JP2005237686A - 食器洗い機 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型化することなく機本体内の洗浄室を広くし、同時に多数の食器を効率良く洗浄できる食器洗い機を提供する。
【解決手段】ポンプPは、ポンプハウジング26内に鉛直方向に沿う軸線S周りで回転するインペラ34を備えており、このインペラ34の回転に基づき吸水部44を介して水平方向からポンプハウジング26内へ洗浄水を吸水する。そのため、ポンプハウジング26内へインペラ34が洗浄水と共に空気を巻き込むことを抑制できる。そして、ポンプP(モータM)のインペラ34が正回転する場合には、当該ポンプP内の洗浄水は給水部45を介して洗浄室側に給水される。その一方、インペラ34が逆回転する場合には、前記洗浄水は排水部を介して機本体外に排水される。
【選択図】 図3
【解決手段】ポンプPは、ポンプハウジング26内に鉛直方向に沿う軸線S周りで回転するインペラ34を備えており、このインペラ34の回転に基づき吸水部44を介して水平方向からポンプハウジング26内へ洗浄水を吸水する。そのため、ポンプハウジング26内へインペラ34が洗浄水と共に空気を巻き込むことを抑制できる。そして、ポンプP(モータM)のインペラ34が正回転する場合には、当該ポンプP内の洗浄水は給水部45を介して洗浄室側に給水される。その一方、インペラ34が逆回転する場合には、前記洗浄水は排水部を介して機本体外に排水される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、食器を自動洗浄する食器洗い機に関するものである。
従来より、食器を自動洗浄する装置として例えば特許文献1に記載の食器洗い機(食器洗浄機)が提案されている。この特許文献1に記載の食器洗い機は、食器を洗浄するための洗浄室と複数のポンプ(洗浄用ポンプ及び排水用ポンプ)を収容するためのポンプ室とを機本体内に備えている。前記洗浄室はポンプ室の上方に設けられており、当該洗浄室内には複数の孔を上面に形成してなるノズル(アーム)が回転可能に支持されている。また、前記ポンプ室には、洗浄室からポンプ室側へ流下した洗浄水を貯留するための貯留槽が配設されており、洗浄水は、当該貯留槽から洗浄用ポンプ(又は排水用ポンプ)側に供給される。
即ち、前記洗浄室で食器を洗浄する際には、前記貯留槽に貯留された洗浄水が、前記洗浄用ポンプの駆動に基づき、前記ノズル(アーム)上面の各孔から洗浄室内に噴射されるようになっている。そして、前記各孔から噴射された洗浄水は、食器の洗浄に使用された後、洗浄室内から貯留槽に流下し、当該貯留槽から洗浄用ポンプの駆動に基づき再び洗浄室内に噴射供給される(即ち、食器の洗浄に繰り返し利用される)ようになっている。因みに、食器の洗浄中では、排水用ポンプの駆動は停止している。そして、食器の洗浄が終了すると、今度は洗浄用ポンプが停止し、排水用ポンプが駆動を開始する。すると、洗浄室からポンプ室(貯留槽)に流入した使用済みの洗浄水は、排水用ポンプの駆動に基づき、今度は前記機本体の外部に排水されるようになっている。
特開2003−135361号公報(段落番号[0017]、図1)
ところが、この特許文献1に記載の食器洗い機の場合には以下のような問題がある。即ち、この場合の食器洗い機には、2つのポンプ(洗浄用ポンプ及び排水用ポンプ)がポンプ室内に配設されている。そのため、食器洗い機の機本体内において、前記ポンプ室のスペースが広くなってしまい、必然的に、前記洗浄室のスペースが狭くなるという問題があった。従って、洗浄室のスペースを広くするためには、食器洗い機全体を大型化しなければならなかった。そこで、前記貯留槽の直下に、羽根部材が鉛直方向の回転軸線を中心にして回転する1つのポンプを配置し、当該ポンプから羽根部材の回転に基づき吐出された洗浄水を切換えバルブにより洗浄室内に供給するか又は機本体外に排水するかを選択切換え可能とした食器洗い機も近時は提案されている。しかし、この場合、ポンプは、貯留槽から洗浄水を当該ポンプ(羽根部材)の回転軸線を渦中心とするように吸水することになり、洗浄水と共に空気を巻き込んで洗浄室内に供給してしまうことがあった。