JP2005241461A - 圧力センサモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】漏れ進行波が隣接する参照用素子あるいは圧力検出用素子の進行波と干渉する
【解決手段】一主面に凹部5が形成されているセンサ基板1上で、凹部5の形成領域内に圧電体,IDTを含む圧力検出用素子2を、凹部5の形成領域外に圧電体,IDTを含む参照用素子3を設けたセンサ素子と、圧力検出用素子2の共振周波数に基づいて所定周波数の電気信号を発振する第1発振回路と、参照用素子3の共振周波数に基づいて所定周波数の電気信号を発振する第2発振回路と、第1発振回路からの電気信号と第2発振回路からの電気信号とを比較して変換信号を生成するとともに変換信号を出力するコンパレータと、コンパレータからの変換信号と第2発振回路からの電気信号とを変調して外部に出力する変調回路とを備え、センサ基板1上の圧力検出用素子2と参照用素子3の共振周波数を異ならせた圧力センサモジュール。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧力の変動を検出して所定の電気信号を送信する圧力センサモジュールに関する。
従来、気体や液体などの圧力の変動を検出し、圧力変動データを外部に送信する圧力センサモジュールが用いられている。
このような圧力センサモジュールとしては、圧力センサと発振回路とを備え、圧力センサで検出した圧力変動データを外部へ送信する構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
かかる従来の圧力センサモジュールにおいて、圧力センサとしてはセラミックパッケージからなる静電容量型のセンサ素子(例えば、特許文献2参照。)が用いられ、この圧力センサに圧力が印加されることにより得られた圧力変動データと、弾性表面波素子からなる共振子の共振周波数に基づいて発振する基準信号としての電気信号とを変調して生成した送信信号をアンテナより出力するものであり、例えばタイヤ内の空気圧を監視する装置として用いられる。
特開2003−303388号公報 特開2003−315190号公報
しかしながら、上述した圧力センサモジュールは、セラミックパッケージからなる圧力センサと、基準信号を発振する発振回路に接続されている弾性表面波素子からなる共振子とが、それぞれ別の材料からなるために個別の部品として搭載されており、このような従来の圧力センサモジュールでは、搭載する部品点数が多くなるので、モジュールの軽量・小型化を図ることが困難であるという問題点を有していた。
このような問題点を解決するために、本出願人は特願2003−431559において、一主面に凹部が形成されているセンサ基板上で、凹部の形成領域内に、圧電体及びインターデジタルトランスデューサを含む圧力検出用弾性表面波素子を、凹部の形成領域外に、圧電体及びインターデジタルトランスデューサを含む参照用弾性表面波素子を設けたセンサ素子と、圧力検出用弾性表面波素子の共振周波数に基づいて所定周波数の電気信号を発振する第1の発振回路と、参照用弾性表面波素子の共振周波数に基づいて所定周波数の電気信号を発振する第2の発振回路と、第1の発振回路からの電気信号と第2の発振回路からの電気信号とを比較して変換信号を生成するとともに、この変換信号を出力するコンパレータと、コンパレータからの変換信号と第2の発振回路からの電気信号とを変調して外部に出力する変調回路とを備えてなる圧力センサモジュールを提案した。
この圧力センサモジュールによれば、参照用弾性表面波素子を圧力検出用弾性表面波素子と同一のセンサ基板上に設けており、参照用弾性表面波素子の共振周波数に基づいて発振する電気信号を、圧力検出用弾性表面波素子の共振周波数に基づいて発振する電気信号と比較して変換信号を生成するために用いるとともに、この変換信号と変調する基準信号としても用いたことから、搭載する部品点数が少なくなり、圧力センサモジュールの軽量・小型化を図ることが可能となるというものである。
