JP2005239840A - 内燃機関用潤滑油基油およびそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

内燃機関用潤滑油基油およびそれを含有する潤滑油組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 粘度指数向上剤を添加した場合に高粘度指数を有し、かつせん断安定性に優れた内燃機関用潤滑油の基油および該基油を含む内燃機関用潤滑油組成物を提供すること。
【解決手段】 2〜4価のネオペンチルポリオールおよび該ネオペンチルポリオールにエチレンオキサイドを1〜4モルの割合で付加して得られるネオペンチルポリオールエチレンオキサイド付加物からなる群より選択される少なくとも1種と、炭素数が4〜12の脂肪酸とから得られる脂肪酸エステルからなる内燃機関用潤滑油基油。上記脂肪酸エステルの全酸価は0.3mgKOH/g以下であり、水酸基価は30mgKOH/g以下であり、かつ該脂肪酸エステル中の50質量%以上の脂肪酸エステルは、1分子中に、脂肪酸に由来する炭素の数を合計で10〜22有している。
【選択図】 なし

Description

本発明は、せん断安定性に優れ、かつ粘度指数向上剤の添加効果に優れた内燃機関用潤滑油の基油およびそれを含有する潤滑油組成物に関する。
内燃機関、自動変速機などに用いられる潤滑油は、低温から高温までの幅広い温度範囲において、粘度の変化が小さいことが求められる。特に、摺動部は高温になるため、上記潤滑油は、温度変化が大きい条件下に曝されることになる。このような条件下において使用される潤滑油は、潤滑性を維持するために、高温条件下で粘度が下がりにくく(粘度指数が高く)、かつ長時間使用しても粘度が下がりにくい(せん断安定性が高い)ことが必要である。
粘度指数を高くするための技術、すなわち温度変化に対する動粘度特性の改善技術については、従来から様々な方法が検討されている。例えば、潤滑油の基油自身の粘度指数を高める方法、各種の粘度指数向上剤を添加して潤滑油の粘度指数を高める方法、およびこれらを組み合わせる方法が挙げられる。
粘度指数向上剤は、ポリメタクリレート、ポリオレフィンコポリマーなどの高分子量の化合物から構成されており、温度変化により溶存状態が変化することによって、潤滑油の粘度指数を高めることができる。このような粘度指数向上剤については従来から様々な検討が行われており、例えば、特許文献1では、アルキルメタクリレートと、共役ジエン、アセチレン、置換アセチレン、アルキルビニルエーテル、およびアルキルアリルエーテル等との共重合体が使用されている。
しかし、このような粘度指数向上剤を含有する潤滑油は、内燃機関、自動変速機などの高温で、かつ長期間にわたり高せん断力を受ける条件下で使用すると、粘度指数向上剤が分解するなどの原因で、初期の性能を長期間に渡って保持することが難しく、潤滑油のせん断安定性が不十分となる。そこで、上記のような苛酷な条件下においても、せん断安定性に優れた潤滑油組成物が望まれている。
特許第2928919号公報
本発明の目的は、せん断安定性に優れた内燃機関用潤滑油の基油、特に粘度指数向上剤を添加した場合に、高温でかつ高せん断力を受ける条件下においても、初期の粘度指数を保持する効果が高く、その結果、低燃費を維持し得る内燃機関用潤滑油の基油を提供することにある。本発明の他の目的は、該基油を含む内燃機関用潤滑油組成物を提供することにある。
本発明者らは、特定の脂肪酸エステルを内燃機関用潤滑油基油として使用することによって、せん断安定性が良好で、かつ粘度指数向上剤の添加効果が高い潤滑油が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明の内燃機関用潤滑油基油は、2〜4価のネオペンチルポリオールおよび該ネオペンチルポリオールにエチレンオキサイドを1〜4モルの割合で付加して得られるネオペンチルポリオールエチレンオキサイド付加物からなる群より選択される少なくとも1種と、炭素数が4〜12の脂肪酸とから得られる脂肪酸エステルからなる内燃機関用潤滑油基油であって、該脂肪酸エステルの全酸価が0.3mgKOH/g以下であり、水酸基価が30mgKOH/g以下であり、かつ該脂肪酸エステル中の50質量%以上の脂肪酸エステルが、1分子中に、脂肪酸に由来する炭素の数を合計で10〜22有している。
好ましい実施態様においては、上記ネオペンチルポリオールは、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールからなる群より選択される少なくとも1種である。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、上記内燃機関用潤滑油基油および平均分子量が10万〜70万のポリメタクリレートを含有し、該内燃機関用潤滑油基油100質量部に対して、該ポリメタクリレートが1〜200質量部の割合で含有される。
