JP2005240884A - 耐震管継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロックリング11より外側の受口部分2bの破壊強度を高め、さらにその管継手により推進工法を行い得るようにする。
【解決手段】 ロックリング11、13を挿し口1側と受口2側の両者に設け、受口側ロックリング11とその溝12外側端面12bとの係止面を同じ曲率の楕円曲面とする。同じ曲率であれば、面接触して、その接触面全体で力の伝達が行なわれるため、ロックリング11を介して受口2の受ける力は広範囲となって、単位面積当たりの応力は小さくなる。その両者ロックリング11、13の当接面11a、13bを、受口2の管軸方向外側に向かってその管軸側に傾斜する直線状テーパ面とする。この直線状テーパ面であると、挿し口1と受口2の管軸のズレ及び外径交差があっても、そのズレ等は、両当接面のその接触面方向の移動で吸収されて、挿し口1から受口2への力伝達は常に面で持って行なわれ、応力集中が生じにくい。
【選択図】図1

Description

この発明は、上水道、ガス、下水道等に用いる流体輸送用配管を構築する際の耐震管継手、その管継手の接続方法及びそれらに基づく非開削で布設する推進工法に関するものである。
ダクタイル鋳鉄管等により流体輸送用配管を構築する際、その配管継手部は、一の管の挿し口を他の管の受口にゴム輪を介在して挿し込んで構成され、その受口に対し挿し口が所要範囲において伸縮可能(抜き挿し可能)な耐震構造とする継手として、PII形、S形、NS形、SII形等がある。
その耐震管継手は、通常、挿し口を受口に対しその軸方向に所要長さ移動可能としたものであり、例えば、PII形継手は、図18に示すように、一の管Pの受口2内奥側にシール用ゴム輪6を、外側にロックリング3をそれぞれ装填したのち、挿し口1を受口2にロックリング3を拡径、ゴム輪6を圧縮しつつ挿し込み、ロックリング3が挿し口外周面の環状溝5に至ったところで、受口2にその周囲数箇所からセットボルト4をねじ込んでロックリング3を縮径して溝5に嵌め込んで、挿し口1の伸縮代L(L1+L2)を確保した構造である(特許文献1参照)。
実公昭54−24326号公報
また、NS形継手は、図20に示すように、挿し口1の先端に突起3a、受口2の内面に芯出しゴム4aを介してロックリング3をそれぞれ設け、受口2にゴム輪6を介在させて挿し口1を挿入し、そのロックリング3と受口2内面の奥端部2aとの間を突起3a(挿し口1の先端)を移動可能として挿し口1の伸縮代L(L1+L2)を確保した構成である。
これらの耐震管継手は、例えば、地震時などが生じると、引き抜き力に対しては、挿し口1が、環状溝5の内側端面5aにロックリング3が当接するまで(PII形継手)又はその突起3aがロックリング3に当接するまで(NS形継手)、引き抜かれ(引き抜き代L1)、挿し込み力に対しては、挿し口1が、環状溝5の外側端面5bにロックリング3が当接するまで(PII形継手)又は挿し口1の先端が奥端部2aに当接するまで(NS形継手)、挿し込まれて(挿し込み代L2)、継手部の破損を防止する。
さらに、NS形継手の変形として、特許文献2には、受口2内面と挿し口1外面にそれぞれ管軸方向に所要の幅を有する溝を形成し、その両溝間にロックリング3を管軸方向に移動可能に設けたものが開示されている。
また、特許文献3には、挿し口1側にロックリング3を設け、受口2側にはそのロックリング3が管軸方向に伸縮代L移動可能な溝を形成した技術が開示され、特許文献4には、その受口側溝の外側端面とロックリング3を湾曲面を介して点接触で当接させた技術が開示されている。
実開平4−136392号公報 実開平4−133091号公報 特開2003−214573号公報
さらに、特許文献5には、挿し口1側にロックリング3及びそのロックリング3が嵌って摺動する溝を設け、受口2側にはそのロックリング3が嵌る溝を設けて、ロックリング3が受口2側の溝に嵌った状態で、挿し口1側の溝を摺動することにより、挿し口1の管軸方向の伸縮代Lを確保した技術が開示され、特許文献6には、挿し口1と受口2の両者にそれぞれロックリング3を設け、そのロックリング3、3の係止により、挿し口1の引き抜きを阻止した技術が開示されている。
特開2000−170968号公報 実開昭58−108683号公報
一方、ダクタイル鋳鉄管等による流体輸送用配管を埋設する工法としては、地面を開削して布設する開削工法が一般的であったが、近来は幹線道路だけではなく一般道路においても交通量が増加しているので、開削工法のために交通を遮断することは困難となっている。このため、発進立坑と到達立坑だけを開削し、さや管(鞘管)としてヒューム管や鋼管等を推進埋設した後にダクタイル鋳鉄管を挿入するさや管推進工法や、既設管をさや管として、その中に口径の小さい新管を挿入して管路を更新するパイプインパイプ工法等の推進工法が広く採用されるようになった。
