JP2005241501A - 熱型赤外線検出素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境温度による出力変化が少なく、低電圧駆動可能かつ雑音発生の少ない熱型赤外線検出素子を提供すること。
【解決手段】 赤外線検出部901と、素子温度検出部301と、積分トランジスタ905のゲート入力を赤外線検出部と素子温度検出部との間で切り替える入力切替スイッチ304と、ゲートに保持容量103を備えたバイアス電流供給用トランジスタ101と、バイアス電流供給用トランジスタと積分トランジスタの接続点をバイアス供給用トランジスタ101のゲートに接続するゲート接続スイッチ102と、その接続点と積分容量907を交流結合する結合容量104とを備え、積分容量907のリセット期間は、入力切替スイッチ304が素子温度検出部側に接続され、ゲート接続スイッチ102が導通する一方、積分動作期間は、入力切替スイッチ304が赤外線検出部側に接続され、ゲート接続スイッチ102が開放される。
【選択図】図1

Description

本件発明は、入射赤外線による温度変化を赤外線検出部で検出し、該検出部の出力信号を積分回路にて積分処理したのち出力する熱型赤外線検出素子に関する。
例えば、非特許文献1に示された熱型赤外線撮像素子では、入射赤外線による温度変化を断熱構造と赤外線吸収構造を持った温度センサ(非特許文献1では、ダイオード)で検出し、その温度センサの出力電圧を積分回路にて積分処理し、サンプルホールド回路を通じて外部に出力する。積分回路には、ダイオードの出力電圧をゲート入力とする積分用MOSトランジスタと、リセットスイッチによって周期的に基準電圧Vにリセットされる積分容量とが形成されている。積分用MOSトランジスタによってダイオードの出力電圧が電流に変換され、その電流によって所定の期間中に積分容量が放電されることにより積分動作が実現する。
この積分回路の動作をさらに詳細に説明すると以下の通りである。まず、リセットスイッチが導通し、積分容量が電源線によって電圧Vまで充電される。リセットスイッチが非導通になると、積分容量の電位は積分用MOSトランジスタを流れる電流により次第に低下していく。この割合は、積分トランジスタのゲート電圧Vin、即ち、温度センサからの出力電圧により変化する。基準となる赤外線入射状態(一般には室温背景光入射状態)に対応する放電特性を基準とすると、ゲート電圧Vinが上がった場合はより多く放電し、逆にVinが下がるとより少なく放電する。このようにして所定の期間が終了すると、サンプルホールド回路によって積分容量の両端電圧が保持され、バッファアンプ等を介して外部に出力される。このように積分用MOSトランジスタと積分容量は、積分用MOSトランジスタのゲート電圧の変化を電流に変換し、積分容量に蓄積する積分回路を構成している。この積分回路の積分時間Tは、リセットスイッチが非導通になってから、サンプルホールド回路のスイッチスイッチが非導通になるまでである。
この積分回路の利得Giは、次の(1)式で表される。
i = gm Ti / Ci (1)
ここで、gmは積分用MOSトランジスタの相互コンダクタンス、Cは積分容量、Tは積分時間である。そして、トランジスタのサイズとプロセス条件で決まる利得係数をβとおくと、gmは次式で表される。
gm = √(2Iβ) (2)
ここで、Iは環境温度に対応した赤外線入射状態(検出の基準となる赤外線入射状態)で積分用MOSトランジスタを流れる電流で、積分時間終了時の積分容量の電位降下量を
とすると、
h = ITi / Ci (3)
で与えられる。したがって、積分回路の利得Gは、次式で表すことができる。
= √(2 Ti β Vh / Ci ) (1’)
また、積分用MOSトランジスタのしきい値電圧をVth、ソース電圧をVとすると電流Iは次式で表される。
I =β(Vin − Vs −Vth ) 2 / 2 (4)
である。このような積分回路の等価雑音帯域幅Bniは、次式で表すことができる。
ni = 1/(2 Ti) (5)
しかし、非特許文献1に示すような積分回路では次のような問題があった。
(a)基準となる赤外線入射状態でも積分容量の電位が積分時間内にリセット電圧VからVだけ低下する。このため、高いリセット電圧Vが必要となり低電圧駆動化が困難である。特に高感度化を図る為にバイアス電流Iを増加させて積分回路の利得Gを上昇させたり、低雑音化を図る為に積分時間Tを長くすると、(3)式に示すように電圧降下量Vが大きくなり、駆動電圧の問題はより深刻になる。
(b)MOS積分トランジスタには所定のバイアス電圧Vを与える必要があるが、このバイアス電圧Vの変動に伴い基準となる赤外線入射状態での出力電圧(V−V)や利得Gも変化してしまう。
(c)赤外線を検出する温度センサの断熱構造は有限の熱抵抗を持つため、温度センサのの出力電圧は素子全体の温度変化によっても変化する。この変化は入射赤外線の変化と区別がつかないため、赤外線検出の精度が低下する。
