JP2005238679A - 液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ及び液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ及び液滴吐出装置 Download PDF

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滋 金原
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Abstract

【課題】インクジェットヘッドにおいて、加圧液室の体積を変えることのみで、異なる体積の液滴を吐出することを可能とし、高階調かつ高画質の画像を記録する。
【解決手段】インクジェットヘッドにおいて、共通液室14の両側にチャンネル列L1,L2が形成され、一方のチャンネル列L1は小インクを吐出する第1加圧液室12aが形成されており、他方のチャンネル列L2には大インクを吐出する第2加圧液室12bが形成され、第1加圧液室12aの幅W1は、第2加圧液室12bの幅W2よりも小さく形成されている。ヒータ13a,13bにパルスを印加して発生する熱により、ヒータ13a,13bの近傍に生じた気泡を膨張させ、気泡を吐出口16a,16bにおいて外気と連通させてインク滴を吐出することにより、吐出口16a,16bの開口面積を変えることなく異なる体積の液滴を吐出することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴を吐出するための液滴吐出ヘッド及び該液滴吐出ヘッドを使用した液体カートリッジ及び液滴吐出装置に関する。特に、複写機、ファクシミリ、ワープロ等の出力用端末としてのプリンタ、ビデオプリンタ等に用いられるインクジェットプリントヘッド及びインクジェットプリント装置において、異なる体積の液滴を吐出するための構造の異なる加圧液室を備え、各加圧液室に対応して電気熱変換素子を形成した液滴吐出ヘッド及び該液滴吐出ヘッドを用いた液体カートリッジ、液滴吐出装置に関する。
本発明の液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ及び液滴吐出装置に関連する従来技術として、次のような発明が知られている。
引用文献1に記載されたインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置は、熱エネルギーによってインク中に気泡を発生させ、この気泡の生成に伴ってインクを吐出するインクジェット記録装置であって、インク吐出の際に気泡を外気と連通させ安定した吐出制御を可能とすることを目的とし、ヒータにパルスを印加することにより発生する熱によりヒータの近傍に生じた気泡は膨張し吐出口において外気と連通させてインク滴を吐出させることを特徴とする。
引用文献2に記載されたインクジェット記録ヘッドは、複数のエネルギー発生素子が設けられた基板と、この基板に接合され各エネルギー発生素子に対面する位置に吐出口1、吐出口2が形成されたプレート部材とを有し、吐出口1、吐出口2は互いに直径が異なり、吐出口1の開口面積に比べて吐出口2の開口面積の方が小さく形成され、プレート部材は基板との接合面に対してオリフィス面が傾斜しており、吐出口1が形成された部分に比べて吐出口2が形成された部分の厚みが薄くなっていることを特徴とする。
引用文献3に記載されたインクジェットヘッドは、吐出口にインクを導くための複数のインク流路と、吐出口と、吐出口に対して設けられインク流路内のインクに対して熱エネルギーを作用させることによってインクを吐出させるための気泡を発生させる発熱素子とで構成される吐出部とを有し、インク流路のそれぞれにインク吐出量の異なるインク吐出部が複数設けられ、一つのインク流路に対して、複数のインク吐出口を有していることを特徴とする。
引用文献4に記載された液体噴射記録ヘッドは、熱エネルギー作用部を設けた流路、該流路に記録液体を導入するための液室及び該液室に記録液体を導入する手段を備え、導入される記録液体を熱エネルギー作用部により加熱して気泡を発生させ、気泡の体積増加に伴う作用力により記録液体を吐出口から吐出するようにした液体噴射記録ヘッドにおいて、熱エネルギー作用部を独立に駆動可能で、吐出口からほぼ等距離のところに配置した2つの発熱体で構成し、かつ一方の発熱体の発熱能力を他方の発熱体の1倍より大きく2倍より小さくすることにより、多値記録を可能にし、その階調幅を広くすることを特徴とする。
特開平5−116307号公報 特開2002−321354号公報 特開平9−254413号公報 特開2000−43269号公報
液滴吐出ヘッドとしては、例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、インクを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド等がある。この中でプリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェット記録装置は、インク滴を吐出する吐出口と、この吐出口が連通する加圧液室(インク流路、吐出室、流路とも称される。)と、この液室内のインクを加圧するための駆動手段(圧力発生手段)とを備えた液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを搭載したものである。以下の説明ではインクジェットヘッドを中心に説明を行う。
インクジェットヘッドとしては、駆動手段が圧電素子であるもの(例えば、特公平2−51734号公報)、インクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインクを吐出させるもの(例えば、特公昭61−59911号公報)、駆動手段に静電気力を利用したもの(例えば、特開平5−50601号公報)等がある。
