JP2005236884A - ダイバーシチアンテナ装置およびそれを備えた無線通信機 - Google Patents

ダイバーシチアンテナ装置およびそれを備えた無線通信機 Download PDF

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Abstract

【課題】 2つのアンテナ間のアイソレーション特性を良好にする。
【解決手段】 スイッチ回路6の切り換え動作によって、外部の高周波回路10が信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdに接続しているときと、高周波回路10が信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcに接続しているときとで、アンテナ2,3の電波合成による指向性が切り換わる構成を備えたダイバーシチアンテナ装置1において、スイッチ回路6と切り換え側接続部Xdとの間、および、スイッチ回路6と切り換え側接続部Xcとの間に、それぞれ、インピーダンス調整部5を設ける。インピーダンス調整部5は、信号位相調整回路4から当該インピーダンス調整部5を通してスイッチ回路6の開放状態の端子(Ka,Kb)側を見たときにスイッチ回路6側を信号無反射の終端とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アンテナ指向性を切り換えることができるダイバーシチアンテナ装置およびそれを備えた無線通信機に関するものである。
図13(a)にはダイバーシチアンテナ装置の一例が斜視図により示されている(例えば特許文献1参照)。このダイバーシチアンテナ装置30では、ハイブリッド基板31の表面側に2つのモノポールアンテナ32,33が、通信に使用する電波の波長λの3/4の間隔をもって配設されている。また、ハイブリッド基板31の裏面側には、図13(b)に示すような信号線路34(34a,34b,34c,34d,34e)とスイッチ回路35が形成されている。スイッチ回路35には給電ケーブル36が接続されている。
信号線路34aは矩形の90°ハイブリッド線路である。信号線路34bはその矩形の90°ハイブリッド線路34aの角部(アンテナ接続部)bと、モノポールアンテナ32の給電部32aとを接続する線路であり、信号線路34cは、90°ハイブリッド線路34aの角部(アンテナ接続部)cと、モノポールアンテナ33の給電部33aとを接続する線路である。信号線路34d,34eは90°ハイブリッド線路34aの互いに異なる角部(切り換え側接続部)d,eにそれぞれ接続して、90°ハイブリッド線路34aとスイッチ回路35を接続している。
スイッチ回路35は、信号線路34d,34e(90°ハイブリッド線路34aの切り換え側接続部d,e)の何れか一方を給電ケーブル36に選択的に切り換え接続させる構成を有する。このスイッチ回路35の切り換え動作は例えば無線通信機の制御装置により制御される。
このダイバーシチアンテナ装置30では、給電ケーブル36からスイッチ回路35と信号線路34を介して各モノポールアンテナ32,33にそれぞれ至る信号経路が、スイッチ回路35の切り換え動作によって、切り換わる。この信号経路の切り換えによってモノポールアンテナ32,33から放射される電波の位相がそれぞれ変化する。このダイバーシチアンテナ装置30では、モノポールアンテナ32,33から放射された電波が合成され合成後の電波によって無線通信を行うものであり、スイッチ回路35の切り換え動作によって、モノポールアンテナ32,33からそれぞれ放射される電波の位相差が切り換わって、モノポールアンテナ32,33の合成電波の指向性(つまり、アンテナ利得が良い方向)が切り換わる。
特開平10−112677号公報 特開平11−284425号公報
ダイバーシチアンテナ装置30の構成では、次に示すような問題が発生することが懸念される。例えば、スイッチ回路35が、給電ケーブル36と、90°ハイブリッド線路34aの切り換え側接続部dとを切り換え接続しているときには、90°ハイブリッド線路34aの切り換え側接続部eが信号線路34eを介して接続しているスイッチ回路35の端子は、電気的にオープン(開放状態)となる。この部分で、例えば、モノポールアンテナ32の受信信号が反射してモノポールアンテナ33に至ったり、モノポールアンテナ33の受信信号が反射してモノポールアンテナ32に至るという現象が発生する。また、スイッチ回路35によって、給電ケーブル36と、90°ハイブリッド線路34aの切り換え側接続部eとが接続されているときには、90°ハイブリッド線路34aの切り換え側接続部dが信号線路34dを介して接続しているスイッチ回路35の端子は、電気的にオープン(開放状態)となり、そのオープンの部分で、上記同様の信号の反射が生じる。
モノポールアンテナ32,33を同時に動作させ各モノポールアンテナ32,33からそれぞれ放射される電波を合成し合成後の電波によって無線通信を行う場合には、モノポールアンテナ32,33間のアイソレーション特性が良好であることが望まれる。しかしながら、スイッチ回路35のオープン部分で上記のような信号の反射が生じると、モノポールアンテナ32,33は相互に干渉し合う状態となって、モノポールアンテナ32,33間のアイソレーション特性が劣化する。これにより、例えば、ダイバーシチアンテナ装置30のアンテナ利得が低下して良好な無線通信を行うことができなくなるという問題が生じることが考えられる。
上記のような信号反射を抑制できる構成を持つ信号無反射タイプのスイッチ回路(スイッチ素子)が提案されているので、スイッチ回路での信号反射に起因したモノポールアンテナ32,33間のアイソレーション特性の劣化を防止するために、信号無反射タイプのスイッチ回路(スイッチ素子)をスイッチ回路35として設けることが考えられる。しかしながら、信号無反射タイプのスイッチ回路(スイッチ素子)は、その構成が非常に複雑で高価であるため、ダイバーシチアンテナ装置30の低コスト化を図ることができないという問題が発生する。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、信号反射に起因した2つのアンテナ間のアイソレーション特性の劣化を防止することができ、また、低仰角方向でのアンテナ利得の向上が容易なダイバーシチアンテナ装置およびそれを備えた無線通信機を提供することにある。
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明のダイバーシチアンテナ装置は、間隔を介して配置される第1と第2の2つのアンテナと、それら2つのアンテナがそれぞれ個別に接続するアンテナ接続部を備えると共に第1と第2の2つの切り換え側接続部を備えた信号位相調整回路と、この信号位相調整回路の第1の切り換え側接続部と第2の切り換え側接続部とのうちの一方を外部の高周波回路に選択的に切り換え接続させるスイッチ回路とを有し、信号位相調整回路は、スイッチ回路の切り換え動作に応じて第1の切り換え側接続部と第2の切り換え側接続部とのうちの何れか一方側から入力した外部の高周波回路からの信号を第1と第2の各アンテナにそれぞれ分配供給すると共に、それら第1のアンテナへの信号と第2のアンテナへの信号との間に位相差を持たせる回路構成を備え、また、信号位相調整回路は、スイッチ回路の切り換え動作に応じて、第1のアンテナへの信号と第2のアンテナへの信号との間の位相差を切り換える構成を備えており、第1と第2の各アンテナからそれぞれ外部に放射された電波の合成状態が、スイッチ回路の切り換え動作により切り換わって合成後の電波の指向性が切り換わるダイバーシチアンテナ装置であって、信号位相調整回路の第1の切り換え側接続部とスイッチ回路との間に接続されるインピーダンス調整部と、信号位相調整回路の第2の切り換え側接続部とスイッチ回路との間に接続されるインピーダンス調整部とが設けられており、それらインピーダンス調整部は、それぞれ、当該インピーダンス調整部が接続している信号位相調整回路の切り換え側接続部がスイッチ回路の切り換え動作によって外部の高周波回路から切り離されているときに、その切り換え側接続部から当該インピーダンス調整部を介してスイッチ回路側を見たときにスイッチ回路側が信号無反射の終端となるためのインピーダンスを持っていることを特徴としている。また、この発明の無線通信機は、この発明において特有な構成を持つダイバーシチアンテナ装置が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、第1と第2の2つのアンテナを有し、これら2つのアンテナにはそれぞれ位相の異なる信号が供給され、これにより、各アンテナからそれぞれ外部に位相の異なる電波が放射され、これら位相の異なる電波の合成により無線通信が行われる構成を備えた。このように、位相の異なる電波を合成し当該合成後の電波によって無線通信を行う構成とすることにより、アンテナが1つだけである場合に比べて、低仰角方向のアンテナ利得を向上させることができる。
また、この発明では、信号位相調整回路が設けられ、この信号位相調整回路によって、第1と第2の各アンテナにそれぞれ供給する信号間に位相差を与えると共に、スイッチ回路の切り換え動作に応じて、第1と第2の各アンテナにそれぞれ供給する信号間の位相差を切り換えて、合成後の電波の指向性を切り換える構成とした。この構成により、ダイバーシチアンテナ装置の指向性を、無線通信が良好となる方向に切り換えることができて、ダイバーシチアンテナ装置およびこのダイバーシチアンテナ装置を備えた無線通信機の無線通信に対する信頼性を向上させることができる。
