JP2005239117A - 運転者感情誘導装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者の脳内における感情コントロール物質の分泌量を調整することによって、安全運転に悪影響を及ぼす運転者の怒りや興奮を抑制すること。
【解決手段】可動式フットレスト101に駆動力を加えない状態で、運転者は無理のないリズム運動を行い、このときの運動の周期および振幅を基準リズム運動パターンとして運動パターン記憶メモリ109に格納する。運動パターン記憶メモリ109に格納された基準リズム運動パターンに基づいて、運転者に対して可動式フットレスト101による規則正しいリズム運動を誘発し、運転者の脳内におけるセロトニンの分泌を促進することにより、安全運転に悪影響を及ぼす運転者の怒りや興奮を抑制する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運転者の感情をコントロールすることにより、安全運転に悪影響を及ぼす運転者の怒りや興奮を抑制するための運転者感情誘導装置に関する。
安全運転に悪影響を及ぼす運転者の脚の疲労を軽減するための車両用可動式フットレストが特許文献1によって知られている。
特開平5−124467号公報
しかしながら、従来の可動式フットレストにおいては、その効果は運転者の脚の疲れを軽減することに留まり、運転者の感情までをコントロールすることはできない。
請求項1に記載の発明は、運転者の感情をコントロールするための運転者感情誘導装置において、運転者の脳内における感情コントロール物質の分泌を促進する感情コントロール物質調整手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、運転者の脳内における感情コントロール物質の分泌量を調整することによって、安全運転に悪影響を及ぼす運転者の怒りや興奮を抑制することができる。
―第1の実施の形態―
第1の実施の形態における運転者感情誘導装置は、運転者が規則正しいリズム運動を行うための可動式フットレストを備え、さらにリズム運動を誘発する。運転者が規則正しいリズム運動を行うことによって、以下に説明するように安全運転に悪影響を及ぼす運転者の怒りや興奮を抑制することができる。
運転者の怒りや興奮を抑制する神経伝達物質のひとつとしてセロトニンが有効とされている。このセロトニンは、規則正しいリズム運動を継続して15分から20分程度行うことによって、脳内における分泌が促進されることが医学論文等によって発表されている。また、そのリズム運動は運動に対する意識レベルが高いほど効果が高いとされている。よって第1の実施の形態においては、運転者が可動式フットレストを使用して左足で規則正しいリズム運動をすることによってセロトニンの分泌量を調整、すなわち分泌を促進し、怒りや興奮を抑制する。以下、詳細に説明する。
図1は、第1の実施の形態における運転者感情誘導装置を自動車に搭載した場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。運転者感情誘導装置100は、運転者の左足下付近に設置される可動式フットレスト101と、運転者によるアクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダルセンサ102と、運転者によるブレーキペダルの操作量を検出するブレーキペダルセンサ103と、運転者によるステアリングホイールの操作量を検出するステアリングセンサ104と、自車両の車速を検出する車速センサ105と、運転者感情誘導装置100全体を制御する制御装置106と、ROM107と、RAM108と、運転者による可動式フットレスト101の運動パターン、および運転者の基準リズム運動パターンを記憶する運動パターン記憶メモリ109とを備えている。
第1の実施の形態における可動式フットレスト101の構造を図2に模式的に示す。図2に示すようにフットレスト101は、フットレストペダル2aの駆動力にモータ2bを利用し、クランク機構2fによって回転運動を往復運動に変換する構造をとる。また、モータ2bによる駆動力に頼ることなく運転者がフットレストペダル2aに足を乗せて踏み込み運動を行うこともできる。このとき運転者が踏込んだフットレストペダル2aは、ばね2gの反発力を利用して元の位置に戻る。これにより運転者は継続して踏み込み運動を行うことができる。また、フットレストペダル2aの振幅は機械的なクランク支点の移動を利用した振幅調整部2dによって自動的に調整される。モータ2bによるフットレストペダル2aの運動周期、およびモータ駆動力はモータコントローラ2cによって制御される。またフットレストペダル2aの運動周期、振幅は、運動モニター装置2eにより検出され、現在の運動が運動パターン記憶メモリ109に格納された運転者の基準リズム運動パターンにどの程度合致しているかが判断される。
なお、図2に示す可動式フットレスト101の構造は一例であり、その他、図3に示すように揺動支点をつま先側に配置しても良い。あるいは図4に示すように、モータ2bに代えて磁気ソレノイド4aを利用することもできる。
制御装置106は、アクセルペダルセンサ102、ブレーキペダルセンサ103、ステアリングセンサ104、および車速センサ105からの出力に基づいて、運転者による自車両の運転状況を検出する運転状況検出部106aを有している。制御装置106は、運転状況検出部106aによる検出結果に基づいて、運転者が運転操作に忙しいか否かを判定し、忙しい場合には、一時的に可動式フットレスト101の動作を停止させ、その位置を固定する。なお、運転者が運転操作に忙しいか否かは、所定時間内にアクセルペダル、ブレーキペダル、およびステアリングの車両操作部材が所定回数以上操作されたか否かで判断する。このとき、車速が速い場合には、少ない操作回数であっても運転者は操作に忙しくなることから、一般的に自車両の車速が速いほど、当該所定回数は少なく設定される。
第1の実施の形態における運転者感情誘導装置100において、運転者が可動式フットレスト101によって行う運動のモードは以下の3つのモードがある。
(1)強制モード
