JP2005240104A - 冷却方法 - Google Patents

冷却方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005240104A
JP2005240104A JP2004051567A JP2004051567A JP2005240104A JP 2005240104 A JP2005240104 A JP 2005240104A JP 2004051567 A JP2004051567 A JP 2004051567A JP 2004051567 A JP2004051567 A JP 2004051567A JP 2005240104 A JP2005240104 A JP 2005240104A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
processing object
time zone
gas
partition plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004051567A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4779303B2 (ja
Inventor
Kazuhiko Katsumata
和彦 勝俣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2004051567A priority Critical patent/JP4779303B2/ja
Publication of JP2005240104A publication Critical patent/JP2005240104A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4779303B2 publication Critical patent/JP4779303B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)

Abstract

【課題】 中心部と外層との温度差に起因する処理対象物の歪み等の発生を抑止する。
【解決手段】 加熱処理後の処理対象物Xを冷却ガス2によって冷却処理する冷却方法であって、上記処理対象物Xの所定部位に所定流量の冷却ガス2を吹付ける冷却時間帯と、上記処理対象物Xの上記所定部位に上記所定流量以下の流量の上記冷却ガス2を吹付けるあるいは上記冷却ガス2の吹付けを停止する冷却緩和時間帯とを設け、冷却処理中に上記冷却時間帯と上記冷却緩和時間帯との相対関係を変化させることによって上記処理対象物Xの上記所定部位の冷却速度を変化させる
【選択図】 図1

