JP2012175435A - 送信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のサービスエリア毎の使用量に応じて放送信号を制御して送信する、効率のよい送信システムを提供する。
【解決手段】複数のサービスエリア(A1〜A4)をもつ放送のための放送信号を生成する送信装置12と、複数のサービスエリアに対応して複数に分配された放送信号のそれぞれの位相または振幅の少なくとも一方を、外部から受けた複数のサービスエリア毎の利用量を示す情報に従って制御する制御手段(P1〜P4、T1〜T4)と、制御手段からの複数の放送信号を受けて放射する、複数のサービスエリアにそれぞれ対応した複数のアンテナ(ANT1〜ANT4)を有する送信システム。
【選択図】図1
【解決手段】複数のサービスエリア(A1〜A4)をもつ放送のための放送信号を生成する送信装置12と、複数のサービスエリアに対応して複数に分配された放送信号のそれぞれの位相または振幅の少なくとも一方を、外部から受けた複数のサービスエリア毎の利用量を示す情報に従って制御する制御手段(P1〜P4、T1〜T4)と、制御手段からの複数の放送信号を受けて放射する、複数のサービスエリアにそれぞれ対応した複数のアンテナ(ANT1〜ANT4)を有する送信システム。
【選択図】図1
Description
この発明に係る実施形態は、放送用の送信システムに関し、特に、各サービスエリアの利用量に応じて振幅または位相を制御する送信システムに関する。
従来、放送用の送信システムにおいては、信号の受信者が一定条件下において受信が可能なように目標となるゲインが設定され、これに応じて送信出力が決定される。
このような送信システムにおいては、送信信号や装置の構成を工夫することにより通信効率をさらに向上させることが知られており、通信効率を向上させることを目的とした技術が多く知られている。
財団法人電子通信学会、「アンテナ工学ハンドブック」、日本、オーム社、昭和55年10月30日、p.313
しかし、従来の放送用の送信システムにおいては、送信設備から提供されるサービスエリアの利用情報(アクセス量、利用量、ユーザーの位置情報)に応じて、例えば、送信装置の出力電力、送信アンテナの指向性パターン、複数送信アンテナ間の電力比を変更する等の処理が行われることがないため、必ずしも十分な省電力化を行うことができない。
本発明は、複数のサービスエリア毎の使用量等に応じて放送信号を制御して送信することにより効率的な送信システムを提供することを目的とする。
課題を解決するための実施形態は、
複数のサービスエリアをもつ放送のための放送信号を生成する送信装置と、
前記複数のサービスエリアに対応して複数に分配された前記放送信号のそれぞれの位相または振幅の少なくとも一方を、外部から受けた前記複数のサービスエリア毎の利用量を示す情報に従って制御する制御手段と、
前記制御手段からの前記複数の放送信号を受けて放射する、前記複数のサービスエリアにそれぞれ対応した複数のアンテナと、
を具備することを特徴とする送信システムである。
複数のサービスエリアをもつ放送のための放送信号を生成する送信装置と、
前記複数のサービスエリアに対応して複数に分配された前記放送信号のそれぞれの位相または振幅の少なくとも一方を、外部から受けた前記複数のサービスエリア毎の利用量を示す情報に従って制御する制御手段と、
前記制御手段からの前記複数の放送信号を受けて放射する、前記複数のサービスエリアにそれぞれ対応した複数のアンテナと、
を具備することを特徴とする送信システムである。
すなわちこの発明によれば、送信設備から提供されるサービスエリアの利用情報(アクセス量、利用量、ユーザーの位置情報)に応じて、送信装置の出力電力、送信アンテナの指向性パターン、複数送信アンテナ間の電力比等を変更することで、より小さい出力電力の送信設備でも広範囲のカバー率を実現し、効率的な運用が可能となるため省電力化を図ることができる。これにより、環境面での貢献度が高く、ランニングコストを低減したシステム構築が可能になる。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る送信システムの構成図、図2は、各送信用アンテナ部に対応するサービスエリアを説明する模式図、図3は、送信システムの基本的構造を示すブロック図、図4は、送信システムの基本的構造を示す概観図である。
ここで、図1乃至図4の例では送信用アンテナを4台備えた場合とする。送信システムの基本的構造として図3および図4に示すように、まず、送信装置12の出力端を分配器13の入力端に接続し、ジャンクションボックス等の分配器13により送信信号を4分配し、分配器13は4つの分配出力を有する。分配出力は、ケーブル27を介して、各送信用アンテナANT1〜ANT4に供給される。送信装置12は、図4に示すように、例えば、局舎20の中に設けられる。
このような基本構造をもった送信システムに対して、本発明の一実施形態の送信システムは、図1に示すように、各送信用アンテナの位相調整、振幅調整を可変することを目的として、分配器13の分配出力から各送信用アンテナANT1〜ANT4の間にそれぞれ可変型位相制御部、可変型振幅制御部が設けられる。
