JP2005240315A - 壁装材 - Google Patents

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JP2005240315A JP2004048419A JP2004048419A JP2005240315A JP 2005240315 A JP2005240315 A JP 2005240315A JP 2004048419 A JP2004048419 A JP 2004048419A JP 2004048419 A JP2004048419 A JP 2004048419A JP 2005240315 A JP2005240315 A JP 2005240315A
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Ichiro Nishi
一朗 西
Kenichi Matsui
健一 松井
Tamio Endo
民雄 遠藤
Reiko Ono
玲子 小野
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Kyowa Leather Cloth Co Ltd
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Abstract

【課題】 埋め立て処分や廃棄処分した際にも自然界で自然に分解可能であって、加工特性に優れ、耐カビ性が高い生分解性の壁装材を提供する。
【解決手段】ポリ乳酸系樹脂を50質%以上含有し、多価アルコール脂肪酸エステルを7〜25質量%含有する樹脂層を有することを特徴とする壁装材。好ましくは更に無機系難燃剤を7〜32質量%含有する樹脂層を有することを特徴とする壁装材である。
【選択図】 なし

Description

本発明は壁装材に関し、詳しくは、建築物の壁や天井等の壁紙として好適な住宅内装用の壁装材に関する。
従来、この種の壁装材としては、ポリ塩化ビニル系樹脂からなるシートを紙等に積層したものが主に用いられてきた。このポリ塩化ビニル系のシートは印刷適正、エンボス加工適正に優れ、壁装材に加工しやすいだけでなく、壁への接着施工性等後の加工性にも優れており、さらに低価格であるという利点がある。しかしながら、このタイプの壁装材は、燃焼時に発生する塩化水素ガス等の有害なガスにより焼却炉を腐食させたり、低温燃焼の場合、ダイオキシン類を発生するおそれがある。ダイオキシンの発生を避けるため、800℃以上の高温で燃焼させると必要があるため、多大のエネルギーを要し、かつと燃焼炉の寿命が短くなるという問題がある。
ポリ塩化ビニル系樹脂からなるシートには、一般的に可塑剤としてフタル酸エステル系可塑剤が使用されているが、可塑剤のブリードによりシートが汚染しやすい問題があり、また、カビが発生しやすく防カビ等の処方が必要となる。そこで、最近では、ポリ塩化ビニル系樹脂に代わる素材としてスチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリアミド系、エステル系等の熱可塑性エラストマーやEVA(エチレンビニルアルコール共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル樹脂を用いた化粧シートが各種提案されている。
オレフィン系の熱可塑性エラストマーの場合、EPMやEPDM等のオレフィン系のゴムとポリプロピレンやポリエチレン等をブレンドしたり、動的な架橋したTPOと呼ばれるオレフィン系エラストマーやPP、EVA、EMMA、EEA、EA等が検討されている。
しかし、上記のエラストマーや樹脂等は一般的に極性が悪いために印刷適性が悪く、また、壁やボード等への貼りつけるときに接着性を高めるため、コロナ放電や、プラズマ放電等の前処理が必要であり、コスト高となる。また、かかるオレフィン系樹脂を使用した壁装材は焼却処理される際にダイオキシン等の有害物質は発生しないが、10,000kcal/kg以上もの燃焼熱が発生して焼却炉を傷める場合がある。
また上記したいずれの樹脂を用いたシートでは、埋め立て処分や自然環境中に廃棄しても自然界では分解することなく,半永久的に残ることになる。そこで廃棄処分としても自然界で分解して自然に消滅してしまう樹脂を用いた化粧シートが種々提案案されている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4等)
しかしながら、これらの公報に記載の化粧シートは、ポリ乳酸系樹脂を用いた化粧シートが記載されているが、これらの化粧シートが脆く、また、加工特性が十分ではなく、難燃性、耐カビ性については、考慮されていない。
特開2000−158576号公報 特開平11−207916号公報 特開平11−157012号公報 特開平11−129426号公報