本発明の内燃機関用潤滑油基油は、粘度指数向上剤を添加した場合に、粘度指数の向上割合が大きく(粘度指数向上剤の添加効果が高い)、高温でかつ高せん断力を受ける条件下においても、初期の粘度指数を保持し、せん断安定性に優れる。そのため、この潤滑油基油を含有する内燃機関用潤滑油組成物は、長期間使用しても潤滑性を維持し、燃費を悪化させない。
本明細書において、「内燃機関用潤滑油基油」とは、内燃機関およびそれに付随する駆動系に用いられる潤滑油の基油である。具体的には、2サイクル、4サイクルなどの内燃機関;マニュアルトランスミッション、オートマティックトランスミッション、パワーステアリングなどの駆動系機器;ディファレンシャルギヤなどに用いられる潤滑油の基油である。
本発明の内燃機関用潤滑油基油は、2〜4価のネオペンチルポリオールおよびそのエチレンオキサイド付加物からなる群より選択される少なくとも1種と、炭素数が4〜12の脂肪酸とから得られる脂肪酸エステルからなる。以下、2〜4価のネオペンチルポリオールおよびそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸、脂肪酸エステル、ならびに内燃機関用潤滑油基油およびそれを含有する潤滑油組成物について順次説明する。
(1)2〜4価のネオペンチルポリオールおよびそのエチレンオキサイド付加物
本発明の内燃機関用潤滑油基油として用いられる脂肪酸エステルの原料の1つは、2価、3価、および4価のネオペンチルポリオールならびに2価、3価、および4価のネオペンチルポリオールのエチレンオキサイド付加物からなる群より選択される少なくとも1種である。
上記2〜4価のネオペンチルポリオールとは、ネオペンチル構造を有する2〜4価のポリオールである。このようなネオペンチルポリオールとしては、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。得られる脂肪酸エステルでなる潤滑油の動粘度および粘度指数などの点から、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが更に好ましい。
上記ネオペンチルポリオールエチレンオキサイド付加物は、上記のネオペンチルポリオールにエチレンオキサイドを1〜4モル、好ましくは1〜2モルの割合で付加して得られる。好ましくは、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物である。付加モル数が4モルを超えると、得られる脂肪酸エステルの耐熱性が悪くなる。
上記2〜4価のネオペンチルポリオールおよびそのエチレンオキサイド付加物は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
(2)脂肪酸
本発明に用いられる脂肪酸は、上述のように、炭素数が4〜12、好ましくは5〜10の脂肪酸である。炭素数が3以下の脂肪酸を使用した場合には、得られるエステルの耐摩耗効果が十分ではない。一方、炭素数が12を超える脂肪酸を使用した場合には、得られるエステルの低温流動性が悪い。脂肪酸は、使用されるネオペンチルポリオールまたはそのエチレンオキサイド付加物の分子中の水酸基の数に応じて、得られる脂肪酸エステルの1分子中に脂肪酸に由来する炭素の数が合計で10〜22となるように、上記炭素数の範囲内で選択すればよい。
上記脂肪酸は、特に制限されず、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、およびこれらの混合物などを用いることができ、さらにこれらの脂肪酸は、直鎖脂肪酸、分岐を有する脂肪酸、またはこれらの混合物であってもよい。飽和脂肪酸としては、例えば、直鎖飽和脂肪酸を50モル%以上含有する飽和脂肪酸、分岐鎖飽和脂肪酸を50モル%以上含有する飽和脂肪酸などが挙げられる。得られる脂肪酸エステルの高温における安定性を有する点、高粘度指数、潤滑油として適切な粘度を有し、粘度指数が高いなどの点から、直鎖飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸は、1種類を単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、ヘプチル酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、およびラウリン酸が挙げられる。
(3)脂肪酸エステル