そのため、このような空気の巻き込みが起因して洗浄室内に噴射される洗浄水の噴射効率が低下し、この食器洗い機では本来の洗浄性能を発揮できないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、大型化することなく機本体内の洗浄室を広くし、同時に多数の食器を効率良く洗浄できる食器洗い機を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、機本体内に、食器の洗浄室とポンプ室とをポンプ室が洗浄室の下側となるように区画形成し、前記ポンプ室内には、前記洗浄室からポンプ室側へ流下する洗浄水を貯留するための貯留槽を設けると共に、当該貯留槽の側方に、羽根部材が鉛直方向に沿う軸線周りで回転する構成とされたポンプを配置し、当該ポンプを、モータの回転駆動に基づき前記羽根部材が回転することにより、前記貯留槽に貯留されている洗浄水をポンプハウジング内へ前記軸線と直交する水平方向から吸水した後、ポンプハウジング内から前記洗浄室内又は機本体外に吐水するように構成したことを要旨としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の食器洗い機において、前記ポンプハウジングには、前記貯留槽から洗浄水を吸水するための吸水部と、前記洗浄室内に洗浄水を供給するための給水部と、前記機本体外に洗浄水を排水するための排水部とが設けられており、前記羽根部材は、前記軸線周りを正逆両方向へ回転可能とされ、正逆両方向のうち何れか一方の方向に回転した場合には洗浄水を前記吸水部から給水部側にガイドする一方、他方の方向に回転した場合には洗浄水を前記吸水部から排水部側にガイドすることを要旨としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の食器洗い機において、前記羽根部材は、前記モータの回転子に羽根部が一体形成された構成とされている構成であることを要旨としている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の食器洗い機において、前記羽根部材は、前記羽根部が形成された側を下側とするようにして前記ポンプハウジング内に配置されていることを要旨としている。
大型化することなく機本体内の洗浄室を広くし、同時に多数の食器を効率良く洗浄できる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の食器洗い機10は、機本体11内に、食器Dを洗浄する洗浄室12と当該洗浄室12の下方に位置するポンプ室13とを備えている。前記洗浄室12とポンプ室13とは、機本体11内の内部スペース14を仕切り板15で上下に仕切ることにより区画形成されている。なお、以下における本明細書中の説明において、「上下左右方向」は図1における上下左右方向を示すものとする。
図1に示すように、本実施形態の食器洗い機10は、機本体11内に、食器Dを洗浄する洗浄室12と当該洗浄室12の下方に位置するポンプ室13とを備えている。前記洗浄室12とポンプ室13とは、機本体11内の内部スペース14を仕切り板15で上下に仕切ることにより区画形成されている。なお、以下における本明細書中の説明において、「上下左右方向」は図1における上下左右方向を示すものとする。
前記洗浄室12には、食器Dを配置するための食器籠16が収容され、当該食器籠16は、水平方向(図1では左右方向)に延びるレール17上にスライド移動可能に戴置されている。また、洗浄室12の下部には、食器Dを洗浄する際に洗浄水を洗浄室12内に噴射するためのノズル18が回転可能な態様で配設されている。このノズル18の上面には、複数の孔(図示略)が形成されており、当該ノズル18の下面側からは、前記仕切り板15を貫通形成してポンプ室13内まで延びるように洗浄管路19が設けられている。この洗浄管路19は、ノズル18の内部空間(図示略)を介して前記ノズル18上面の各孔と繋がっている。そのため、洗浄室12内の食器Dを洗浄する際には、洗浄管路19を介してポンプ室13側から供給(給水)された洗浄水が前記ノズル18上面の各孔から洗浄室12内に噴射されるようになっている。
