WO2023149042A1 - アンテナモジュール、アンテナシステム、及び電波受信方法 - Google Patents

アンテナモジュール、アンテナシステム、及び電波受信方法 Download PDF

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    • H01Q21/00Antenna arrays or systems
    • H01Q21/24Combinations of antenna units polarised in different directions for transmitting or receiving circularly and elliptically polarised waves or waves linearly polarised in any direction

Abstract

複数のアンテナ素子の各々が、直交する2つの直線偏波を受信する2つのポートを含む。処理部が、複数のアンテナ素子で受信された信号を処理する。複数のアンテナ素子が2つのポートのそれぞれによって受信する直線偏波の偏波方向は、複数のアンテナ素子の間で異なっている。処理部は、電波が到来したときに複数のアンテナ素子に含まれる複数のポートのそれぞれで受信される直線偏波成分の受信レベルを複数のポートの間で比較し、受信レベルが最も高いポートを検出する。

Description

アンテナモジュール、アンテナシステム、及び電波受信方法
 本発明は、アンテナモジュール、アンテナシステム、及び電波受信方法に関する。
 複数個の円偏波アンテナ素子を配列して構成された円偏波アレーアンテナの軸比を改善する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された技術では、3種類の直線偏波成分の放射電界強度を等しくするように、複数の円偏波アンテナ素子の励振位相を求め、この位相で複数の円偏波アンテナ素子を励振する。
特開平3-249807号公報
 送信アンテナ及び受信アンテナの少なくとも一方の向きが固定されていないような通信、例えば携帯端末と基地局との通信においては、一方のアンテナに円偏波アンテナが用いられ、他方のアンテナに直線偏波アンテナが用いられる。円偏波アンテナから送信される電波は、一般的には完全な円偏波にはならず、楕円偏波になる。楕円偏波を直線偏波アンテナで受信する場合、受信感度が楕円偏波の長軸方向に依存して変化する。到来する楕円偏波の長軸方向を検出することができれば、受信感度の低下を抑制することが可能になる。本発明の目的は、到来する楕円偏波の長軸方向に関する情報を得ることができるアンテナモジュールを提供することである。本発明の他の目的は、到来する楕円偏波の長軸方向に関する情報を得ることができる電波受信方法を提供することである。
 逆に、円偏波受信アンテナで直線偏波を受信する場合、到来する直線偏波の偏波方向によって受信感度が低下する場合がある。本発明のさらに他の目的は、円偏波受信アンテナで直線偏波を受信する場合に、受信感度の低下を抑制することができるアンテナシステムを提供することである。
 本発明の一観点によると、
 各々が、直交する2つの直線偏波を受信する2つのポートを含む複数のアンテナ素子と、
 前記複数のアンテナ素子で受信された信号を処理する処理部と
を備え、
 前記複数のアンテナ素子が2つのポートのそれぞれによって受信する直線偏波の偏波方向は、前記複数のアンテナ素子の間で異なっており、
 前記処理部は、電波が到来したときに前記複数のアンテナ素子に含まれる複数のポートのそれぞれで受信される直線偏波成分の受信レベルを前記複数のポートの間で比較し、受信レベルが最も高いポートを検出するアンテナモジュールが提供される。
 本発明の他の観点によると、
 各々が2つのポートを持ち、2つのポートによって偏波方向の異なる2つの直線偏波を送受信する複数のアンテナ素子、及び
 前記複数のアンテナ素子に送信信号を供給するとともに、前記複数のアンテナ素子で受信された受信信号を処理する処理部を有する第1アンテナモジュールと、
 前記第1アンテナモジュールから送信された電波を受信し、受信レベルを測定し、測定された受信レベルを特定する情報を含む信号を前記第1アンテナモジュールに返信する第2アンテナモジュールと
を備え、