本発明の目的は、埋め立て処分や廃棄処分した際にも自然界で自然に分解可能であって、加工特性に優れ、耐カビ性が高い生分解性壁紙を提供することにある。
本発明は、
<1> ポリ乳酸系樹脂を50質量%以上含有し、多価アルコール脂肪酸エステルを7〜25質量%含有する樹脂層を有することを特徴とする壁装材。
<2> 更に前記樹脂層が無機系難燃剤を7〜32質量%含有することを特徴とする<1>に記載の壁装材。
<3> 前記多価アルコール脂肪酸エステルが、グリセリン脂肪酸エステル及び/またはグリコール脂肪酸エステルであることを特徴とする<1>または<2>に記載の壁装材。
<4> 前記樹脂層が、裏打ち材に積層されていることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれかに記載の壁装材。
<5> 前記裏打ち材が、不燃紙からなることを特徴とする<1>乃至<4>いずれかに記載の壁装材。
<6> 前記無機系難燃剤が、金属水酸化物であることを特徴とする<1>乃至<5>いずれかに記載の壁装材。
<7> 前記樹脂層に含有される難燃剤、及び前記不燃紙に使用される難燃剤が水酸化アルミニウムからなることを特徴とする<2>乃至<6>のいずれか記載の壁装材。
本発明によれば、加工特性に優れ、耐カビ性が高く、かつ埋め立て処分や廃棄処分した際にも自然界で自然に分解可能な住宅内装用壁装材を提供することができる。
<ポリ乳酸系樹脂>
本発明において、ポリ乳酸系樹脂は、分子中に乳酸単位を含み、乳酸にはL−体とD−体とが存在するが、本発明において、L−体とD−体のいずれでもよいが、ポリ乳酸系樹脂は、デンプンを発酵させ、その後重合して製造されたポリ−L−乳酸を主成分とするものが望ましい。ポリ−L−乳酸としては、重量平均分子量が10万以上が好ましく、20万以上がより好ましい。また、ポリ乳酸系樹脂はL−乳酸と他のハイドロカルボン酸と目的に応じて一部共重合しても良い。ポリ乳酸系樹脂の商品例としては、例えば、三井化学社製のポリ乳酸系樹脂 レイシアH−280、レイシアH−440、ユニチカ社製のテラマックTE−4000シリーズ、TM4000シリーズ、TE6100シリーズ、カネボウ社製のラクトロンB−100、東洋紡績社製のバイロェコール−BE410等が挙げられる。
このポリ乳酸系樹脂%,樹脂層中に少なくとも50質量%含有され、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上含有される。
樹脂層中のポリ乳酸系樹脂が50質量%未満では、壁装材として生分解性の効果が十分でなく、埋め立て処分や廃棄処分した際にも自然界で自然に分解しえない部分が多くなる。したがって、生分解性の観点のみからは、樹脂成分としては、ポリ乳酸系樹脂が100質量%であることが望ましい。
<多価アルコール脂肪酸エステル>
本発明における樹脂層中には、ポリ乳酸系樹脂と共には多価アルコール脂肪酸エステルを含有する。この多価アルコール脂肪酸エステルは、樹脂層中に7〜25質量%含有され、好ましくは8〜15質量%、より好ましくは10〜14質量%である。また、多価アルコール脂肪酸エステルの平均分子量は、200以上1500以下が好ましく、より好ましくは300以上1000以下である。
樹脂層中に可塑剤として多価アルコール脂肪酸エステルを使用すると、ポリ乳酸系樹脂からなる樹脂層の硬さが改良されて壁装材の柔軟性が改良され、壁装材の施工性、特に折り曲げ時の白化現象が防止でき、また、可塑剤のブリードによる汚染を防止することができる。ただし、多価アルコール脂肪酸エステルの樹脂中の含有量が7質量%未満では、壁装材の柔軟性に劣るため、壁装材の施工性が低下するおそれがあり、多価アルコール脂肪酸エステルの樹脂中の含有量が25質量%を超えると、壁装材表面にベタツキが生じるおそれがあり、また、難燃性能の悪化をもたらし、かつ高温多湿の環境ではカビが発生しやすい。また、多価アルコール脂肪酸エステルの平均分子量が200未満では、加工中及び製品化後に可塑剤がブリードしたり空気中に揮散しやすくなるおそれがあり、平均分子量が2000を超えると可塑剤分散効果が低下し、壁装材の柔軟性に低下しやすい。
本発明において、可塑剤としての多価アルコール脂肪酸エステルとしては、グリセリン脂肪酸エステル及び/またはグリコール脂肪酸エステルが好ましく、例えば、グリセリントリアセテート、グリセリントリプロピオネート、グリセリンジアセトモノラウレート等のグリセリンエステル、ジグリセリンテトラアセテート、ジグリセリンオレート等のジグリセリンエステル、トリエチレングリコールエステル、トリエチレングリコールジカプリレート等のトリエチレングリコールエステル、テトラグリセリンカプリレート、テトラグリセリンステアレート、テトラグリセリンオレート、ヘキサグリセリンラウレート、ヘキサグリセリンオレート、デカグリセリンプロピオネート、デカグリセリンラウレート、デカグリセリンベヘネート、デカグリセリンステアレート、デカグリセリンオレート、等のポリグリセリンエステル等が挙げられる。