強制モードでは、モータ2bの駆動力によりフットレスト101が強制的に運動を開始し、運転者はフットレストペダル2aに足を乗せているだけでリズム運動が強制される。このとき、強制的に行われる運動の振幅、および周期は、運動パターン記憶メモリ109に格納された運転者の基準リズム運動パターンに基づいて決定されるため、運転者にとって無理のないリズム運動が可能となる。なお、運動の振幅は振幅調整部2dによって、周期はモータコントローラ2cがモータ2bの回転数を変更することによって制御される。
(2)アシストモード
アシストモードにおけるモータ2bの駆動力は強制モードにおけるモータ駆動力よりも小さい。すなわち、アシストモードにおけるモータ駆動力は、力を抜いた運転者の足を強制的に動かすほど強くはなく、そのため運転者はある程度自分の力で足を動かす必要がある。しかし、モータ2bによる補助力が加わっているので運動の周期、振幅が誘導され、運転者は比較的楽に規則正しいリズム運動を継続することができる。
(3)フリーモード
フリーモードでは、モータ2bによる駆動力は利用せず、運転者は自由な周期、および振幅でフットレストペダル2aの踏込み運動を行う。すなわち完全に運転者の意思によって踏込み運動がなされる。
以下、図5に示すフローチャートにしたがって第1の実施の形態における運転者感情誘導装置100による処理を説明する。図5に示す処理は、不図示のイグニションスイッチがオンされると起動するプログラムとして実行される。ステップS10において、運転者が可動式フットレスト101の基本運動を開始したか否かを判定する。基本運動は、運転者にとって長期間続けることができる無理のない周期、および振幅で行われる必要がある。よってモータ2bによる駆動力は利用せず、上述したフリーモードで運転者は自由な周期、および振幅でフットレストペダル2aの踏込み運動を行う。なお、この踏込み運動は、規則正しいリズムで行われる必要がある。ステップS10において基本運動開始が判断されるとステップS20へ進む。なお、基本運動開始は運動モニター装置2eからの検出信号を用いて判別される。
ステップS20においては、運動モニター装置2eからの検出信号に基づいて、ステップS10で運転者が開始した基本運動の振幅、および周期の変動がそれぞれの所定の規定値A1およびA2以内であるか否かが判断される。振幅の変動の規定値A1および周期の変動の規定値A2は、運転者による基本運動の振幅、および周期の変動がそれぞれの規定値以内であれば、運転者による運動がバラツキなく、一定の振幅、周期で行われていると判断することができる値が設定される。具体的にステップS20における判定は、運転者による基本運動が一定時間行われた時点での振幅および周期の平均値と、振幅および周期の最大値または最小値との差が、規定値A1およびA2以内であるかを判断することによって行われる。
例えば、振幅の変動の規定値A1が2(cm)、周期の変動の規定値A2が0.5(s)と設定されているとき、振幅の平均値と、振幅の最大値または最小値との差が2(cm)以内、かつ周期の平均値と、周期の最大値または最小値との差が0.5(s)以内であれば、運転者による運動はバラツキなく、一定の振幅、周期で行われていると判断することができる。
ステップS20において、運転者による基本運動の振幅、および周期の変動が所定の規定値A1およびA2以内であると判断されるとステップS30へ進む。ステップS30においては、運転者によって行われた基本運動の振幅、および周期の平均値を基準リズム運動パターンとして運動パターン記憶メモリ109へ記憶する。ステップS40において、運動パターン記憶メモリ109に記憶された基準リズム運動パターンに基づいて、振幅調整部2dおよびモータコントローラ2cを介して、フットレストペダル2aの振幅、周期、およびモータ2bの駆動力を制御し、上述した強制モードを開始する。これにより運転者は基本リズム運動パターンの振幅、周期に基づいた無理のないリズム運動を強制的に継続することになる。
ステップS41において、運転操作監視処理を実行する。運転操作監視処理では、運転者による運転操作を監視することにより、運転者が運転操作に忙しい場合、および運転者が左足を踏ん張った場合には、現在行っている強制モードによるリズム運動を一時的に中断すると同時にフットレストペダル2aを固定する。すなわち、モータコントローラ2cはモータ2bの駆動力を運転者が左足を踏ん張ったときの力と等しくすることで、フットレストペダル2aを停止させ、固定した状態とする。なお、運転操作監視処理の詳細については後述する。
ステップS50において、ステップS40で強制モードによるリズム運動を開始してから所定時間が経過したか否かが判断される。ここで所定時間とは、運転者が強制モードによって行っている規則正しいリズム運動に慣れるために十分に長い時間であり、例えば5分間が設定されている。ステップS50において、強制モードによるリズム運動が所定時間経過したと判断されると、ステップS60においてモータコントローラ2cおよび振幅調整部2dを介して、フットレストペダル2aの振幅、周期、およびモータ2bの駆動力を制御し、上述したアシストモードを開始する。
ステップS61においては、ステップS41と同様に後述する運転操作監視処理を行い、運転者が運転操作に忙しい場合、および運転者が左足を踏ん張った場合には、現在行っているアシストモードによるリズム運動を一時的に中断し、さらにフットレストペダル2aを固定する。ステップS70において、ステップS60においてアシストモードによるリズム運動を開始してから所定時間が経過したか否かが判定される。ここでの所定時間は、運転者がアシストモードによって行っている規則正しいリズム運動に慣れるために十分に長い時間であり、例えば5分間が設定されている。ステップS70において、アシストモードが所定時間経過したと判断されると、ステップS80へ進む。