 前記複数のアンテナ素子が送信する直線偏波の偏波方向は、アンテナ素子の間で異なっており、
 前記処理部は、
 前記複数のアンテナ素子の前記複数のポートのうち一つのポートに送信信号を供給して直線偏波を送信し、前記第2アンテナモジュールから返信された返信信号を受信する処理を、前記複数のポートのそれぞれについて実行し、
 前記返信信号に含まれる受信レベルを特定する情報から、前記複数のポートのうち受信レベルが最も高くなったときに使用したポートを検出するアンテナシステムが提供される。
 複数のアンテナ素子に含まれる複数のポートから、受信レベルが最も高いポートを検出することにより、到来する楕円偏波の長軸方向を、ある範囲内で特定することができる。
 第2アンテナモジュールで受信された受信レベルに基づいて第1アンテナモジュールから送信する直線偏波の偏波方向を変化させることにより、第2アンテナモジュールでの受信感度の低下を抑制することができる。
図1は、第1実施例によるアンテナモジュールの概略図である。 図2は、第1実施例によるアンテナモジュールの処理部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。 図3Aは、2つのアンテナ素子で受信される楕円偏波のxy面上における電界ベクトルの先端の軌跡を示す模式図であり、図3Bは、楕円偏波の長軸の方向と、受信レベルが最大になるポートとの関係を示す線図である。 図4は、第1実施例の変形例によるアンテナモジュールの2つのアンテナ素子で受信される直線偏波のxy面上における電界ベクトルの先端の軌跡を示す模式図である。 図5は、第1実施例の他の変形例によるアンテナモジュールに搭載された2つのアンテナ素子の平面図である。 図6は、第2実施例によるアンテナモジュールの概略図である。 図7は、第2実施例によるアンテナモジュールの処理部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。 図8は、第2実施例によるアンテナモジュールの2つのアンテナ素子の偏波方向を説明するための模式図である。 図9は、第2実施例によるアンテナモジュールの処理部の処理の手順を示すフローチャートである。 図10は、第2実施例の変形例によるアンテナモジュールのアンテナ素子と、その偏波方向との関係を示す模式図である。 図11Aは、第2実施例の他の変形例によるアンテナモジュールのアンテナ素子と、その偏波方向との関係を示す模式図であり、図11B及び図11Cは、1番目のアンテナ素子と2番目のアンテナ素子とを重ねて示した模式図である。 図12は、N個のアンテナ素子を重ねたときの2N個のポートで受信される直線偏波の偏波方向の位置関係を示す模式図である。 図13は、第3実施例によるアンテナシステムの概略図である。 図14は、第3実施例によるアンテナシステムの第1アンテナモジュール及び第2アンテナモジュールの処理の手順を示すフローチャートである。 図15は、第3実施例の変形例によるアンテナシステムの概略図である。 図16Aから図16Dまでの図面は、上述の実施例によるアンテナモジュールを用いた通信システムの概略図である。
 [第1実施例]
 図1から図3Bまでの図面を参照して、第1実施例によるアンテナモジュールについて説明する。なお、「アンテナモジュール」は、「アンテナ装置」ということもできる。
 図1は、第1実施例によるアンテナモジュールの概略図である。第1実施例によるアンテナモジュールは、2つのアンテナ素子20及び処理部30を備えている。送信アンテナ72から送信された電波を2つのアンテナ素子20が受信する。送信アンテナ72は円偏波を送信するように設計されているが、実際に送信される電波は完全な円偏波にはならず、楕円偏波80になる。
 2つのアンテナ素子20の各々は、例えば円形のパッチアンテナであり、2つのポートを有している。一方のアンテナ素子20の2つのポートをポートP0、P1と標記し、他方のアンテナ素子20の2つのポートを、ポートP2、P3と標記することとする。アンテナ素子20の2つのポートのそれぞれによって直線偏波を受信することができる。2つのアンテナ素子20が配置された面をxy面とするxyz直交座標系を定義する。アンテナ素子20を正面から見たとき、y軸の正の方向から時計回りに傾く角度を傾き角θと標記する。y軸の正の方向から反時計回りに傾く場合の傾き角θの値は負になる。