そこで特許文献1では、断熱構造及び/又は赤外線吸収構造を備えない第2の温度センサを形成して素子温度のみを検出している。そして、赤外線検出用の温度センサと素子温度検出用の第2の温度センサの差を差動電圧電流変換アンプによって電流に変換し、その電流に基づいて積分動作を行う。赤外線検出用の温度センサと素子温度検出用の第2の温度センサの差分を取ることにより、基準となる赤外線入射状態では積分容量における電圧降下量Vはほぼゼロとなる。従って、駆動電圧の低下が可能となる。また、素子温度の変動成分は差動電圧電流変換アンプにおいてキャンセルされるため、環境温度の変化による出力変動をなくすことができる。さらに、出力電圧やゲインの変動要因となるバイアス電圧も不要となる。
また、特許文献2には、特許文献1に示された積分回路の構成を用いて、2次元マトリックス状に温度センサが配列された熱型赤外線固体撮像素子を構成する例が開示されている。
特開2002−188959号公報 特開2003−222555号公報 石川等、 「Low-cost 320x240 uncooled IRFPA using conventional silicon IC process」, Proc.SPIE, 1999, 4月, vol.3698、556頁〜564頁
しかしながら、特許文献1のように、赤外線検出用の温度センサと素子温度検出用の第2の温度センサの出力電圧差を差動電圧電流変換アンプによって電流に変換して積分すれば種々の利点が得られるが、一方でトランジスタに由来する雑音が増加してしまう問題があった。即ち、非特許文献1に示したような積分回路では、1つの積分用MOSトランジスタによって出力電圧の電流変換を行っているが、特許文献1に開示された積分回路では差動電圧電流変換アンプで電流変換を行うためトランジスタ数が大巾に増加する。トランジスタのドレイン−ソース間を流れる電流には1/f雑音が生じるため、トランジスタ数の増加に伴い雑音も増加してしまう。例えば、特許文献1では差動電圧電流変換アンプに使用するトランジスタ数を減らす工夫がなされているが、それでも最低5つのトランジスタ、即ち、2つの負荷トランジスタ、2つのドライバトランジスタ及び1つの電流源用トランジスタを用いる必要がある。このうち合計4つのトランジスタ(負荷トランジスタとドライバトランジスタ)が雑音発生に寄与するため、非特許文献1に示した単純な積分回路に比べて√4倍の雑音が発生することになる。
そこで本件発明は、環境温度の変動に対して出力変化が少なく、駆動電圧の低下が可能でありながら、かつ、積分回路における雑音発生の少ない熱型赤外線検出素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本件発明に係る熱型赤外線検出素子は、断熱構造と赤外線吸収構造を有し、入射した赤外線に応じた電圧を出力する赤外線検出部と、前記赤外線検出部の出力電圧により積分トランジスタの電流を変調し、該変調された電流を周期的に基準電圧にリセットされる積分容量に蓄積する積分回路とを備えた熱型赤外線検出素子において、さらに、入射した赤外線に実質的に応答せず、素子温度に応じた電圧を出力する素子温度検出部と、前記積分トランジスタのゲート入力を前記赤外線検出部の出力電圧と前記素子温度検出部の出力電圧との間で切り替える入力切替スイッチと、前記積分トランジスタに直列接続され、ゲートに保持容量を備えたバイアス電流供給用トランジスタと、
前記バイアス電流供給用トランジスタと前記積分トランジスタの接続点を前記バイアス供給用トランジスタのゲートに接続するゲート接続スイッチと、前記接続点と前記積分容量を交流結合する結合容量とを備え、
前記積分容量のリセット期間は、前記入力切替スイッチが前記素子温度検出部側に接続され、前記ゲート接続スイッチが導通する一方、
前記積分容量の積分動作期間は、前記入力切替スイッチが前記赤外線検出部側に接続され、前記ゲート接続スイッチが開放されることを特徴とする。
本件発明の熱型赤外線検出素子によれば、積分容量のリセット期間中にバイアス電流供給用トランジスタのゲート接続スイッチを導通状態とし、積分トランジスタの入力切替スイッチを素子温度検出部側にすることによって、バイアス電流供給用トランジスタのゲート電圧を環境温度に対応したバイアス電流を流すように自動決定できる。そして、積分期間中にゲート接続スイッチが非導通状態となると、このゲート電圧は保持容量に保持され、積分期間内は常にバイアス電流供給用トランジスタから積分トランジスタに環境温度に対応したバイアス電流が供給される。このため、積分期間に移行し、積分トランジスタのゲート入力が赤外線検出部側に切替えられて、積分トランジスタのゲート電圧がリセット期間から変化すると、この変化による積分トランジスタの電流変化分が積分容量に流れ、積分動作が行われる。即ち、積分期間中には、赤外線検出部と素子温度検出部の出力差に応じた電流によって積分動作が行われる。
このように、本件発明に係る熱型赤外線検出素子によれば、赤外線検出部と素子温度検出部の出力差を電流に変換し、積分動作を行うことができるため、特許文献1等と同様に、駆動電圧の低下が可能となり、環境温度の変化による出力変動も抑制することができる。しかも、本件発明に係る熱型赤外線検出素子では、特許文献1と異なり、積分電流に寄与するトランジスタの数は最低2つ(バイアス電流供給用トランジスタと積分トランジスタ)で済む。その上、リセット期間中に決定されるバイアス電流に含まれているトランジスタの1/f雑音電流は、その周波数から考えて積分期間中もほぼ一定とみなせるため、積分動作中にかなりの1/f雑音がキャンセルされる。従って、積分回路のトランジスタに由来する雑音成分は特許文献1に比べて顕著に減少する。