さらに、スイッチ回路の切り換え動作によって、信号位相調整回路の第1と第2の2つの切り換え側接続部のうちの何れか一方側が選択的に外部の高周波回路から切り離される構成を備えている場合に、信号位相調整回路の第1の切り換え側接続部とスイッチ回路との間、および、信号位相調整回路の第2の切り換え側接続部とスイッチ回路との間には、それぞれ、インピーダンス調整部が接続され、スイッチ回路の切り換え動作によって外部の高周波回路から切り離されている信号位相調整回路の切り換え側接続部からインピーダンス調整部を介してスイッチ回路側を見たときに、インピーダンス調整部によって、外部の高周波回路から切り離されている信号位相調整回路の切り換え側接続部から見たスイッチ回路側を信号無反射の終端とすることができる構成を備えることにより、スイッチ回路側での信号反射を抑制することができる。これにより、信号反射に起因した第1のアンテナと第2のアンテナ間のアイソレーション特性の劣化を防止することができる。このため、第1のアンテナと第2のアンテナからそれぞれ放射された電波は、アンテナ利得を向上させることができる良好な合成状態を作り出すことができて、感度の良い無線通信を行うことができる。
さらに、ダイバーシチアンテナ装置が送信回路側の外部接続部と受信回路側の外部接続部を備え、また、スイッチ回路がDPDTスイッチにより構成され、このDPDTスイッチは、送信回路側の外部接続部と信号位相調整回路の第1の切り換え側接続部とを接続させると共に受信回路側の外部接続部と信号位相調整回路の第2の切り換え側接続部とを接続させる状態と、送信回路側の外部接続部と信号位相調整回路の第2の切り換え側接続部とを接続させると共に受信回路側の外部接続部と信号位相調整回路の第1の切り換え側接続部とを接続させる状態とのうちの何れか一方の状態を選択的に切り換えて作り出すための構成を有している場合には、スイッチ回路と送信回路側の外部接続部との間、および、スイッチ回路と受信回路側の外部接続部との間に、それぞれ、インピーダンス調整部を設けてもよい。上記のようなDPDTスイッチが設けられる場合には、送信回路側の外部接続部や受信回路側の外部接続部での信号反射が懸念されるが、この発明において特有なインピーダンス調整部を設けることによって、信号の受信期間中には、スイッチ回路からインピーダンス調整部を介して送信回路側の外部接続部側を見たときにその送信回路側の外部接続部側は信号無反射の終端となり、また、信号の送信期間中には、スイッチ回路からインピーダンス調整部を介して受信回路側の外部接続部側を見たときにその受信回路側の外部接続部側は信号無反射の終端となるので、送信回路側の外部接続部や受信回路側の外部接続部での信号反射を防止することができる。これにより、信号反射に起因した第1と第2のアンテナ間のアイソレーション特性の劣化を抑制することができる。
さらに、インピーダンス調整部が、信号通路用線路を有すると共に、抵抗体とダイオードの直列接続回路を備えたインピーダンス可変部を有している場合には、簡単な回路構成でもって、信号無反射の終端を作り出すことができる。つまり、信号通路用線路が信号の導通しないオフ状態であるときに信号通路用線路の信号位相調整回路側の端部から信号通路用線路の他端部側を見たときに当該他端部がオープンに見える線路長を有することができる場合には、信号通路用線路が信号の導通しないオフ状態であるときに、ダイオードのオン動作と抵抗体の抵抗値を利用して、インピーダンス可変部に、信号位相調整回路に整合するインピーダンスを持たせることにより、信号位相調整回路側からインピーダンス調整部を介して外部接続部側を見たときに、その外部接続部側を信号無反射の終端とすることができる。
また、例えば、装置の小型化等に起因した信号通路用線路の長さの制約等の理由のために、信号通路用線路が信号の導通しないオフ状態であるときに信号通路用線路の信号位相調整回路側の端部から信号通路用線路の他端部側を見たときに当該他端部側がオープンに見えない場合がある。このような場合には、インピーダンス可変部のアドミッタンスのサセプタンス成分は、当該インピーダンス可変部が接続している信号通路用線路の信号位相調整回路側の端部から当該信号通路用線路の他端部側を見たときのアドミッタンスのサセプタンス成分の正負の符号を逆にした値とし、インピーダンス可変部のアドミッタンスのコンダクタンス成分は、当該インピーダンス可変部が接続している信号通路用線路の信号位相調整回路側の端部から当該信号通路用線路の他端部側を見たときのアドミッタンスのコンダクタンス成分を、信号位相調整回路に整合するアドミッタンスから差し引いた値とする。これにより、インピーダンス調整部により、信号無反射の終端を作り出すことができる。
ところで、インピーダンス可変部が、抵抗体とダイオードの直列接続回路を備え、そのダイオードをオン動作させることにより、抵抗体を利用して、信号無反射の終端を作り出すことができる構成とした場合には、インピーダンス可変部が接続している信号通路用線路が信号導通のオン状態となったときに、ダイオードが引き続きオン状態であると、信号通路用線路を導通する信号の一部がインピーダンス可変部の抵抗体に通電して信号損失を生じさせてしまう。このため、インピーダンス可変部が接続している信号通路用線路が信号導通のオン状態となったときにダイオードがオフ状態に制御される構成とすることにより、信号通路用線路が信号導通のオン状態のときに、インピーダンス可変部が高インピーダンスを持つ状態とし、これにより、信号通路用線路を通電している信号の一部がインピーダンス可変部へ流れ込むことを防止することができて、信号損失の増加を抑制することができる。
ただ、信号通路用線路を導通する信号は無線通信用の高周波を持つ信号であることから、ダイオードをオフ状態に制御して信号通路用線路を導通している信号の一部が信号通路用線路からインピーダンス可変部へ流れ込むことを防止しようとしても、ダイオードの寄生容量を通って高周波の信号がインピーダンス可変部に通電してしまって、信号通路用線路を流れる信号の損失を抑制することが難しい場合がある。この場合には、例えば、ダイオードがオフ状態に制御されているときにダイオードの寄生容量あるいは寄生インダクタンスを利用してLC共振を行わせるための回路をダイオードに並列接続する構成とする。これにより、ダイオードがオフ状態に制御されているときには、その回路と、ダイオードの寄生容量あるいは寄生インダクタンスとのLC共振によって、インピーダンス可変部は高インピーダンスを持つことができる。このため、信号通路用線路が信号導通のオン状態であるときに、信号通路用線路からインピーダンス可変部への高周波信号の流れを阻止することができて、信号通路用線路を流れている高周波の信号の損失を小さく抑制することができる。
第1のアンテナと第2のアンテナとの間の間隔が、無線通信用の電波波長の1/4以上、かつ、無線通信用の電波波長の1/3以下の範囲内の間隔である構成とすることによって、第1のアンテナから放射される電波と、第2のアンテナから放射される電波とを合成したときに、アンテナを1つだけ利用して無線通信を行う場合に比べて、アンテナ利得の向上を図ることが容易となる。
さらに、この発明の無線通信機にあっては、この発明において特有な構成を持つダイバーシチアンテナ装置が設けられているので、低仰角方向の無線通信を良好に行うことができ、また、通信感度が良好で無線通信の信頼性を高めることができる。
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
図1には無線通信機に設けられるダイバーシチアンテナ装置の第1実施形態例の主要な回路構成部分が実線により示されている。この第1実施形態例のダイバーシチアンテナ装置1は、第1のアンテナ2と、第2のアンテナ3と、信号位相調整回路4と、インピーダンス調整部5(5A,5B)と、スイッチ回路6とを有して構成されている。
第1と第2の各アンテナ2,3は、それぞれ、モノポールアンテナであり、互いに間隔を介し垂直偏波の電波を通信することができるように例えば基板に設置されている。第1実施形態例では、それら各アンテナ2,3からそれぞれ放射される電波を合成し当該合成後の電波によって信号の送信を行い、また、第1のアンテナ2の受信信号と、第2のアンテナ3の受信信号とを合成し合成後の受信信号を利用するという如く、第1と第2のアンテナ2,3を同時に動作させて無線通信を行う構成である。この第1実施形態例では、第1と第2の各アンテナ2,3間の間隔は、無線通信に使用する電波波長λの1/4以上、かつ、電波波長λの1/3以下の範囲内の間隔と成しており、アンテナが設置されている例えば基板の形状等を考慮して、第1と第2の各アンテナ2,3間の間隔は、そのλ/4〜λ/3の範囲内において、第1と第2のアンテナ2,3の電波の合成および受信信号の合成により良好な無線通信が得られる適宜な間隔に調整されている。
なお、モノポールアンテナには、例えば、図13に示されるような棒状の導体から成る構造のものや、例えば誘電体基体にモノポールアンテナとして機能する導体が形成されて成る構造のもの等というように、様々な構成があり、ここでは、何れの構成のモノポールアンテナをも第1のアンテナ2や第2のアンテナ3として設けてよく、第1と第2の各アンテナ2,3は、モノポールアンテナであれば、その構成は特に限定されるものではない。
第1実施形態例では、信号位相調整回路4は90°ハイブリッド回路により構成されている。90°ハイブリッド回路は、4つの信号線路8(8a,8b,8c,8d)が閉ループを形成するように接続されている構成を備え、当該90°ハイブリッド回路(信号位相調整回路4)は、ダイバーシチアンテナ装置1の回路に対して予め設定された特性インピーダンスS(例えば50Ω)でもって整合するように構成されている。
90°ハイブリッド回路を構成する各信号線路8a〜8dは、それぞれ、電気的な長さ(電気長)が無線通信用の電波波長λの1/4となっている線路である。信号線路8a〜8dの4つの接続部Xa〜Xdのうちの一つ(図1の例では接続部Xa)は第1のアンテナ2が接続されるアンテナ接続部と成し、その隣の接続部Xbは第2のアンテナ3が接続されるアンテナ接続部と成し、残りの接続部Xc,Xdのうちの一方側Xdが第1の切り換え側接続部と成し、他方側Xcが第2の切り換え側接続部と成している。