これらの可塑剤の内、ポリ乳酸系樹脂との相溶性、樹脂層の形状保持性、柔軟性に優れ、特にポリ乳酸系樹脂との相溶性を考慮すると、グリセリンエステルが好ましい。更に、これらの内、ポリ乳酸系樹脂との相溶性、耐ブリードアウト性等を考慮すると、グリセリンエステルの内、下記の一般式(1)で表される化合物(A)が特に好ましい。
Figure 2005240315
(式中、nは1〜9の整数、R1〜R4はそれぞれ独立に炭素数1〜18のアシル基である。)
上記一般式(1)で表される化合物(A)は、グリセリン縮合物をアシル化することにより得られるアシル化ポリグリセリンである。化合物(A)の製造に用いられるグリセリン縮合物としては、グリセリン2〜10分子の縮合物であるジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、デカグリセリン等が挙げられる。また、アシル化剤としては、無水酢酸、炭素数1〜18のカルボン酸クロライド等が挙げられる。
一般式(1)におけるnの値は、ポリ乳酸系樹脂との相溶性、及び得られるフィルムの柔軟性に影響する。nの値が大きすぎると、ポリ乳酸系樹脂との相溶性が悪くなり、また、得られるフィルムの弾性率が大きくなり、柔軟性が低下する。また、アシル基の炭素数は、得られるフィルムの柔軟性に影響を及ぼす。アシル基の炭素数が多すぎると、得られるフィルムの弾性率が大きくなり、柔軟性が低下する。かかる観点から、上記一般式(1)におけるnは、1〜9の整数が好ましい。また、R1〜R4は、炭素数1〜18のアシル基が好ましい。R1〜R4は、それぞれ同一のアシル基でもよいし、異なるアシル基でもよい。具体的な化合物としては、ジグリセリンテトラアセテート、ジグリセリンテトラオクタネート、トリグリセリンペンタステアレート等が挙げられる。
本発明に有効なグリセリンエステルの市販品としては、理研ビタミン社製 グリセリン脂肪酸エステル系 リケマールPL―710,PL―019,PL―009,PL−012、PL−014、ポエムG−038等が挙げられる。
<無機系難燃剤>
本発明において、ポリ乳酸系樹脂と共には多価アルコール脂肪酸エステル及び無機難燃剤を有すると、さらに壁装材に難燃性能を付与することができる。無機系難燃剤としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、モリブテン、珪素、アンチモン、チタン等の金属の酸化物、その水和物(水酸化物),硫酸塩、炭酸塩、珪酸塩等の化合物、これらの複塩並びにこれらの混合物に大別される。具体例としては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化マグネシウム(マグネシア)、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛(亜鉛華)炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、マイカ、タルク、ガラス繊維、ガラス粉末、ガラスビーズ、クレー、珪酸土、シリカ、ワラストライト、酸化鉄、酸化チタン(チタニア)、軽石粉、硫酸アルミニウム(石膏など)、珪酸ジルコウム、炭酸バリウム等が挙げられる。これらの無機系難燃剤のなかでは、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、クレイ等が好ましく、また、不燃紙に使用される難燃剤と同等なもの使用することによる相乗効果の点から,金属水酸化物が好ましく、金属水酸化物のなかで特に水酸化アルミニウムが好ましい。
無機系難燃剤の樹脂層中の含有量は、無機系難燃剤の種類によって異なる、好ましくは7〜32質量%、より好ましくは15〜25質量%、さらに好ましくは15〜20質量%である。樹脂層中の無機系難燃剤の含有量が7質量%未満では、壁装材に十分な難燃性を付与することが困難となり、一方、樹脂層中の無機系難燃剤の含有量が32質量%を超えると、壁装材が硬く施工性が低下するとともに壁装材表面の硬度が低下しやすい。
<その他の成分>
本発明において、樹脂層中には、前記した成分の他に、壁装材に要求される特性に応じて任意の成分を含有することができる。これらの任意の成分としては、例えば、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防黴剤、着色剤等の各種の添加剤を加える事が可能である。
