JP2011185545A - 乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】乾燥装置1は、複数種類の被乾燥物を乾燥可能な乾燥室4と、乾燥室4に空気を供給する空気供給部と、複数種類の被乾燥物それぞれから蒸発させる必要のある必要水分量と複数種類の被乾燥物それぞれとを関連付けて記憶する記憶部9と、乾燥室4において被乾燥物から蒸発した蒸発水分量を算出する蒸発水分量算出部81と、蒸発水分量算出部81により算出された所定の被乾燥物についての蒸発水分量と記憶部9に記憶された所定の被乾燥物についての必要水分量に基づいて空気供給部から乾燥室4に供給される空気を制御する空気制御部82と、を備える。
【選択図】図2
Description
例えば、特許文献1には、被乾燥物を、その被乾燥物ごとの最適乾燥速度で乾燥させることにより高品質の被乾燥製品が得られる乾燥装置が提案されている。この乾燥装置によれば、乾燥室内に被乾燥物の重量を測定する重量測定装置を配置し、この重量測定装置により測定される被乾燥物の重量の減少量から乾燥室内における被乾燥物の乾燥速度を求める。そして、この求められた被乾燥物の乾燥速度と、あらかじめ設定された最適乾燥速度データとを比較して、被乾燥物の乾燥速度が最適乾燥速度に一致するように、乾燥室に供給される乾燥空気の湿度を調整する。
また、特許文献2には、焼付乾燥を行う乾燥室において、被塗装物に対して送気する加熱空気の送気量を調整することで被乾燥物の焼付乾燥を短時間で行うことが可能な乾燥装置が提案されている。
そのため、大きさや形状が異なる被乾燥物を乾燥させた場合であっても、乾燥効率を低下させずにエネルギの消費量を低減できる乾燥装置が求められている。
本実施形態は、本発明を、自動車の車体等に塗装を施す塗装設備において、塗装が施された被乾燥物としての車体を乾燥させる乾燥装置に適用したものである。
乾燥室4には、空気供給口41、及び空気排出口42が設けられている。空気供給口41には、一端側が加熱装置3に接続された配管12の他端側が接続されており、高温、低湿度の空気は、この配管12を介して、加熱装置3から供給される。
空気排出口42には、後述する空気循環部5を構成する配管14の一端側が接続されている。この配管14の他端側は、除湿装置2と加熱装置3とを接続する配管13に接続されており、乾燥室4から排出された空気の少なくとも一部は、この配管12及び配管13を通って加熱装置3に再び供給される。
冷却室212は、吸気口211から導入された空気を冷却して除湿するための区切られた空間である。
冷却コイル213は、冷却室212の内部に配置される。この冷却コイル213には、冷却装置22から供給された冷媒が流通しており、冷却室212内の空気は、冷媒が流通する冷却コイル213により冷却されて除湿される。
送風口215は、除湿部21における下流側に配置される。この送風口215には、配管13の一端側が接続されている。この配管13の他端側は、加熱装置3に接続されている。
ファン214は、冷却室212の下流側に配置される。このファン214を駆動させることにより、吸気口211から外気が冷却室212の内部に導入されると共に、冷却室212において除湿された空気が吸引され送風口215から配管13を通って加熱装置3に送られる。
第2センサ217は、送風口215の近傍に配置され、除湿装置2から加熱装置3に供給される空気の温度、及び絶対湿度を測定する。
加熱部31は、吸気口311と、ファン312と、加熱室313と、ヒータ314と、フィルタ315と、送風口316と、を備える。
吸気口311は、加熱部31における上流側の端部に設けられる。この吸気口311には、配管13が接続されている。
ファン312は、吸気口311の下流側に配置される。このファン312は、配管13及び吸気口311を介して、除湿装置2から供給された空気、及び乾燥室4から排出された空気の一部を吸引して加熱室313に送る。
ヒータ314は、ボイラ32から供給された蒸気の熱を放出する発熱部であり、ファン312により加熱室313内に取り込まれた空気を加熱する。ヒータ314で熱を放出した蒸気は温水に変換され、ボイラ32に回収される。
送風口316は、加熱部31における下流側に配置される。この送風口316には、配管12の一端側が接続されており、この配管12の他端側は、乾燥室4に接続されている。