信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdは、インピーダンス調整部5Aを介してスイッチ回路6の端子Kaに接続され、また、信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcは、インピーダンス調整部5Bを介してスイッチ回路6の端子Kbに接続されている。スイッチ回路6は、外部接続部Pを介して無線通信機の高周波回路10に接続される構成と成している。第1実施形態例では、スイッチ回路6は、SPDT(Single-Pole-Double-Throw)スイッチにより構成されており、当該スイッチ回路6は、信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdと第2の切り換え側接続部Xcとのうちの何れか一方側を選択的に外部の高周波回路10に切り換え接続させる構成となっている。
なお、高周波回路10は、送信回路11と、受信回路12とを有して構成されており、ダイバーシチアンテナ装置1の外部接続部Pと、高周波回路10との間の信号導通経路上には、スイッチ回路13が介設されている。スイッチ回路13はSPDTスイッチにより構成されており、当該スイッチ回路13は、送信回路11と受信回路12とのうちの一方側を選択的にダイバーシチアンテナ装置1のスイッチ回路6に切り換え接続させる構成となっている。
スイッチ回路6,13のそれぞれの切り換え動作は、無線通信機の制御装置15によって制御される構成と成している。例えば、制御装置15の制御動作によるスイッチ回路13の切り換え動作によって、高周波回路10の送信回路11がダイバーシチアンテナ装置1に接続され、また、スイッチ回路6の切り換え動作によって、その送信回路11が信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdに接続されているときには、送信回路11からの送信用の信号は、スイッチ回路13,6と、インピーダンス調整部5Aとを順に通って信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdに供給される。
信号位相調整回路(90°ハイブリッド回路)4は、その第1の切り換え側接続部Xdに供給された送信用の信号を、信号線路8a〜8dによって、第1と第2の各アンテナ2,3に分配供給する。この信号位相調整回路4によって、第1の切り換え側接続部Xdから第2のアンテナ3に至るまでの信号の導通経路の電気的な長さは、第1の切り換え側接続部Xdから第1のアンテナ2に至るまでの信号の導通経路の電気的な長さよりもλ/4だけ長くなることから、第1のアンテナ2に供給される送信用の信号の位相に対して、第2のアンテナ3に供給される送信用の信号の位相は90°遅れた状態となる。
信号位相調整回路4からの送信用の信号の供給によって、第1のアンテナ2から電波が放射されると共に、第2のアンテナ3からは、その第1のアンテナ2から放射された電波よりも90°位相が遅れた電波が放射され、それら第1と第2の各アンテナ2,3からそれぞれ放射された電波が合成される。この合成後の電波によって送信用の信号の無線通信が行われる。その合成後の電波によって、ダイバーシチアンテナ装置1は、図2のグラフの点線Aに示されるような指向性を持つことができる。なお、図2は、ダイバーシチアンテナ装置1のアンテナ利得特性の一例を表したグラフである。このグラフのアンテナ利得特性は、第1と第2の各アンテナ2,3が設けられている例えば基板の上方側からアンテナ2,3を見下ろしたときのダイバーシチアンテナ装置1のアンテナ利得特性であり、シミュレーションにより得られたものである。
上記のように、第1実施形態例では、ダイバーシチアンテナ装置1は、第1の切り換え側接続部Xdから信号位相調整回路4内に送信用の信号が供給される場合には、図2の270°方向に強い指向性を持つことができる。図2の点線Aのアンテナ利得特性と、鎖線Cに示されるアンテナが1つだけである場合のアンテナ利得特性との比較からも分かるように、第1と第2の2つのアンテナ2,3の電波を合成することによって、図2の270°方向のアンテナ利得を、アンテナが1つだけの場合よりも向上させることができる。
制御装置15の制御動作によるスイッチ回路6,13の切り換え動作によって、送信回路11がスイッチ回路13,6とインピーダンス調整部5Bを介して信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcに接続されている場合には、送信回路11からの送信用の信号は、スイッチ回路13,6と、インピーダンス調整部5Bとを順に通って信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcに供給される。
信号位相調整回路(90°ハイブリッド回路)4は、その第2の切り換え側接続部Xcに供給された送信用の信号を、信号線路8a〜8dによって、第1と第2の各アンテナ2,3に分配供給する。この信号位相調整回路4によって、第2の切り換え側接続部Xcから第1のアンテナ2に至るまでの信号の導通経路の電気的な長さは、第2の切り換え側接続部Xcから第2のアンテナ3に至るまでの信号の導通経路の電気的な長さよりもλ/4だけ長くなることから、第2のアンテナ3に供給される送信用の信号の位相に対して、第1のアンテナ2に供給される送信用の信号の位相は90°遅れた状態となる。換言すれば、第1のアンテナ2に供給される送信用の信号の位相に対して、第2のアンテナ3に供給される送信用の信号の位相は90°進んだ状態となる。
このような送信用の信号の供給によって、第1のアンテナ2から電波が放射されると共に、第2のアンテナ3からは、第1のアンテナ2から放射された電波よりも90°位相が進んだ電波が放射され、それら第1と第2の各アンテナ2,3からそれぞれ放射された電波が合成される。この合成後の電波によって送信用の信号の無線通信が行われる。その合成後の電波によって、ダイバーシチアンテナ装置1は、図2のグラフの実線Bに示されるような図2の90°方向に強い指向性を持つことができる。つまり、ダイバーシチアンテナ装置1は、第1のアンテナ2から放射された電波の位相に対して第2のアンテナ3から放射された電波の位相が90°進んでいる場合には、第1のアンテナ2から放射された電波の位相に対して第2のアンテナ3から放射された電波の位相が90°遅れている場合の指向性とは異なる指向性を持つことができる。
制御装置15の制御動作によるスイッチ回路6,13の切り換え動作によって、受信回路12がスイッチ回路13,6とインピーダンス調整部5Aを介して信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdに接続されている場合には、信号位相調整回路4の信号線路8a〜8dによって、第1の切り換え側接続部Xdの位置でもって、第1のアンテナ2の受信信号と、第2のアンテナ3で受信され第1のアンテナ2の受信信号よりも90°位相が遅れた受信信号とが合成され、この合成信号がインピーダンス調整部5Aとスイッチ回路6,13を介して受信回路12に伝搬される。このときのダイバーシチアンテナ装置1は、図2の点線Aに示されるような指向性を持つこととなる。つまり、信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdが受信回路12に接続されているときのダイバーシチアンテナ装置1の指向性は、信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdが送信回路11に接続されているときと同様な指向性となる。すなわち、ダイバーシチアンテナ装置1は、送信時であっても受信時であっても、信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdが高周波回路10に接続されているときには、第1実施形態例では、図2の点線Aに示されるような指向性を持つ。
また、制御装置15の制御動作によるスイッチ回路6,13の切り換え動作によって、受信回路12がスイッチ回路13,6とインピーダンス調整部5Bを介して信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcに接続されている場合には、信号位相調整回路4の信号線路8a〜8dによって、第1の切り換え側接続部Xcの位置でもって、第1のアンテナ2の受信信号と、第2のアンテナ3で受信され第1のアンテナ2の受信信号よりも90°位相が進んだ受信信号とが合成され、この合成信号がインピーダンス調整部5Bとスイッチ回路6,13を介して受信回路12に伝搬される。このときのダイバーシチアンテナ装置1は、図2の実線Bに示されるような指向性を持つこととなる。つまり、信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcが受信回路12に接続されているときのダイバーシチアンテナ装置1の指向性は、信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcが送信回路11に接続されているときと同様な指向性となる。すなわち、ダイバーシチアンテナ装置1は、送信時であっても受信時であっても、信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcが高周波回路10に接続されているときには、第1実施形態例では、図2の実線Bに示されるような指向性を持つ。
この第1実施形態例では、信号反射に起因した第1と第2の各アンテナ2,3間のアイソレーション特性の劣化を防止して、第1と第2の各アンテナ2,3の電波合成により良好な無線通信を行わせるべく、以下に述べるようなインピーダンス調整部5(5A,5B)を有している。
