JP5274417B2 - 電着塗装設備 - Google Patents

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Description

本発明は、被塗物を槽内の電着塗料液に浸漬させる電着槽と、この電着槽で被塗物の表面に形成した塗膜を焼付け処理する焼付け乾燥炉と、この焼付け乾燥炉で塗膜を焼付け処理した被塗物を冷却する冷却ゾーンとに被塗物を順次に搬送して塗装する電着塗装設備に関し、特に、焼付け乾燥炉で生じるいわゆる二次ダレを防止するのに好適な電着塗装設備に関する。
この種の電着塗装設備では、電着槽で被塗物における隙間部に入り込んだ残存塗料液が焼付け乾燥炉での高温加熱により隙間部から沸き出すいわゆる二次ダレが生じて塗装品質の低下を招くことを防止するため、電着槽で被塗物表面に形成した塗膜を焼付け乾燥炉で焼付け処理する前に被塗物を予熱用空気により予熱する予熱炉を設け、この予熱炉での低温加熱により隙間部内の残存塗料液を予乾燥して上記二次ダレを防止するようにしたものがある。(特許文献1参照)
また、焼付け乾燥炉で塗膜を焼付け処理した後の被塗物(未だ高温状態にある被塗物)を冷却用空気により冷却する冷却ゾーンを設け、この冷却ゾーンでの冷却により後続作業の円滑化や装置類の熱保護などを図ることが一般的に行なわれている。
そして従来、これらの電着塗装設備において、予熱炉に供給する予熱用空気の加熱にはバーナや電熱ヒータあるいは蒸気ヒータなどを用い、また、冷却用空気として常温外気に代え冷却した空気を冷却ゾーンに供給する場合、その冷却用空気の冷却には冷凍機による生成冷水により冷却用空気を冷却する冷水コイルなどを用いていた。
特開平11−131292号公報
しかし、上記の如き従来の電着塗装設備では、焼付け乾燥炉での高温加熱に大きなエネルギを要することに加えて、予熱炉に供給する予熱用空気の加熱にも大きなエネルギ(即ち、大きな燃料消費や電力消費あるいは蒸気消費)を要し、さらには、冷却ゾーンに供給する冷却用空気の冷却にもかなりのエネルギ(即ち、冷凍機の大きな電力消費)を要し、このため、設備全体としてのランニングコストが嵩む問題があり、また、省エネルギ化や環境問題などの面でも改善の余地があった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な加熱冷却方式を採用することにより、上記問題を効果的に解消しながら前記二次ダレを効果的に防止できるようにする点にある。
本発明の第1特徴構成は電着塗装設備に係り、その特徴は、
被塗物を槽内の電着塗料液に浸漬させる電着槽と、この電着槽で被塗物の表面に形成した塗膜を焼付け処理する焼付け乾燥炉と、この焼付け乾燥炉で塗膜を焼付け処理した被塗物を冷却する冷却ゾーンとに被塗物を順次に搬送して塗装する電着塗装設備において、
前記電着槽と前記焼付け乾燥炉との間に設けた予熱炉に供給する予熱用空気、又は、前記電着槽で塗膜形成した被塗物を洗浄する水洗装置で使用する洗浄水、又は、前記水洗装置と前記予熱炉との間の搬送経路部分に供給する調整用空気を放熱源とし、かつ、前記冷却ゾーンに供給する冷却用空気を吸熱源とするヒートポンプを設け、
このヒートポンプにより、前記予熱用空気又は前記洗浄水又は前記調整用空気を加熱するとともに、それに併行して前記冷却用空気を冷却する構成にし、
前記焼付け乾燥炉と前記冷却ゾーンとの間に、前記焼付け乾燥炉で塗膜を焼付け処理した被塗物を通風外気により冷却する予冷ゾーンを設けてある点にある。
つまり、この構成では、上記予熱炉に供給する予熱用空気又は上記水洗装置で用いる洗浄水又は上記搬送経路部分に供給する調整用空気を放熱源とし、かつ、冷却ゾーンに供給する冷却用空気を吸熱源とするヒートポンプ運転により、それら放熱源としての予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を加熱するとともに、それに併行して吸熱源としての冷却用空気を冷却する。
換言すれば、ヒートポンプが冷媒蒸発による吸熱により冷却用空気を冷却することに伴い冷媒凝縮熱として放出する昇温熱を用いて予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を加熱する。
従って、それら予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気をバーナや電熱ヒータあるいは蒸気ヒータなどの加熱専用装置により加熱し、かつ、それとは別に冷凍機生成冷水を用いる冷水コイルなどの冷却専用手段により冷却用空気を冷却するのに比べ、それら加熱と冷却の両方をヒートポンプの運転動力だけで行なうことができ、設備全体としての消費エネルギを効果的に低減することができる。
そして、上記予熱炉に供給する予熱用空気又は上記搬送経路部分に供給する調整用空気を加熱する構成を採れば、それら加熱した予熱用空気又は調整用空気により被塗物における隙間部内の残存塗料液を予乾燥させて前述の二次ダレを防止することができ、また、上記水洗装置で用いる洗浄水を加熱する構成を採れば、加熱洗浄水による洗浄により被塗物における隙間部内の残存塗料液を電着槽に続く洗浄段階で効果的に除去して前述の二次ダレを防止することができる。