具体的な構成を、図面を用いて以下に詳細に説明する。
分配器13の第1の分配出力を第1の可変型振幅制御部T1に接続し、その出力を第1の可変型位相制御部P1に接続し、その出力を第1の送信用アンテナANT1に接続する。同様に、分配器13の第2の分配出力を第2の可変型振幅制御部T2に接続し、その出力を第2の可変型位相制御部P2に接続し、その出力を第2の送信用アンテナANT2に接続する。同様に、分配器13の第3の分配出力を第3の可変型振幅制御部T3に接続し、その出力を第3の可変型位相制御部P3に接続し、その出力を第3の送信用アンテナANT3に接続する。同様に、分配器13の第4の分配出力を第4の可変型振幅制御部T4に接続し、その出力を第4の可変型位相制御部P4に接続し、その出力を第4の送信用アンテナANT4に接続する。
分配器13の第1の分配出力を第1の可変型振幅制御部T1に接続し、その出力を第1の可変型位相制御部P1に接続し、その出力を第1の送信用アンテナANT1に接続する。同様に、分配器13の第2の分配出力を第2の可変型振幅制御部T2に接続し、その出力を第2の可変型位相制御部P2に接続し、その出力を第2の送信用アンテナANT2に接続する。同様に、分配器13の第3の分配出力を第3の可変型振幅制御部T3に接続し、その出力を第3の可変型位相制御部P3に接続し、その出力を第3の送信用アンテナANT3に接続する。同様に、分配器13の第4の分配出力を第4の可変型振幅制御部T4に接続し、その出力を第4の可変型位相制御部P4に接続し、その出力を第4の送信用アンテナANT4に接続する。
これにより、送信装置12の出力端から送出された信号は、分配器13および各可変型振幅制御部、可変型位相制御部を経由して各送信用アンテナからそれぞれ送出され、所定のサービスエリアに任意のサービスを提供することができる。
次に、アンテナ・送信装置用制御部11は、第1の可変型振幅制御部T1、第1の可変型位相制御部P1、第2の可変型振幅制御部T2、第2の可変型位相制御部P2、第3の可変型振幅制御部T3、第3の可変型位相制御部P3、第4の可変型振幅制御部T4、第4の可変型位相制御部P4、および送信装置12にそれぞれ接続する。
アンテナ・送信装置用制御部11には、サービスエリアの受信利用量、アクセス量の情報を入力させる必要があるが、その一例として以下に述べる。
まず、サービスエリアで提供されるサービスを受信するための受信装置として、通信機能を有する携帯電話端末を例に説明する。サービスエリア内にてユーザが携帯電話端末でサービスを受信する際に、既存の携帯電話通信網を利用して、アクセスしている意思を信号として自動的に発信し、この情報を管制局H等で受信し管理・集計する。ここで、携帯電話通信網は既存のキャリア事業者の通信網を指す。この情報には携帯電話端末が有するGPS機能にてユーザの位置情報も含まれるものとする。同様に、複数のユーザからのアクセス情報が管制局で受信・集計されることで、どのサービスエリアでどのくらいアクセス数(利用量)があるか、管制局にて把握できることになる。
系統図にて説明すると、第1の携帯電話端末K1からのアクセス情報が管制局Hで受信され、同様に、第2の携帯電話端末K2、第3の携帯電話端末K3と、複数の携帯電話端末からのアクセス情報が管制局Hで受信され、管理・集計される。
次に、管制局では集計された情報から、サービスが受信されているエリア(位置情報)、および利用量情報をサービスエリアを提供している送信設備に教える必要があるが、これは送信設備に備えられた遠方監視制御装置10を利用し、通信回線にて情報を提供する。この通信回線は専用電話回線、Foma回線などがある。
この遠方監視制御装置10から、サービスが受信されているエリアの利用量情報、位置情報を、アンテナ・送信装置用制御部11に送出する。
次に、アンテナ・送信装置用制御部11では、得られた各サービスエリアの利用量、位置情報から、各制御を行う。これについては図3も用いて説明する。
図2は、各送信用アンテナ部に対応するサービスエリアを説明する模式図である。図2において、送信用アンテナ部を上面から見た場合の各サービスエリアが示されている。まず、第1の送信用アンテナANT1で提供される第1のサービスエリアA1にてアクセス情報があるが、第2の送信用アンテナANT2で提供される第2のサービスエリアA2にてアクセス情報がない場合を想定する。
この場合、第1のサービスエリアA1には電波を送出する必要があるが、第2のサービスエリアA2には電波を送出する必要はないため、第1の送信用アンテナANT1からは規定の電波が送出されるようにアンテナ・送信装置用制御部11から第1の可変型振幅制御部T1および第1の可変型位相制御部P1を制御するとともに、第2の送信用アンテナANT2から出力される電波の強さを抑えるように、第2の可変型振幅制御部T2および第2の可変型位相制御部P2を制御する。
第1の可変型振幅制御部T1と第1の可変型位相制御部P1は、一体に構成することができ、例えば、特許文献5に記載された可動スラグを備える同軸形インピーダンス整合器が利用でき、或いは、特許文献6に記載されたスタブ素子や、特許文献7に記載された調整リングを備えるインピーダンス補償回路等を組合わせて実現することができる。