ステップS80において、運動モニター装置2eの検出信号に基づいて、運転者によるアシストモードにおけるリズム運動の振幅、および周期の基準リズム運動パターンに対する変動がそれぞれの所定の規定値B1およびB2以内であるか否かが判断される。振幅の変動の規定値B1および周期の変動の規定値B2は、基準リズム運動パターンに対する検出リズム運動の振幅、および周期の変動がそれぞれの規定値以内であれば、運転者によるリズム運動が基準リズム運動パターンにある程度合致していると判断することができる値が設定される。具体的にステップS80における判定は、基準リズム運動パターンとして設定された振幅および周期と、アシストモードにおける運転者によるリズム運動の振幅および周期の最大値または最小値との差が、規定値B1およびB2以内であるかを判断することによって行われる。
例えば、振幅の変動の規定値B1が1(cm)、周期の変動の規定値B2が0.5(s)と設定されているとき、基準リズム運動パターンの振幅と、運転者によるリズム運動の振幅の最大値または最小値との差が1(cm)以内、かつ基準リズム運動パターンの周期と、運転者によるリズム運動の周期の最大値または最小値との差が0.5(s)以内であれば、運転者によるリズム運動は基準リズム運動パターンに合致して行われていると判断することができる。
ステップS80において、運転者によるリズム運動の振幅、および周期の変動が所定の規定値B1およびB2以内でないと判断された場合には、運転者によるリズム運動は基準リズム運動パターンに合致していないと判断する。よって、再度、基準リズム運動パターンに慣れるよう、ステップS40へ戻り、振幅調整部2dおよびモータコントローラ2cを介して、フットレストペダル2aの振幅、周期、およびモータ2bの駆動力を制御し、強制モードを開始する。
これに対して、ステップS80において、運転者によるリズム運動の振幅、および周期の変動が所定の規定値B1およびB2以内であると判断された場合には、ステップS90へ進む。ステップS90においては、運転者によるアシストモードにおけるリズム運動の振幅、および周期の基準リズム運動パターンに対する変動がそれぞれの所定の規定値C1およびC2以内であるか否かが判断される。
振幅の変動の規定値C1および周期の変動の規定値C2は、基準リズム運動パターンに対するリズム運動の振幅、および周期の変動がそれぞれの規定値以内であれば、運転者による運動が基準リズム運動パターンにほぼ完全に合致していると判断することができる値が設定される。したがって規定値C1およびC2は、例えばC1=0.5(cm)、C2=0.3(s)のように、ステップS80のおける判断で使用した規定値B1およびB2よりも変動幅が小さくなるように設定される。
ステップS90において、運転者によるリズム運動の振幅、および周期の基準リズム運動パターンに対する変動が所定の規定値C1、C2以内でないと判断された場合には、運転者はある程度の基準リズム運動パターンに合致した規則正しいリズム運動を行えているが、モータコントローラ2cおよび振幅調整部2dによるアシスト無しでは基準リズム運動パターンに合致した規則正しいリズム運動を行えないと判断する。このため、ステップS60へ戻り引き続きアシストモードを継続する。
これに対して、運転者によるリズム運動の振幅、および周期の基準リズム運動パターンに対する変動が所定の規定値C1、C2以内であると判断された場合には、運転者は基準リズム運動パターンにほぼ完全に合致した規則正しいリズム運動を行っていると判断され、ステップS100へ進む。ステップS100においては、運転者はモータコントローラ2cおよび振幅調整部2dによるアシスト無しでも基準リズム運動パターンに合致したリズム運動を継続できると判断できる。このため、モータコントローラ2cはモータ2bの駆動トルクを0に制御し、上述したフリーモードを開始する。
ステップS101においては、ステップS41と同様に後述する運転操作監視処理を行い、運転者が運転操作に忙しい場合には、現在行っているフリーモードによるリズム運動を一時的に中断し、さらにフットレストペダル2aを固定する。ステップS110において、ステップS100でフリーモードによるリズム運動を開始してから所定時間が経過したか否かが判断される。ここで所定時間とは、運転者の脳内においてセロトニンの分泌を促進するために十分な時間、例えば20分が設定されている。ステップS110において、フリーモードが所定時間経過したと判断されると、ステップS120へ進む。
ステップS120においては、運転者によるフリーモードにおけるリズム運動の振幅、および周期の基準リズム運動パターンに対する変動がステップS80で使用したそれぞれの所定の規定値B1およびB2以内であるか否かが判断される。ステップS120において、運転者によるリズム運動の振幅、および周期の変動が所定の規定値B1およびB2以内でないと判断された場合には、運転者によるリズム運動は基準リズム運動パターンに合致していないと判断する。よって、再度基準リズム運動パターンに慣れるよう、ステップS40へ戻り、振幅調整部2dおよびモータコントローラ2cは振幅、周期、およびモータ2bの駆動力を制御し、強制モードを開始する。
これに対して、ステップS120において、運転者によるリズム運動の振幅、および周期の変動が所定の規定値B1およびB2以内であると判断された場合には、ステップS130へ進む。ステップS130においては、運転者によるフリーモードにおけるリズム運動の振幅、および周期の基準リズム運動パターンに対する変動がステップS90で使用したそれぞれの所定の規定値C1およびC2以内であるか否かが判断される。
ステップS130において、運転者によるリズム運動の振幅、および周期の基準リズム運動パターンに対する変動が所定の規定値C1、C2以内でないと判断された場合には、運転者はある程度の基準リズム運動パターンに合致した規則正しいリズム運動を行えているが、リズムに乱れが生じ始めているためフリーモードを継続するのは困難と判断される。よって、モータコントローラ2cおよび振幅調整部2dによるアシストが必要と判断され、ステップS60へ戻りアシストモードを開始する。
これに対して、運転者によるリズム運動の振幅、および周期の基準リズム運動パターンに対する変動が所定の規定値C1、C2以内であると判断された場合には、運転者は基準リズム運動パターンにほぼ完全に合致した規則正しいリズム運動を行っていると判断される。すなわち、運転者はモータコントローラ2cおよび振幅調整部2dによるアシスト無しで、運転者の意思によって基準リズム運動パターンに合致した規則正しいリズム運動を継続している。さらに、運転者の脳内においてセロトニンの分泌を促進するために十分な時間、例えば20分間継続してリズム運動を行ったことから、ステップS140へ進み、リズム運動を終了し、処理を終了する。