前記駆動手段の中でインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインクを吐出させる方法では、インクを加熱する手段として電気熱変換素子を備えている。すなわち、インクジェットヘッドは、電気信号が印加されることにより発熱してインクを加熱することができる発熱抵抗体(以下、ヒータという)と、ヒータに電気信号を印加するための電極とを有する。インクはヒータの発熱により発泡し、その発泡エネルギーによって吐出口からインク滴が吐出される。また、ここで使用されるインクは、一般に顔料や染料等の記録成分と、これを溶解または分散させるための水あるいは水と水溶性有機溶剤とからなる溶媒成分とによって形成されている。
なお、ヒータ及び電極等は半導体プロセスによって形成されるものであり、例えば基板上(例えば、Si、ガラス、セラミックス等)に設けられた発熱抵抗体上に中間層を介して電気良導体である金属からなる配線部が形成される。その配線部は上記中間層を露出するように積層して形成され、その露出した部分がヒータとなる。また、ヒータ及び電極上には必要に応じてインクからの電食、酸化を防ぐための耐熱性、インク液遮断性に優れた保護膜等が形成される。
上記のようなヒータを駆動手段とするインクジェット記録装置においては、その気泡の発生メカニズムは、伝熱理論の分野で知られている、いわゆる膜沸騰現象を利用しているものであり、この膜沸騰現象によって発生する気泡は、気泡の発生から消滅に至る再現性が非常に良く、インクジェットのインク噴射の駆動手段としては最適のものである。しかしながら、その気泡の発生から消滅に至る挙動は気泡の発生と消滅(1か0か)というように2値的な挙動であって、気泡の大きさを変化させることは困難である。したがって、このようなヒータを駆動手段とするインクジェット記録装置は2値記録に適した記録方法である。
しかしながら、近年、市場ではより高画質が要求されるようになり、単なる2値記録画像ではなく、いわゆる高階調記録が必要になってきている。被記録媒体上でのドット面積の異なるインク滴を必要に応じて吐出させることは、高い解像品質を維持したまま高速で記録を行うことを可能とする。このような高階調記録を実現するための方法として、例えば特開昭55−132259号公報に開示されている方法がある。この方法は、少なくとも2つの独立に信号を入力し得るヒータの各々に入力される信号の入力タイミングを適宜ずらすことによって階調記録を行うというものである。つまり、2つのヒータで2つの気泡を発生させ、その発生タイミングをずらして吐出口より吐出させるインク滴の量を微妙に変化させようとするものである。ところが、前記方法では気泡の発生から消滅のタイミングを精度良く管理する必要があり、必ずしも再現性良く実現することができなかった。また、複数の種類のヒータを配設することで、各ヒータを制御する回路が必要となり、コスト高となってしまう。
高階調記録を行う別の方法として、インク滴を吐出する吐出口の大きさ(開口面積)を複数設けて階調記録を行うものがある。
図13は、このような従来のインクジェット記録ヘッドを示す図で、図13(A)はインクジェット記録ヘッドの平面図、図13(B)は図1(A)のA−A′線断面図である。なお、図13(A)では吐出口プレート部材は除いて示している。
図13に示すインクジェット記録ヘッドは、いわゆるサイドシュータ型といわれるもので、共通液室94に連通した複数のインク通路91a,91b、加圧液室92a,92b、エネルギー発生素子93a,93bが設けられた基板90、各エネルギー発生素子93a,93bに対向する位置の吐出口プレート部材95にそれぞれ吐出口96a,96bが形成されている。吐出口96a,96bは2列に配列され、各列毎に吐出口96a,96bの開口面積が異なっている。また、それに応じてエネルギー発生素子93a,93bもエネルギーをインクに作用させる領域の面積が吐出口の列毎に異なっている。図13に示す例では、吐出口96a,96bの開口面積、エネルギー発生素子93a,93bの面積、およびインク通路91a,91bの幅は、図13中左側の列L1よりも右側の列L2の方がそれぞれ大きくなっている。これにより、左側の列L1の吐出口96aから吐出されるインクの体積は小さく、右側の列L2の吐出口96bから吐出されるインクの体積は相対的に大きく、結果的に2種類の大きさのインク滴を吐出することができる。
図13に示す従来例において、吐出口96a,96bは、吐出する液滴体積にあわせて複数の大きさのものが形成されているが、大インク滴を吐出する吐出口96bにおいてはエネルギー発生素子93bから吐出口96bまでの距離をOHとした場合に、OHが短すぎるとインク滴を吐出した後にエネルギー発生素子93b上にインクを再供給する速度が遅くなり、インクが再供給されるのを待って次の吐出を行う必要があるため、結果的に吐出周波数の低下を招いてしまう。一方、小インク滴を吐出する列L1については、OHが長すぎるとインクの吐出速度が低下するために吐出したインク滴が飛翔中に受ける空気抵抗の影響が大きくなり、被記録媒体に対するインクの着弾精度が低下するといった不具合が発生する。
前記した問題点を解決しようとする発明としては、例えば引用文献2に示されている方法がある。
図14は、引用文献2に示されている従来のインクジェット記録ヘッドを示す図で、図14(A)は平面図、図14(B)は図14(A)のA−A′線断面図である。なお、図14(A)では吐出口プレート部材は除いて示している。
この従来例では、複数のエネルギー発生素子93a,93bが設けられた基板90と、この基板90に接合され各エネルギー発生素子93a,93bに対面する位置に第1吐出口96a、第2吐出口96bが形成された吐出口プレート部材95とを有しており、L1列の第1吐出口96aとL2列の第2吐出口96bは互いに直径が異なっており、第1吐出口96aの開口面積に比べて第2吐出口96bの開口面積の方が大きく、吐出口プレート部材95は基板90との接合面に対して吐出口面が傾斜しており、第1吐出口96aが形成された部分に比べて第2吐出口96bが形成された部分の厚みが厚くなっている。