そのパイプインパイプ工法は、図21に示すように発進坑Sと到達坑Rとの間に埋設されている既設管P’内にこれよりも径の小さな新管Pを挿入敷設するものであり、発進坑Sには油圧ジャッキJが設置され、この油圧ジャッキJの後部は反力受けHに当接し、前部は押角Bを介して新管Pを押圧するようになっている。新管Pは、その先端部の挿し口1を先行の新管Pの後端部の受口2に挿入することによって順次接合され、既設管P’内に押し込まれて行く。なお、先頭の新管Pの先端部には挿入抵抗を小さくするための先導ソリKを取り付ける。
このとき、PII形継手は、新管Pとして使用する場合、さや管P´の口径より1口径だけ小さい呼び径のものを使用して大きな流通面積を確保するために、他の耐震管継手に比べて挿し口1及び受口2の外径が小さいものとなっている(挿し口1及び受口2の肉厚が薄くなっている)。
ところで、近年、管路にも耐震性が要求され、その耐震性を有する配管とすべく、上述の各種の耐震管継手が採用されている。この耐震管継手を上述の推進工法に採用する際、上記所要範囲の伸縮代L(特に、挿し込み代L2)を確保して新管Pを敷設するかが問題となり、その伸縮代Lの確保は、挿し口先端(突起3a)を受口2のロックリング3と奥端部2aの中程に位置させて推進することである。その問題を解決した技術として、図20に示すように、挿し口1外周面に固定のフランジ17と受口2の端面との間に推力伝達材16を介在した技術がある(特許文献7参照)。
特開2002―276284号公報
この技術は、推進時、推力伝達材16により、挿し口1の先端(突起3a)を伸縮代Lの中程に維持し(図20)参照)、地震等の地盤変動時の挿し口1の受口2への挿し込みに対しては、推力伝達材16が収縮する(圧縮変形から塑性変形、又はさらに破壊する)ことにより、挿し口1がその挿し込み代L2分、軸方向に移動してその変動を吸収するとともに、それ以上の縮みを阻止して継手の破損を防止する。その推力伝達材16を挿し口1の先端と受口2内面の奥端部2aに介在する技術もある(特許文献8参照)。
特開平10−148288号公報
上記PII形継手は、ロックリング3を拡径して挿し口1を受口2に挿し込むため、そのロックリング3の収納用環状溝5はその拡径を吸収し得る深さが必要である。このため、その環状溝5部分の受口2の管厚が薄くなり、図19に示すように、挿し口1に引き抜き力が作用して、ロックリング3により、受口2にその引き抜き力が働くと、ロックリング溝の外側部分2bに力が矢印のごとく働き、その外側部分2bが破損する恐れがある。
因みに、PII形継手は、NS形継手のような最高レベルの耐震性を有する継手に対し、上記外側部分2bが破損し易い点から、1/2の挿し口離脱防止力しか有しない。
このため、特許文献5記載の技術では、ロックリング3を締り勝手として、挿し口1の受口2への挿し込み時、そのロックリング3を挿し口1の先端テーパ部で押し広げて挿し口1を挿し入れるようにして、セットボルト4をなくして、ロックリング3より外側部分2bの破壊強度を高めている。しかし、この技術においても、その外側部分2bの破壊強度をさらに高める要求がある。
さらに、特許文献2に記載の管継手は、そのロックリング3が開き勝手のものであり、開き勝手のロックリング3であると、挿し口1のロックリング3の通過、ロックリング3の挿し口1又は受口2への固定の手段、例えば、テーパ面による縮径手段等が必要となり、受口2内面構造が複雑となる。
この発明は、受口外側部分2bの破壊強度を高めることを課題とする。
上記課題を達成するために、この発明は、まず、ロックリングとそのロックリングが嵌る受口側の溝外側端面との係止面を曲率中心が挿し口側にある同じ曲率の湾曲面(円弧面)としたのである。同じ曲率であれば、面接触して、その接触面全域におけるその接線垂直方向に力の伝達が行なわれるため、ロックリングを介して受口の受ける力は広範囲となって応力は小さくなる。すなわち、応力の集中がなくなる(図6参照)。
つぎに、この発明は、ロックリングを挿し口側と受口側の両者に設けて、その両ロックリングを介して、挿し口から受口に引き抜き力を伝達するようにしたのである。
このようすれば、受口側のロックリングは、挿し口側のロックリングが当接する厚みがあればよく、その受口側のロックリングを収納する溝は、そのロックリングを収納し、その収納状態で、挿し口が通過し得る深さ及びその挿し込み時の挿し口側ロックリングの拡径を吸収し得る深さを有すればよい。このため、受口側環状溝(ロックリング収納溝)は、PII形継手に比べれば、浅くすることができ、これにより、その溝部分の受口の管厚を厚いものとし得る。
さらに、その両者のロックリングの当接面を、受口の管軸方向外側に向かってその管軸側に傾斜する直線状テーパ面、又は前記管軸に垂直な面としたのである。
この直線状テーパ面又は垂直面であると、挿し口と受口の管軸がズレていたり、挿し口外面と受口内面の製造公差があれば、そのズレ又は公差は、両当接面のその接触面方向のズレ(移動)で吸収されるため、挿し口から受口への力伝達は常に面でもって行なわれて、応力集中が生じにくい。
この発明は、2つのロックリングの直線状テーパ面(垂直面)及びロックリングとその摺動溝の外側端面との同一曲率面でもって、挿し口引き抜き時のその引き抜き力を受口に伝達するようにしたので、その力により受口側に生じる応力分布は広範囲となって、応力集中がなくなる。このため、その伝達部より外側の受口部分(外側部分2b)の破損もし難くなる。すなわち、離脱防止力が向上する(外側部分2bの破壊強度が実質的に高まる)。
