JP2005239854A - 改質フッ素化スルホン酸ポリマー - Google Patents

改質フッ素化スルホン酸ポリマー Download PDF

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Abstract

【課題】 耐酸化性に優れたフッ素化スルホン酸ポリマーを提供する。
【解決手段】 スルホン酸基の一部が塩を形成しているフッ素化スルホン酸ポリマーであって、
1)スルホン酸基中の塩の割合が1〜20モル%であり、
2)該塩が第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩であって、
3)該第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩には、芳香族環、2重結合を有する複素環、炭素−炭素多重結合、炭素−窒素多重結合、炭素−硫黄多重結合、窒素−リン多重結合、および2価または4価の硫黄原子から選ばれる少なくとも1種を含む基を有する改質フッ素化スルホン酸ポリマー。
【選択図】 選択図なし。

Description

本発明は、耐酸化性に優れた改質フッ素化スルホン酸ポリマーに関する。詳しくは、固体高分子型燃料電池用の高分子固体電解質として好適に用いることのできる改質フッ素化スルホン酸ポリマーに関する。
近年、電解質として固体高分子隔膜を用いた燃料電池が、小型軽量化が可能であり、かつ、比較的低温でも高い出力密度が得られることから注目され、開発が加速されている。
このような目的に用いられる固体高分子材料には、優れたプロトン伝導度、適度な保水性、水素ガス、酸素ガス等に対するガスバリア性等が要求される。このような要件を満たす材料として、スルホン酸基、ホスホン酸基等を有する高分子が種々検討され、多くの材料が提案されてきている(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、実際の燃料電池運転条件下では、電極において高い酸化力を有する活性酸素種が発生し、特に、長期にわたり燃料電池を安定に運転させるためには、このような過酷な酸化雰囲気下での耐久性が要求される。現在までに提案されている多くの炭化水素系材料は、燃料電池の運転の初期特性に関しては優れた特性を示すものも報告されているが、耐酸化性に問題がある。
このため、現在、実用化に向けた検討としては、下記一般式(1):
Figure 2005239854
(式中、k/l=2〜10、m=2、n=0,1)
で表されるパーフルオロスルホン酸ポリマーが主に採用されている。
このポリマーは、下記一般式(2):
Figure 2005239854
(式中、m、nは一般式(1)と同じ)
で表されるパーフルオロビニルエーテルモノマーと、テトラフルオロエチレン(TFE)との共重合体を製膜した後、加水分解反応を施すことによって得られる。
加水分解反応には、通常、側鎖末端が−SOF型であるポリマーを溶融成型等によりフィルムに成型し、このフィルムをNaOH、KOH等のアルカリによりスルホン酸塩型に変換後、さらに塩酸等の酸により−SOH型に変換するという手段が用いられている。
ところが最近、このようなパーフルオロスルホン酸ポリマー膜でさえ、燃料電池のような過酷な運転条件下では次第に分解し、運転中の排水中にフッ化物イオンを溶出していることがわかり、問題になりつつある。
O. Savadogo、 Jounal of New Materials for Electrochemical Systems I、 47−66(1998)
本発明は、耐酸化性に優れたフッ素化スルホン酸ポリマーを提供することを目的とするものである。さらに詳しくは、固体高分子型燃料電池用の膜または触媒バインダーとして用いたときに、運転中の分解が少なく、長期間安定して使用できるフッ素化スルホン酸ポリマーを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討を行った結果、特定の条件を満たすフッ素化スルホン酸ポリマーによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1) スルホン酸基の一部が塩を形成しているフッ素化スルホン酸ポリマーであって、
1)スルホン酸基中の塩の割合が1〜20モル%であり、
2)該塩が第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩であって、
3)該第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩には、芳香族環、2重結合を有する複素環、炭素−炭素多重結合、炭素−窒素多重結合、炭素−硫黄多重結合、窒素−リン多重結合、および2価または4価の硫黄原子から選ばれる少なくとも1種を含む基を有する改質フッ素化スルホン酸ポリマー。
(2) 第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩を構成する置換または無置換の有機基中の、水素原子以外の原子数の合計が6個以上、80個以下である(1)に記載の改質フッ素化スルホン酸ポリマー。
(3) スルホン酸基の一部が塩を形成しているフッ素化スルホン酸ポリマーの母体となるフッ素化スルホン酸ポリマーが、パーフルオロスルホン酸ポリマーである(1)または(2)に記載の改質フッ素化スルホン酸ポリマー。
(4) (1)〜(3)のいずれか1つに記載の改質フッ素化スルホン酸ポリマーが、少なくとも膜または触媒バインダーの一方に用いられていることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜/電極接合体。
本発明のフッ素化スルホン酸ポリマーは、耐酸化性に優れているため、固体高分子型燃料電池用の膜または触媒バインダーとして用いた場合に、運転中の分解が極めて少ないことから、燃料電池用材料として長期間安定して用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のフッ素化スルホン酸ポリマーは耐酸化性に優れたポリマーであり、スルホン酸基の一部を、特定の構造の第4級アンモニウム塩またはホスホニウム塩とすることにより、耐酸化性を付与させたものである。また、イオン結合であるため、保持させるための処理が極めて容易でありながら、一旦塩を形成した後は優れた保持性を有し、耐酸化性を長期間発揮しつづけることができる。
本発明の、スルホン酸基の一部が塩を形成しているフッ素化スルホン酸ポリマーにおいて、スルホン酸基中の塩の割合は、少なすぎれば酸化防止効果が発揮できず、多すぎればプロトン伝導性が低下するため、1〜20モル%であり、好ましくは2〜15モル%、より好ましくは3〜10モル%である。
例えば、スルホン酸基の20モル%に対して第4級塩を保持させた後、酸洗浄および水洗浄を交互に繰り返し、保持量が減らなくなったときの量を保持率として表すと、保持率は好ましくは10%以上であり、より好ましくは25%以上であり、最も好ましくは50%以上である。
スルホン酸基中の塩の割合の求める方法は以下のとおりである。スルホン酸基に対して一定量の第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩を、塗布等の方法で保持させた標準膜を作成してそのIRスペクトルを測定する。そのスペクトルから、該第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩特有の吸収ピークの吸収強度を求め、未知の割合の膜の場合には、標準膜とのそのピークの吸収強度比より求めることができる。
本発明に使用される上記の第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩は、少なくとも芳香族環、2重結合を有する複素環、炭素−炭素多重結合、炭素−窒素多重結合、炭素−硫黄多重結合、窒素−リン多重結合、2価または4価の硫黄原子から選ばれる少なくとも1種を含む基を有する。
上記の多重結合は、2重結合または3重結合であり、2重結合が好ましい。硫黄原子の場合は2価が好ましい。また上記の中で、芳香族環または2重結合を有する複素環が好ましい。第4級アンモニウム塩および第4級ホスホニウム塩の中では、高温での安定性に優れる点から第4級ホスホニウム塩が好ましい。
さらに、本発明のポリマーにおいて、第4級アンモニウム基または第4級ホスホニウム基は、一般にかさ高い方がスルホン酸ポリマーへの保持性が高いので好ましい。具体的には、第4級アンモニウム基または第4級ホスホニウム基を構成する置換または無置換の有機基中の、水素原子以外の原子数の合計は6個以上が好ましく、より好ましくは8個以上、さらに好ましくは10個以上、さらにより好ましくは15個以上、最も好ましくは20個以上である。一方、上記原子数の合計が多すぎると、質量比で表される添加量が多くなり、プロトン伝導度を低下させるので、上限は好ましくは80個であり、より好ましくは60個である。
以下に本発明で好ましく用いられる第4級アンモニウム基または第4級ホスホニウム基を例示する。
Figure 2005239854
Figure 2005239854
Figure 2005239854
Figure 2005239854
