JP4246775B2 - 高周波焼入装置 - Google Patents
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Description
(A) 前記有底碗状体又は一端の開放口が蓋状治具にて閉塞された無底筒状体を所定位置に保持するワーク保持治具と、
(B) 前記有底碗状体の内周面又は前記無底筒状体の内周面に対応配置されてこの内周面を高周波誘導加熱する高周波誘導加熱コイルと、
(C) 前記有底碗状体の底部又は前記無底筒状体の一端の蓋状治具に不活性ガス、又は還元性ガス、或いは不活性ガス及び還元性ガスの混合ガスを導入するガス導入管と、
(D) 前記ワーク保持治具に保持された前記有底碗状体又は無底筒状体の開放口に対応して配設されるハウジングと、
(E) 前記ハウジング内に充満されるガスを前記ハウジングの外部へ排出するガス排出管と、
(F) 前記有底碗状体又は無底筒状体の加熱部に冷却液を噴射する冷却液噴射管と、
をそれぞれ具備し、前記有底碗状体又は無底筒状体の被加熱部に向かって前記ガス導入管から前記ガスを噴射させながら前記高周波誘導加熱コイルにて前記有底碗状体又は無底筒状体の内周面を加熱し、前記有底碗状体又は無底筒状体の内周面に噴射されてこの内周面に沿って流れる噴射ガスを前記ハウジング内に充満させると共に、充填されたガスを前記ガス排出管を介して前記ハウジングの外部へ排出する一方、前記冷却液噴射管から前記有底碗状体又は無底筒状体の加熱面に冷却液を噴射することにより、前記有底碗状体又は無底筒状体の内周面を無酸素状態の下で焼入するようにしている。
また、本発明では、前記ハウジングのガス排出管にガス燃焼部を付設し、前記ハウジングから移出されるガスを前記ガス燃焼部において燃焼させるように構成している。
また、本発明では、前記ガス導入管のうち、前記有底碗状体又は無底筒状体の被加熱部に対応する前記ガス導入管の端部部分に、複数の細孔を設けると共に、前記冷却液噴射管のうち、前記複数の細孔が設けられている前記ガス導入管の端部部分に対応する前記冷却液噴射管の端部部分を削除し、前記ガス導入管の一端から前記有底碗状体の内周面の底部又は前記無底筒状体の一端に取付けられた蓋状治具に前記ガスを噴射すると共に、前記ガス導入管の複数の細孔から前記ガスを前記有底碗状体又は無底筒状体の被加熱面に直接噴射するように構成している。
また、本発明では、前記ガス導入管の複数の細孔から噴射される噴射ガス流量を前記ガス導入管の一端から噴射される噴射ガス流量より小さく設定するようにしている。
(1) 高周波誘導加熱コイル14の下方に配置されているワーク保持治具13に外輪4のステム部2を挿入して載置する。
(2) 図外のワーク昇降機構によりワーク保持治具13と共に外輪4を上昇させ、高周波誘導加熱コイル14と受口部3の底部3a及び湾曲状内周面3bとの間に所要の間隙をもった位置で上昇動作を停止させる。
(3) 電磁弁25を閉弁状態に切り換えることにより冷却液排出管19を閉じた状態にする。
(4) ガス導入管15から受口部3の底部3aに向けて所要の圧力,流量のガスを噴射し、受口部3内及びハウジング16内の空気(酸素)をハウジング16の外部へ排出させ、受口部3内及びハウジング16内をガスで充満させる。この際、ハウジング16内の空気若しくはガスをガス排出管17を通してハウジング16の外部に排出する。このとき、ハウジング16から排出するガスの流量を、被加熱部に噴射するガスの流量、受口部3の内周面の内部空間容積、及びハウジング16の容積に応じて調整する。
(5) 図外の回転機構によりワーク保持治具13と一緒に外輪4をその軸線を中心に回転させると共に、冷却環27より冷却液を受口部3の外周面に向かって噴射する。
(6) 高周波電源20から高周波誘導加熱コイル14へ所要周波数出力の高周波電流を供給し、受口部3の湾曲状内周面3b(被加熱面若しくは被焼入面)を所定の焼入温度まで所要時間加熱する。この際、ガス導入管15から受口部3の底部3aにガスが噴射されてそのガスが図4において矢印βで示すように受口部3の内周面3bと高周波誘導加熱コイル14との間の隙間領域を通りつつ受口部3の内周面3bに沿って受口部3の開放口に向けて流動され、これに伴ってハウジング16内に充満されたガスが継続的にガス排出管17を通してハウジング16の外部へ排出される。
(7) 所定の焼入温度に到達したら、高周波誘導加熱コイル14への通電を停止し、加熱を終了する。
(8) 通電停止と同時に、ガス導入管15からのガスの導入(噴射)を停止し、電磁弁23を閉弁状態に切り換えることによりガス排出管17を閉じる。これに応じて、電磁弁25を開弁状態に切り換えることにより焼入液排出管19を開き、焼入冷却液を焼入液導入管18から受口部3の底部3aに向けて噴射する。そして、前記底部3aで分散した冷却液を受口部3の被加熱面(湾曲状内周面)に沿って流し、焼入水排出管12よりハウジング16の外部へ排出する。