インピーダンス調整部5Aは、信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdとスイッチ回路6の端子Kaとの間に接続されている。このインピーダンス調整部5Aは、当該インピーダンス調整部5Aが接続している信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdがスイッチ回路6の切り換え動作によって高周波回路10から切り離されているときに(換言すれば、スイッチ回路6の端子Kaが開放状態であるときに)、第1の切り換え側接続部Xdからインピーダンス調整部5Aを介してスイッチ回路6側を見たときにスイッチ回路6側(スイッチ回路6の端子Ka側)が信号無反射の終端となるためのインピーダンスを持つ構成と成しており、この第1実施形態例では、インピーダンス調整部5Aは、信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdとスイッチ回路6との間に信号を導通させるための信号通路用線路17(17A)と、インピーダンス可変部18(18A)とを有して構成されている。
インピーダンス調整部5Bは、信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcとスイッチ回路6の端子Kbとの間に接続されている。このインピーダンス調整部5Bは、当該インピーダンス調整部5Bが接続している信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcがスイッチ回路6の切り換え動作によって高周波回路10から切り離されているときに(換言すれば、スイッチ回路6の端子Kbが開放状態であるときに)、第2の切り換え側接続部Xcからインピーダンス調整部5Bを介してスイッチ回路6側を見たときにスイッチ回路6側(スイッチ回路6の端子Kb側)が信号無反射の終端となるためのインピーダンスを持つ構成と成しており、この第1実施形態例では、インピーダンス調整部5Bは、信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcとスイッチ回路6との間に信号を導通させるための信号通路用線路17(17B)と、インピーダンス可変部18(18B)とを有して構成されている。
インピーダンス調整部5(5A,5B)のインピーダンス可変部18(18A,18B)は、信号位相調整回路4の切り換え側接続部Xc,Xdと、グランドとの間に、信号位相調整回路4に整合するインピーダンス(特性インピーダンスS)を持つことができる回路構成を備えている。図4(a)には、インピーダンス可変部18(18A,18B)の具体的な一回路構成例が示されている。この図4(a)のインピーダンス可変部18は、抵抗体20と、ダイオード21と、インダクタ22と、ダイオード21に並列接続されている共振用回路23とを有して構成されている。
このインピーダンス可変部18(18A,18B)において、抵抗体20とダイオード21は直列に接続され、この抵抗体20とダイオード21の直列接続回路の抵抗体側の端部Hは、信号位相調整回路4の切り換え側接続部Xc,Xdに接続され、抵抗体20とダイオード21の直列接続回路のダイオード側の端部はグランドに接地されている。また、抵抗体20とダイオード21の接続部にはインダクタ22の一端側が接続され、インダクタ22の他端側は制御端子Mに接続され、制御端子Mは無線通信機の制御装置15に接続されている。例えば、制御装置15から予め定められたハイレベル(Hレベル)の電圧(例えば0.7V)が印加されることにより、ダイオード21はオン状態となる。また、制御装置15から予め定められたローレベル(Lレベル)の電圧(例えば0V)が印加されることにより、ダイオード21はオフ状態となる。なお、インダクタ22は、制御装置15側への高周波信号の流れを遮断するためのものである。
図5にはダイオード21の等価回路図が示されている。図5中の符号Rsは直列抵抗成分を示し、符号Cjは接合容量成分を示し、符号Rjは接合抵抗成分を示し、符号Lpはダイオードリード端子のインダクタンス成分を示し、符号Cpはダイオードのパッケージの端子間容量成分を示している。また、接合抵抗成分Rjは、Rj=n・k・T/q・(Is+I)で表すことができる。なお、その数式中のnはエミッション係数であり、kはボルツマン係数であり、Tは温度であり、qは接合抵抗成分Rjを流れる電子の電荷量であり、Isは飽和電流であり、Iは順方向電流である。
制御装置15からインピーダンス可変部18の制御端子MにHレベルの電圧が印加されているときには、ダイオード21の接合抵抗成分Rjは、抵抗体20の抵抗値に比べて、非常に小さくなる。また、ダイオード21の直列抵抗成分Rsは無視できる程に非常に小さいことから、インピーダンス可変部18の制御端子MにHレベルの電圧が印加されているときには、前述したようにダイオード21はオン状態となる。
例えば、オン状態のダイオード21の等価回路が、図6(a)に示されるようなダイオードリード端子のインダクタンス成分Lpと、ダイオードのパッケージの端子間容量成分Cpとの並列回路となり、かつ、ダイオード21がオフ状態であるときに後述する共振用回路23とダイオード21とが共振状態となる構成である場合には、ダイオード21と共振用回路23を合わせた回路部分βはインダクタとして見なすことができる状態となる。
例えば、そのインダクタと見なされる回路部分βのインダクタンス成分Lhを無視できる程度に非常に小さくできるダイオードをダイオード21として用いる。この場合には、回路部分βのインダクタンス成分Lhが無視できる程度に非常に小さくなるので、ダイオード21がオン状態であるときにインピーダンス可変部18全体で持つインピーダンスは抵抗体20の抵抗値が主に関与して決定されることとなる。このため、インピーダンス可変部18が、信号位相調整回路4に整合するインピーダンス(特性インピーダンスS)を持つために、ここでは、抵抗体20として、信号位相調整回路4に整合するインピーダンス(特性インピーダンスS(例えば50Ω))を持つ抵抗体が設けられている。
ところで、仮に、信号位相調整回路4の切り換え側接続部Xc,Xdが、インピーダンス可変部18(18A,18B)だけに接続されていると仮定した場合には、図4(a)のインピーダンス可変部18のダイオード21をオン状態とすることにより、信号位相調整回路4に整合するインピーダンス(例えば50Ω)を持つ抵抗体20によって、インピーダンス可変部18は信号位相調整回路4に整合して、信号位相調整回路4は信号無反射の状態で終端させることができる。これに対して、実際には、信号位相調整回路4とインピーダンス可変部18との接続部Hには、スイッチ回路6が接続されている。その接続部Hからスイッチ回路6側を見たときのインピーダンスによっては、インピーダンス可変部18の抵抗体20が設けられていても、信号位相調整回路4を信号無反射の状態で終端させることができない。そこで、この第1実施形態例では、インピーダンス調整部5(5A,5B)は、次に示すような信号通路用線路17(17A,17B)を有している。
つまり、信号通路用線路17(17A,17B)は、無線通信用の周波数(高周波)の信号を導通させるための例えばマイクロストリップ線路等の線路形態を備え、信号位相調整回路4とインピーダンス可変部18との接続部Hと、スイッチ回路6との間に設けられている。また、当該信号通路用線路17(17A,17B)は、ダイバーシチアンテナ装置1の回路に対して予め定められている特性インピーダンスS(例えば50Ω)を持つように、かつ、信号通路用線路17(17A,17B)の信号位相調整回路4側の端部H(信号位相調整回路4とインピーダンス可変部18との接続部)から信号通路用線路17(17A,17B)を通して他端部側(スイッチ回路6側)を見たときにスイッチ回路6側がオープンとなるように、設計されている。つまり、信号通路用線路17(17A,17B)の物理的な長さによって、信号通路用線路17(17A,17B)の信号位相調整回路4側の端部Hから他端部側(スイッチ回路6側)を見たときのインピーダンスが可変するので、信号通路用線路17(17A,17B)の物理的な長さを適宜設定して、信号通路用線路17(17A,17B)の信号位相調整回路4側の端部Hからスイッチ回路6側を見たときにスイッチ回路6側がオープンとなるようにしている。
例えば、図1に示されるB1位置やB2位置からスイッチ回路6側を見たときには(換言すれば信号通路用線路17が設けられていない場合には)、例えば図3のスミスチャートの点Iの状態であるのに対して、信号通路用線路17(17A,17B)を設けることによって、信号通路用線路17(17A,17B)の信号位相調整回路側の端部Hから信号通路用線路17(17A,17B)を通してスイッチ回路6側を見たときには、例えば図3のスミスチャートの点Fの状態とすることができる。つまり、信号位相調整回路4とインピーダンス可変部18との接続部Hから信号通路用線路17(17A,17B)を通してスイッチ回路6側を見たときにスイッチ回路6側をオープンとすることができる。
このように、第1実施形態例では、信号通路用線路17(17A,17B)によって、信号位相調整回路4とインピーダンス可変部18との接続部H(換言すれば信号通路用線路17(17A,17B)の信号位相調整回路4側の端部H)から信号通路用線路17(17A,17B)を通してスイッチ回路6側を見たときにスイッチ回路6側がオープンとなるために、信号位相調整回路4とインピーダンス可変部18との接続部Hからスイッチ回路6側を見たときにスイッチ回路6側は無視できる状態となる。これにより、信号位相調整回路4からスイッチ回路6側を見たときにそのスイッチ回路6側を信号無反射の終端とすることができる。
ところで、スイッチ回路6の切り換え動作によって、信号位相調整回路4とスイッチ回路6との間を信号通路用線路17を介して信号が導通するオン状態であるときにも、等価的に抵抗体20が設けられている状態のままであると、信号位相調整回路4とスイッチ回路6との間を通電する信号の一部が抵抗体20を通って流れ出てしまい、信号損失の原因となる。このため、スイッチ回路6の切り換え動作によって信号通路用線路17が信号導通のオン状態となっているときには、その信号通路用線路17に接続されているインピーダンス可変部18のダイオード21をオフさせて、等価的に、抵抗体20が設けられていない状態とし、信号損失を抑制する。
