JP2014165610A - 移動通信システムの基地局アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各送信経路の異常の発生を個別に検出する送信系検出手段(13−1〜13−4)と、各受信経路の異常の発生を個別に検出する受信系検出手段(23−1〜23−4)と、送信系検出手段(13−1〜13−4)によって異常な送信経路が検出された場合に、正常な送信経路における送信信号の位相及び振幅を変更設定して送信経路の異常に起因する送信アンテナ垂直面内指向性の変形を修正し、受信系検出手段(23−1〜23−4)によって異常な受信経路が検出された場合に、正常な受信経路における受信信号の位相及び振幅を変更設定して受信経路の異常に起因する受信アンテナ垂直面内指向性の変形を修正する制御手段(30,40)と、を備える。
【選択図】図1
Description
前記各送信経路の異常の発生を個別に検出する送信系検出手段と、
前記各受信経路の異常の発生を個別に検出する受信系検出手段と、
前記送信系検出手段によって異常な送信経路が検出された場合に、正常な送信経路における送信信号の位相及び振幅を変更設定して前記送信経路の異常に起因する送信アンテナ垂直面内指向性の変形を修正し、前記受信系検出手段によって異常な受信経路が検出された場合に、正常な受信経路における受信信号の位相及び振幅を変更設定して前記受信経路の異常に起因する受信アンテナ垂直面内指向性の変形を修正する制御手段と、
を備える。
前記各送信経路を通過する送信信号の位相・振幅をそれぞれ設定する個別の送信系位相・振幅設定手段と、
前記各受信経路を通過する受信信号の位相・振幅をそれぞれ設定する個別の受信系位相・振幅設定手段と、を備え、
前記各送信経路のうちの前記正常な送信経路について設けられた前記送信系位相・振幅設定手段を用いて前記正常な送信経路における送信信号の位相及び振幅を変更設定し、前記各受信経路のうちの前記正常な受信経路について設けられた前記受信系位相・振幅設定手段を用いて前記正常な受信経路における受信信号の位相及び振幅を変更設定する。
他の態様として、送信の無線信号周波数と受信の無線信号周波数に共用する送受信共用アンテナを前記各送信アンテナ及び受信アンテナとして使用し、前記送受信共用アンテナを対応する前記送信経路及び前記受信経路に分配合成器を介して接続するようにしても良い。
更に、前記分配合成器を介して接続する前記送受信共用アンテナが複数個であっても良い。
また、他の態様として、前記各送信アンテナの配列間隔及び前記各受信アンテナの配列間隔が共に0.5λ≦d≦1λ(λは、使用周波数帯の中心周波数の波長)に設定される。
なお、前記制御部は、異常を生じた前記送信経路が正常に戻った場合に、送信アンテナ垂直面内指向性を正常な指向性に戻す処理を実行し、かつ、異常を生じた前記受信経路が正常に戻った場合に、受信アンテナ垂直面内指向性を正常な指向性に戻す処理を実行するように構成される。
無線部10は、周波数変換、アナログ−デジタル変換、信号処理、通信制御等を行なうものであり、分配器11に無線信号周波数の高周波電力信号を出力するとともに、合成器21から出力される後述の合成信号を入力し、更に、制御部30と通信する。
合成器21には、m(mは2以上の整数であり、本実施形態ではm=4である)個の受信経路が接続されている。第1の受信経路には移相器22−1、検出器23−1及び受信アンテナ24−1が配置され、第2〜第4の受信経路にも対応する符号を付した同様の要素がそれぞれ配置されている。
移相調整器121では、例えば、移相調整用の上記直流制御信号によって容量が変化される容量可変ダイオードが移相素子として使用される。この容量可変ダイオードを用いた移相調整器121は、マイクロストリップラインで形成された移相調整器に比べて非常に小さく構成することができるため、各送信経路及び受信経路に配置しても場所を取らない。
なお、制御部30と信号変換器123間における信号のやり取りには、例えばRS485のような、同じ信号線に複数の装置を接続できるバス結線が可能なシリアルインタフェースが用いられる。こうすることで、移相器の配置数が増えても信号線を増やす必要がなくなる。
制御部30と信号変換器134における信号のやり取りには、例えばRS485のような、同じ信号線に複数の装置を接続できるバス結線が可能なシリアルインタフェースが用いられる。こうすることで、検出器の数が増えても信号線を増やす必要がなくなる。
不揮発性メモリである記憶部40は、移相器12−1〜12−4及び22−1〜22−4の振幅値および移相量を設定するためのデータを予め記憶させた送信系データテーブル及び受信系データテーブルを有している。これらのデータテーブルは、制御部30を介して無線部10から書き換えが可能である。