また一方、上記冷却ゾーンに供給する冷却用空気を冷却することで、冷却ゾーンにおいて常温外気の通風により被塗物を冷却するのに比べ、焼付け乾燥炉での塗膜焼付け処理後の高温の被塗物を後続作業の円滑化や装置類の熱保護などのために能率よく効果的に冷却することができる。
これらのことから、上記第1特徴構成によれば、設備全体としての消費エネルギを小さくしながら、また、省エネ化や環境問題など面でも優れた設備としながら、二次ダレを効果的に防止して高い塗装品質を確保するとともに、塗膜焼付け処理に続く後続作業の円滑化や装置類の熱保護なども効果的に達成することができる。
なお、この構成の実施においては、予熱炉に供給する予熱用空気又は水洗装置で用いる洗浄水又は搬送経路部分に供給する調整用空気のうち、いずれか1つのみをヒートポンプにより加熱する構成に限らず、それらのうちの2以上を同時に又は選択的にヒートポンプにより加熱する構成を採用してもよい。
これら予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を加熱するのに、これら予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気をヒートポンプにより加熱(予熱)した後、さらに別の加熱手段により加熱する構成、あるいは逆に、予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を別の予熱手段により予熱した後、さらにヒートポンプにより加熱する構成を採用してもよい。
一方、冷却用空気を冷却するにも、冷却用空気をヒートポンプにより冷却(予冷)した後、さらに別の冷却手段により冷却する構成、あるいは逆に、冷却用空気を別の予冷手段により予冷した後、さらにヒートポンプにより冷却する構成を採用してもよい。
また、予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気に対する加熱量やそれらの加熱後の温度、さらに、冷却用空気に対する冷却量やその冷却後の温度を調整可能にすれば、機能性や運転条件の変化に対する対応性に一層優れた設備にすることができる。
使用するヒートポンプは蒸気圧縮式のヒートポンプに限られるものではなく、吸収式ヒートポンプなど種々の形式のヒートポンプを採用することができる。
また、上記第1特徴構成では、前記焼付け乾燥炉と前記冷却ゾーンとの間に、前記焼付け乾燥炉で塗膜を焼付け処理した被塗物を通風外気により冷却する予冷ゾーンを設けるから、次の作用効果も奏する。
つまり、この構成によれば、予冷ゾーンでの通風外気による予冷と、それに続く冷却ゾーンでの冷却用空気(ヒートポンプにより冷却した空気)による冷却とにより、焼付け乾燥炉での塗膜焼付け処理後の高温被塗物を冷却するから、塗膜焼付け処理後の高温被塗物を一層能率よく効果的に冷却することができ、これにより、塗膜焼付け処理に続く後続作業の円滑化や装置類の熱保護を一層効果的に達成することができる。
そしてまた、焼付け乾燥炉からの被塗物の搬出には塗膜焼付け処理で発生したヤニ成分を含む排ガスの随伴を伴うことから、塗膜焼付け処理した後の被塗物を直ちに冷却ゾーンで低温の冷却用空気により冷却する構成にした場合、随伴排ガス中のヤニ成分が冷却ゾーン内で凝縮してゾーン壁や被塗物に付着する可能性も生じるが、上記構成であれば、ヤニ成分を含む随伴排ガスを予冷ゾーンにおいて通風外気により排除した状態で、被塗物を予冷ゾーンでの予冷に続き冷却ゾーンで低温の冷却用空気により冷却することができ、これにより、壁などに付着したヤニ成分を除去するメンテナンス作業を効果的に軽減できるともに、被塗物へのヤニ成分付着による塗装品質の低下なども効果的に防止することができる。
なお、この構成の実施において、運転条件の変化などに応じ、予冷ゾーンでの通風外気による予冷と冷却ゾーンでの冷却用空気による冷却とのいずれか一方だけで塗膜焼付け処理後の被塗物を冷却する運転形態や、冷却ゾーンに供給する冷却用空気とともに予冷ゾーンに通風する空気も冷却する運転形態、あるいは、予冷ゾーン及び冷却ゾーンの両方において通風外気により被塗物を冷却する運転形態などを適宜に切り換え実施できる構成にすれば、機能性や運転条件の変化に対する対応性をさらに高めることができる。
本発明の第2特徴構成は電着塗装設備に係り、その特徴は、
被塗物を槽内の電着塗料液に浸漬させる電着槽と、この電着槽で被塗物の表面に形成した塗膜を焼付け処理する焼付け乾燥炉と、この焼付け乾燥炉で塗膜を焼付け処理した被塗物を冷却する冷却ゾーンとに被塗物を順次に搬送して塗装する電着塗装設備において、
前記電着槽と前記焼付け乾燥炉との間に設けた予熱炉に供給する予熱用空気、又は、前記電着槽で塗膜形成した被塗物を洗浄する水洗装置で使用する洗浄水、又は、前記水洗装置と前記予熱炉との間の搬送経路部分に供給する調整用空気を放熱源とし、かつ、前記冷却ゾーンに供給する冷却用空気を吸熱源とするヒートポンプを設け、
このヒートポンプにより、前記予熱用空気又は前記洗浄水又は前記調整用空気を加熱するとともに、それに併行して前記冷却用空気を冷却する構成にし、
前記焼付け乾燥炉から排出される排ガスの保有熱と前記ヒートポンプの放出熱とにより前記予熱用空気又は前記洗浄水又は前記調整用空気を加熱する構成にしてある点にある。