また、前記洗浄室12の左側には、機本体11の側壁の一部を構成すると共に、機本体11に対して開閉可能に形成された開閉扉20が設けられている。そして、この開閉扉20は、食器Dを洗浄室12内の食器籠16に配置する際や洗浄後に食器Dを洗浄室12から外部へ取り出す際等に開放され、それら以外の時には閉じられるようになっている。また、洗浄室12の右側には、所定容量の洗浄水を機本体11の外部から洗浄室12内に注入するための注入通路21が形成されている。また、洗浄室12の底部には、当該洗浄室12から洗浄水をポンプ室13に流下させて吸入するための吸入口22が設けられており、当該吸入口22には、食器Dに付着した残飯等が洗浄水と共にポンプ室13に吸入されないようにするべく、当該残飯等を取り除くフィルタFが配設されている。
一方、前記ポンプ室13には、前記洗浄室12から吸入口22を介して流下する洗浄水を貯留するための貯留槽23が設けられている。また、当該貯留槽23の側方(図1における右側)にはポンプPが収容配置されており、当該ポンプPは吸水管路24を介して前記貯留槽23と連結されている。そのため、貯留槽23内に一旦貯留された洗浄水は、吸水管路24を介してポンプP内に水平方向から吸水されることになる。そして、洗浄室12内の食器Dを洗浄する場合には、前記ポンプPの駆動に基づきポンプP内から洗浄水が前記洗浄管路19を介して前記ノズル18に供給され、当該ノズル18上面の各孔から洗浄室12内に噴射される。一方、前記洗浄水を排水する場合には、前記ポンプPの駆動に基づきポンプP内から洗浄水が排水管路25に導出され、機本体11外に排水される。
図2〜図4に示すように、前記ポンプPは、上側が開口した略有底円筒形状のポンプハウジング26を備えている。ポンプハウジング26の上側には下側が開口した略有底円筒形状のカバー27がOリング28等を介在させた状態で組み付けられ、当該カバー27とポンプハウジング26との間には収容空間29が形成されている。そして、この収容空間29内に、モータ(本実施形態ではブラシレスモータ)Mが収容されている。前記カバー27の底面略中央には、略円形状となる貫通孔27aが形成されている。また、前記カバー27の下端部外周側には、複数(本実施形態では6つ)の突片30が等間隔に突設されており、当該各突片30には、ネジ孔(図示略)が夫々形成されている。
前記モータMは、シャフト31、マグネットロータ32、ステータ33、及び回転子としてのインペラ(羽根部材)34等を備えた構成とされている。前記シャフト31は、略丸棒形状をなしており、その上端部が固定金具35を介して前記貫通孔27aに差し込まれている。このシャフト31は、カバー27の底面に対して鉛直方向へ垂下された状態で固定されているため、モータMが回転駆動力を発生した際にも回転不能とされる。
前記マグネットロータ32は、略円盤形状をなし、当該ロータ32の略中央位置には貫通孔32aが形成されている。そして、この貫通孔32aに嵌合されたベアリング36を介して、マグネットロータ32は、前記シャフト31に対して当該シャフト31の軸線Sを中心として回転可能に支持されている。また、このマグネットロータ32の内部には、当該ロータ32の周方向に沿って、複数(図3では2つのみ図示)の永久磁石(以下、「磁石」と示す)MgRが等間隔に配設されている。因みに、各磁石MgRは、周方向へ交互に磁極が異なるように配置されている。そして、本実施形態では、各磁石MgRの図3における上面にヨーク37が接合されている。
前記ステータ33は、略円盤形状をなす基板38を備えており、当該基板38の下面側には複数(図3では2つのみ図示)のコイル39が配設されている。前記基板38の略中央位置には、シャフト31の外径とほぼ同径の貫通孔38aが形成されており、当該貫通孔38aにシャフト31が差し込まれることで、基板38(ステータ33)は、前記収容空間29内においてマグネットロータ32の下方位置に固定支持されるようになっている。