この場合、第3番目の送信経路の検出器13−3における検波器133(図12参照)の出力信号のレベルが低下する。制御部30は各検出器13−1〜13−4における検波器133の出力信号レベルを監視しているので、検出器13−3の検波器133の出力信号レベルのみが基準値以下に低下したことに基づいて、第3番目の送信経路のみが異常であると判断する。
上記の終端を行う理由は、異常を生じた送信経路のアンテナ(上記の例では、第3番目の送信経路に接続された送信アンテナ14−3)からの再放射を抑制して、この再放射が指向性に与える悪影響を最小限に抑えるためである。
同様に、前記m(=4)個の受信経路の全てが正常である場合に所定の正常な受信アンテナ垂直面内指向性が設定されるとすると、そのうちのk個の送信経路(1≦k<m)で異常が発生した場合、異常経路の個数kに応じた垂直面内指向性の変形が生じることになる。そして、この変形した垂直面内指向性は、正常な受信経路の移相器における振幅値および移相量を制御することによって修正すること、つまり、変形前の正常な垂直面内指向性に近似させるができる。
同様に、記憶部40の受信系データテーブルには、所定の正常な受信アンテナ垂直面内指向性を得るための受信系移相器22−1〜22−4の振幅値および移相量を設定するための指向性指示データ、及び、k個の異常経路が発生した場合に生じる垂直面内指向性の変形を修正するために必要とする、他の(m−k)個の正常送信経路における移相器の振幅値および移相量を設定するための指向性指示データが予め格納される。
上記データテーブルに格納される指向性指示データは、予め実験やシミュレーションによって得ることが可能である。
送信系の4経路中の1経路に異常が発生した場合、あるいは、受信系の4経路中の1経路に異常が発生した場合には、以下に[第1の例]として示す構成のデータテーブルが適用され、また、送信系の4経路中の2経路に異常が発生した場合、あるいは、受信系の4経路中の2経路に異常が発生した場合には、以下に[第2の例]として示す構成のデータテーブルが適用される。なお、各データテーブルにおいては、格納された指向性指示データが○印で記されている。
一方、制御部30は、例えば、第3番目の送信経路のみが異常であると判断した場合に、その異常に対応するための指向性指示データを送信系データテーブルから読み出し、その指向性指示データを用いて第3番目の送信経路の異常に起因する送信アンテナ垂直面内指向性の変形が修正されるように移相器12−1,12−2及び12−4の振幅値及び移相量を制御する。
制御部30は、受信系においても上記に準じた処理を実行するので、m個の受信経路の全てが正常である場合に、所定の正常な受信アンテナ垂直面内指向性が実現され、k個の異常経路が発生した場合に、正常な垂直面内指向性に近似した垂直面内指向性が実現される。
ここで、前述と同様に第3番目の送信経路が異常になったとすると、この場合、図2(c)に示すように傾角θtiltがθ0からθ1に変化する。このとき、第3番目の送信経路の異常を検出した制御部30は、記憶部40のデータテーブルの指向性指示データを参照した上述の処理を実行し、その結果、図2(d)に示すように、自律的に傾角がθ0に近似したθ2に修正される。
要するに、上記データテーブルの指向性指示データは、このθ0とθ2の差Δθを最小にさせるようにその値が設定されている。
これに対応するには、送信経路に異常が生じた場合のサービスエリアの変動が防止されるように上記データテーブルの指向性指示データの値を設定しておけばよい。すなわち、サービスエリアは電波の傾角を大きくするほど狭くなるので、図2(e)に例示するような電波の傾角が設定されるように、つまり、図2(d)に示す電波の傾角よりもαだけ大きい傾角が設定されるようにデータテーブルの指向性指示データの値を設定しておけばよい。上記調整角αも実験やシミュレーションによって決定される。
なお、データテーブルの指向性指示データは、指向方向だけでなく、その他のアンテナ特性(例えばサイドローブレベル)も加味して設定される。
図6から明らかなように、本発明によれば、送信経路に異常が発生した場合に、正常な垂直面内指向性に近似した垂直面内指向性が実現され、かつ、上記調整角αを考慮した指向性指示データによるビーム傾角の増加によって、サービスエリアの変動も防止することができる。
なお、本実施形態においては、移相器22−1〜22−4と検波器23−1〜23−4の位置を入れ替えることも可能である。
図7は、耐電力の高い移相器の使用を回避することができる本発明の第2の実施形態を示す。この実施形態は、送信系移相器12−1〜12−4の後段に増幅器15−1〜15−4をそれぞれ配置した構成を有する。この構成によれば、移相器12−1〜12−4に入力する電力を小さくすることができるので、これらの移相器として小型で耐電力の小さいもの(例えば、容量可変ダイオードを用いた移相器)を使用することが可能になる。