この発明の一実施形態としては、一の管の挿し口が他の管の受口にゴム輪を介在して挿し込まれ、前記受口の内面全周に管軸方向に所要の幅を有する環状溝が形成されて、その環状溝の管軸方向外側端に一つ割開き勝手の受口側ロックリングが嵌め込まれ、前記挿し口の先端部外周面の環状溝には一つ割締り勝手の挿し口側ロックリングが嵌め込まれて、その挿し口側ロックリングは前記受口側溝にその幅方向に移動可能に入り込んでおり、前記挿し口側ロックリングの前記受口側溝内幅方向の移動により、受口に対し挿し口が管軸方向内側へ所要長さ挿し込み又は管軸方向外側へ所要長さ引き抜かれ、その両所要長さにより前記挿し口の受口に対する伸縮代を確保した耐震管継手において、前記受口側溝の管軸方向外側端面とその端面に接する前記受口側ロックリングの側面を、曲率中心が挿し口側にある同一曲率面とするとともに、前記受口側ロックリングと挿し口側ロックリングの当接面を、受口の管軸方向外側に向かってその管軸側に傾斜する直線状テーパ面、又は前記管軸に垂直な面とした構成を採用できる。
このとき、上記挿し口の挿し込み所要長さは、前記挿し口の先端が上記受口内面の奥端部に当接することにより決定するようにすることもできる。
この実施形態において、上記挿し口側の環状溝を管軸方向に所要の幅を有するものとして、その環状溝にその幅方向に移動可能に上記挿し口側ロックリングが嵌め込まれ、前記挿し口側ロックリングが上記受口側環状溝の管軸方向内側端部に係止した状態で前記挿し口側環状溝の管軸方向外側端壁に係止することにより、前記挿し口の上記挿し込み所要長さが決定され、前記挿し口側ロックリングが前記挿し口側環状溝の管軸方向内側端部に係止した状態で前記受口側ロックリングに係止することにより、前記挿し口の上記引き抜き所要長さが決定されるようにすることができる。
この構成は、ロックリングが受口と挿し口の両溝内を移動して伸縮代を確保するため、両溝の幅を狭くすることができ、一方の溝でもって、伸縮の両方を吸収する場合に比べれば、溝は半分の幅で十分となる。このため、例えば、PII形継手において、伸縮代を得るために挿し口側に広い幅の溝を形成した場合に比べて、その挿し口側の溝の幅をほぼ半分にし得るため、その溝によって薄くなった管厚部分が少なくなって、挿し口の強度を高いものとし得る。また、溝の幅が狭くなれば、受口の管軸方向の長さを短くすることができるとともに、その加工時間の短縮を図ることができる。
このとき、上述と同様に、上記挿し口の挿し込み所要長さを、挿し口側ロックリングが上記受口側溝の管軸方向内側端部に係止した状態で前記挿し口側溝の管軸方向外側端面に係止する前に、前記挿し口の先端が前記受口内面の奥端部に当接することにより上記挿し込み所要長さが決定されるようにし得る。
他の実施形態としては、一の管の挿し口が他の管の受口にゴム輪を介在して挿し込まれ、前記受口の内面全周に管軸方向に環状溝が形成されて、その溝の管軸方向外側端に一つ割開き勝手の受口側ロックリングが嵌め込まれ、前記挿し口の先端部外面全周には管軸方向に所要の幅を有する環状溝が形成されて、その環状溝にその幅方向に移動可能に一つ割締り勝手の挿し口側ロックリングが嵌め込まれているとともに、その挿し口側ロックリングは前記受口側溝に入り込んでおり、前記挿し口側ロックリングの前記挿し口側溝内幅方向の移動により、受口に対し挿し口が管軸方向内側へ所要長さ挿し込み又は管軸方向外側へ所要長さ引き抜かれ、その両所要長さにより前記挿し口の受口に対する伸縮代Lを確保した耐震管継手において、前記受口側溝の管軸方向外側端面とその端面に接する前記受口側ロックリングの側面を曲率中心が挿し口側にある同一曲率面とするとともに、前記受口側ロックリングと挿し口側ロックリングの当接面を、管軸方向外側に向かって管軸側に傾斜する直線状テーパ面又は管軸に垂直な面とした構成を採用できる。すなわち、挿し口側の溝におけるロックリングの摺動のみで挿し口の伸縮を吸収するようにすることもできる。
この場合においても、上記挿し口の挿し込み所要長さは、前記挿し口の先端が上記受口内面の奥端部に当接することにより決定するようにすることができる。
各実施形態においては、受口側の溝の管軸方向外側端面とその端面に接する上記受口側ロックリングの側面の曲率面を楕円曲率とすれば、その曲率面が真円の場合に比べれば、受口外側部分が破損しにくくなる。
また、上述の耐震管継手において、上記受口の外周面を管の外周面と同一径とするとともに、上記挿し口の外周面を前記受口内面に挿し込み可能になるように縮径したものとすれば、配管外周面における受口部分の膨出がなくなり、さや管に新管を入れる場合に、流通面積を大きく取れるものとし得る利点がある。
この配管構造は、上記受口を両端に有する直管と上記挿し口を両端に有する異形管を交互に接続することにより構成することもできる。
これらの管継手は、上記受口内面に上記ゴム輪をセッティングするとともに、上記受口側環状溝内に上記両ロックリングをセッティングし、その後、前記挿し口を前記受口に挿し込み、その際、前記挿し口側ロックリングを拡径させて挿し口を通過させた後、そのロックリングを挿し口1の溝に嵌め込んで、一の管の受口に他の管の挿し口を接続して構成する。
