JP2005241534A - 有機汚染物質の採取用フイルターおよびその製造方法、有機汚染物質の採取器並びに有機汚染物質の採取方法 - Google Patents

有機汚染物質の採取用フイルターおよびその製造方法、有機汚染物質の採取器並びに有機汚染物質の採取方法 Download PDF

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Abstract

【目的】大気中に含まれる有機汚染物質の採取および抽出を容易にする。
【構成】大気中に含まれる有機汚染物質を採取するための採取器1は、大気を通過させるための通気路を有するケース2と、通気路内に配置された採取用フイルター4とを備えている。採取用フイルター4は、無機繊維群を含む通気性シートと、当該通気性シートに保持された、有機汚染物質を吸着可能な吸着材とを備えている。この採取器1は、ケース2の通気路に大気を通過させると、採取用フイルター4により、大気中に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の有機汚染物質を同時に採取することができる。採取用フイルター4により採取された有機汚染物質は、少量の溶媒により、容易に抽出することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、採取用フイルターおよびその製造方法、採取器並びに採取方法、特に、大気中に含まれる有機汚染物質を採取するためのフイルターおよびその製造方法、大気中に含まれる有機汚染物質を採取するための採取器並びに大気中に含まれる有機汚染物質を採取するための方法に関する。
残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)は、ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDDs)およびポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)等のダイオキシン類、コプラナ型ポリ塩化ビフェニル(Co−PCBs)等のポリ塩化ビフェニル類(PCBs)、ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)、アルドリン、エンドリン、クロルデン、ヘプタクロル、マイレックス、トキサフェン並びにヘキサクロロベンゼン等の有機塩素化合物のような環境中で自然分解されにくく、所謂環境ホルモンとしての作用を示す可能性がある各種の有機物質の総称であり、産業廃棄物や一般家庭ごみなどの焼却施設から排出される排気ガスおよび工場排気等に含まれる場合があり、大気中に微量に拡散している。このため、残留性有機汚染物質は、人の健康の保護及び環境の保全を図ることを目的としたストックホルム条約(POPs条約)において、国際的協調による廃絶、削減の対象になっている。
また、近年、防火対策上の観点から、家具や建築材料に用いられる合成繊維をはじめとする各種の樹脂製品は、難燃性のものが求められている。このため、それを構成する高分子材料は、デカブロモジフェニルエーテルやテトラブロモ無水フタル酸などの有機臭素化合物系難燃剤を含んでいる。この種の難燃剤は、気相において高分子材料の着火や燃焼を抑制することができるため、火災発生時に揮発し、大気中に拡散する可能性がある。大気中に拡散した当該難燃剤は、残留性有機汚染物質と同じく、動植物に健康被害をもたらす可能性がある。
したがって、残留性有機汚染物質や有機臭素化合物系難燃剤等の有機汚染物質による大気汚染を抑制する必要がある。そして、そのためには、大気を採取し、その中に含まれる有機汚染物質の含有量等を分析する作業が不可欠である。そこで、非特許文献1は、大気中に含まれる、残留性有機汚染物質の一種であるダイオキシン類の採取方法および分析方法をマニュアル化している。
環境省環境管理局 総務課ダイオキシン対策室 大気環境課 「ダイオキシン類に係る大気環境調査マニュアル」(平成13年8月)
非特許文献1に記載されているダイオキシン類の採取方法は、石英繊維ろ紙とポリウレタンフォームとを直列に配置した試料採取装置を用いている。この試料採取装置は、ポリウレタンフォーム側を吸引ポンプにより減圧すると、石英繊維ろ紙側から大気を吸引することができる。吸引された大気は、石英繊維ろ紙およびポリウレタンフォームをこの順に通過する。この際、大気中に浮遊している塵埃に付着したダイオキシン類、すなわち粒子状態のダイオキシン類は、塵埃と共に石英繊維ろ紙により捕捉されて採取される。一方、大気中にガス状態で含まれているダイオキシン類は、石英繊維ろ紙を通過するが、ポリウレタンフォームにより捕捉されて採取される。したがって、当該試料採取装置を用いて一定量の大気を吸引し、その後、石英繊維ろ紙およびポリウレタンフォームによりそれぞれ採取されたダイオキシン類を抽出して分析すると、吸引した一定量の大気中に含まれるダイオキシン類の濃度を測定することができる。