スルホン酸基の一部が塩を形成しているフッ素化スルホン酸ポリマーの母体となるフッ素化スルホン酸ポリマーは、フッ素を含むスルホン酸ポリマーであればいかなる構造でもよいが、好ましくはパーフルオロポリマーであり、より好ましくは下記一般式(3):
Figure 2005239854
(式中、m=2〜10の整数、n=0,1の整数)
で表されるモノマー単位を含むスルホン酸ポリマーである。
一般式(3)で表されるモノマー単位を含むスルホン酸ポリマーは、該モノマー単位からなるホモポリマーでもよいが、一般的には1種または2種以上の他のビニルモノマーとのコポリマーである。コポリマーの場合、他のコモノマーとしてはフッ素化ビニルモノマーが好ましく、パーフルオロビニルモノマーがより好ましい。具体的には、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロエチレン等が挙げられ、TFEおよびCTFEが好ましく、TFEがより好ましい。また一般式(3)において、m=2〜8が好ましく、m=2〜6がより好ましく、m=2〜4が最も好ましい。高温での機械的強度が高くなるので、n=0が好ましい。
母体のフッ素化スルホン酸ポリマーにおいて、当量重量(EW)で表されるイオン交換容量は、好ましくは1500g/当量以下、より好ましくは1200g/当量以下、最も好ましくは1000g/当量以下であり、また好ましくは500g/当量以上、より好ましくは600g/当量以上、最も好ましくは700g/当量以上である。
本発明のフッ素化スルホン酸ポリマーを固体高分子型燃料電池用の材料として用いる場合、一般的には膜および/または触媒バインダーとして用いられる。
本発明のフッ素化スルホン酸ポリマーを膜として用いる場合、その膜厚は5〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましく、20〜100μmが最も好ましい。膜厚が200μmを越えると、燃料電池用膜として用いた場合に電気抵抗が高くなり、燃料電池の性能が低下する場合がある。膜厚が5μm未満の場合、膜の強度が小さく、燃料電池用膜として用いた場合に燃料ガスの透過量が多くなり、性能が低下する場合がある。
本発明の改質フッ素化スルホン酸ポリマーは、フッ素化スルホン酸ポリマーと、本発明に用いられる第4級アンモニウムまたは第4級ホスホニウム化合物の、塩化物、臭化物、水酸化物等とを接触させることによって製造することができる。
例えば、本発明のフッ素化スルホン酸ポリマーを膜として用いる場合、以下の方法で製造することができる。
(1)酸型のフッ素化スルホン酸ポリマー膜を、第4級アンモニウムまたは第4級ホスホニウム化合物の塩化物、臭化物、水酸化物などの溶液に浸漬する方法。
(2)酸型のフッ素化スルホン酸ポリマー膜に、第4級アンモニウムまたは第4級ホスホニウム化合物の塩化物、臭化物、水酸化物などの溶液をスプレー等の方法で塗布する方法。
(3)スルホン酸型のポリマーの溶液または分散液に所定量の第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩を加え、キャスト法により成膜する方法。得られた膜は水洗すればよい。
本発明のフッ素化スルホン酸ポリマーを触媒バインダーとして用いる場合、(3)の方法で得られたキャスト前の溶液または分散液をそのまま用いることができる。
本発明のフッ素化スルホン酸ポリマーを用いた固体高分子型燃料電池用膜/電極接合体(以下、MEA、と略記する)について説明する。このMEAは、電解質となる膜と、この膜に接合されるガス拡散電極とで構成される。本発明のフッ素化スルホン酸ポリマーは単独で膜として用いることができるが、適当な補強材を用いてもよく、ポリテトラフルオロエチレン等の多孔質膜に本発明のフッ素化スルホン酸ポリマーをドープしたものを膜として用いてもよい。
ガス拡散電極は、触媒金属を担持した導電材と触媒バインダーとからなり、必要により撥水剤が含まれている。本発明のフッ素化スルホン酸ポリマーを、この触媒バインダーに用いることができる。
触媒金属としては、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、それらの合金等が用いられるが、多くの場合、白金またはその合金が用いられる。触媒の担持量は、電極が形成された状態で0.01〜10mg/cm程度である。導電材としては、各種金属や各種炭素材料が用いられ、カーボンブラック、グラファイト等が好ましい。
本発明のフッ素化スルホン酸ポリマーは、膜および触媒バインダーのいずれかまたは両方に、単独のポリマーまたはポリマー混合物として用いられる。