このとき、挿し口側ロックリングはその一つ割個所に開径具を介在して拡径し、その状態で、挿し口を挿し込むと良い。また、NS形継手等のロックリングの外面に芯出し用弾性体を設ける等の他の工程があれば、適宜にそれらを追加する。
これらの耐震管継手は、地面を開削して布設する開削工法に用い得ることは勿論ではあるが、管の挿し口を先行する管の受口に挿し込み、その挿し口が受口に対し上記伸縮代内で管軸方向に抜けることなく動き得るように管を接続しつつ地下に埋設する推進工法に使用するには、例えば、特許文献7等に記載の管案内具及び推力伝達材を使用することができる。
また、他の推進工法への使用態様としては、上記受口の外周面を管の外周面と同一径とした実施形態において、上記挿し口の縮径端面と受口の間に推進工法における推力伝達材を介在し、その推力伝達材により、推進時の前記挿し口の上記挿し込み所要長さを維持するようにすることもできる。
さらに、他の推進工法への使用態様としては、受口端面外側の挿し口外周面に凹部を形成し、この凹部に推進工法における推力伝達材を嵌め、その推力伝達材を受口の端面に当接させてそれ以上の挿し口の挿し込みを阻止することにより、推進時の挿し口の挿し込み所要長さを維持するようにもし得る。
このとき、その挿し口の外周面の凹部は、挿し口の上記挿し口側溝を受口の端面外側まで延ばして形成することができる。
これらの推進工法は、例えば、受口内面に、ゴム輪及びロックリングをセッティングするとともに、挿し口の溝に推力伝達材をセッティングし、その後、挿し口を受口に挿し込み、ロックリングを拡径させて通過させて、ロックリングを受口の溝に嵌め込み、前記推力伝達材により、そのロックリングと受口の溝の管軸方向内側壁とを係止させ、その状態で、推力伝達材により、挿し口を上記挿し込み所要長さを維持して推進する。
このとき、挿し口外周面の凹部に推力伝達材を嵌めるものにあっては、推力伝達材を介在することなく耐震管継手を構成した後、その推力伝達材を前記凹部に嵌めて、その推力伝達材を受口の端面に当接させた状態で推進する。
さらに、上記受口の外周面を管の外周面と同一径とする実施形態の推進工法にあっては、上記受口内面に、上記ゴム輪をセッティングするとともに、上記受口側環状溝内に上記両ロックリングをセッティングし、その後、前記挿し口を前記受口に挿し込み、その際、前記挿し口側ロックリングを拡径させて挿し口を通過させた後、そのロックリングを挿し口の溝に嵌め込んで前記耐震管継手とし、さらに、前記挿し口の縮径端面と受口端面の間に上記推力伝達材を介在し、その状態で、前記推力伝達材により、前記挿し口を上記挿し込み所要長さを維持して推進する。
ここで、上記推力伝達材は、管の推進時には管の挿し口の挿し込みを阻止して推力を伝達し、地震等の大きな挿し込み力が働くと、塑性変形、さらには破壊して、その挿し口の挿し込みを許容するものを言い、特許文献7に記載のもの、例えば、ハニカムコア、EPS(発泡ポリスチレン)、発泡金属などの周知のものが考えられる。
一実施例を図1乃至図6に示し、この実施例は、従来と同様に、ダクタイル鋳鉄管からなる一の管Pを、その挿し口1を他の管Pの受口2にゴム輪6を介在して挿し込んで接続する耐震管継手であり、受口2の内周全面及び挿し口1の先端部外周全面に、それぞれ管軸方向に所要の幅t1、t2を有する溝12、15を形成し(図5(b)参照)、その受口側溝12内にその外側端面12bに当接させて受口側ロックリング11を嵌めるとともに、両溝12、15の間に挿し口側ロックリング13をその管軸方向に移動可能に嵌め込んでいる。
上記受口側の溝12の管軸方向外側端面12bとその端面に接する上記受口側ロックリング11の側面11bは、曲率中心が挿し口1側にある同一楕円曲率面となっている。この同一曲率であれば、面接触して、その接触面全体で力の伝達が行なわれるため、ロックリングを介して受口の受ける力は広範囲となって、単位面積当たりの応力は小さくなる。さらに、その曲率が楕円であるため、図6に示すように、挿し口側ロックリング13を介した受口側ロックリング11からの力に対し、その溝12の管軸方向外側端面12bに生じる応力(同図の点部分)は広範囲となって応力集中が緩和される。因みに、実験においては、その曲率が楕円の場合は、真円の場合に比べて破壊強度が高いものとなった(真円曲率では受口2の破壊が生じた力では楕円曲率では破壊しなかった)。
上記受口側ロックリング11と挿し口側ロックリング13の当接面11a、13bは、受口2の管軸方向外側に向かってその管軸c(図14参照)側に傾斜する直線状テーパ面となっており、この直線状テーパ面11a、13bであると、挿し口1と受口2の管軸がズレていたり、挿し口外面と受口内面の製造公差があっても、そのズレ又は公差は、両当接面11a、13bのその接触面方向(図6矢印方向)のズレ(移動)で吸収されるため、挿し口1から受口2への力伝達は常に面で持って行なわれて、応力集中が生じにくい。直線状テーパ面11a,13bに代えて、前記管軸cに垂直な面とし得る。