本発明の内燃機関用潤滑油基油として用いられる脂肪酸エステルは、上記2〜4価のネオペンチルポリオールおよびそのエチレンオキサイド付加物からなる群より選択される少なくとも1種と、脂肪酸とを任意の割合で反応させることによって得られる。好ましくは、該ネオペンチルポリオールおよびその付加物1モルに対して、脂肪酸が2〜6モル程度、より好ましくは2.1〜5モル程度の割合で反応させることにより得られる。
上記脂肪酸エステルは、該脂肪酸エステル中の50質量%以上、好ましくは60質量%以上の脂肪酸エステルが、1分子中に、脂肪酸に由来する炭素の数を合計で10〜22有している。このような組成を有する脂肪酸エステルは、耐摩耗効果および耐熱性を有し、粘度指数が高く、せん断安定性に優れる。1分子中に脂肪酸に由来する炭素の数の合計が10よりも少ない脂肪酸エステルは、耐摩耗効果および耐熱性が劣り、22を超える脂肪酸エステルは、せん断安定性が劣るとともに、高い粘度指数が得られにくい。
上記脂肪酸エステルは、例えば、以下のようにして得られる。2〜4価のネオペンチルポリオールに、該ネオペンチルポリオールの分子中の水酸基の数に応じて、得られる脂肪酸エステルの1分子中に、脂肪酸に由来する炭素の数の合計が10〜22となるように選択された脂肪酸を、それぞれ所定量加え、無触媒またはブレンステッド酸、ルイス酸などの酸性触媒存在下で、必要に応じて共沸溶剤とともに、140〜260℃に昇温して脱水反応を行う。反応終了後、未反応の脂肪酸および反応副生成物を除去する目的で、エステルの精製および分離を行う。例えば、ストリッピング、蒸留、アルカリ水による中和、更に、必要に応じて、アルミナ、マグネシア、活性白土、活性炭、酸性白土、ゼオライト、イオン交換樹脂などを用いた吸着操作、液体クロマトグラフィーなどが行われる。得られた脂肪酸エステルの組成は、例えば、ガスクロマトグラフィー、GC−MASS法などによって調べることができる。このようにして脂肪酸エステルが得られるが、本発明の内燃機関用潤滑油基油に用いられる脂肪酸エステルの製造方法は上記方法に限定されるものではない。
上記脂肪酸エステルの全酸価は、0.3mgKOH/g以下、好ましくは、0.2mgKOH/g以下である。全酸価が0.3mgKOH/gを超える場合には、耐熱性などが劣る。さらに、金属腐食性を有するため、内燃機関用潤滑油基油とした場合に内燃機関の駆動部分を腐食させるおそれがあり、耐摩耗効果も劣る。
上記脂肪酸エステルの水酸基価は、30mgKOH/g以下、好ましくは、20mgKOH/g以下である。水酸基価が30mgKOH/gを超える場合には、耐熱性が劣る。また内燃機関用潤滑油基油とした場合に、粘度指数向上剤などの他の添加剤を添加しても、その効果が得られにくい場合がある。
(4)内燃機関用潤滑油およびそれを含有する潤滑油組成物
本発明の内燃機関用潤滑油基油は、上記脂肪酸エステルから構成される。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、該基油(脂肪酸エステル)および平均分子量が10万〜70万のポリメタクリレートを含有し、さらに必要に応じて、該脂肪酸エステル以外の基油および添加剤を含有する。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物に含有されるポリメタクリレートは、粘度指数向上剤として機能する。このポリメタクリレートの平均分子量は、上述のように、10万〜70万、好ましくは20万〜50万である。平均分子量が10万より小さいポリメタクリレートは、十分な粘度指数向上効果が得られず、また、平均分子量が70万を超えると、得られる潤滑油組成物のせん断安定性が悪くなる。上記特定分子量のポリメタクリレートを含有することによって、粘度指数が高く、かつせん断安定性に優れた潤滑油組成物が得られる。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、上記脂肪酸エステル100質量部に対して、ポリメタクリレートを1質量部〜200質量部、好ましくは2質量部〜100質量部、より好ましくは2.5質量部〜70質量部、さらに好ましくは3質量部〜50質量部含有する。脂肪酸エステル100質量部に対して、ポリメタクリレートが1質量部よりも小さい場合には、十分な粘度指数向上効果が得られず、200質量部よりも大きい場合には、粘度が大きくなり過ぎるとともに、ポリメタクリレートの溶解性が悪くなる。
上記内燃機関用潤滑油組成物に必要に応じて含有される基油としては、鉱油、ポリα―オレフィン、ポリブテン、上記特定の脂肪酸エステル以外の脂肪酸エステルなどが挙げられる。