紫外線吸収剤と光安定剤はともに壁装材に耐候(光)性を付与するために添加するものであり、いずれかの単独使用でもよいが、両者を混合して使用することが望ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系等の有機系のもの、或いは微粒子の二酸化チタン、酸化セリウム等の無機系のものが用いられる。また、光安定剤としては、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等が用いられる。紫外線吸収剤、光安定剤とも0.1〜1質量%程度の添加量である。
本発明において、壁装材は好ましくは裏打ち材に前記した組成物からなる層を形成したものが好ましい。裏打ち材としては、(1)難燃処理なしの普通紙、(2)難燃紙、(3)不燃紙がある。本発明においては、裏打ち材としては、このうち、壁装材の難燃性能の点から不燃紙が好ましい。不燃紙は、セルロース、パルプ等の紙を不燃処理したものである。不燃処理としては、紙にスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、スルファミン酸グアニジン誘導体等の水溶性難燃剤を含浸処理したものや自己消火性の水酸化アルミニウム等を混抄したものがある。この場合、難燃剤としては、前記したポリ乳酸系樹脂中に添加される難燃剤が挙げられるが、不燃紙が使用される難燃剤とポリ乳酸系樹脂中に添加される難燃剤が同一の成分であることが、難燃性能の相乗効果を発揮できる点から好ましい。不燃紙が使用される難燃剤とポリ乳酸系樹脂中に添加される難燃剤が金属水酸化物が好ましく、特に水酸化アルミニウムがより好ましい。
裏打ち材にポリ乳酸系樹脂を主成分とする層を形成するには、ポリ乳酸系樹脂を主成分とする基材シートを形成することが望ましい。基材シートは、延伸でも無延伸でもよい。無延伸の基材シートは塑性変形しやすく成形性が良好であるが、延伸した基材シートは透明度が高く、また弾性が強まり、引張強度や伸度に優れている。本発明で使用するシートの厚さは25〜200μm程度である。このシートはカレンダー成形でも、押し出し成形でも良い。シート成形と同時に紙などの裏打ち材と積層しても良いし、別工程で積層しても良い。一般的には紙等の裏打ち材に接着の為のプライマー処理が施してある場合が望ましい。
紙などの裏打ち材に積層されたポリ乳酸樹脂シートからなる2層構成体の上には、住宅内装用壁装材にふさわしい所望の装飾処理を施すことができる。この装飾処理としては、顔料又は染料の練込みによる着色、インキ絵柄層や金属層の模様からなる装飾層形成、凹凸模様形成等がある。凸凹模様を付ける前に透明層ポリ乳酸樹脂を積層し3層構造にする場合もある。木目などインキ絵柄層を奥行きのある立体感を醸し出す為である。
顔料或いは染料の練込みにより着色する場合、用途に応じて透明着色又は不透明(隠蔽性)着色とする。顔料としては、チタン白、亜鉛華、群青、コバルトブルー、弁柄、朱、黄鉛、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、キナクリドン、パーマネントレッド4R、イソインドリノン、ハンザイエローA、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料乃至は染料、アルミニウム、真鍮等の箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛の箔粉等からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。この他、必要に応じて炭酸カルシウム、シリカ(二酸化硅素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、硫酸バリウムのような体質顔料(充填剤)を添加する。
インキ絵柄層により模様を形成するには、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等のような通常の印刷方式を用いることができるが、描画でも差し支えない。絵柄層は樹脂バインダーと顔料又は染料からなるインキを任意の模様状に形成してなる。また、剥離性の支持体シート上にインキ層、さらに必要に応じて接着剤層が形成された転写シートを予め準備しておき、転写シートに形成されたインキ層を加圧、又は加圧と加熱により模様層(インキ絵柄層)を形成する面に転写させる、転写印刷法によることもできる。模様の例としては、木目柄、花柄、石目柄、布目柄、本皮調、文字、テクスチャー、全面ベタ等がある。インキの樹脂バインダーとしては、生分解性の樹脂が好ましい。ポリ乳酸樹脂(PLA)やポリカプロラクトーン(PCL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)等が挙げられる。少量なので一般的な樹脂で許容される場合は場合は以下の樹脂を用いても良い。2液硬化型ウレタン樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、等が用いられる。顔料又は染料としては前記と同様のものが用いられる。