つまり、この構成では、基本的には第1特徴構成と同様、上記予熱炉に供給する予熱用空気又は上記水洗装置で用いる洗浄水又は上記搬送経路部分に供給する調整用空気を放熱源とし、かつ、冷却ゾーンに供給する冷却用空気を吸熱源とするヒートポンプ運転により、それら放熱源としての予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を加熱するとともに、それに併行して吸熱源としての冷却用空気を冷却する。
換言すれば、ヒートポンプが冷媒蒸発による吸熱により冷却用空気を冷却することに伴い冷媒凝縮熱として放出する昇温熱を用いて予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を加熱する。
従って、それら予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気をバーナや電熱ヒータあるいは蒸気ヒータなどの加熱専用装置により加熱し、かつ、それとは別に冷凍機生成冷水を用いる冷水コイルなどの冷却専用手段により冷却用空気を冷却するのに比べ、それら加熱と冷却の両方をヒートポンプの運転動力だけで行なうことができ、設備全体としての消費エネルギを効果的に低減することができる。
そして、上記予熱炉に供給する予熱用空気又は上記搬送経路部分に供給する調整用空気を加熱する構成を採れば、それら加熱した予熱用空気又は調整用空気により被塗物における隙間部内の残存塗料液を予乾燥させて前述の二次ダレを防止することができ、また、上記水洗装置で用いる洗浄水を加熱する構成を採れば、加熱洗浄水による洗浄により被塗物における隙間部内の残存塗料液を電着槽に続く洗浄段階で効果的に除去して前述の二次ダレを防止することができる。
また一方、上記冷却ゾーンに供給する冷却用空気を冷却することで、冷却ゾーンにおいて常温外気の通風により被塗物を冷却するのに比べ、焼付け乾燥炉での塗膜焼付け処理後の高温の被塗物を後続作業の円滑化や装置類の熱保護などのために能率よく効果的に冷却することができる。
これらのことから、上記第2特徴構成によれば、設備全体としての消費エネルギを小さくしながら、また、省エネ化や環境問題など面でも優れた設備としながら、二次ダレを効果的に防止して高い塗装品質を確保するとともに、塗膜焼付け処理に続く後続作業の円滑化や装置類の熱保護なども効果的に達成することができる。
なお、この構成の実施においては、予熱炉に供給する予熱用空気又は水洗装置で用いる洗浄水又は搬送経路部分に供給する調整用空気のうち、いずれか1つのみをヒートポンプにより加熱する構成に限らず、それらのうちの2以上を同時に又は選択的にヒートポンプにより加熱する構成を採用してもよい。
これら予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を加熱するのに、これら予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気をヒートポンプにより加熱(予熱)した後、さらに別の加熱手段により加熱する構成、あるいは逆に、予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を別の予熱手段により予熱した後、さらにヒートポンプにより加熱する構成を採用してもよい。
一方、冷却用空気を冷却するにも、冷却用空気をヒートポンプにより冷却(予冷)した後、さらに別の冷却手段により冷却する構成、あるいは逆に、冷却用空気を別の予冷手段により予冷した後、さらにヒートポンプにより冷却する構成を採用してもよい。
また、予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気に対する加熱量やそれらの加熱後の温度、さらに、冷却用空気に対する冷却量やその冷却後の温度を調整可能にすれば、機能性や運転条件の変化に対する対応性に一層優れた設備にすることができる。
使用するヒートポンプは蒸気圧縮式のヒートポンプに限られるものではなく、吸収式ヒートポンプなど種々の形式のヒートポンプを採用することができる。
さらに、上記第2特徴構成では、焼付け乾燥炉から排出される排ガスの保有熱と前記ヒートポンプの放出熱とにより予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を加熱する構成にするから、次の作用効果も奏する。
つまり、この構成によれば、ヒートポンプの放出熱(冷媒凝縮熱)だけでなく、焼付け乾燥炉から排出される排ガスの保有熱(換言すれば、排ガスからの回収熱)も用いて、予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を加熱するから、その分、ヒートポンプの必要容量を小さくしながら予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気に対する加熱量を大きく確保することができ、これにより、設備全体としての消費エネルギを一層低減しながら、また、使用するヒートポンプを小型化なもので済ませながら、予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気の加熱による前述の二次タレ防止を効果的に達成することができる。