添加剤としては、酸化防止剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、塩基性金属化合物、摩擦低減剤、耐摩耗剤、極圧剤、さび止め剤、流動点降下剤、消泡剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、および着色剤が挙げられる。これらの添加剤は、潤滑油の性能を向上させるために含有され得る。
酸化防止剤としては、以下の材料が挙げられる:アルキル化ジフェニルアミン(例えば、ジオクチルジフェニルアミン)、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキル化フェニル−α−ナフチルアミンなどのアミン系酸化防止剤;2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)などのフェノール系酸化防止剤;ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、硫化フェノールなどの硫黄系酸化防止剤;ホスファイトなどのリン系酸化防止剤;および亜鉛、モリブデンなどのジアルキルジチオリン酸金属塩。
清浄分散剤としては、以下の材料が挙げられる:カルシウム、マグネシウム、バリウム、ナトリウムなどの金属を含むスルホネート系、フェネ−ト系、サルシネート系、ホスホネート系などの金属系清浄剤;およびアルケニルコハク酸イミド系化合物、アルケニルコハク酸アミド系化合物、アルケニルコハク酸エステル系化合物、アルケニルコハク酸エステル−アミド系化合物、ベンジルアミン系化合物、ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルピロリドンなどの化合物とアルキルメタクリレートとの共重合物などの無灰系分散剤。
粘度指数向上剤としては、上記ポリメタクリレート系化合物以外の粘度指数向上剤が用いられ得る。例えば、オレフィンコポリマー系化合物(ポリイソブチレン系化合物、エチレン−プロピレン共重合体系化合物)、ポリアルキルスチレン系化合物、スチレン−ブタジエン水素添加共重合体系化合物、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体系化合物、星状イソプレン系化合物などが挙げられる。
塩基性金属化合物としては、過塩基性のカルシウム、マグネシウムなどを含むスルホネート系化合物、フェネート系化合物などが挙げられる。
摩擦低減剤としては、以下の化合物あるいは材料が挙げられる:オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸などの高級カルボン酸類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコールなどの高級アルコール類;ひまし油、なたね油などの油脂;メチルオレート、ブチルオレートなどのカルボン酸エステル;牛脂アミンなどのアミン類;およびジチオリン酸モリブデン類、ジチオカルバミン酸などの有機モリブデン化合物。
耐摩耗剤および極圧剤としては、以下の化合物あるいは材料が挙げられる:ジアルキルジチオリン酸亜鉛類、ジチオリン酸モリブデン類、ジチオカルバミン酸モリブデン類などのモリブデン化合物;トリクレジルフォスフェート、ラウリルアシッドフォスフェートなどのリン酸エステル類;トリオレイルフォスファイト、ジラウリルハイドロジェンフォスファイトなどの亜リン酸エステル類;リン酸エステルアミン塩;ジアルキルジサルファイド、硫化油脂、ジアルキルポリサルファイド、硫化オレフィンなどの硫黄化合物;およびクロロパラフィン、塩素化カルボン酸メチルエステルなどの塩素化合物類。
さび止め剤としては、以下の材料が挙げられる:アルキルアミン、カルボン酸アミド、アルキルイミダゾール、アルキルイミダゾリンなどのアミン類;ソルビタンモノオレート、アルケニルコハク酸ハーフエステル、コハク酸テトラプロペニルエステルなどのエステル類;オレイルザルコシンなどのカルボン酸塩類;石油スルフォン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、アルキルベンゼンスルフォン酸のアルカリ土類金属塩、アルキルナフタレンスルフォン酸のアルカリ土類金属塩などのスルフォン酸類;および酸化パラフィン、アルキルポリオキシエチレンエーテル。
流動点降下剤としては、ポリメタクリレート、塩素化パラフィンとアルキルナフタレンとの縮合物、ポリブテン、ポリアルキルスチレン、ポリビニルアセテートなどが挙げられる。
