダが可能なので、主制御部68は、客席データベース73の当該客席コードに対応したオーダ管理データに、受信伝文中のオーダメニューデータを追加する。
次に、主制御部68は、当該客席コードに対応した稼動状況データが“1”であった場合には、客席データベース73から当該客席コードに対応して設定されたフロアコードを取得し、フロアデータベース72を検索して、当該フロアコードに対応したフロア管理データの未オーダ数を“1”だけ減算する(注文待ち客席数計数手段)。また、当該客席コードに対応した稼動状況データが“1”または“3”であった場合には、この稼動状況データを“2”に変更する。
次に、主制御部68は、受信伝文中のオーダメニューデータから、オーダされたメニュー品目のメニューコードを全て取得する。そして、メニューデータベース71を検索して、各メニューコード毎にそれに対応した厨房コーナコードを取得し、オーダされたメニュー品目のデータ(メニューコード,客席コード)を厨房コーナコードで振り分ける。そして、厨房コーナコード毎にその厨房コーナコードに振り分けられたメニュー品目の製造指示データ伝文を作成する。
製造指示データ伝文は、図18に示すように、厨房コーナコードを宛先とし、メモリ部62に記憶されているSTNコードとともに、当該厨房コーナコードに振り分けられた全オーダメニュー品目のデータを付加した伝文である。主制御部68は、厨房コーナコード別の製造指示データ伝文を、通信部66を介してLAN4に送信する。この製造指示データ伝文は、それぞれ宛先の厨房コーナコードが設定された各厨房端末5A〜5Dにて受信される。しかして、各厨房端末5A〜5Dのタッチパネル付ディスプレイ41には、オーダメニューの製造指示データが出力される。
上記製造指示データ伝文を送信後、主制御部68は、厨房コーナコード別に振り分けられた全オーダメニュー品目のメニューコード及び客席コードに、時計部65から読取った現在時刻を注文受付時刻として付加して製造実績データを作成する。そして、この厨房コーナコード別の製造実績データを厨房データベース74に厨房コーナコード別に振り分けて追加する。また、該当厨房コーナコードに対応した製造必要数に、それぞれ追加したデータ分を加算する。さらに、受信伝文中の店員コードを取得し、店員データベース70を検索して、当該店員コードに対応した作業実績データのオーダ回数を“1”だけ増加させる。しかる後、主制御部68は、後述するフロア警告判定処理を実行するものとなっている。
また、厨房端末5A〜5DからLAN4経由で送信される製造完了データ伝文(図9を参照)を通信部66を介して取り込むと、主制御部68は、図21の流れ図に示す製造完了入力処理を開始する。
先ず、主制御部68は、受信伝文中の厨房コーナコードを取得し、厨房データベース74を検索して、当該厨房コーナコードに対応して保存された製造実績データから、受信伝文中のメニューコード及び客席コードが一致しかつ製造完了時刻が未設定のデータを抽出する。そして、時計部65にて計時されている現在時刻をこのデータの製造完了時刻としてセットする。また、該当厨房コーナコードに対応した製造必要数を“1”だけ減算する。次に、主制御部68は、店員データベース70を検索して、担当部署コードとして当該厨房コーナコードを設定している店員コードを取得する。そして、この店員コードに対応した作業実績データの製造品目数を“1”だけ加算するものとなっている。
また、オーダエントリターミナル2から無線送信される配膳完了データ伝文(図7(c)を参照)を無線機インターフェイス64を介して取り込むと、主制御部68は、図22の流れ図に示す配膳完了入力処理を開始する。
先ず、主制御部68は、受信伝文中の客席コードを取得し、客席データベース73を検索して、当該客席コードに対応した稼動状況データを調べる。ここで、稼動状況データが“2”(配膳待ち)の場合には、当該客席コードの客席に着いている客がオーダしたメニュー品目の配膳が完了したので、主制御部68は、この稼動状況データを“3”(飲食中)に変更する。また、主制御部68は、客席データベース73から当該客席コードに対応して設定されたフロアコードを取得し、フロアデータベース72を検索して、当該フロアコードに対応したフロア管理データの未配膳数を“1”だけ減算する。さらに、受信伝文中の店員コードを取得し、店員データベース70を検索して、当該店員コードに対応した作業実績データの配膳回数を“1”だけ増加させるものとなっている。
また、POS端末7からLAN4経由で送信される会計入力データ伝文(図11を参照)を通信部66を介して取り込むと、主制御部68は、図23の流れ図に示す会計入力処理を開始する。