しかしながらこの圧力センサモジュールにおいては、参照用弾性表面波素子を圧力検出用弾性表面波素子と同一のセンサ基板上に設けていることから、例えば参照用弾性表面波素子と圧力検出用弾性表面波素子とを近接して配置してセンサ基板を小型化した場合などにおいて、互いの反射器で反射しきれなかった漏れ進行波が参照用弾性表面波素子あるいは圧力検出用弾性表面波素子の進行波と干渉して、正確な圧力測定が困難となることがあるという危険性を有していた。
本発明は上記課題に鑑み案出されたもので、その目的は、基準信号を発振する発振回路に接続される共振子を圧力センサと一体化させることにより圧力センサモジュールを小型化した場合においても、漏れ進行波と同一のセンサ基板上に設けた参照用弾性表面波素子あるいは圧力検出用弾性表面波素子の進行波との干渉を抑えることができ、正確な圧力測定のできる圧力センサモジュールを提供することにある。
本発明の圧力センサモジュールは、一主面に凹部が形成されているセンサ基板上で、前記凹部の形成領域内に、圧電体及びインターデジタルトランスデューサを含む圧力検出用弾性表面波素子を、前記凹部の形成領域外に、圧電体及びインターデジタルトランスデューサを含む参照用弾性表面波素子を設けたセンサ素子と、前記圧力検出用弾性表面波素子の共振周波数に基づいて所定周波数の電気信号を発振する第1の発振回路と、前記参照用弾性表面波素子の共振周波数に基づいて所定周波数の電気信号を発振する第2の発振回路と、前記第1の発振回路からの電気信号と前記第2の発振回路からの電気信号とを比較して変換信号を生成するとともに、該変換信号を出力するコンパレータと、前記コンパレータからの変換信号と前記第2の発振回路からの電気信号とを変調して外部に出力する変調回路とを備えてなる圧力センサモジュールにおいて、前記圧力検出用弾性表面波素子の共振周波数と前記参照用弾性表面波素子の共振周波数とを異ならせたことを特徴とするものである。
また、本発明の圧力センサモジュールは、上記構成において、前記第1の発振回路、前記第2の発振回路、前記コンパレータ及び前記変調回路が単一のICチップ上に集積されており、このICチップと前記センサ素子とが共通の支持基板上に搭載されていることを特徴とするものである。
本発明の圧力センサモジュールによれば、圧力検出用弾性表面波素子の共振周波数と参照用弾性表面波素子の共振周波数とを異ならせたことから、圧力検出用弾性表面波素子と参照用弾性表面波素子とを同一のセンサ基板上に形成した場合においても、漏れ進行波と参照用弾性表面波素子あるいは圧力検出用弾性表面波素子の進行波とが干渉することはないので、圧力測定を正確に行なうことができる。
また、本発明の圧力センサモジュールによれば、上記構成において、第1の発振回路、第2の発振回路、コンパレータ及び変調回路が単一のICチップ上に集積されており、このICチップとセンサ素子とが共通の支持基板上に搭載されている場合には、ICチップとセンサ素子とを共通の支持基板上に搭載することによって圧力センサモジュールをより軽量化・小型化することが可能となる。
以下、本発明の圧力センサモジュールを添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる圧力センサモジュール10の断面図であり、図2は図1の圧力センサモジュール10に使用されるセンサ素子20の斜視図である。そして圧力センサモジュール10は、主にセンサ素子20と支持基板6、封止材4、ICチップ12、アンテナ13とで構成されている。
センサ素子20を構成するセンサ基板1は、その上面に凹部5を有しており、その下面には、凹部5直下の凹部5形成領域内に圧力検出用弾性表面波素子2が設けられ、凹部5の形成領域外には参照用弾性表面波素子3が設けられている。
なお、圧力検出用弾性表面波素子2を凹部5直下の凹部5形成領域内に設けているのは、後述するように、圧力センサモジュール10に外部からの圧力が加わった際に圧力検出用弾性表面波素子2が形成された領域を変形し易くするためであり、この変形が大きい程圧力センサモジュールの感度を高めることができる。