もちろん、図示のように、受信系移相器22−1〜22−4の前段に増幅器25−1〜25−4をそれぞれ配置することができる。この場合、受信用増幅器25−1〜25−4と検波器23−1〜23−4の位置は入れ替えてもよい。
また、図10に示す第5の実施形態は、上記第4の実施形態の送受信共用アンテナ17−1〜17−4をそれぞれアレー化した構成を有する。この例では、符号a,bを付した2つの送受信共用アンテナを用いてアレー化しているが、3以上の送受信共用アンテナを用いてアレー化することも可能である。
なお、図1、図7に示すアンテナ14−1〜14−4及び24−1〜24−4もそれぞれアレー化が可能である。
[1] 図12に示した検出器では、検波器133によって検波された信号のレベルを基準値と比較しているが、この基準値は、必要に応じて制御部30からの制御信号によって変更調整することができる。上記基準値は、検出器が設けられた線路の異常が適正に検出できるように設定する必要がある。
しかし、上記出力信号レベルの低下度が大きい重度の異常とその低下度が小さい軽度の異常とでは、垂直面内指向性への影響度が相違するので、より精度の高い垂直面内指向性の修正を行うには、異常の程度に応じた指向性修正制御を実行することが望ましい。
上記要望を満たすには、送信系の4経路に対する共通の異常判定基準値として複数の基準値、例えば3つの基準値Ta,Tb,Tc(Ta>Tb>Tc)を設定するとともに、受信系の4経路に対する共通の異常判定基準値として、同様に複数の基準値、例えば3つの基準値Ra,Rb,Rc(Ra>Rb>Rc)を設定し、更に、上記[第1の例]として示した構成のデータテーブルを基準値Ta,Tb,Tc及び基準値Ra,Rb,Rcに対応してそれぞれ設ければよい。
この場合、制御部30は、例えば、送信系の第1の経路における上記検波器133の出力信号レベルをVT1とすると、このレベルVR1がTa≧VT1>Tb,Tb≧VT1>Tc,Tc≧VT1という異常判定条件の内のいずれかに該当しているかどうかを判定する。そして、例えば、レベルVT1がTa≧VT1>Tbという異常判定条件に該当していると判定した場合には、基準値Taに対応して設定された送信系データテーブルの指向性指示データを適用して指向性修正制御を実行することになる。なお、受信系の経路の異常に対しても同様の手順が実行される。
つまり、基準値Ta,Tb,Tcに対応して設けられる3つの送信系データテーブルは、送信系の経路における上記検波器133の出力信号レベルVTがTa≧VT>Tb,Tb≧VT>Tc,Tc≧VTのときにそれぞれ適用される。同様に、基準値Ra,Rb,Rcに対応して設けられる3つの受信系データテーブルは、受信系の経路における上記検波器133の出力信号レベルVRがRa≧VR>Rb,Rb≧VR>Rc,Tc≧VRのときにそれぞれ適用される。
11 分配器
12−1〜12−4 移相器
13−1〜13−4 検出器
14−1〜14−4 送信アンテナ
15−1〜15−4 増幅器
16−1〜16−4 分配合成器
17−1〜17−4 送受信アンテナ
21 合成器
22−1〜22−4 移相器
23−1〜23−4 検出器
24−1〜24−4 受信アンテナ
25−1〜25−4 増幅器
30 制御部
40 記憶部
121 移相調整器
122 振幅調整器
123 信号変換器
131 結合器
132 ろ波器
133 検波器
134 信号変換器
135 経路切替器
前記各送信経路の異常の発生を個別に検出する送信系検出手段と、
前記各受信経路の異常の発生を個別に検出する受信系検出手段と、
前記送信系検出手段によって異常な送信経路が検出された場合に、正常な送信経路における送信信号の位相及び振幅を変更設定して前記送信経路の異常に起因する送信アンテナ垂直面内指向性の変形を修正し、前記受信系検出手段によって異常な受信経路が検出された場合に、正常な受信経路における受信信号の位相及び振幅を変更設定して前記受信経路の異常に起因する受信アンテナ垂直面内指向性の変形を修正する制御手段と、
を備える。
前記制御手段による前記送信アンテナ垂直面内指向性の修正は、正常時の電波の傾角よりも大きな傾角が設定されるように実行され、これによって、前記送信経路の異常による実動送信アンテナ数の減少に起因したサービスエリアの変動を抑制するようにしている。
Claims (11)
- 2以上の送信経路にそれぞれ接続された送信アンテナに該各送信経路を介して無線信号周波数の高周波電力信号をそれぞれ供給するとともに、2以上の受信経路にそれぞれ接続された受信アンテナの受信信号を該各受信経路を介して合成するように構成され、前記各送信アンテナ相互及び前記各受信アンテナ相互が共に鉛直方向に所定の間隔で配列された移動通信システムの基地局アンテナ装置であって、