 一方のアンテナ素子20のポートP0で受信する直線偏波の偏波方向はy軸に平行(傾き角θが0°)であり、ポートP1で受信する直線偏波の偏波方向はx軸に平行(傾き角θが90°)である。他方のアンテナ素子20のポートP2で受信する直線偏波の偏波方向の傾き角θは135°であり、ポートP3で受信する直線偏波の偏波方向の傾き角θは45°である。
 すなわち、一つのアンテナ素子20に着目したとき、一方のポートで受信する直線偏波と他方のポートで受信する直線偏波との偏波方向は相互に直交している。さらに、一方のアンテナ素子20の2つのポートのそれぞれで受信する2つの直線偏波の偏波方向と、他方のアンテナ素子20の2つのポートのそれぞれで受信する2つの直線偏波の偏波方向とは、45°の角度をなす。
 処理部30は、4つの受信機31と、受信レベル比較判定部32とを含む。4つの受信機31は、それぞれ2つのアンテナ素子20の合計4つのポートP0、P1、P2、P3に接続されている。4つのポートP0、P1、P2、P3のそれぞれで受信された受信信号が、4つの受信機31に入力される。受信機31は、受信信号の受信レベルを測定する。受信機31で測定される受信レベルは、各ポートで受信される直線偏波成分の強度に相当する。受信レベルの測定結果が受信レベル比較判定部32に入力される。
 次に、図2を参照して、第1実施例によるアンテナモジュールの処理部30が実行する処理について説明する。図2は、処理部30が実行する処理の手順(電波受信方法)を示すフローチャートである。まず、送信アンテナ72(図1)から送信された電波を2つのアンテナ素子20で受信し、4つのポートP0、P1、P2、P3のそれぞれで受信された受信信号を、処理部30の受信機31が取得する(ステップSA1)。受信機31は、4つのポートP0、P1、P2、P3のそれぞれで受信された受信信号の受信レベルを測定する(ステップSA2)。受信レベルの測定結果が受信レベル比較判定部32に入力される。
 受信レベル比較判定部32は、ポートP0、P1、P2、P3のそれぞれで受信された受信信号の受信レベルを比較し、最も高い受信レベルを示したポートを検出する(ステップSA3)。
 次に、図3Aを参照して第1実施例の優れた効果について説明する。図3Aは、2つのアンテナ素子20(図1)で受信される楕円偏波のxy面上における電界ベクトルの先端の軌跡81を示す模式図である。送信アンテナ72(図1)が円偏波を送信するように設計されていたとしても、一般的に、実際に送信される電波は楕円偏波になる。図3Aでは、楕円偏波の長軸MAが、y軸方向に対してやや傾いている例を示している。
 一方のアンテナ素子20のポートP0、P1は、それぞれy方向及びx方向に平行な偏波方向を持つ直線偏波を受信するため、ポートP0、P1で受信された受信信号の受信レベルL0、L1は、それぞれ軌跡81のy方向の寸法及びx方向の寸法に相当する。他方のアンテナ素子20のポートP2、P3は、それぞれ偏波方向の傾き角θが135°及び45°の直線偏波を受信するため、ポートP2、P3で受信された受信信号の受信レベルL2、L3は、それぞれ軌跡81の、傾き角θが135°の方向D135及び傾き角θが45°の方向D45の寸法に相当する。
 例えば、楕円偏波の長軸MAの傾き角θが-22.5°より大きく22.5°未満であるとき、受信レベルL0、L1、L2、L3の大小関係は、L0>L3>L2>L1となる。最も高い受信レベルを示すポートP0で受信される直線偏波の偏波方向(y方向)が、他のポートP1、P2、P3で受信される直線偏波の偏波方向と比べて、楕円偏波の長軸MAの方向に最も近い。
 図3Bは、楕円偏波の長軸MAの方向と、受信レベルが最大になるポートとの関係を示す線図である。受信レベルL0が最大の場合、楕円偏波の長軸MAの傾き角θは-22.5°より大きく22.5°未満であると特定できる。受信レベルL3が最大の場合、楕円偏波の長軸MAの傾き角θは22.5°より大きく67.5°未満であると特定できる。受信レベルL1が最大の場合、楕円偏波の長軸MAの傾き角θは67.5°より大きく112.5°未満であると特定できる。受信レベルL2が最大の場合、楕円偏波の長軸MAの傾き角θは112.5°より大きく157.5°未満であると特定できる。
 楕円偏波の長軸MAの傾き角θがある範囲内で特定できると、楕円偏波の長軸MAの方向に依存する種々処理において、処理を最適化することが可能である。