非特許文献1に記載の試料採取装置において用いられるポリウレタンフォームは、ダイオキシン類により汚染されていると分析結果の信頼性を損なうことになるため、試料採取装置に装填する前に、予め清浄化処理(ダイオキシン類フリー化処理)する必要がある。しかし、有機物であるポリウレタンフォームは、加熱による清浄化ができないため、通常はソックスレー抽出法や超音波抽出法等、大量の溶媒を用いた煩雑な方法により清浄化する必要がある。また、ポリウレンタンフォームは、嵩高いため、試料採取装置の小型化を図る上での障害となり、また、そこで採取されたダイオキシン類を抽出するためには、大量の溶媒を用いた煩雑な操作が必要になる。
本発明の目的は、大気中に含まれる有機汚染物質の採取および抽出を容易にすることにある。
本発明に係る有機汚染物質の採取用フイルターは、大気中に含まれる有機汚染物質を採取するためのものであり、無機繊維群を含む通気性シートと、通気性シートに保持された、有機汚染物質を吸着可能な吸着材とを備えている。この採取用フイルターは、例えば、通気性シートの複数枚が積層されており、吸着材が積層された通気性シート間に配置されている。
この採取用フイルターは、無機繊維群を含む通気性シートにより、大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質を捕捉することができ、また、通気性シートに保持された吸着材により、大気中に含まれるガス状態の有機汚染物質を吸着して捕捉することができる。すなわち、この採取用フイルターは、大気中に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の有機汚染物質を同時に採取することができる。そして、この採取用フイルターは、従来のポリウレタンフォームよりも嵩を抑制しやすいため、採取した有機汚染物質を少量の溶媒で容易に抽出することができる。
本発明に係る有機汚染物質の採取用フイルターの製造方法は、無機繊維群と有機物質とを含むシート状物を製造する工程と、シート状物を加熱し、有機物質を炭化する工程とを含んでいる。
この製造方法によれば、シート状物に含まれる有機物質の炭化により得られる吸着材が保持された採取用フイルターが得られる。この採取用フイルターは、従来のポリウレタンフォームの場合のような、有機化合物を除去するための使用前における清浄化処理を必要とせず、大気中に含まれる有機汚染物質の採取のためにそのまま用いることができる。また、この採取用フイルターは、シート状物に含まれる無機繊維群により、大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質を捕捉することができ、また、シート状物に保持された吸着材により、大気中に含まれるガス状態の有機汚染物質を吸着して捕捉することができる。すなわち、この採取用フイルターは、大気中に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の有機汚染物質を同時に採取することができる。そして、この採取用フイルターは、従来のポリウレタンフォームよりも嵩を抑制しやすいため、採取した有機汚染物質を少量の溶媒で容易に抽出することができる。
本発明に係る有機汚染物質の採取器は、大気中に含まれる有機汚染物質を採取するためのものであり、大気が通過可能な通気路を有するケースと、通気路内に配置された採取用フイルターとを備えている。ここで、採取用フイルターは、無機繊維群を含む通気性シートと、当該通気性シートに保持された、有機汚染物質を吸着可能な吸着材とを備えている。
この採取器は、ケースの通気路に大気を通過させると、無機繊維群からなるシート状物により、大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質を捕捉することができ、また、吸着材により、大気中に含まれるガス状態の有機汚染物質を吸着して捕捉することができる。すなわち、この採取器は、大気中に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の有機汚染物質を同時に採取することができる。ここで、この採取器に用いられる採取用フイルターは、従来のポリウレタンフォームよりも嵩を抑制しやすいため、採取器を小型に構成することができ、また、採取した有機汚染物質を少量の溶媒で容易に抽出することができる。
この採取器は、例えば、通気路において、大気の通過方向における採取用フイルターの前段に配置された、大気中に含まれる塵埃を捕捉するための除塵フイルターをさらに備えていてもよい。
この場合、大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質が除塵フイルターにより採取され、また、ガス状態の有機汚染物質が採取用フイルターの吸着材により採取される。すなわち、大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質およびガス状態の有機汚染物質は、それぞれ、除塵フイルターおよび採取用フイルターにより分別して採取され、各フイルターから個別に抽出され得る。したがって、この場合の採取器によれば、大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質およびガス状態の有機汚染物質を別々に分析することができる。