引用文献2に示された従来のインクジェット記録ヘッドでは、吐出口の開口面積が大きい場合に吐出口プレート部材の厚さを厚くして吐出口径の異なるインクジェット記録ヘッドの場合に生じる不具合を無くしているものであるが、吐出口プレート部材の厚さを同一ヘッド内で変化させ傾斜面付き吐出口プレート部材とすることは、製造上容易に実施できるものではない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、共通液室から分岐している複数の液体流路に液体に圧力を加えるための加圧液室がそれぞれ接続され、前記加圧液室に液滴を吐出するための吐出口がそれぞれ連通し、前記加圧液室内には電気熱変換素子がそれぞれ配設されており、前記電気熱変換素子の発熱により前記加圧液室内に気泡を発生させ、前記気泡は前記吐出口において外気と連通させることにより前記吐出口から液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドにおいて、加圧液室の体積等の構成を変えることのみで、異なる体積の液滴を吐出することが可能となり、高階調かつ高画質の画像を記録することができる液滴吐出ヘッド、該ヘッドを使用したインクカートリッジ及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
また、吐出口の開口面積を変化させて異なる体積の液滴を吐出させる従来の液滴吐出ヘッドでは懸念事項となっていた、開口面積が異なることによる液体供給量の差、吐出速度の差を生じさせることがなく、安定した液滴の吐出が可能となる液滴吐出ヘッド、該ヘッドを使用したインクカートリッジ及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
請求項1の液滴吐出ヘッドは、共通液室から分岐している複数の液体流路に液体に圧力を加えるための加圧液室がそれぞれ接続され、該加圧液室に液滴を吐出するための吐出口がそれぞれ連通し、前記加圧液室内には電気熱変換素子がそれぞれ配設されており、該電気熱変換素子の発熱により前記加圧液室内に気泡を発生させることにより前記吐出口から液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドにおいて、前記加圧液室は、所定の体積の液滴を吐出する複数の第一加圧液室と、該第一加圧液室とは異なる体積の液滴を吐出する複数の第二加圧液室とからなることを特徴とする。
請求項2の液滴吐出ヘッドは、請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、全ての前記吐出口の開口面積は同一であることを特徴とする。
請求項3の液滴吐出ヘッドは、請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記第一加圧液室及び前記第二加圧液室の体積は、異なることを特徴とする。
請求項4の液滴吐出ヘッドは、請求項1乃至3いずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記電気熱変換素子と前記加圧液室と前記液体流路と前記吐出口とを含む複数のチャンネル及び該複数のチャンネルに共通の共通液室が形成されており、該共通液室の一方側または両側にはチャンネル列が形成されており、該チャンネル列に沿った方向の幅が異なる複数の前記加圧液室を具備することを特徴とする。
請求項5の液滴吐出ヘッドは、請求項1乃至4いずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記第一加圧液室及び前記第二加圧液室に配設されている前記電気熱変換素子は、面積が等しいことを特徴とする。
請求項6の液滴吐出ヘッドは、請求項1乃至5いずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記電気熱変換素子と前記加圧液室と前記液体流路と前記吐出口とを含む複数のチャンネル及び該複数のチャンネルに共通の共通液室が形成されており、該共通液室の両側にはチャンネル列が形成され、一方側の前記チャンネル列を第一チャンネル列、他方側の前記チャンネル列を第二チャンネル列としたときに、前記第一チャンネル列あるいは第二チャンネル列のn番目のチャンネルの加圧液室が第一加圧液室である場合に、n−1番目及びn+1番目のチャンネルは第二加圧液室であることを特徴とする。
請求項7の液滴吐出ヘッドは、請求項1乃至6いずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記電気熱変換素子と前記加圧液室と前記液体流路と前記吐出口とを含む複数のチャンネルが、被記録媒体が走査する方向と交差する方向に沿って形成されていることを特徴とする。
請求項8の液体カートリッジは、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと該液滴吐出ヘッドに液体を供給するタンクを一体化した液体カートリッジにおいて、前記液滴吐出ヘッドは請求項1乃至6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする。
請求項9の液滴吐出装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドまたは請求項8に記載の液体カートリッジを使用したことを特徴とする。
請求項1の発明は、共通液室から分岐している複数の液体流路に、液体に圧力を加えるための加圧液室がそれぞれ接続され、前記加圧液室に液滴を吐出する吐出口がそれぞれ連通し、前記加圧液室内には電気熱変換素子がそれぞれ配設されており、前記電気熱変換素子の発熱により前記加圧液室内に気泡を発生させ前記吐出口から液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドにおいて、所定の体積の液滴を吐出するための複数の第一加圧液室と、該第一加圧液室とは異なる体積の液滴を吐出するための複数の第二加圧液室とを少なくとも具備しているので、異なる加圧液室を設けるのみで異なる体積の液滴を吐出することが可能で、高階調かつ高画質の画像を記録することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明の液滴吐出ヘッドにおいて、すべての吐出口の開口面積は同じであるにもかかわらず、異なる液滴を吐出することが可能で、高階調かつ高画質の画像を記録することができる。