Description

本発明は、加熱処理後の処理対象物を冷却ガスによって冷却する冷却方法に関するものである。
従来から、金属材等の処理対象物を焼入れするための方法としてソルトバス法が知られている。このソルトバス法は、周知のように、急速な冷却速度を得ることができ、焼戻しを行わなくとも処理対象物に対し硬さと靭性を与えられる方法である。これらの硬さと靭性は、処理対象物の中心部と外層がほぼ等温で冷却されることによって得られるものであり、焼入れの方法としては極めて効果的な方法である。ところが、このソルトバス法は大気中で行われるため、その処理工程において処理対象物の表面処理(光輝処理等)を同時に行うことができない。また、ソルトバス法は、高温化した処理対象物を直接液体中に入れるために高温な水蒸気等が発生し、その処理作業には充分な注意が必要とされている。
このため、近年は、真空引きされた熱処理室の内部で処理対象物を加熱し、その後、冷却油や不活性の冷却ガスによって処理対象物を冷却する方法が提案されている。この方法によれば、処理対象物を不活性雰囲気の熱処理室内部において熱処理するために処理対象物の表面に酸化膜等が生成されず、優れた表面処理の効果が得られる。また、処理作業に充分な注意が必要とされるソルトバス法を用いることなく処理対象物を冷却することができる。
特許第2731127号公報
しかしながら、この冷却ガスや冷却油によって処理対象物を冷却する方法の場合、上述のソルトバス法のように、処理対象物の中心部と外層とをほぼ等温にして冷却することが難しい。このため、冷却処理中に処理対象物の中心部と外層との温度差が大きくなり、処理対象物に歪み等が生じることが懸念されている。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、中心部と外層との温度差に起因する処理対象物の歪み等の発生を抑止することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の手段として、加熱処理後の処理対象物を冷却ガスによって冷却処理する冷却方法であって、上記処理対象物の所定部位に所定流量の冷却ガスを吹付ける冷却時間帯と、上記処理対象物の上記所定部位に上記所定流量以下の流量の上記冷却ガスを吹付けるあるいは上記冷却ガスの吹付けを停止する冷却緩和時間帯とを設け、冷却処理中に上記冷却時間帯と上記冷却緩和時間帯との相対関係を変化させることによって上記処理対象物の上記所定部位の冷却速度を変化させるという構成を採用する。
第2の手段として、上記第1の手段において、上記処理対象物の上記所定部位を急速冷却する場合には、上記冷却時間帯を上記冷却緩和時間帯に対して相対的に長くし、上記処理対象物の上記所定部位を上記急速冷却より遅く冷却する場合には、上記冷却時間帯を上記冷却緩和時間帯に対して相対的に短くするという構成を採用する。
第3の手段として、上記第1または第2の手段において、上記冷却時間帯及び上記冷却緩和時間帯とを繰り返すことによって、上記処理対象物の上記所定部位を目標温度にまで冷却するという構成を採用する。
第4の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、上記処理対象物のパーライト変態域及びベーナイト変態域において上記処理対象物を急速冷却するという構成を採用する。
第5の手段として、上記処理対象物の上記所定部位と他の部位とを繰り返し、上記第1〜第4いずれかの冷却方法を用いて冷却することによって、上記処理対象物全体を均一に冷却するという構成を採用する。
本発明に係る冷却方法によれば、冷却処理中に冷却時間帯と冷却緩和時間帯との相対関係を変化させることによって、処理対象物の冷却速度を変化させることができる。そのため、処理対象物に対して急速冷却が必要でない場合には、冷却速度を緩めることで、処理対象物の中心部の温度が外層に伝達されるのを待ちながら処理対象物を冷却することができる。したがって、本発明に係る冷却方法によれば、中心部と外層との温度差に起因する処理対象物の歪み等の発生を抑止することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係る冷却方法の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る冷却方法を実施するための多室型熱処理装置1の概略構成図である。この図に示すように、本実施形態における多室型熱処理装置1は、真空加熱炉10、ガス冷却炉20及び移動装置30を備えている。
真空加熱炉10は、処理対象物Xを減圧下で加熱する機能を有するものであり、内部が真空排気される真空容器11、処理対象物Xを内部に収容する加熱室12、当該加熱室12に処理対象物Xを出し入れするための前扉13、加熱室内の処理対象物Xを移動させるための開口を閉じる後扉14、処理対象物Xを前後に水平に移動可能に載せる載置台15及び処理対象物Xを加熱するためのヒータ16等によって構成されている。そして、このような構成によって、真空加熱炉10は、真空容器11の内部を真空に減圧し、ヒータ16によって処理対象物Xを所定の温度まで加熱処理することができる。