また、この採取器において、ケースは、例えば、外筒と、外筒の内部に配置された内筒とを有する、一端面が閉鎖されかつ他端面が内筒の一端を除いて着脱可能な蓋体により閉鎖された筒状に形成されており、かつ、内筒の内部から外筒の外部に通じる上記通気路を有しており、採取用フイルターが外筒と内筒との間に配置されている。
この場合、大気は、内筒の一端からケース内に流入し、内筒の内部から外筒の外部に通じる通気路を通じてケース外に排出される。この際、大気は、採取用フイルターを通過し、そこに含まれる有機汚染物質が採取される。
このような採取器において、採取用フイルターは、例えば、襞状に成形された状態で外筒と内筒との間に配置されていてもよい。この場合、採取用フイルターにおいて、大気の通過面積をより大きく確保することができるため、大気中の有機汚染物質をより効果的に採取することができる。
本発明に係る有機汚染物質の採取方法は、大気中に含まれる有機汚染物質を採取するための方法であり、無機繊維群を含む通気性シートと、通気性シートに保持された、有機汚染物質を吸着可能な吸着材とを備えた採取用フイルターを、大気が通過可能な通気路に配置する第一工程と、通気路において、採取用フイルターの片面側を減圧し、採取用フイルターの他面側から大気を通過させる第二工程とを含んでいる。
この採取方法では、大気が採取用フイルターを通過する際、通気性シートの無機繊維群により大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質を捕捉することができ、また、吸着材により、大気中に含まれるガス状態の有機汚染物質を吸着して捕捉することができる。すなわち、この採取方法では、採取用フイルターにより、大気中に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の有機汚染物質を同時に採取することができる。ここで用いられる採取用フイルターは、従来のポリウレタンフォームよりも嵩を抑制しやすい。このため、これらの採取方法は、採取した有機汚染物質を少量の溶媒で容易に抽出することができる。
この採取方法では、例えば、第一工程において、大気中に含まれる塵埃を捕捉するための除塵フイルターを採取用フイルターの上記他面側に配置することもできる。この場合、大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質が主に除塵フイルターにより採取され、また、ガス状態の有機汚染物質が採取用フイルターの吸着材により採取される。すなわち、大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質およびガス状態の有機汚染物質は、それぞれ、除塵フイルターおよび採取用フイルターにより分別して採取され、各フイルターから個別に抽出され得る。したがって、この場合の採取方法によれば、大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質およびガス状態の有機汚染物質を個別に分析することができる。
本発明に係る有機汚染物質の採取用フイルターは、上述のように構成されているため、大気中に含まれる有機汚染物質を容易に採取することができ、また、採取した有機汚染物質を容易に抽出することができる。
本発明に係る有機汚染物質の採取用フイルターの製造方法は、上述の工程を含むため、大気中に含まれる有機汚染物質を容易に採取することができ、また、採取した有機汚染物質を容易に抽出可能な採取用フイルターを製造することができる。
本発明に係る有機汚染物質の採取器は、上述のように構成されているため、大気中に含まれる有機汚染物質を容易に採取することができ、また、採取した有機汚染物質を容易に抽出することができる。
本発明に係る有機汚染物質の採取方法は、上述の工程を含むため、大気中に含まれる有機汚染物質を容易に採取することができ、また、採取した有機汚染物質を容易に抽出することができる。
形態1
図1を参照して、本発明に係る有機汚染物質の採取器の一形態を説明する。図において、採取器1は、大気中に含まれるダイオキシン類をはじめとする残留性有機汚染物質(POPs)および有機臭素化合物などの有機汚染物質を採取するためのものであり、ケース2、フイルター保持体3および採取用フイルター4(本発明に係る有機汚染物質の採取用フイルターの実施の一形態)を主に備えている。
ケース2は、フイルター保持体3を収容するための容器であって角筒状の部材であり、一端に大気の吸引口5を有している。また、ケース2の内周面において、長さ方向の中央部より吸引口5寄りの部位には、中心方向に水平に突出するフランジ6が形成されている。
フイルター保持体3は、採取用フイルター4をケース2内で保持するためのものであり、図1および図2に示すように、支持板7と、通気管8とを主に備えている。支持板7は、金属製、例えば、ステンレス製の部材であり、ケース2の内周形状に対応した矩形の板状に形成されている。また、支持板7は、周縁部7aを除き、通気性を有する網状体7bが形成されている。一方、通気管8は、漏斗状に形成されており、拡大部8a側の端部が支持板7の周縁部7aと一体的に形成されている。また、通気管8の縮小部8bは、円筒状に形成されており、その先端には、後述する吸引ポンプに延びる吸引管を接続するためのソケット9が装着されている。このソケット9は、円筒状の部材であり、先端部がケース2から突出している。