先ず、主制御部68は、受信伝文中の客席コードを取得し、客席データベース73を検索して、当該客席コードに対応した稼動状況データを調べる。ここで、稼動状況データが“3”(飲食中)の場合には、当該客席コードの客席に着いている客が飲食を終えて会計を申し出たので、主制御部68は、この稼動状況データを“4”(片付中)に変更する。また、当該客席コードに対応した滞留時間のカウントアップを停止させる。次に、主制御部68は、客席データベース73から当該客席コードに対応して設定されたフロアコードを取得し、フロアデータベース72を検索して、当該フロアコードに対応したフロア管理データの在席数を“1”だけ減算する。また、客席データベース73から当該客席コードに対応して管理されているオーダ管理データを取得し、通信部66からLAN4経由でPOS端末7へ送信するものとなっている。
また、オーダエントリターミナル2から無線送信される片付完了データ伝文(図7(d)を参照)を無線機インターフェイス64を介して取り込むと、主制御部68は、図24の流れ図に示す片付完了入力処理を開始する。
先ず、主制御部68は、受信伝文中の客席コードを取得し、客席データベース73を検索して、当該客席コードに対応した稼動状況データを調べる。ここで、稼動状況データが“4”(片付中)の場合には、当該客席コードが設定された客席の後片付けが完了したので、主制御部68は、この稼動状況データを“0”(空席)に変更する。しかる後、主制御部68は、受信伝文中の店員コードを取得し、店員データベース70を検索して、当該店員コードに対応した作業実績データの片付回数を“1”だけ増加させるものとなっている。
図25は前記フロア警告判定処理の要部を示す流れ図である。すなわち主制御部68は、前記案内完了入力処理あるいはオーダ入力処理の実行により、このフロア警告判定処理に入ると、先ず、判定対象フロアの未オーダ数Nを取得する。ここで、判定対象フロアとは、案内完了入力処理であった場合には、在席数,未オーダ数および未配膳数をそれぞれ“1”ずつ加算したフロアコードのフロア(管理対象領域)であり、オーダ入力処理の場合には、未オーダ数を“1”だけ減算したフロアコードのフロア(管理対象領域)である。
判定対象フロアの未オーダ数Nを取得したならば、次に、主制御部68は、その未オーダ数Nと予め設定された一定の警告許容値Xとを比較する。その結果、未オーダ数Nが警告許容値Xを上回った場合には、主制御部68は、当該判定対象フロアのフロアコードが設定されたフロアデータベース72のレコードの警告フラグが“1”にセットされているか否かを判断する。そして、警告フラグが“1”にセットされていなかった場合には“1”にセットする。また、現時点における店員データベース70,メニューデータベース71,フロアデータベース72,客席データベース73及び厨房データベース74の各データを、警告ログファイル69に保存する。このとき、各データベースのデータを周知の圧縮・解凍プログラムにより圧縮して保存してもよい。
次に、主制御部68は、図26に示すように、モニタ10に表示されている店内監視画面11において、当該判定対象フロアを示すフロア状況表示部12,13,または14のタグ12T,13Tまたは14T(図26ではタグ14T)の表示を、例えば色を変える等、変化させることによって、当該判定対象フロアでの接客業務が滞っていることを警告する(報知手段)。また、店員データベース70を検索して、当該判定対象フロアのフロアコードが担当部署コードとして設定されている店員の氏名情報を取得する。そして、図26の符号80に示すように、この氏名のリストを店内監視画面11に表示させることによって、接客業務が滞っているフロアの担当者を併せて知らしめる。
一方、未オーダ数Nが警告許容値Xを上回らなかった場合には、主制御部68は、当該判定対象フロアのフロアコードが設定されたフロアデータベース72のレコードの警告フラグが“1”にセットされているか否かを判断する。そして、警告フラグが“1”にセットされていた場合には“0”にセットする。この場合、当該判定対象フロアを示すフロア状況表示部12,13,または14のタグ12T,13Tまたは14Tが警告表示されているので、その警告表示をクリアする。また、当該判定対象フロアのフロアコードが担当部署コードとして設定されている店員の氏名リスト80も消去する。
このように本実施の形態においては、1階,2階及び3階にそれぞれ客席フロアを有する飲食店において、店長等の店舗管理者が各客室フロアの稼働状況を階毎に管理するために、各階の客席フロアをそれぞれ管理対象領域として、店員データベース70,フロアデータベース72,客席データベース73等を作成している。
しかして各接客担当者は、それぞれ来店した客を客席に案内する毎に、オーダエントリターミナル2を操作してその客席の客席コードを入力し、案内完了キーを操作する。すると、当該オーダエントリターミナル2から案内完了データ伝文がステーション1に伝送され、ステーション1では案内完了入力処理が実行される。この処理の実行により、当該客席の稼働状況が「注文待ち」として管理される。また、当該客席が配置されているフロアの未オーダ数が“1”だけ増加される。