すなわち、この第1実施形態例では、制御装置15は、スイッチ回路6の切り換え動作を制御して信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdを高周波回路10に接続させているときには、インピーダンス調整部5Aのインピーダンス可変部18AにLレベルの電圧を印加してインピーダンス可変部18Aのダイオード21をオフ状態に制御し、これにより抵抗体20による信号損失の増加を抑制する。また、このとき、制御装置15は、インピーダンス調整部5Bのインピーダンス可変部18BにHレベルの電圧を印加してインピーダンス可変部18Bのダイオード21をオン状態に制御して、信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcからインピーダンス調整部5Bを介してスイッチ回路6側を見たときにスイッチ回路6側を信号無反射の終端とする。
また、制御装置15は、スイッチ回路6の切り換え動作を制御して信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcを高周波回路10に接続させているときには、インピーダンス調整部5Aのインピーダンス可変部18AにHレベルの電圧を印加してインピーダンス可変部18Aのダイオード21をオン状態に制御して、信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdからインピーダンス調整部5Aを介してスイッチ回路6側を見たときにスイッチ回路6側を信号無反射の終端とする。また、制御装置15は、このとき、インピーダンス調整部5Bのインピーダンス可変部18BにLレベルの電圧を印加してインピーダンス可変部18Bのダイオード21をオフ状態に制御して、抵抗体20による信号損失の増加を抑制する。
換言すれば、インピーダンス可変部18のダイオード21は、当該インピーダンス可変部18が接続している信号通路用線路17が信号の導通しないオフ状態であるときには、制御装置15によってオン状態に制御され、これにより、信号位相調整回路4からインピーダンス調整部5を介してスイッチ回路6側を見たときにスイッチ回路6側を信号無反射の終端とする。また、インピーダンス可変部18のダイオード21は、当該インピーダンス可変部18が接続している信号通路用線路17が信号の導通するオン状態であるときには、制御装置15によってオフ状態に制御され、これにより、抵抗体20による信号損失の増加を抑制する。
上記のようなインピーダンス調整部5(5A,5B)を設けることによって、信号損失の増加を招くことなく、信号反射に起因した第1と第2のアンテナ2,3間のアイソレーション特性の劣化を防止することができて、良好な無線通信を得ることができる。このことは、本発明者の実験(シミュレーション)により確認されている。その実験結果が図7、図8に示されている。図7(a)、(b)には、実験により得られた第1のアンテナ2と第2のアンテナ3間のアイソレーション特性が表されている。その実験は、インピーダンス可変部18の有無以外は同じ条件でもって行われており、図7(a)はインピーダンス可変部18が設けられている場合のものであり、図7(b)はインピーダンス可変部18が無い場合のものである。図8(a)、(b)には、実験により得られた第1のアンテナ2と信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdとの間の信号の通過特性が点線Bにより表され、また、第2のアンテナ3と信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdとの間の信号の通過特性が実線Aにより表されており、図8(a)はインピーダンス可変部18が設けられている場合のものであり、図8(b)はインピーダンス可変部18が無い場合のものである。なお、実験では、無線通信用の周波数は約5.1GHzとした。
インピーダンス可変部18(インピーダンス調整部5)が無い場合には、図8(b)に示されるように、第1のアンテナ2と信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdとの間を流される信号量と、第2のアンテナ3と信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdとの間を流れる信号量とが異なっている。また、図7(b)に示されるように、無線通信用の周波数帯で、第1と第2のアンテナ2,3間のアイソレーション特性は減衰せず、第1と第2のアンテナ2,3間のアイソレーションはとれていない。このため、第1と第2の各アンテナ2,3の電波の良好な合成および受信信号の良好な合成が得られないことが、実験結果から分かる。
これに対して、インピーダンス可変部18(インピーダンス調整部5)を設けた場合には、図8(a)に示されるように、第1のアンテナ2と信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdとの間を流される信号量と、第2のアンテナ3と信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdとの間を流れる信号量とは同じとなっている。また、図7(a)に示されるように、無線通信用の周波数帯で、第1と第2のアンテナ2,3間のアイソレーション特性が減衰して、第1と第2のアンテナ2,3のアイソレーションがとれている。これらのことにより、インピーダンス可変部18(インピーダンス調整部5)を設けることによって、第1と第2の各アンテナ2,3の電波の良好な合成および受信信号の良好な合成を得ることができることが、実験結果から分かる。
ところで、この第1実施形態例では、信号が導通するオン状態の信号通路用線路17に接続されているインピーダンス可変部18のダイオード21は、制御装置15によってオフ状態に制御される。これにより、信号通路用線路17を導通している信号の一部がインピーダンス可変部18に流れ込むことを防止して、信号損失を抑制しようとしている。しかし、制御装置15からインピーダンス可変部18の制御端子MにLレベルの電圧が印加されているときには、ダイオード21は図6(b)に示されるような等価回路を持ち、信号通路用線路17を流れる高周波信号の周波数(例えば数GHz帯の周波数)に対して、そのダイオード21の等価回路は、回路全体でコンデンサあるいはインダクタとして振る舞うことがある。この場合には、オフ状態のダイオード21は、信号通路用線路17を流れる高周波信号の周波数(例えば数GHz帯の周波数)に対して、数十Ω以下の小さいリアクタンスになることが多く、信号通路用線路17を流れる高周波信号の一部がインピーダンス可変部18に流れ込んで信号損失の増加を招いてしまうことがある。
このような信号損失の増加を抑制するために、この第1実施形態例では、ダイオード21に共振用回路23を並列接続している。共振用回路23は、ダイオード21の寄生容量あるいは寄生インダクタンスを利用して、無線通信用の周波数を共振周波数としたLC共振を行わせるための回路である。
例えば、図4(a)や図6(a)、(b)に示される例では、共振用回路23は、ダイオード21に並列に設けられるコンデンサ24と、このコンデンサ24をダイオード21に並列接続するための線路25a,25bとを有して構成されている。オフ状態のダイオード21(図6(b)に示される等価回路21)が、信号通路用線路17を流れる高周波信号の周波数に対して、コンデンサとして振る舞う場合には、共振用回路23は、そのコンデンサとして振る舞うダイオード21とLC共振を行うために、信号通路用線路17を流れる高周波信号の周波数に対して、共振用回路23全体でインダクタとして動作するように、コンデンサ24と線路25a,25bが設計される。
また、オフ状態のダイオード21(図6(b)に示される等価回路21)が、信号通路用線路17を流れる高周波信号の周波数に対して、インダクタとして振る舞う場合には、共振用回路23は、そのインダクタとして振る舞うダイオード21とLC共振を行うために、信号通路用線路17を流れる高周波信号の周波数に対して、共振用回路23全体でコンデンサとして動作するように、コンデンサ24と線路25a,25bが設計される。
このように共振用回路23が設計されることにより、ダイオード21がオフ状態に制御されているときに、ダイオード21と共振用回路23によりLC共振を行わせることができて、インピーダンス可変部18は高周波信号の導通を遮断する程の高いインピーダンスを持つことができる。これにより、インピーダンス可変部18が接続している信号通路用線路17を導通している信号(高周波信号)の導通損失を抑制することができる。
なお、この第1実施形態例では、インピーダンス調整部5が接続しているスイッチ回路6の端子が開放状態となったときに、そのインピーダンス調整部5の信号通路用線路17の信号位相調整回路4側の端部Hから信号通路用線路17を通して他端部側(スイッチ回路6側)を見たときにスイッチ回路6側がオープンとなるように、信号通路用線路17を設け、かつ、信号位相調整回路4に整合するインピーダンスをインピーダンス可変部18に持たせることで、信号位相調整回路4を信号無反射の状態で終端させていたが、例えば、装置の小型化等に起因して信号通路用線路17の長さが不足したり、スイッチ回路6の開放状態の端子にリターンロスが生じている等の理由によって、信号通路用線路17の信号位相調整回路4側の端部Hから信号通路用線路17を通してスイッチ回路6側を見たときにスイッチ回路6側をオープンに見えるようにできない場合がある。この場合には、次に示すようにインピーダンス可変部18を設計することにより、信号位相調整回路4を信号無反射の状態で終端させることができる。