また、前記基板38の周縁部分には、貫通孔(図示略)が形成された複数(本実施形態では6つ)の突片38bが等間隔に突設されている。そして、基板38(ステータ33)の貫通孔38aにシャフト31を差し込んだ際には、前記各突片38bの貫通孔と前記カバー27の各突片30のネジ孔とが位置対応するようになっている。従って、基板38(ステータ33)は、互いに位置対応した貫通孔及びネジ孔に止めネジ40が螺合されることにより、前記カバー27に対して回転不能に固定される。
また、前記各コイル39は、円形状に巻かれた巻線からなり、基板38における略中央位置に形成された前記貫通孔38aを取り囲む配置態様となるように、当該基板38の周方向に沿って配置される。つまり、ステータ33は、基板38がカバー27に固定された際に、前記各コイル39が前記マグネットロータ32の各磁石MgRと夫々位置対応するようになっている。
前記インペラ34は、略円盤形状をなし、その直径(外径)が前記マグネットロータ32の直径とほぼ同等となるように形成されると共に、当該インペラ34の略中央位置には貫通孔34aが形成されている。また、このインペラ34には、その周縁近傍の内部に複数(図3では2つのみ図示)の磁石MgIが等間隔に配設されている。因みに、各磁石MgIは、周方向へ交互に磁極が異なるように配置されている。
また、インペラ34の下面側には、輪形状をなす輪部41aと当該輪部41aから外周方向に伸びる複数(本実施形態では24枚)の平板部41bからなる羽根部41が一体形成されている。そして、前記インペラ34の貫通孔34aにはベアリング42が嵌合され、当該ベアリング42を介してインペラ34は前記シャフト31に支持されている。つまり、インペラ34は、前記シャフト31の軸線Sを中心に回転可能とされている。そして、本実施形態では、前記各磁石MgIの図3における下面にヨーク43が夫々接合されている。
以上のような構成からなるモータMでは、当該モータM(各コイル39)に電流が供給されると、前記インペラ34(及びマグネットロータ32)が当該インペラ34の回転軸線(シャフト31の軸線S)を中心に回転することになる。そして、その場合において、各コイル39に供給される電流の向きが制御装置(図示略)により切換えられると、インペラ34(及びマグネットロータ32)は、回転方向が切換えられるようになっている。即ち、インペラ34(及びマグネットロータ32)は、制御装置の切換え制御に基づき、鉛直方向に沿う軸線たるシャフト31の軸線S周りを正逆両方向へ回転可能とされている。
一方、前記ポンプハウジング26は、その周壁部26aに、前記吸水管路24に対する連結部位となって貯留槽23からポンプハウジング26内へ洗浄水を吸水するための吸水部44が突出形成されている。また、前記ポンプハウジング26の周壁部26aにおいて、吸水部44から見て周方向へ所定角度離間した位置(図2では時計方向へ略180度離間した位置)には、前記洗浄管路19に対する連結部位となってポンプハウジング26内から洗浄室12内に洗浄水を給水するための給水部45が突出形成されている。そして、前記ポンプハウジング26の周壁部26aにおいて、吸水部44から見て給水部45よりも更に周方向へ所定角度離間した位置(図2では時計方向へ略90度離間した位置)には、前記排水管路25に対する連結部位となってポンプハウジング26内から機本体11外に洗浄水を排水するための排水部46が突出形成されている。
そのため、例えば、前記吸水部44からポンプハウジング26内に吸水された洗浄水は、前記インペラ34が一方向(図2に示すA矢印方向)に回転すると、羽根部41により前記給水部45側に導水ガイドされることになる。その一方で、前記インペラ34が他方向(図2に示すB矢印方向)に回転すると、羽根部41により前記排水部46側に導水ガイドされるようになっている。即ち、吸水部44からポンプハウジング26内に吸水された洗浄水は、インペラ34の回転に基づき周壁部26aの内周面に沿って給水部45側又は排水部46側へと導水ガイドされる。その意味で、ポンプハウジング26の周壁部26aは洗浄水の導水ガイド部として機能する。