移動装置30は、処理対象物Xを真空加熱炉10とガス冷却室20との間で移動する機能を有するものであり、処理対象物Xを真空加熱炉10とガス冷却炉20との間で水平に移動させる搬送棒32、後扉14を昇降させて開閉する後扉昇降装置33、前扉13を昇降させて開閉する前扉昇降装置34及び後述のガス冷却炉20の中間断熱扉21aを昇降させて開閉する中間扉昇降装置35を備えて構成されている。なお、本実施形態においては、図示するように、後扉昇降装置33として直動シリンダ、前扉昇降装置34及び中間扉昇降装置35として巻上げ機が用いられているが、その他の駆動機構を後扉昇降装置33、前扉昇降装置34及び中間扉昇降装置35として用いても良い。また、搬送棒34は、ラックピニオン駆動により駆動することができるが、その他の駆動方法によって駆動しても良い。
ガス冷却炉20は、加熱処理後の処理対処物Xを加圧した循環ガス2(冷却ガス)によって冷却する機能を有するものである。ここで、図1〜図5を参照してガス冷却炉20の構成を詳細に説明する。なお、図2はガス冷却炉20の拡大断面図であり、図3は図2におけるA−A線断面図である。
図1〜図3に示すように、ガス冷却炉20は、真空容器21、冷却室22、ガス冷却循環装置24、冷却ガス風路切替え装置40及び整流器28を備えて構成されている。
真空容器21は、真空加熱炉10の前扉13に対向して設けられた中間断熱扉21a、処理対象物Xを内部に収容する円筒形の容器胴部21b、ガス冷却循環装置24を腫瘍する循環部21c、気密性を確保できるクラッチリング21e及びクランプ21dを備えて構成されている。このような構成によって、クラッチリング21eを開放し循環部21cを容器胴部21bから図1における右方向に後退させることによって、処理対象物Xを容器胴部21bの内部に直接収容することができる。また、クラッチリング21e及びクランプ21dによって中間断熱扉21aと循環部21cとを容器胴部21bに対して気密性を確保した状態で連結し、その後、循環ガス2としてアルゴン、ヘリウム、窒素等の冷却ガスを内部に加圧供給することによって、加圧ガスを処理対象物Xの冷却処理に用いることができる。
冷却室22は、真空加熱炉10に隣接して容器胴部21bの中央部に設けられる。冷却室22の真空加熱炉側は中間断熱扉21aによって仕切られており、ガス冷却循環装置24側と両側側面は、気密性を有する断熱壁22a,22bによって仕切られている。また、冷却室22の上下端は開口しており、その内側に上下方向に断面一定のガス流路を形成している。そして、この冷却室22の内部が冷却領域とされている。処理対象物Xは、例えばジェットエンジンの動翼や静翼、あるいはボルト等の小型金属部品であり、トレーやバスケット内に収容された状態で、冷却室22中央の通気性が確保された載置台23上に静置される。
載置台23は真空加熱炉10の載置台15と同一の高さに設置され、自らが有するフリーローラによって処理対象物Xが収容されたトレーやバスケットを水平方向に移動自在に支持する。また、図3に示すように、容器胴部21bと断熱壁22bとの間には、冷却室22の外部領域を上下に分離する水平仕切板22cが設置されている。
ガス冷却循環装置24は、冷却室22に隣接して設置され冷却室22を通過した循環ガス2を吸引して加圧する冷却ファン24aと、当該冷却ファン24aから排出される循環ガス2と間接冷却する熱交換器25とを備えて構成されている。冷却ファン24aは、真空容器21の循環部21cに取り付けられた冷却ファンモータ24bによって回転駆動され、その中央部から循環ガス2を吸引し、外周部から排気する。熱交換器25は、例えば内部が水冷された冷却フィンチューブである。このような構成によって、冷却ファンモータ24bの外周部から排気され、さらに熱交換器25冷却された循環ガス2を冷却室22内において循環させることができる。
整流器28は、冷却室22の上端及び下端を塞いで上下に設けられ、冷却室22を通過する循環ガス2の速度分布を均一化させるものである。
また、本実施形態における多室型熱処理装置1は、冷却室22の上下に冷却室22から流出入する循環ガス2の流れ方向を案内する補助分配機構29を備えており、冷却室22の上下面積が大きい場合であっても、複数箇所に向かう循環ガス2の流れ方向を最適化し、流れの均一化を高めるようになっている。
図4は、図2のB部拡大図である。この図に示すように、本実施形態における多室型熱処理装置1の冷却ガス風路切替え装置40は、固定仕切板42、回転仕切板44及び回転駆動装置46を備えて構成されている。
固定仕切板42は、冷却室22とガス冷却循環装置24との間を仕切り、その間を遮断している。回転仕切板44は、回転駆動装置46によって、固定仕切板42の表面に沿って回転駆動され、本実施形態においては、冷却ファン24aと同軸の回転軸を中心として回転駆動される。回転駆動装置46は、本実施形態においては、ラックとピニオンを備えて構成されており、回転仕切板44を1/2回転させることによって回転仕切板44の上下を逆にすることができる。なお、ラックの直動には、ピニオンでなく、例えば回転シリンダ、モータ等の周知の駆動装置を用いても良い。
固定仕切板42の中央部には軸受43aを内蔵する軸受箱43が設けられている。この軸受箱43は、支持フレーム43bによって真空容器21の循環部21cから支持されている。回転仕切板44は、中心に回転軸45が設置されており、この回転軸45が軸受43aによって冷却ファン24aと同軸に支持されている。また、回転軸45の先端部には支持板45aが設置されており、圧縮バネ47が、支持板45aと回転仕切板44との間に圧縮状態で狭持されている。この圧縮バネ47を設置することによって、圧縮バネ47が回転仕切板44を常に固定仕切板42に向けて付勢し、その間の隙間を低減させることができる。