上述のフイルター保持体3は、支持板7の周縁部7aがフランジ6上に配置されており、これによりケース2内において支持されている。この結果、ケース2内において、吸引口5、通気管8およびソケット9からなる一連の通気路が形成されている。
採取用フイルター4は、支持板7と実質的に同サイズに設定された、柔軟性を有する矩形のシート状物であり、支持板7上に配置されている。この採取用フイルター4は、無機繊維群を含む通気性シートと、当該通気性シートに保持された、上述の有機汚染物質を吸着可能な吸着材とを備えている。
ここで用いられる無機繊維群は、特に限定されるものではないが、アルミナ繊維、ガラス繊維およびシリカ繊維(石英繊維)のうちの一種若しくは二種以上からなる繊維群が好ましい。特に、無機繊維群としては、安価で入手が容易であり、しかも、抄紙等の方法により所望の形状に成形しやすいガラス繊維群を用いるのが好ましい。
上述のような無機繊維群を含む通気性シートは、通常、大気中に含まれる塵埃等の粒子、特に、粒径が0.3〜0.5μmの微粒子を90%以上捕捉可能な程度の通気性を有するものが好ましく、粒径が0.3μmの微粒子を99.99%以上捕捉可能な程度の通気性を有するものがより好ましい。通気性シートの通気性がこれより高い場合は、大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質を採取用フイルター4により実質的に漏れなく採取するのが困難になる可能性がある。
また、有機汚染物質を吸着可能な吸着材は、例えば、活性炭およびスチレンージビニルベンゼン共重合体樹脂(例えば、米国のスペルコ社の商品名“アンバーライトXAD−2”)などの樹脂材料である。吸着材として活性炭を用いる場合、活性炭は、通常、上述の通気性シートにおいて、無機繊維群中に保持されているのが好ましい。一方、吸着材として樹脂材料を用いる場合、樹脂材料は、通常、コーティング等の方法により、無機繊維群の繊維表面に担持されているのが好ましい。
活性炭を吸着材として用いた採取用シート4は、例えば、次のようにして製造することができる。先ず、無機繊維群と有機物質とを含むシート状物を製造する。ここで用いられる有機物質は、加熱により炭化し得るものであれば特に限定されるものではなく、例えば、無機繊維群をシート状に成形するために繊維同士を接着するための有機質バインダーや繊維表面に膜を形成することができる有機質コーティング材料等である。具体的には、例えば、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂である。特に、後述する抽出操作において有機溶媒中に溶出しにくいウレタン系樹脂を用いるのが好ましい。
有機物質として有機質バインダーを用いる場合、上述のシート状物は次のようにして製造することができる。まず、無機繊維群と有機質バインダーとの混合物を調製する。そして、得られた混合物を抄紙などの方法によりシート状に成形すると、通気性を有する上述のシート状物が得られる。一方、有機物質として有機質コーティング材料を用いる場合、上述のシート状物は次のようにして製造することができる。先ず、無機繊維群を含む通気性シートを用意する。この通気性シートは、公知の各種の方法により製造することができる。例えば、無機繊維群を水中に分散させて抄紙すると製造することができる。また、通気性シートとしては、市販のろ紙、特に、環境省環境管理局 総務課ダイオキシン対策室 大気環境課編「ダイオキシン類に係る大気環境調査マニュアル」(上述の非特許文献1)において使用が指定された石英繊維ろ紙がそのまま用いられてもよい。次に、有機質コーティング材料の溶液を調製し、この溶液を通気性シートに塗布するか、或いは、この溶液中に通気性シートを浸漬し、シート状物を乾燥する。なお、これらのシート状物の製造において用いる有機物質の量は、採取用シート4において、上述の通気性を達成可能なように設定するのが好ましい。
次に、得られたシート状物を加熱し、有機物質を炭化する。これにより、有機物質が活性炭になる。また、シート状物が無機繊維群と有機質バインダーとの混合物を用いて製造されている場合は、無機繊維群の繊維同士が熱固定される。この結果、無機繊維群中に有機物質に由来の活性炭が保持された採取用フイルター4が得られる。ここで、シート状物の加熱条件は、有機物質を炭化させることができる条件であれば特に限定されるものではないが、通常、220〜450℃で1〜10分に設定するのが好ましい。加熱温度が220℃未満の場合や加熱時間が1分未満の場合は、有機物質の炭化が促進されにくくなり、採取用フイルター4において、ガス状態の有機汚染物質が採取されにくくなる可能性がある。逆に、加熱温度が450℃を超える場合や10分を超える場合は、有機物質の炭化が進行し過ぎるため、同様の不具合が生じ、また、後述する抽出操作において、活性炭により採取されたガス状態の有機汚染物質が抽出されにくくなる可能性がある。