即ち、本件発明によれば、環境温度の変動に対して出力変化が少なく、駆動電圧の低下が可能でありながら、かつ、積分回路における雑音発生の少ない熱型赤外線検出素子を提供することができる。
尚、本件発明において、「熱型赤外線検出素子」には、単一の赤外線検出部により単純な赤外線検出を行う素子は勿論、マトリックス状に配列された複数の赤外線検出部により赤外線像の撮像を行う素子も含まれている。また、本件発明において、電流を積分容量に「蓄積」するとは、その電流により積分容量の充電を行う場合と、放電を行う場合の両方を含んでいる。
以下、本件発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1
図1は、本件発明の実施の形態1に係る熱型赤外線検出素子を模式的に示す回路図である。図1に示すように、断熱構造と赤外線吸収構造を有し、入射した赤外線に応じた電圧を出力する赤外線検出画素(=赤外線検出部)901と、入射した赤外線に実質的に応答せず、素子温度に応じた電圧を出力する基準画素(=素子温度検出部)301が形成されている。本実施の形態では、赤外線検出画素901と基準画素301はいずれも、直列接続された複数のダイオード902及び302を温度センサとして有している。また、基準画素301は、断熱構造及び/又は赤外線吸収構造を有しないことを除いて赤外線検出画素901と実質的に同じ構造を有する。赤外線検出画素901と基準画素301は、各々、電源904によって駆動されている。また、赤外線検出画素901と基準画素301には、略同一の電流を流す定電流源903と定電流源303が直列接続されている。従って、基準画素301は、赤外線検出画素901の出力電圧中の素子温度に由来する電圧成分に相当する電圧を出力できるようになっている。
本実施の形態における積分回路は、主として、バイアス電流供給用トランジスタ101、バイアス電流供給用トランジスタのゲート接続スイッチ102、バイアス電流供給用トランジスタのゲート保持容量103、積分トランジスタ905、積分トランジスタのゲート入力切替スイッチ304、結合容量104、積分容量907、及び積分容量のリセットスイッチ908から成る。
図1に示す例では、積分用MOSトランジスタ905はNチャンネルMOSトランジスタから成り、ソース接地されると共に、赤外線検出画素901等と共通の電源904によって駆動されている。積分トランジスタ905のドレインと電源904の間には、PチャンネルMOSトランジスタから成るバイアス電流供給用MOSトランジスタ101が直列接続されている。ここで「直列接続」とは、接続された2つのトランジスタ間でソース−ドレイン電流が連続して流れる接続状態をいう。図1の例では、バイアス電流供給用トランジスタ101のソースが電源904に接続され、ドレインが積分トランジスタ905のドレインと接続されている。積分トランジスタ905のゲートには入力切替スイッチ304が接続されており、定電流源903の両端電圧(=赤外線検出画素901の出力電圧に対応)と定電流源303の両端電圧(=基準画素301の出力電圧に対応)の間を切替えるようになっている。一方、バイアス電流供給用トランジスタ101のゲートには、保持容量103が接続されると共に、そのゲートをバイアス電流供給用トランジスタのドレイン(=バイアス電流供給用トランジスタ101と積分トランジスタ905との接続点)と接続するためのゲート接続スイッチ102が接続されている。
積分トランジスタ905のソース(=バイアス電流供給用トランジスタ101と積分トランジスタ905との接続点)は、結合容量104を介して積分容量907と交流結合しており、積分容量907には、周期的に基準電圧Vにリセットするためのリセットスイッチ908が接続されている。また、積分容量907には、適当なタイミングでデータを読み出すためのサンプルホールド回路が接続されている。図1に示す例では、サンプルホールド回路は、サンプルホールドのタイミングを決めるためのサンプルホールドスイッチ910と、データを蓄積するためのサンプルホールド容量911と、サンプルホールド容量を周期的にリセットするためのリセットスイッチ912から成る。
本実施の形態における熱型赤外線検出素子の動作について、図1と図2を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係る素子の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