すなわち、インピーダンス可変部18が接続している信号通路用線路17の信号位相調整回路4側の端部H(信号通路用線路17とインピーダンス可変部18との接続部H)から信号通路用線路17を通してスイッチ回路6側を見たときのアドミッタンスのサセプタンス成分の正負の符号を逆にした値と、インピーダンス可変部18のアドミッタンスのサセプタンス成分とが等しくなるように、かつ、信号位相調整回路4に整合するアドミッタンスから、信号通路用線路17の信号位相調整回路4側の端部Hから信号通路用線路17を通してスイッチ回路6側を見たときのアドミッタンスのコンダクタンス成分と、インピーダンス可変部18のアドミッタンスのコンダクタンス成分とが等しくなるように、インピーダンス可変部18(18A,18B)が設計される。
換言すれば、信号通路用線路17の信号位相調整回路4側の端部H(信号通路用線路17とインピーダンス可変部18との接続部H)から信号通路用線路17を介してスイッチ回路6側を見たときのアドミッタンスYαが、Yα=G+jBの数式で表されるとする。また、信号位相調整回路4は、ダイバーシチアンテナ装置1の回路の設定の特性インピーダンスS(例えば50Ω)でもって整合するように構成されていることから、信号位相調整回路4に整合するアドミッタンスは、1/Sとなる。この場合、インピーダンス可変部18のアドミッタンスのサセプタンス成分は、−Bとなり、インピーダンス可変部18のアドミッタンスのコンダクタンス成分は、(1/S)−Gとなるように(換言すれば、インピーダンス可変部18のアドミッタンスY18が、Y18=((1/S)−G)−jBの数式を満たすように)、インピーダンス可変部18は設計される。
インピーダンス可変部18と信号通路用線路17との接続部Hから信号通路用線路17を通して見たスイッチ回路6側にある回路の代わりにアドミッタンスYαの回路をインピーダンス可変部18に電気的に並列接続しても、接続部Hよりもスイッチ回路6側のインピーダンス可変部18を含む回路全体を接続部Hからみたときのアドミッタンスは変わらないことから、接続部Hよりもスイッチ回路6側のインピーダンス可変部18を含む回路全体を接続部HからみたときのアドミッタンスYtは、アドミッタンスYαと、インピーダンス可変部18のアドミッタンスY18とを加算したものとなる(Yt=Yα+Y18)。前記の如く、接続部Hから信号通路用線路17を介してスイッチ回路6側を見たときのアドミッタンスYαが、Yα=G+jBである場合に、インピーダンス可変部18のアドミッタンスY18が、Y18=((1/S)−G)−jBの数式を満たすように、インピーダンス可変部18を設計することによって、接続部Hよりもスイッチ回路6側のインピーダンス可変部18を含む回路全体を接続部HからみたときのアドミッタンスYtは、Yt=(G+jB)+(((1/S)−G)−jB)の数式で表され、この数式を整理すると、Yt=(1/S)となる。
つまり、インピーダンス可変部18のアドミッタンスY18が、Y18=((1/S)−G)−jBの数式を満たすように、インピーダンス可変部18を設計することによって、接続部Hよりもスイッチ回路6側のインピーダンス可変部18を含む回路全体を接続部Hからみたときのインピーダンス(つまり、信号位相調整回路4からインピーダンス調整部5を通してスイッチ回路6側を見たときのインピーダンス)は、信号位相調整回路4に整合するインピーダンスとすることができる。これにより、信号位相調整回路4は信号無反射の状態で終端させることができる。このように、インピーダンス可変部18全体のアドミッタンスY18が、前記したY18=((1/S)−G)−jBの数式を満たすように、インピーダンス可変部18の回路定数を設定することは、シミュレーションやスミスチャートを利用して、容易にできるものである。
なお、アドミッタンスY18が、Y18=((1/S)−G)−jBの数式を満たすようなインピーダンス可変部18となるために、必要に応じて、例えば、図4(b)に示されるようにダイオード21とグランドとの間に直列的にインダクタ26を付加したり、コンデンサを設けてもよい。
また、図4(a)に示したインピーダンス可変部18の回路構成において、ダイオード21と共振用回路23を合わせた回路部分βのインダクタンス成分Lhが無視できる程度の小さいダイオードをダイオード21として用いる例を示したが、ダイオード21と共振用回路23を合わせた回路部分βのインダクタンス成分Lhが無視できない構成としてもよい。この場合には、そのインダクタンス成分Lhを考慮して、インピーダンス可変部18のアドミッタンスY18が、前記したY18=((1/S)−G)−jBの数式を満たすように、インピーダンス可変部18を設計する。この場合にも、信号位相調整回路4から信号通路用線路17を通してスイッチ回路6の開放状態の端子側を見たときにその開放状態の端子側を信号無反射の終端とすることができる。
さらに、この第1実施形態例では、スイッチ回路6はSPDTスイッチにより構成されていたが、スイッチ回路6は、SPDTスイッチに代えて、DPDT(Double-Pole-Double-Throw)スイッチにより構成してもよい。DPDTスイッチによりスイッチ回路6を構成する場合には、ダイバーシチアンテナ装置1には、図9に示されるように、高周波回路10の送信回路11に接続する送信回路側の外部接続部PTXと、高周波回路10の受信回路12に接続する受信回路側の外部接続部PRXとが設けられ、スイッチ回路6は、それら送信回路側の外部接続部PTXと、受信回路側の外部接続部PRXとにそれぞれ接続される。
DPDTスイッチには、次に示すような2つのタイプがある。DPDTスイッチの1つのタイプは、図10に示すような内部構成を有するものである。つまり、図10に示すDPDTスイッチは、送信回路側の外部接続部PTXと受信回路側の外部接続部PRXとのうちの何れか一方を信号位相調整回路4側に選択的に切り換え接続させる機能を備えると共に、その切り換え接続されている送信回路側の外部接続部PTX又は受信回路側の外部接続部PRXを信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdと第2の切り換え側接続部Xcとのうちの何れか一方側に選択的に切り換え接続させる機能を備えている。このDPDTスイッチを設ける場合には、図1に示されるスイッチ回路13が省略される。
DPDTスイッチの別のタイプは、図11(a)に示されるように送信回路側の外部接続部PTXと信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdとが接続されると共に受信回路側の外部接続部PRXと信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcとが接続されている状態と、図11(b)に示されるように送信回路側の外部接続部PTXと信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcとが接続されると共に受信回路側の外部接続部PRXと信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdとが接続されている状態とのうちの一方側の状態を選択的に切り換えて作り出す構成を備えている。
スイッチ回路6が何れのタイプのDPDTスイッチにより構成されていても、、前記同様のインピーダンス調整部5(5A,5B)を図9のように設けることによって、前記同様に、信号位相調整回路4からインピーダンス調整部5を通してスイッチ回路6側を見たときにスイッチ回路6側を信号無反射の終端とすることができる。これにより、信号反射に起因した第1と第2のアンテナ2,3間のアイソレーション特性の劣化を防止することができて、良好な無線通信を得ることができる。なお、2つのSPDTスイッチを利用して、図10に示す構成のDPDTスイッチと同様に動作するスイッチ回路を構成してもよい。
また、この第1実施形態例では、インピーダンス調整部5を構成するインピーダンス可変部18のダイオード21に並列接続される共振用回路23は、コンデンサ24と、線路25a,25bとを有して構成される例を示したが、線路25a,25bに代えて、例えば、集中定数のインダクタを設けてもよい。また、例えば、インピーダンス可変部18の制御端子MにLレベルの電圧が印加されているときにダイオード21がインダクタとして振る舞う場合には、共振用回路23はコンデンサとして動作できればよいので、この場合には、共振用回路23はコンデンサ24を設けるだけで済むことから、線路25a,25bを省略してもよい。
さらに、図1や図9に示したダイバーシチアンテナ装置1の構成に加えて、図1や図9に示されるA1,A2,B1,B2の各位置には、それぞれ、必要に応じてDCカット用のコンデンサが設けられることがある。この場合にも、前記したようなインピーダンス調整部5を設けることによって、前記同様の優れた効果を得ることができる。なお、DCカット用のコンデンサが設けられる場合には、そのコンデンサを考慮して、インピーダンス調整部5が設計されることとなる。
さらに、信号通路用線路17とインピーダンス可変部18との接続部Hと、信号位相調整回路4との間に信号通路用線路を設けてもよい。この場合には、その信号通路用線路での信号反射を防止するために、その信号通路用線路が信号位相調整回路4に整合するインピーダンスを持つように設計することが好ましい。これにより、その信号通路用線路を設けても、インピーダンス調整部5を設計変更することなく、信号位相調整回路4を信号無反射の状態で終端させることができる。
以下に、第2実施形態例を説明する。なお、この第2実施形態例の説明において、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
この第2実施形態例のダイバーシチアンテナ装置1では、スイッチ回路6は、図11に示される構成を持つDPDTスイッチにより構成されており、図12に示されるように、インピーダンス調整部5(5A,5B)を、信号位相調整回路4とスイッチ回路6との間に設けるのに代えて、インピーダンス調整部5Aは、スイッチ回路6と、送信回路側の外部接続部PTXとの間に介設され、インピーダンス調整部5Bは、スイッチ回路6と、受信回路側の外部接続部PRXとの間に介設されている。また、この第2実施形態例では、スイッチ回路6と、送信回路側の外部接続部PTXとの間には、パワーアンプ(PA)27が設けられ、また、スイッチ回路6と、受信回路側の外部接続部PRXとの間には、低雑音増幅器(LNA)28が設けられている。
