JP3027412U

JP3027412U - 空気清浄用フィルタ

Info

Publication number: JP3027412U
Application number: JP1996000268U
Authority: JP
Inventors: 章西影
Original assignee: 章西影
Priority date: 1996-01-31
Filing date: 1996-01-31
Publication date: 1996-08-09
Anticipated expiration: 2002-01-31

Abstract

(57)【要約】【課題】新建材を使用した家屋から発生するガス状化合
物や煙草の煙に含むホルムアルデヒド等の汚染物質を効
率的に清浄化できる空気清浄用フィルタに提供すること
にある。【解決手段】網状のフィルタ本体２に過マンガン酸カリ
ウム粒子３を充填して構成された偏平矩形状、円筒状ま
たは多角筒状で、空気清浄機の空気吸込み口や家屋の換
気口等に着脱可能に装着可能な空気清浄用フィルタにあ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、空気清浄機、換気口等に装着され、空気中に浮遊する汚染物質を捕捉し、空気を清浄化する空気清浄用フィルタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

室内の空気中に浮遊する汚染物質は例えばハウスダスト、花粉、ペットの毛、煙草の煙、排気ガスあるいは様々な臭気を発生する化学物質等様々であり、知らず知らずに人間がこれらの汚染物質を吸込み、健康を害する原因にもなっている。そこで、これらの汚染物質が発生する場所においては汚染物質をフィルタによって捕捉して清浄な空気を吹出す空気清浄機を設置しているが、最近では家庭、オフィス、保育室、病院等においても空気清浄機を設置し、室内空気の清浄化を図っている。

【０００３】空気清浄機には機械的フィルタによって塵粒子を濾過するタイプと、電気的に塵粒子を除去するタイプとがあるが、機械的フィルタタイプは、幾層にも重ねたフィルタに空気を通過させて空気を浄化するものであり、用途、目的によってフィルタの種類を選択している。

【０００４】例えば、主として塵を捕捉するためには不織布、紙、発泡樹脂、ガラス繊維等のフィルタを重ね合わせ、臭気を除去することが主目的の場合には前記フィルタに活性炭フィルタを付加し、塵の捕捉とともに脱臭させている。また、電気式のものは、機械的フィルタに代って放電電極および平板電極を備え、放電電極に高電圧を印加して放電させ、塵に帯電させて平板電極に吸着させる方式であるが、集塵効率は電気式よりも機械的フィルタのタイプが優れていることから普及している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の機械的フィルタを用いた空気清浄機は、ハウスダスト、花粉、ペットの毛、煙草の煙等を捕捉するとともに脱臭する機能を持っているが、０．３ミクロン前後の超微粒子は捕捉できないとともに、空気中に浮遊している様々な化学物質までは除去できない。

【０００６】一方、有機リン酸系をはじめとする農薬類、物を燃焼させることによって生じる窒素酸化物（工場、火力発電、自動車のエンジン燃焼）、硫黄酸化物（石油、石炭の燃焼）、塗料などに含まれる有機溶剤などは、従来の活性炭フィルタで物理吸着させることで除去できるが、活性炭フィルタだけでは煙草の煙および煙から発生する臭気を除去することはできない。

【０００７】煙草の煙は総じて４７００種類以上の粒子状およびガス状の化合物から構成されている。そのガス状構成物のうち、ホルムアルデヒドは重要な位置を占めるが、ホルムアルデヒドは、その分子構造が小さいために活性炭の物理吸着では十分に捕捉できない。

【０００８】また、昨今、新築家屋に入居後に喘息、湿疹がひどくなったり、目がしみる、喉が痛い、頭痛がするなどのシック・ビルディング（ハウス）症候群が問題になっている。これらの症状は、新建材からでるホルムアルデヒドやその他の有害化学物質が原因とされており、室内環境の改善が望まれている。

【０００９】この考案は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、例えば新建材を使用した家屋から発生するガス状化合物や煙草の煙に含むホルムアルデヒド等の活性炭では処理できなかった汚染物質を効率的に清浄化できる空気清浄用フィルタを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