因みに、本実施形態では、前記吸水部44側から洗浄水を給水部45(洗浄管路19)側に導水ガイドする場合のインペラ34の回転方向(図2のA矢印方向)を正方向と示す一方で、排水部46(排水管路25)側に導水ガイドする場合のインペラ34の回転方向(図2のB矢印方向)を逆方向と示す。また、前記インペラ34は、羽根部41が形成された側が下方となるように配置されているため、インペラ34の回転駆動時にポンプP(ポンプハウジング26)内における洗浄水の残留量が少なくても、当該インペラ34(ポンプP)の回転駆動に基づき、洗浄水は確実にノズル18に供給されるようになっている。
また、前記ポンプハウジング26の周壁部26aのうち前記給水部45と排水部46との間となる部分は、その内面が前記インペラ34の外周縁に近接するように、他の周壁部分よりも壁厚が厚く形成された導水規制部47とされている。そのため、インペラ34が正方向へ回転した場合、前記ポンプハウジング26内を吸水部44側から給水部45側へと導水された洗浄水は、排水部46側へと更に導水されるのを導水規制部47が阻止するため、確実に給水部45側に吐水される。一方、インペラ34が逆方向へ回転した場合、前記ポンプハウジング26内を吸水部44側から排水部46側へと導水された洗浄水は、給水部45側へと更に導水されるのを導水規制部47が阻止するため、確実に排水部46側に吐水される。
また、前記ポンプハウジング26の底面略中央には平面視略円形状をなす隆起部48が前記インペラ34における羽根部41の輪部41aの内側に位置するように形成されている。即ち、この隆起部48は、前記羽根部41の輪部41aとの間の隙間を狭幅とすることで、インペラ34が回転した際における回転中心付近への洗浄水の流入を抑制するようになっている。その意味で、前記隆起部48は、ポンプハウジング26の周壁部(導水ガイド部)26aによる洗浄水の吸水部44側から給水部45側(又は排水部46側)への導水ガイド機能を間接的に補助する導水ガイド補助部として機能するようになっている。
次に、以上のように構成された本実施形態の食器洗い機10の作用について以下説明する。なお、洗浄室12には、複数の食器Dが食器籠16に配置されたものとし、所定時間(例えば20分)の洗浄行程が終了すると洗浄水が排水される(即ち、排水行程が開始する)ように設定されたものとする。
まず、図示しない操作部が操作されると洗浄行程が開始され、所定容量の洗浄水が注入通路21を介して機本体11(洗浄室12)内に流下する。そして、この洗浄水は、吸入口22を介して貯留槽23内に流下し、当該貯留槽23内に貯留される。すると次に、ポンプP内のモータMが回転駆動され、モータMの回転子であるインペラ34が正回転すると、貯留槽23内の洗浄水は、貯留槽23から吸水管路24を流動して吸水部44を介してポンプPのポンプハウジング26内に吸水される。そして、吸水部44からポンプハウジング26内に吸水された洗浄水は、インペラ34の正回転に基づきポンプハウジング26の周壁部26aの内周面に沿って吸水部44側から給水部45側に導水ガイドされる(図2参照)。なお、この際において、ポンプハウジング26の周壁部26aの内面側には導水規制部47が形成されている。そのため、ポンプハウジング26内を吸水部44側から給水部45側へ導水ガイドされた洗浄水は、当該導水規制部47を越えて排水部46側に導水ガイドされることはない(即ち、機本体11外に排水されない)。
ポンプハウジング26内を給水部45まで導水ガイドされた洗浄水は、給水部45から洗浄管路19を流動してノズル18まで供給される。すると、洗浄水は、このノズル18における上面の各孔から洗浄室12内に噴射される、即ち、洗浄室12内に配置された食器Dが洗浄される。そして次に、この洗浄水は、吸入口22から再び貯留槽23内に流下し貯留される。この際に、吸入口22には、フィルタFが配設されているため、食器Dに付着した残飯等が貯留槽23内に前記洗浄水と共に流入(流下)することはない。そして、貯留槽23内に再び貯留された洗浄水は、ポンプP(モータM)の駆動に基づきポンプハウジング26内を通過してノズル18の各孔から洗浄室12内に再び噴射される、即ち、食器Dの洗浄に繰り返し利用される。