また、固定仕切板42の端面には、シール材48が張付けられており、このシール材48によって回転仕切板44と固定仕切板42との間がシールされている。シール材48としては、例えば摩擦の少ない鉛黄銅、グラファイト等を用いることが好ましく、これらの材料を用いることによって循環ガス2のリークを減少させ、さらに固定仕切板42に対する回転仕切板44の動きを滑らかとすることができる。
図5は、図2におけるC−C線断面図であり、(a)がC−C線断面図、すなわち回転仕切板44の正面図であり、(b)が回転仕切板44を除去した断面図、すなわち固定仕切板42の正面図である。
固定仕切板42は、ほぼ全面を貫通する開口42aを有する。すなわち、本実施形態においては、支持フレーム43bと同位置で半径方向に伸びる細長い放射部42bと、最外周、中央部及び中間部の細いリング状の円形部42cとからなる。なお、図5においては中央の円形部42cに、上述した軸受箱43が取り付けられている。また、開口42aの位置は、図5に示すものに限定されるものではなく、可能な範囲で広く設定することが好ましい。
回転仕切板44は、ガス冷却循環装置24の吸込口と排出口とに部分的に連通する吸引開口44aと排出開口44bとを有する。
そして、冷却室22内において循環ガス2を上方から下方に流す場合には、吸引開口44aが冷却室22の下部のみと連通され、排出開口44bが冷却室22の上部のみと連通される。また、冷却室22内において循環ガス2を下方から上方に流す場合には、吸引開口44aが冷却室22の上部のみと連通され、排出開口44bが冷却室22の下部のみと連通される。
このような構成を有する多室型熱処理装置1によれば、冷却室22とガス冷却循環装置24との間を仕切る固定仕切板42の表面に沿って回転仕切板44を回転駆動するだけで、冷却室22内を通過する循環ガス2の流れ方向を上下自在に変更することができる。
次に、上述の多室型熱処理装置1を用いた本実施形態に係る冷却方法について説明する。
上述のように、本実施形態における多室型熱処理装置1は、回転仕切板44を回転駆動することによって、循環ガス2の流れを上下方向に切り替えることができる。そして、真空加熱炉10において加熱処理された処理対象物Xは、冷却室22内に移送されて、上下方向から循環ガス2を受けることによって冷却される。
図6は、本実施形態に係る冷却方法について説明するための図であり、上段が循環ガス2の流れ方向とその流れ方向に対する流量を時間軸(横軸)上に表したものであり、下段が回転仕切板44の回転位置を時間軸(横軸)上に表したものである。なお、本実施形態においては、ガス冷却循環装置24は、常に一定の駆動をしているものとする。また、図6においては、全ての循環ガス2が冷却室22の上方から下方に流れている状態を+100とし、全ての循環ガス2が冷却室22の下方から上方に流れている状態を−100としている。
この図6に示すように、回転仕切板44の吸引開口44aが冷却室22の下部のみと連通され、排出開口44bが冷却室22の上部のみと連通される状態においては、循環ガス2は、常に+100となり、全ての循環ガス2が冷却室22の上方から下方に向けて流れている。また、回転仕切板44の吸引開口44aが冷却室22の上部のみと連通され、排出開口44bが冷却室22の下部のみと連通される状態においては、循環ガス2は、常に−100となり、全ての循環ガス2が冷却室22の下方から上方に向けて流れている。
このような循環ガス2が+100あるいは−100の場合には、処理対象物Xは、急速に冷却されるものの、その中心部と外層との温度差が大きくなる。
これに対して、回転仕切板44が回転している場合、すなわち、循環ガス2の流れ方向を変える場合には、図6に示すように、回転仕切板44の回転に伴って循環ガス2の流量が徐々に変化する。例えば、循環ガス2の流れ方向を上方からの流れから下方からの流れに変える場合には、循環ガス2が+100から徐々に減少し、0となった後に−100への徐々に変化する。これは、回転仕切板44の回転時には、冷却室22の上方と下方との両側から循環ガス2が流れるため、これらの流れが打ち消しあうことによって流量が減少するためである。
このような場合には、処理対象物Xに吹付けられる循環ガス2の流量が減少する、あるいは、処理対象物Xに循環ガス2が吹付けられない状態となる。このため、処理対象物Xの冷却速度が緩やかとなり、処理対象物Xの中心部の熱量が外層に移動するため、中心部と外層との温度差が小さくなる。
そして、本実施形態に係る冷却方法においては、循環ガス2が+75〜+100,−100〜−75の場合を処理対象物Xが急速に冷却される冷却帯とし、その冷却帯の時間(冷却時間帯)をT1とし、また、循環ガス2が−75〜+75の場合を処理対象物Xが徐々に冷却される冷却緩和帯とし、その冷却緩和帯の時間(冷却緩和時間帯)をT2としている。なお、ここで、循環ガス2が+75〜+100,−100〜−75の場合を冷却帯とし、循環ガス2が−75〜+75の場合を冷却緩和帯としたのは、+75〜+99,−99〜−75の範囲においても、ある程度の流量の循環ガス2が処理対象物Xに吹付けられているため、処理対象物Xの冷却速度がそれほど緩和されないためである。しかしながら、冷却帯及び冷却緩和帯の範囲は、任意のものであり、処理対象物Xの形状等によって自由に変更できる。