また、吐出口の開口面積を変化させて異なる液滴を吐出させる従来の液滴吐出ヘッドでは懸念事項となっていた、開口面積が異なることによる液体供給量の差、吐出速度の差が生じることがなく、安定した液滴の吐出が可能となる。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明の液滴吐出ヘッドにおいて、第一加圧液室と第二加圧液室とは加圧液室の体積が異なるので、異なる体積の液滴を吐出することが可能なため、高階調かつ高画質の画像を記録することができる。また、加圧液室体積を変えることのみで異なる液滴を吐出することが可能であるため、吐出口の開口面積を変化させて異なる液滴を吐出させる従来の液滴吐出ヘッドでは懸念事項となっていた、開口面積が異なることによる液体供給量の差、吐出速度の差が生じることがなく、安定した液滴の吐出が可能となる。
請求項4の発明は、請求項1〜3いずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、液滴を吐出させるための電気熱変換素子と液体に圧力を加えるための加圧液室と液体を各加圧液室まで供給する液体流路と液滴を吐出する吐出口とを含む複数のチャンネルが形成され、また各チャンネル共通の共通液室が形成されており、前記共通液室の片側または両側にはチャンネル列が形成されており、該チャンネルに沿った方向の幅が異なる複数の加圧液室を具備するので、異なる体積の液滴を吐出することが可能となり、高階調かつ高画質の画像を記録することができる。また、加圧液室体積を変えることのみで異なる体積の液滴を吐出することが可能であるため、吐出口の開口面積を変化させて異なる液滴を吐出させる従来の液滴吐出ヘッドでは懸念事項となっていた、開口面積が異なることによる液体供給量の差、吐出速度の差が生じることがなく、安定した液滴の吐出が可能となる。
請求項5の発明は、請求項1〜4いずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、第一加圧液室と第二加圧液室に配設されている電気熱変換素子は面積が等しいので、複数の電気熱変換素子を具備する場合には各々の電気熱変換素子を制御するための回路が必要であったが、制御回路の面積を小さくすることができ、低コストの液滴吐出ヘッドを提供することができる。
請求項6の発明は、請求項1〜5いずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、液滴を吐出させるための電気熱変換素子と液体に圧力を加えるための加圧液室と液体を各加圧液室まで供給する液体流路と液滴を吐出する吐出口とを含む複数のチャンネルが形成され、また各チャンネル共通の共通液室が形成されており、前記共通液室の両側にはチャンネル列が形成され、片側のチャンネル列を第一チャンネル列、他方のチャンネル列を第二チャンネル列としたときに、第一チャンネル列あるいは第二チャンネル列のn番目のチャンネルの加圧液室が第一加圧液室である場合に、n−1番目及びn+1番目のチャンネルは第二加圧液室であるので、チャンネル配置をより高密度にすることが可能となり、高階調かつ高画質の画像を記録することができる。
請求項7の発明は、請求項1〜6いずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、液滴を吐出させるための電気熱変換素子と液体に圧力を加えるための加圧液室と液体を各加圧液室まで供給する液体流路と液滴を吐出する吐出口とを含む複数のチャンネルが、被記録媒体の走査方向と交差する方向に沿って形成されているので、固定型の液滴吐出ヘッドにおいて異なる体積の液滴を吐出することが可能なため、高階調かつ高画質の画像を記録することができる。また、被記録媒体が走査する方向と交差する方向に沿って液滴を吐出させるためのチャンネルが設けられているため、ヘッドの長さ(被記録媒体の走査方向と交差する方向の長さ)を被記録媒体の幅よりも長くすることでフルラインヘッドへの適用が可能となる。
請求項8の発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドとこの液滴吐出ヘッドに液体を供給するタンクを一体化した液体カートリッジにおいて、前記液滴吐出ヘッドが請求項1〜6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであるので、高解像度で高階調の画像を高速で形成することが可能な液体カートリッジを提供することができる。
請求項9の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドまたは請求項8に記載の液体カートリッジを使用したので、高解像度、高階調の記録を高速で行うことができる液滴吐出装置を提供することができる。
本発明は、共通液室から分岐している複数の液体流路に液体に圧力を加えるための加圧液室がそれぞれ接続され、前記加圧液室に液滴を吐出するための吐出口がそれぞれ連通し、前記加圧液室内には電気熱変換素子がそれぞれ配設されており、前記電気熱変換素子の発熱により前記加圧液室内に気泡を発生させ、前記気泡は前記吐出口において外気と連通させることにより前記吐出口から液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドにおいて、異なる体積の液滴を吐出することが可能となり、高階調かつ高画質の画像を記録することができる液滴吐出ヘッド、該ヘッドを使用したインクカートリッジ及び液滴吐出装置を提供するもので、前記加圧液室は、所定の体積の液滴を吐出する複数の第一加圧液室と、該第一加圧液室とは異なる体積の液滴を吐出する複数の第二加圧液室とからなり、全ての前記吐出口の開口面積は同一であり、また前記第一加圧液室及び前記第二加圧液室の体積は異なるように構成される。
以下、本発明の実施例1の液滴吐出ヘッドについて説明する。