次に、図6に示すフローチャートにしたがって、ステップS41、S61、およびS101における運転操作監視処理について説明する。運転操作監視処理では、アクセルペダルセンサ102、ブレーキペダルセンサ103、およびステアリングセンサ104からの出力に基づいて運転状況検出部106aは運転者による運転操作を監視する。そして、所定時間の間に上記各センサから検出された運転操作回数をカウントし、運転操作回数が所定の基準値以上であれば運転者は運転操作に忙しいと判断して、運転者によるリズム運動を一時的に停止する。以下、説明する。
図6のステップS210において、運転状況検出部106aは車速センサ105からの出力に基づいて自車両の車速を検出する。ステップS220において、ROM107から運転操作回数の基準値を読み込む。基準値は運転者による運転操作回数が基準値以上であれば、運転者は運転操作に忙しいと判定することができる回数が設定されている。
一般的に車速が速いほど運転者は少ない回数の運転操作で忙しいと感じ、車速がゆっくりになるにつれて忙しいと感じることなく数多くの運転操作を行うことができることから、基準値は車速に応じて設定されている。例えば、車速40km/hであれば5回、車速60km/hであれば3回のように設定されており、ステップS220ではステップS210で検出した自車両の車速に相当する基準値が読み込まれる。また、同時に不図示の操作回数メモリに格納された操作回数カウンタを0に初期化する。
ステップS230において、運転状況検出部106aはアクセルペダルセンサ102からの出力に基づいて運転者によるアクセル操作があったか否かを判定する。運転者によるアクセル操作があったと判断された場合、例えばアクセルペダルセンサ102の出力が変化したときは、ステップS240へ進み、上述した操作回数カウンタに1を加算する。
ステップS250において、運転状況検出部106aはブレーキペダルセンサ103からの出力に基づいて運転者によるブレーキ操作があったか否かを判定する。運転者によるブレーキ操作があったと判断された場合、例えばブレーキペダルセンサ103の出力が変化したときは、ステップS260へ進み、ステップS240と同様に操作回数カウンタに1を加算する。
ステップS270において、運転状況検出部106aはステアリングセンサ104からの出力に基づいて運転者によるステアリング操作があったか否かを判定する。運転者によるステアリング操作があったと判断された場合、例えばステアリングセンサ104の出力が変化したときは、ステップS280へ進み、操作回数カウンタに1を加算する。
ステップS290において、運転者がフットレストペダル2aを乗せている左足を踏ん張ったか否かが、モータコントローラ2cでモータの過負荷状態をモニタすることによって判定される。運転者が左足を踏ん張った場合には、リズム運動を行っている状態のフットレストペダル2aが動く状態では危険なため、ステップS330へ進み、現在行っているリズム運動を一時停止し、フットレストペダル2aを固定する。運転者が左足を踏ん張っていないと判断した場合には、ステップS300へ進む。
ステップS300において、運転操作監視を開始してから所定時間、例えば1分間が経過したか否かを判断する。上述した通り、運転操作監視処理では所定時間の間の運転者による運転操作を監視する必要があるため、所定時間が経過していない場合にはステップS230へ戻り、所定時間が経過するまでステップS230〜ステップS290の運転操作の検出を繰り返す。ステップS300において、所定時間が経過したと判断された場合には、ステップS310へ進む。
ステップS310においては、ステップS220で読み込んだ現在の自車両の車速に対応する運転操作回数の基準値と、ステップS230〜ステップS280の処理でカウントした所定時間の間の運転者による運転操作回数の合計とが比較される。運転者による運転操作回数の合計が基準値未満の場合には、運転状況検出部106aは運転者は運転操作に忙しくないと判断し、ステップS320へ進み、リズム運動をそのまま継続する。
これに対して、運転者による運転操作回数の合計が基準値以上である場合には、運転状況検出部106aは運転者は運転操作に忙しいと判断し、ステップS330へ進む。この場合、運転者はリズム運動を継続している余裕は無いと判断できることから、ステップS330においてはモータコントローラ2cはモータ2bの駆動力0に制御し、現在行っているモードによるリズム運動を一時停止し、フットレストペダル2aを固定する。これにより運転者は運転操作が忙しいときには運転に集中することができる。
ステップS330において、リズム運動を一時停止した場合には、ステップS210へ戻り、ステップS310において運転者による運転操作回数が基準値以下、すなわち運転状況検出部106aが運転者は運転操作に忙しくないと判断するまで上記の処理を繰り返す。そして、ステップS310において運転者による運転操作回数が基準値以下であると判断された場合には、ステップS320においてモータコントローラ2cはモータ2bの駆動力を制御し、一時停止前に運転者が行っていたモードを再開する。その後、上述した図5に示す処理フローへ戻る。
上記説明した各運動モードの変化を図7に示す。なお、図7に示す各モードの説明、およびモードの切替については、上述したためその説明を省略する。
以上のように、第1の実施の形態によれば、次のような作用効果が得られる。
(1)強制モードにおいては、モータ2bによる動力によってフットレストペダル2aが規則正しく可動するので、運転者は左足をフットレストペダル2aに乗せているだけで規則正しいリズム運動を行うことができ、セロトニンの分泌を促すことができる。
(2)リズム運動を行っているときにドライバーが強く足を踏ん張ったときには、リズム運動を一時停止させるとともにフットレストを固定するため、フットレスト本来の機能を損なうことがない。