ここで、(T1/T2)をKとした場合には、このKの値を変化、すなわち冷却時間帯T1と冷却緩和時間帯T2との相対関係を変化させることによって、処理対象物Xの冷却速度を自由に変更することができる。より詳しくは、Kの値を大きくする、すなわち冷却時間帯T1を冷却緩和時間帯T2に対して相対的長くすることによって、冷却時間帯T1と冷却緩和時間帯T2とを足した総和時間帯T3における処理対象物Xの冷却速度を速めることができる。また、Kの値を小さくする、すなわち冷却時間帯T1を冷却時間帯T2に対して相対的に短くすることによって、総和時間帯T3における処理対象物Xの冷却速度を遅くすることができる。
なお、冷却時間帯T1を冷却緩和時間帯T2に対して相対的に長くする場合には、冷却時間帯T1を長くする場合と、冷却緩和時間帯T2を短くする場合とが考えられる。具体的に冷却時間帯T1を長くするためには、回転仕切板44の吸引開口44aが冷却室22の下部のみと連通され、排出開口44bが冷却室22の上部のみと連通される状態、及び、回転仕切板44の吸引開口44aが冷却室22の上部のみと連通され、排出開口44bが冷却室22の下部のみと連通される状態を長く維持することによって実現することができる。これに対して、冷却緩和時間帯T2を短くするためには、回転仕切板44の回転速度を速くすることによって実現できる。
また、冷却時間帯T1を冷却緩和時間帯T2に対して相対的に短くする場合には、冷却時間帯T1を短くする場合と、冷却緩和時間帯T2を長くする場合とが考えられる。具体的に冷却時間帯T1を短くするためには、回転仕切板44の吸引開口44aが冷却室22の下部のみと連通され、排出開口44bが冷却室22の上部のみと連通される状態、及び、回転仕切板44の吸引開口44aが冷却室22の上部のみと連通され、排出開口44bが冷却室22の下部のみと連通される状態を短くすることによって実現することができる。これに対して、冷却緩和時間帯T2を長くするためには、回転仕切板44の回転速度を遅くすることによって実現できる。
例えば、処理対象物Xとして、700度近傍にパーライト変態域を有し、300度近傍にベーナイト変態域を有する金属材料を用いた場合には、これらの変態域においては、処理対象物Xを急速冷却することが望まれる。このため、これらの変態域においては、上述のKの値を大きくすることによって処理対象物Xを急速冷却し、変態域以外では、Kの値を小さくすることによって処理対象物Xを緩やかに冷却することが好ましい。このように、変態域においてKの値を大きくし、変態域以外でKの値を小さくすることによって、変態域においては処理対象物Xの変態を抑止でき、変態域以外においては中心部と外層との温度差に起因する処理対象物Xの歪み等の発生を抑止することが可能となる。
また、本実施形態に係る冷却方法においては、1回の冷却時間帯T1及び冷却緩和時間帯T2によって、処理対象物Xを一気に目標温度まで冷却するのではなく、複数回の冷却時間帯T1及び冷却緩和時間帯T2によって、処理対象物Xを目標温度まで冷却することが好ましい。例えば、1回の冷却時間帯T1及び冷却緩和時間帯T2によって、処理対象物Xを一気に目標温度まで冷却すると、循環ガス2が処理対象物Xの一方側のみ長時間吹付けられることとなるため、処理対象物Xの一方側の温度と他方側の温度とに差が生じ、処理対象物Xが歪む原因となる。このため、処理対象物Xの一方側と他方側とに交互に繰り返しで循環ガス2が吹付けられるように、すなわち、複数回の冷却時間帯T1及び冷却緩和時間帯T2に分けて処理対象物Xを目標温度まで冷却することが好ましい。これによって、処理対象物Xの一方側の温度と他方側の温度とに大きな差が生じ難くなり、処理対象物X全体を均一に冷却することが可能となる。なお、ここで言う目標温度とは、冷却処理が終了した場合の処理対象物Xの温度とは異なり、冷却時間帯T1と冷却緩和時間帯T2とが同じ相対関係を維持した状態での冷却が終了した場合の処理対象物Xの温度であり、最終的に処理対象物Xの冷却処理が終了するまでの間に複数設定されるものである。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る冷却方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、処理対象物Xに対して上下方向から循環ガス2を吹付けることによって、処理対象物Xを冷却処理した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、冷却室22の外部領域を上下左右の4領域に分割し、さらに、回転仕切板44を90度づつ回転させることによって、処理対象物Xの上下左右方向から循環ガス2を吹付けて冷却処理しても良い。
また、上記実施形態においては、回転仕切板44を有する冷却ガス風路切替え装置40を用いて循環ガス2の風路を変更した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ガス冷却炉20内に複数のダンパ装置を配置し、このダンパ装置を用いて循環ガス2の風路を変更しても良い。
また、上記実施形態に加え、循環ガス2全体の流量を変化させたり、循環ガス2の風圧を変化させることによって、効率的な処理対象物Xの冷却処理を行っても良い。
本発明の一実施形態に係る冷却方法を行うための多室型熱処理装置の概略構成図である。 ガス冷却炉20の拡大断面図である。 図2におけるA−A線断面図である。 図1におけるB部拡大図である。 図2におけるC−C線断面図である。 本発明の一実施形態に係る冷却方法について説明するための図である。
符号の説明
1……多室型熱処理装置
2……循環ガス(冷却ガス)
X……処理対象物
T1……冷却時間帯
T2……冷却緩和時間帯