アンテナ・送信装置用制御部11は、可変型振幅制御部T1〜T4等を制御する間、分配器13の入力側から見たインピーダンスを一定に保つことが望ましい。また送信用アンテナANT1〜ANT4の種類や配置にも依存するが、一般に送信用アンテナANT1〜ANT4への給電位相も一定に保った方がよい。給電位相を変化させると指向性の自由度が増すが、隣り合う送信用アンテナ(例えば、ANT1、ANT2)の間の方向への放射電力が落ち込み、アンテナ全体としても望ましくない指向性になることが多い。
アンテナ・送信装置用制御部11による最も簡単な制御は、各送信用アンテナへの給電位相および出力インピーダンスを殆ど変化させずに可変型振幅制御部の入力インピーダンスを変化させる制御値の組(対を成す可変型振幅制御部と可変型位相制御部に与える制御値の組)を予めテーブル化して記憶しておき、電波を強めたい送信アンテナに対応する制御値の組を電力が増える方向(入力インピーダンスが小さくなる方向)に微小量変化させ、分配器13の入力端における定在波比を最小化するように、最急降下法等で他の送信アンテナに対応する制御値を適応更新する、という動作を繰返すものである。分配器13がジャンクションボックスである場合、可変型振幅制御部T1〜T4の夫々の入力インピーダンスの並列合成値を一定(例えば50Ωの純抵抗)に保つことができれば、どのような制御でも良い。
次に、第1のサービスエリアA1のうち、中心部となる第1のサービスエリアA1’にアクセス情報が集中し、その他の第1のサービスエリアA1内でのアクセス情報が少ない場合を想定する。この場合は、第1の可変型振幅制御部T1および第1の可変型位相制御部P1にて、第1の送信用アンテナANT1の指向性パターンを中心部となる第1のサービスエリアA1’が強調されるように制御することで対応可能である。このとき、中心部となる第1のサービスエリアA1’内の携帯電話端末での受信感度は増加するが、それ以外の第1のサービスエリアA1内の受信電界強度は低下する。
次に、第1のサービスエリアA1と第2のサービスエリアA2の間のフリンジエリアおよび不感領域である中間サービスエリアA5にて、アクセス情報が集中している場合を想定する。この場合は、第1の可変型振幅制御部T1および第1の可変型位相制御部P1、第2の可変型振幅制御部T2および第2の可変型位相制御部P2にて、第1の送信用アンテナANT1およびの第2の送信用アンテナANT2の指向性パターンを中間サービスエリアA5が強調されるように制御することで対応可能である。
次に、第1のサービスエリアA1、第2のサービスエリアA2、第3のサービスエリアA3、第4のサービスエリアA4すべてにてアクセス情報がない場合を想定すると、アンテナ・送信装置用制御部11から送信装置12に対して送出される電力を抑えるように制御を行う。この制御は送信装置に対して、電圧制御による電力調整機能(例えばPIN型減衰器)を備えておけば実現可能である。
同様に、第1のサービスエリアA1、第2のサービスエリアA2、第3のサービスエリアA3、第4のサービスエリアA4すべてにてアクセス情報があり、特に各サービスエリアのフリンジ部にてアクセス情報が多い場合を想定すると、アンテナ・送信装置用制御部11から送信装置12に対して送出される電力を増力するように制御を行う。この制御も上述同様に、送信装置12に対して、電圧制御による電力調整機能を備えておけば実現可能である。
但し、送信装置12の出力電力の増減は電波法の観点からもある規定制限の範囲内で制御できる必要があるが、これは例えばオペアンプ、コンパレータを用いてしきい値での動作範囲を設けることで実現は容易である。
ここで、本送信設備が減力運転となり、所定のサービスエリアが縮小しアクセスしようとする携帯電話端末がサービスエリアの範囲外となっていた場合でも、携帯電話通信網の範囲内であれば、アクセスした携帯電話端末をサービスエリア内にさせることができるため、サービスの提供は可能である。
また、受信装置の例として携帯電話としたが、通信機能・位置情報発信機能を有する機器であれば、カーナビ、モバイル端末、ゲーム機、音楽プレイヤー等もサービス受信状況を提供することができる機器として、本発明の対象になりえる。
また、本発明のうち遠方監視制御装置を設置する本来の目的は送信設備の装置の状態、品質の監視または制御を遠方から行うためであり、本発明のために別途設置するものではなく、新たに追加が必要な機器ではない。
(第1実施形態)
第1実施形態は、複数のサービスエリア毎の使用量等に応じて放送信号を制御して送信することにより効率的な送信システムを提供する。図5は、第1実施形態に係る送信装置12の構成の一例を示すブロック図である。この実施形態の送信装置12では、高い自由度でアンテナの水平指向性を可変でき、電力増幅器の故障にも対応できる構成を、安価に実現することを主眼にしている。
第1実施形態は、複数のサービスエリア毎の使用量等に応じて放送信号を制御して送信することにより効率的な送信システムを提供する。図5は、第1実施形態に係る送信装置12の構成の一例を示すブロック図である。この実施形態の送信装置12では、高い自由度でアンテナの水平指向性を可変でき、電力増幅器の故障にも対応できる構成を、安価に実現することを主眼にしている。