図1は実施例1のインクジェットヘッドを示す図で、図1(A)は平面図、図1(B)は図1(A)のA−A′線断面図、図1(C)はチャンネル列L1線に沿った断面図、図1(D)はチャンネル列L2線に沿った断面図である。なお、図1(A)では、吐出口プレート部材は除いて示されている。
図2は実施例1のインクジェットヘッドを示す斜視図である。
実施例1のインクジェットヘッドは、複数のインク流路11a,11b、インクを加圧するための加圧液室12a,12b、基板10上に形成されインクを加熱発泡させるためのヒータ13a,13b、吐出口プレート部材15に1200dpiで形成された吐出口16a,16bで形成されている。複数のインク流路11a,11bは共通液室14と連通し、共通液室14からインクが供給される。加圧液室12a,12bは、小インク滴を吐出させるための第1加圧液室12aと大インク滴を吐出させるための第2加圧液室12bとを備えている。本実施例では、ヒータ13a,13bも小インク用と大インク用で面積の異なるヒータを使用しており、小インク用のヒータ13aの面積よりも大インク用のヒータ13bの面積が大きくなっている。
インクタンク(図示略)から供給されたインクは、各チャンネル共通の共通液室14に一時的に保持され、さらに毛細管現象により各インク流路11a,11bに侵入し、吐出口16a,16bにてメニスカスを形成する。これにより、インク流路11a,11bはインクで満たされた状態に保たれる。この状態でヒータ13a,13bに駆動パルスを印加し、それを発熱させてインクに熱エネルギーを与えることによりインクに急激な体積変化(気泡の発生)を伴う状態変化が生じ、この状態変化に基づく作用力によって吐出口16a,16bからインクが吐出される。
図1、図2に示された実施例1のインクジェットヘッドでは、各チャンネル共通の共通液室14の両側にチャンネル列L1,L2が形成されており、左側のチャンネル列L1は小インクを吐出するための第1加圧液室12aが形成されており、右側のチャンネル列L2には大インクを吐出するための第2加圧液室12bが形成されている。第1加圧液室12aと第2加圧液室12bとは加圧液室体積が異なっており、第1加圧液室12aの体積は第2加圧液室12bの体積よりも小さく形成されている。具体的には、図1(C)、図1(D)に示すように第1加圧液室12aのチャンネル列L1方向の幅W1は、第2加圧液室12bのチャンネル列L2方向の幅W2よりも小さく形成されている。
本発明によるインクジェットヘッドの場合は、ヒータ13a,13bにパルスを印加することにより発生する熱により、ヒータ13a,13bの近傍に生じた気泡を膨張させ、吐出口16a,16bにおいて外気と連通させてインク滴を吐出する。吐出口16a,16bにおいて外気と連通させる方式では、加圧液室12a,12bに存在するインクがほぼ全てインク滴となるため、吐出口16a,16bの開口面積を変えることなく加圧液室体積の大きさを変えることで異なる体積の液滴を吐出することが可能となる。
ヒータ及び電極等は半導体プロセスによって形成されるものであり、例えば基板上(例えば、Si、ガラス、セラミックス等)に設けられた発熱抵抗体(例えば、HfB,ZrB,TaN,TaSi等の耐熱抵抗体)上に中間層(例えば、Ti,Cr等)を介して電気良導体である金属からなる配線部(例えば、Al,Au,Ag,Cu等)が形成される。さらに絶縁層が形成され、またヒータ及び電極上には必要に応じてインクからの電食、酸化を防ぐための耐熱性、インク液遮断性に優れた保護膜等が形成されている。
ここで、このインクジェットヘッドにおいて使用する液体であるインクについて説明する。本発明にかかるインクジェットヘッドで使用するインク液は次の成分(1)〜(10)を含有する印字用インクであるが、これに限るものではない。
(1)顔料 6wt%以上
(2)湿潤剤1
(3)湿潤剤2
(4)水溶性有機溶剤
(5)アニオンまたはノニオン系界面活性剤
(6)炭素数8以上のポリオールまたはグリコールエーテル
(7)エマルジョン
(8)防腐剤
(9)pH調製剤
(10)純水
すなわち、印字するための着色剤として顔料を使用し、それを分解、分散させるための溶剤とを必須成分とし、さらに添加剤として湿潤剤、界面活性剤、エマルジョン、防腐剤、pH調製剤とを含んでいる。このような本発明のインクを使用することによって、特に普通紙上に印字した場合でも良好な色調(十分な発色性、色再現性を有する)、高い画像濃度、文字を含む画像にフェザリング現象やカラーブリード現象のない鮮明な画像、両面印刷にも耐え得るインク裏抜け現象の少ない画像、高速印刷に適したインク乾燥性、耐光性、耐水性等を有した画像等これらの画像特性に対して十分に満足できる高画質画像を形成することができるようになる。
前記印字用インクでは顔料を使用した例を記載しているが、染料を使用したインクにおいても本発明の効果は得ることができる。一般に染料の場合は、水溶性染料、この染料の溶媒である水、そして乾燥防止剤であるグリコール類の3者を主成分として組成される。
以下、本発明の実施例2のインクジェットヘッドについて説明する。
図3は実施例2のインクジェットヘッドを示す図で、図3(A)は平面図、図3(B)は図3(A)のA−A′線断面図である。なお、図3(A)では、吐出口プレート部材は除いて示されている。
図4は実施例2のインクジェットヘッドを示す斜視図である。
実施例2のインクジェットヘッドは、複数のインク流路21a,21b、インクを加圧するための加圧液室22a,22b、基板20上に形成されインクを加熱発泡させるためのヒータ23a,23b、インクを吐出する吐出口26a,26bが1200dpiで吐出口プレート部材25に形成されている。加圧液室22a,22bは小インク滴を吐出させるための第一加圧液室22aと大インク滴を吐出させるための第二加圧液室22bとを備えている。また、ヒータ23aとヒータ23bは同一面積を有している。吐出口26a,26bも同じ加工面積を有している。インクタンク(図示略)から供給されたインクは、各チャンネル共通の共通液室24に一時的に保持され、さらに毛細管現象により各インク流路21a,21bに侵入し、吐出口26a,26bにてメニスカスを形成する。