その後、予め設定された所定時間が経過すると、モータMのインペラ34の回転(正回転)が停止し(即ち、洗浄室12内への洗浄水の供給(噴射)が停止され)、洗浄行程が終了する。そして次に、排水行程が開始されると、モータMのインペラ34は逆回転し、貯留槽23からポンプP(ポンプハウジング26)内に吸水された洗浄水(所謂使用済みの洗浄水)は、排水部46側に導水ガイドされる(図2参照)。そして、この際においても、ポンプハウジング26内を吸水部44側から排水部46側へと導水ガイドされた洗浄水は、導水規制部47を越えて給水部45側に導水ガイドされることはない(即ち、洗浄室12(ノズル18)に供給されない)。そして、排水部46に導水ガイドされた洗浄水は、排水部46から排水管路25を流動して機本体11外に排水される。その後、予め設定された所定時間(例えば1分)が経過すると、インペラ34の回転(逆回転)が停止し、洗浄水の排水行程が終了する。
従って、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)洗浄室12への洗浄水の供給(給水)及び機本体11外への洗浄水の排水を一つのポンプPで行うことができるため、複数のポンプを配置する場合(例えば特許文献1に記載の食器洗い機の場合)と比較して機本体11内におけるポンプ室13のスペースを狭くすることができる。また、前記ポンプPは、洗浄水を貯留する貯留槽23の側方(図1では右側)に配置されているため、当該ポンプPを貯留槽23の下側に配置した場合と比較してもポンプ室13の鉛直方向に対するスペースを狭くできる。即ち、機本体11を大型化することなく洗浄室12のスペースを広くできる。
(1)洗浄室12への洗浄水の供給(給水)及び機本体11外への洗浄水の排水を一つのポンプPで行うことができるため、複数のポンプを配置する場合(例えば特許文献1に記載の食器洗い機の場合)と比較して機本体11内におけるポンプ室13のスペースを狭くすることができる。また、前記ポンプPは、洗浄水を貯留する貯留槽23の側方(図1では右側)に配置されているため、当該ポンプPを貯留槽23の下側に配置した場合と比較してもポンプ室13の鉛直方向に対するスペースを狭くできる。即ち、機本体11を大型化することなく洗浄室12のスペースを広くできる。
また、ポンプPは、貯留槽23から吸水管路24を介して洗浄水をモータMのシャフト31の軸線Sが延びる鉛直方向(即ち、羽根部材であるインペラ34の回転軸線が延びる方向)と直交する水平方向から吸水することになる。そのため、インペラ(羽根部材)34が洗浄水と共に空気を巻き込むことを抑制でき、本来の食器洗い機10の洗浄効率を良好に発揮できる。
(2)モータMの回転子であるインペラ(羽根部材)34は、正逆両方向への回転可能な態様となっており、その回転方向が切換え制御されるようになっている。そのため、吸水部44を介してポンプハウジング26内に吸水された洗浄水は、インペラ34が正方向へ回転した場合には、給水部45から洗浄管路19を介して洗浄室12側に供給される。その一方で、インペラ34が逆方向へ回転した場合には、排水部46から排水管路25を介して機本体11外に排水される。つまり、切換えバルブ等をポンプ室13内に配設しなくてもモータM(インペラ34)の回転方向を切換えるだけで洗浄行程及び排水行程を夫々確実に実行できる。従って、切換バルブ等を配設することによる部品点数の増加に伴う構成の複雑化を良好に回避できる。
(3)また、モータMの回転子であるインペラ34に羽根部41を一体形成することで羽根部材が構成されているため、モータMの回転駆動力を確実に羽根部材であるインペラ34に伝達できる。また、羽根部材を別途設けることによるポンプPの構成の複雑化を回避できる。
(4)インペラ(羽根部材)34は、羽根部41が形成された側が下方となる状態でポンプハウジング26内に配置されるため、貯留槽23から吸水管路24を介してポンプハウジング26内に吸水された洗浄水の吸水量が少なくても、洗浄室12側に洗浄水を確実に供給できる。つまり、この食器洗い機10は、使用する洗浄水の量を従来の食器洗い機(例えば特許文献1に記載の食器洗い機)の場合と比較して減らしても従来の食器洗い機と同等の性能を発揮できる。