送信装置12は、放送TS(Transport Stream)信号が与えられる励振器31−1、31−2,31−3、31−4と、これらの後段に設けられる電力増幅器38−1〜38−4と、これらの後段に設けられる給電経路切替器39と、これらの後段に設けられる給電ケーブル42−1〜42−4と、これらの後段に設けられる送信アンテナANT1〜ANT4と、これらの動作を制御する全体制御部30とを備える。励振器31−1、31−2、31−3、31−4は、ISDB−Tに規定される放送TSストリームを入力されると、OFDM変調等を行い、所望の位相や利得に制御した後、放送される周波数帯の信号に変換して、対応する電力増幅器38−1に供給する。
電力増幅器38−1は、例えば、6MHz帯域当たりの出力が200W程度のVHF帯電力増幅器であり、最終段は4〜8個の増幅素子の出力がウィルキンソン合成器等で4〜8合成される構成になっている。電力増幅器38−1は、出力を停止したり減力したりする際に使用する制御信号入力を有する。
給電経路切替器39は、4入力4出力の機器であり、通常時は、電力増幅器38−1〜38−4の出力を、送信アンテナANT1〜ANT4に1対1に接続し、電力増幅器38−1の故障時は、電力増幅器38−1を切離すとともに電力増幅器38−2の出力を2分配して送信アンテナANT1〜ANT4に供給できるようにする。他の故障時も同様である。給電経路切替器39は各アンテナへの給電路上でVSWRや直流抵抗を検出する検出器41−1〜41−4を備える。
送信アンテナANT1〜ANT4は、2ダイポール、双ループなどの平面反射板付きアンテナであり、それらを所定の回転対称軸(例えば鉛直軸)に対して外側を向きつつ4回対称に配置することで、適切に給電すればほぼ水平無指向性を得ることができる多面合成アンテナを構成する。送信アンテナANT1〜ANT4は、それぞれ給電ケーブル42−1〜42−4を介して給電経路切替器39に接続される。例えば各面が東西南北を向いた4面合成アンテナにおいて送信アンテナANT1〜ANT4が東西南北に夫々対応しているとすると、給電ケーブル42−1からの送信信号は全て東向きに放射されることになる。
全体制御部30は、先のアンテナ・送信装置用制御部11に相当し、遠方監視制御装置10からの指示に基づき、所定の放射パターンおよび放射電力になるように、4対の位相制御値および振幅制御値を生成し、対応する励振器31−1、31−2,31−3,31−4に夫々与える。また給電経路切替器39が検出したVSWR等の異常に応じて、電力増幅器38−1〜38−4を停止させたり、遠方監視制御装置10にアラームを伝送したり、全体制御部30が備える表示器に所定の表示を行ったりする。
このようにこの実施形態の送信装置12では、非常時以外互いに独立した同構成の系統(励振器および電力増幅器)をアンテナ数(正確にはアンテナへの給電ケーブル42の本数)と同数備え、送信アンテナへの給電位相や振幅の制御を励振器においてベースバンドで行えるようにしたものであり、指向性を微調整するために送信アンテナ側(放射素子への給電端)に設けられることが多い位相(インピーダンス)調整機構も不要にできる場合がある。
続いて励振器31−1、31−2,31−3,31−4の詳細を説明する。OFDM変調器32は、入力された放送TS(Transport Stream)信号をARIBSTD−B31に従い、帯域幅6MHzの伝送信号(ベースバンドのI/Q信号)に変換する。アップサンプラー33は、後段の処理に適するように伝送信号のサンプルレートを数倍に変換(アップサンプル)する。f特補償部34は、電力増幅器38−1や給電経路切替器39で受ける周波数特性の逆特性に相当する特性を、アップサンプラー33からの伝送信号に与えて出力するフィルタである。DPD(Digital Pre-Distorter)35は、電力増幅器38−1で発生する非線形歪みの逆特性に相当する特性を有し、f特補償部34からの伝送信号に予歪みを与える。アップコンバータ(Up-converter)36は、DPD35からの伝送信号をデジタル直交変調後、D/A変換し、内蔵するルビジウム発振器を源振として生成した局部信号と混合して得られる無線周波送信信号を出力する。
制御部37は、OFDM変調器32、f特補償部34、DPD35およびアップコンバータ36に対して必要な制御や監視を行う。また全体制御部30から入力された位相制御量と振幅制御量を、DPD35に固定移相量、固定ゲインとして与えたり、各励振器31−1、31−2,31−3,31−4内のOFDM変調器32の動作を同期させる信号を与える。つまりこの実施形態のDPD35は、通常の予歪みとしての移相やゲインの制御量に、この固定移相量および固定ゲインを加算した制御量で、伝送信号を制御する。なお、励振器31−1、31−2,31−3,31−4にリミッタを設ける場合は、f特補償部34とDPD35の間に挿入する。