一方、樹脂材料を吸着材として用いた採取用シート4は、次のようにして製造することができる。先ず、無機繊維群を含む通気性シートを用意する。ここで用意する通気性シートは、上述のものと同様のものである。次に、樹脂材料の溶液を調製し、この溶液を通気性シートに塗布して乾燥する。これにより、無機繊維群の繊維表面に樹脂材料が担持された採取用フイルター4が得られる。
因みに、採取用フイルター4は、上述のようなシート状物であるため、従来のポリウレタンフォームに比べて嵩を抑制しやすい。すなわち、採取用フイルター4は、ウレタンフォームに比べて小型化しやすいため、採取器1の小型化を達成しやすい。
次に、上述の採取器1を用いた、大気中に含まれる有機汚染物質の採取方法を説明する。この採取方法では、先ず、採取用フイルター4を備えた上述の採取器1を組み立てる。ここでは、フイルター保持体3の支持板7上に採取用フイルター4を配置し、フイルター保持体3をケース2内に装着する。この結果、採取器1では、ケース2内に形成された上述の通気路において、採取用フイルター4が配置された状態になる(第一工程)。
ここで、採取用フイルター4は、大気中に含まれる有機汚染物質による汚染を防ぐため、気密性の高い袋等の容器内に封入しておき、本採取方法の実施時に当該容器を開封して使用するのが好ましい。この際、採取用フイルター4は、吸着材として活性炭を用いる場合、基本的に無機物からなるため、従来のポリウレタンフォームとは異なり、使用前に有機汚染物質を除去するための清浄化処理を施す必要がなく、そのまま即座に使用することができる。また、採取用フイルター4は、ポリウレタンフォームに比べて嵩が小さいため、採取器1に対して容易に装着することができる。
次に、採取器1のソケット9に対し、図1に一点鎖線で示すように、図示しない吸引ポンプから延びる吸引管10の端部を接続する。吸引管10は、大気の流量計を備えたものが好ましい。そして、採取用フイルター4が水平になるよう、採取器1を大気の採取場所に設置し、吸引ポンプを作動させる。これにより、採取器1では、採取用フイルター4の片面側、すなわちソケット9側が減圧され、図1に矢印で示すように、吸引口5から通気路内に大気が吸引される(第二工程)。
吸引口5から吸引された大気は、採取用フイルター4を通過し、吸引管10および吸引ポンプを通じて排出される。この際、大気中に含まれる塵埃等の浮遊物に付着した有機汚染物質、すなわち、粒子状態の有機汚染物質は、採取用フイルター4の無機繊維群に捕捉されて採取される。また、大気中に含まれるガス状態の有機汚染物質は、採取用フイルター4の吸着材に吸着され、採取される。すなわち、吸引された大気中に含まれる粒子状態およびガス状態の両方の形態の有機汚染物質は、採取用フイルター4により、同時に、かつ、実質的に漏れなく採取される。
採取器1による大気の吸引操作は、通常、上述の「ダイオキシン類に係る大気環境調査マニュアル」において規定された条件に従って実施するのが好ましい。例えば、環境大気中に含まれる有機汚染物質の24時間平均値を求める場合は、700リットル/分程度の高流量で、大気を24時間吸引する。また、環境大気中に含まれる有機汚染物質の週平均値を求める場合は、700リットル/分程度の高流量で大気を24時間吸引する操作を7回繰返して実施するか、100リットル/分程度の中流量で7日間連続して大気を吸引する。
上述のようにして大気中から採取した有機汚染物質は、採取用フイルター4に対して抽出操作を実施すると、抽出することができる。そして、採取用フイルター4から抽出された有機汚染物質を高分解能ガスクロマトグラフ質量分析法により分析すると、吸引した大気中に含まれる有機汚染物質を定性的および定量的に評価することができる。
採取用フイルター4に対する抽出操作は、通常、有機溶媒を用いるソックスレー抽出法によるのが好ましい。ここで、採取用フイルター4は、上述のような柔軟性を有するシート状物からなり、しかも、従来のポリウレタンフォームに比べて嵩が小さいため、ソックスレー抽出器に装着しやすく、また、ポリウレタンフォームの場合に比べて少量の有機溶媒によりダイオキシン類の抽出操作を容易に実施することができる。
抽出操作において用いられる有機溶媒は、特に限定されるものではないが、通常、トルエンやヘキサンを用いるのが好ましい。
使用後の採取器1は、通常、ケース2およびフイルター保持体3を十分に洗浄し、また、採取用フイルター4を別の新しいものに交換すると、繰返し使用することができる。
形態2
上述の形態1に係る採取器1は、図3に示すように、除塵フイルター11をさらに備えていてもよい。ここで用いられる除塵フイルター11は、通気性を有し、かつ、大気中に含まれる塵埃を捕捉可能なものであり、通常、採取用フイルター4において用いられる通気性シートと同様のものが用いられる。この除塵フイルター11は、採取器1において、採取用フイルター4上に積層されている。この結果、除塵フイルター11は、採取器1のケース2内に形成された上述の通気路において、大気の通過方向における採取用フイルター4の前段に配置されることになる。