(3)3つのモードを自動的に切り替えることによって、リズム運動が乱れてきた場合にその程度に応じてアシストする駆動力を高めて、運動を矯正することができる。規則正しい運動が継続されている場合はアシスト駆動力を下げて自発運動を高めることができ、効果的にセロトニンの分泌を促進することができる。
(4)運転者による基本運動に基づいて基準リズム運動パターンを設定することとした。これによりリズム運動の振幅、および周期を運転者にとって長期間続けることができる無理のない振幅、および周期とすることができる。したがって、運転者に対して無理な運動を強いることなく、疲労も軽減でき、効果的にセロトニンの分泌を促進することが可能となる。
(5)アクセルペダル、ブレーキペダル、ステアリングの各操作量、および車速から運転の忙しさを検出し、運転者が運転操作に忙しい場合にはリズム運動を一時停止することとした。これにより、運転が忙しい時には運転者は運転に集中することができる。
―第2の実施の形態―
第2の実施の形態では、リズム運動を継続することによって発生する運転者の疲労を検出し、運転者の疲労が検出された場合には、運転者の疲労を軽減するようフットレストペダル2aの位置を変化させ、長時間のリズム運動の継続を可能とする。なお、図1に示した運転者感情誘導装置を自動車に搭載した場合の一実施の形態の構成を示すブロック図については、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。
第2の実施の形態における可動式フットレスト101の構造を図8に模式的に示す。なお、図8においては、第1の実施の形態における図2と共通する構成要素については、図2と同じ符号を付与し、相違点を中心に説明する。可動式フットレスト101は、フットレスト固定台座8bを備えており、フットレストペダル2aは、フットレストペダル回転支点8fを支点として踏み込み運動が可能なようにフットレスト固定台座8bに取り付けられている。フットレストペダル回転支点8fには、荷重センサ8gが取り付けられており、使用者がフットレストペダル2aを踏み込んだときのフットレストペダル回転支点8fにかかる荷重F2を検出する。
また、フットレストペダル2aは、第1の実施の形態と同様にクランク機構2fによってモータ2bの駆動力を利用した回転運動を往復運動に変換する構造をとり、モータ2bの駆動力はモータコントローラ2cによって制御される。また、モータコントローラ2cは、運転者によってフットレストペダル2aが踏み込まれたときのクランク支点8iにかかる荷重F1を、モータ2bの駆動トルクを監視して検出する。
フットレスト固定台座8bの側部には、所定の間隔を空けて配置される複数、例えば2つの移動用ナット8cが取り付けられており、移動用ナット8cには、フロアパネル8aに取り付けられたフットレスト移動モータ8eによって回転力が与えられ、ボルト支持部材8hによって他端が支承される移動用ボルト8dが螺合している。フットレスト移動モータ8eは、モータコントローラ2cによって制御され、移動用ボルト8dを回転させてフットレスト固定台座8bに固定された移動用ナット8cを移動用ボルト8dに沿って前後に移動させる。これによって、フットレストペダル2aを前後方向に往復移動させて、フットレストペダル2aの位置を変化させることができる。
このような可動式フットレスト101を備える第2の実施の形態の運転者感情誘導装置100において、制御装置106は、運転者のフットレストペダル2aの踏み込み位置の変化を監視して、運転者の疲労の発生を検出する。具体的には、図8に示すようにフットレストペダル2aに運転者が足を乗せてリズム運動を行っている場合のフットレストペダル2aに加わる力の中心点、すなわち力点の位置8jを以下のように算出する。すなわち、フットレストペダル2aにおいて、力点の位置8jからクランク支点8iまでの距離をL1、力点の位置8jからフットレストペダル回転支点8fまでの距離をL2、および力点の位置8jにおける運転者の踏力をFとする。
この場合に、力点の位置8jにおける運転者の踏力Fのクランク支点8iにおける分力は、上述したモータコントローラ2cによって検出されるクランク支点8iにかかる荷重F1と等しい。また、力点の位置8jにおける運転者の踏力Fのフットレストペダル回転支点8fにおける分力は、上述した荷重センサ8gによって検出されるフットレストペダル回転支点8fにかかる荷重F2と等しい。よって、フットレストペダル2aにおける力のモーメントのつり合いにより、次式(1)が成り立つ。
L1:L2=F2:F1・・・(1)
式(1)によって、クランク支点8iにおける分力F1、およびフットレストペダル回転支点8fにおける分力F2の検出値に基づいて、L1とL2の比が算出でき、フットレストペダル2aにおける力点の位置8jが算出できる。
制御装置106は、上述したように算出した力点の位置8jの時間変化を監視して、運転者の疲労の発生を検出する。一般に、リズム運動を継続した結果、脚に疲労が溜まった場合には、運転者は楽な姿勢をとろうとして、図9に示すようにフットレストペダル2aを踏む位置を運転者の身体方向へ移動させるため、力点の位置8jがフットレストペダル回転支点8f方向へ移動する。これによって、力点の位置8jからクランク支点8iまでの距離L1が増加し、力点の位置8jからフットレストペダル回転支点8fまでの距離L2が減少する。
したがって、上述した図8に示したフットレストペダル回転支点8fまでの距離L2を運転者に疲労が発生していない場合の距離、すなわち通常時の距離としたとき、制御装置106は、力点の位置8jからフットレストペダル回転支点8fまでの距離が通常時の距離L2から、あらかじめ設定された疲労発生時の距離L2´まで減少したことを検出したときは、使用者に疲労が発生したことを検出する。なお、疲労発生時の距離L2´は、通常時の距離L2より所定距離短い距離、例えば5cm短い距離が設定される。
例えば、図10(a)に示すように、運転者がリズム運動開始から時点t1までの間は通常時の距離L2を維持してリズム運動を行っており、その後、時点t1から時点t2までの間に、力点の位置8jからフットレストペダル回転支点8fまでの距離が徐々に減少して、時点t2において疲労発生時の距離L2´まで減少したことを検出した場合について説明する。これは、運転者が無意識のうちにフットレストペダル2aを踏む位置を運転者の身体方向へ移動させている状態である。運転者によるこのような行動は、運転者が一定の踏み位置を維持してリズム運動を行っているうちに脚が疲れ始めて、無意識のうちに脚の関節を動かして疲労を軽減しようとすることによって生じるものであり、一般的に疲労の初期症状の現れを意味している。