その挿し口側のロックリング13は、受口側の溝12又は挿し口側の溝15の管軸方向の内側端面(内側端壁)15a又は12aに係止した状態で、他方の溝15又は12内を管軸方向に内側又は外側に挿し込み代L2又は引き抜き代L1移動して受口側ロックリング11又は挿し口側溝15の内側端面15aに係止することにより、伸縮代Lを確保する。
すなわち、通常、図1(図5(a))に示すように、ロックリング13は、両溝12、15の内側端壁12a、15aに当接した(近接した)状態であり、その状態から、挿し口1が引かれると(図1左方向に管Pに引き抜き力が働いて、管Pが引き抜かれると)、図5(b)に示すように、ロックリング13が受口2の溝12内を受口側ロックリング11に当接するまで(引き抜き代L1)移動し、その当接(係止)により、それ以上の引き抜きが防止される。逆に、挿し口1が挿し込まれると(図1右方向に力が加わると)、図5(c)に示すように、ロックリング13が挿し口1の溝15内をその外側端壁15bに当接するまで(挿し込み代L2)移動し、その当接(係止)により、それ以上の挿し込みが防止される。この距離L1+L2=Lが伸縮代(例えば、L1、L2それぞれが管長の1%)となる。
上記両ロックリング11、13は、図2、図3に示す形状をしており、FCD、SSなどの従来のロックリング3と同様な素材から成って、受口側ロックリング11は一つ割開き勝手のもので、受口2の溝12に縮径状態で入れてその拘束をなくすことにより、その溝12の内周面に圧接状態で嵌り込む。このとき、このロックリング11は溝12の外側端面12bに当接するようにする。
挿し口側ロックリング13は、一つ割締り勝手のもので、上記挿し口1の先端部が押し広げながら通過して前記溝15に嵌まり込み可能なものである。その押し広げを円滑にするため、挿し口先端部の外周全面は下り傾斜のテーパ面1bとなっている。
この実施例の管P、Pの接続方法は、まず、図4(a)に示すように、受口2内面にゴム輪6をセッティングするとともに、受口2側溝12内にロックリング11、13をセッティングする。
その後、同図(b)〜(d)に示すように、挿し口1を受口2に挿し込み、矢印のようにロックリング13を拡径させつつ(同図(b))、挿し口1の先端部を通過させて、そのロックリング13を挿し口1の溝15内側端に嵌め込んで耐震管継手とする(同図(d))。
このロックリング13は、挿し口1の溝15に至ると、矢印のようにその溝15に嵌り、この時点(同図(d)、図5(a))が、この管継手の通常の状態である。すなわち、伸縮代L(L1+L2)を有している状態である。
この状態において、地震等により、大きな地殻変動が起き、図5(b)に示すように、管Pに引き抜き力(矢印)が働くと、ロックリング13は受口2の溝12内を移動し、やがて受口側ロックリング11に当接し、それ以上の挿し口1の引き抜きが防止される。このとき、上述のように、図6のごとく、挿し口側ロックリング13を介した受口側ロックリング11からの力に対し、その溝12の管軸方向外側端面12b及びその周りの外側部分2bに生じる応力(同図の点部分)は広範囲となって応力集中が緩和され、受口外側部分2bの破損は生じ難い。
一方、図5(c)に示すように、管Pに挿し込み力(矢印)が働くと、ロックリング11は受口2の溝12の内側端面12aに移動が阻止されて挿し口1の溝15内を移動し(摺動し)、やがてその外側端面15bに当接し、それ以上の挿し口1の挿し込みが防止される。
このようにして、この実施例の管継手は、引き抜き代L1伸長又は挿し込み代L2収縮して伸縮代L分、伸縮して破壊が防止される。
この実施例において、図7に示すように、挿し口側ロックリング13を挿し口側溝15には所要長さ移動ができないようにし、受口側の溝12により、引き抜き代L1及び挿し込み代L2を得るようにし得る。また、逆に、図8に示すように、挿し口側ロックリング13を受口側溝12内にほぼ移動ができないようにし、挿し口側の溝15により、引き抜き代L1及び挿し込み代L2を得るようにし得る。
また、これらの各実施例において、図9に示すように、上記挿し口1の挿し込み所要長さL2を、上記挿し口側ロックリング13が上記受口側環状溝12の管軸方向内側端面12aに係止した状態で前記挿し口側環状溝15の管軸方向外側端面15bに係止する前に、前記挿し口1の先端が前記受口内面の奥端部2aに当接することにより決定するようにし得る。
この実施例の管継手を推進工法により得るには、図8、図10に示すように、挿し口1の溝15の幅を長くしてその内側端面15bに、挿し口1の外周面に設けた緩衝リング17a又は推力伝達材16の下部を係止し(溝15の外側端面15bに嵌合し)、この係止により、ロックリング13の溝15内の移動を阻止し(挿し口1がそれ以上挿し込まれないようにし)、推力伝達材16により、ロックリング13がロックリング11に当接(図8)又は両溝12、15の内側端面(壁)12a、15aに位置する状態(図10)を維持して推進する。その管継手の接続は、図4と同様に、図11(a)〜(e)のようにする。このとき、挿し口側ロックリング13は拡径具20により、拡径して受口側溝12内に入り込ませて、挿し口1の挿し込みをスムースにするとよい。この拡径具20は図4の作用においても使用し得る。