このようなセンサ基板1の材料としては、圧力検出用弾性表面波素子2と一体的に形成することができ、外部からの圧力(図1の上方からの圧力)を受けると比較的容易に変形し得るものが好ましく、例えば、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、四硼酸リチウム等の単結晶圧電材料が好適に使用される。
また、圧力検出用弾性表面波素子2は、例えば、圧電体とインターデジタルトランスデューサ2aとその両側に配される一対の反射器2bとで構成される弾性表面波素子から成り、インターデジタルトランスデューサ2aには、支持基板6の接続パッドに導電性接合材を介して接合される電極パッド7が接続されている。
同様に参照用弾性表面波素子3も、圧電体とインターデジタルトランスデューサ3aとその両側に配される一対の反射器3bとで構成される弾性表面波素子から成り、インターデジタルトランスデューサ3aには、支持基板6の接続パッドに導電性接合材を介して接合される電極パッド7が接続されている。
このような圧力検出用弾性表面波素子2及び参照用弾性表面波素子3を構成する圧電体の材質としては、例えば、センサ基板1と同様の材料、即ち、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、四硼酸リチウム等の圧電材料が用いられ、かかる圧電体の表面に、アルミニウムや金等の金属材料を従来周知のスパッタリング法や蒸着法等の薄膜形成技術、フォトリソグラフィー技術等を採用し、例えば2000Å程度の厚みにてパターン形成することによりインターデジタルトランスデューサ2a、3a及び反射器2b、3b等が形成される。
なお、通常、圧力検出用弾性表面波素子2及び参照用弾性表面波素子3を構成する圧電体は、センサ基板1表面の一部が使用される。
そして、上述したセンサ基板1の下面には、圧力検出用弾性表面波素子2及び参照用弾性表面波素子3を構成するインターデジタルトランスデューサ2a、3a及び反射器2b、3bを囲繞するようにして環状の接合用導体8が設けられている。この接合用導体8はインターデジタルトランスデューサ2a等と同様の金属材料から成り、その表面にはNiメッキやAuメッキ等が施され、後述する封止材4が接合されるようになっている。尚、接合用導体8は、先に述べたインターデジタルトランスデューサ2a等と同様の形成方法、例えば、薄膜形成技術やフォトリソグラフィー技術等を採用することによってセンサ基板1の下面に形成される。
一方、支持基板6には、十分な強度を有し、外部からの圧力を受けても変形しにくいといった機械的特性が求められ、例えば、ガラス−セラミック材料やセラミック材料を用いた多層回路基板等が好適に用いられる。
このような支持基板6の上面には、センサ基板1下面の電極パッド7に導電性接合材を介して電気的に接続される接続パッド(図示せず)と、センサ基板1下面の接合用導体8と対向する部位にこの接合用導体8に封止材4を介して接合される環状の接合用導体9が設けられている。
また支持基板6の下面には、複数個の端子電極(図示せず)が形成されており、これらの端子電極は支持基板6やセンサ基板1の配線パターンやビアホール導体等(図示せず)を介してセンサ基板1下面の圧力検出用弾性表面波素子2及び参照用弾性表面波素子3等と電気的に接続される。
なお、このような支持基板6は、例えば、従来周知のグリーンシート積層法、具体的には、配線パターンやビアホール導体となる導体ペーストが所定パターンに印刷・塗布されたグリーンシートを複数枚、積層・圧着させた上、これらを一体焼成することによって製作される。
そして、上述したセンサ基板1と支持基板3との間には、圧力検出用弾性表面波素子2を囲繞するようにして環状の封止材4が介在されている。
封止材4は、例えば、半田やAu−Ni合金等の導体材料から成り、かかる封止材4を双方の基板(センサ基板1、支持基板6)の接合用導体8,9に対して接合させておくことにより、上述した圧力検出用弾性表面波素子2や参照用弾性表面波素子3等を、センサ基板1、支持基板6及び封止材4で囲まれる封止領域内で気密封止するようになっている。