この形態に係る採取器1は、形態1の場合と同様にして大気を吸引すると、吸引された大気は、除塵フイルター11および採取用フイルター4を通過し、吸引管10および吸引ポンプを通じて排出される。この際、大気中に含まれる塵埃等の浮遊物に付着した有機汚染物質、すなわち、粒子状態の有機汚染物質は、塵埃等の浮遊物と共に、除塵フイルター11に捕捉されて採取される。また、大気中に含まれるガス状態の有機汚染物質は、採取用フイルター4の吸着材に吸着され、採取される。すなわち、吸引された大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質およびガス状態の有機汚染物質は、それぞれ、除塵フイルター11および採取用フイルター4により分別して採取される。
上述のようにして大気中から採取した有機汚染物質は、除塵フイルター11および採取用フイルター4に対して個別に抽出操作を実施すると、粒子状態およびガス状態の有機汚染物質毎に別々に抽出することができる。すなわち、除塵フイルター11により採取された粒子状態の有機汚染物質と、採取用フイルター4により採取されたガス状態の有機汚染物質との、別々の抽出試料を得ることができる。したがって、これらの抽出試料を形態1の場合と同様にして別々に分析すれば、大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質およびガス状態の有機汚染物質の分析結果を別々に得ることができる。
形態3
図4および図5を参照して、本発明に係る他の採取器を説明する。図において、採取器20は、ケース21と、採取用フイルター22とを主に備えている。ケース21は、外筒30と、外筒30の内部において、外筒30と同軸に配置された内筒31とを有する筒状体であり、この筒状体の一端面である底面部全体が底板32により閉鎖されており、また、この筒状体の他端面である上面部が内筒31の一端を除いて蓋体33により閉鎖されている。
このケース21において、外筒30の全体には、多数の通気孔30aが形成されている。また、内筒31の全体にも、多数の通気孔30bが形成されている。これらの通気孔30a、30bにより、内筒31と外筒30との間の空間には、内筒31の内部から外筒30の外部へ通じる通気路34が形成されている。また、蓋体33は、内筒31の一端に対応する中心部が貫通した環状の部材であり、Oリング35を挟んで、ケース21の上面部を気密にかつ着脱可能に閉鎖している。
採取用フイルター22は、上述の形態1において用いられるものと同様のものであり、外筒30と内筒31との間、すなわち、通気路34内に筒状に巻かれて配置されている。
次に、この採取器20を用いた、大気中に含まれる有機汚染物質の採取方法を説明する。この採取方法では、先ず、上述の採取器20を組み立てる。ここでは、外筒30と内筒31との間、すなわち、通気路34内に採取用フイルター22を筒状に巻いて収容し、ケース21を蓋体33により閉鎖する。この結果、採取器20では、ケース21内に形成された上述の通気路34において、採取用フイルター22が配置された状態になる(第一工程)。
次に、図6に示すように、採取器20を集気器40に装着する。ここで用いる集気器40は、集気部41と、収容部42とを備えている。集気部41は、漏斗状の部材であり、採取器20の内筒31内に装入可能な首部43を有している。一方、収容部42は、採取器20を収容するためのものであり、採取器20よりも径が大きな筒状部材である。収容部42の上端部は、首部43が貫通した状態で閉鎖しており、首部43に固定されている。また、収容部42の下端部は、開口している。集気器40に採取器20を装着する場合は、収容部42内へ採取器20を挿入し、収容部42内に突出した首部43を採取器20の内筒31内へ挿入する。
次に、収容部42に対し、図6に一点鎖線で示すように、形態1の場合と同様に、図示しない吸引ポンプから延びる吸引管10の端部を接続し、吸引ポンプを作動させる。これにより、収容部42内が減圧され、その結果、採取器20において、採取用フイルター22の外筒30側が減圧される。そして、図6に矢印で示すように、集気部41から大気が吸引され、吸引された大気は、首部43を通じて採取器20の内筒31内へ導入される。内筒31内に導入された大気は、通気路34を通じて収容部42内へ流れ、吸引管10および吸引ポンプを通じて排出される(第二工程)。
この際、大気は、通気路34内に配置された採取用フイルター22を通過する。そして、大気中に含まれる塵埃等の浮遊物に付着した有機汚染物質、すなわち、粒子状態の有機汚染物質は、通気路34に配置された採取用フイルター22の無機繊維群に捕捉されて採取される。また、大気中に含まれるガス状態の有機汚染物質は、採取用フイルター22の吸着材に吸着され、採取される。すなわち、吸引された大気中に含まれる粒子状態およびガス状態の両方の形態の有機汚染物質は、採取用フイルター22により、同時に、かつ、実質的に漏れなく採取される。
因みに、上述のような大気の吸引操作は、形態1の場合と同様の条件に従って実施するのが好ましい。
採取用フイルター22により採取された有機汚染物質は、採取用フイルター22に対して抽出操作を実施すると、抽出することができる。そして、採取用フイルター22から抽出された有機汚染物質を高分解能ガスクロマトグラフ質量分析法により分析すると、吸引した大気中に含まれる有機汚染物質を定性的および定量的に評価することができる。採取用フイルター22に対する抽出操作は、形態1の場合と同様に、有機溶媒を用いるソックスレー抽出法によるのが好ましい。
上述の採取方法は、通常、集気器40を洗浄し、また、採取器20を新たなものに交換すると、繰り返して実施することができる。また、使用後の採取器20は、通常、ケース21を十分に洗浄し、採取用フイルター22を別の新しいものに交換すると、繰返し使用することができる。
形態4
上述の形態3に係る採取器20は、図7(図5に相当する図)に示すように、除塵フイルター23をさらに備えていてもよい。ここで用いられる除塵フイルター23は、形態2において用いられる除塵フイルター11と同様のものである。この除塵フイルター23は、採取器20において、採取用フイルター22と共に、通気路34内に配置されている。より具体的には、通気路34内において、採取用フイルター22の内筒31側に筒状に巻かれて配置されている。この結果、除塵フイルター23は、通気路34において、大気の通過方向における採取用フイルター22の前段に配置されることになる。
除塵フイルター23を備えた採取器20は、形態3の場合と同様にして使用することができる。この場合、集気器40を用いて吸引された大気は、採取器20において、除塵フイルター23および採取用フイルター22をこの順に通過し、吸引管10および吸引ポンプを通じて排出される。この際、大気中に含まれる塵埃等の浮遊物に付着した有機汚染物質、すなわち、粒子状態の有機汚染物質は、塵埃等の浮遊物と共に、除塵フイルター23に捕捉されて採取される。また、大気中に含まれるガス状態の有機汚染物質は、採取用フイルター22の吸着材に吸着され、採取される。すなわち、吸引された大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質およびガス状態の有機汚染物質は、それぞれ、除塵フイルター23および採取用フイルター22により分別して採取される。
上述のようにして大気中から採取した有機汚染物質は、除塵フイルター23および採取用フイルター22に対して個別に抽出操作を実施すると、粒子状態およびガス状態の有機汚染物質毎に別々に抽出することができる。すなわち、除塵フイルター23により採取された粒子状態の有機汚染物質と、採取用フイルター22により採取されたガス状態の有機汚染物質との、別々の抽出試料を得ることができる。したがって、これらの抽出試料を形態1の場合と同様にして別々に分析すれば、大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質およびガス状態の有機汚染物質の分析結果を別々に得ることができる。
形態5
形態3の採取器20において用いられる採取用フイルター22は、図8(図5に相当する図)に示すように、襞状に成形された状態で外筒30と内筒31との間、すなわち通気路34に配置されていてもよい。この場合、採取用フイルター22は、大気の通気面積を大きく確保することができるため、大気中の有機汚染物質をさらに効果的に採取することができる。
ちなみに、形態4の採取器20においても、採取用フイルター22は、同様に襞状に成形された状態で通気路34に配置されてもよい。この場合、除塵フイルター23も、同様の襞状に成形した状態で通気路34に配置するのが好ましい。
形態6
図9を参照して、本発明の他の実施の形態に係る有機汚染物質の採取用フイルターを説明する。図において、採取用フイルター50は、2枚の通気性シート51と、吸着材52とを主に備えている。ここで、2枚の通気性シート51は、吸着材52を挟んで積層されている。
通気性シート51は、無機繊維群を含むものであり、上述の形態1の採取用フイルター4において用いられる、吸着材が付与される前の通気性シートと同様のものである。一方、吸着材52は、活性炭やグラファイトなどの炭素材料、若しくは、上述の形態1の採取用フイルター4において用いられるものと同様の樹脂系材料である。これらの吸着材は、数種類のものが併用されてもよい。
この採取用フイルター50は、上述の各形態に係る採取器1、20において、採取用フイルター4、22に代えて用いられる。そして、この採取用フイルター50は、吸引した大気が通過すると、通気性シート51において大気中に含まれる粒子状態の有機汚染物質を捕捉して採取し、また、通気性シート51間に配置された吸着材52により大気中に含まれるガス状態の有機汚染物質を吸着して採取することができる。また、この採取用フイルター50により採取された粒子状態およびガス状態の両方の形態の有機汚染物質は、上述の各形態の場合と同様の抽出操作により同時に抽出することができる。
なお、この形態に係る採取用フイルター50は、3枚以上の通気性シート51が積層され、各通気性シート51間に吸着材52が配置されていてもよい。
上述の形態2の採取器1を用意し、この採取器1を用いて環境大気中の有機汚染物質(主に、PCDDs、PCDFsおよびCo−PCBs)を採取した。ここでは、除塵フイルター11として石英繊維ろ紙を用い、また、採取用フイルター4として、形態1において説明した製造方法により得られた、吸着材として活性炭を保持したものを用いた。また、採取器1において、通気管8の縮小部8bにポリウレタンフォームを充填し、除塵フイルター11および採取用フイルター4を通過した大気がポリウレタンフォームを通過した後に吸引管10および吸引ポンプを通じて排出されるよう設定した。ポリウレタンフォームは、上述の「ダイオキシン類に係る大気環境調査マニュアル」(上述の非特許文献1)において使用が指定されているものを用いた。環境大気の吸引は、100リットル/分で7日間実施した。