(5)洗浄時には、インペラ(羽根部材)34の正方向への回転に基づき吸水部44から給水部45側へと導水ガイドされた洗浄水が更に排水部46側へ導水ガイドされることを導水規制部47が確実に規制する。そのため、洗浄行程の実行中にポンプP内の洗浄水が排水部46側から吐水されることはない、即ち、確実に前記洗浄水を洗浄室12側に供給できる。また、排水時には、インペラ(羽根部材)34の逆方向への回転に基づき吸水部44から排水部46側へと導水ガイドされた洗浄水が更に給水部45側へ導水ガイドされることを導水規制部47が確実に規制する。そのため、排水行程の実行中にポンプP内の洗浄水が給水部45側から吐水されることはない、即ち、確実に洗浄水を機本体11外に排水できる。
(6)ポンプハウジング26の底面略中央位置には、隆起部(導水ガイド補助部)48が形成されているため、当該隆起部48とインペラ(羽根部材)34の羽根部41(輪部41a)との間の狭い隙間からインペラ34の中心付近に洗浄水が流入するのを抑制できる。従って、吸水部44からポンプハウジング26内に吸水された洗浄水をインペラ34(羽根部41)の回転に基づき周壁部26aに沿って効率良く給水部45側又は排水部46側へと導水ガイドしてポンプP外に吐水できる。つまり、食器洗い機10の洗浄効率及び排水効率を向上させることができる。
なお、本実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・前記実施形態において、隆起部(導水ガイド補助部)48は、インペラ34における回転中心付近への洗浄水の流入を抑制できる構成であれば、例えば略円筒形状をなすブロック等の任意の形状をなすものであってもよい。また、この隆起部(導水ガイド補助部)48は、必ずしもポンプハウジング26の底面に設けなくてもよい。
・前記実施形態において、隆起部(導水ガイド補助部)48は、インペラ34における回転中心付近への洗浄水の流入を抑制できる構成であれば、例えば略円筒形状をなすブロック等の任意の形状をなすものであってもよい。また、この隆起部(導水ガイド補助部)48は、必ずしもポンプハウジング26の底面に設けなくてもよい。
・前記実施形態において、導水規制部47は、給水部45と排水部46との間での洗浄水の流動抑制を図れるものならば、前記実施形態に示すような周壁部26aの壁厚を厚くする他に、周壁部26aの内面にブロック体を取着する構成であってもよい。また、この導水規制部47は、必ずしもポンプハウジング26の周壁部26aの内周面側に設けなくてもよい。
・前記実施形態において、ポンプPは、羽根部材であるインペラ34の回転軸線が鉛直方向に延びた状態であれば、インペラ34を羽根部41が形成された側を上側に向けた状態で配設された構成であってもよい。
・前記実施形態において、インペラ34の羽根部41は、ポンプハウジング26内の洗浄水をインペラ34の回転に基づき吸水部44側から給水部45側や排水部46側に導水ガイドできれば、輪部41aを省略した各平板部41bのみからなる構成であってもよい。また、羽根部41の各平板部41bは、任意枚数(例えば10枚等)の平板部41bから形成されるようにしてもよい。
・前記実施形態において、羽根部(羽根部41)は、回転子であるインペラ34と一体形成でなくてもよい。つまり、羽根部が形成された羽根部材を別途設けて、当該羽根部材には、モータMの回転子の回転駆動力を例えばギヤ等を介して伝達するようにしてもよい。
・前記実施形態において、インペラ(羽根部材)34が正方向へ回転した場合、ポンプP内の洗浄水を排水部46側に吐水し、インペラ34が逆方向へ回転した場合、前記洗浄水を給水部45側に吐水するようにしてもよい。