膜とガス拡散電極との接合は、加圧、加温できる装置を用いて実施される。一般的には、例えば、ホットプレス機、ロールプレス機等により行われる。その際のプレス温度は、膜のガラス転移温度以上であればよく、一般的には130〜250℃である。プレス圧力は、使用するガス拡散電極の固さに依存するが、通常5〜200kg/cm、好ましくは20〜100kg/cmである。
以上のように形成されたMEAは、燃料電池として組み込まれる。本発明のMEAを用いた燃料電池は、高い温度で作動させる方が、電極の触媒活性が上がり、電極過電圧が低下するために好ましい。一方、膜は水分がないと機能しないため、水分管理が可能な温度で作動させる必要があるので、あまり高温では燃料電池の運転が困難になる。したがって、燃料電池の作動温度の好ましい範囲は室温〜150℃であり、好ましくは室温〜120℃、より好ましくは室温〜100℃である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
[実施例1]
一般式(1)において、n=0、m=2であるフッ素化スルホン酸ポリマーからなる、膜厚50μm、寸法3.2cm×3.2cm(0.1g)の膜に、スルホン酸基中の塩の割合が20モル%となるように、5.66wt%(CPBr/メタノール溶液0.2mlを膜全面に塗布し、風乾した。この膜のIRスペクトルを測定した結果、1589cm−1に(CPBrのフェニル基のピークを確認した。
この膜を3N−HSO水溶液で60℃、30分洗浄した後、水で1時間洗浄した。同様に、酸、水洗浄を数回繰り返し、乾燥した膜のIRスペクトル測定を行ったところ、その吸収強度から求められる保持率は94%であった。
次に、スルホン酸基中の塩の割合が5モル%となるように、2.8wt%(CPBr/メタノール溶液0.1mlを用いた以外、上記と同様に塗布、洗浄を行なった。この膜について上記と同様に酸、水洗浄を数回繰り返し、乾燥した膜のIRスペクトルを測定したが、保持量は減少していなかった。また、この膜の室温でのプロトン伝導度は0.100S/cmであった。
(熱分解試験)
上記5モル%置換膜を3cm×3cmに切り出し、内径5mm、長さ5cmのSUS製試料管に入れ、両端にそれぞれSUSおよびPTFEの配管を接続した。試料管全体を200℃のオーブンに入れ、SUS配管を通じて空気を20ml/分で流した。この際、配管の途中で80℃に加温した水のバブラーを通すことにより空気を加湿した。出口側のPTFE配管は、8mlの希NaOH水溶液(6×10−3N)に導入し、分解物を1時間ずつ、8時間にわたり捕集を続けた。
各1時間毎の捕集液について、イオンクロマトを測定したところフッ化物イオン濃度は、4時間目以降はほぼ一定していた。4時間目以降のフッ化物イオンの生成量は一時間あたりで、ポリマー質量に対して0.017質量%であった。
[実施例2]
(CPBrの代わりに下記式(4):
Figure 2005239854
の化合物の2wt%水溶液0.2mlを用いた以外、実施例1と同様に20モル%置換膜を作成した。この膜のIRスペクトルを測定したところ、1575cm−1に式(4)で示す化合物由来のピークを確認した。
この膜を実施例1と同様に、酸、水洗浄を数回繰り返し、乾燥した膜のIRスペクトル測定を行ったところ、その吸収強度から求められる保持率は25%であり、置換量は5モル%であった。また、この洗浄後の膜のプロトン伝導度は0.087S/cmであった。
上記膜を3cm×3cmに切り出し、実施例1と同様に熱分解試験を行なった。その結果、4時間目以降のフッ化物イオンの生成量はほぼ一定しており、4時間目以降のフッ化物イオンの生成量は一時間あたりで、ポリマー質量に対して0.013質量%であった。
[実施例3]
(CPBrの代わりに下記式(5):
Figure 2005239854
の化合物の0.63t%メタノール溶液0.42mlを用いた以外、実施例1と同様に処理を行い、2モル%置換膜を作成した。この膜のIRスペクトルを測定したところ、式(5)で示す化合物由来のピークを確認した。
この膜を実施例1と同様に、酸、水洗浄を数回繰り返し、乾燥した膜のIRスペクトル測定を行ったところ、その吸収強度から求められる保持率は100%であった。また、この洗浄後の膜のプロトン伝導度は0.095S/cmであった。
上記膜を3cm×3cmに切り出し、実施例1と同様に熱分解試験を行なった。その結果、4時間目以降のフッ化物イオンの生成量はほぼ一定しており、4時間目以降のフッ化物イオンの生成量は一時間あたりで、ポリマー質量に対して0.018質量%であった。
[比較例1]
一般式(1)において、n=0、m=2であるフッ素化スルホン酸ポリマーからなる、膜厚50μm、EW740の膜を3cm×3cmに切り出し、実施例1と同様に熱分解試験を行なった。その結果、フッ化物イオンの生成量はほぼ一定しており、1時間あたりのフッ化物イオンの生成量は、ポリマー質量に対して0.037質量%であった。
