JP2005240133A - 高周波焼入れ方法と装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ワークの回転と冷却を1つの装置を用いて行ない、均一な焼入れを可能で、しかも、構成の簡素化、設備コストの低減、省エネルギも可能な高周波焼入れ方法と装置を提供する。
【解決手段】 金属材料からなるワークWを回転可能に支持し、ワークWに向って流体を噴射すると共に該ワークの近傍の誘導加熱コイルCに高周波電流を流し、流体の噴射圧力によりワークWを回転しつつ当該ワークWに高周波焼入れを行なうことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コンロッド等の金属材料からなるワークを高周波焼入れする方法と装置に関する。
自動車部品の中には、高強度が要求されるものがある。たとえば、コンロッドや歯車などである。これらは、鉄材などが使用されていることから、高周波焼入れすることにより高強度としている。
従来の高周波焼入れ装置としては、下記特許文献1に開示されたものがあるが、この装置は、加熱および冷却を均一に行うために、コンロッドなどのワークをクランプ部材にクランプし、モータなどの回転装置により回転させている。
しかし、モータなどの回転装置を使用すると、回転装置のみでなく回転制御装置も必要となり、設備コストが高くなる。特に、高周波焼入れでは、ワークの高速回転するほど加熱や冷却を均一に行なうことができることから、モータの回転を歯車等により増速するが、このようにすれば、機構が複雑化し、一層コスト的に不利となる。
また、回転装置にワークを支持するために、クランプ部材によってワークをクランプすれば、加熱したワークの熱がクランプ部材を介して外部に逃げ、いわゆる焼きムラが生じやすくなる虞もある。
特開平10−88229号公報(請求項2、段落番号「0018」、第4図)
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、ワークの回転と冷却を流体を噴射する装置のみを用いて行ない、均一な焼入れを可能で、しかも、構成の簡素化、設備コストの低減、省エネルギも可能な高周波焼入れ方法と装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成する本発明は、金属材料からなるワークを回転可能に支持し、当該ワークに向って流体を噴射する流体の噴射圧力により前記ワークを回転しつつ誘導加熱コイルにより当該ワークに高周波焼入れを行なうことを特徴とする。
上記のように構成した本発明は、噴出される流体によりワークの回転と冷却を行なうので、複雑な構成の回転装置や回転制御装置が不要となり、設備コストおよびメンテナンスコストを低減でき、省エネルギにもなり、また、ワークを回転させる場合に保持するクランプも不要となるので、熱の逃げによるワークの焼きムラもなく、ワーク装着作業も短時間で容易にでき、作業性も向上する。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施形態に係る高周波焼入れ装置を示す概略図、図2は図1のワークを示す正面図、図3,4は図2のIII−III線、IV−IV線に沿う矢視図、図5は図2のV−V線に沿う断面図である。
まず、本実施形態に係る高周波焼入れ装置について概説すれば、図1に示すように、金属材料からなるワークWを回転可能に支持する支持部10と、当該ワークWに向かって空気または水を噴射する対向設置された流体噴射部20と、ワークWに高周波焼入れする誘導加熱部30とを有し、空気または水の噴射圧力によりワークWを回転しつつ誘導加熱部30に高周波電流を流してワークWを高周波焼入れする。
さらに詳述する。ワークWとしては、たとえば、図2に示すように、炭素鋼からなる鍛造品であるコンロッドが使用される。このコンロッドは、エンジンのピストンとクランクシャフトを連結し、ピストンの往復運動をクランクシャフトに伝達するもので、長尺な連接部1の一端に大端部2が、他端に小端部5が設けられ、大端部2は、連接部1と一体に形成された半円状部2bに対し半円状のキャップ部2aがボルト4により連結され、小端部5は、連接部1と一体に形成された通孔部6を有するリング状部分である。なお、キャップ部2aと下部半円状部2bとの連結により形成された通孔部3内には、前記クランシャフトのピン部が設けられ、小端部5の通孔部6には、ピストンピンあるいは連結ピンが挿通される。
連接部1は、ピストン側の力をクランクシャフトに伝達するため、相当の高強度が要求され、通常、Iセクションと称されるように、断面が「I」状に成形されており(図5参照)、しかもこの部分に後に詳述する高周波焼入れが施される。