続いて、給電経路切替器39の詳細を説明する。電力増幅器38−1、38−2の出力は、Uリンク装置の2つの入力ポートに夫々入力される。Uリンク装置は、等距離(例えば正方格子状)に配置された複数のポートを架け替え自在に接続するU字状の同軸金属管(或いは導波管)であり、Uリンクの接続を片側を支点にして機械的に(手動で)架け替えることで、高周波電力信号の経路を切り替えるものである。ここでは3つのUリンクがあり、図5で実線で示した接続が通常時(直結)、破線が非常時(2分配)のものであり、非常時には電力増幅器38−1か38−2の一方の出力が中央側のポートに接続され、T分岐に導かれる。T分岐では入力電力を2等分配し、送信アンテナANT1〜ANT4に供給できるようになる。
この実施形態の説明では、励振器31−1、31−2,31−3,31−4の夫々にOFDM変調器32やアップサンプラー33を設けたので、帯域分割等、4つのOFDM変調器32の出力を異ならせる使い方も可能であるが、通常は4つのOFDM変調器32の出力は同一であり、4重の冗長になる。その場合、OFDM変調器32の出力を電力増幅器に分配出力して共用し、台数を減らしても良い。また、送信アンテナの数と給電ケーブルの本数を同数として説明したが、例えば給電ケーブルを4本とし、鉄塔のアンテナ設置場所付近でそれぞれ2分岐させて8個のアンテナ(例えば8面構成の多面合成アンテナ)に給電してもよい。
送信アンテナとしては、4回対称に配置されうるものであれば、平面反射板付きアンテナに限らず、スキューアンテナやスーパーターンスタイルアンテナ等、多様なものが利用でき、同相給電と位相差給電のどちらにも対応できる。位相差給電とは、4面合成アンテナ構成時に隣り合う送信アンテナANT1〜ANT4への給電に90度ずつ位相差を与えるものであり、その位相差は経路切替前後で位相を保つために給電経路切替器39の後で発生させることが望ましい。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態の送信システムに加えて、給電経路切替器を用いた送信システムを提供する。図6は、第2実施形態に係る送信装置12で用いられる給電経路切替器39の内部構成図である。この実施形態の送信装置12も、第1実施形態同様、アンテナ指向性の任意可変できることと、運転増幅器数の減少時も指向性を維持することを目標とし、特許文献8や非特許文献1のように、バトラーマトリクスを用いてそれを試みたものである。給電経路切替器以外の構成は第1実施形態と同様であるので図示および説明を省略する。
第2実施形態は、第1実施形態の送信システムに加えて、給電経路切替器を用いた送信システムを提供する。図6は、第2実施形態に係る送信装置12で用いられる給電経路切替器39の内部構成図である。この実施形態の送信装置12も、第1実施形態同様、アンテナ指向性の任意可変できることと、運転増幅器数の減少時も指向性を維持することを目標とし、特許文献8や非特許文献1のように、バトラーマトリクスを用いてそれを試みたものである。給電経路切替器以外の構成は第1実施形態と同様であるので図示および説明を省略する。
一般に、バトラーマトリクス(バトラーアレイ、バトラーネットワークとも呼ばれる)は、90度或いは180度ハイブリッドや位相器等を組合わせて離散的フーリエ変換機能を持たせたものであり、N個の入力ポートからの信号は、N個の出力ポートから入力ポートに対応する一定の位相差(N=4の場合、例えば±45度と±135度)で出力される。バトラーマトリクスは、例えば、無指向アンテナに応用することができる。
この実施形態の給電経路切替器39は、180度ハイブリッド(マジックT)であるハイブリッド51〜54と、0〜90度の範囲で進み又は遅れ移相量を可変できる移相器(インピーダンス変換線路)55〜58と、VSWR・直流抵抗検出器59〜62と、切替器制御部63を備えている。
ハイブリッド51〜54は、第1〜第4のポート(夫々、A、D(DELTA)、B、S(SUM)と呼ばれる)を有する、実質的に無損失な受動回路であり、D−A間、A−S間、S−B間が位相π/2に相当する線路で接続され、B−D間が位相3π/2に相当する線路で接続された回路網(ラットレース)に相当する。この回路網のはたらきは、固定位相を省略した図10が示す散乱行列で表現される。
ハイブリッド51は、電力増幅器38−1、38−2の出力をAポートおよびBポートに夫々入力され、DポートおよびSポートから出力する。ハイブリッド52は、電力増幅器38−3、38−4の出力をBポートおよびAポートに夫々入力され、SポートおよびDポートから出力する。
移相器55は、ハイブリッド51のDポートの出力を所定量移相して出力する。移相器56は、ハイブリッド52のDポートの出力を所定量移相して出力する。
ハイブリッド53は、移相器55の出力とハイブリッド52のSポートの出力をBポートおよびAポートに夫々入力され、DポートおよびSポートから系統A(Br−A)およびBr−Cへの出力とし夫々出力する。ハイブリッド52は、移相器56の出力とハイブリッド51のSポートの出力をBポートおよびAポートに夫々入力され、SポートおよびDポートからBr−BおよびBr−Cへの出力とし夫々出力する。
次に、図6の給電経路切替器39の作用を説明する。電力増幅器38−1〜38−4から夫々入力される信号a〜dは、夫々電力を4等分されてBr−A〜Br−Dに出力される。ここで簡単のために、信号a〜dは位相および振幅のみ異ならせることができる同一信号とし、移相器55〜58の移相量を全て0とすると、Br−A〜Br−Dの出力の位相は図11に示す対照表で特定される。