この推進工法により、地中に埋設された実施例は、地震等により、大きな地殻変動が起き、管Pに引き抜き力(矢印)が働いた場合には、図5(b)と同様にして、ロックリング13は挿し口1側の溝15の内側端面15aに押されて受口2の溝12内を移動し、やがて受口側ロックリング11に当接し、それ以上の挿し口1の引き抜きを防止する。このとき、推力伝達材16も溝15内を移動する(摺動する)。
一方、管Pに挿し込み力(矢印)が働くと、まず、推力伝達材16の下部が欠損して溝15の外側端面15bとの係止が外れ、挿し口1の挿し込みは許容されてその先端1bが受口の奥端部2aに当接し、それ以上の挿し口1の挿し込みを防止する(図5(a)参照)。
このようにして、この実施例の管継手は、伸長L1又は収縮L2して伸縮代L分、伸縮して破壊が防止される。
なお、上記推力伝達材16は、これらの伝達・破壊作用を行い得るものであれば、上述の種々の構成・材料を使用し得る。
このロックリング11、13、溝12、15による伸縮構造は、図13に示すように、上記受口2の外周面を管Pの外周面と同一径とするとともに、上記挿し口1の外周面を前記受口2内面に挿し込み可能になるように縮径したものとすることができる。このとき、各管Pは図14に示す挿し口1及び受口2を有するものとなる。
この構造の配管において、図15、図16に示すように、上記受口2を両端に有する直管Pと、上記挿し口1を両端に有する異形管Pによりその配管をなしようにし得る。
この構造では、上記受口2内面に上記ゴム輪6をセッティングするとともに、上記受口側環状溝12内に上記両ロックリング11、13をセッティングし、その後、前記挿し口1を前記受口2に挿し込み、その際、前記挿し口側ロックリング13を拡径させて挿し口1を通過させた後、そのロックリング13を挿し口1の溝15に嵌め込んで前記耐震管継手とする。
これらの耐震管継手により、推進工法を採用するには、同図示のように、上記挿し口1の縮径端面1cと受口2端面の間に推力伝達材16を介在し、その推力伝達材16により、推進時の上記挿し口1の上記挿し込み所要長さL2を維持する。
すなわち、上記受口2内面に、上記ゴム輪6をセッティングするとともに、上記受口側環状溝12内に両ロックリング11、13をセッティングし、その後、挿し口1を受口2に挿し込み、その際、挿し口側ロックリング13を拡径させて挿し口1を通過させた後、そのロックリング13を挿し口1の溝15に嵌め込んで耐震管継手とし、さらに、挿し口1の縮径端面1cと受口2端面の間に上記推力伝達材16を介在し、その状態で、前記推力伝達材16により、前記挿し口1の上記挿し込み所要長さL2を維持して推進する。
このとき、図15、図16に示す配管構造にあっては、管Pの挿し口1を先行する管Pの受口2又は管Pの受口2を先行する管Pの挿し口1に挿し込み、その挿し口1の縮径端面1cと受口2端面の間に上記推力伝達材16を介在し、その状態で、前記推力伝達材16により、前記挿し口1の上記挿し込み所要長さL2を維持して前記挿し口1が受口2に対し上記伸縮代L内で管軸方向に抜けることなく動き得るように管Pを接続しつつ推進する。
上記各実施例では、ゴム6がロックリング11の内側にあって、そのゴム6によりシールされるため、管P内を流れる流体によるロックリング11の腐蝕などが防止される。しかし、この発明は、図17に示すように、ゴム6をロックリング11の外側に設ける場合にも採用できることは勿論である。
これらの管継手における推進工法における挿し込み代(挿し込み所要長さL2)の確保は、図8、図13記載以外の手段、例えば、特許文献9に示す、挿し口1の外周面に案内具、推力伝達材16を設けて、挿し込みを阻止する手段によることができる。このものは、地震等において、挿し込み力に対し、推力伝達材16が塑性変形、又はさらに破壊してその挿し込み力を吸収する。
また、図12鎖線で示すように、推力伝達材16を挿し口1の溝15の管軸方向外側端面15bとロックリング13の間に介在して、その推力伝達材16により、推進時の挿し口1の挿し込み(挿し込み)所要長さ(収縮長さ)L2を維持するようにすることもできる。このとき、推力伝達材16は、溝15内にロックリング11の嵌合に支障がないように予め接着しておくと良い。
さらに、推力伝達材16は、図12鎖線で示すように、受口2の内面奥部に予め設け、この推力伝達材16により、推進時の挿し口1の挿し込み所要長さL2を維持するようにすることもできる。このとき、同様に、推力伝達材16は接着等により受口内面に固定しておくと良い。
受口2の溝12又は挿し口1の溝15を伸縮代L程の長さ又はそれ以上に形成した場合には、図7、図8鎖線に示すように、上記推力伝達材16と同様なハニカムコア、EPS製の部材19を溝12内に介在して、ロックリング13をその溝12の中程に位置させて、伸縮代Lを確保できるようにし得る。
これらの態様は、挿し込み代L2を挿し口1の先端が受口2内面の奥端部2aに当接して決定する(図9)、挿し口1の溝15の外側端面15bに係止して決定する(図1)等の各場合に採用できる。