花柄や木目柄等は凹版印刷ロールやオフセット印刷でや金属調の模様は、印刷以外にアルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を真空蒸着するなどして形成する。
凸凹模様を形成する手法としては、サンドブラスト加工、エンボス加工等があり、これらの方法により基材シートに凸凹形状からなる凸凹模様を形成する。
エンボス加工は、輪転式エンボス機を使用して、ドラムやヒータ−により加熱し軟化させた基材シートの表面にエンボスロールを押圧し、該エンボス版表面の凸凹形状を賦形することにより凸凹模様を形成する方法が一般的である。このエンボス加工により形成する凸凹模様としては、花柄、木目柄、布目柄、石目柄、梨地、砂目等のものが挙げられる。
エンボス工程の前に表面の艶を整える為に、シリカの入った水性のアクリル系やウレタン系表面処理を施してもよい。室内に使用される商品のためシックハウス問題を配慮すると水性タイプが望ましい。
以下、実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
シートを次のようにして作製した。ポリ−L−乳酸系樹脂(1)「三井化学ポリ乳酸樹脂 レイシアH−280」63.9質量部に対し、水酸化アルミニウムを20質量部、カルボン酸エステル系のペレット状滑剤を0.6質量、炭酸カルシウム(ペレットブロッキング剤)2質量部、着色剤1.5質量部をブレンダーで混合し、同方向2軸混練機にてフィード部より投入し、途中のベント穴より、生分解性可塑剤「グリセリン脂肪酸エステル系(1)理研ビタミン社製 リケマールPL−009」12質量部を液添し混練後、ストランドカット方式によりペレットを得た。混練機の仕様と条件は以下の通りである。
JSW社製、同方向2軸混練機、スクリュウ径44mmφ、L/D=32、回転数rpm、シリンダー温度はフィード部より160〜200℃の設定とした。
次にペレットをTダイ付きの押し出し機でシート化と同時に水酸化アルミ不燃紙とラミネートをした。シリンダー設定温度はフィード部より150℃〜200℃の設定で、先端のTダイの設定は190℃とした。スクリュウ回転数は50rpmと設定した。シートを0.20mm厚みに調整後、基材(裏打ち材)となる水酸化アルミ不燃紙を同時にラミネート、冷却後巻き取った。
次に絵柄を印刷した。具体的には、顔料として弁柄、カーボンブラック、チタンイエロ−等を混合してなる生分解性インキを用い、グラビア印刷によりファブリック調の柄を印刷して絵柄層を形成した。
次にエンボス工程にて、凸凹模様を形成し、紙を基材とした2層構造の壁装材を作製した。
(実施例2)
ポリ乳酸系樹脂としてポリ−L−乳酸系樹脂(1)「三井化学ポリ乳酸樹脂 レイシア H−280」の代わりにポリ−L−乳酸系樹脂(2)「三井化学ポリ乳酸樹脂 レイシア H−440」を用いた他は、実施例1と同様にして壁装材を作製した。
(実施例3)
生分解性可塑剤としての「グリセリン脂肪酸エステル系(1) 理研ビタミン社製 リケマールPL−009」の代わりにグリセリン脂肪酸エステル系(2) 理研ビタミン社製 リケマールPL−710」を用いた他は、実施例1と同様にして壁装材を作製した。
(実施例4〜実施例8)
ポリ−L−乳酸系樹脂(1)「三井化学ポリ乳酸樹脂 レイシアH−280」、「グリセリン脂肪酸エステル系(1) 理研ビタミン社製 リケマールPL−009」及び水酸化アルミニウムの配合量を、それぞれ表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして壁装材を作製した。なお、実施例8では、裏打紙として水酸化アルミニウム不燃紙の変わりに一般紙を使用した。
(比較例1)
ポリ−L−乳酸系樹脂(1)「三井化学ポリ乳酸樹脂 レイシア H−280」を95.9質量%配合し、可塑剤と水酸化アルミニウムを配合しない他は実施例1と同様にして壁装材を作製した。
(比較例2)
ポリ−L−乳酸系樹脂(1)「三井化学ポリ乳酸樹脂 レイシアH−280」を50.9質量%、「グリセリン脂肪酸エステル系(1) 理研ビタミン社製 リケマールPL−009」を30質量%、水酸化アルミニウム15質量%、炭酸カルシウム2質量%、カルボン酸エステル系のペレット状滑剤を0.6質量%、着色剤1.5質量%配合した他は実施例1と同様にして壁装材を作製した。
(比較例3)