なお、この構成の実施においては、予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気をヒートポンプの放出熱により加熱(予熱)した後に排ガスの保有熱により加熱する構成、あるいは逆に、予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を排ガスの保有熱により予熱した後にヒートポンプの放出熱により加熱する構成、あるいはまた、ヒートポンプの放出熱と排ガス保有熱との混合熱により予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を加熱する構成のいずれを採用してもよく、また、これらの加熱形態を適宜に切り換え実施できる構成にしてもよい。
また、ヒートポンプ放出熱による予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気の加熱量や、排ガス保有熱による予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気の加熱量を調整可能にすれば、機能性や運転条件の変化に対する対応性に一層優れた設備にすることができる。
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記冷却ゾーンに前記冷却用空気を供給するのに伴い前記冷却ゾーン内の空気を外部に排出するとともに、その排出空気の一部を前記冷却用空気に混合する排気混合手段を設け、
この排気混合手段を前記冷却用空気とそれに混合する前記排出空気との混合比率の調整が可能な構成にしてある点にある。
つまり、この構成によれば、冷却用空気とそれに混合する上記排出空気(即ち、冷却ゾーンでの被塗物冷却で昇温した空気)との混合比率を調整することで、冷却前の冷却用空気の温度や被塗物の塗膜厚さなどの運転条件等に応じて冷却ゾーンに供給する冷却用空気の温度を調整することができる。
また、この構成であれば、上記混合比率の調整により冷却用空気の温度を調整するから、予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気の加熱などのためにヒートポンプ出力の調整が制限される状況下でも冷却ゾーンに供給する冷却用空気の温度を調整することができ、この点で、機能性や運転条件の変化などに対する対応性に一層優れた設備にすることができる。
なお、この構成の実施において、排出空気の一部を混合する冷却用空気は冷却後の冷却用空気あるいは冷却前の冷却用空気のいずれであってもよい。
本発明の第特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記予熱用空気又は前記洗浄水又は前記調整用空気を加熱する加熱器と前記ヒートポンプにおける冷媒凝縮器としての放熱器との間で放熱側熱媒液を循環させる放熱側熱媒液循環路を設けるとともに、
前記冷却用空気を冷却する冷却器と前記ヒートポンプにおける冷媒蒸発器としての吸熱器との間で吸熱側熱媒液を循環させる吸熱側熱媒液循環路を設けてある点にある。
つまり、ヒートポンプにより予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を加熱し、また、冷却用空気を冷却するには、上記の如き放熱側及び吸熱側の熱媒液循環路を設ける熱媒液循環形式に代えて、ヒートポンプにおける冷媒凝縮器としての放熱器により予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気を直接に加熱する直接加熱形式、及び、ヒートポンプにおける冷媒蒸発器としての吸熱器により冷却用空気を直接に冷却する直接冷却形式(いわゆる直膨形式)を採ることもできる。
しかし、これら直接加熱形式や直接冷却形式では、冷媒凝縮器や冷媒蒸発器に対する冷媒配管の長さが長くなるほどヒートポンプの加熱効率や冷却効率(即ち、ヒートポンプの成績係数)が低下する。
これに対し、上記構成によれば、冷媒凝縮器及び冷媒蒸発器に対する冷媒配管の長さを短く固定した状態(略言すれば、冷媒凝縮器及び冷媒蒸発器を含めてヒートポンプをユニット化した状態)で、放熱側及び吸熱側の熱媒液循環路の延設経路を適宜決定して予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気に対する加熱器、及び、冷却用空気に対する冷却器の設置位置を適宜に選択することができ、これにより、上記直接加熱形式及び直接冷却形式に比べ、ヒートポンプの加熱効率及び冷却効率を高く安定的に確保しながら設備設計の自由度で高く確保することができる。
なお、この構成の実施においては、放熱側又は吸熱側の熱媒液循環路にヒートポンプ側からの送出熱媒液(即ち、ヒートポンプにより加熱又は冷却した熱媒液)の一部を短絡的にヒートポンプ側に還流するとともに、その短絡還流量の調整が可能な弁装置を設け、この弁装置による短絡還流量の調整により、予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気の加熱量ないしは冷却用空気の冷却量を適宜に調整できるようにするのが望ましい。
放熱側及び吸熱側の熱媒液循環路で循環させる熱媒液として水を用いれば、設備コストを安価にするとともに設備管理を容易にすることができるが、熱媒液は水に限られるものではなく、ブライン等の水溶液あるいは水を含まない液剤など、種々の液体を採用することができる。