管継手の一実施例の要部切断正面図 受口側ロックリングを示し、(a)は切断側面図、(b)は正面図 挿し口側ロックリングを示し、(a)は切断側面図、(b)は正面図 同実施例の接続作用図 同実施例の作用図 同実施例おける応力分布図 他の実施例による要部切断正面図 他の実施例による要部切断正面図 他の実施例による要部切断正面図 他の実施例による要部切断正面図 同実施例の接続作用図 他の実施例の要部切断正面図 他の実施例の要部切断正面図 同実施例の管の一部切欠き切断正面図 他の実施例の一部切欠き上部切断正面図 同実施例の異形管及び直管の要部切断正面図 他の実施例の要部切断正面図 従来例の要部切断正面図 同従来例の作用図 他の従来例の要部切断正面図 推進工法の説明図
符号の説明
1 挿し口
2 受口
2a 受口内面の奥端部
2b 受口外側部分
6 シール用ゴム輪
11 受口側ロックリング
11a 同ロックリングの内側端面
11b 同ロックリングの外側端面
12 受口側の溝
12a 受口側の溝の内側端面
12b 受口側の溝の外側端面
13 挿し口側ロックリング
13a 挿し口側の溝の内側端面
13b 挿し口側の溝の外側端面
15 挿し口側溝
15a 挿し口側溝の内側端面
15b 挿し口側溝の外側端面
16 推力伝達材
P 新管
P’ さや管(既設管)

Claims (15)

  1. 一の管Pの挿し口1が他の管Pの受口2にゴム輪6を介在して挿し込まれ、前記受口2の内面全周に管軸方向に所要の幅t1を有する環状溝12が形成されて、その環状溝12の管軸方向外側端に一つ割開き勝手の受口側ロックリング11が嵌め込まれ、前記挿し口1の先端部外周面の環状溝15には一つ割締り勝手の挿し口側ロックリング13が嵌め込まれて、その挿し口側ロックリング13は前記受口側溝12にその幅方向に移動可能に入り込んでおり、前記挿し口側ロックリング13の前記受口側溝12内幅方向の移動により、受口2に対し挿し口1が管軸方向内側へ所要長さL2挿し込み又は管軸方向外側へ所要長さL1引き抜かれ、その両所要長さL1、L2により前記挿し口1の受口2に対する伸縮代L(L1+L2)を確保した耐震管継手において、
    上記受口側溝12の管軸方向外側端面12bとその端面12bに接する上記受口側ロックリング11の側面11bを、曲率中心が挿し口1側にある同一曲率面とするとともに、前記受口側ロックリング11と挿し口側ロックリング13の当接面11a、13bを、受口2の管軸方向外側に向かってその管軸c側に傾斜する直線状テーパ面、又は前記管軸cに垂直な面としたことを特徴とする耐震管継手。
  2. 上記挿し口側の環状溝15を管軸方向に所要の幅t2を有するものとして、その環状溝15にその幅方向に移動可能に上記挿し口側ロックリング13が嵌め込まれ、前記挿し口側ロックリング13が上記受口側環状溝12の管軸方向内側端部12aに係止した状態で前記挿し口側環状溝15の管軸方向外側端壁15bに係止することにより、前記挿し口1の上記挿し込み所要長さL2が決定され、前記挿し口側ロックリング13が上記挿し口側環状溝15の管軸方向内側端部15aに係止した状態で前記受口側ロックリング11に係止することにより、前記挿し口1の上記引き抜き所要長さL1が決定されることを特徴とする請求項1に記載の耐震管継手。
  3. 上記挿し口1の挿し込み所要長さL2を、前記挿し口1の先端が上記受口2内面の奥端部2aに当接することにより決定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の耐震管継手。
  4. 上記挿し口1の挿し込み所要長さL2を、上記挿し口側ロックリング13が上記受口側環状溝12の管軸方向内側端部12aに係止した状態で前記挿し口側環状溝15の管軸方向外側端壁15bに係止する前に、前記挿し口1の先端が上記受口2内面の奥端部2aに当接することにより上記挿し込み所要長さL2が決定されることを特徴とする請求項2に記載の耐震管継手。
  5. 一の管Pの挿し口1が他の管Pの受口2にゴム輪6を介在して挿し込まれ、前記受口2の内面全周に管軸方向に環状溝12が形成されて、その溝12の管軸方向外側端に一つ割開き勝手の受口側ロックリング11が嵌め込まれ、前記挿し口1の先端部外面全周には管軸方向に所要の幅t2を有する環状溝15が形成されて、その環状溝15にその幅方向に移動可能に一つ割締り勝手の挿し口側ロックリング13が嵌め込まれているとともに、その挿し口側ロックリング13は前記受口側溝12に入り込んでおり、前記挿し口側ロックリング13の前記挿し口側溝15内幅方向の移動により、受口2に対し挿し口1が管軸方向内側へ所要長さL2挿し込み又は管軸方向外側へ所要長さL1引き抜かれ、その両所要長さL1、L2により前記挿し口1の受口2に対する伸縮代L(L1+L2)を確保した耐震管継手において、
    上記受口側溝12の管軸方向外側端面12bとその端面12bに接する上記受口側ロックリング11の側面11bを曲率中心が挿し口1側にある同一曲率面とするとともに、前記受口側ロックリング11と挿し口側ロックリング13の当接面11a,13bを、管軸方向外側に向かって管軸c側に傾斜する直線状テーパ面又は管軸cに垂直な面としたことを特徴とする耐震管継手。