図2に示すように、サンプルホールドスイッチ910がオフとなってデータのサンプリングが終了すると、積分容量リセットスイッチ908がオンとなって積分容量905のリセット期間に移行する(時間t)。積分容量905のリセット期間には、バイアス電流供給用トランジスタのゲート接続スイッチ102も導通状態となっており、バイアス電流供給用トランジスタ101のゲートはドレインに接続されている。従って、積分トランジスタ905に流れるソース−ドレイン電流と同じだけの電流がバイアス電流供給用トランジスタ101を流れるように、バイアス電流供給用トランジスタ101のゲート電圧が自動的に決定される。このとき、積分トランジスタ905のゲートには入力切替スイッチ304により基準画素301の出力電圧が入力されているため、環境温度の変化に応じて基準画素301の出力が変化し、その出力によって積分トランジスタ905を流れるソース−ドレイン電流が決まっている。即ち、バイアス電流供給用トランジスタ101と積分トランジスタ905を流れる電流は、環境温度によって決まる電流成分(=基準となる赤外線入射状態における電流成分)のみとなっている。
そして、積分容量リセットスイッチ908がオフとなって積分動作期間に入ると、バイアス電流供給用トランジスタのゲート接続スイッチ102も開放状態(非導通状態)となり、バイアス電流供給用トランジスタ101のゲート電圧は保持容量103に保持される。従って、バイアス電流供給用トランジスタ101は、積分動作期間中は常に、リセット期間のときに決定された電流、即ち環境温度によって決まる電流成分(バイアス電流)を積分トランジスタ905に供給する。このため積分トランジスタ905のゲート入力電圧がリセット期間から変化すると、このゲート入力電圧の変化により積分トランジスタ905のソース−ドレイン電流が変化し、その変化分が結合容量104を介して交流結合された積分容量907に流れて積分動作が行われる。このとき積分トランジスタ905のゲート電圧には入力切替スイッチ304により赤外線検出画素901の出力が入力されているため、積分トランジスタ905のソース−ドレイン電流の変化分は赤外線検出画素901と基準画素301の出力差に対応することになる。即ち、赤外線検出画素901と基準画素301の出力差が電流に変換され、積分動作が行われる。図2に示すように、積分時間Tは、リセットスイッチ908が非導通になってからサンプルホールドスイッチ910が非導通になるまでの時間である。
この積分回路における積分容量907の波形を図2に示している。環境温度に対応した赤外線入射状態(赤外線検出の基準となる赤外線入射状態)では積分容量907の両端電圧は積分時間内でほとんど変化せず、図2の201に示すようになる。これに対し、環境温度と異なる温度物体からの赤外線が赤外線検出画素901に入力すると、積分容量907の電位は203又は202のように変化する。このようにして所定の積分時間が終了すると、積分容量907の電位はトランジスタ910と容量911でサンプルホールドされる。
尚、本件発明に係る熱型赤外線検出素子において、積分トランジスタ905と積分容量を交流結合している結合容量104は、バイアス電流決定動作と積分動作を両立させる働きを有している。まず、バイアス電流決定動作時、即ち、リセット期間中には、リセット用電源909と積分トランジスタの間に結合容量104が介在しているため、電源909から積分トランジスタ905へは電流が流れない。このため、積分トランジスタ905とバイアス電流供給用トランジスタ101を流れる電流は等しくなり、基準画素301の出力に基づいてバイアス電流を決定することができる。一方、積分動作時には、結合容量104と積分容量907が直列容量となるため、積分トランジスタ905のバイアス電流からの電流変化分がこれらの容量に流れて積分動作が実現される。尚、積分動作は、正確には結合容量104と積分容量907の直列容量に行われ、容量値に応じて積分値が分割される。従って分割による利得低下を防ぐには、結合容量をできるだけ大きくする方がよいが積分回路全体の利得が所望の値になればよく、この意味では設計上、容量値への制限はない。
このように本実施の形態における熱型赤外線検出素子によれば、環境温度に対応した赤外線入射状態では積分動作期間における積分容量907の電圧降下量はほぼゼロとなる。従って、駆動電圧の低下が可能となる。また、赤外線検出画素901と基準画素301の出力差を電流に変換し、積分動作を行うため、素子温度の変動成分をキャンセルして環境温度変化による出力変動を抑制することができる。さらに、出力電圧やゲインの変動要因となるバイアス電圧設定も不要となる。
また、本実施の形態における熱型赤外線検出素子では、積分電流に寄与するトランジスタは、最低、バイアス電流供給用トランジスタ101と積分トランジスタ905の2つで済む。このため差動電圧電流変換アンプを用いて積分を行う場合に比べて、雑音に寄与するトランジスタ数が大巾に減少する。例えば、特許文献1の例では、4つのトランジスタ(2つの負荷トランジスタと2つのドライバトランジスタ)が雑音発生に寄与するため、1つの積分トランジスタを用いる単純な積分回路に比べて√4倍の雑音が発生することになる。一方、本実施の形態における熱型赤外線検出素子では、雑音発生に寄与するトランジスタ数は2つで済むため、単純にいって雑音発生量が√4倍から√2倍に減少する。
しかも、本実施の形態における熱型赤外線検出素子では、1/f雑音電流同士をキャンセルする動作となるため、雑音が一層低減される。即ち、バイアス電流供給用トランジスタと積分トランジスタのソース−ドレイン間を流れる電流には1/f雑音電流が含まれているが、この1/f雑音電流もバイアス電流に含まれてリセット期間中に保持されることになる。1/f雑音は一般に1kHzで顕著になる一方、積分動作の周波数は一般に10kHz以上であるため、積分期間中は1/f雑音が一定とみなせる。積分期間中はバイアス電流からの変化分が積分電流となるため、1/f雑音電流はキャンセルされて積分電流に含まれなくなる。