実施例2のインクジェットヘッドの場合、ヒータにパルスを印加することにより発生する熱により、ヒータの近傍に生じた気泡は膨張して吐出口において外気と連通させてインク滴が吐出する。気泡を吐出口において外気と連通させることにより、加圧液室に存在するインクがほぼ全てインク滴となるため、加圧液室体積の大きさを変えることで異なる体積の液滴を吐出することが可能となる。さらに、本実施例のインクジェットヘッドでは使用するヒータも小インク滴用、大インク適用で同一のものを使用しているため、ヒータを制御する回路も同様のものを使用することが可能となり、回路の面積をより小さくすることが可能となる。このため、低コストのインクジェットヘッドの形成が可能である。
以下、本発明の実施例3のインクジェットヘッドについて説明する。
図5は実施例3のインクジェットヘッドを示す図で、図5(A)は平面図、図5(B)は図5(A)のA−A′線断面図である。なお、図5(A)では、吐出口プレート部材は除いて示されている。
図6は実施例3のインクジェットヘッドを示す斜視図である。
実施例3のインクジェットヘッドは、複数のインク流路31a,31b、インクを加圧するための加圧液室32a,32b、基板30上に形成されインクを加熱発泡させるためのヒータ33a,33b、インクを吐出する吐出口36a,36bが吐出口プレート部材35に1200dpiで形成されている。加圧液室32a,32bは、小インク滴を吐出させるための第一加圧液室32aと、大インク滴を吐出させるための第二加圧液室32bとを備えている。また、ヒータ33aとヒータ33bは同一面積を有している。吐出口36a、吐出口36bも同じ加工面積を有している。インクタンク(図示略)から供給されたインクは各チャンネル共通の共通液室34に一時的に保持され、さらに毛細管現象により各インク流路31a,31bに侵入し、吐出口36a,36bにてメニスカスを形成する。
実施例2のインクジェットヘッドの場合、ヒータ33a,33bにパルスを印加することにより発生する熱により、ヒータ33a,33bの近傍に生じた気泡は膨張して、吐出口36a,36bにおいて外気と連通してインク滴を吐出する。気泡を吐出口36a,36bにおいて外気と連通させることにより、加圧液室32a,32bに存在するインクがほぼ全てインク滴となるため、加圧液室体積の大きさを変えることで異なる体積の液滴を吐出することが可能となる。
また、図5(A)において、n番目のチャンネルの加圧液室が第二加圧液室(つまり、体積が大きい)を有している場合に、n−1番目及びn+1番目のチャンネルは第一加圧液室(つまり、体積が小さい)を有するように配置されている。第一加圧液室、第二加圧液室を前記のように配置することにより、共通液室34の一方側に第一加圧液室を配置し、他方側に第二加圧液室を配置する図1、図3に示されたようなインクジェットヘッドに比べて、より高密度にチャンネルを配置することが可能となり、高密度記録が可能となる。
以下、本発明の実施例4のインクジェットヘッドについて説明する。
図7は実施例4のインクジェットヘッドが被記録媒体上を走査する方式で使用された例を示す図で、図7(A)は平面図、図7(B)は図7(A)のA−A′線断面図、図8は実施例4のインクジェットヘッドがラインプリンタ方式で使用された例を示す図で、図8(A)は平面図、図8(B)は図8(A)のA−A′線断面図である。なお、図7、図8に示すインクジェットヘッドそれ自体は、図5、図6に示す実施例3のインクジェットヘッドを用いている。
図7に示すインクジェットヘッドでは、共通液室34の両側に形成されているチャンネル列L1、L2は、被記録媒体(不図示)の走査方向に沿って形成されている。一方、図8に記載のインクジェットヘッドでは共通液室34の両側に形成されているチャンネル列L1、L2は被記録媒体の走査方向に交差する方向に沿って形成されている。図8に記載されているようにチャンネル列L1、L2が被記録媒体の走査方向に交差する方向に沿って形成されている場合には、ヘッドの長さ(被記録媒体の走査方向と交差する方向の長さ)を被記録媒体の幅よりも長くすることでフルラインヘッドとして適用が可能となる。
次に、実施例5のインクカートリッジについて説明する。
図9は実施例5のインクカートリッジを示す斜視図である。
実施例5のインクカートリッジは、吐出口40等を有する実施例1〜4のいずれかのインクジェットヘッド41と、このインクジェットヘッド41に対してインクを供給するインクタンク42とを一体化したものである。
このようなインクタンク一体型のインクジェットヘッドの場合、ヘッドの信頼性不良は直ちにインクカートリッジ全体の信頼性不良につながるので、本実施例のように信頼性の高いインクジェットヘッドを使用することで、インクカートリッジの信頼性が向上し、ヘッド一体型インクカートリッジの信頼性向上が図れる。
次に、本発明のインクジェットヘッドを搭載した実施例6のインクジェット記録装置について説明する。
図10は実施例6のインクジェット記録装置を示す斜視図、図11は同じくインクジェット記録装置の機構部を示す側面図である。
実施例6のインクジェット記録装置は、記録装置本体50の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ58、キャリッジ58に搭載され本発明の実施例1〜4のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド59、記録ヘッド59へインクを供給するインクカートリッジ60等で構成される印字機構部51等を収納し、装置本体50の下方部には前方側から多数枚の用紙52を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)53を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙52を手差しで給紙するための手差しトレイ54を開倒することができ、給紙カセット53或いは手差しトレイ54から給送される用紙52を取り込み、印字機構部51によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ55に排紙する。
印字機構部51は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド56と従ガイドロッド57とでキャリッジ58を主走査方向(図11で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ58にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェットヘッドからなる記録ヘッド59を複数のインク吐出口(吐出口)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ58には記録ヘッド59に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ60を交換可能に装着している。
インクカートリッジ60は上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド59へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、記録ヘッド59として、ここでは各色のインクジェットヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出する吐出口を有する1個のインクジェットヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ58は、後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド56に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド57に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ58を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ75で回転駆動される駆動プーリ76と従動プーリ77との間にタイミングベルト78を張装し、このタイミングベルト78をキャリッジ58に固定しており、主走査モータ75の正逆回転によりキャリッジ58が往復駆動される。
一方、給紙カセット53にセットした用紙52を記録ヘッド59の下方側に搬送するために、給紙カセット53から用紙52を分離給装する給紙ローラ61及びフリクションパッド62と、用紙52を案内するガイド部材63と、給紙された用紙52を反転させて搬送する搬送ローラ64と、この搬送ローラ64の周面に押し付けられる搬送コロ65及び搬送ローラ64からの用紙52の送り出し角度を規定する先端コロ66とを設けている。搬送ローラ64は副走査モータ79によってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ58の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ64から送り出された用紙52を記録ヘッド59の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材67を設けている。この印写受け部材67の用紙搬送方向下流側には、用紙52を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ68、拍車69を設け、さらに用紙52を排紙トレイ55に送り出す排紙ローラ70及び拍車71と、排紙経路を形成するガイド部材72,73とを配設している。
記録時には、キャリッジ58を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド59を駆動することにより、停止している用紙52にインクを吐出して1行分を記録し、用紙52を所定量搬送後次の行の記録を行う。
記録終了信号または、用紙52の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙52を排紙する。
また、キャリッジ58の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド59の吐出不良を回復するための回復装置74を配置している。回復装置74はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ58は印字待機中にはこの回復装置74側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッド59をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド59の吐出口を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。このように、このインクジェット記録装置においては本発明を実施したインクジェットヘッドを搭載しているので、高階調、高解像度の画像を高速に形成することが可能となる。
次に、実施例7のフルライン型インクジェット記録装置について説明する。
図12は実施例7のフルライン型インクジェット記録装置の概略構成を示す図で、図12(A)は側面図、図12(B)は平面図である。
フルライン型インクジェット記録装置は、インクジェットヘッドを被記録媒体の走査方向に対し図8に記載されたように配置するもので、印字時には記録ヘッド81は走査せずに記録装置本体に固定されており、被記録媒体82のみ走査する。被記録媒体82は搬送ベルト83によって図中右側より記録ヘッド81の下方へ搬送される。記録ヘッド81はイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)のインクジェットヘッドが各色等間隔で配置されており、記録ヘッド81の長さLは被記録媒体82の幅Wよりも長くなっており、被記録媒体82を一度走査するだけで被記録媒体82の全域に印字することが可能となる。被記録媒体82は搬送ベルト83により図中左側へと排出される。このように、このインクジェット記録装置は本発明の実施例1〜4のインクジェットヘッドを搭載しているので、高階調、高解像度の画像を高速に形成することが可能となる。
実施例1のインクジェットヘッドを示す図で、図1(A)は平面図、図1(B)は図1(A)のA−A′線断面図、図1(C)はチャンネル列L1線に沿った断面図、図1(D)はチャンネル列L2線に沿った断面図である。 実施例1のインクジェットヘッドを示す斜視図である。 実施例2のインクジェットヘッドを示す図で、図3(A)は平面図、図3(B)は図3(A)のA−A′線断面図である。 実施例2のインクジェットヘッドを示す斜視図である。 実施例3のインクジェットヘッドを示す図で、図5(A)は平面図、図5(B)は図5(A)のA−A′線断面図である。 実施例3のインクジェットヘッドを示す斜視図である。 実施例4のインクジェットヘッドが被記録媒体上を走査する方式で使用された例を示す図で、図7(A)は平面図、図7(B)は図7(A)のA−A′線断面図である。 実施例4のインクジェットヘッドがラインプリンタ方式で使用された例を示す図で、図8(A)は平面図、図8(B)は図8(A)のA−A′線断面図である。 実施例5のインクカートリッジを示す斜視図である。 実施例6のインクジェット記録装置を示す斜視図である。 実施例6のインクジェット記録装置の機構部を示す側面図である。 実施例7のフルライン型インクジェット記録装置の概略構成を示す図で、図12(A)は側面図、図12(B)は平面図である。 従来のインクジェット記録ヘッドを示す図で、図13(A)はインクジェットヘッドの平面図、図13(B)は図1(A)のA−A′線断面図である。 異なる従来のインクジェット記録ヘッドを示す図で、図14(A)はインクジェットヘッドの平面図、図14(B)は図14(A)のA−A′線断面図である。
符号の説明
10,20,30…基板、11,21,31…インク流路、12,22,32…加圧液室、13,23,33…ヒータ、14,24,34…共通液室、15,25,35…吐出口プレート部材、16,26,36…吐出口、40…吐出口、41…インクジェットヘッド、42…インクタンク、50…記録装置本体、51…印字機構部、52…用紙、53…給紙カセット、54…手差しトレイ、55…排紙トレイ、56…主ガイドロッド、57…従ガイドロッド、58…キャリッジ、59…記録ヘッド、60…インクカートリッジ、61…給紙ローラ、62…フリクションパッド、63…ガイド部材、64…搬送ローラ、65…搬送コロ、66…先端コロ、68…搬送コロ、69…拍車、70…排紙ローラ、71…拍車、72,73…ガイド部材、74…回復装置、75…主走査モータ、76…駆動プーリ、77…従動プーリ、78…タイミングベルト、79…副走査モータ、81…記録ヘッド、82…被記録媒体、83…搬送ベルト。

Claims (9)

  1. 共通液室から分岐している複数の液体流路に液体に圧力を加えるための加圧液室がそれぞれ接続され、該加圧液室に液滴を吐出するための吐出口がそれぞれ連通し、前記加圧液室内には電気熱変換素子がそれぞれ配設されており、該電気熱変換素子の発熱により前記加圧液室内に気泡を発生させることにより前記吐出口から液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記加圧液室は、所定の体積の液滴を吐出する複数の第一加圧液室と、該第一加圧液室とは異なる体積の液滴を吐出する複数の第二加圧液室とからなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 全ての前記吐出口の開口面積は同一であることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記第一加圧液室及び前記第二加圧液室の体積は、異なることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記電気熱変換素子と前記加圧液室と前記液体流路と前記吐出口とを含む複数のチャンネル及び該複数のチャンネルに共通の共通液室が形成されており、該共通液室の一方側または両側にはチャンネル列が形成されており、該チャンネル列に沿った方向の幅が異なる複数の前記加圧液室を具備することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 前記第一加圧液室及び前記第二加圧液室に配設されている前記電気熱変換素子は、面積が等しいことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 前記電気熱変換素子と前記加圧液室と前記液体流路と前記吐出口とを含む複数のチャンネル及び該複数のチャンネルに共通の共通液室が形成されており、該共通液室の両側にはチャンネル列が形成され、一方側の前記チャンネル列を第一チャンネル列、他方側の前記チャンネル列を第二チャンネル列としたときに、前記第一チャンネル列あるいは第二チャンネル列のn番目のチャンネルの加圧液室が第一加圧液室である場合に、n−1番目及びn+1番目のチャンネルは第二加圧液室であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  7. 前記電気熱変換素子と前記加圧液室と前記液体流路と前記吐出口とを含む複数のチャンネルが、被記録媒体が走査する方向と交差する方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  8. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと該液滴吐出ヘッドに液体を供給するタンクを一体化した液体カートリッジにおいて、前記液滴吐出ヘッドは請求項1乃至6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする液体カートリッジ。
  9. 請求項1乃至7のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドまたは請求項8に記載の液体カートリッジを使用したことを特徴とする液滴吐出装置。
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