ファン51は、配管14の分岐端のうちの他方の端部に接続され、配管14を流通する空気の一部を外部に排出する。
流路切替弁52は、三方弁により構成される。この流路切替弁52は、乾燥室4から排出された空気の流路を切り替えて、外部に排出する空気の量及び加熱部3に循環(リサイクル)させる空気の量を調整する。
配管14の空気の絶対湿度やVOC濃度(配管14にVOCセンサを備えることが好ましい)が所定値を超えたとき等乾燥に適さない場合には、この流路切替弁52により、空気のリサイクル量を低下させて、空気を外部に放出する。
まず、除湿装置2では、ファン214の駆動により外気が吸気口211から吸引されて冷却室212に導入される。外気の温度及び絶対湿度は、第1センサ216により測定される。
冷却室212内には、冷却コイル213が配置されている。この冷却コイル213内を流通する冷媒は、冷却装置22において冷却されており、冷却室212内の空気は、冷却コイル213を流通する冷媒によって冷却されて低温となり、除湿される。
冷却室212内において除湿された空気は、送風口215から配管13を介して加熱装置3に供給される。除湿されて加熱装置3に送られる空気の温度及び絶対湿度は、第2センサ217により測定される。
加熱室313で加熱された空気は、フィルタ315を通過した後、送風口316から配管12を介して乾燥室4に供給される。
車体の乾燥に用いられた空気は、空気排出口42から配管14に排出される。配管14に排出された空気は、その一部がファン51から外部に排出され、残りが配管13を介して再び加熱装置3に供給される。乾燥室4から排出される空気の温度及び絶対湿度は、温度/湿度センサ71により測定される。また、乾燥室4から排出される空気の流量は、風量センサ72により測定される。
図2は、乾燥装置1の構成を示す機能ブロック図である。
制御装置8は、各機能の処理を行うCPU(Central Processing Unit)や、データを記憶するテーブルや各機能を実行するプログラムを記憶するメモリ等により構成され、除湿装置2、加熱装置3及び空気循環部5を制御する。この制御装置8は、蒸発水分量算出部81と、空気制御部82と、記憶部9と、を備える。
空気制御部82は、乾燥室4に供給される空気の温度、絶対湿度、風速及び流量のうちの少なくとも一つを制御する。
より具体的には、乾燥室4において乾燥される車体が小型車両の車体の場合には、空気供給口41から車体の表面までの距離が遠くなる。そこで、空気制御部82は、ファン214及びファン312の回転量を増大させて空気供給口41から乾燥室4に供給される空気の風速を速くし、車体の表面に到達する空気の風速が最適風速となるように調整する。
また、乾燥室4において乾燥される車体が大型車両の車体の場合には、空気供給口41から車体の表面までの距離が近くなる。そこで、空気制御部82は、ファン214及びファン312の回転量を減少させて空気供給口41から乾燥室4に供給される空気の風速を遅くし、車体の表面に到達する空気の風速が最適風速となるように調整する。
より具体的には、空気制御部82は、飽和度算出部83により算出された飽和度が所定値以上になった場合には、外部に排出される空気の量を増加させるように流路切替弁52を制御する。即ち、空気制御部82は、乾燥室4から排出される空気の湿度が高くなった場合には、加熱部3に循環させる空気の量を減少させる。また、空気制御部82は、飽和度算出部83により算出された飽和度が所定値未満の場合には、外部に排出される空気の量を減少させるように流路切替弁52を制御する。即ち、空気制御部82は、乾燥室4から排出される空気の湿度が低い場合には、加熱部3に循環させる空気の量を増加させる。また、乾燥室4のVOC温度が所定値を超えた場合には、外部に排出する空気の量を増加させるように制御する。
加熱制御S200では、ステップS210において、空気制御部82は、車体一台あたりの蒸発水分量が所定値以上であるかを判定する。空気制御部82により、車体一台あたりの蒸発水分量が所定値以上であると判定された場合には、空気制御部82は、空気中の水蒸気が早く飽和状態に至ると判断してステップS220に進む。空気制御部82により、車体一台あたりの蒸発水分量が所定値以上でないと判定された場合には、空気制御部82は、空気中の水蒸気がゆっくり飽和状態に至ると判断してステップS230に進む。