ポリ−L−乳酸系樹脂(1)「三井化学ポリ乳酸樹脂 レイシアH−280」を71.9質量%、「グリセリン脂肪酸エステル系(1) 理研ビタミン社製 リケマールPL−009」を4質量%、水酸化アルミニウム20質量%、炭酸カルシウム2質量%、カルボン酸エステル系のペレット状滑剤を0.6質量%、着色剤1.5質量%配合した他は実施例1と同様にして壁装材を作製した。
(比較例4)
ポリ−L−乳酸系樹脂の代わりに、ポリブチレンサクシネート系樹脂を用い、炭酸カルシウムの配合量を5質量%に変更した以外は比較例1と同様にして壁装材を作製した。
(比較例5)
ポリ−L−乳酸系樹脂の代わりに、ポリエステル系樹脂を用いた他は、比較例1と同様にして壁装材を作製した。
得られた壁装材について、コンポスト試験、施工性試験、燃焼性試験を行った。
<コンポスト試験>
(生分解性試験)
1)コンポスト容器内にオガグズ:ドッグフード:鶏糞:水=25:22.52.5:50の質量比で十分混合する。このコンポスト容器を恒温ボックス内に入れ、一日放置する。(雰囲気温度を50℃にセットする。)
2)コンポストを切り返し、空気を与えると共に200gの水を補給する。
3)シャーレの下半分に、切り返しを済ませたコンポストを敷き詰め試験片を挟みこむ。
4)容器内のコンポスト表面から10cmの深さにシャーレを埋める。
5)温度制御センサーをコンポスト表面から約10cmの位置に差し込み、コンポストの活性維持に必要な40〜60℃に維持する。
6)コンポストの水分管理は、含水率50〜60%に調整し、pH調整は消石灰により8〜9に調整する。
7)一週間毎に試験片をシャーレから取り出し、試験片の状態を観察した。
(カビ発生試験)
前記生分解性試験に供したサンプル(壁装材)についてそれぞれカビの発生状況を目視した。
<施工性試験>
(折り曲げ白化*2)
得られた壁装材を5〜8℃の冷蔵庫に1時間放置後、壁装材の縦横裏表を180度折り曲げ、割れ白化の状態を観察した。
○ : 割れ白化なし
× : 割れ白化あり
(巻き込み端末浮きテスト*3)
図1に示すように、部分的に2段に形成された石膏ボードの全面に市販のでんぷん糊と酢酸ビニルエマルジョンを質量比で80:20の割合で混合し、20g/m2を均一に塗布する。約5分後、200mmの幅に実施例で得られた壁装材を張りつける。図1に示すA,B,C各部位の剥がれ状態を2時間後、4時間後、24時間後確認した。
○ : 剥がれなし
× : 剥がれあり
<燃焼試験>
コーンカロリメーターによる総発熱量と200k超過継続時間を測定した。難燃性能Aは、シート厚み200μm、難燃性能Bは、シート厚み100μmについて試験した。実用上は、総発熱量は8MJ/m2以下、200k超過継続時間は10sec以下の性能であることが望ましい。
である。
試験結果を表1及び表2に示す。
Figure 2005240315
Figure 2005240315
表1及び表2の結果から、ポリ乳酸系樹脂に所定量のグリセリン脂肪酸エステル有する実施例の壁装材は、生分解性に優れ、カビの発生がなく、さらに施工性に優れており、さらに無機難燃剤を所定量有する実施例では、さらに難燃性能にも優れていることが分かる。
巻き込み端末浮きテストを示す概略的説明図である。
符号の説明
1 石膏ボード
2 表皮(基材シート)

Claims (7)

  1. ポリ乳酸系樹脂を50質量%以上含有し、多価アルコール脂肪酸エステルを7〜25質量%含有する樹脂層を有することを特徴とする壁装材。
  2. 更に前記樹脂層が基無機系難燃剤を7〜32質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の壁装材。
  3. 前記多価アルコール脂肪酸エステルが、グリセリン脂肪酸エステル及び/またはグリコール脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の壁装材。
  4. 前記樹脂層が、裏打ち材に積層されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の壁装材。
  5. 前記裏打ち材が、不燃紙からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の壁装材。
  6. 前記無機系難燃剤が、金属水酸化物であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の壁装材。
  7. 前記樹脂層に含有される難燃剤、及び前記不燃紙に使用される難燃剤が水酸化アルミニウムからなることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の壁装材。
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