このように、運転者の疲労状態が初期段階の場合には、運転者は脚の関節を動かすことによって脚の血行が良くなり、疲労を解消できる。そこで、制御装置106は、運転者の初期段階の疲労を検出した場合には、モータコントローラ2cを制御してフットレスト移動モータ8eを動作させ、上述したようにフットレストペダル2aを前後方向に周期的に移動させる。これによって、運転者の脚の関節を強制的に動かすことができる。
図11は、フットレストペダル2aを前後方向に移動させた場合の運転者の脚の関節の変化を側面から見た場合の具体例を示す図である。図11に示すように、フットレストペダル2aを前後方向に移動させることによって、運転者のかかと11aが前後に移動し、これに伴って足首の角度θ1、膝の角度θ2、および股関節の角度θ3の大きさが変化する。すなわち運転者の足首関節、膝関節、および股関節の3ヶ所の関節が動く。これによって、運転者の脚全体の血行を回復して、運転者の脚の疲労を解消できる。
次に、例えば図10(b)に示すように、運転者がリズム運動開始から時点t3までの間は通常時の距離L2を維持してリズム運動を行っており、時点t3において力点の位置8jからフットレストペダル回転支点8fまでの距離が急激に疲労発生時の距離L2´まで減少したことを検出した場合について説明する。これは、運転者がフットレストペダル2aを踏む位置を大きく移動しないとリズム運動が継続できなくなった状態であり、運転者の脚に疲労が蓄積されていることを意味している。
このように、運転者の脚に疲労が蓄積されている状態では、運転者の体内に疲労物質である乳酸が増加しており、乳酸の増加はセロトニン分泌を妨げる要因となる。したがって、このような疲労の蓄積を検出した場合には、第1の実施の形態で上述したように、制御装置106は、モータコントローラ2cを制御して、モータ2bの駆動力を運転者がフットレストペダル2aを踏み込む踏力と等しくすることで、フットレストペダル2aを停止させる。これによって、運転者のリズム運動を休止して疲労回復を図る。
また、図10(c)に示すように、運転者がリズム運動開始から時点t4までの間は通常時の距離L2を維持してリズム運動を行っており、点t4において力点の位置8jからフットレストペダル回転支点8fまでの距離が急激に疲労発生時の距離L2´まで減少する。その後、所定時間以内、例えば5秒以内の時点t5において再び通常時の距離L2に回復してリズム運動を継続したことを検出した場合には、制御装置106は、運転者は単にフットレストペダル2aを踏み誤ったと判断し、運転者の脚の疲労は検出しない。
図12は、第2の実施の形態における運転者感情誘導装置100による処理の流れを示すフローチャートである。図12に示す処理は、モータコントローラ2cが運転者がリズム運動を開始したことを検出すると起動するプログラムとして制御装置106で実行され、第1の実施の形態で上述した図5および図6に示す処理と並列して実行される。ステップS410において、上述した力点の位置8jを算出して、ステップS420へ進む。ステップS420では、力点の位置8jの時間変化を監視して、運転者に疲労が発生したか否かを判断する。運転者に疲労が発生していないと判断した場合は、後述するステップS480へ進む。運転者に疲労が発生したと判断した場合には、ステップS430へ進む。
ステップS430では、上述したように、力点の位置8jの時間変化の状況に基づいて、運転者の疲労の状態、すなわち運転者の疲労状態が初期段階であるか、あるいは疲労が蓄積した状態であるかを判断する。運転者の疲労状態が初期段階であると判断した場合には、ステップS440へ進み、モータコントローラ2cを制御してフットレスト移動モータ8eを動作させ、フットレストペダル2aを前後方向に周期的に移動させる。一方、運転者の疲労の状態が蓄積した状態であると判断した場合には、ステップS450へ進み、モータコントローラ2cを制御して、モータ2bの駆動力を運転者がフットレストペダル2aを踏み込む踏力と等しくして、フットレストペダル2aを停止させる。
その後、ステップS460へ進み、運転者の疲労を検出してから所定時間、例えば3分間が経過したか否かを判断する。運転者の疲労を検出してから所定時間が検出したと判断した場合には、ステップS470へ進む。ステップS470では、フットレストペダル2aを運転者の疲労を回復する状態に変化させてから所定時間経過したことによって、運転者の疲労は回復したと判断して、フットレストペダル2aを通常状態に戻す。その後、ステップS480へ進み、運転者によるリズム運動が終了したか否かを判断する。リズム運動が終了しないと判断した場合には、ステップS410へ戻り、上述した処理を繰り返す。一方、リズム運動が終了したと判断した場合には、処理を終了する。
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態における効果に加えて、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)フットレストペダル2a上の運転者の踏み込みによる力点の位置8jを、分力F1、および分力F2に基づいて算出した距離L1、およびL2の比に基づいて求め、当該力点の位置8jの時間変化を監視することによって運転者の疲労の発生を検出することとした。これによって、運転者の疲労を計測する特別な機器を必要とせず、安価な構成により運転者の疲労の発生を検出することが可能となる。
(2)運転者の疲労の発生を検出した場合、そのときの疲労の状態が初期段階である場合には、フットレストペダル2aを周期的に前後に動かすこととした。これによって、運転者の脚の各関節を動かして、脚の血行を良くすることによって運転者の疲労回復を図ることができる。さらにこれによって、運転者は長時間リズム運動を継続することができ、脳内におけるセロトニンの分泌を促進することができる。また、運転者はフットレストペダル2aの前後の動きを認知することによって、リズム運動に対する意識が高まるため、脳内におけるセロトニンの分泌をさらに促進することができる。