消泡剤としては、ジメチルシロキサン、ポリアクリレートなどが挙げられる。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物の各成分を含有する潤滑油の調製方法は、特に限定されない。例えば、上記特定の脂肪酸エステル、ポリメタクリレート、必要に応じて、上記その他の基油および添加剤を混合して、加熱攪拌(例えば、80℃)することによって潤滑油が得られる。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、粘度指数が240以上であることが好ましい。粘度指数が240よりも小さい場合には、高温と低温とにおける粘度差が大きく、低燃費を維持できない場合がある。さらに、潤滑油基油である脂肪酸エステルと、該基油およびメタクリレートを含む潤滑油組成物との粘度指数の差は120以上であることが好ましい。このような粘度指数の差を有する潤滑油組成物は、せん断安定性が非常に良好である。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、せん断安定性に優れている。好ましくは、100℃における動粘度が、ASTM D3945Aのディーゼルインジェクター法に準拠して、油量170mL、温度30℃〜35℃にて30サイクルのせん断負荷を与えた場合に、上記負荷前の動粘度の85%以上を保持する。100℃における動粘度が上記負荷前の動粘度の85%より低い潤滑油組成物は、長期使用時に粘度および粘度指数の低下が著しくなり、燃費の悪化、潤滑性の不足により油膜破断を起こし、駆動部分の摩耗および焼きつきを生じるおそれがある。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明がこの実施例に特に限定されるわけではない。
以下に、本実施例および比較例で製造された脂肪酸エステルの試験方法を記載する。
全酸価:JIS K2283に準じて測定する。
水酸基価:JIS K0070に準じて測定する。
動粘度および粘度指数:JIS K2283に準じて、キャノン−フェンスケ粘度計を用いて、40℃および100℃における動粘度を測定し、粘度指数を算出する。
せん断安定性:ASTM D3945Aのディーゼルインジェクター法に準拠して、温度30〜35℃、油量170mlで30サイクルのせん断を与えた際、負荷後の100℃における動粘度が負荷前の動粘度の何%に相当するかを算出し、これを、せん断負荷時の粘度保持率(%)とする。
(実施例1)
温度計、窒素導入管、攪拌機および冷却管を取り付けた4つ口フラスコに、ネオペンチルポリールのエチレンオキサイド付加物として、ネオペンチルグリコールのエチレンオキサイド付加物(以下、NPG−EOという)(付加モル数:1)1184.0g(8.0mol)、および脂肪酸として、ペンタン酸1958.4g(19.2mol)を加え、窒素気流下、220℃で反応水を留去しつつ15時間常圧で反応を行った。反応後、5kPaの減圧下でストリッピングを行い、過剰のペンタン酸を留去して、エステル化粗生成物を得た。
このエステル化粗生成物に、該エステル化粗生成物の酸価の1.5倍当量に相当する10%水酸化カリウム水溶液を加え、70℃で30分間攪拌した。さらにこれを30分間静置して水層部を除去した。次いで、1000gのイオン交換水を加え、70℃で30分間攪拌した後、30分間静置して水層部を排出した。排水のpHが中性になるまで水洗を4回繰り返し、エステル層を100℃、1kPaの条件下で減圧脱水した。
これに、キョーワード500(協和化学工業(株))を30g入れて吸着処理した。吸着処理温度、圧力、および吸着処理時間は、それぞれ100℃、1kPa、および3時間とした。ろ過を行い、NPG−EO(付加モル数:1)のペンタン酸ジエステル2325.8gを得た。仕込み原料に対する収率は74.0%であった。
得られた脂肪酸エステルについて、上述の方法により、動粘度、粘度指数、全酸価、および水酸基価を測定した。これらの結果を表1に示す。後述の実施例2〜6および比較例1〜3の結果も併せて表1に示す。
(実施例2〜6)
表1に示すネオペンチルポリオール8.0molおよび脂肪酸19.2molを用いて、実施例1に準じて反応を行い、脂肪酸エステルの製造を行った。さらに、実施例1と同様に精製した。なお、実施例6においては、NPGに、カプロン酸(C6)およびラウリン酸(C12)をそれぞれ反応させ、2種類の脂肪酸エステル(NPGのカプロン酸ジエステルおよびNPGのラウリン酸ジエステル)をそれぞれ製造し、精製した。その後、NPGのカプロン酸ジエステルとNPGのラウリン酸ジエステルとの質量比が70:30となるように混合して、脂肪酸エステルの混合物を得た。得られたエステル(または混合物)について、実施例1と同様に試験を行った。
(比較例1〜3)