図11の表において、ある系統(例えばBr−A)に互いに逆相で現れる信号の対(例えば信号bと信号b以外のどれか)は、始めからハイブリッドから分岐されなかったと考えることができ、入力数が4であるのに対照表中の数の和が8であるので、対照表中の1は、入力信号の1/2に相当する。
信号bとcの位相が逆相(−1)になるように励振器31−1、31−2,31−3,31−4を設定すれば、Br−A〜Br−Dに現れる電力増幅器38−1〜38−4の合成出力は、全て1になる。また、信号bとdの位相を90度進相になるように励振器31−1、31−2,31−3,31−4を設定すれば、Br−A〜Br−Dに現れる合成出力は、夫々−j、j、1、−1になる。前者が同相給電、後者が位相差給電に対応する。
次に、電力増幅器38−1〜38−4のいずれか1つが故障し、対応する入力信号が0になった場合を考える。通常時の位相設定のままでは、同相給電では位相差は生じないものの電力比で3倍の差が生じ、位相差給電では電力比でルート5倍の差が生じるとともに位相もずれてしまう。そこで切替器制御部63は、励振器31−1、31−2,31−3,31−4に設定する位相(および振幅)と移相器55〜58の移相量を変更して、故障の影響を少なくする制御を行う。一例として移相器55は、位相差給電で信号aとbに90度位相差を与えていたときに一方の信号が途絶えた場合でも、ハイブリッド51からの出力の位相差を90度に保つために役立つ。
故障時の制御方法としては、現在のアンテナ指向性を極力維持する方法(方法A)、特定の方向への放射電力を下げて他方向の放射電力(指向性)を維持する方法(方法B)、生き残った電力増幅器の出力を増大させて(信号品質を犠牲にして)指向性や電力を極力維持する方法(方法C)、等がある。いずれの方法においても、アンテナの特性が関係するので、最適な設定するには、事前の測定等により作成したテーブルを参照して制御を行うことになる。各系統に対応する4つのアンテナ間の結合が強い場合、本来の給電位相からずれるとインピーダンスが変化し、その影響は全ての電力増幅器に及ぶ。必要に応じて、隣り合うアンテナ間に2次元マッシュルーム(EBG)等の右手/左手系複合寄生素子を配置し、結合を抑制する。
上記した方法A乃至方法Cのいずれの方法によっても、1台の故障に対して完全な等電力分配を保つのは不可能で、必ず出力の低い系統が生じる。しかし、この実施形態の給電経路切替器39の特徴として、その低出力系統を、故障した電力増幅器38とは無関係に任意に選ぶことができ(通常、視聴者の少ない方角に選ぶ)、しかもそれは電力増幅器の負荷インピーダンスの不整合を更に悪化させることなく励振器31−1、31−2,31−3,31−4への位相設定のみで可能なので、方法Bは比較的容易である。
方法Cによれば、方法AやBで生じる低出力系統を軽減できる。2〜3台の故障に対しては等電力分配が可能であり、現用の電力増幅器を始めから2台にしてもよい。
この実施形態の説明では、ハイブリッド51〜54は180度のものとしたが、90度のもの(カプラ)でも同様に動作するバトラーマトリクスを構成でき、移相器の可変範囲も少なくてすむ。また、移相器55〜58は必須ではなく、移相器55、56のみ備えてもよく、全て無くても良い。
(第3実施形態)
第3実施形態は、簡略化された給電経路切替器を用いた送信システムを提供する。図7は、第3実施形態に係る送信装置12で用いられる給電経路切替器39およびその周辺の内部構成図である。この実施形態の送信装置12は、給電の系統数を2とし構成を大幅に簡略化しつつ、図6の第2実施形態に近い効果が得られるものである。第1実施形態と同様な構成は、図示および説明を省略する。この実施形態の給電経路切替器39’は、4入力2出力の機器であり、同一構成の2個のλ/2線路型多合成器40−1’および40−2’からなる。λ/2線路型多合成器40−1’および40−2’は、同一構成の複数個の線路となるハイブリッド51、52、53、54と、移相器55,56と、合成点43,44とを有する。
第3実施形態は、簡略化された給電経路切替器を用いた送信システムを提供する。図7は、第3実施形態に係る送信装置12で用いられる給電経路切替器39およびその周辺の内部構成図である。この実施形態の送信装置12は、給電の系統数を2とし構成を大幅に簡略化しつつ、図6の第2実施形態に近い効果が得られるものである。第1実施形態と同様な構成は、図示および説明を省略する。この実施形態の給電経路切替器39’は、4入力2出力の機器であり、同一構成の2個のλ/2線路型多合成器40−1’および40−2’からなる。λ/2線路型多合成器40−1’および40−2’は、同一構成の複数個の線路となるハイブリッド51、52、53、54と、移相器55,56と、合成点43,44とを有する。
線路であるハイブリッド51は、電力増幅器38−1の出力整合回路の出力端(電力増幅器38−1の出力インピーダンスが50Ωだとして、その50Ωが得られた直後の場所)と、合成点43との間を所定の電気長で接続する線路であり、例えば一定の特性インピーダンスを持つ同軸ケーブルが用いられる。所定の電気長は、jkmに接続される複数の電力増幅器38の間のアイソレーションを大きくでき(つまり1つが故障或いは停止したときの他の電力増幅器38の出力の損失を少なくでき)、またそのような時に故障した電力増幅器38側に異常な高電圧が発生しないような値に選べばよく、通常はλ/4の奇数倍を避けてλ/2の整数倍付近に設定される。ハイブリッド52も同様である。