また、各接客担当者は、客からメニュー品目のオーダを受ける毎に、オーダエントリターミナル2を操作してその客が着いている客席の客席コードを入力した後、オーダされたメニュー品目に関する情報を入力し、確認/送信キーを操作する。すると、当該オーダエントリターミナル2からオーダメニューデータ伝文がステーション1に伝送され、ステーション1ではオーダ入力処理が実行される。この処理の実行により、当該客席の稼働状況が「配膳待ち」として管理される。また、当該客席が配置されているフロアの未オーダ数が“1”だけ減少される。
そして、いずれかの客席フロアの未オーダ数が増減する毎に、フロア警告判定処理が実行される。その結果、未オーダ数が許容値Xを超えた管理対象領域のフロアがあると、モニタ10に表示されている店内監視画面11の当該フロアを示すフロア状況表示部12,13,または14のタグ12T,13Tまたは14Tの表示が変化する。また、そのフロアを担当する店員の氏名リストが併せて表示される。
これにより、モニタ11の傍にいる店長等の店舗管理者は、店内監視画面11の状態から、表示が変化した客室フロアにおいて未オーダ数が増加していること、つまりは接客業務が滞りつつあり、フロアの稼働状況が悪くなってきていることを的確に把握することができる。このような場合、店舗管理者は当該フロアの接客担当者を増員したり、店員の担当をシフトしたりする等の適切な対策を講じることによって、接客業務の停滞によるサービスの低下を未然に防ぐことができ、ひいては、混雑時における効率的な店舗運営を容易になし得るようになる。
なお、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
例えば前記実施の形態では、各接客担当者が客を客席まで案内したときにオーダエントリターミナル2にその客席の客席コードを入力するものとし、この案内業務において客席コードが入力された客席を、その客席に着いた客からのオーダが入力されるまで注文待ちの客席として管理する場合を示したが、各客席に呼出ボタンを設置し、メニュー品目を注文する客がベルを操作して店員を呼出す周知の形態を採用している飲食店であれば、呼出ボタンが入力された客席を、その客席に着いた客からのオーダが入力されるまで注文待ちの客席として管理することができる。そこで次に、呼出ボタンを用いた第2の実施の形態について、図27〜図31を用いて説明する。
図27は第2の実施の形態における飲食店システムの構成図であり、各フロア1F,2F,3Fの各客席にそれぞれ設置された呼出ボタン90からの信号を、それぞれフロア1F,2F,3F毎に設けられた受信機91で受信し、ステーション1に供給するようになっている。また、各フロア1F,2F,3Fにそれぞれ客席名表示盤92が設けられており、ステーション1の制御により、呼出ボタン90が操作された客席の客席名が同一フロアの表示盤92に表示されるようになっている。その他は、第1の実施の形態と同様であるので同一部分に同一符号を付し、説明を省略する。なお、図27において、監視カメラ9A〜9Dは省略している。
本実施の形態では、ステーション1のメモリ部62に、図28に示すように、各フロア1F,2F,3Fのフロアコードとそのフロアに設置されている各客席の客席コードとを対応させて記憶するとともに、各フロアの各客席コードに対応させて、客席名,呼出中フラグ及び注文待ち経過時間カウンタをそれぞれ記憶するようにした客席管理テーブル93を形成している。
そして、ステーション1の主制御部68は、呼出ボタン90の操作信号が受信機91を介して入力される毎に、図29の流れ図に示す呼出ボタン入力処理を開始する。すなわち、主制御部68は、呼出ボタン90の操作信号が入力されると、その信号を解析して操作された呼出ボタン90が設置されている客席の客席コードを取得する。そして、客席管理テーブル93を参照して、当該客席コードに対応する呼出中フラグを調べ、呼出中フラグがリセットされていた場合には、当該客席は呼出中でないので、主制御部68は、当該客席コードに対応する客席名を該当フロアの表示盤92に表示させる。また、当該客席コードに対応する注文待ち経過時間カウンタのカウント動作を開始させる。さらに、当該呼出中フラグをセットして、当該客席が呼出中であることを記憶する。その後、後述するフロア警告判定処理を実行するものとなっている。
また、主制御部68は、オーダエントリターミナル2から無線送信されるオーダメニューデータ伝文(図7(b)を参照)を無線機インターフェイス64を介して取り込むと、図30の流れ図に示すオーダ入力処理を開始する。
先ず、主制御部68は、受信伝文中の客席コードを取得し、客席管理テーブル93を参照して、当該客席コードに対応する呼出中フラグを調べ、呼出中フラグがセットされていた場合には、当該客席は呼出中であったので、主制御部68は、当該客席コードに対応する客席名を該当フロアの表示盤92から消去する。また、当該客席コードに対応する注文待ち経過時間カウンタのカウント動作を停止させる。さらに、当該呼出中フラグをリセットして、当該客席が呼出中でなくなったことを記憶する。その後は、前記第1の実施の形態と同様の処理を実行するものとなっている。