前記支持部10は、ワークWが回転軸Oを中心として少ない摩擦抵抗で円滑に回転するように、長尺なワークWの軸方向両端を点接触により支持する(「点支持」と略称する)部分である。この点支持は、図3,4に示すように、大端部2のキャップ部2aと、小端部5にそれぞれ通孔11,12を形成し、先端が尖った支持部材13,14の先端を前記通孔11,12に差込み、支持してもよい。しかし、支持部材13,14の尖端部13a,14aを通孔11,12に挿通するのみでは、ワーク回転時の抵抗が大きくなる虞がある。したがって、本実施形態では、図6,7に示すように、ワークWの支持点である前記大端部2のキャップ部2aと小端部5に、それぞれ鈍角円錐状の底面を有する凹部15,16を形成し、これら凹部15,16内で前記支持部材13,14の尖端部13a,14aを当接させ、点支持を行なっている。
ここに、図6は図3のVI−VI線に沿う断面相当図、図7は図4のVII−VII線に沿う断面相当図である。
この支持部10は、図1に示すように、上部側の支持部材13がケース17内に設けられ、このケース17の底部との間に設けられたばね18により支持部材13が外方に向って弾発され、ケース17は、アクチュエータ19により昇降可能となっている。このような支持部材13,14であれば、ワークWは、両支持部材13,14により弾性的に支持されることになり、ワークWの装着が簡単にできる。なお、逆に、下部側の支持部材14を、前記上部側の支持部材13のような弾性的な支持構造としてもよい。
前記流体噴射部20は、点支持されたワークWに向かって空気または水を噴射し、空気または水の噴射圧力によりワークWを回転させるもので、ワークWを中心に一対の流体噴射部20が対向して設置されている。
本実施形態では、ワークWに向かって空気または水を噴射することから、左右の流体噴射部20には、空気配管系22(図中、破線で示す)と水配管系24(図中、一点鎖線で示す)が連設されている。空気配管系22は、コンプレッサ23からの空気を気体用レギュレータRaおよび電磁弁Vaを介して各流体噴射部20に導入し、水配管系24は、ポンプPにより冷却液タンクT内の水を吸い上げ、液体用レギュレータRbおよび電磁弁Vbを介して各流体噴射部20に導入する。
図8は流体噴射部の正面図、図9は両流体噴射部の流体噴射状態を示す概略平面図である。対向設置された各流体噴射部20は、それぞれボックス状の本体21を有しているが、このボックス状本体21には、図8に示すように、ワークWの外周縁部に向って空気または水を噴射してワークWを回転させるため、複数の噴射孔25が開設されている。
この噴射孔25は、ワークWを効率よく回転させるために、空気または水がワークWの回転軸Oに対し偏心した位置に当たるようにすることが好ましいが、本実施形態では、ワーク表面の右半分あるいは裏面の左半分の外形形状に沿ってボックス状の本体21に設けられている。
このようにすれば、各流体噴射部20より噴射された空気または水は、図9の矢印で示すように、ワーク表裏面の片側外周縁部に当ることになり、その噴射圧力によりワークWを回転させることになる。しかも、各流体噴射部20より水が噴射される場合、所定時間継続して噴射されると、ワークWの回転に伴ってこの水のワークWの表面に当る位置が変化し、ワークWを均一に冷却し、焼きムラの発生を防止できる。さらに、図9に多数の点で示すように、ワークWの表面で水が飛散するので、これによってもワークW全体を確実に冷却し、一層焼きムラの発生を防止することにもなる。
なお、この噴射孔25は、図示のように多数の小孔のみでなく、これら小孔を繋げた形状のスリットであってもよく、また、この流体噴射部20自体も、一対のみでなく、さらに複数対設けてもよい。
前記誘導加熱部30は、図1に示すように、誘導加熱コイルCの両端が高周波発生装置31に接続され、中間部にコイル軸を中心としてスパイラルに巻回された巻回部32が形成され、この巻回部32内に、ワークWであるコンロッドの連接部1が挿入配置されている。
この巻回部32では、線材の上下に隙間Gが存在しているので、前記流体噴射部20からの空気または水は、この隙間Gを通過してワークWに到達することになる。
次に、焼入れ方法の実施形態を説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態は、当初、空気によりワークWを回転しつつ焼入れした後、水によりワークWを回転しつつ冷却する方法である。
まず、ワークWであるコンロッドの大端部2にキャップ部2aをボルト4により取付けたものを準備し、支持部10にセットする。この支持部10では、コンロッドの小端部5に形成された凹部16内に下方支持部材14の尖端部14aを当接した状態で、アクチュエータ19によりケース17を下降し、上方支持部材13の尖端部13aをキャップ部2aに形成された凹部15内に当接し、ワークWを弾性的に支持する。比較的大きな凹部15内に尖端部13a,14aを入れるので、ワークWの装着が極めて簡単にできる。また、装着されたワークWは、両支持部材13,14の尖端部13a,14aにより点支持されることになるので、比較的重量のあるワークWであっても、離れた位置から高圧空気を使用せずに十分回転させることができる。