移相器53、56は、線路であるハイブリッド51、52(または54、55)からの並列合成により低下したインピーダンスを所定のインピーダンス(50Ω)に変換して出力するλ/4線路である。このようにこの実施形態の給電経路切替器39には任意に給電経路を切替えられる機能は無いが、便宜的にそう呼ぶことにする。
λ/2線路型多合成器40−1’および40−2’の出力は、給電経路切替器39’を出て検出器(不図示)を介して給電ケーブル57,58に接続される。給電ケーブル57はアンテナ側端部で2分配され、送信アンテナANT1、ANT2に接続される。給電ケーブル58も同様に2分配され、送信アンテナANT3、ANT4に給電される。送信アンテナANT1、ANT2は互いに反対向き(例えば東と西)であり、また送信アンテナANT3、ANT4も同様に反対向きで、送信アンテナANT1、ANT2とは90度ずれた関係にある。
次に、本実施形態の作用を説明する。λ/2線路型多合成器40−1’によって合成される電力増幅器38−1と38−2の出力が同相、同利得で合成されるよう、励振器31−1,31−2に与える位相、利得は連動させる。励振器31−3,31−4の扱いも同様である。この結果、給電ケーブル57,58で給電される送信信号の位相(相対位相)と利得(相対利得)を、励振器31−1、31−2,31−3,31−4への設定により任意に可変できることになる。2つの給電信号の利得比のみ制御すれば、東西方向或いは南北方向に利得が高い繭型の指向性を得ることができ、位相の制御も合わせれば、指向性の方向を東西や南北以外に向けることができる。励振器31−1、31−2,31−3,31−4に与える位相等を制御する全体制御部30は、複数の想定される指向性(放射パターン)を実現する位相制御量等の組み合わせおよびそのときのアンテナ利得の周波数偏差をシミュレーションにより事前に求めておき、遠方監視制御装置からの指示に応じ、励振器31−1、31−2,31−3,31−4等に与える位相制御量等を連続的に変化させて指向性の変更を行うとともに、周波数偏差を補償する特性をf特補償部34に設定する。
なお、この実施形態では、λ/2線路型多合成器40−1’、40−2’の合成数を2としたが、より多いほうが、合成される電力増幅器38の1台が故障したときの影響が少なく、望ましい。
(第4実施形態)
第4実施形態は、上下方向に3段で構成される4面合成アンテナを用いた送信システムを提供する。図8および図9は、第4実施形態に係る送信装置12で用いられる送信アンテナの接続図である。この実施形態の送信装置12は、2系統の給電の片方が停止しても、指向性が大きく変化しないようにしたもので、先の実施形態と組みあせることができる。以下、第3実施形態と組み合わせた場合を説明する。
第4実施形態は、上下方向に3段で構成される4面合成アンテナを用いた送信システムを提供する。図8および図9は、第4実施形態に係る送信装置12で用いられる送信アンテナの接続図である。この実施形態の送信装置12は、2系統の給電の片方が停止しても、指向性が大きく変化しないようにしたもので、先の実施形態と組みあせることができる。以下、第3実施形態と組み合わせた場合を説明する。
図8および図9の接続図は、どちらも、4面合成アンテナを上下方向に3段設けた場合の接続例であり、上段を構成する送信アンテナ71a〜71dと、中段を構成する送信アンテナ72a〜72dと、下段を構成する送信アンテナ73a〜73dとからなる。送信アンテナ71a、72a,73aがA面を構成し、送信アンテナ71b、72b,73bがB面を構成し、送信アンテナ71c、72c,73cがC面を構成し、送信アンテナ71d、72d,73dがD面を構成する。なおこの実施形態のA面〜D面は、先の実施形態と異なり、水平面で順次90度ずつ回転させた方向(例えば西、南、東、北)を向くものである。図8では、給電ケーブル57のアンテナ側端部がジャンクションボックスに接続され、そこで6分配されて送信アンテナ71a、71c、72b,72d,73a,73cに給電され、給電ケーブル58のアンテナ側端部も同様に6分配されて送信アンテナ71b、71d、72a,72c,73b,73dに給電される。
同様に、図9では、給電ケーブル57のアンテナ側端部が6分配されて送信アンテナ71a〜71d、72a,72cに給電され、給電ケーブル58のアンテナ側端部も同様に6分配されて送信アンテナ72b,72d,73a〜73dに給電される。
なお、実際には6分配後、各送信アンテナ毎に固有の移相を与える。すなわち、山頂等に設置される送信所では方角によって市街地までの距離が異なるため、方角毎にチルトを設定する必要があるためである。通常時は、給電ケーブル57,58から同移相、同利得(同電力)で給電されるものとして、中段の送信アンテナ72a〜72dの位相を基準として上段と下段の送信アンテナ毎に進みや遅れの移相量を設定しておく。
