JPS5827768Y2 - 圧縮空気濾過用フイルタエレメント - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、圧縮空気中の不純物を除去するフィルタに使
用されるフィルタエレメントに関するものである。

圧縮空気中には、空気中に含まれていたダスト、水分及
び、ニアコンプレッサで混入するオイル等の不純物が含
まれている。

従って、清浄な圧縮空気を得るためには、フィルタを使
用して圧縮空気を濾過する必要がある。

このため、従来から種々のフィルタが提案され、そのた
めのフィルタエレメントが提案されているが、いずれも
濾過性能及び耐久性、取扱性及びコスト等のすべての条
件を満足するものはなかった。

即ち、フィルタエレメントの濾過性能を向上させようと
すれば目詰まり度が大きくなって耐久性が悪化し、又、
複数個のフィルタを直列に接続して圧縮空気の清浄度を
順次高くしようとする場合は、目詰まり度が小さくなっ
て耐久性が向上するにも拘らず、多数個のフィルタを使
用する必要があるのでコスト及び取扱性が悪化すると共
に、スペース的な問題も生じる。

本考案は上記に鑑みてなされたものであって、従来に対
比して濾過性能及び耐久性に富み、がっ、エレメントの
組立作業性をも向上できるフィルタエレメントを提供す
るものである。

以下に本考案を図示された一実施例について説明する。

図において、１は多孔板を円筒状に形成してなる内筒で
あって、その内周面上にはプリーツ状をなす粗大ダスト
除去用の補助フィルタエレメント２を挿着している。

３は補助フィルタエレメント２の内周面に挿着した補助
内筒であって、前記内筒１とともに充分な通気性と剛性
とが付与されている。

４は前記内筒１の外周面に巻装した主フイルタエレメン
トであって、微細ガラス繊維の不織布４ａと、レーヨン
布等のフィルタサポート４ｂとの積層体を前記内筒１の
外周面にうず巻状に連続して重層巻装して構成している
。

即ち、微細ガラス繊維の不織布４ａは、濾過性能には優
れているものの、剛性に乏しいので不織布の転位、破損
を生じると共に、目詰りも発生し易い。

又、これに対してレーヨン布等で構成されたフィルタサ
ポート４ｂは、濾過性能には問題があるものの、強度的
に安定し、かつ、目詰まりが発生し難い。

従って、上記のように微細ガラス繊維不織布４ａとフィ
ルタサポー）４ｂとを交互に積層したものでは、微細ガ
ラス繊維４ａの転位及び破損がフィルタサポ−１−４ｂ
で防止されると共に、全体として断面係数が高くなり、
かつ、ガラス繊維不織布間にフィルタサポー）４ｂによ
る空所が確保されるので濾過性能を低下させることなく
目詰まり度を小さくして耐久性を向上で゛きるので゛あ
る。

又、上記のように内筒１に巻装保持された主フイルタエ
レメント４の外周面には、外筒５を被着して該エレメン
ト４を保護している。

このように主フイルタエレメント４を保護する外筒５は
、通気性に優れた多孔板５ａで構成されている。

又、多孔板５ａの両液合縁には、相互に噛み合うリング
状部５ｂ、５ｂ、・・・・・・を逆の位相で形成してい
る。

このリング状部５ｂは、多孔板５ａの側縁から突出する
突片５Ｃを内方に向ってリング状に折り曲げた後に、そ
の折曲端５ｄを多孔板５ａの内面に折り返して構成した
ものであって、多孔板５ａの両側縁のリング状部５ｂ、
５ｂを相互に噛み合い嵌合させたうえでリング状部５ｂ
、５ｂ、・・・・・・にクランプ棒５ｅを貫通挿入して
あたかも蝶番のように多孔板５ａの両側縁を結合してい
る。

６は圧縮空気の流入口を形成したエレメントの上蓋、７
はエレメントの底蓋、８は外筒５に外挿した合成樹脂フ
オーム体からなる補助外筒である。

上記の構成において、補助内筒３の内側に導入された圧
縮空気は、第２図に示す矢印のように外周へと流出する
。

ここに、まず、圧縮空気は補助フィルタエレメント２に
よる濾過作用を受けて粗大ダスト等が除去される。

このようにして粗大ダスト等が除去された圧縮空気は、
主フイルタエレメント４で濾過され、補助外筒８を通っ
てエレメント外へと流出する。

このような濾過作用に際して、補助フィルタエレメント
２は第３図に示すようにプリーツ状に形成されて充分な
濾過面積が確保されているので、目詰まり等は発生しな
い。

又、補助フィルタエレメント２は内筒１で最大変形（拡
大）量が規制されているので、過大圧力の圧縮空気が供
給された場合にも補助フィルタエレメント２が破損され
るおそれがない。

又、主フイルタエレメント４は、前記したように濾過性
能及び耐久性ともに優れているので、圧縮空気中に含ま
れる微細なダスト及び、水又はオイル等のミスト等もが
明確に濾過される。