尚、積分容量のリセットスイッチ908、バイアス電流供給用トランジスタのゲート接続スイッチ102、及び積分トランジスタの入力切替スイッチ304の切替タイミングは全く同一である必要はなく、むしろ以下のタイミングとすることが望ましい。まず、各スイッチをオンにするタイミングについては、図3に示すように、積分容量リセットスイッチ908(時間S1)、入力切替スイッチ304(時間S2)、ゲート接続スイッチ102(時間S3)の順であることが好ましい。特に、入力切替スイッチ304による基準画素301側への切替は、積分容量リセットスイッチ908をオンした後から行うことが好ましい。積分容量リセットスイッチ908をオンするよりも早く基準画素301に切替えてしまうと、その期間中は積分容量907に流れる積分電流が入射赤外線を正しく反映しなくなるためである。ゲート接続スイッチ102をオンにするタイミングは、入力切替スイッチ304の切替よりも前であっても良いが、積分容量リセットスイッチ908をオンにするタイミングよりは後にすることが重要である。
一方、各スイッチをオフにするタイミングについては、図3に示すように、ゲート接続スイッチ(時間S4)、入力切替スイッチ(時間S5)、積分容量リセットスイッチ908(時間S6)の順であることが好ましい。特に、積分容量リセットスイッチ908をオフにするタイミングは、入力切替スイッチ304を赤外線検出画素側に切替えるよりも後にすることが好ましい。積分容量リセットスイッチ908をオフにすると積分容量907への信号蓄積が始まるため、その前に赤外線検出画素901が入力する状態になっていることが重要である。また、ゲート接続スイッチ102が他の2つのスイッチよりも早くオフになることも重要である。これはゲート接続スイッチ102をオフした瞬間のゲート電圧が保持容量203に保持されるところ、そのときにはリセットスイッチ908がオンであり、かつ、基準画素301が入力された状態にあることが重要となるからである。
次に、本件発明に係る熱型赤外線検出素子の画素(温度センサ)の構造について説明する。図9(a)及び(b)は、本実施の形態に係る熱型赤外線検出素子における赤外線検出画素901の構造例を模式的に示す断面図及び斜視図である。赤外線検出画素901において、温度センサとなるPN接合ダイオード902が、2本の長い支持脚1101によってシリコン基板1102に設けられた中空部1103の上に支持されており、ダイオード902の電極配線1104が支持脚1101に埋め込まれている。PN接合ダイオード902は、感度を高めるために複数個が直列に接続されていることが好ましい。中空部1103は、ダイオード902とシリコン基板1102との間の熱抵抗を高めて、断熱構造を形成している。この例では、ダイオード902がSOI基板のSOI層上に形成されており、SOI層下の埋め込み酸化膜が中空構造を支持する構造体の一部になっている。また、ダイオード部に熱的に接触している赤外線吸収構造1106が、図の上方から入射する赤外線を効率良く吸収できるように、支持脚1101の上方に張り出した構造となっている。SOI基板のSOI層に温度センサとなるダイオードを形成すれば、温度センサを単結晶シリコンに形成できると同時に、SOI層下の酸化膜を支持脚として利用して容易に断熱構造を形成することができる。尚、図9(b)では下部の構造を判りやすくするため、図の前方の部分での赤外線吸収構造を除いて描いてある。
赤外線が赤外線検出901に入射すると、赤外線吸収構造1106で吸収され、上記の断熱構造により画素901の温度が変化し、温度センサとなるダイオード902の順方向電圧特性が変化する。このダイオード902の順方向電圧特性の変化量を、所定の検出回路で読み取ることにより、入射した赤外線量に応じた出力信号を取出すことができる。熱型赤外線固体撮像装置では、画素901が2次元に多数配列されており、それらを順にアクセスしていく構造となっている。このような素子では画素間の特性均一性が重要であるが、ダイオードの順方向電圧やその温度依存性は固体間のバラツキが非常に小さく、熱型赤外線撮像装置にとって温度センサにダイオードをもちいることは特性均一性を図る上で特に有効である。尚、ここでは画素901がPN接合ダイオードからなる場合について説明したが、画素901は温度によって電気特性が変化するものであれば良く、これに限られない。例えば、ポリシリコン、アモルファスシリコン、炭化ケイ素や酸化バナジウム等のボロメータの他、トランジスタ等の半導体素子を用いたものが知られている。また、ダイオードとしても、PN接合ダイオード以外に、ショットキー接合ダイオードでも良く、ショットキーダイオードとPN接合ダイオードの組合せでも、ダイオードと他の能動素子(トランジスタ等)との組み合わせでも良い。但し、PN接合ダイオードを順方向バイアスで用いれば、ショットキー接合ダイオード等に比べて駆動電圧を低くできる利点がある。また、PN接合ダイオードの直列接続であれば、その連結数によって感度調整も容易に行うことができる。