Claims (5)

  1. 加熱処理後の処理対象物を冷却ガスによって冷却処理する冷却方法であって、
    前記処理対象物の所定部位に所定流量の冷却ガスを吹付ける冷却時間帯と、前記処理対象物の前記所定部位に前記所定流量以下の流量の前記冷却ガスを吹付けるあるいは前記冷却ガスの吹付けを停止する冷却緩和時間帯とを設け、冷却処理中に前記冷却時間帯と前記冷却緩和時間帯との相対関係を変化させることによって前記処理対象物の前記所定部位の冷却速度を変化させることを特徴とする冷却方法。
  2. 前記処理対象物の前記所定部位を急速冷却する場合には、前記冷却時間帯を前記冷却緩和時間帯に対して相対的に長くし、
    前記処理対象物の前記所定部位を前記急速冷却より遅く冷却する場合には、前記冷却時間帯を前記冷却緩和時間帯に対して相対的に短くすることを特徴とする請求項1記載の冷却方法。
  3. 前記冷却時間帯及び前記冷却緩和時間帯とを繰り返すことによって、前記処理対象物の前記所定部位を目標温度にまで冷却することを特徴とする請求項1または2記載の冷却方法。
  4. 前記処理対象物のパーライト変態域及びベーナイト変態域において前記処理対象物を急速冷却することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の冷却方法。
  5. 前記処理対象物の前記所定部位と他の部位とを繰り返し、請求項1〜4いずれかに記載の冷却方法を用いて冷却することによって、前記処理対象物全体を均一に冷却することを特徴とする冷却方法。