(9) 所要時間にわたる冷却の後に、冷却液の噴射を停止し焼入を終了する。
(10) しかる後に、受口部3の外周冷却を停止し、受口部3を所定位置まで下降させて回転を停止し、焼入処理が施された外輪4をワーク保持治具13より取り外す。以上の一連の手順により高周波無酸化焼入が行われる。
高周波焼入条件
(1) 加熱条件
<a> 周波数 : 8 kHZ
<b> 出力 : 200 kW
<c> 加熱時間 : 4.5 Sec
(2) 冷却条件
<a> 冷却液 : ユーコンクエンチャントA(10%水溶液)
<b> 流量 : 20 l/min(内周)
60 l/min(外周)
<c> 液温 : 30 ℃
(3) 雰囲気条件
<a> 雰囲気ガス: 窒素+一酸化炭素(10%)
<b> 圧力 : 4kg/cm2
<c> 流量 : 30 l/min
前記加工条件により前記加工手順にしたがって焼入加工することにより、焼入表面は無酸化の状態で焼入された。
3 有底碗状体としての受口部
3a 底部
3b 内周面
4 外輪
6 内輪
8 凹状溝
9a 薄肉部
9b 厚肉部
10 焼入硬化層
12 高周波焼入装置
13 ワーク保持治具
14 高周波誘導加熱コイル
15 ガス導入管
16 ハウジング
17 ガス排出管
18 冷却液噴射管
19 冷却液排出管
20 高周波電源
22 排出ガス流量調整弁
24 排出冷却液流量調整弁
27 ワーク外周冷却環
29 細孔
40 トリポート型等速ボールジョイント
41 軌道溝
50 無底筒状体としてのホイールハブ(ボールベアリング)
51,52 転動溝
53 蓋状治具
Claims (4)
- 不等肉厚部を有する有底碗状体又は一端の開放口が蓋状治具の内周面を高周波焼入する装置において、
(A) 前記有底碗状体又は一端の開放口が蓋状治具にて閉塞された無底筒状体を所定位置に保持するワーク保持治具と、
(B) 前記有底碗状体の内周面又は前記無底筒状体の内周面に対応配置されてこの内周面を高周波誘導加熱する高周波誘導加熱コイルと、
(C) 前記有底碗状体の底部又は前記無底筒状体の一端の蓋状治具に不活性ガス、又は還元性ガス、或いは不活性ガス及び還元性ガスの混合ガスを導入するガス導入管と、
(D) 前記ワーク保持治具に保持された前記有底碗状体又は無底筒状体の開放口に対応して配設されるハウジングと、
(E) 前記ハウジング内に充満されるガスを前記ハウジングの外部へ排出するガス排出管と、
(F) 前記有底碗状体又は無底筒状体の加熱部に冷却液を噴射する冷却液噴射管と、
をそれぞれ具備し、
前記有底碗状体又は無底筒状体の被加熱部に向かって前記ガス導入管から前記ガスを噴射させながら前記高周波誘導加熱コイルにて前記有底碗状体又は無底筒状体の内周面を加熱し、前記有底碗状体又は無底筒状体の内周面に噴射されてこの内周面に沿って流れる噴射ガスを前記ハウジング内に充満させると共に、充填されたガスを前記ガス排出管を介して前記ハウジングの外部へ排出する一方、前記冷却液噴射管から前記有底碗状体又は無底筒状体の加熱面に冷却液を噴射することにより、前記有底碗状体又は無底筒状体の内周面を無酸素状態の下で焼入するようにしたこと、
を特徴とする高周波焼入装置。 - 前記ハウジングのガス排出管にガス燃焼部を付設し、前記ハウジングから移出されるガスを前記ガス燃焼部において燃焼させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の高周波焼入装置。
- 前記ガス導入管のうち、前記有底碗状体又は無底筒状体の被加熱部に対応する前記ガス導入管の端部部分に、複数の細孔を設けると共に、前記冷却液噴射管のうち、前記複数の細孔が設けられている前記ガス導入管の端部部分に対応する前記冷却液噴射管の端部部分を削除し、
前記ガス導入管の一端から前記有底碗状体の内周面の底部又は前記無底筒状体の一端に取付けられた蓋状治具に前記ガスを噴射すると共に、前記ガス導入管の複数の細孔から前記ガスを前記有底碗状体又は無底筒状体の被加熱面に直接噴射するように構成したこと、
を特徴とする請求項1又は2に記載の高周波焼入装置。 - 前記ガス導入管の複数の細孔から噴射される噴射ガス流量を前記ガス導入管の一端から噴射される噴射ガス流量より小さく設定したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の高周波焼入装置。
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