また、本件発明において、赤外線吸収構造は、素子に入射した赤外線を吸収して温度センサの温度上昇を生ぜしめる構造であれば良く、上記形態には限定されない。また、本件発明において、断熱構造は、赤外線吸収による温度センサの温度変化を妨げる構造であれば良く、上記の中空構造には限定されない。
一方、本実施の形態において、素子温度を検出する基準画素301は、断熱構造と赤外線吸収構造のいずれか一方若しくは両方をなくす他は赤外線検出画素901と実質的に同一の構造を有している。赤外線吸収に対する感度が必要なレベルにまで落ちれば、断熱構造と赤外線吸収構造のいずれか一方は残していても良い。このような基準画素301によって基準信号を出力することにより、素子温度に対する画素901の応答特性を正確に模擬することができ、精度の高い温度ドリフト補正が可能となる。尚、基準画素の温度センサとして、赤外線吸収画素と同様の構造ではなく、サーミスタ等の他の構成を採用することも勿論可能である。
尚、本実施の形態では、積分トランジスタ905はNチャンネルMOSトランジスタから成り、バイアス電流供給用トランジスタ101がPチャンネルMOSトランジスタから成る場合について説明したが、本件発明はこれに限定されない。例えば、積分トランジスタ905がPチャンネルMOSトランジスタから成り、バイアス電流供給用トランジスタ101がNチャンネルMOSトランジスタから成っていても良い。また、本実施の形態において、積分回路やサンプルホールド回路を赤外線検出画素901等と同一チップに設けてもよく、チップ外に設けてもよいのは言うまでもない。
実施の形態2
図4は、本件発明の実施の形態2を模式的に示す回路図である。本実施の形態では、基準画素301と入力切替スイッチ304の間に低域通過フィルタ401を挿入している。その他の点は実施の形態1と同様である。
本実施の形態において、低域通過フィルタ401は、基準画素301の雑音成分を取り除く役割を有する。即ち、実施の形態1では、基準画素301において発生する雑音成分によってバイアス電流が変化する。一般に、高S/Nを目指す赤外線検出器では、電源系の雑音は電源回路で充分低減されており、検出部からの雑音が素子の雑音レベルに大きな影響を与える。基準画素301の雑音成分と赤外線検出画素901の雑音成分は無相関であるため、単純には、積分回路からの出力における検出部由来の雑音は赤外線検出画素1の出力のみを積分する場合に比べて√2倍になる。そこで、基準画素301と入力切替スイッチ304の間に低域通過フィルタ401を設けることにより、基準画素301で発生する雑音成分をバイアス電流から除去し、検出部由来の雑音成分を低減することができる。
基準画素301は環境温度変化に対する出力をだすものであるが、環境温度変化による出力変化は、その変動が一般に秒オーダ以上の緩やかなもので、それをモニタする基準画素301の帯域は、入射赤外線を感知する赤外線検出画素901に必要な帯域にくらべて充分狭くてもよい。従って、低域通過フィルタ401により環境温度による変動のみを通過するようにすれば、基準画素301からの雑音の影響を効果的に抑制することができる。例えば、本件発明の積分回路が有する等価雑音帯域幅をBniして、その1/100以下に低域通過フィルタ301のカットオフ周波数をきめておけば、基準画素301による雑音増加を殆ど除去することができる。環境温度変動の観点からも、その変動周期は早くて秒オーダであるから数Hzの帯域があれば十分である。尚、本件発明の積分回路が有する等価雑音帯域幅Bniは、積分時間Ti(本実施の形態ではリセットスイッチ908が非導通になってからサンプルホールドスイッチ910が非導通になるまでの時間)に基づいて上記(5)式で算出される。
低域通過フィルタ401の回路構成例を、図5(A)及び図5(B)に示す。図5(A)は受動素子を用いたものであり、抵抗もしくはリアクタンス500と容量501を組合せて成る。図5(B)は、能動素子である演算増幅器502を用いた積分回路で当該技術者であれば周知のものである。演算増幅器502のプラス側入力端子は接地しており、マイナス側入力端子には抵抗504を介して信号が入力されると共に、容量503を介して負帰還がかけられている。尚、低域通過フィルタの構成は任意であり、例えば、スイッチトキャパシタ回路等を用いても良い。
実施の形態3
図6は、本件発明の実施の形態3を模式的に示す回路図である。本実施の形態では、赤外線検出画素901と基準画素301の温度センサとして、PN接合ダイオードに代えてボロメータ602及び603を用いている。また、これらの画素に直列する定電流化手段として、定電流源に代えて、負荷抵抗604を用いている。その他の点は実施の形態1と同様である。基準画素301において、赤外線検出画素901から赤外線吸収構造あるいは断熱構造の何れかまたは両方を除いている点も実施の形態1と同様である。
本実施の形態のように、温度センサとなる素子は、ダイオードやトランジスタ等の能動素子でなく、炭化ケイ素や酸化バナジウム等のボロメータであっても良い。尚、ボロメータとは、温度によって電気抵抗が変化する材料を指す。また、赤外線検出画素901や基準画素301の各々に負荷抵抗604を直列接続する。両者の負荷抵抗を大略同じにしておけば、実施の形態1と同様に、画素と負荷抵抗の接続点の電圧が画素の抵抗に応じて変化する。従って、赤外線入射量や素子温度に応じた出力電圧を取出すことができる。尚、本実施の形態では、画素の温度センサと定電流化手段の両方とも抵抗に変更した例を説明したが、いずれか一方だけを抵抗にしても良いことは言うまでもない。