(3)運転者の疲労の発生を検出した場合、そのときの疲労の状態が疲労が蓄積した状態である場合には、フットレストペダル2aを停止することとした。これによって、運転者にリズム運動の継続が困難なほど疲労が蓄積している場合には、リズム運動を一時的に停止して、運転者の疲労回復を図ることができる。
―変形例―
(1)上述した第1、および第2の実施の形態においては、運転者に対して規則正しいリズム運動を誘発することにより、運転者の脳内におけるセロトニンの分泌を促進し、運転者の感情をコントロールすることとしたが、本発明はこれに限定されず、以下のように変形することも可能である。例えば、セロトニンの分泌量を調整する代わりに、アドレナリンやドーパミンといった脳内の感情コントロール物質の分泌量を調整してもよい。
(2)上述した第1の実施の形態においては、フリーモードではモータ2bによる駆動力は利用しない、すなわちモータ駆動トルクを0としたが、クラッチを設けてフットレストペダル2aをモータと切断するようにしてもよい。
(3)上述した第1の実施の形態においては、各モードにおけるリズム運動の周期、およびフットレストペダル2aを駆動する駆動力は、モータコントローラ2cがモータ2bを制御することによって変更することとした。しかし、モータ2bとフットレストペダル2aの間に変速ギアを設けることにより実現してもよい。
(4)上述した第1の実施の形態においては、運転者が左足を踏ん張った場合には、モータコントローラ2cはモータ2bの駆動力を運転者が左足を踏ん張ったときの力と等しくすることで、フットレストペダル2a停止させ、固定された状態とした。しかし、フットレストペダル2aを固定するストッパーを設け、運転者が左足を踏ん張った場合には、ストッパーを機能させることによってフットレストペダル2aを固定してもよい。
(5)上述した第1の実施の形態においては、図5のステップS20において、運転者による基本運動の振幅および周期が規定値以内であるかを判定する際に、運転者による基本運動が一定時間行われた時点での振幅および周期の平均値と、振幅および周期の最大値または最小値との差がそれぞれ規定値以内であるか否かを判断した。しかし、判定方法はこれに限定されず、その他のアルゴリズムによって行ってもよく、振幅、周期以外のその他の要素に基づいて判定を行ってもよい。また、ステップS80、ステップS90、ステップS120、およびステップS130における判定についても、ステップS20と同様に本実施の形態におけるアルゴリズムに限定されない。
(6)上述した第1の実施の形態においては、運転者によるリズム運動は、運転者の意思で行いたい時に開始できるものとした。しかし、不図示のナビゲーション装置等からの出力に基づいて、現時点から目的地までの所要時間がセロトニンの分泌を促進するまでに必要な時間、例えば20分未満である場合には、運動を行う意味がないと判断し、リズム運動を開始できないようにしてもよい。
(7)上述した第2の実施の形態では、運転者の疲労の状態が初期段階である場合には、フットレストペダル2aを周期的に前後に動かすこととした。しかし、これに限定されず、フットレストペダル2aを左右に動かす機構を設け、周期的に前後または左右に動かすこととしてもよい。
また、力点の位置8jの時間変化の監視結果から、力点の位置8jのフットレストペダル2a上における移動方向および移動量を算出し、その移動方向および移動量と一致してフットレストペダルの位置を移動してもよい。すなわち、フットレストペダル2aを前後左右に移動させる機構を設け、フットレストペダル2a上の力点の位置8jの位置が常に同じ位置になるように、運転者の足の動きに合わせてフットレストペダル2aを前後左右に移動させてもよい。これによって、運転者は常にフットレストペダル2aと足とを正しい位置関係に保つことができ、フットレストペダル2aを踏み込む踏力、および運動のリズムを一定に保ってリズム運動を継続することができ、セロトニンの分泌効果を向上することができる。
(8)上述した第2の実施例における可動式フットレスト101に、運転者のかかとを保持するかかと保持板を設けてもよい。すなわち、図13に示すように、フットレストペダル2aの後端にかかと保持版13aを設けてもよい。これによって、図14に示すように、運転者が無意識のうちにフットレストペダル2aを踏む位置を運転者の身体方向へ移動させた場合であっても、かかと保持板13aによってかかとが保持され、フットレストペダル2aからかかとが外れることはなくなる。このため、運転者の初期段階の疲労が発生したことを検出して、フットレストペダル2aが前後に動作を始めた場合に、運転者の足はフットレストペダル2aと一体となって移動しやすくなり、運転者は足の移動をよりはっきりと認知でき、リズム運動に対する意識が高まるため、脳内におけるセロトニンの分泌をさらに促進することができる。
特許請求の範囲の構成要素と実施の形態との対応関係について説明する。可動式フットレスト101および運動パターン記憶メモリ109は感情コントロール物質調整手段に、モータコントローラ2cは駆動力制御手段、および位置変化手段に、車速センサ105は車速検出手段に相当する。アクセルペダルセンサ102はアクセル操作検出手段に、ブレーキペダルセンサ103はブレーキ操作検出手段に、ステアリングセンサ104はステアリング操作検出手段に、制御装置105は、疲労検出手段に、運転状況検出部106aは頻度検出手段および忙しさ判定手段に相当する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。自動車以外の乗り物、例えば、鉄道車両、航空機、船舶などの移動体にも本発明は適用できる。この場合、各移動体の操縦席に操縦者がリズム運動可能な可動式フットレストを設ける必要がある。