本発明の第5特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記ヒートポンプが、冷媒としての二酸化炭素を圧縮機と、放熱器として凝縮器と、膨張弁と、吸熱器としての蒸発器との順に循環させる超臨界型のヒートポンプである点にある。
この構成によれば、超臨界型ヒートポンプの特性を利用した予熱用空気又は洗浄水又は調整用空気の加熱、及び、冷却用空気の冷却を行うことができる。
電着塗装設備の全体側面図 予熱炉及び焼付け乾燥炉の部分を示す拡大側面図 予冷ゾーン及び冷却ゾーンの部分を示す拡大側面図
図1及び図2は電着塗装設備を示し、1は搬送装置Caにより搬送する被塗物B(本例では自動車ボディ)に対して湯洗処理、脱脂処理、化成処理、水洗処理等の前処理を順次に施す前処理部、2は前処理後の被塗物Bを搬送装置Caによる引き続きの搬送に伴い槽内の電着塗料液Lに浸漬させる電着槽であり、この電着槽2では浸漬電極板と対向電極としての浸漬被塗物Bとの間での電気泳動により電着塗料液Lの液中塗料分を被塗物Bに塗着させて被塗物表面に塗膜を形成する。
3は電着槽2の電着塗料液Lから引き上げた塗膜形成後の被塗物Bを同じく搬送装置Caによる搬送に伴い洗浄水Wより洗浄する電着水洗部であり、この電着水洗部3には、限外ろ過膜等による浄化洗浄水Wにより被塗物Bを洗浄する前段水洗部3Aと、それに続き洗浄水Wとして逆浸透膜による浄化洗浄水や純水を用いて被塗物Bを洗浄する後段水洗部3Bとを設けてある。
4は後段水洗部3Bで洗浄した被塗物Bを予熱炉5に送る中継用の搬送経路部分であり、この搬送経路部分4には被塗物Bをそれまでの搬送装置Caから炉内搬送用の搬送装置Cbに移載する移載装置Iを設けてある。
予熱炉5には、予熱炉5に供給する予熱用空気Ayを加熱する加熱器5a、この加熱器5aと予熱炉5との間で循環ファン5bにより予熱用空気Ayを循環させる循環路5c、加熱器5aにより加熱した予熱用空気Ayを多数のノズルから予熱炉5内に供給する天井部配置の給気チャンバ5d、加熱器5aに戻す炉内空気Ay′を多数の吸込口から吸い込む床部配置の排気チャンバ5eを設けてある。
つまり、この予熱炉5において予熱用空気Ayにより被塗物Bを60℃〜100℃程度に予熱することで、電着水洗部3での水洗の後も被塗物Bの隙間部内に残存する電着塗料液Lを予乾燥して後続する焼付け乾燥炉6での二次ダレの発生を防止する。
6は予熱炉5で予熱した被塗物Bを高温加熱して被塗物表面の形成塗膜を焼付け処理する焼付け乾燥炉であり、この焼付け乾燥炉6の炉内は被塗物搬送方向で複数の処理ゾーン6zに区分し、それら処理ゾーン6zごとにゾーン内空気Azを170℃程度に加熱する燃焼式の加熱器6aを設けてある。
具体的には、加熱器6aと処理ゾーン6zとの間でゾーン内空気Azを循環ファン6bにより循環させる循環路6c、加熱器6aにより加熱した空気Akを多数のノズルから処理ゾーン6z内に供給する床部配置の給気チャンバ6d、加熱器6aに戻すゾーン内空気Azを多数の吸込口から吸い込む天井部配置の排気チャンバ6eの夫々を処理ゾーン6zごとに設けてある。
そして、各処理ゾーン6zの循環路6cにおける加熱器6aの上手側部分には外気導入路6fを接続し、この外気導入路6fからの導入外気Aoと排気チャンバ6eに吸い込んだゾーン内空気Azとの混合気を加熱器6aにより加熱して、この加熱空気Akを処理ゾーン加熱用空気として給気チャンバ6dから処理ゾーン6z内に供給する。
また、焼付け乾燥炉6の被塗物搬送方向における中央部には、外気導入路6fからの外気導入風量に相当する炉内空気Agを排出する排気口6gを設け、この排気口6gからの排出空気Ag(即ち、ヤニ成分等を含む排ガス)を排ガスファン6hにより排ガス風路6iを通じ触媒酸化装置6jに導いて浄化脱臭処理する。
6kは触媒酸化装置6jで浄化脱臭処理した処理済の230℃程度の高温排ガスAgと外気導入路6fにおける導入外気Aoとを熱交換させて導入外気Aoを予熱する予熱器であり、この予熱器6kで導入外気Aoの予熱に用いた処理済排ガスAgは屋外に排出する。
7は焼付け乾燥炉6から搬送装置Cbにより搬出される塗膜焼付け処理後の高温被塗物Bを予冷する予冷ゾーン、8は同じく搬送装置Cbにより搬送される被塗物Bを予冷ゾーン7に続いて冷却する冷却ゾーンであり、予冷ゾーン7には、図3に示すように、外気導入路7aを通じて給気ファン7bにより導入される常温外気Aoを多数のノズルから予冷ゾーン7内に供給する天井部配置の給気チャンバ7cと、排気路7dを通じて排気ファン7eにより外部に排出するゾーン内空気Ao′を多数の吸込口から吸い込む床部配置の排気チャンバ7fとを設けてある。
一方、冷却ゾーン8には、外気導入路8aを通じて給気ファン8bにより導入される常温外気Aoを冷却する冷却器8gと、この冷却器8gで冷却した外気を冷却用空気Acとして多数のノズルから冷却ゾーン8内に供給する天井部配置の給気チャンバ8cと、排気路8dを通じて排気ファン8eにより外部に排出するゾーン内空気Ac′を多数の吸込口から吸い込む床部配置の排気チャンバ8fとを設けてある。
つまり、予冷ゾーン7では塗膜焼付け処理後の高温被塗物Bを常温の通風外気Aoにより予冷し、これに続いて冷却ゾーン8では予冷後の被塗物Bを冷却器8gで冷却した冷却用空気Acにより冷却するようにしてあり、これにより、塗膜焼付け処理後の高温被塗物Bを常温程度まで能率よく効果的に冷却して後続工程に送る。