図8、図9のどちらの場合も、給電ケーブル57の系統aは、A面とC面には送信アンテナが2面あるのに対しB面とD面には1面しかない。給電ケーブル58の系統bは、B面とD面には送信アンテナが2面あるのに対しA面とC面には1面しかない。このため、系統aと系統bの給電電力比を可変することで、繭型の指向性を発生させ制御することができる。その際、上段から下段にかけての電力比が上下対称であるので、チルトの変動を少なくできる。
(効果)
以上のように本発明によれば、送信設備から提供されるサービスエリアの利用情報(アクセス量、利用量、ユーザの位置情報)に応じて、送信装置12の出力電力、送信アンテナの指向性パターン、複数送信アンテナ間の電力比を変更することができるため、より小さい出力電力の送信設備でも広範囲のカバー率を実現し、より効率的な運用が可能になり省電力化を図ることができる。以上より、環境面での貢献度が高く、ランニングコストを低減したシステム構築が可能になる。
以上のように本発明によれば、送信設備から提供されるサービスエリアの利用情報(アクセス量、利用量、ユーザの位置情報)に応じて、送信装置12の出力電力、送信アンテナの指向性パターン、複数送信アンテナ間の電力比を変更することができるため、より小さい出力電力の送信設備でも広範囲のカバー率を実現し、より効率的な運用が可能になり省電力化を図ることができる。以上より、環境面での貢献度が高く、ランニングコストを低減したシステム構築が可能になる。
特に、深夜帯や、駅前周辺、観光地、山間部など時間帯、時期によってアクセス量の変化が大きい場所のサービスエリアに対しては本発明がより効果的に活用できると思われる。
具体的には、海水浴場周辺では一般的に夏季に集中的にサービスの利用量が増加するが、冬季はサービスの利用状況は極端に低下すると思われる。同様に、スキー場では冬季のみサービスの利用量が増加しシーズンオフ時はほとんど利用されないと思われる。
また、レジャーランドにおいても閉園後はほぼ利用はなくなり、サービスエリアを確保する必要はなくなる。
したがって、サービスの必要がない無駄なエリアにはサービスを提供しないで運用できるようになり、無駄を削減した効率的な運用が可能である。
さらに、各放送所におけるサービスエリア範囲を可変できるため、置局数を最小限にし、指向性パターンを制御することで同じ出力電力でもより遠くまで、また、通常受信電界強度が低いエリアにサービスエリアを拡大させることも可能になり、効率的なエリアカバー率の確保を実現できる。したがって、設備設置費用に関わる投資額のコストダウンを図ることができる。
加えて、災害時にはサービスエリアを拡大させて緊急放送を効率的に提供可能にすることも期待できる。例えば、200W出力が可能な送信設備を通常は減力にて100W運用としてサービスエリアを確保し、災害時は200Wに増力してより広範囲に緊急放送を提供できるようにする。これにより、より不感帯エリアを削減できるとともに、もし地震等で近隣の放送所が破壊されてしまった場合でもサービスの受けられないエリアを極力減らせ、災害時の支援への貢献をすることが期待できる。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…送信システム、10…遠方監視制御装置、K1、K2、K3…携帯電話、H…管制部、11…アンテナ・送信装置用制御部、12…送信装置、13…分配器、T1、T2、T3、T4…可変型振幅制御部、P1、P2、P3、P4…可変型位相制御部、ANT1、ANT2、ANT3、ANT4…送信用アンテナ。
Claims (2)
- 複数のサービスエリアをもつ放送のための放送信号を生成する送信装置と、
前記複数のサービスエリアに対応して複数に分配された前記放送信号のそれぞれの位相または振幅の少なくとも一方を、外部から受けた前記複数のサービスエリア毎の利用量を示す情報に従って制御する制御手段と、
前記制御手段からの前記複数の放送信号を受けて放射する、前記複数のサービスエリアにそれぞれ対応した複数のアンテナと、を具備することを特徴とする送信システム。 - 前記送信装置は、前記複数のサービスエリア毎の利用量に応じて前記複数の放送信号のそれぞれの出力電力を制御する制御部をさらに有することを特徴とする請求項1記載の送信システム。
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JP2011035940A JP2012175435A (ja) | 2011-02-22 | 2011-02-22 | 送信システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015109647A (ja) * | 2013-12-04 | 2015-06-11 | フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド | Rf電力増幅および分配システム、プラズマ点火システム、ならびにそれらの動作方法 |
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2011
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