上記以外の構成は、第1実施形態例に示したダイバーシチアンテナ装置1の構成と同様である。なお、スイッチ回路6は、信号位相調整回路4に整合するように構成されている。
この第2実施形態例では、インピーダンス調整部5Aは、信号の受信期間中に、スイッチ回路6からインピーダンス調整部5Aを通して送信回路11側を見たときに、その送信回路11側が信号無反射の終端となるようにインピーダンスを調整する構成を備えている。また、インピーダンス調整部5Bは、信号の送信期間中に、スイッチ回路6からインピーダンス調整部5Bを通して受信回路12側を見たときに、その受信回路12側が信号無反射の終端となるようにインピーダンスを調整する構成を備えている。
インピーダンス調整部5(5A,5B)が、図12に示されるように、第1実施形態例と同様に、信号通路用線路17と、インピーダンス可変部18とを有して構成される場合には、第1実施形態例と同様に、それら信号通路用線路17と、インピーダンス可変部18とが設計される。
すなわち、信号通路用線路17は、ダイバーシチアンテナ装置1の設定の特性インピーダンスS(例えば50Ω)を持つように、かつ、インピーダンス可変部18との接続部H(換言すれば信号位相調整回路4側の端部H)から信号通路用線路17を通して送信回路側の外部接続部PTX側又は受信回路側の外部接続部PRX側を見たときに当該送信回路側の外部接続部PTX側又は受信回路側の外部接続部PRX側がオープンと見えるように、設計される。このように信号通路用線路17が設計される場合には、インピーダンス可変部18は、スイッチ回路6(信号位相調整回路4)に整合するインピーダンスを持つことができるように設計される。
また、信号通路用線路17とインピーダンス可変部18との接続部H(換言すれば信号通路用線路17の信号位相調整回路4側の端部H)から信号通路用線路17を通して送信回路側の外部接続部PTX側又は受信回路側の外部接続部PRX側を見たときに当該送信回路側の外部接続部PTX側又は受信回路側の外部接続部PRX側がオープンと見えるように設計することが難しい場合には、インピーダンス可変部18は次に示すように設計される。つまり、信号通路用線路17とインピーダンス可変部18との接続部Hから送信回路側の外部接続部PTX側又は受信回路側の外部接続部PRX側を見たときのアドミタンスYが、Y=G+jBの数式で表される場合に、第1実施形態例で述べたような、インピーダンス可変部18全体のアドミッタンスY18が、Y18=((1/S)−G)−jBの数式を満たすように、インピーダンス可変部18が設計される。
なお、インピーダンス可変部18が、図4(a)、(b)の回路構成を持つ場合には、送信期間中に、制御装置15からインピーダンス可変部18Aの制御端子MにLレベルの電圧が印加されてインピーダンス可変部18Aのダイオード21はオフ状態に制御され、これにより、信号通路用線路17Aを通る信号の損失増加を抑制する。また、このとき、インピーダンス可変部18Bの制御端子MにはHレベルの電圧が印加されてインピーダンス可変部18Bのダイオード21はオン状態に制御され、これにより、スイッチ回路6(信号位相調整回路4)から送信回路側の外部接続部PTX側又は受信回路側の外部接続部PRX側を見たときに当該送信回路側の外部接続部PTX側又は受信回路側の外部接続部PRX側を信号無反射の終端とすることができる。
信号の受信期間中には、制御装置15からインピーダンス可変部18Aの制御端子MにHレベルの電圧が印加されてインピーダンス可変部18Aのダイオード21はオン状態に制御されて、スイッチ回路6(信号位相調整回路4)から送信回路側の外部接続部PTX側又は受信回路側の外部接続部PRX側を見たときに当該送信回路側の外部接続部PTX側又は受信回路側の外部接続部PRX側を信号無反射の終端とすることができる。また、このとき、インピーダンス可変部18Bの制御端子MにはLレベルの電圧が印加されてインピーダンス可変部18Bのダイオード21はオフ状態に制御されて、信号通路用線路17Bを通る信号の損失増加を抑制する。
この第2実施形態例においても、インピーダンス調整部5(5A,5B)を設けることによって、第1実施形態例と同様に、信号反射に起因した第1のアンテナ2と第2のアンテナ3間のアイソレーション特性の劣化を防止することができて、良好な無線通信を得ることができる。
なお、この第2実施形態例の構成に加えて、図12に示されるA1,A2,B1,B2の各位置には、それぞれ、必要に応じてDCカット用のコンデンサが設けられることがある。
また、信号位相調整回路4から、信号通路用線路17とインピーダンス可変部18との接続部Hに至るまでの部分に信号通路用線路を設けてもよい。スイッチ回路6(信号位相調整回路4)に整合するインピーダンスを持つように、その信号通路用線路を構成することにより、信号通路用線路17およびインピーダンス可変部18の設計変更を行わずに、スイッチ回路6(信号位相調整回路4)を信号無反射の状態で終端させることができる。
以下に、第3実施形態例を説明する。この第3実施形態例は無線通信機に関するものである。この第3実施形態例の無線通信機は、第1実施形態例又は第2実施形態例に示したダイバーシチアンテナ装置1が設けられている。なお、ダイバーシチアンテナ装置1の説明は前述したので、ここでは、その説明は省略する。
また、この第3実施形態例の無線通信機は、第1や第2の各実施形態例に示した高周波回路10および制御装置15が設けられている。その制御装置15にはダイバーシチ制御部が設けられている。例えば、ダイバーシチ制御部は、ダイバーシチアンテナ装置1の信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdが高周波回路10の受信回路12に接続されているときの受信信号と、ダイバーシチアンテナ装置1の信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcが高周波回路10の受信回路12に接続されているときの受信信号とを受信回路12を介して取り込む。
そして、ダイバーシチ制御部は、その取り込んだ受信信号に基づいて、信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdが受信回路12に切り換え接続されているときの無線通信状態と、信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcが受信回路12に切り換え接続されているときの無線通信状態とを比較し、より良好に無線通信を行うことができるのはどちらであるかを選択する。この選択動作によって、信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xd側に切り換え接続されているときの無線通信状態を選択した場合には、ダイバーシチ制御部は、高周波回路10が、ダイバーシチアンテナ装置1の信号位相調整回路4の第1の切り換え側接続部Xdに接続されるように、スイッチ回路6の制御動作を行う。
また、ダイバーシチ制御部は、前記選択動作によって、信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xc側に切り換え接続されているときの無線通信状態を選択した場合には、高周波回路10が、ダイバーシチアンテナ装置1の信号位相調整回路4の第2の切り換え側接続部Xcに接続されるように、スイッチ回路6の制御動作を行う。
さらに、ダイバーシチアンテナ装置1を構成するインピーダンス調整部5がインピーダンス可変部18を有し、そのインピーダンス可変部18が抵抗体20とダイオード21の直列接続回路を持つ回路構成である場合には、制御装置15のダイバーシチ制御部は、スイッチ回路6の切り換え制御に応じて、インピーダンス可変部18の制御端子Mへ印加する電圧レベルの制御をも行う。
なお、上記以外の無線通信機の構成には様々な構成があり、ここでは、何れの構成をも採用してよく、その説明は省略する。
この第3実施形態例の無線通信機は、第1又は第2の実施形態例のダイバーシチアンテナ装置1を備えているので、アンテナが1つだけの場合よりも、アンテナ利得を向上させることができて、通信感度が高くなる。これにより、無線通信の信頼性の高い無線通信機を提供することができる。また、ダイバーシチアンテナ装置1は、モノポールアンテナを利用し、また、位相の異なる電波の合成や位相の異なる受信信号の合成によって無線通信を行う構成であるので、低仰角方向のアンテナ利得を高めることができることから、例えば無線LAN用の通信カードのような、低仰角方向の通信を行うことが多い無線通信装置に第3実施形態例の構成を適用することは、非常に有効である。
なお、この発明は第1〜第3の各実施形態例の形態に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第1〜第3の各実施形態例では、インピーダンス調整部5は、信号通路用線路17を有して構成されていたが、例えば、その信号通路用線路17に代えて、その信号通路用線路17と同様に機能する集中定数回路を設けてもよい。