この考案は、前述した目的を達成するために、請求項１は、網状のフィルタ本体に過マンガン酸カリウム粒子を充填して構成されていることを特徴とする空気清浄用フィルタにある。

【００１１】請求項２は、網状のフィルタ本体に過マンガン酸カリウム粒子と活性炭粒子を充填して構成されていることを特徴とする空気清浄用フィルタにある。請求項３は、請求項１，２のフィルタ本体は、板状または筒状であることを特徴とする。

【００１２】請求項４は、過マンガン酸カリウムの溶液を通気性のフィルタ本体に含浸させて構成されていることを特徴とする空気清浄用フィルタにある。請求項５は、請求項４のフィルタ本体は、可撓性を有する繊維物質からなることを特徴とする。前記フィルタを空気清浄機、換気口等に装着することにより、ホルムアルデヒド等の汚染物質を効率的に清浄化できる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１および図２は第１の実施形態を示し、図１中、１は空気清浄機の空気吸込み口や家屋の換気口等に装着される空気清浄用フィルタであり、網状のフィルタ本体２と、このフィルタ本体２の内部に充填された過マンガン酸カリウム粒子３とから構成されている。フィルタ本体２は矩形状の枠体４の開口部にこれを閉塞するように張設した２枚の網体５からなり、この２枚の網体５の間に前記過マンガン酸カリウム粒子３を充填することにより偏平矩形状に構成されている。

【００１４】前記空気清浄用フィルタ１は、偏平矩形状であることに限定されず、図２に示すように、フィルタ本体２を円筒状（ａ）、角筒状（ｂ）、多角筒状（ｃ）あるいは円弧状（ｄ）でもよく、その形状は限定されるものではない。

【００１５】このように構成された空気清浄用フィルタ１を空気清浄機の空気吸込み口や家屋の換気口等に装着することにより、活性炭では吸着できない気体の汚染物質、すなわち煙草の煙や新建材を使用した家屋から発生するホルムアルデヒド、硫化水素、エチレン等の汚染物質を過マンガン酸カリウム粒子３によって除去して空気を清浄化できる。

【００１６】また、前記空気清浄用フィルタ１は、工場等のように汚染度が激しい場所や使用場所によって公知のエレクトレットフィルタ、ボロシルフィルタ、ポリエステルフィルタおよびオドースタットフィルタ等と重ねて併用し、大気中の埃、花粉、カビ、その他の０．３ミクロン前後の微粒子を捕捉するようにしてもよく、臭気や排気ガスおよび空気中の塵埃等の浮遊物質を除去するようにしてもよい。

【００１７】また、前記第１の実施形態においては、フィルタ本体２の内部に過マンガン酸カリウム粒子３を１００％充填して空気清浄用フィルタ１を構成したが、フィルタ本体２の内部に過マンガン酸カリウム粒子３と共に活性炭粒子を充填してもよい。活性炭粒子の充填方法は、過マンガン酸カリウム粒子３と混合してもよく、活性炭粒子層と過マンガン酸カリウム粒子層との２層構造としてもよく、また、フィルタ本体２を円筒状、角筒状、多角筒状あるいは球状でもよく、その形状は限定されるものではない。

【００１８】図３は第２の実施形態を示すもので、図３中、６は空気清浄機の空気吸込み口や家屋の換気口等に装着される空気清浄用フィルタであり、繊維物質からなるフィルタ本体７と、このフィルタ本体７に含浸された過マンガン酸カリウム８とから構成されている。フィルタ本体７は、不織布、ガラス繊維、合成繊維、布状体等の可撓性を有するシートからなり、このフィルタ本体７に過マンガン酸カリウム８の溶液が含浸することにより構成されている。

【００１９】前記空気清浄用フィルタ６は、シート状であることに限定されず、フィルタ本体２を円筒状、角筒状、多角筒状あるいは円弧状でもよく、その形状は限定されるものではない。

【００２０】このように構成された空気清浄用フィルタ６を空気清浄機の空気吸込み口や家屋の換気口等に装着することにより、活性炭では吸着できない気体の汚染物質、すなわち煙草の煙や新建材を使用した家屋から発生するホルムアルデヒド、硫化水素、エチレン等の汚染物質を過マンガン酸カリウム８によって除去して空気を清浄化できる。