次に、流体噴射部20を作動し、点支持されたワークWに向かって空気を噴射し、空気の噴射圧力によりワークWを回転するが、このワークWの回転は、高周波焼入れする初期段階では焼きムラの虞はないため低速回転でよく、焼入れ完了後の冷却する段階では焼きムラを防止するために高速回転させることが好ましい。この場合、空気よりも水の方がワークWを強力に回転させることができるので、本実施形態では、初期加熱の段階では、空気によりワークWを低速で回転し、後に水に切換えてワークWを高速で回転している。
したがって、流体噴射部20では、まず、空気配管系22において、コンプレッサ23を作動し、吐出された空気を気体用レギュレータRaにより所定圧に制御した後、電磁弁Vaを介して両ボックス状本体21に導入し、各ボックス状本体21の噴射孔25よりワークWの外周縁部に向かって噴射する。
各ボックス状本体21から噴射された空気は、それぞれ誘導加熱コイルCの線材相互間の隙間Gを通ってワークWに到達し、図9に示すように、ワーク表面の左半部と裏面の右半部に当たり、点支持されたワークWを回転させる。この空気は、回転軸Oに対し偏心した位置に作用するので、ワークWは速やかに回転する。
このワークWの回転中に誘導加熱部30の高周波電流発生装置31を作動し、高周波電流を誘導加熱コイルCに所定時間流す。高周波電流を誘導加熱コイルCに流すと、導電体であるコンロッドの連接部1は、電磁誘導作用により誘起される渦電流などにより表面が加熱される。
加熱を所定時間行なった後、再度、流体噴射部20を操作し、コンプレッサ23の作動を停止するとともに水配管系24のポンプPを作動する。ポンプPからの水は、液体用レギュレータRbにより制御された後、電磁弁Vbを介して両ボックス状本体21に導入され、各ボックス状本体21の噴射孔25よりワークWの外周縁部に向かって噴射される。この水も誘導加熱コイルCの線材相互間の隙間Gを通り、ワークWの回転軸Oに対し偏心した位置に到達するので、ワークWは、水の噴射圧力により速やかに回転される。
水は、ワークWの表裏面の偏心位置に強力に作用しワークWを高速で回転させつつ、高速で回転しているワークWの表裏全面に当ると共に周囲に飛散するので、ワーク全体が冷却される。したがって、ワークWは、いわゆる焼きムラを起こすことなく、略均一に焼入れが行なわれる。
本実施形態の場合、空気から水に切り換えるタイミングと、加熱から冷却に切り換えるタイミングは、必ずしも一致させる必要はない。たとえば、後述する実験例では、図10に示すように、空気により回転開始から5秒経過した時点で水に切り換え、また、この時点で加熱から冷却に切り換えている。つまり、前記両タイミングを一致させている。しかし、本実施形態は、これのみでなく、空気により回転開始から1〜2秒経過した時点で水に切り換え、加熱から冷却に切り換えるタイミングに関しては、回転開始から所定時間(後述の実験例では5秒間)経過した後に切り換えてもよい。
本実施形態につき、図10に示す加熱と冷却のタイミングおよび時間で実験を試みた。
<実験例1>
ワークWとしてコンロッドを使用し、図10に示すように、まず、気体用レギュレータRaにより0.49MPaに圧力調整された空気をワークWに噴射し、ワークWを回転した。ワークWの回転数は、100rpm程度であった。そして、5秒間高周波電流を誘導加熱コイルCに流し、加熱を行なった。焼入れ温度は、約900℃程度まで上昇した。その後、高周波電流の供給を停止し、電磁弁Vaを閉じ、電磁弁Vbを開き、液体用レギュレータRbにより水圧を0.2MPaに調整した水によりワークWを回転しつつ冷却した。ワークWの回転数は、300rpm程度となった。水の噴射を継続し、前記300rpm程度の回転数を維持しつつ、当該水により5秒間冷却した。この結果、ワークWは、焼きムラを起こすことなく、略均一な焼入れができた。
<第2実施形態>
第1実施形態では、ワークを回転する手段として、当初空気を使用し、後に水を使用しているが、誘導加熱コイルCによる高周波焼入れの開始前から高周波焼入れ完了まで終始空気のみあるいは水のみを使用してもよい。本第2実施形態では、終始空気のみを使用したものである。
第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、ワークWを支持部10に回転可能セットする。次に、流体噴射部20を作動し、気体用レギュレータRaにより所定圧に制御された空気を、点支持されたワークWに向かって噴射し、ワークWを回転する。
そして、ワークWの回転中に、高周波電流を誘導加熱コイルCに所定時間流し、ワークWの表面を加熱する。この加熱後、高周波電流は停止するが、コンプレッサ23は、常時作動し、ワークWを空気により冷却した後、停止する。
本実施形態のワークWは、水により冷却する第1実施形態よりも冷却に多少時間は掛かるものの、回転しつつ加熱し冷却するので、焼きムラを起こすことなく、略均一に焼入れが行なわれる。
第2実施形態に関しても、図11に示す加熱と冷却のタイミングおよび時間で実験を試みた。
<実験例2>
ワークWとしてコンロッドを使用し、図11に示すように、まず、気体用レギュレータRaにより0.49MPaに圧力調整された空気をワークWに噴射し、ワークWを回転した。ワークWの回転数は、100rpm程度であった。そして、5秒間高周波電流を誘導加熱コイルCに流し、加熱を行なった後に、高周波電流の供給を停止した。焼入れ温度は、約900℃程度まで上昇した。電磁弁Vaはそのまま開き、同様の0.49MPaに圧力調整された空気でワークWを回転しつつ、当該空気で5秒間冷却した。この実験でも、ワークWは、焼きムラを起こすことなく、略均一な焼入れができた。
<第3実施形態>
上記第2実施形態では、誘導加熱コイルCによる高周波焼入れの開始前から高周波焼入れ完了まで終始空気のみを使用しワークを回転したが、本第3実施形態では、終始水のみを使用したものである。
第3実施形態でも、ワークWを支持部10に回転可能セットし、流体噴射部20のポンプPを作動し、液体用レギュレータRbにより制御された水を、点支持されたワークWに向かって噴射し、ワークWを回転する。
そして、ワークWの回転中に、高周波電流を誘導加熱コイルCに所定時間流し、ワークWの表面を加熱する。この加熱後、高周波電流は停止するが、ポンプPは、常時作動し、ワークWを水により冷却した後、停止する。
本実施形態のワークWは、空気により冷却する第2実施形態よりも冷却は早く、しかも、回転しつつ冷却するので、焼きムラを起こすことなく、略均一に焼入れが行なわれる。
第3実施形態に関しても、図12に示す加熱と冷却のタイミングおよび時間で実験を試みた。
<実験例3>
ワークWとしてコンロッドを使用し、図12に示すように、まず、液体用レギュレータRbにより0.2MPaに調整された水をワークWに噴射し、ワークWを回転した。ワークWの回転数は、300rpm程度であった。そして、5秒間高周波電流を誘導加熱コイルCに流し、加熱を行なった後に、高周波電流の供給を停止した。焼入れ温度は、約900℃程度まで上昇した。電磁弁Vbはそのまま開き状態とし、同様の0.2MPaの水でワークWを回転しつつ、当該水で5秒間冷却した。この実験でも、ワークWは、焼きムラを起こすことなく、略均一な焼入れができた。
以上のように、本実施形態では、流体噴射部20から噴出される空気または水によりワークWの回転と冷却を行なうことができるため、複雑な構成の回転装置や回転制御装置は不要で、省エネルギにもなり、設備コストおよびメンテナンスコストを低減でき、また、ワークWを回転装置にクランプする必要もないため、ワークの熱が逃げることによる焼きムラもなく均一な焼入れができ、しかも、ワークWを脱着も簡単なため、作業性が極めて向上する。
前記空気または水は、ワークWの回転軸Oに対し偏心位置に当てるので、ワークWを速やかに回転させることができ、ワークWの回転に関しても、ワークWの低速回転時には空気を、高速回転時には水を使用すれば、低速回転から高速回転への移行を噴射する空気または水を空気から水に変更するのみで行なうことができ、従来のような制御機構も不要となり、設備コストを低減できる。
ワークWの加熱時に気体を、冷却時に液体を使用すれば、ワークWの加熱と冷却の効率が向上する。
誘導加熱コイルCによる高周波焼入れの開始前から高周波焼入れ完了まで、終始、空気または水を使用してワークWを回転させても、前記空気と水を使用する場合と同様の効果を奏する。
流体噴射部20の噴射孔25を、ワークWの外形形状に沿って設けると、ワークWを確実に回転させることができ、空気または水を誘導加熱コイルCの隙間Gを通過しワークWに到達させると、誘導加熱コイルCの外部からワークWを回転させ、冷却でき、作業性が極めて向上する。
ワークWを支持する支持部10が、ワークWを点接触により支持すれば、ワーク回転時の抵抗が少なく、ワークWを小さな力でも簡単に回転させることができ、しかも、ワークWを点支持するので、加熱したワークWの熱が外部に逃げにくく、焼きムラが生じることもない。この場合、支持部10がワークWの支持点に形成された凹部15,16とすれば、点支持での装着も簡単にでき、これによっても作業性が向上する。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、前記実施形態では、ワークはコンロッドを使用しているが、これのみでなく、歯車等のような中心部分を何らかの手段で点支持できるものであれば、種々のワークに対して実施することができる。