そして、このような封止領域の内部には、通常窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスが充填され、これによって封止領域内に配置されるインターデジタルトランスデューサ等の酸化腐食等が有効に防止されるようになっている。
なお、このような封止材4として半田等の導体材料を用いる場合、これを支持基板6下面のグランド端子に接続させておけば、センサ素子20の使用時、封止材4はグランド電位に保持されることとなるため、封止材4によるシールド効果が期待でき、外部からの不要なノイズを封止材4でもって良好に遮断することができる。
また、センサ基板1の電極パッド7と支持基板6の接続パッドとを接続する導電性接合材としては、例えば、半田や導電性樹脂等が用いられる。なお、支持基板6の下面の端子電極には、後述する第1の発振回路、第2の発振回路、コンパレータ及び変換回路を集積したICチップ12、アンプ15及びアンテナ13が接続され、更に、これらを覆うように樹脂14がモールド形成されている。
このように、第1の発振回路、第2の発振回路、コンパレータ及び変調回路が単一のICチップ上に集積されており、ICチップとセンサ素子とを共通の支持基板上に搭載することによって、圧力センサモジュールを軽量化・小型化することが可能となる。
そして、本発明の圧力センサモジュール10においては、センサ基板1上の圧力検出用弾性表面波素子2の共振周波数と参照用弾性表面波素子3の共振周波数とがそれぞれ異なる共振周波数となるように形成されている。また、このことが重要である。
本発明の圧力センサモジュール10によれば、センサ基板1上の圧力検出用弾性表面波素子2の共振周波数と参照用弾性表面波素子3の共振周波数とをそれぞれ異ならせたことから、圧力検出用弾性表面波素子2と参照用弾性表面波素子3とを同一基板上に形成し小型化したとしても、漏れ進行波と参照用弾性表面波素子3あるいは圧力検出用弾性表面波素子2の進行波とが干渉することはないので、圧力測定を正確に行なうことができる。
なお、本発明の圧力センサモジュール10においては、圧力検出用弾性表面波素子2の共振周波数をfr、反共振周波数をfa、参照用弾性表面波素子3の共振周波数をfr、反共振周波数をfaとしたときに、
fa<fr (1)
または、
fa<fr (2)
となるように、それぞれの周波数を設定することが好ましい。
圧力検出用弾性表面波素子2や参照用弾性表面波素子3等の圧電体は、図4に周波数−挿入損失の図で示すように、挿入損失が最小となる周波数である共振周波数(fr)と、挿入損失が最大となる周波数である反共振周波数(fa)とを有しており、fr<faという関係を有している。従って式(1)、(2)は、圧力検出用弾性表面波素子2の共振周波数frから反共振周波数をfaまでの周波数帯域(fr〜fa)と、参照用弾性表面波素子3の共振周波数をfrから反共振周波数faまでの周波数帯域(fr〜fa)とが重なり合わないように、それぞれの共振周波数および反共振周波数を設定することが好ましいことを意味している。
なお、圧力検出用弾性表面波素子2の共振周波数をfrおよび反共振周波数faと、参照用弾性表面波素子3の共振周波数frおよび反共振周波数faとが、式(1)または式(2)を満たさない場合、すなわち圧力検出用弾性表面波素子2の共振周波数frから反共振周波数をfaまでの周波数帯域(fr〜fa)と、参照用弾性表面波素子3の共振周波数をfrから反共振周波数faまでの周波数帯域(fr〜fa)とが重なり合っていると、圧力検出用弾性表面波素子2の漏れ進行波がfr〜faの周波数帯域にスプリアスとなって現れて、あるいは参照用弾性表面波素子3の漏れ進行波がfr〜faの周波数帯域にスプリアスとなって現れて、圧力検出用弾性表面波素子2や参照用弾性表面波素子3の共振特性が乱れて正確な圧力測定が困難となることがある。従って、圧力検出用弾性表面波素子2の共振周波数をfr、反共振周波数をfa、参照用弾性表面波素子3の共振周波数をfr、反共振周波数をfaとしたときに、fa<fr、または、fa<frとなるように、それぞれの周波数を設定することが好ましい。