そして、このようにして濾過された水又はオイル等のミ
ストは液化して空気圧で補助外筒８へと押し出され、こ
の補助外筒８に伝って図示しないフィルタボデーの底部
へと流下排出される。

尚、主フイルタエレメント４を構成する微細ガラス繊維
不織布４ａは、フィルタサポー）４ｂによる補強、保護
作用を受けると共に、外筒５による保形作用を受けてい
るので、万一にも主フイルタエレメント４が破損するこ
とがない。

又、主フイルタエレメント４を保護する外筒５の接合部
分に形成されるリング状部５ｂ、５ｂ、・・・・・・の
端部５Ｃは、主フイルタエレメント４と外筒５との間に
挾み込まれている。

従って、過大圧力で主フイルタエレメント４が外に押し
拡げられようとすると、前記折り曲げ端（折り返し端５
Ｃ）がより強く押圧固定されるのでリング状部５ｂの支
持強度がより強化される結果、このリング状部５ｂ、５
ｂ、・・・・・・の変形による外筒５の変形及び破損を
も予防できる。

一方、フィルタエレメントを組み立てる時は、内筒１と
補助内筒３とで形成した環状の空間部に補助フィルタエ
レメント２を挿入する。

この時、補助フィルタエレメント２はプリーツ状に形成
されているので、その挿入抵抗を小さくできると共に、
挿入時の破損を予防できる。

次に、内筒１の外周面上に微細ガラス繊維不織布４ａと
フィルタサポー）４ｂとを重ね合わせた状態で複数回巻
き付ける。

この巻付回数を変えれば、主フイルタエレメント４の厚
さ、つまり、主フイルタエレメント４の濾過精度を調整
することばもちろんである。

このようにして内筒１に主フイルタエレメント４を装着
した後に、外筒５の主要部品であるところの多孔板５ａ
を主フイルタエレメント４の外周面に巻き付ける。

そして、この多孔板５ａを所要径まで縮径してその両側
縁のリング状部５ｂ、５ｂ。

・・・・・・を相互に噛み合い嵌合させたうえで、噛み
合っているリング状部５ｂ、５ｂ、・・・・・・にクラ
ンプ棒５ｅを挿入して多孔板５ａを円筒状に成形保持さ
せる。

その後、外筒５に補助外筒８を挿着して上蓋６及び底蓋
７を取り付けこれらを一体化すれば良い。

以上説明したように本考案に係るフィルタエレメントに
よれば、濾過性能及び耐久性に優れた主フイルタエレメ
ントに外筒を容易かつ確実に密着して装着できるために
、主フイルタエレメントをより安定させてその耐久性及
び耐圧性を向上できる。

又、主フイルタエレメントの内側には粗大ダスト除去用
の濾過面積の大きな補助フィルタエレメントが装着され
ているので、単一のエレメントで段階的な濾過作用を行
わせることができてエレメントの濾過性能、耐久性及び
取扱性を向上できる。

又、従来のように多数個のフィルタを多段に接続する必
要がなくなるので、圧縮空気濾過装置のトータルコスト
を低減できると共に、その取付スペースをも少なくでき
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係るフィルタエレメントの一実施例を示す
ものであって、第１図は一部を破断した正面図、第２図
は第１図の一部の縦断面図、第３図は補助フィルタエレ
メントの横断面図、第４図は主フイルタエレメントの横
断面図、第５図は第１図の横断面図、第６図は外筒の分
解斜視図である。 １・・・・・・内筒、２・・・・・・補助フィルタエレ
メント、４・・・・・・主フイルタエレメント、４ａ・
・・・・・微細ガラス繊維不織布、４ｂ・・・・・・フ
ィルタサポート、５・・・・・・外筒、５ａ・・・・・
・多孔板、５ｂ・・・・・・リング状部、５Ｃ・・・・
・・突片、５ｄ・・・・・・折曲端、５ｅ・・・・・・
クランプ棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 通気性と剛性とに富む内筒の内側に挿着されたプリーツ
   状をなす粗大ダスト除去用の補助フィルタエレメントと
   、微細ガラス繊維の不織布と強度及び通気性に富むフィ
   ルタサポートとを前記内筒の外周面にうず巻状に連続し
   て重層巻装してなる主フイルタエレメントと、主フイル
   タエレメントの外面を被覆する外筒とを備え、−側縁か
   ら所要の間隔で突出する複数個の突片と他側縁から前記
   突片とは逆の位相で突出する突片とをそれぞれ内方に向
   ってリング状に折り曲げると共に折曲端を内面に折り返
   して両側縁にそれぞれ複数個のリング状部を形成した多
   孔板と、相互に噛み合い嵌合したリング状部に貫通挿入
   して多孔板を筒状に成形保持するクランプ棒とで前記外
   周を構成したことを特徴とする圧縮空気源適用フィルタ
   エレメント。