・前記実施形態において、正方向回転用の羽根部材と逆方向回転用の羽根部材とを別々に設けてもよい。そして、モータの回転子(インペラ34)が正方向へ回転する際には、正方向回転用の羽根部材のみが回転(正回転)する一方で、前記回転子が逆方向へ回転する際には、逆方向回転用の羽根部材のみが回転(逆回転)するようにしてもよい。この際、正回転用の羽根部材が回転すると、洗浄室12側にポンプP内の洗浄水が供給される一方で、逆回転用の羽根部材が回転すると、機本体11外に前記洗浄水が排水されるようになる。
・前記実施形態において、インペラ34を一方向のみ回転可能な態様として、例えば切換えバルブ等の切換えに基づき、ポンプP内の洗浄水を洗浄室12側に供給するか又は機本体11外に排水するかを選択切換えするようにしてもよい。
・前記実施形態において、モータMは、羽根部材に回転駆動力を伝達できるモータであれば、例えばACモータ等の任意のモータに変更してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記ポンプハウジングには、洗浄水が吸水部側から給水部側又は排水部側へと導水ガイドされた場合において、当該洗浄水が給水部と排水部との間で流動することを規制するための導水規制部が形成されている請求項2〜請求項4のうち何れか一項に記載の食器洗い機。
(ロ)前記ポンプハウジングには、前記羽根部材の回転中心付近への洗浄水の流入を抑制することにより、ポンプハウジング内から洗浄室内又は機本体外へと導かれる洗浄水の導水ガイド機能を補助するための導水ガイド補助部が形成されている請求項1〜請求項4、前記技術的思想イのうち何れか一項に記載の食器洗い機。
10…食器洗い機、11…機本体、12…洗浄室、13…ポンプ室、23…貯留槽、26…ポンプハウジング、34…インペラ(羽根部材、回転子)、41…羽根部、44…吸水部、45…給水部、46…排水部、47…導水規制部、48…隆起部(導水ガイド補助部)、D…食器、M…モータ、P…ポンプ、S…軸線。
Claims (4)
- 機本体内に、食器の洗浄室とポンプ室とをポンプ室が洗浄室の下側となるように区画形成し、前記ポンプ室内には、前記洗浄室からポンプ室側へ流下する洗浄水を貯留するための貯留槽を設けると共に、当該貯留槽の側方に、羽根部材が鉛直方向に沿う軸線周りで回転する構成とされたポンプを配置し、当該ポンプを、モータの回転駆動に基づき前記羽根部材が回転することにより、前記貯留槽に貯留されている洗浄水をポンプハウジング内へ前記軸線と直交する水平方向から吸水した後、ポンプハウジング内から前記洗浄室内又は機本体外に吐水するように構成した食器洗い機。
- 前記ポンプハウジングには、前記貯留槽から洗浄水を吸水するための吸水部と、前記洗浄室内に洗浄水を供給するための給水部と、前記機本体外に洗浄水を排水するための排水部とが設けられており、前記羽根部材は、前記軸線周りを正逆両方向へ回転可能とされ、正逆両方向のうち何れか一方の方向に回転した場合には洗浄水を前記吸水部から給水部側にガイドする一方、他方の方向に回転した場合には洗浄水を前記吸水部から排水部側にガイドする請求項1に記載の食器洗い機。
- 前記羽根部材は、前記モータの回転子に羽根部が一体形成された構成とされている請求項1又は請求項2に記載の食器洗い機。
- 前記羽根部材は、前記羽根部が形成された側を下側とするようにして前記ポンプハウジング内に配置されている請求項3に記載の食器洗い機。
Priority Applications (1)
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JP2004051960A JP2005237686A (ja) | 2004-02-26 | 2004-02-26 | 食器洗い機 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110537887A (zh) * | 2019-09-29 | 2019-12-06 | 福建省雅美整体厨卫有限公司 | 一种磁性涡流洗碗机 |
-
2004
- 2004-02-26 JP JP2004051960A patent/JP2005237686A/ja active Pending
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