またなお、図4において、横軸は周波数(単位はMHz)、縦軸は挿入損失(単位はdB)であり、圧力検出用弾性表面波素子2の共振特性の一例を点線で、参照用弾性表面波素子3の共振特性の一例を実線で示している。そして図4には、共振周波数(fr)が314.68MHz、反共振周波数(fa)が314.82MHzである参照用弾性表面波素子3の共振特性を示している。この場合、圧力検出用弾性表面波素子2の共振周波数frを、参照用弾性表面波素子3の反共振周波数(fa=314.82MHz)より高い周波数となるように設定すればよい。例えばセンサ基板1として水晶基板(STカット水晶、表面波音速V=3110m/s、規格化膜厚(H/λ)=2% H:金属材料の電極膜厚(μm) λ:波長(μm))を用いた場合の圧力検出用弾性表面波素子2と参照用弾性表面波素子3の具体的な素子設計は、圧力検出用弾性表面波素子2の共振周波数をfr>314.82MHzとすると、圧力検出用弾性表面波素子2の波長λ<9.879μm、インターデジタルトランスデューサの電極指幅P<2.470μmとなる。また参照用弾性表面波素子3の共振周波数をfr=314.68MHzとすると、参照用弾性表面波素子3の波長λ=9.883μm、インターデジタルトランスデューサの電極指幅P=2.471μmとなる。上記例ではfa<frの場合について説明したが、fa<frの場合においても同様に圧力検出用弾性表面波素子2の共振周波数frから反共振周波数をfaまでの周波数帯域(fr〜fa)と、参照用弾性表面波素子3の共振周波数をfrから反共振周波数faまでの周波数帯域(fr〜fa)とが重なり合わないように設定すればよい。
また、図5はセンサ基板1として水晶基板を用いた場合の、弾性表面波素子の周波数温度特性を示す。なお、図5において、横軸は温度(単位は℃)、縦軸は周波数の変化率(単位はppm)である。この図に示すような水晶基板に代表される周波数温度特性が2次曲線を示す単結晶圧電材料を用いる場合には、圧力検出用弾性表面波素子2と参照用弾性表面波素子3の共振周波数(fr)差が大きくなると、圧力検出用弾性表面波素子2の周波数温度特性の頂点温度と参照用弾性表面波素子3の周波数温度特性の頂点温度との差が大きくなり正確な圧力測定が困難となるため、好ましくない。
一般的に頂点温度を有する単結晶圧電材料においては、単結晶圧電材料のカット角とインターデジタルトランスデューサ等を形成する金属材料の電極膜厚の規格化膜厚(H/λ)との関係により頂点温度が決定される。ここでHは金属材料の電極膜厚(μm)、λは波長(μm)である。ところが本発明のように圧力検出用弾性表面波素子2と参照用弾性表面波素子3の共振周波数を異ならせた場合は圧力検出用弾性表面波素子2と参照用弾性表面波素子3とではλが異なるので、金属材料の電極膜厚を同一とすると規格化膜厚(H/λ)が異なるため周波数温度特性の頂点温度も異なることとなる。この関係から圧力検出用弾性表面波素子2と参照用弾性表面波素子3の共振周波数の共振周波数差が大きくなると双方の規格化膜厚差も大きくなり、その結果として双方の周波数温度特性の頂点温度差も大きくなる。
よって、以上より本発明の圧力センサモジュール10における圧力検出用弾性表面波素子2と参照用弾性表面波素子3の形成に当たっては、圧力検出用弾性表面波素子2の共振周波数frから反共振周波数をfaまでの周波数帯域(fr〜fa)と、参照用弾性表面波素子3の共振周波数をfrから反共振周波数faまでの周波数帯域(fr〜fa)とが重なり合わないように、それぞれの共振周波数および反共振周波数を設定するとともに、水晶基板等の周波数温度特性が2次曲線を示す単結晶圧電材料を用いる場合には圧力検出用弾性表面波素子2と参照用弾性表面波素子3の頂点温度差が大きくずれない範囲となるように例えば、頂点温度差±5℃以内となるように形成される。