JP2004051567A 2004-02-26 2004-02-26 ガス冷却炉 Expired - Fee Related JP4779303B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004051567A JP4779303B2 (ja) 2004-02-26 2004-02-26 ガス冷却炉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004051567A JP4779303B2 (ja) 2004-02-26 2004-02-26 ガス冷却炉

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005240104A true JP2005240104A (ja) 2005-09-08
JP4779303B2 JP4779303B2 (ja) 2011-09-28

Family

ID=35022142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004051567A Expired - Fee Related JP4779303B2 (ja) 2004-02-26 2004-02-26 ガス冷却炉

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4779303B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009515133A (ja) * 2005-11-08 2009-04-09 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 半製品の材料組織を乾燥状態で変態させるための装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62188718A (ja) * 1986-02-14 1987-08-18 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 冷却装置
JPS6335740A (ja) * 1986-07-30 1988-02-16 Daido Steel Co Ltd ガス冷却方法
JPH04280916A (ja) * 1991-03-08 1992-10-06 Daido Steel Co Ltd 真空熱処理炉
JPH08157942A (ja) * 1994-11-30 1996-06-18 Shimadzu Corp 急速冷却炉
JPH09291316A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Kawasaki Steel Corp 金属帯のガスジェット冷却装置
JPH1081913A (ja) * 1996-09-06 1998-03-31 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ガス冷却による等温焼き入れ装置
JP2002294341A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Honda Motor Co Ltd 熱処理に用いられる冷却装置及びこれを備える熱処理装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62188718A (ja) * 1986-02-14 1987-08-18 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 冷却装置
JPS6335740A (ja) * 1986-07-30 1988-02-16 Daido Steel Co Ltd ガス冷却方法
JPH04280916A (ja) * 1991-03-08 1992-10-06 Daido Steel Co Ltd 真空熱処理炉
JPH08157942A (ja) * 1994-11-30 1996-06-18 Shimadzu Corp 急速冷却炉
JPH09291316A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Kawasaki Steel Corp 金属帯のガスジェット冷却装置
JPH1081913A (ja) * 1996-09-06 1998-03-31 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ガス冷却による等温焼き入れ装置
JP2002294341A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Honda Motor Co Ltd 熱処理に用いられる冷却装置及びこれを備える熱処理装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009515133A (ja) * 2005-11-08 2009-04-09 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 半製品の材料組織を乾燥状態で変態させるための装置
JP4861425B2 (ja) * 2005-11-08 2012-01-25 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 半製品の材料組織を乾燥状態で変態させるための装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4779303B2 (ja) 2011-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6723751B2 (ja) ギア、シャフト、リングおよび類似のワークピースの真空浸炭および焼入れのための多チャンバ炉
JP4428268B2 (ja) 熱処理炉
JP4645592B2 (ja) 2室型熱処理炉
EP2116802B1 (en) Gas cooling type vacuum heat treating furnace and cooling gas direction switching device
JP4280981B2 (ja) 真空熱処理炉の冷却ガス風路切替え装置
ES2784249T3 (es) Dispositivo para el endurecimiento por temple individual de componentes de equipo técnico
US7377774B2 (en) Change-over apparatus for cooling gas passages in vacuum heat treating furnace
KR20080066751A (ko) 탄소강에 베이나이트 조직을 연속적으로 형성하기 위한 방법 및 장치
JP2007084870A (ja) 浸炭処理装置及び方法
JP2005009702A (ja) 多室型真空熱処理装置
JP5374897B2 (ja) 熱処理システム
JP4441903B2 (ja) 高速循環ガス冷却式真空熱処理炉
KR20200029360A (ko) 열처리 장치 및 열처리 방법
KR101270734B1 (ko) 등온 냉각 장치
JP4779303B2 (ja) ガス冷却炉
US20170254592A1 (en) Thermal treatment device
JP2010016285A (ja) 熱処理装置
JP2009287085A (ja) 熱処理装置および熱処理方法
JP5770042B2 (ja) 熱処理装置
KR101431624B1 (ko) 냉각장치 및 이를 포함하는 열처리 장치
JP2020041737A (ja) 熱処理装置
JPS63149314A (ja) 熱処理炉
JP2004085126A (ja) 真空熱処理炉
JP7286843B2 (ja) 熱処理装置
JP4808471B2 (ja) 真空熱処理炉

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100413

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110620

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4779303

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees