JP2005238012A - 塗装設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】 塗膜固形分率の調整の安定化や塗装品生産能率の向上を可能にする。
【解決手段】 水系塗料による被塗物塗装か溶剤系塗料による被塗物塗装かのいずれかを選択的に行う塗装部1からの搬出被塗物Wに対し塗膜固形分率の調整処理を行う仮乾燥部3を設け、仮乾燥部3への供給加熱空気SAを生成する加熱器10と、水系塗膜処理のときには仮乾燥部3に対する加熱空気SAの供給風量Qを大風量にし、かつ、溶剤系塗膜処理のときには仮乾燥部3に対する加熱空気SAの供給風量Qを小風量にする風量制御手段16と、加熱器10の加熱出力を調整して仮乾燥部3に対する供給加熱空気SAの温度tを設定値温度tsに調整する加熱制御手段16とを備える塗装設備において、加熱器10における伝熱要素20の遮風対象部分20aへの空気通風を遮る遮風作用状態とその遮りを解除する遮風解除状態とに切り換え自在な遮風手段22a,22bを設け、この遮風手段22a,22bを水系塗膜処理のときには遮風解除状態にし、かつ、溶剤系塗膜処理のときには遮風作用状態にする遮風制御手段16を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗装を施した被塗物を加熱空気や減湿空気に晒して、その被塗物における塗膜の固形分率を調整(いわゆるフラッシュオフ処理)し、その上で、その被塗物に対しウエットオンウエット方式での重ね塗り塗装や焼付炉での塗膜焼付処理などを施す塗装設備に関する。
従来、上記の如き塗装設備としては、順次に搬入される被塗物に対して、水を溶媒とする水系塗料による被塗物塗装か有機溶剤を溶媒とする溶剤系塗料による被塗物塗装かのいずれかを選択的に行う塗装部と、
この塗装部から搬出される被塗物を順次、加熱空気に晒して、その被塗物に対し塗膜固形分率の調整処理を行う仮乾燥部とを設けるとともに、
空気通過路の横断面方向に分散させた伝熱要素により通過空気を加熱して前記仮乾燥部への供給加熱空気を生成する加熱器と、
前記仮乾燥部における処理対象の被塗物が先の塗装部において水系塗料の塗装を行った被塗物である水系塗膜処理のときには前記仮乾燥部に対する加熱空気の供給風量を大風量にし、かつ、前記仮乾燥部における処理対象の被塗物が先の塗装部において溶剤系塗料の塗装を行った被塗物である溶剤系塗膜処理のときには前記仮乾燥部に対する加熱空気の供給風量を小風量にする風量制御手段と、
前記仮乾燥部に対する供給加熱空気の温度の検出情報に基づき前記加熱器の加熱出力を調整して前記仮乾燥部に対する供給加熱空気の温度を設定値温度に調整する加熱制御手段を装備した塗装設備がある(下記特許文献1,2参照)。
そしてまた、順次に搬入される被塗物に対して、水を溶媒とする水系塗料による被塗物塗装か有機溶剤を溶媒とする溶剤系塗料による被塗物塗装かのいずれかを選択的に行う塗装部と、
この塗装部から搬出される被塗物を順次、減湿空気に晒して、その被塗物に対し塗膜固形分率の調整処理を行う仮乾燥部とを設けるとともに、
空気通過路の横断面方向に分散させた伝熱要素により通過空気を冷却減湿して前記仮乾燥部への供給減湿空気を生成する冷却器と、
前記仮乾燥部における処理対象の被塗物が先の塗装部において水系塗料の塗装を行った被塗物である水系塗膜処理のときには前記仮乾燥部に対する減湿空気の供給風量を大風量にし、かつ、前記仮乾燥部における処理対象の被塗物が先の塗装部において溶剤系塗料の塗装を行った被塗物である溶剤系塗膜処理のときには前記仮乾燥部に対する減湿空気の供給風量を小風量にする風量制御手段と、
前記仮乾燥部に対する供給減湿空気の湿度の検出情報に基づき前記冷却器の冷却出力を調整して前記仮乾燥部に対する供給減湿空気の湿度を設定値湿度に調整する減湿制御手段を装備した塗装設備もある。
すなわち、溶剤系塗料の塗膜に比べ水系塗料の塗膜は塗料溶媒の蒸発が遅く、塗膜の固形分率をその後の処理に適した値まで上昇させるのに時間を要することに対し、上記の塗装設備では、仮乾燥部に対する加熱空気又は減湿空気の供給風量を仮乾燥部における処理対象被塗物の塗膜塗料種に応じて風量制御手段により切り換えることで、塗装部から搬出される被塗物が水系塗料による塗装が行われた被塗物、あるいは、溶剤系塗料による塗装が行われた被塗物のいずれの場合も、それら被塗物における塗膜の固形分率を仮乾燥部において同等の時間で適切な値に調整し得るようにし、これにより、生産中における水系塗料と溶剤系塗料との塗料種変更にかかわらず、生産能率を一定化するとともに高い塗装品質を維持するようにしている。
特開2003−211054号公報 特開2002−346460号公報
しかし従来、これらの塗装設備では、仮乾燥部における処理対象被塗物の塗膜塗料種に応じて仮乾燥部に対する加熱空気又は減湿空気の供給風量が切り換えられた際、その風量切り換え(換言すれば、加熱器や冷却器における処理空気風量の変化)により仮乾燥部に対する供給加熱空気の温度や供給減湿空気の湿度が変化することに対し、加熱器の加熱出力が加熱制御手段により温度復帰側に調整され、また、冷却器の冷却出力が減湿制御手段により湿度復帰側に調整されるものの、その変化した温度や湿度が設定値に復帰するのに長い時間(例えば、3〜5分間)を要して、不適切な温度の加熱空気や不適切な湿度の減湿空気が仮乾燥部に供給される状態が暫く続き、この為、塗膜の固形分率調整が不安定になって塗装品質の低下を招く、あるいは、被塗物搬送列中に被塗物の間引き空所を設けることで加熱空気の温度や減湿空気の湿度が設定値に復帰するまでの間の仮乾燥部への被塗物搬入を回避する処置が必要になって生産能率の低下を招く問題があった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、加熱器や冷却器に対する合理的な改良により上記問題を効果的に解消する点にある。
〔1〕本発明の第1特徴構成は塗装設備に係り、その特徴は、
順次に搬入される被塗物に対して、水を溶媒とする水系塗料による被塗物塗装か有機溶剤を溶媒とする溶剤系塗料による被塗物塗装かのいずれかを選択的に行う塗装部と、
この塗装部から搬出される被塗物を順次、加熱空気に晒して、その被塗物に対し塗膜固形分率の調整処理を行う仮乾燥部とを設けるとともに、
空気通過路の横断面方向に分散させた伝熱要素により通過空気を加熱して前記仮乾燥部への供給加熱空気を生成する加熱器と、
前記仮乾燥部における処理対象の被塗物が先の塗装部において水系塗料の塗装を行った被塗物である水系塗膜処理のときには前記仮乾燥部に対する加熱空気の供給風量を大風量にし、かつ、前記仮乾燥部における処理対象の被塗物が先の塗装部において溶剤系塗料の塗装を行った被塗物である溶剤系塗膜処理のときには前記仮乾燥部に対する加熱空気の供給風量を小風量にする風量制御手段と、
前記仮乾燥部に対する供給加熱空気の温度の検出情報に基づき前記加熱器の加熱出力を調整して前記仮乾燥部に対する供給加熱空気の温度を設定値温度に調整する加熱制御手段とを備える塗装設備において、
前記加熱器における前記伝熱要素の一部分を遮風対象部分としてその遮風対象部分への空気通風を遮る遮風作用状態とその遮りを解除する遮風解除状態とに切り換え自在な遮風手段を設け、
この遮風手段を前記水系塗膜処理のときには遮風解除状態にし、かつ、前記溶剤系塗膜処理のときには遮風作用状態にする遮風制御手段を設けてある点にある。
つまり、仮乾燥部に対する供給加熱空気の温度を設定値温度に調整するのに、単に加熱制御手段により加熱器の加熱出力を調整するだけの従来設備では、水系塗料の塗装を行った被塗物の塗膜固形分率を仮乾燥部において調整する水系塗膜処理のときと、溶剤系塗料の塗装を行った被塗物の塗膜固形分率を仮乾燥部において調整する溶剤系塗膜処理のときとを比べた場合、溶剤系塗膜処理では、加熱器において小風量の通過空気を設定値温度まで加熱するだけでよいことから(換言すれば、水系塗膜処理のときと同量の伝熱要素をもって水系塗膜処理のときよりも少風量の通過空気を設定値温度まで加熱するから)、加熱制御手段による加熱出力調整において伝熱要素の平衡表面温度が水系塗膜処理のときよりも低くなる。
この為、溶剤系塗膜処理から水系塗膜処理への移行として仮乾燥部に対する加熱空気の供給風量を大風量に切り換えた際、その風量切り換え(すなわち、加熱器における処理空気風量の増大)により仮乾燥部に対する供給加熱空気の温度が低下することに対し、加熱器の加熱出力が加熱制御手段により増大側に調整されるものの、加熱器における伝熱要素の表面温度を溶剤系塗膜処理の際の低い平衡温度から水系塗膜処理の際の高い平衡温度まで上昇させるのに加熱出力の多くが費やされるとともに相応の時間を要し、これが原因で、仮乾燥部に対する供給加熱空気の温度を設定値温度まで上昇復帰させるのに長い時間を要してしまう。
また逆に、水系塗膜処理から溶剤系塗膜処理への移行として仮乾燥部に対する加熱空気の供給風量を小風量に切り換えた際には、その風量切り換え(加熱器における処理空気風量の減少)により仮乾燥部に対する供給加熱空気の温度が上昇することに対し、加熱器の加熱出力が加熱制御手段により低下側に調整されるものの、加熱器における伝熱要素の表面温度を水系塗膜処理の際の高い平衡温度から溶剤系塗膜処理の際の低い平衡温度まで放熱により降下させるのに相応の時間を要し、これが原因で、仮乾燥部に対する供給加熱空気の温度を設定値温度に降下復帰させるのに長い時間を要してしまう。
これらのことに対し、上記の第1特徴構成を採用すれば、水系塗膜処理のときには遮風手段を遮風解除状態にすることで、加熱器における伝熱要素の全体で大風量の通過空気を設定値温度まで加熱するのに対し、溶剤系塗膜処理のときには加熱器における伝熱要素のうち遮風対象部分への空気通風が遮風手段により遮られることで、伝熱要素における他の部分(遮風対象外部分)により小風量の通過空気を設定値温度まで加熱する状態(すなわち、水系塗膜処理のときよりも実質的に少ない伝熱要素により小風量の通過空気を設定値温度まで加熱する状態)になる。
したがって、仮乾燥部に対する加熱空気の供給風量が小風量に切り換えられ、それに応じ加熱器の加熱出力が加熱制御手段により低下側に調整される溶剤系塗膜処理の際も、加熱器における伝熱要素のうち有効な遮風対象外部分の平衡表面温度は上記伝熱要素の実質的な減少分だけ従前に比べ高く維持(すなわち、上記遮風を行わない状態での溶剤系塗膜処理の場合よりも高く維持)され、また、遮風対象部分については空気通風が遮風手段により遮られて放熱が抑止されることで表面温度が高く維持され、これらのことから加熱器における伝熱要素の全体が溶剤系塗膜処理のときも比較的高い表面温度に維持されるようになる。
すなわち、このことにより水系塗膜処理の際の加熱器伝熱要素の表面温度(前述の如き高い平衡表面温度)と溶剤系塗膜処理の際の伝熱要素表面温度との差を従来設備に比べ小さくすることができて、その分、溶剤系塗膜処理から水系塗膜処理への移行として仮乾燥部に対する加熱空気の供給風量が大風量に切り換えられた際の供給加熱空気の一時的な温度低下においてその加熱空気の温度を設定値温度まで上昇復帰させるのに要する時間や、水系塗膜処理から溶剤系塗膜処理への移行として仮乾燥部に対する加熱空気の供給風量が小風量に切り換えられた際の加熱空気の一時的温度上昇においてその加熱空気の温度を設定値温度まで降下復帰させるのに要する時間を、従来設備に比べ短くすることができる。
そして、これら温度復帰時間の短縮により、仮乾燥部での塗膜固形分率調整を安定化することができて塗装品質の一層の向上が可能になり、また、被塗物搬送列中に被塗物の間引き空所を設けることで加熱空気の温度が設定値温度に復帰するまでの間の仮乾燥部への被塗物搬入を回避するといった処置も不要化ないし軽減することができて生産能率の一層の向上が可能になる。
なお、第1特徴構成の実施においては、水系塗膜処理の際と溶剤系塗膜処理の際との加熱器伝熱要素の表面温度の差を極力小さくして温度復帰時間の短縮を効果的に達成する上で、加熱器伝熱要素における遮風対象部分の容量比率(一般的には空気通過断面積の比率)を、水系塗膜処理から溶剤系塗膜処理への移行の際の仮乾燥部に対する加熱空気供給風量の減少分の比率と同じ比率ないしそれに近い比率にするのが望ましい。
〔2〕本発明の第2特徴構成は塗装設備に係り、その特徴は、
順次に搬入される被塗物に対して、水を溶媒とする水系塗料による被塗物塗装か有機溶剤を溶媒とする溶剤系塗料による被塗物塗装かのいずれかを選択的に行う塗装部と、
この塗装部から搬出される被塗物を順次、減湿空気に晒して、その被塗物に対し塗膜固形分率の調整処理を行う仮乾燥部とを設けるとともに、
空気通過路の横断面方向に分散させた伝熱要素により通過空気を冷却減湿して前記仮乾燥部への供給加熱空気を生成する冷却器と、
前記仮乾燥部における処理対象の被塗物が先の塗装部において水系塗料の塗装を行った被塗物である水系塗膜処理のときには前記仮乾燥部に対する減湿空気の供給風量を大風量にし、かつ、前記仮乾燥部における処理対象の被塗物が先の塗装部において溶剤系塗料の塗装を行った被塗物である溶剤系塗膜処理のときには前記仮乾燥部に対する減湿空気の供給風量を小風量にする風量制御手段と、
前記仮乾燥部に対する供給減湿空気の湿度の検出情報に基づき前記冷却器の冷却出力を調整して前記仮乾燥部に対する供給減湿空気の湿度を設定値湿度に調整する減湿制御手段とを備える塗装設備において、
前記冷却器における前記伝熱要素の一部分を遮風対象部分としてその遮風対象部分への空気通風を遮る遮風作用状態とその遮りを解除する遮風解除状態とに切り換え自在な遮風手段を設け、
この遮風手段を前記水系塗膜処理のときには遮風解除状態にし、かつ、前記溶剤系塗膜処理のときには遮風作用状態にする遮風制御手段を設けてある点にある。
つまり、前述の加熱空気の場合と同様、仮乾燥部に対する供給減湿空気の湿度を設定値湿度に調整するのに、単に減湿制御手段により冷却器の冷却出力を調整するだけの従来設備では、水系塗料の塗装を行った被塗物の塗膜固形分率を仮乾燥部において調整する水系塗膜処理のときと、溶剤系塗料の塗装を行った被塗物の塗膜固形分率を仮乾燥部において調整する溶剤系塗膜処理のときとを比べた場合、溶剤系塗膜処理では、冷却器において小風量の通過空気を設定値湿度まで冷却減湿するだけでよいことから(換言すれば、水系塗膜処理のときと同量の伝熱要素をもって水系塗膜処理のときよりも少風量の通過空気を設定値湿度まで冷却減湿するから)、減湿制御手段による冷却出力調整において伝熱要素の平衡表面温度が水系塗膜処理のときよりも高くなる。
この為、溶剤系塗膜処理から水系塗膜処理への移行として仮乾燥部に対する減湿空気の供給風量を大風量に切り換えた際、その風量切り換え(すなわち、冷却器における処理空気風量の増大)により仮乾燥部に対する供給減湿空気の湿度が上昇することに対し、冷却器の冷却出力が減湿制御手段により増大側に調整されるものの、冷却器における伝熱要素の表面温度を溶剤系塗膜処理の際の高い平衡温度から水系塗膜処理の際の低い平衡温度まで低下させるのに冷却出力の多くが費やされるとともに相応の時間を要し、これが原因で、仮乾燥部に対する供給減湿空気の湿度を設定値湿度まで低下復帰させるのに長い時間を要してしまう。
また逆に、水系塗膜処理から溶剤系塗膜処理への移行として仮乾燥部に対する減湿空気の供給風量を小風量に切り換えた際には、その風量切り換え(冷却器における処理空気風量の減少)により仮乾燥部に対する供給減湿空気の湿度が低下することに対し、冷却器の冷却出力が減湿制御手段により低下側に調整されるものの、冷却器における伝熱要素の表面温度を水系塗膜処理の際の低い平衡温度から溶剤系塗膜処理の際の高い平衡温度まで冷熱放熱により上昇させるのに相応の時間を要し、これが原因で、仮乾燥部に対する供給減湿空気の湿度を設定値湿度に上昇復帰させるのに長い時間を要してしまう。
これらのことに対し、上記の第2特徴構成を採用すれば、水系塗膜処理のときには遮風手段を遮風解除状態にすることで、冷却器における伝熱要素の全体で大風量の通過空気を設定値湿度まで冷却減湿するのに対し、溶剤系塗膜処理のときには冷却器における伝熱要素のうち遮風対象部分への空気通風が遮風手段により遮られることで、伝熱要素における他の部分(遮風対象外部分)により小風量の通過空気を設定値湿度まで冷却減湿する状態(すなわち、水系塗膜処理のときよりも実質的に少ない伝熱要素により小風量の通過空気を設定値湿度まで冷却減湿する状態)になる。
したがって、仮乾燥部に対する減湿空気の供給風量が小風量に切り換えられ、それに応じ冷却器の冷却出力が減湿制御手段により低下側に調整される溶剤系塗膜処理の際も、冷却器における伝熱要素のうち有効な遮風対象外部分の平衡表面温度は上記伝熱要素の実質的な減少分だけ従前に比べ低く維持(すなわち、上記遮風を行わない状態での溶剤系塗膜処理の場合よりも低く維持)され、また、遮風対象部分については空気通風が遮風手段により遮られて冷熱放熱が抑止されることで表面温度が低く維持され、これらのことから冷却器における伝熱要素の全体が溶剤系塗膜処理のときも比較的低い表面温度に維持されるようになる。
すなわち、このことにより水系塗膜処理の際の冷却器伝熱要素の表面温度(前述の如き低い平衡表面温度)と溶剤系塗膜処理の際の伝熱要素表面温度との差を従来設備に比べ小さくすることができて、その分、溶剤系塗膜処理から水系塗膜処理への移行として仮乾燥部に対する減湿空気の供給風量が大風量に切り換えられた際の供給減湿空気の一時的な湿度上昇においてその減湿空気の湿度を設定値湿度まで低下復帰させるのに要する時間や、水系塗膜処理から溶剤系塗膜処理への移行として仮乾燥部に対する減湿空気の供給風量が小風量に切り換えられた際の減湿空気の一時的湿度低下においてその減湿空気の湿度を設定値湿度まで上昇復帰させるのに要する時間を、従来設備に比べ短くすることができる。
そして、これら湿度復帰時間の短縮により、仮乾燥部での塗膜固形分率調整を安定化することができて塗装品質の一層の向上が可能になり、また、被塗物搬送列中に被塗物の間引き空所を設けることで減湿空気の温度が設定値湿度に復帰するまでの間の仮乾燥部への被塗物搬入を回避するといった処置も不要化ないし軽減することができて生産能率の一層の向上が可能になる。
なお、第2特徴構成の実施においては、第1特徴構成の場合と同様、水系塗膜処理の際と溶剤系塗膜処理の際との冷却器伝熱要素の表面温度の差を極力小さくして湿度復帰時間の短縮を効果的に達成する上で、冷却器伝熱要素における遮風対象部分の容量比率(一般的には空気通過断面積の比率)を、水系塗膜処理から溶剤系塗膜処理への移行の際の仮乾燥部に対する減湿空気供給風量の減少分の比率と同じ比率ないしそれに近い比率にするのが望ましい。
〔3〕本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記遮風手段を、遮風作用状態において前記伝熱要素の遮風対象部分を空気通過路中で閉塞空間内に格納した状態にする構成にしてある点にある。
つまり、この第3特徴構成によれば、加熱器や冷却器において伝熱要素の遮風対象部分への空気通風を遮るのに、その遮風対象部分を空気通過路中で閉塞空間内に格納した状態にするから、その遮風手段の遮風作用状態(すなわち、溶剤系塗膜処理の際)において、加熱器伝熱要素における遮風対象部分の放熱による表面温度降下や、冷却器伝熱要素における遮風対象部分の冷熱放熱による表面温度上昇を一層効果的に抑止することができて、水系塗膜処理の際と溶剤系塗膜処理の際との加熱器伝熱要素や冷却器伝熱要素の表面温度の差を一層小さくすることができ、これにより、前述の温度復帰時間の短縮や湿度復帰時間の短縮を一層効果的に達成することができる。
〔4〕本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記伝熱要素のうち遮風対象部分とそれ以外の遮風対象外部分とを熱源系統上で並列の関係にしてある点にある。
つまり、この第4特徴構成によれば、熱源系統上での並列の関係により、加熱器や冷却器における伝熱要素の遮風対象部分と遮風対象外部分とを相互の影響の少ない状態で互いに独立的に加熱出力機能や冷却出力機能させることができるから、遮風手段の遮風作用状態(溶剤系塗膜処理の際)において、加熱器伝熱要素における遮風対象部分と遮風対象外部分との各々の表面温度を高く維持することや、冷却器伝熱要素における遮風対象部分と遮風対象外部分との各々の表面温度を低く維持することを、それらの加熱出力機能や冷却出力機能の面からも一層確実にすることができ、これにより、水系塗膜処理の際と溶剤系塗膜処理の際との加熱器伝熱要素や冷却器伝熱要素の表面温度の差を小さくすることによる前述の温度復帰時間の短縮や湿度復帰時間の短縮を一層確実かつ効果的に達成することができる。
〔5〕本発明の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記風量制御手段による風量切り換えにおいて、前記仮乾燥部に対する加熱空気又は減湿の供給風量を漸次的に単調変化させるとともに、その漸次的な風量変化に同調させて前記遮風手段を遮風作用状態と遮風解除状態との間で漸次的に切り換わり作動させる構成にしてある点にある。
つまり、この第5特徴構成によれば、風量制御手段による風量切り換えにおいて仮乾燥部に対す加熱空気や減湿空気の供給風量を漸次的に単調変化させるから、その供給風量の変化に対し加熱制御手段による加熱出力調整や減湿制御手段による冷却出力調整の遅れを小さくして、その風量切り換え(すなわち、加熱器や冷却器における処理空気風量の変化)による加熱空気の温度変化や減湿空気の湿度変化そのものを小さくすることができる。
そして、その切り換え時における供給風量の漸次的な単調変化に同調させて、遮風手段を遮風作用状態と遮風解除状態との間で漸次的に切り換わり作動させるから、遮風手段の切り換わり作動による供給風量の外乱的な変動、及び、その外乱的な風量変動による加熱空気温度や減湿空気湿度の変動も効果的に防止でき、これらのことにより、前述の温度復帰時間の短縮や湿度復帰時間の短縮と相まって仮乾燥部での塗膜固形分率調整の安定性を一層高めることができる。
図1は塗装設備における塗装ラインの途中部分を示し、1は下塗り塗装した被塗物W(本例では自動車ボディー)に対し上塗り塗装を行う上塗ブース、2は上塗り塗装した被塗物Wに対しウエットオンウエット方式でクリア塗装を行うクリアブース、3は上塗り塗装した被塗物Wをクリア塗装に先立ち加熱減湿空気SAに晒して塗膜固形分率の調整を行うフラッシュオフブースであり、これら上塗ブース1、フラッシュオフブース3、クリアブース2に対し被塗物Wをタクト式縦列搬送により順次に通過させて塗装品を生産する。
4は上塗ブース1とフラッシュオフブース3との間に設けた前静置室、5はフラッシュオフブース3とクリアブース2との間に設けた後静置室であり、前静置室4では上塗り塗装直後の塗料塗膜を落ち着かせ、後静置室5では加熱減湿空気SAにより高温化した被塗物W及びその塗膜を降温させる。
上塗ブース1では、生産計画にしたがって、水を溶媒とする水系塗料による上塗り塗装と有機溶剤を溶媒とする溶剤系塗料による上塗り塗装とを選択的に行い、これに対し、フラッシュオフブース3では、図2に示す如く、塗膜固形分率の調整を行う処理対象の被塗物Wが水系塗料による上塗り塗装が行われた被塗物である水系塗膜処理のとき、加熱減湿空気SAの供給風量Qが自動的に所定の大風量Qaに切り換えられ、また、処理対象の被塗物Wが溶剤系塗料による上塗り塗装が行われた被塗物である溶剤系塗膜処理のとき、加熱減湿空気SAの供給風量Qが自動的に所定の小風量Qb(例えば、Qb=2/5×Qa)に切り換えられる。
すなわち、この風量切り換えにより、水系塗膜処理及び溶剤系塗膜処理のいずれの場合も、フラッシュオフブース3において同じ処理時間(すなわち、同じブース内在置時間)で塗膜固形分率をその後のクリア塗装に適した値まで調整し得るようにしてある。
6はフラッシュオフブース3に供給する加熱減湿空気SAの生成部であり、この生成部6では、外気路7を通じて取り入れた外気OAを冷却器8(例えば冷水コイル)により冷却減湿することで減湿空気SA′を生成し、さらに、この減湿空気SA′とフラッシュオフブース3から還気路9を通じて戻る還気空気RAとの混合空気SA″を加熱器10(例えば蒸気コイル)により加熱することで加熱減湿空気SAを生成し、この加熱減湿空気SAをフィルタ11で浄化した上で給気ファン12により給気路13を通じてフラッシュオフブース3に送給する。
14はフラッシュオフブース3に供給する加熱減湿空気SAの絶対湿度xを検出する湿度センサ、15はフラッシュオフブース3に供給する加熱減湿空気SAの温度tを検出する温度センサ、16は制御器であり、この制御器16は、湿度センサ14による湿度xの検出情報に基づき冷却器8に対する低温熱源熱媒Cの供給流量を調整弁Vaにより調整(すなわち、冷却器8の冷却出力を調整)することで、フラッシュオフブース3に対し送給する加熱減湿空気SAの絶対湿度xを塗膜固形分率の調整に適した設定値湿度xsに調整する減湿制御を実行する。
また、この制御器16は、温度センサ15による温度tの検出情報に基づき加熱器10に対する高温熱源熱媒Hの供給流量を調整弁Vbにより調整(すなわち、加熱器10の加熱出力を調整)することで、フラッシュオフブース3に対し送給する加熱減湿空気SAの温度tを塗膜固形分率の調整に適した設定値温度tsに調整する加熱制御を実行する。
そしてまた、この制御器16は、上記減湿制御及び加熱制御とともに、生産計画情報に基づきインバータ制御により給気ファン12の出力(すなわち、送風量Q)を調整することで、フラッシュオフブース3に対する加熱減湿空気SAの供給風量Qを水系塗膜処理のときには所定大風量Qaにし、かつ、溶剤系塗膜処理のときには所定小風量Qbにする風量制御を実行する。
なお、17は排気ファンであり、フラッシュオフブース3から還気路9へ導出する還気空気RAのうち外気OAの取り入れ風量に相当する風量分を排気空気EAとして、この排気ファン17により排気路18を通じ系外へ排出する。
加熱器10及び冷却器8は夫々、図3〜図5に示す如く、収容ケース19内の空気通過路fに対し横断姿勢で配置(すなわち、加熱器10及び冷却器8夫々の伝熱要素である多数の伝熱管20を空気通過路fの横断面方向に分散させて配置)するが、加熱器10は、通過空気SA″に対し互いに並列の関係に配置して互いの通風経路f1,f2を仕切板21により仕切った第1加熱部10Aと第2加熱部10Bとに分割してあり、空気通過方向において第1加熱部10Aの前後には、第1加熱部10Aの通風経路f1をその入口側及び出口側の夫々において開閉する自動ダンパ22a,22bを設けてある。
つまり、これら自動ダンパ22a,22bを閉じることにより、第1加熱部10Aに属する伝熱管20a(すなわち、加熱器10における伝熱管20のうちの一部分)を、空気通過路f中において両自動ダンパ22a,22bと仕切板21と収納ケース19とで形成される閉塞空間内に格納した状態にして、第1加熱部10Aの伝熱管20aに対する空気通風を遮るようにしてある。
また、加熱器10における第1加熱部10Aの容量比率(すなわち、伝熱管20を均等に分散配置する本例では加熱器10において第1加熱部10Aが占める空気通過断面積の比率)は、水系塗膜処理から溶剤系塗膜処理への移行の際のフラッシュオフブース3に対する加熱減湿空気SAの供給風量Qの減少分の比率((Qa−Qb)/Qa)と同じ比率にしてあり、さらに、第1加熱部10Aに属する伝熱管20aと第2加熱部10Bに属する伝熱管20bとに対しては高温熱源流体Hを各別の分配ヘッダ23a,23bを通じ並列に供給する構造にして、第1加熱部10Aの伝熱管20aと第2加熱部10Bの伝熱管20bとを熱源系統上でも並列の関係にしてある。
一方、冷却器8は、加熱器10と同様(図3〜図5参照)、通過空気OAに対し互いに並列の関係に配置して互いの通風経路f1,f2を仕切板21により仕切った第1冷却部8Aと第2冷却部8Bとに分割してあり、空気通過方向において第1冷却部8Aの前後には、第1冷却部8Aの通風経路f1をその入口側及び出口側の夫々において開閉する自動ダンパ22a,22bを設け、これら自動ダンパ22a,22bを閉じることにより、第1冷却部8Aに属する伝熱管20a(すなわち、冷却器8における伝熱管20のうちの一部分)を、空気通過路f中において両自動ダンパ22a,22bと仕切板21と収納ケース19とで形成される閉塞空間内に格納した状態にして、第1冷却部8Aの伝熱管20aに対する空気通風を遮るようにしてある。
また、冷却器8における第1冷却部8Aの容量比率(すなわち、伝熱管20を均等に分散配置する本例では冷却器8において第1冷却部8Aが占める空気通過断面積の比率)は、水系塗膜処理から溶剤系塗膜処理への移行の際のフラッシュオフブース3に対する加熱減湿空気SAの供給風量Qの減少分の比率((Qa−Qb)/Qa)と同じ比率にしてあり、さらに、第1冷却部8Aに属する伝熱管20aと第2冷却部8Bに属する伝熱管20bとに対しては低温熱源流体Cを各別の分配ヘッダ23a,23bを通じ並列に供給する構造にして、第1冷却部8Aの伝熱管20aと第2冷却部8Bの伝熱管20bとを熱源系統上でも並列の関係にしてある。
加熱器10及び冷却器8を上記の如き構造にするのに対し、制御器16は、図2に示す如く、水系塗膜処理から溶剤系塗膜処理への移行の際、フラッシュオフブース3に対する加熱減湿空気SAの供給風量Qを大風量Qaから小風量Qbへ切り換えるのに伴い、加熱器10及び冷却器8の夫々における自動ダンパ22a,22bを開き状態から閉じ状態に切り換え、かつ、溶剤系塗膜処理から水系塗膜処理への移行の際、フラッシュオフブース3に対する加熱減湿空気SAの供給風量Qを小風量Qbから大風量Qaへ切り換えるのに伴い、加熱器10及び冷却器8の夫々における自動ダンパ22a,22bを閉じ状態から開き状態に切り換える遮風制御を前記風量制御とともに実行する構成にしてある。
つまり、溶剤系塗膜処理の際はフラッシュオフブース3に対する加熱減湿空気SAの供給風量Q(換言すれば、加熱器10及び冷却器8の夫々における処理空気風量)が小風量Qbに切り換えられることに応じ、加熱器10の加熱出力及び冷却器8の冷却出力も前記加熱制御及び減湿制御により低下側に調整されるが、上記遮風制御により溶剤系塗膜処理のときに加熱器10における自動ダンパ22a,22bを閉じ状態にして、第1加熱部10Aの伝熱管20aに対する空気通風を遮ることで、加熱器10の加熱出力が低下側に調整される溶剤系塗膜処理の際も、その遮風を行わない場合に比べ通風側である第2加熱部10Bにおける伝熱管20bの平衡表面温度を伝熱管20の実質的減少分だけ高く維持し、また、遮風側である第1加熱部10Aの伝熱管20aについては空気通風を遮って放熱を抑止することで表面温度を高く維持し、これにより、加熱器10の全体について水系塗膜処理の際と溶剤系塗膜処理の際との伝熱管表面温度の差を小さくするようにしてある。
また同様に、上記遮風制御により溶剤系塗膜処理のときに冷却器8における自動ダンパ22a,22bを閉じ状態にして、第1冷却部8Aの伝熱管20aに対する空気通風を遮ることで、冷却器8の冷却出力が低下側に調整される溶剤系塗膜処理の際も、その遮風を行わない場合に比べ通風側である第2冷却部8Bにおける伝熱管20bの平衡表面温度を伝熱管20の実質的減少分だけ低く維持し、また、通風側である第1冷却部8Aの伝熱管20aについては空気通風を遮って冷熱放熱を抑止することで表面温度を低く維持し、これにより、加熱器10と同じく冷却器8の全体について水系塗膜処理の際と溶剤系塗膜処理の際との伝熱管表面温度の差を小さくするようにしてある。
そして、このように加熱器10及び冷却器8の夫々について水系塗膜処理の際と溶剤系塗膜処理の際との伝熱管表面温度の差を小さくすることで、溶剤系塗膜処理から水系塗膜処理への移行としてフラッシュオフブース3に対する加熱減湿空気SAの供給風量Qが大風量Qaに切り換えられたときの風量変化による加熱減湿空気SAの一時的な温度低下及び湿度上昇において、その加熱減湿空気SAの温度tを設定値温度tsまで上昇復帰させるのに要する時間、及び、その加熱減湿空気SAの湿度xを設定値湿度xsまで低下復帰させるのに要する時間の夫々を短縮し、また、水系塗膜処理から溶剤系塗膜処理への移行としてフラッシュオフブース3に対する加熱減湿空気SAの供給風量Qが小風量Qbに切り換えられたときの風量変化による加熱減湿空気SAの一時的な温度上昇及び湿度低下において、その加熱減湿空気SAの温度tを設定値温度tsまで降下復帰させるのに要する時間、及び、その加熱減湿空気SAの湿度xを設定値湿度xsまで上昇復帰させるのに要する時間の夫々を短縮する。
なお、制御器16は、前述の風量制御においてフラッシュオフブース3に対する加熱減湿空気SAの供給風量Qを切り換える際には、給気ファン12の出力をインバータ制御により漸次的に単調変化させることで、フラッシュオフブース3に対する加熱減湿空気SAの供給風量Qを図2に示す如く漸次的に単調変化させる形態で切り換えるようにしてあり、また、前述の遮風制御において加熱器10及び冷却器8夫々の自動ダンパ22a,22bを開閉する際には、同図2に示す如く、上記風量制御における漸次的な風量変化に同調させて自動ダンパ22a,22bを開閉切り換わり作動させるようにしてある。
以上、本実施形態において、上塗ブース1は本発明の第1及び第2特徴構成で云う塗装部に相当し、フラッシュオフブース3は本発明の第1及び第2特徴構成で云う仮乾燥部に相当し、加熱器10及び冷却器8の伝熱管20は第1及び第2特徴構成で云う空気通過路fの横断面方向に分散させた空気加熱用や空気冷却用の伝熱要素に相当する。
また、制御器16は本発明の第1及び第2特徴構成で云う風量制御手段を構成するとともに、本発明の第1特徴構成で云う加熱制御手段、及び、本発明の第2特徴構成で云う減湿制御手段を構成し、加熱器10に装備の自動ダンパ22a,22bは本発明の第1特徴構成で云う遮風手段、すなわち、加熱器10における伝熱要素の一部分(第1加熱部10Aの伝熱管20a)を遮風対象部分としてその遮風対象部分への空気通風を遮る遮風作用状態とその遮りを解除する遮風解除状態とに切り換え自在な遮風手段を構成し、冷却器8に装備の自動ダンパ22a,22bは本発明の第2特徴構成で云う遮風手段、すなわち、冷却器8における伝熱要素の一部分(第1冷却部8Aの伝熱管20a)を遮風対象部分としてその遮風対象部分への空気通風を遮る遮風作用状態とその遮りを解除する遮風解除状態とに切り換え自在な遮風手段を構成する。
そして、制御器16は、本発明の第1及び第2特徴構成で云う遮風制御手段、すなわち、遮風手段22a,22bを水系塗膜処理のときには遮風解除状態にし、かつ、溶剤系塗膜処理のときには遮風作用状態にする遮風制御手段を構成する。
また、本実施形態では、上記遮風手段22a,22b(自動ダンパ)を、遮風作用状態において加熱器10や冷却器8における伝熱要素の遮風対象部分(第1加熱部10Aの伝熱管20a、第1冷却部8Aの伝熱管20a)を空気通過路f中で閉塞空間内に格納した状態にする構成にしてあり、さらに、加熱器10や冷却器8を構成するのに、それらの伝熱要素のうち遮風対象部分(第1加熱部10Aの伝熱管20a、第1冷却部8Aの伝熱管20a)とそれ以外の遮風対象外部分(第2加熱部10Bの伝熱管20b、第2冷却部8Bの伝熱管20b)とを熱源系統上で並列の関係にしてある。
そしてまた、風量制御手段としての制御器16による風量切り換えにおいては、仮乾燥部3に対する加熱減湿空気SAの供給風量Qを漸次的に単調変化させるとともに、その漸次的な風量変化に同調させて遮風手段22a,22bを遮風作用状態と遮風解除状態との間で漸次的に切り換わり作動させる構成にしてある。
〔別実施形態〕
次に本発明の別実施形態を列記する。
本発明の第1又は第2特徴構成の実施において、水系塗料による被塗物塗装か溶剤系塗料による被塗物塗装かを選択的に行う塗装部は、下塗り塗装後の上塗り塗装を行う塗装部に限られるものではなく、塗装品生産におけるいずれの段階の塗装を行う塗装部であってもよい。
本発明の第1又は第2特徴構成の実施において、上記塗装部から搬出される被塗物Wを、順次、加熱空気又は減湿空気に晒して、その被塗物Wに対し塗膜固形分率の調整処理を行う仮乾燥部は、前述のクリア塗装の如き重ね塗り塗装に先立つ塗膜固形分率の調整を目的とする工程部分に限られるものではなく、塗膜の焼付処理に先立つ塗膜固形分率の調整を目的とする工程部分などであってもよい。
前述の実施形態では、本発明の第1及び第2特徴構成の並行実施として、仮乾燥部に対し加熱減湿空気を供給する例を示したが、これに代え、第1ないし第2特徴構成の単独実施として、減湿処理を行っていない加熱空気や加熱処理を行っていない減湿空気を仮乾燥部に供給する形態を採用してもよい。
本発明の第1特徴構成の実施において、加熱器は蒸気コイル、温水コイル、電熱ヒータ、ヒートポンプの凝縮器として機能する冷媒コイルなど、どのような加熱方式のものであってもよく、また、本発明の第2特徴構成の実施において、冷却器は冷水コイル、ヒートポンプの蒸発器として機能する冷媒コイルなど、どのような冷却方式のものであってもよい。
本発明の第1又は第2特徴構成で云う空気通風路の横断面方向に分散させた伝熱要素とは、空気通過方向に対する直交面の面内で分散させた伝熱要素のみを意味するものではなく、空気通過方向に対する斜交面の面内で分散させた伝熱要素なども含むものであり、略言すれば空気通過路の幅方向への分散成分を有する伝熱要素であればよい。
また、その伝熱要素は前述の実施形態で示した如き伝熱管に限られるものではなく、例えば加熱器に電熱ヒータを採用する場合には電熱線などの発熱部分が伝熱要素となる。
加熱器や冷却器における伝熱要素の一部分を遮風対象部分としてその遮風対象部分への空気通風を遮る遮風作用状態とその遮りを解除する遮風解除状態とに切り換え自在な遮風手段は、前述の実施形態で示した構造に限られるものではなく種々の構成変更が可能であり、場合によっては、遮風作用状態において空気通過方向における遮風対象部分の上流側でのみ遮風作用する構造のものであってもよい。
前述の実施形態では、自動車ボディーを被塗物とする例を示したが、本発明の第1又は第2特徴構成の実施において被塗物は自動車ボディーに限られるものではなく、単なる鋼材や家電製品の外装部などであってもよい。
本発明は、塗膜固形分率の調整処理を要する塗装で水系塗料による被塗物塗装と溶剤系塗料による被塗物塗装とを選択的に行う各種塗装品用の塗装設備に広く利用できる。
塗装ラインにおけるフラッシュオフブース周りの設備構成を示す図 水系塗膜処理と溶剤系塗膜処理との切り換え形態を説明するグラフ 加熱器及び冷却器の構造を示す側面図 加熱器及び冷却器の構造を示す正面図 加熱器及び冷却器の構造を示す平面図
符号の説明
1 塗装部
3 仮乾燥部
8 冷却器
10 加熱器
16 風量制御手段,加熱制御手段、減湿制御手段、遮風制御手段
20 伝熱要素
20a 遮風対象部分
20b 遮風対象外部分
22a,22b 遮風手段
f 空気通過路
OA,SA″ 通過空気
Q 供給風量
SA 加熱空気,減湿空気
t 空気温度
ts 設定温度
W 被塗物

Claims (5)

  1. 順次に搬入される被塗物に対して、水を溶媒とする水系塗料による被塗物塗装か有機溶剤を溶媒とする溶剤系塗料による被塗物塗装かのいずれかを選択的に行う塗装部と、
    この塗装部から搬出される被塗物を順次、加熱空気に晒して、その被塗物に対し塗膜固形分率の調整処理を行う仮乾燥部とを設けるとともに、
    空気通過路の横断面方向に分散させた伝熱要素により通過空気を加熱して前記仮乾燥部への供給加熱空気を生成する加熱器と、
    前記仮乾燥部における処理対象の被塗物が先の塗装部において水系塗料の塗装を行った被塗物である水系塗膜処理のときには前記仮乾燥部に対する加熱空気の供給風量を大風量にし、かつ、前記仮乾燥部における処理対象の被塗物が先の塗装部において溶剤系塗料の塗装を行った被塗物である溶剤系塗膜処理のときには前記仮乾燥部に対する加熱空気の供給風量を小風量にする風量制御手段と、
    前記仮乾燥部に対する供給加熱空気の温度の検出情報に基づき前記加熱器の加熱出力を調整して前記仮乾燥部に対する供給加熱空気の温度を設定値温度に調整する加熱制御手段とを備える塗装設備であって、
    前記加熱器における前記伝熱要素の一部分を遮風対象部分としてその遮風対象部分への空気通風を遮る遮風作用状態とその遮りを解除する遮風解除状態とに切り換え自在な遮風手段を設け、
    この遮風手段を前記水系塗膜処理のときには遮風解除状態にし、かつ、前記溶剤系塗膜処理のときには遮風作用状態にする遮風制御手段を設けてある塗装設備。
  2. 順次に搬入される被塗物に対して、水を溶媒とする水系塗料による被塗物塗装か有機溶剤を溶媒とする溶剤系塗料による被塗物塗装かのいずれかを選択的に行う塗装部と、
    この塗装部から搬出される被塗物を順次、減湿空気に晒して、その被塗物に対し塗膜固形分率の調整処理を行う仮乾燥部とを設けるとともに、
    空気通過路の横断面方向に分散させた伝熱要素により通過空気を冷却減湿して前記仮乾燥部への供給加熱空気を生成する冷却器と、
    前記仮乾燥部における処理対象の被塗物が先の塗装部において水系塗料の塗装を行った被塗物である水系塗膜処理のときには前記仮乾燥部に対する減湿空気の供給風量を大風量にし、かつ、前記仮乾燥部における処理対象の被塗物が先の塗装部において溶剤系塗料の塗装を行った被塗物である溶剤系塗膜処理のときには前記仮乾燥部に対する減湿空気の供給風量を小風量にする風量制御手段と、
    前記仮乾燥部に対する供給減湿空気の湿度の検出情報に基づき前記冷却器の冷却出力を調整して前記仮乾燥部に対する供給減湿空気の湿度を設定値湿度に調整する減湿制御手段とを備える塗装設備であって、
    前記冷却器における前記伝熱要素の一部分を遮風対象部分としてその遮風対象部分への空気通風を遮る遮風作用状態とその遮りを解除する遮風解除状態とに切り換え自在な遮風手段を設け、
    この遮風手段を前記水系塗膜処理のときには遮風解除状態にし、かつ、前記溶剤系塗膜処理のときには遮風作用状態にする遮風制御手段を設けてある塗装設備。
  3. 前記遮風手段を、遮風作用状態において前記伝熱要素の遮風対象部分を空気通過路中で閉塞空間内に格納した状態にする構成にしてある請求項1又は2記載の塗装設備。
  4. 前記伝熱要素のうち遮風対象部分とそれ以外の遮風対象外部分とを熱源系統上で並列の関係にしてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗装設備。
  5. 前記風量制御手段による風量切り換えにおいて、前記仮乾燥部に対する加熱空気又は減湿の供給風量を漸次的に単調変化させるとともに、その漸次的な風量変化に同調させて前記遮風手段を遮風作用状態と遮風解除状態との間で漸次的に切り換わり作動させる構成にしてある請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗装設備。

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