ここで、頂点温度差が±5℃より大きくなると圧力検出用弾性表面波素子2と参照用弾性表面波素子3の周波数温度変化が圧力測定時の測定誤差となるため好ましくない。よって双方の頂点温度差が±5℃を超える場合には双方の規格化膜厚(H/λ)が同一となるように、金属材料の電極膜厚Hをプラズマエッチング等の金属膜エッチング技術を用いてエッチング加工することにより、参照用弾性表面波素子3と圧力用弾性表面波素子2が同一の規格化膜厚(H/λ)となるようにすれば良い。
なお、圧力検出用弾性表面波素子2と参照用弾性表面波素子3とは、それぞれの進行波と漏れ進行波との干渉を防止するという観点からは、必ずしも隣接して配置する必要はない、すなわち進行波の進行方向に対し両者の位置がずれて配置されていても構わないが、小型化という観点からは、図1および図2に示すように両者を隣接して直列に配置することが好ましい。
次に、本実施形態にかかる圧力センサモジュールの回路構成について説明する。
圧力検出用弾性表面波素子2は、図3に示すように、その共振周波数に基づいて所定周波数の電気信号を発振する第1の発振回路と接続しており、この発振した電気信号をコンパレータに出力する。本実施形態の圧力検出用弾性表面波素子2は、センサ基板1の凹部5の直下領域(以下、肉薄部という。)に形成されているので、センサ基板1の上方より外部からの圧力が印加されると、圧力検出用弾性表面波素子2が圧力の強さに応じて上記肉薄部と共に変形し、その共振周波数を変化させることにより圧力変動を検出するようになっている。
参照用弾性表面波素子3は、図3に示すように、その共振周波数に基づいて所定周波数の電気信号を発振する第2の発振回路と接続しており、同じくこの発振した電気信号をコンパレータに出力する。また、参照用弾性表面波素子3は、その共振周波数に基づく出力信号を、圧力検出用弾性表面波素子2を構成するセンサ用弾性表面波素子の共振周波数に基づく出力信号と比較するためのものであり、かかる参照用弾性表面波素子3は凹部の形成領域外、即ち、センサ基板1の肉厚部に設けられているため、センサ基板1の上方より外部からの圧力が印加されても殆ど変形することはなく、圧力が印加されているか否かにかかわらず、第2の発振回路を介して所定周波数の電気信号を発振することができる。
そして本実施形態の圧力センサモジュールは、圧力検出用弾性表面波素子2と参照用弾性表面波素子3とは同一のセンサ基板1上に配置されているので、共振周波数の温度依存性は、双方の弾性表面波素子の共振周波数に基づく2つの電気信号をコンパレータで比較したときにキャンセルされ、コンパレータで比較された変換信号が温度補正されたものとなる。また、このとき双方の弾性表面波素子の共振周波数に基づく2つの電気信号をコンパレータで比較し変換信号を生成することにより、センサ基板1の上方より印加される外部からの圧力変動を検出するようになっている。即ち、双方の弾性表面波素子の素子設計上(初期)の共振周波数差と、圧力変動による双方の共振周波数差を比較することで圧力変動を検出している。
そして、コンパレータで比較して生成された変換信号は、図3に示すように、上述した第2の発振回路からの電気信号を基準信号として変調回路によって変調され、得られた圧力変動データが、アンプ等により増幅されてアンテナから外部に出力されることとなり、かくして、本実施形態の圧力センサモジュールは、気体や液体などの圧力の変動を検出した圧力変動データを送信する圧力センサモジュールとして機能するようになる。
このように本実施形態の圧力センサモジュール10によれば、参照用弾性表面波素子3を圧力検出用弾性表面波素子2と同一のセンサ基板1上に設けており、参照用弾性表面波素子3の共振周波数に基づいて発振する電気信号を、圧力検出用弾性表面波素子2の共振周波数に基づいて発振する電気信号と比較して変換信号を生成するのに用いるとともに、該変換信号と変調する基準信号としても用いたことから、搭載する部品点数が少なくなり、圧力センサモジュールの軽量・小型化を図ることが可能となる。