環境大気の吸引後、除塵フイルター11、採取用フイルター4およびポリウレタンフォームに採取された有機汚染物質をそれぞれトルエンを用いてソックスレー抽出した後に濃縮し、分析用試料を得た。抽出用に用いたトルエン量は、除塵フイルター11、採取用フイルター4およびポリウレタンフォームについて、それぞれ0.3リットル、0.3リットルおよび2リットルであった。各分析用試料に含まれる有機汚染物質を高分解能ガスクロマトグラフ質量分析法により別々に分析した結果を表1に示す。表1において、有機汚染物質は、IUPACの基準に従って表示している。また、“ND”は検出下限未満を示し、括弧付の数値は検出下限以上、定量下限未満を示している。さらに、捕集率は、(除塵フイルターによる採取量+採取用フイルターによる採取量)/(除塵フイルターによる採取量+採取用フイルターによる採取量+ポリウレタンフォームによる採取量)×100の計算により求めたものである。
Figure 2005241534
表1によると、ポリウレタンフォームから得られた分析用試料中には、実質的に有機汚染物質が含まれていないことがわかる。これによれば、環境大気中の有機汚染物質は、実質的に、除塵フイルター11および採取用フイルター4により全量が採取されていることになる。
本発明の形態1に係る有機汚染物質の採取器の縦断面図。 前記採取器において採用されたフイルター保持体の斜視図。 本発明の形態2に係る有機汚染物質の採取器の縦断面図。 本発明の形態3に係る有機汚染物質の採取器の縦断面図。 図4のV−V断面図。 形態3に係る有機汚染物質の採取器の使用状態を示す縦断面図。 本発明の形態4に係る有機汚染物質の採取器の図5に相当する図。 本発明の形態5に係る有機汚染物質の採取器の図5に相当する図。 本発明の各形態に係る有機汚染物質の採取器において利用可能な他の採取用フイルターの縦断面図。
符号の説明
1、20 採取器
2、21 ケース
4、22、50 採取用フイルター
11、23 除塵フイルター
30 外筒
31 内筒
33 蓋体
34 通気路
51 通気性シート
52 吸着材

Claims (9)

  1. 大気中に含まれる有機汚染物質を採取するためのフイルターであって、
    無機繊維群を含む通気性シートと、
    前記通気性シートに保持された、前記有機汚染物質を吸着可能な吸着材と、
    を備えた有機汚染物質の採取用フイルター。
  2. 前記通気性シートの複数枚が積層されており、前記吸着材は積層された前記通気性シート間に配置されている、請求項1に記載の有機汚染物質の採取用フイルター。
  3. 無機繊維群と有機物質とを含むシート状物を製造する工程と、
    前記シート状物を加熱し、前記有機物質を炭化する工程と、
    を含む有機汚染物質の採取用フイルターの製造方法。
  4. 大気中に含まれる有機汚染物質を採取するための採取器であって、
    前記大気が通過可能な通気路を有するケースと、
    前記通気路内に配置された採取用フイルターとを備え、
    前記採取用フイルターは、無機繊維群を含む通気性シートと、前記通気性シートに保持された、前記有機汚染物質を吸着可能な吸着材とを備えている、
    有機汚染物質の採取器。
  5. 前記通気路において、前記大気の通過方向における前記採取用フイルターの前段に配置された、前記大気中に含まれる塵埃を捕捉するための除塵フイルターをさらに備えている、請求項4に記載の有機汚染物質の採取器。
  6. 前記ケースは、外筒と、前記外筒の内部に配置された内筒とを有する、一端面が閉鎖されかつ他端面が前記内筒の一端を除いて着脱可能な蓋体により閉鎖された筒状に形成されており、かつ、前記内筒の内部から前記外筒の外部に通じる前記通気路を有しており、前記採取用フイルターは、前記外筒と前記内筒との間に配置されている、請求項4または5に記載の有機汚染物質の採取器。
  7. 前記採取用フイルターは、襞状に成形された状態で前記外筒と前記内筒との間に配置されている、請求項4から6のいずれかに記載の有機汚染物質の採取器。
  8. 大気中に含まれる有機汚染物質を採取するための方法であって、
    無機繊維群を含む通気性シートと、前記通気性シートに保持された、前記有機汚染物質を吸着可能な吸着材とを備えた採取用フイルターを、前記大気が通過可能な通気路に配置する第一工程と、
    前記通気路において、前記採取用フイルターの片面側を減圧し、前記採取用フイルターの他面側から前記大気を通過させる第二工程と、
    を含む有機汚染物質の採取方法。
  9. 前記第一工程において、前記大気中に含まれる塵埃を捕捉するための除塵フイルターを前記採取用フイルターの前記他面側に配置する、請求項8に記載の有機汚染物質の採取方法。
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