表1に示すネオペンチルポリオール8.0molおよび脂肪酸19.2molを用いて、実施例1に準じて反応を行い、脂肪酸エステルの製造を行った。さらに、実施例1と同様に精製した。なお、比較例1および3においては、表3に記載のネオペンチルポリオールに、2種の脂肪酸をそれぞれ反応させ、2種類の脂肪酸エステルをそれぞれ製造し、精製した。その後、2種の脂肪酸エステルについて表3に記載の質量比(質量%)となるように混合して、脂肪酸エステルの混合物を得た。得られたエステル(または混合物)について、実施例1と同様に試験を行った。
Figure 2005239840
表1の結果からわかるように、実施例1〜6の脂肪酸エステルは、1分子中に脂肪酸に由来する炭素の数の合計が10〜22の脂肪酸エステルを50質量%以上含有し、全酸価が0.3mgKOH/g以下および水酸基価が30mmgKOH/g以下であった。これらの脂肪酸エステルは、全酸価および水酸基価が低いため、熱安定性が高く、内燃機関の駆動部分を腐食したり、摩耗させることがない。一方、比較例1〜3の脂肪酸エステルは、全酸価および水酸基価は低いものの、1分子中に、脂肪酸に由来する炭素の数の合計が10〜22の脂肪酸エステルの含有量は50質量%未満である。
(実施例7)
実施例1で得られた脂肪酸エステルと、数平均分子量40万のポリメタクリレートとを表2に示す割合で配合して潤滑油を調製した。得られた潤滑油の40℃および100℃の動粘度、粘度指数およびせん断安定性を測定した。なお、表1に記載の粘度指数を用いて、基油(脂肪酸エステル)との粘度指数の差を算出した。結果を表2に示す。後述の実施例8〜12および比較例4〜6の結果も併せて表1に示す。
(実施例8〜12)
実施例1〜6で得られた脂肪酸エステルの各々を、数平均分子量40万のポリメタクリレートと表2に示す割合で配合して潤滑油を調製した。得られた潤滑油について、実施例7と同様の試験を行った。
(比較例4〜6)
比較例1〜3で得られたエステルの各々を、数平均分子量40万のポリメタクリレートと表2に示す割合で配合して潤滑油を調製した。得られた潤滑油について、実施例7と同様の試験を行った。
Figure 2005239840
表2の結果からわかるように、実施例7〜12の潤滑油は、基油と潤滑油との粘度指数の差が大きく、せん断安定性試験において、高い粘度保持率(%)を示した。このような潤滑油は、せん断安定性に優れ、高寿命である。他方、比較例4〜6の潤滑油は、基油と潤滑油との粘度指数の差が小さく、せん断安定性試験において、粘度保持率が低く、実施例7〜12の潤滑油ほどの優れたせん断安定性を有さず、潤滑油の寿命が短い。さらに、実施例7〜12の潤滑油は、比較例4〜6の潤滑油に比べて、基油と潤滑油との粘度指数の差が大きく、ポリメタクリレートを含有させた場合に優れた粘度指数向上効果が得られていることを示す。
本発明の内燃機関用潤滑油基油は、粘度指数向上剤、特に平均分子量10万〜70万のポリメタクリレートを添加した場合に、粘度指数の向上割合が大きく(粘度指数向上剤の添加効果が高い)、高温でかつ高せん断力を受ける条件下においても、初期の粘度指数を保持し、せん断安定性に優れる。そのため、上記基油を含有する潤滑油は、長期間使用しても潤滑性を維持し、燃費を悪化させない。この内燃機関用潤滑油基油および該基油を含有する潤滑油組成物は、内燃機関およびそれに付随する駆動系、具体的には、2サイクル、4サイクルなどの内燃機関;マニュアルトランスミッション、オートマティックトランスミッション、パワーステアリングなどの駆動系機器;ディファレンシャルギヤなどに用いられる。

Claims (3)

  1. 2〜4価のネオペンチルポリオールおよび該ネオペンチルポリオールにエチレンオキサイドを1〜4モルの割合で付加して得られるネオペンチルポリオールエチレンオキサイド付加物からなる群より選択される少なくとも1種と、炭素数が4〜12の脂肪酸とから得られる脂肪酸エステルからなる内燃機関用潤滑油基油であって、
    該脂肪酸エステルの全酸価が0.3mgKOH/g以下であり、水酸基価が30mgKOH/g以下であり、かつ
    該脂肪酸エステル中の50質量%以上の脂肪酸エステルが、1分子中に、脂肪酸に由来する炭素の数を合計で10〜22有している、内燃機関用潤滑油基油。
  2. 前記ネオペンチルポリオールが、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の内燃機関用潤滑油基油。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関用潤滑油基油および平均分子量が10万〜70万のポリメタクリレートを含有する内燃機関用潤滑油組成物であって、
    該内燃機関用潤滑油基油100質量部に対して、該ポリメタクリレートが1〜200質量部の割合で含有される、組成物。
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