また、前記実施形態では、流体として空気と水を使用しているが、これのみでなく、種々の気体あるいは液体を使用できることも言うまでもない。
本発明の実施形態に係る高周波焼入れ装置を示す概略図である。 図1のワークを示す正面図である。 図2のIII−III線に沿う矢視図である。 図2のIV−IV線に沿う矢視図である。 図2のV−V線に沿う断面図である。 図3のVI−VI線に沿う断面相当図である。 図4のVII−VII線に沿う断面相当図である。 流体噴射部の正面図である。 両流体噴射部の流体噴射状態を示す概略平面図である。 本発明方法の第1実施形態の加熱と冷却のタイミングおよび時間を示す図である。 同第2実施形態の加熱と冷却のタイミングおよび時間を示す図である。 同第3実施形態の加熱と冷却のタイミングおよび時間を示す図である。
符号の説明
10…支持部、
15,16…凹部、
20…流体噴射部、
25…噴射孔、
C…誘導加熱コイル、
G…隙間、
O…ワークの回転軸、
W…ワーク。

Claims (16)

  1. 金属材料からなるワークを回転可能に支持し、
    当該ワークに向って噴射する流体の噴射圧力により前記ワークを回転しつつ誘導加熱コイルにより当該ワークに高周波焼入れを行なうことを特徴とする高周波焼入れ方法。
  2. 前記流体は、前記ワークの回転軸に対し偏心した位置に向けて噴射することを特徴とする請求項1に記載の高周波焼入れ方法。
  3. 前記ワークの両端を点支持することを特徴とする請求項1または2に記載の高周波焼入れ方法。
  4. 前記ワーク両端の点支持する部位に凹部を形成し、両凹部を結ぶ線を中心に前記ワークを回転させることを特徴とする請求項3に記載の高周波焼入れ方法。
  5. 前記流体は、前記誘導加熱コイルの隙間を通過しワークに到達させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高周波焼入れ方法。
  6. 前記流体は、前記ワークの加熱時には気体を、冷却時には液体を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高周波焼入れ方法。
  7. 前記流体は、前記ワークの低速回転時には気体を、高速回転時には液体を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高周波焼入れ方法。
  8. 前記流体は、前記誘導加熱コイルによる高周波焼入れの開始前から高周波焼入れ完了まで終始気体を使用し前記ワークを回転させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高周波焼入れ方法。
  9. 前記流体は、前記誘導加熱コイルによる高周波焼入れの開始前から高周波焼入れ完了まで終始液体を使用し前記ワークを回転させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高周波焼入れ方法。
  10. 金属材料からなるワークを回転可能に支持する支持部と、
    当該ワークに向かって流体を噴射する少なくとも1つの流体噴射部と、
    前記ワークに高周波焼入れする誘導加熱コイルと、
    を有し、
    前記流体の噴射圧力により前記ワークを回転しつつ前記誘導加熱コイルに高周波電流を流してワークを高周波焼入れすることを特徴とする高周波焼入れ装置。
  11. 前記流体噴射部は、前記ワークを中心に複数個対向設置したことを特徴とする請求項10に記載の高周波焼入れ装置。
  12. 前記流体噴射部は、前記流体を前記ワークの回転軸に対し偏心した位置に当てることを特徴とする請求項10または11に記載の高周波焼入れ装置。
  13. 前記流体噴射部は、前記ワークの外形形状の一部に沿うように開設された噴射孔より前記流体を噴射することを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の高周波焼入れ装置。
  14. 前記流体噴射部は、前記誘導加熱コイルの隙間を通過し前記流体をワークに到達させることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の高周波焼入れ装置。
  15. 前記支持部は、前記ワークの両端を点支持することを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の高周波焼入れ装置。
  16. 前記ワーク両端の点支持する部位に凹部を形成し、両凹部を結ぶ線を中心に前記ワークを回転させることを特徴とする請求項15に記載の高周波焼入れ装置。
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