また、焼付け乾燥炉6からの搬出被塗物Bに随伴するヤニ成分含有排ガスAgを予冷ゾーン7において通風外気Aoにより排除し、これにより、随伴排ガスAg中のヤニ成分が冷却ゾーン8で凝縮して冷却ゾーン8の壁や被塗物Bに付着するのを確実に防止する。
なお、予熱炉5の加熱器5a、焼付け乾燥炉6の加熱器6a、冷却ゾーン8の冷却器8g、並びに、予冷ゾーン7の外気導入路7aには夫々、処理対象の空気を浄化するフィルタfiを装備してある。
予熱炉5での加熱器5aによる予熱用空気Ayの加熱、及び、冷却ゾーン8での冷却器8gによる冷却用空気Acの冷却については、冷媒としての二酸化炭素を圧縮機9aと凝縮器9b(放熱器)と膨張弁9cと蒸発器9d(吸熱器)との順に循環させるユニット化された超臨界型のヒートポンプ9を設け、そして、放熱側の熱移送手段10として、ヒートポンプ9の放熱器9b(凝縮器)と予熱炉5の加熱器5aとの間で放熱側熱媒液Wh(本例では水)を循環ポンプ10aにより循環させる放熱側の熱媒液循環路10bを設けてある。
また、吸熱側の熱移送手段11として、ヒートポンプ9の吸熱器9d(蒸発器)と冷却ゾーン8の冷却器8gとの間で吸熱側熱媒液Wc(本例では水)を循環ポンプ11aにより循環させる吸熱側の熱媒液循環路11bを設けてある。
つまり、放熱側の熱移送手段10では、循環する放熱側熱媒液Whをヒートポンプ9の放熱器9b(凝縮器)においてヒートポンプ9の放出熱(即ち、冷媒凝縮に伴う発生凝縮熱、厳密には超臨界状態における冷媒凝縮過程相当部での発生熱)により加熱し、この加熱した放熱側熱媒液Whと予熱炉5に供給する予熱用空気Ayとを加熱器5aにおいて熱交換させることで予熱用空気Ayを加熱する。
また、このヒートポンプ放出熱による予熱用空気Ayの加熱に併行して、吸熱側の熱移送手段11では、循環する吸熱側熱媒液Wcをヒートポンプ9の吸熱器9d(蒸発器)においてヒートポンプ9の吸熱作用(即ち、冷媒蒸発に伴う気化熱奪取)により冷却し、この冷却した吸熱側熱媒液Wcと冷却ゾーン8に供給する冷却用空気Acとを冷却器8gにおいて熱交換させることで冷却用空気Acを冷却する。
予熱炉5での加熱器5aによる予熱用空気Ayの加熱については更に、放熱側の熱媒液循環路10bに、ヒートポンプ9の放熱器9bから予熱炉5の加熱器5aに送る放熱側熱媒液Whの一部Wh′を短絡路10cを通じてヒートポンプ9の放熱器9bへ短絡的に還流するとともに、その短絡還流量を調整する三方弁10dを設け、また、加熱器5aで加熱した予熱用空気Ayを予熱炉5に供給する循環路5cの往路部分には、予熱炉5に供給する加熱後の予熱用空気Ayの温度tyを検出する温度センサSyを設けてある。
そして、この温度センサSyの検出温度tyに基づき三方弁10dを操作して放熱側熱媒液Whの短絡還流量を調整することで予熱用空気Ayに対する加熱器5aの加熱量を調整する加熱器用制御器12を設け、この加熱器用制御器12による加熱量調整により予熱炉5に供給する予熱用空気Ayの温度tyを所要温度に自動調整するようにしてある。
なお、ヒートポンプ9は、放熱器9bから送出する放熱側熱媒液Whの温度(即ち、加熱後の温度)を所定温度に保つように圧縮機9aの回転数を自動調整する機能を備えており、この機能があるため、加熱器用制御器12により放熱側熱媒液Whの短絡還流量が増大側に調整されると、それに伴い圧縮機9aの回転数が低下側に調整されて放熱器9bにおける放出熱量(即ち、放熱側熱媒液Whに対する加熱量)及び吸熱器9dにおける吸熱熱量(即ち、吸熱側熱媒液Wcに対する冷却量)も低下側に自動調整される。
一方、冷却ゾーン8での冷却器8gによる冷却用空気Acの冷却については、排気混合手段13として、冷却器8gへの外気Aoの導入風量を調整する外気ダンパ13aと、排気路8dにおける排出空気Ac′(即ち、冷却ゾーン8での被塗物冷却により昇温した空気)の一部を冷却器8gに導入する混合路13bと、この混合路13bを通じて冷却器8gに導入する排出空気風量を調整する混合ダンパ13cとを設けるとともに、冷却ゾーン8に供給する冷却後の冷却用空気Acの温度tcを検出する温度センサScを設けてある。
そして、この温度センサScの検出温度tcに基づき外気ダンパ13aと混合ダンパ13cとを操作して冷却器8gに導入する外気Aoと排出空気Ac′との風量比(即ち、それら空気Ao,Ac′の混合比率)を調整する混合用制御器13dを設け、この混合用制御器13dによる風量比調整(混合比率調整)により、冷却ゾーン8に供給する冷却用空気Acの風量を一定に保ちながら、その冷却用空気Acの温度tcを所要温度に自動調整するようにしてある。
以上、本実施形態で示した電着塗装設備では、被塗物Bを槽内の電着塗料液Lに浸漬させる電着槽2と、この電着槽2で被塗物Bの表面に形成した塗膜を焼付け処理する焼付け乾燥炉6と、この焼付け乾燥炉6で塗膜を焼付け処理した被塗物Bを冷却する冷却ゾーン8とに被塗物Bを順次に搬送して塗装する構成において、
電着槽2と焼付け乾燥炉6との間に設けた予熱炉5に供給する予熱用空気Ayを放熱源とし、かつ、冷却ゾーン8に供給する冷却用空気Acを吸熱源とするヒートポンプ9を設け、このヒートポンプ9により、予熱炉5に供給する予熱用空気Ayを加熱するとともに、それに併行して冷却ゾーン8に供給する冷却用空気Acを冷却する構成にしてある。