実施の形態4
本実施の形態では、本件発明を用いて赤外線像を撮像可能な熱型赤外線検出素子を構成した例について説明する。図7は、本実施の形態に係る熱型赤外線検出素子を模式的に示す回路図であり、図8は、図7に示す素子の積分回路部分の構成を示す回路図である。
実施の形態1と同様に、複数個が直列接続され、赤外線吸収構造と断熱構造を備えたダイオードによって個々の赤外線検出画素901が構成されており、その赤外線検出画素901がm行n列の2次元状に配列された画素エリアを構成している。赤外線検出画素901の各行ごとに駆動線704が共通して接続されている。また、赤外線検出画素901の各列ごとに信号線703が共通して接続され、各信号線703の終端には定電流源903が接続されている。また、垂直走査回路701とスイッチにより駆動線704が順次に選択され、各駆動線704が電源702に接続される。
一方、定電流源903に近接して赤外線検出画素901の各列毎に、第2群の定電流化手段として、定電流源903と略同一の電流を流す定電流源303が配置されており、駆動線704と略平行なバイアス線711によって並列接続されている。バイアス線711は、駆動線704と略同一の電圧降下を生じるように、駆動線704と略同一の抵抗値を有している。尚、バイアス線711は、駆動線704と略同一の電圧効果を生じれば良く、必ずしも駆動線704と同一の抵抗を有する必要はない。定電流源303の電流値が定電流源903と異なる場合には、それに応じてバイアス線711と駆動線704が異なる抵抗を有していても良い。
このバイアス線711には、基準画素301の出力電圧が入力される。即ち、画素エリア外の適当な位置に、赤外線吸収構造及び/又は断熱構造を有しない他は赤外線検出画素901と実質同じ構造を有する基準画素301が形成されており、電源702と定電流源303によって定電流駆動されている。この電源702は、赤外線検出画素901を駆動する電源と共通であり、定電流源303も赤外線検出画素901に接続された定電流源903と略同一の電流を流すよう設定されている。そして基準画素301と定電流源303の接続点の電圧が、低域通過フィルタ401とバッファ710を介してバッファ線711に供給されている。低域通過フィルタ401は、基準画素301等で生じた雑音を除去する役割を果たし、バッファ710は電流駆動能力を上げる。
赤外線検出画素901の各列毎に図8に示す構成の積分回路705が形成されており、定電流源2の両端電圧と定電流源20の両端電圧との差を積分、増幅して出力する。そして、水平走査回路706によって水平選択スイッチ707が順次オンされ、列毎に配置された積分回路705の出力信号が、出力アンプ708を介して出力端子709から外部に出力される。
図8に示すように、積分回路705の構成は、図1に示した積分回路のサンプルホールド回路の後段にバッファアンプ801を設けたものである。図8に示す積分回路には、赤外線検出画素901に接続した定電流源903の両端電圧と、バイアス線711に接続された定電流源303の両端電圧とが入力されており、入力切替スイッチ304によって交互に積分トランジスタ905のゲートに入力される。図8に示す回路の動作は、実施の形態1と同様であり、少ないトランジスタ数で2入力間の出力差を電流変換し、積分することができる。ここでバイアス線711に接続された定電流源303の両端電圧は、基準画素301で検出された素子温度変化に対応した電圧成分を含むと共に、駆動線704で生じるのと同じ電圧降下成分を含む。即ち、素子温度変動による電圧変化だけでなく、駆動線711の抵抗による電圧降下分布も積分回路705内のバイアス電流に反映され、外部に出力されない。
従って、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、環境温度変化に対して安定で、低駆動電圧かつ低雑音の赤外線像の検出が可能であると共に、駆動線によるオフセット分布のない赤外線像の出力が可能となる。
実施の形態5
図10は、実施の形態4に係る熱型赤外線検出素子を用いた赤外線カメラの一例を示すブロック図である。シャッタ52が開くと、撮像対象から入射した赤外光線がレンズ51によって赤外線検出素子53の画素エリアに集光され、赤外線検出素子53から画像信号が出力される。出力された画像信号は、増幅回路54で増幅され、A/D変換回路55、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)56及びD/A変換兼増幅回路55を経てモニタ58に出力される。