風速制御S300では、ステップS310において、空気制御部82は、乾燥室4において乾燥される車体の表面に到達する空気の風速が記憶部9に記憶された最適風速になるように空気供給口41における風速を制御してステップS4に戻る。
より具体的には、乾燥室4において乾燥される車体が小型車両の車体の場合には、空気制御部82は、ファン214及びファン312の回転量を増大させて空気供給口41から乾燥室4に供給される空気の風速を速くし、車体の表面に到達する空気の風速が最適風速となるように調整する。また、乾燥室4において乾燥される車体が大型車両の車体の場合には、空気制御部82は、ファン214及びファン312の回転量を減少させて空気供給口41から乾燥室4に供給される空気の風速を遅くし、車体の表面に到達する空気の風速が最適風速となるように調整する。
乾燥室4における乾燥時間が10分であり、乾燥される車体の必要水分量が1000gの場合には、1分あたりの必要水分量は100gとなる。ここで、蒸発水分量算出部81により算出された1分あたりの蒸発水分量が150gであった場合には、空気制御部82は、乾燥室4に供給される空気の流量が多すぎると判断する。そして、除湿装置2のファン214の回転量を減らして、外気の導入量を減少させ、乾燥室4に供給する空気の流量を減らす。また、空気制御部82は、乾燥室4に供給される空気の湿度は、車体を乾燥させるために十分である(十分低い湿度である)と判断する。そして、空気制御部82は、除湿装置2の冷却装置22の稼動を停止させる。これにより、車体を乾燥させるのに、過剰なエネルギを使用することを防げる。
例えば、本実施形態では、除湿装置2を、除湿部21及び冷却装置22により構成したが、これに限らない。即ち、除湿装置を、吸熱部及び放熱部を有するヒートポンプにより構成してもよい。
また、本実施形態では、乾燥室4に供給する空気の流量や絶対湿度を制御したが、これに限らない。即ち、乾燥室4に供給する空気の温度を、流量や絶対湿度と共に制御してもよい。
2 除湿装置
3 加熱装置
4 乾燥室
5 空気循環部
6 第1測定部
7 第2測定部
8 制御装置
9 記憶装置(記憶部)
81 蒸発水分量算出部
82 空気制御部
212 冷却室
214 ファン
Claims (5)
- 複数種類の被乾燥物を乾燥可能な乾燥室と、
前記乾燥室に空気を供給する空気供給部と、
前記複数種類の被乾燥物それぞれから蒸発させる必要のある必要水分量と、該複数種類の被乾燥物それぞれとを関連付けてあらかじめ記憶する記憶部と、
前記乾燥室において前記被乾燥物から蒸発した蒸発水分量を算出する蒸発水分量算出部と、
前記蒸発水分量算出部により算出された所定の被乾燥物についての蒸発水分量と前記記憶部にあらかじめ記憶された該所定の被乾燥物についての必要水分量とに基づいて、前記空気供給部から前記乾燥室に供給される空気を制御する空気制御部と、を備える乾燥装置。 - 前記空気制御部は、前記空気供給部から前記乾燥室に供給される空気の絶対湿度、流量及び風速のうちの少なくとも一つを制御する請求項1に記載の乾燥装置。
- 前記空気供給部は、
外部の空気を導入して除湿する除湿装置と、
前記除湿装置により除湿された空気を加熱して前記乾燥室に供給する加熱装置と、
前記乾燥室から排出される空気の少なくとも一部を前記加熱装置に供給する空気循環部と、
前記乾燥室に供給される空気の温度、絶対湿度、流量及び風速を測定する第1測定部と、
前記乾燥室から排出される空気の温度、絶対湿度及び流量を測定する第2測定部と、を備え、
蒸発水分量算定部は、前記第1測定部により測定された前記乾燥室に供給される空気の絶対湿度及び流量と、前記第2測定部により測定された前記乾燥室から排出される空気の絶対湿度及び流量と、に基づいて蒸発水分量を算出する請求項1又は2に記載の乾燥装置。 - 前記除湿装置は、外部の空気を吸引するファンと、該ファンにより吸引された空気を冷却して除湿する冷却室と、を備え、
前記空気制御部は、前記ファンの駆動を制御して前記乾燥室に供給される空気の流量及び風速を制御し、前記冷却室の冷却状態を制御して前記乾燥室に供給される空気の絶対湿度を制御する請求項3に記載の乾燥装置。 - 前記乾燥室は、車両の塗膜乾燥装置又はフラッシュオフ装置である請求項1から4のいずれかに記載の乾燥装置。
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