また、焼付け乾燥炉6と冷却ゾーン8との間に、焼付け乾燥炉6で塗膜を焼付け処理した被塗物Bを通風外気Aoにより冷却する予冷ゾーン7を設けた構成にしてある。
また、冷却ゾーン8に冷却用空気Acを供給するのに伴い冷却ゾーン8内の空気Ac′を外部に排出するとともに、その排出空気Ac′の一部を冷却用空気Acに混合する排気混合手段13を設け、この排気混合手段13を冷却用空気Acとそれに混合する排出空気Ac′との混合比率の調整が可能な構成にしてある。
また、予熱炉5に供給する予熱用空気Ayを加熱する加熱器5aとヒートポンプ9における冷媒凝縮器としての放熱器9dとの間で放熱側熱媒液Whを循環させる放熱側の熱媒液循環路10bを設けるとともに、冷却ゾーン8に供給する冷却用空気Acを冷却する冷却器8gとヒートポンプ9における冷媒蒸発器としての吸熱器9dとの間で吸熱側熱媒液Wcを循環させる吸熱側の熱媒液循環路11bを設けた構成にしてある。
そしてまた、放熱側の熱媒液循環路10bにヒートポンプ9側からの送出熱媒液Wh(即ち、ヒートポンプ9により加熱した熱媒液)の一部Wh′を短絡的にヒートポンプ9側に還流するとともに、その短絡還流量の調整が可能な弁装置(三方弁10d)を設け、この弁装置10dによる短絡還流量の調整により、予熱炉5に供給する予熱用空気Ayの加熱量を適宜に調整できる構成にしてある。
〔別実施形態〕
次に別の実施形態を列記する。
前述の実施形態では、予熱炉5に供給する予熱用空気Ayをヒートポンプ9の放出熱により加熱するようにしたが、これに代えて、または、これに加えて、図1に破線で示す如く、後段水洗部3Bの浸漬水洗槽3aやシャワー水洗装置3bあるいは最終シャワー水洗装置3cで用いる洗浄水W(純水)など電着水洗部3における各水洗装置で用いる洗浄水Wを加熱する洗浄水加熱器14a〜14cを設けるとともに、前記放熱側の熱移送手段10として、これら洗浄水加熱器14a〜14cの夫々とヒートポンプ9の放熱器9bとの間で放熱側熱媒液Whを循環ポンプ10a′により循環させる放熱側の熱媒液循環路10b′を設けるようにしてもよい。
即ち、この構成では、電着水洗部3の水洗装置3a〜3cで用いる洗浄水Wbをヒートポンプ9の放出熱により加熱して、それら加熱洗浄水Wbによる洗浄により被塗物Bにおける隙間部内の残存塗料液Lを電着槽2に続く洗浄段階で効果的に除去し、これにより、焼付け乾燥炉6での塗膜焼付け処理において二次ダレが生じるのを防止する。
また、予熱炉5に供給する予熱用空気Ayや電着水洗部3の水洗装置14a〜14cで用いる洗浄水Wbをヒートポンプ9の放出熱により加熱するのに代えて、または、それらに加えて、図1に破線で示す如く、水洗装置を配した電着水洗部3と予熱炉5との間の中継用の搬送経路部分4(前述の実施形態では移載装置Iの上手側部分又は下手側部分)に供給する調整用空気Atを加熱する調整用空気加熱器15を設けるとともに、前記放熱側の熱移送手段10として、これら調整用空気加熱器15とヒートポンプ9の放熱器9bとの間で放熱側熱媒液Whを循環ポンプ10a″により循環させる放熱側の熱媒液循環路10b″を設けるようにしてもよい。
即ち、この構成では、上記搬送経路部分4に供給する加熱した調整用空気Atにより被塗物Bにおける隙間部内の残存塗料液Lを予乾燥させ、これにより、焼付け乾燥炉6での塗膜焼付け処理において二次ダレが生じるのを防止する。
つまり、本発明の電着塗装設備では、電着槽2と焼付け乾燥炉6との間に設けた予熱炉5に供給する予熱用空気Ay、又は、電着槽2で塗膜形成した被塗物Bを洗浄する水洗装置3a〜3cで使用する洗浄水W、又は、それら水洗装置3a〜3cと予熱炉5との間の搬送経路部分4に供給する調整用空気Atを放熱源とし、かつ、冷却ゾーン8に供給する冷却用空気Acを吸熱源とするヒートポンプ9を設け、このヒートポンプ9により、予熱炉5に供給する予熱用空気Ay又は水洗装置3a〜3cで使用する洗浄水W又は搬送経路部分4に供給する調整用空気Atを加熱するとともに、それに併行して冷却ゾーン8に供給する冷却用空気Acを冷却する構成にする。
予熱用空気Ay又は洗浄水W又は調整用空気Atを加熱するとともに、それに併行して冷却用空気Acを冷却するのに、前述の如き放熱側の熱移送手段10や吸熱側の熱移送手段11を設けるのに代え、予熱用空気Ay又は洗浄水W又は調整用空気Atをヒートポンプ9の放熱器9b(凝縮器)で直接に加熱したり、冷却用空気Acをヒートポンプ9の吸熱器9d(蒸発器)で直接に冷却する構成にしてもよい。
ヒートポンプ9の出力(即ち、放出熱量及び吸熱熱量)を調整するのに、予熱用空気Ay又は洗浄水W又は調整用空気Atの温度や冷却用空気Acの温度に応じてヒートポンプ出力をインバータ装置などにより調整するようにしてもよい。
ヒートポンプ9としては蒸気圧縮式のヒートポンプに限らず吸収式ヒートポンプや吸着式ヒートポンプを用いてもよい。