[比較例2]
(CPBrの代わりにN[(CHCH]Brの7.4wt%水溶液0.2mlを用いた以外、実施例1と同様に20モル%置換膜を作成した。この膜のIRスペクトルを測定し、2963cm−1および2864cm−1にアンモニウム塩由来のピークを確認した。この膜を実施例1と同様に酸、水洗浄を数回繰り返し、乾燥した膜のIRスペクトル測定を行ったところ、その吸収強度から求められる保持率は74.5%であった。
次に、スルホン酸基中の塩の割合が5モル%となるように、N[(CHCH]Brの3.7wt%水溶液0.1mlを用い、同様に5モル%置換膜を作成した。この膜について上記と同様に酸、水洗浄を数回繰り返し、乾燥した膜のIRスペクトルを測定したが、保持量は減少していなかった。また、この膜の室温でのプロトン伝導度は0.081S/cmであった。
上記膜を3cm×3cmに切り出し、実施例1と同様に熱分解試験を行なった。その結果、フッ化物イオンの生成量はほぼ一定しており、一時間あたりのフッ化物イオンの生成量は、ポリマー質量に対して0.037質量%であった。
[比較例3]
(CPBrの代わりにP(CHBrの2.3wt%水溶液0.2mlを用いた以外、実施例1と同様に20モル%置換膜を作成した。この膜のIRスペクトルを測定し、3011cm−1および2930cm−1にホスホニウム塩由来のピークを確認した。この膜を実施例1と同様に酸、水洗浄を数回繰り返し、乾燥した膜のIRスペクトル測定を行ったところ、その吸収強度から求められる保持率は7.6%であった。
[実施例4]
米国DE NORA NORTH AMERICA社製ガス拡散電極ELAT(登録商標)(Pt担持量0.4mg/cm)に、一般式(1)において、n=1、m=2であるフッ素化スルホン酸ポリマー(EW910)の、5質量%水−エタノール(1:1、質量比)溶液を、ポリマー担持量0.8mg/cmとなるように塗布し、140℃で乾燥し、ガス拡散電極とした。
2枚のガス拡散電極を向かい合わせ、その間に実施例1と同様に作成した(CPの5モル%置換膜をはさみ、160℃、圧力50kg/cmでホットプレスすることによりMEAを作製した。
集電体として厚さ約400μmのカーボンクロスを用い、MEAと集電体とを積層し、燃料電池単セル評価装置に組み込んだ。燃料に水素ガス、酸化剤に空気を用い、常圧、セル温度80℃で単セル特性試験を行った。水素ガスは45℃、空気は55℃で加湿をおこない、セルへ供給した。その結果、0.5、1.0A/cmの電流密度でセルの出力電圧を確認し、発電されていることが確認された。
本発明のフッ素化スルホン酸ポリマーは、運転中の酸化分解が少なく、固体高分子型燃料電池用膜および/または触媒バインダーとして長期間安定して使用できる。

Claims (4)

  1. スルホン酸基の一部が塩を形成しているフッ素化スルホン酸ポリマーであって、
    1)スルホン酸基中の塩の割合が1〜20モル%であり、
    2)該塩が第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩であって、
    3)該第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩には、芳香族環、2重結合を有する複素環、炭素−炭素多重結合、炭素−窒素多重結合、炭素−硫黄多重結合、窒素−リン多重結合、および2価または4価の硫黄原子から選ばれる少なくとも1種を含む基を有する改質フッ素化スルホン酸ポリマー。
  2. 第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩を構成する置換または無置換の有機基中の、水素原子以外の原子数の合計が6個以上、80個以下である請求項1記載の改質フッ素化スルホン酸ポリマー。
  3. スルホン酸基の一部が塩を形成しているフッ素化スルホン酸ポリマーの母体となるフッ素化スルホン酸ポリマーが、パーフルオロスルホン酸ポリマーである請求項1または2記載の改質フッ素化スルホン酸ポリマー。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の改質フッ素化スルホン酸ポリマーが、少なくとも膜または触媒バインダーの一方に用いられていることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜/電極接合体。
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