前記各送信経路の異常の発生を個別に検出する送信系検出手段と、
前記各受信経路の異常の発生を個別に検出する受信系検出手段と、
前記送信系検出手段によって異常な送信経路が検出された場合に、正常な送信経路における送信信号の位相及び振幅を変更設定して前記送信経路の異常に起因する送信アンテナ垂直面内指向性の変形を修正し、前記受信系検出手段によって異常な受信経路が検出された場合に、正常な受信経路における受信信号の位相及び振幅を変更設定して前記受信経路の異常に起因する受信アンテナ垂直面内指向性の変形を修正する制御手段と、
を備えることを特徴とする移動通信システムの基地局アンテナ装置。 - 前記制御手段は、前記正常な送信経路における送信信号の位相及び振幅の変更設定と、前記正常な受信経路における受信信号の位相及び振幅の変更設定とを、記憶手段に予め格納したデータテーブルのデータに基づいて実行することを特徴とする請求項1に記載の移動通信システムの基地局アンテナ装置。
- 前記各送信経路の異常の発生を個別に検出する送信系検出手段が、前記各送信経路を通過する送信信号のレベルを基準値と比較するように構成され、前記各受信経路の異常の発生を個別に検出する受信系検出手段が、前記各受信経路を通過する受信信号のレベルを基準値と比較するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の移動通信システムの基地局アンテナ装置。
- 前記制御手段は、
前記各送信経路を通過する送信信号の位相・振幅をそれぞれ設定する個別の送信系位相・振幅設定手段と、
前記各受信経路を通過する受信信号の位相・振幅をそれぞれ設定する個別の受信系位相・振幅設定手段と、を備え、
前記各送信経路のうちの前記正常な送信経路について設けられた前記送信系位相・振幅設定手段を用いて前記正常な送信経路における送信信号の位相及び振幅を変更設定し、前記各受信経路のうちの前記正常な受信経路について設けられた前記受信系位相・振幅設定手段を用いて前記正常な受信経路における受信信号の位相及び振幅を変更設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の移動通信システムの基地局アンテナ装置。 - 前記個別の送信系位相・振幅設定手段の後段にそれぞれ増幅器を配置したことを特徴とする請求項4に記載の移動通信システムの基地局アンテナ装置。
- 前記個別の受信系位相・振幅設定手段の前段にそれぞれ増幅器を配置したことを特徴とする請求項4または5に記載の移動通信システムの基地局アンテナ装置。
- 送信の無線信号周波数と受信の無線信号周波数に共用する送受信共用アンテナを前記各送信アンテナ及び受信アンテナとして使用し、前記送受信共用アンテナを対応する前記送信経路及び前記受信経路に分配合成器を介して接続するようにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の移動通信システムの基地局アンテナ装置。
- 前記分配合成器を介して接続する前記送受信共用アンテナが複数個であることを特徴とする請求項7に記載の移動通信システムの基地局アンテナ装置。
- 前記異常な送信経路が検出された場合に、その異常な送信経路に接続された送信アンテナを該送信経路から切り離してその経路を該経路の特性インピーダンスに終端する手段と、前記異常な受信経路が検出された場合に、その異常な受信経路に接続された受信アンテナを該受信経路から切り離してその経路を該経路の特性インピーダンスに終端する手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の移動通信システムの基地局アンテナ装置。
- 前記各送信アンテナの配列間隔及び前記各受信アンテナの配列間隔が共に0.5λ≦d≦1λ(λは、使用周波数帯の中心周波数の波長)に設定されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の移動通信システムの基地局アンテナ装置。
- 前記制御部は、異常を生じた前記送信経路が正常に戻った場合に、送信アンテナ垂直面内指向性を正常な指向性に戻す処理を実行し、かつ、異常を生じた前記受信経路が正常に戻った場合に、受信アンテナ垂直面内指向性を正常な指向性に戻す処理を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の移動通信システムの基地局アンテナ装置。
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