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良が可能である。
例えば、上述した実施形態においては半田等の導体材料を用いて封止材4を形成するようにしたが、これに代えて、エポキシ樹脂等の封止性に優れた樹脂材料を用いて封止材4を形成するようにしても構わない。この場合、センサ基板1の下面や支持基板3の上面に接合用導体8,9等を設ける必要はない。また、封止材4を樹脂材料によって形成する場合、その中に金属微粒子等の導電性フィラを所定量添加して封止材4に導電性を付与した上、これを支持基板下面のグランド端子に電気的に接続させておくようにすれば、上述した実施形態と同様に、封止材4をシールド材として機能させることができ、封止領域内の圧力検出用弾性表面波素子2を外部からのノイズに影響されることなく安定して動作させることが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる圧力センサモジュールの断面図である。 図1の圧力センサモジュールに用いられるセンサ素子の斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる圧力センサモジュールの回路構成を説明する図である。 本発明の圧力センサモジュールに用いられるセンサ素子として水晶基板を用いた場合の参照用弾性表面波素子と圧力検出用弾性表面波素子の共振特性を示す周波数特性図である。 本発明の圧力センサモジュールに用いられるセンサ素子として水晶基板を用いた場合の温度特性を示す周波数温度特性図である。
符号の説明
1・・・センサ基板
2・・・圧力検出用弾性表面波素子
2a・・・圧力検出用弾性表面波素子のインターデジタルトランスデューサ
2b・・・圧力検出用弾性表面波素子の反射器
3・・・参照用弾性表面波素子
3a・・・参照用弾性表面波素子のインターデジタルトランスデューサ
3b・・・参照用弾性表面波素子の反射器
4・・・封止材
5・・・凹部
6・・・支持基板
7・・・電極パッド
8,9・・・接合用導体
10・・・圧力センサモジュール
12・・・ICチップ
13・・・アンテナ
14・・・樹脂
15・・・アンプ
fr・・・圧力検出用弾性表面波素子の共振周波数
fa・・・圧力検出用弾性表面波素子の反共振周波数
fr・・・参照用弾性表面波素子の共振周波数
fa・・・参照用弾性表面波素子の反共振周波数

Claims (2)

  1. 一主面に凹部が形成されているセンサ基板上で、前記凹部の形成領域内に、圧電体及びインターデジタルトランスデューサを含む圧力検出用弾性表面波素子を、前記凹部の形成領域外に、圧電体及びインターデジタルトランスデューサを含む参照用弾性表面波素子を設けたセンサ素子と、
    前記圧力検出用弾性表面波素子の共振周波数に基づいて所定周波数の電気信号を発振する第1の発振回路と、
    前記参照用弾性表面波素子の共振周波数に基づいて所定周波数の電気信号を発振する第2の発振回路と、
    前記第1の発振回路からの電気信号と前記第2の発振回路からの電気信号とを比較して変換信号を生成するとともに、該変換信号を出力するコンパレータと、
    前記コンパレータからの変換信号と前記第2の発振回路からの電気信号とを変調して外部に出力する変調回路と、を備えてなる圧力センサモジュールにおいて、
    前記圧力検出用弾性表面波素子の共振周波数と前記参照用弾性表面波素子の共振周波数とを異ならせたことを特徴とする圧力センサモジュール。
  2. 前記第1の発振回路、前記第2の発振回路、前記コンパレータ及び前記変調回路が単一のICチップ上に集積されており、該ICチップと前記センサ素子とが共通の支持基板上に搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサモジュール。
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