【００２１】また、前記第２の実施形態においては、フィルタ本体７に過マンガン酸カリウム８を１００％含浸して空気清浄用フィルタ６を構成したが、フィルタ本体７に過マンガン酸カリウム８と共に活性炭粒子を充填してもよい。活性炭粒子の充填方法は、過マンガン酸カリウム８と混合して含浸させてもよく、過マンガン酸カリウム８を含浸させた後、活性炭粒子を適宜含浸させてもよく、また、フィルタ本体７を円筒状、角筒状、多角筒状あるいは球状でもよく、その形状は限定されるものではない。

【００２２】次に、空気清浄用フィルタ１，６の使用例について説明すると、図４（ａ）は、空気清浄機本体１１が直方体形状で、その本体１１の左右・前後の四面に空気吸込み口を有したものにおいて、各空気吸込み口に偏平矩形状の空気清浄用フィルタ１，６を着脱可能に装着したものである。同図（ｂ）は、空気清浄機本体１２が円筒形状で、その本体１２の外周面に空気吸込み口を有したものにおいて、空気吸込み口に円筒状の空気清浄用フィルタ１，６を着脱可能に装着したものである。

【００２３】同図（ｃ）は家屋の仕切り壁１３の換気口１４に偏平矩形状の空気清浄用フィルタ１，６を着脱可能に装着したものである。同図（ｄ）は自動車のインストルメントパネル１５の換気口１６に偏平矩形状の空気清浄用フィルタ１，６を着脱可能に装着したものである。同図（ｅ）はダクト１７等によって形成された空気の流通路１８の途中に偏平矩形状の空気清浄用フィルタ１，６を着脱可能に装着したものである。

【００２４】なお、図４は空気清浄用フィルタの使用の一例を示したが、ホルムアルデヒド等の汚染物質が発生しやすい、発生率の多い、あらゆる場所に設置可能であり、また機器あるいは設備に応じて空気清浄用フィルタのサイズ、形状を任意に変更することも可能である。

【００２５】

【考案の効果】

この考案によれば、新建材を使用した家屋から発生するガス状化合物や煙草の煙に含むホルムアルデヒド等の汚染物質を効率的に清浄化できるという効果がある。

【００２６】また、網状のフィルタ本体に過マンガン酸カリウム粒子を充填した構成または過マンガン酸カリウムの溶液を通気性のフィルタ本体に含浸させて構成されているため、空気清浄機、換気口等のあらゆる機器、設備に簡単に装着することにより、汚染物質を効率よく清浄化でき、環境の向上を図ることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１の実施形態を示す空気清浄用フ
ィルタの斜視図および断面図。

【図２】同実施例の各種異なる形状の空気清浄用フィル
タを示す斜視図。

【図３】この考案の第２の実施形態を示す空気清浄用フ
ィルタの斜視図および断面図。

【図４】空気清浄用フィルタの使用例を示す説明図。

【符号の説明】

１，６…空気清浄用フィルタ２，７…フィルタ本体３，８…過マンガン酸カリウム

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｂ０１Ｄ 46/10 Ｚ 9441−4Ｄ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】網状のフィルタ本体に過マンガン酸カリ
ウム粒子を充填して構成されていることを特徴とする空
気清浄用フィルタ。
【請求項２】網状のフィルタ本体に過マンガン酸カリ
ウム粒子と活性炭粒子を充填して構成されていることを
特徴とする空気清浄用フィルタ。
【請求項３】前記フィルタ本体は、板状または筒状で
あることを特徴とする請求項１または２記載の空気清浄
用フィルタ。
【請求項４】過マンガン酸カリウムの溶液を通気性の
フィルタ本体に含浸させて構成されていることを特徴と
する空気清浄用フィルタ。
【請求項５】前記フィルタ本体は、可撓性を有する繊
維物質からなることを特徴とする請求項４記載の空気清
浄用フィルタ。