図31は第2の実施の形態におけるフロア警告判定処理の要部を示す流れ図である。すなわち主制御部68は、前記呼出ボタン入力処理あるいはオーダ入力処理の実行により、このフロア警告判定処理に入ると、先ず、判定対象フロアの呼出中客席数Nを取得する。ここで、判定対象フロアとは、呼出ボタン入力処理であった場合には、呼出中フラグをセットした客席コードに対応したフロアコードのフロア(管理対象領域)であり、オーダ入力処理の場合には、呼出中フラグをリセットした客席コードに対応したフロアコードのフロア(管理対象領域)である。すなわち主制御部68は、呼出中フラグをセットまたはリセットした客席コードと同一のフロアコードに対応した客席コードの呼出中フラグのうち、セットされているフラグの数をカウントし、判定対象フロアの呼出中客席数Nとして取得する。そして、呼出中客席数Nを取得後、前記第1の実施の形態に規定値Xと比較して、客席数Nが規定値を上回る場合に、当該フロアの警告及び担当者氏名のリストを表示させるものとなっている。
ところで、前記第1及び第2の実施の形態では、メニュー品目の注文待ち状態にある客席の数Nが規定値Xを上回った場合に、その客席が置かれている管理対象領域での接客業務が滞りつつあるとみなして警告したが、接客業務が滞りつつあるとみなす条件は、注文待ち状態にある客席の数Nに限定されるものではなく、例えば注文待ち時間が所定時間を超えた場合に接客業務が滞りつつあるとみなすこともできる。そこで次に、注文待ち時間を利用した第3の実施の形態について、図32を用いて説明する。なお、この第3の実施の形態は、前記第2の実施の形態の飲食店システムを利用したものである。
図32は、この第3の実施の形態におけるフロア警告判定処理の要部を示す流れ図である。ステーション1の主制御部68は、例えば1分間隔のタイマ割込信号に同期して、このフロア警告判定処理を開始する。
先ず主制御部68は、客席管理テーブル93を参照して、フロアコード毎に、呼出中フラグがセットされている客席コードに対応する注文待ち経過時間カウンタの最大値を最長経過時間tとして取得する。次に、主制御部68は、フロアコード毎に、最長経過時間tを予め設定した警告許容時間Tと比較する。そして、最長経過時間tが警告許容時間Tを超えているフロアコードがあった場合には、当該フロアコードが設定されたフロアデータベース72のレコードの警告フラグが“1”にセットされているか否かをチェックする。そして、警告フラグが“1”にセットされていなかった場合には“1”にセットする。また、現時点における店員データベース70,メニューデータベース71,フロアデータベース72,客席データベース73及び厨房データベース74の各データを、警告ログファイル69に保存する。
次に、主制御部68は、モニタ10に表示されている店内監視画面11において、当該フロアコードのフロアを示すフロア状況表示部12,13,または14のタグ12T,13Tまたは14Tの表示を変化させることによって、当該フロアコードが設定されたフロアでの接客業務が滞っていることを警告する(報知手段)。また、店員データベース70を検索して、当該フロアコードが担当部署コードとして設定されている店員の氏名情報を取得する。そして、この氏名のリストを店内監視画面11に表示させることによって、接客業務が滞っているフロアの担当者を併せて知らしめる。
一方、最長経過時間tが警告許容時間Tを超えているフロアコードについては、当該フロアコードが設定されたフロアデータベース72のレコードの警告フラグをチェックし、“1”にセットされていた場合には“0”にリセットする。この場合、当該フロアコードが設定されたフロアのフロア状況表示部12,13,または14のタグ12T,13Tまたは14Tが警告表示されているので、その警告表示をクリアする。また、当該フロアコードが担当部署コードとして設定されている店員の氏名リスト80も消去する。
なお、この第3の実施の形態では、第2の実施の形態の飲食店システムを利用して、注文待ち時間が所定時間を超えた場合に接客業務が滞りつつあるとみなす場合を示したが、第1の実施の形態の飲食店システムにおいても、客席データベース73上で客席コード別に計数管理されている注文待ち時間カウンタの値を利用することにより、上記と同様にして、注文待ち時間が所定時間を超えた場合に接客業務が滞りつつあるとみなすことができる。
この他、本発明を適用する飲食店の形式や、店内監視画面11のレイアウト及びその画面上での警告の表示方法等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
1…ステーション、2…オーダエントリターミナル、3…無線機、4…LAN、5A〜5D…厨房端末、6…伝票発行機、7…POS端末、8…予約端末、9A〜9D…監視カメラ、10…モニタ、11…店内監視画面、12…フロア状況表示部、17…客席レイアウト画像、18…厨房レイアウト画像、25…仕事量インジケータ、68…主制御部、69…警告ログファイル、70…店員データベース、71…メニューデータベース、72…フロアデータベース、73…客席データベース、74…厨房データベース、90…呼出ボタン、93…客席管理テーブル。