本発明による運転者感情誘導装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態における可動式フットレストの構造を示す第1の図である。 第1の実施の形態における可動式フットレストの構造を示す第2の図である。 第1の実施の形態における可動式フットレストの構造を示す第3の図である。 第1の実施の形態における運転者感情誘導装置による処理の流れを示すフローチャート図である。 運転操作監視処理の流れを示すフローチャート図である。 各運動モードの変化を示す図である。 第2の実施の形態における可動式フットレストの構造を示す図である。 第2の実施の形態における運転者に疲労が発生した場合の具体例を示す図である。 第2の実施の形態における力点の位置8jの時間変化の具体例を示す図である。 フットレストペダル2aを前後方向に移動させた場合の運転者の脚の関節の変化を側面から見た場合の具体例を示す図である。 第2の実施の形態における運転者感情誘導装置による処理の流れを示すフローチャート図である。 第2の実施の形態における可動式フットレストにかかと保持板を追加した場合の構造を示す第1の図である。 第2の実施の形態における可動式フットレストにかかと保持板を追加した場合の構造を示す第2の図である。
符号の説明
100 運転者感情誘導装置
101 可動式フットレスト
102 アクセルペダルセンサ
103 ブレーキペダルセンサ
104 ステアリングセンサ
105 車速センサ
106 制御装置
106a 運転状況検出部
109 運動パターン記憶メモリ
2c モータコントローラ

Claims (12)

  1. 運転者の感情をコントロールするための運転者感情誘導装置において、
    運転者の脳内における感情コントロール物質の分泌量を調整する感情コントロール物質調整手段を有することを特徴とする運転者感情誘導装置。
  2. 請求項1に記載の運転者感情誘導装置において、
    前記感情コントロール物質調整手段は、運転者に対して規則的なリズム運動を誘発することにより、運転者の脳内におけるセロトニンの分泌を促進し、運転者の感情をコントロールすることを特徴とする運転者感情誘導装置。
  3. 請求項1または2に記載の運転者感情誘導装置において、
    前記感情コントロール物質調整手段は、
    運転者が踏込み運動を行うことができる可動式フットレストと、
    前記可動式フットレストに駆動力を与え、当該駆動力を制御することによって運転者の前記可動式フットレストを使用した規則的なリズム運動を誘発する駆動力制御手段とを有することを特徴とする運転者感情誘導装置。
  4. 請求項3に記載の運転者感情誘導装置において、
    前記駆動力制御手段は、運転者による前記可動式フットレストの運動状態を検出し、検出した運動状態に基づいて前記可動式フットレストへ加える駆動力を変化させることによって、運転者に規則正しいリズム運動を継続させることを特徴とする運転者感情誘導装置。
  5. 請求項3または4に記載の運転者感情誘導装置において、
    自車両の車速を検出する車速検出手段と、
    車両操作部材の操作頻度を検出する頻度検出手段と、
    前記車速検出手段によって検出された自車両の車速と、前記頻度検出手段によって検出された操作頻度とに基づいて運転者の忙しさを判定する忙しさ判定手段とをさらに有し、
    前記駆動力制御手段は、前記忙しさ判定手段によって運転者が運転操作に忙しい状況であると判断した場合に、前記可動式フットレストの駆動を停止してその位置を固定することを特徴とする運転者感情誘導装置。
  6. 請求項5に記載の運転者感情誘導装置において、
    前記頻度検出手段は、
    運転者によるアクセルペダルの操作を検出するアクセル操作検出手段と、
    運転者によるブレーキペダルの操作を検出するブレーキ操作検出手段と、
    運転者によるステアリングの操作を検出するステアリング操作検出手段とを有し、
    前記アクセル操作検出手段、ブレーキ操作検出手段、およびステアリング操作検出手段からの出力に基づいて運転者による車両操作部材の操作頻度を検出することを特徴とする運転者感情誘導装置。
  7. 請求項3〜6のいずれか一項に記載の運転者感情誘導装置において、
    前記駆動力制御手段は、運転者が前記可動式フットレストに乗せている足を踏ん張っていることを検出したときには、前記可動式フットレストの駆動を停止してその位置を固定することを特徴とする運転者感情誘導装置。
  8. 請求項3〜7のいずれか一項に記載の運転者感情誘導装置において、
    前記可動式フットレストを使用したリズム運動による運転者の疲労の発生を検出する疲労検出手段と、
    前記疲労検出手段によって運転者の疲労の発生が検出された場合に、前記可動式フットレストの位置を変化させる位置変化手段とをさらに有することを特徴とする運転者感情誘導装置。
  9. 請求項8に記載の運転者感情誘導装置において、
    前記疲労発生検出手段は、運転者による可動式フットレストの踏み込み位置の時間変化を監視し、当該踏み込み位置の時間変化に基づいて、運転者の疲労の状態を判定することを特徴とする運転者感情誘導装置。
  10. 請求項9に記載の運転者感情誘導装置において、
    前記位置変化手段は、前記疲労発生検出手段によって運転者の疲労の状態が疲労の初期段階であると判定された場合には、前記可動式フットレストの位置を周期的に前後方向に往復移動させることを特徴とする運転者感情誘導装置。
  11. 請求項9に記載の運転者感情誘導装置において、
    前記位置変化手段は、前記疲労発生検出手段によって運転者の疲労の状態が疲労の初期段階であると判定された場合には、前記可動式フットレストの位置を前記疲労発生検出手段で監視した運転者による可動式フットレストの踏み込み位置の時間変化に基づいて移動させることを特徴とする運転者感情誘導装置。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の運転者感情誘導装置において、
    前記駆動力制御手段は、前記疲労発生検出手段によって運転者の疲労の状態が疲労が蓄積した状態であると判定された場合には、前記可動式フットレストの駆動を停止してその位置を固定することを特徴とする運転者感情誘導装置。
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