本実施の形態に係る赤外線カメラによれば、実施の形態4に示した熱型赤外線検出素子53を用いているため、駆動線によるオフセット分布や温度ドリフトが抑制され、環境温度の変化に拘わらず均一な画像を安定して取得することができる。また、撮像素子53内の積分回路は低駆動電圧可能であり、かつ低雑音であるため、赤外線カメラ50は低消費電力であると共に、高S/Nの画像出力が可能である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る熱型赤外線検出素子を示す回路図である。 図2は、実施の形態1に係る熱型赤外線検出素子の動作タイミングを示すタイミングチャートである。 図3は、図2における動作タイミングのさらに詳細を示すタイミングチャートである。 図4は、本発明の実施の形態2に係る熱型赤外線検出素子を示す回路図である。 図5(A)及び(B)は、低域通過フィルタの例を示す回路図である。 図6は、本発明の実施の形態3に係る熱型赤外線検出素子を示す回路図である。 図7は、本発明の実施の形態4に係る熱型赤外線検出素子を示す回路図である。 図8は、図7に示す素子中の積分回路の構成を示す回路図である。 図9(a)及び(b)は、本件発明に係る熱型赤外線検出素子の赤外線検出画素の構造の例を示す断面図及び斜視図である。 図10は、実施の形態5に係る赤外線カメラを示すブロック図である。
符号の説明
301 基準画素、 901 赤外線検出画素、 905 積分トランジスタ、 907 積分容量、 908 積分容量リセットスイッチ、 304 入力切替スイッチ、 101 バイアス電流供給用トランジスタ、 102 ゲート接続スイッチ、 103 保持容量、 104 結合容量、 910 サンプルホールドスイッチ、 911 サンプルホールド容量、 912 リセットスイッチ

Claims (9)

  1. 断熱構造と赤外線吸収構造を有し、入射した赤外線に応じた電圧を出力する赤外線検出部と、前記赤外線検出部の出力電圧により積分トランジスタの電流を変調し、該変調された電流を周期的に基準電圧にリセットされる積分容量に蓄積する積分回路とを備えた熱型赤外線検出素子において、
    さらに、入射した赤外線に実質的に応答せず、素子温度に応じた電圧を出力する素子温度検出部と、
    前記積分トランジスタのゲート入力を前記赤外線検出部の出力電圧と前記素子温度検出部の出力電圧との間で切り替える入力切替スイッチと、
    前記積分トランジスタに直列接続され、ゲートに保持容量を備えたバイアス電流供給用トランジスタと、
    前記バイアス電流供給用トランジスタと前記積分トランジスタの接続点を前記バイアス供給用トランジスタのゲートに接続するゲート接続スイッチと、
    前記接続点と前記積分容量を交流結合する結合容量とを備え、
    前記積分容量のリセット期間は、前記入力切替スイッチが前記素子温度検出部側に接続され、前記ゲート接続スイッチが導通する一方、
    前記積分容量の積分動作期間は、前記入力切替スイッチが前記赤外線検出部側に接続され、前記ゲート接続スイッチが開放されることを特徴とする熱型赤外線検出素子。
  2. 前記素子温度検出部は、断熱構造と赤外線吸収構造のいずれか一方もしくは両方を有しないことを除いて前記赤外線検出部と実質同じ構造もつことを特徴とする請求項1に記載の熱型赤外線検出素子。
  3. 前記素子温度検出部と前記入力切替スイッチとの間に低域通過フィルタを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱型赤外線検出素子。
  4. 前記低域通過フィルタのカットオフ周波数が、前記積分回路の等価雑音帯域幅の
    1/100以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱型赤外線検出素子。
  5. 前記赤外線検出部が、SOI基板上に形成されたダイオードを温度センサとして有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱型赤外線検出素子。
  6. 前記ダイオードが順方向駆動されるPN接合型ダイオードであることを特徴とする請求項5に記載の熱型赤外線検出素子。
  7. 前記赤外線検出部が2次元状に配列された画素エリアと、
    前記赤外線検出部の一方の極を行毎に共通接続した複数の駆動線と、
    前記赤外線検出部の他方の極を列毎に共通接続した複数の信号線と、
    前記駆動線を順次選択し、選択した駆動線と電源を接続する垂直走査回路と、
    前記信号線を順次選択し、前記赤外線検出部の出力電圧を前記信号線毎に設けられた前記積分回路を介して出力する水平駆動回路とを備えた請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱型赤外線検出素子。
  8. 前記駆動線と略平行に形成され、前記駆動線と略同一の電圧降下を生じるバイアス線を有し、前記素子温度検出部の出力電圧が前記バイアス線を通じて前記積分回路に入力されることを特徴とする請求項7に記載の熱型赤外線検出素子。
  9. 請求項7又は8のいずれか1項に記載の熱型赤外線検出素子と、
    前記熱型赤外線検出素子に赤外線像を結像させる光学系と、
    前記熱型赤外線検出素子から出力された画像信号を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路によって増幅された画像信号をモニタに出力する出力端子と、
    を備えた赤外線カメラ。


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