前述の実施形態では、予熱炉5に供給する予熱用空気Ay又は水洗装置3a〜3cで使用する洗浄水W又は搬送経路部分4に供給する調整用空気Atをヒートポンプ9の放出熱のみにより加熱する例を示したが、これに代え、図1中に破線で示す如く、焼付け乾燥炉6における予熱器6kを通過した浄化脱臭処理後の排ガスAgと予熱炉5における予熱器5aで加熱(予熱)した空気Ayとを熱交換させるランアラウンド式などの熱交換装置16を設けるなど、焼付け乾燥炉6から排出される排ガスAgの保有熱とヒートポンプ9の放出熱とにより予熱用空気Ay又は洗浄水W又は調整用空気Atを加熱する構成にしてもよい。
なお、この場合、予熱用空気Ay又は洗浄水W又は調整用空気Atをヒートポンプ9の放出熱により予熱し、その後、排ガスAgの保有熱により加熱する形式、あるいは逆に、予熱用空気Ay又は洗浄水W又は調整用空気Atを排ガスAgの保有熱により予熱し、その後、ヒートポンプ9の放出熱により加熱する形式のいずれを採用してもよい。
前述の実施形態では、焼付け乾燥炉6で塗膜を焼付け処理した高温被塗物Bを通風外気Aoにより予冷する予冷ゾーン7を設けたが、この予冷ソーン7を省略又は休止して、焼付け乾燥炉6で塗膜を焼付け処理した高温被塗物Bを冷却ゾーン8の冷却用空気Acだけで冷却するようにしてもよい。
本発明による電着塗装設備は自動車ボディBの電着塗装に限らず、電気製品のケーシングや鋼板あるいは各種部品など種々の被塗物の電着塗装に適用することができる。
本発明による電着塗装設備は塗膜焼付け処理時の二次ダレを防止した状態で各種被塗物を電着塗装するのに利用できる。
B 被塗物
L 電着塗料液
2 電着槽
6 焼付け乾燥炉
8 冷却ゾーン
5 予熱炉
Ay 予熱用空気
3a〜3c 水洗装置
W 洗浄水
4 搬送経路部分
At 調整用空気
Ac 冷却用空気
9 ヒートポンプ
Ao 外気
Ac′ 排出空気
13 排気混合手段
Ag 排ガス
5a 加熱器(予熱用空気系統)
14a〜14c 加熱器(洗浄水系統)
15 加熱器(調整用空気系統)
9b 放熱器(凝縮器)
8g 冷却器(冷却用空気系統)
9d 吸熱器(蒸発器)
Wh 放熱側熱媒液
Wc 吸熱側熱媒液
10b 放熱側の熱媒液循環路(予熱用空気系統)
10b′ 放熱側の熱媒液循環路(洗浄水系統)
10b″ 放熱側の熱媒液循環路(調整用空気系統)
11b 吸熱側の熱媒液循環路(冷却用空気系統)
9a 圧縮機
9c 膨張弁

Claims (5)

  1. 被塗物を槽内の電着塗料液に浸漬させる電着槽と、この電着槽で被塗物の表面に形成した塗膜を焼付け処理する焼付け乾燥炉と、この焼付け乾燥炉で塗膜を焼付け処理した被塗物を冷却する冷却ゾーンとに被塗物を順次に搬送して塗装する電着塗装設備であって、
    前記電着槽と前記焼付け乾燥炉との間に設けた予熱炉に供給する予熱用空気、又は、前記電着槽で塗膜形成した被塗物を洗浄する水洗装置で使用する洗浄水、又は、前記水洗装置と前記予熱炉との間の搬送経路部分に供給する調整用空気を放熱源とし、かつ、前記冷却ゾーンに供給する冷却用空気を吸熱源とするヒートポンプを設け、
    このヒートポンプにより、前記予熱用空気又は前記洗浄水又は前記調整用空気を加熱するとともに、それに併行して前記冷却用空気を冷却する構成にし、
    前記焼付け乾燥炉と前記冷却ゾーンとの間に、前記焼付け乾燥炉で塗膜を焼付け処理した被塗物を通風外気により冷却する予冷ゾーンを設けてある電着塗装設備。
  2. 被塗物を槽内の電着塗料液に浸漬させる電着槽と、この電着槽で被塗物の表面に形成した塗膜を焼付け処理する焼付け乾燥炉と、この焼付け乾燥炉で塗膜を焼付け処理した被塗物を冷却する冷却ゾーンとに被塗物を順次に搬送して塗装する電着塗装設備であって、
    前記電着槽と前記焼付け乾燥炉との間に設けた予熱炉に供給する予熱用空気、又は、前記電着槽で塗膜形成した被塗物を洗浄する水洗装置で使用する洗浄水、又は、前記水洗装置と前記予熱炉との間の搬送経路部分に供給する調整用空気を放熱源とし、かつ、前記冷却ゾーンに供給する冷却用空気を吸熱源とするヒートポンプを設け、
    このヒートポンプにより、前記予熱用空気又は前記洗浄水又は前記調整用空気を加熱するとともに、それに併行して前記冷却用空気を冷却する構成にし、
    前記焼付け乾燥炉から排出される排ガスの保有熱と前記ヒートポンプの放出熱とにより前記予熱用空気又は前記洗浄水又は前記調整用空気を加熱する構成にしてある電着塗装設備。
  3. 前記冷却ゾーンに前記冷却用空気を供給するのに伴い前記冷却ゾーン内の空気を外部に排出するとともに、その排出空気の一部を前記冷却用空気に混合する排気混合手段を設け、
    この排気混合手段を前記冷却用空気とそれに混合する前記排出空気との混合比率の調整が可能な構成にしてある請求項1又は2記載の電着塗装設備。
  4. 前記予熱用空気又は前記洗浄水又は前記調整用空気を加熱する加熱器と前記ヒートポンプにおける冷媒凝縮器としての放熱器との間で放熱側熱媒液を循環させる放熱側熱媒液循環路を設けるとともに、
    前記冷却用空気を冷却する冷却器と前記ヒートポンプにおける冷媒蒸発器としての吸熱器との間で吸熱側熱媒液を循環させる吸熱側熱媒液循環路を設けてある請求項1又は2記載の電着塗装設備。
  5. 前記ヒートポンプが、冷媒としての二酸化炭素を圧縮機と、放熱器として凝縮器と、膨張弁と、吸熱器としての蒸発器との順に循環させる超臨界型のヒートポンプである請求項1又は2記載の電着塗装設備。
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