第1実施形態例のダイバーシチアンテナ装置の主要な回路構成部分を示した図である。 第1実施形態例のダイバーシチアンテナ装置の指向性を説明するための図である。 第1実施形態例において特徴的なインピーダンス調整部の構成を説明するためのスミスチャートである。 第1実施形態例において特徴的なインピーダンス調整部がインピーダンス可変部を有して構成される場合に、そのインピーダンス可変部の一回路構成例を表した図である。 ダイオードの等価回路図である。 ダイオードがオン状態に制御されているときの図4のインピーダンス可変部の等価回路を示すと共に、ダイオードがオフ状態に制御されているときの図4のインピーダンス可変部の等価回路を示す図である。 インピーダンス調整部が設けられている場合と設けられていない場合とのそれぞれにおける図1に示す第1のアンテナと第2のアンテナ間のアイソレーション特性がシミュレーションにより求められて表されたグラフである。 インピーダンス調整部が設けられている場合と設けられていない場合とのそれぞれにおける図1に示すアンテナとスイッチ回路間の信号の通過特性がシミュレーションにより求められて表されたグラフである。 図1に示すスイッチ回路をDPDTスイッチにより構成した場合のダイバーシチアンテナ装置の主要な回路構成例を説明するための図である。 DPDTスイッチの内部構成例を説明するための図である。 DPDTスイッチの別の構成例を説明するための図である。 第2実施形態例のダイバーシチアンテナ装置の主要な回路構成例を表した図である。 特許文献1に記載のダイバーシチアンテナ装置の一つを説明するための図である。
符号の説明
1 ダイバーシチアンテナ装置
2 第1のアンテナ
3 第2のアンテナ
4 信号位相調整回路
5 インピーダンス調整部
6,13 スイッチ回路
10 高周波回路
11 送信回路
12 受信回路
17 信号通路用線路
18 インピーダンス可変部
20 抵抗体
21 ダイオード
23 共振用回路
Xa,Xb アンテナ接続部
Xd 第1の切り換え側接続部
Xc 第2の切り換え側接続部
TX 送信回路側の外部接続部
RX 受信回路側の外部接続部

Claims (8)

  1. 間隔を介して配置される第1と第2の2つのアンテナと、それら2つのアンテナがそれぞれ個別に接続するアンテナ接続部を備えると共に第1と第2の2つの切り換え側接続部を備えた信号位相調整回路と、この信号位相調整回路の第1の切り換え側接続部と第2の切り換え側接続部とのうちの一方を外部の高周波回路に選択的に切り換え接続させるスイッチ回路とを有し、信号位相調整回路は、スイッチ回路の切り換え動作に応じて第1の切り換え側接続部と第2の切り換え側接続部とのうちの何れか一方側から入力した外部の高周波回路からの信号を第1と第2の各アンテナにそれぞれ分配供給すると共に、それら第1のアンテナへの信号と第2のアンテナへの信号との間に位相差を持たせる回路構成を備え、また、信号位相調整回路は、スイッチ回路の切り換え動作に応じて、第1のアンテナへの信号と第2のアンテナへの信号との間の位相差を切り換える構成を備えており、第1と第2の各アンテナからそれぞれ外部に放射された電波の合成状態が、スイッチ回路の切り換え動作により切り換わって合成後の電波の指向性が切り換わるダイバーシチアンテナ装置であって、信号位相調整回路の第1の切り換え側接続部とスイッチ回路との間に接続されるインピーダンス調整部と、信号位相調整回路の第2の切り換え側接続部とスイッチ回路との間に接続されるインピーダンス調整部とが設けられており、それらインピーダンス調整部は、それぞれ、当該インピーダンス調整部が接続している信号位相調整回路の切り換え側接続部がスイッチ回路の切り換え動作によって外部の高周波回路から切り離されているときに、その切り換え側接続部から当該インピーダンス調整部を介してスイッチ回路側を見たときにスイッチ回路側が信号無反射の終端となるためのインピーダンスを持っていることを特徴とするダイバーシチアンテナ装置。
  2. 外部の高周波回路は送信回路と受信回路を有する構成と成し、ダイバーシチアンテナ装置には、その外部の送信回路と接続するための送信回路側の外部接続部と、受信回路と接続するための受信回路側の外部接続部とが設けられ、また、スイッチ回路は、SPDTスイッチ又はDPDTスイッチにより構成されており、当該スイッチ回路は、送信回路側の外部接続部と受信回路側の外部接続部とのうちの何れか一方を信号位相調整回路に切り換え接続させる構成と、その切り換え接続されている送信回路側又は受信回路側の外部接続部を信号位相調整回路の第1の切り換え側接続部と第2の切り換え側接続部とのうちの何れか一方に切り換え接続させる構成とを有していることを特徴とする請求項1記載のダイバーシチアンテナ装置。
  3. 間隔を介して配置される第1と第2の2つのアンテナと、それら2つのアンテナがそれぞれ個別に接続するアンテナ接続部を備えると共に第1と第2の2つの切り換え側接続部を備えた信号位相調整回路と、外部の高周波回路の送信回路と接続するための送信回路側の外部接続部と、外部の高周波回路の受信回路と接続するための受信回路側の外部接続部と、DPDTスイッチにより構成されるスイッチ回路とを有し、スイッチ回路を構成するDPDTスイッチは、送信回路側の外部接続部と信号位相調整回路の第1の切り換え側接続部とを接続させると共に受信回路側の外部接続部と信号位相調整回路の第2の切り換え側接続部とを接続させる状態と、送信回路側の外部接続部と信号位相調整回路の第2の切り換え側接続部とを接続させると共に受信回路側の外部接続部と信号位相調整回路の第1の切り換え側接続部とを接続させる状態とのうちの何れか一方の状態を選択的に切り換えて作り出すための構成を備え、信号位相調整回路は、スイッチ回路の切り換え動作に応じて第1の切り換え側接続部と第2の切り換え側接続部とのうちの何れか一方側から入力した外部の高周波回路からの信号を第1と第2の各アンテナにそれぞれ分配供給すると共に、それら第1のアンテナへの信号と第2のアンテナへの信号との間に位相差を持たせる回路構成を備え、また、信号位相調整回路は、スイッチ回路の切り換え動作に応じて、第1のアンテナへの信号と第2のアンテナへの信号との間の位相差を切り換える構成を備えており、第1と第2の各アンテナからそれぞれ外部に放射された電波の合成状態が、スイッチ回路の切り換え動作により切り換わって合成後の電波の指向性が切り換わるダイバーシチアンテナ装置であって、送信回路側の外部接続部とスイッチ回路との間に接続されるインピーダンス調整部と、受信回路側の外部接続部とスイッチ回路との間に接続されるインピーダンス調整部とが設けられており、送信回路側の外部接続部に接続されているインピーダンス調整部は、信号の受信期間中に、スイッチ回路から当該インピーダンス調整部を介して送信回路側の外部接続部側を見たときにその送信回路側の外部接続部側が信号無反射の終端となるためのインピーダンスを有し、受信回路側の外部接続部に接続されているインピーダンス調整部は、信号の送信期間中に、スイッチ回路から当該インピーダンス調整部を介して受信回路側の外部接続部側を見たときにその受信回路側の外部接続部側が信号無反射の終端となるためのインピーダンスを有していることを特徴とするダイバーシチアンテナ装置。
  4. インピーダンス調整部は、その入出力端間に信号を導通させるための信号通路用線路を有すると共に、その信号通路用線路の信号位相調整回路側の端部に一端側が接続され他端側はグランドに接続されている抵抗体とダイオードとの直列接続回路を備えたインピーダンス可変部を有しており、インピーダンス調整部の信号通路用線路は、信号の導通しないオフ状態であるときに、当該信号通路用線路の信号位相調整回路側の端部から他端部側を見たときに当該他端部側がオープンに見える線路長を有し、インピーダンス可変部の抵抗体は、信号位相調整回路に整合するインピーダンスを有し、インピーダンス可変部のダイオードは、接続している信号通路用線路が信号の導通しないオフ状態であるときにはオン状態に制御され、接続している信号通路用線路が信号の導通するオン状態であるときにはオフ状態に制御されることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のダイバーシチアンテナ装置。
  5. インピーダンス調整部は、その入出力端間に信号を導通させるための信号通路用線路を有すると共に、その信号通路用線路の信号位相調整回路側の端部に一端側が接続され他端側はグランドに接続されている抵抗体とダイオードとの直列接続回路を備えたインピーダンス可変部を有しており、インピーダンス可変部のダイオードは、接続している信号通路用線路が信号の導通しないオフ状態であるときにはオン状態に制御され、接続している信号通路用線路が信号の導通するオン状態であるときにはオフ状態に制御される構成と成しており、インピーダンス調整部のインピーダンス可変部のアドミッタンスのサセプタンス成分は、当該インピーダンス可変部が接続している信号通路用線路の信号位相調整回路側の端部から当該信号通路用線路の他端部側を見たときのアドミッタンスのサセプタンス成分の正負の符号を逆にした値であり、インピーダンス可変部のアドミッタンスのコンダクタンス成分は、当該インピーダンス可変部が接続している信号通路用線路の信号位相調整回路側の端部から当該信号通路用線路の他端部側を見たときのアドミッタンスのコンダクタンス成分を、信号位相調整回路に整合するアドミッタンスから差し引いた値となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のダイバーシチアンテナ装置。
  6. インピーダンス調整部のインピーダンス可変部のダイオードには、オフ状態に制御されているときにダイオードの寄生容量あるいは寄生インダクタンスを利用してLC共振を行わせる回路が並列接続されていることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のダイバーシチアンテナ装置。
  7. 第1のアンテナと第2のアンテナとの間の間隔は、無線通信用の電波波長の1/4以上、かつ、無線通信用の電波波長の1/3以下の範囲内の間隔であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載のダイバーシチアンテナ装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載のダイバーシチアンテナ装置が設けられていることを特徴とする無線通信機。
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