  6. 上記受口2の外周面を管Pの外周面と同一径とするとともに、上記挿し口1の外周面を前記受口2内面に挿し込み可能になるように縮径したものとしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の耐震管継手。
  7. 上記挿し口1の縮径端面1cと受口2端面の間に推進工法における推力伝達材16を介在し、その推力伝達材16により、推進時の上記挿し口1の上記挿し込み所要長さL2を維持するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の耐震管継手。
  8. 請求項6又は7に記載の耐震管継手による配管において、上記受口2を両端に有する直管Pと上記挿し口1を両端に有する異形管Pによりその配管をなしたことを特徴とする耐震配管構造。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の耐震管継手であって、上記受口2端面外側の挿し口1外周面に凹部を形成し、この凹部に推進工法における推力伝達材16を嵌め、その推力伝達材16を受口2の端面に当接させてそれ以上の挿し口1の挿し込みを阻止することにより、推進時の挿し口1の挿し込み所要長さL2を維持するようにしたことを特徴とする耐震管継手。
  10. 上記挿し口1の外周面の凹部は、挿し口1の上記挿し口側溝15を受口2の端面外側まで延ばして形成したことを特徴とする請求項9に記載の耐震管継手。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の耐震管継手において、上記溝12の管軸方向外側端面12bとその端面12bに接する上記受口側ロックリング11の側面11bの曲率面を楕円曲率としたことを特徴とする耐震管継手。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の耐震管継手を成すに際し、上記受口2内面に上記ゴム輪6をセッティングするとともに、上記受口側環状溝12内に上記両ロックリング11、13をセッティングし、その後、前記挿し口1を前記受口2に挿し込み、その際、前記挿し口側ロックリング13を拡径させて挿し口1を通過させた後、そのロックリング13を挿し口1の溝15に嵌め込んで前記耐震管継手とすることを特徴とする管の接続方法。
  13. 管Pの挿し口1を先行する管Pの受口2に挿し込んで請求項7に記載の耐震管継手として、前記挿し口1が受口2に対し上記伸縮代L内で管軸方向に抜けることなく動き得るように管Pを接続しつつ地下に埋設する推進工法であって、
    上記受口2内面に、上記ゴム輪6をセッティングするとともに、上記受口側環状溝12内に上記両ロックリング11、13をセッティングし、その後、前記挿し口1を前記受口2に挿し込み、その際、前記挿し口側ロックリング13を拡径させて挿し口1を通過させた後、そのロックリング13を挿し口1の溝15に嵌め込んで前記耐震管継手とし、さらに、前記挿し口1の縮径端面1cと受口2の間に上記推力伝達材16を介在し、その状態で、前記推力伝達材16により、前記挿し口1を上記挿し込み所要長さL2を維持して推進することを特徴とする推進工法。
  14. 管Pの挿し口1を先行する管Pの受口2又は管Pの受口2を先行する管Pの挿し口1に挿し込んで、前記挿し口1が受口2に対し上記伸縮代L内で管軸方向に抜けることなく動き得るように管Pを接続しつつ請求項8で引用する請求項7に記載の耐震配管構造を地下に埋設する推進工法であって、
    上記受口2内面に、上記ゴム輪6をセッティングするとともに、上記受口側環状溝12内に上記両ロックリング11、13をセッティングし、その後、前記挿し口1を前記受口2に挿し込み、その際、前記挿し口側ロックリング13を拡径させて挿し口1を通過させた後、そのロックリング13を挿し口1の溝15に嵌め込んで前記耐震管継手とし、さらに、前記挿し口1の縮径端面1cと受口2の間に上記推力伝達材16を介在し、その状態で、前記推力伝達材16により、前記挿し口1を上記挿し込み所要長さL2を維持して推進することを特徴とする推進工法。
  15. 管Pの挿し口1を先行する管Pの受口2に挿し込んで請求項9又は10に記載の耐震管継手として、前記挿し口1が受口2に対し上記伸縮代L内で管軸方向に抜けることなく動き得るように管Pを接続しつつ地下に埋設する推進工法であって、
    上記受口2内面に、上記ゴム輪6をセッティングするとともに、上記受口側環状溝12内に上記両ロックリング11、13をセッティングし、その後、前記挿し口1を前記受口2に挿し込み、その際、前記挿し口側ロックリング13を拡径させて挿し口1を通過させた後、そのロックリング13を挿し口1の溝15に嵌め込んで前記耐震管継手とし、さらに、前記挿し口1の凹部に上記推力伝達材16を嵌めて、その推力伝達材16を受口2の端面に当接させた状態で、前記推力伝達材16により、前記挿し口1を上記挿し込み所要長さL2を維持して推進することを特徴とする推進工法。
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