 次に、図4を参照して第1実施例の変形例について説明する。第1実施例では、2つのアンテナ素子20で楕円偏波を受信するが、第1実施例の変形例では、直線偏波を受信する。本変形例では、到来する直線偏波の偏波方向を推定する。
 図4は、第1実施例の変形例によるアンテナモジュールの2つのアンテナ素子20(図1)で受信される直線偏波のxy面上における電界ベクトルの先端の軌跡81を示す模式図である。軌跡81は、例えばy軸方向からややずれた方向に延びる直線である。一方のアンテナ素子20のポートP0、P1(図1)で受信される受信信号の受信レベルL0、L1は、それぞれ軌跡81のy方向の寸法及びx方向の寸法に相当する。他方のアンテナ素子20のポートP2、P3で受信される受信信号の受信レベルL2、L3は、それぞれ軌跡81の、傾き角θが135°の方向D135及び傾き角θが45°の方向D45の寸法に相当する。
 本変形例では、4つのポートP0、P1、P2、P3で受信された受信信号の受信レベルL0、L1、L2、L3の大小関係から、到来した直線偏波の偏波方向をある範囲内で特定することができる。
 次に、図5を参照して第1実施例の他の変形例について説明する。
 図5は、第1実施例の他の変形例によるアンテナモジュールに搭載された2つのアンテナ素子20の平面図である。第1実施例によるアンテナモジュールでは、アンテナ素子20として円形のパッチアンテナが用いられている。これに対して本変形例では、アンテナ素子20として正方形のパッチアンテナが用いられている。アンテナ素子20の各々の2つのポートは、アンテナ素子20の隣り合う2つの辺の中点のそれぞれと幾何中心とを両端とする線分上に配置される。
 2つのアンテナ素子20で受信される直線偏波の偏波方向は、2つのアンテナ素子20の間で45°ずれている。第1実施例では、アンテナ素子20が円形であるため、アンテナ素子20の偏波方向を回転させてもアンテナ素子20の外形は見かけ上回転しない。これに対して図5に示した変形例のようにアンテナ素子20を正方形にした場合は、アンテナ素子20の偏波方向を回転させる場合、アンテナ素子20の外形を傾き角θの方向に回転させる必要がある。
 本変形例のように、アンテナ素子20の形状を正方形にしてもよい。また、アンテナ素子20が、相互に直交する偏波方向の2つの直線偏波を受信できるという条件の下で、アンテナ素子20をその他の形状にしてもよい。例えば、正方形の4つの角を正方形状に切り落とした形状にしてもよい。
 次に、第1実施例のさらに他の変形例について説明する。
 第1実施例では、2つのアンテナ素子20(図1)で受信する直線偏波の偏波方向が、アンテナ素子20の間で45°の角度をなしているが、アンテナ素子20の間での直線偏波の偏波方向のなす角度は必ずしも45°である必要はない。2つのアンテナ素子20の合計4つのポートP0、P1、P2、P3で、偏波方向の異なる4つの直線偏波を受信できる構成にすればよい。この場合にも、到来する電波の受信レベルが最大になるポートで受信する直線偏波の偏波方向の受信感度が最大になるように、各ポートの信号レベル変化量(利得量と減衰量との和)と位相変化量とを設定すればよい。
 [第2実施例]
 次に、図6から図9までの図面を参照して第2実施例によるアンテナモジュールについて説明する。以下、図1から図3Bまでの図面を参照して説明した第1実施例によるアンテナモジュールと共通の構成については説明を省略する。
 図6は、第2実施例によるアンテナモジュールの概略図である。第2実施例によるアンテナモジュールも、第1実施例によるアンテナモジュールと同様に、2つのアンテナ素子20及び処理部30を備えている。第1実施例(図1)では、処理部30が4つの受信機31及び受信レベル比較判定部32を含む。これに対して第2実施例では、処理部30が受信機31及び受信レベル比較判定部32に加えて、受信アンプ33、送信アンプ34、可変減衰器35、移相器36、及び合成分波器37を含む。受信アンプ33、送信アンプ34、可変減衰器35、及び移相器36は、4つのポートP0、P1、P2、P3のそれぞれに対応して設けられている。なお、受信アンプ33、送信アンプ34、可変減衰器35、及び移相器36の接続順は、図6に示した順番に限定されない。
 受信レベル比較判定部32が、受信アンプ33の利得量、可変減衰器35の減衰量及び移相器36の位相変化量を制御する。受信アンプ33の利得量および可変減衰器35の減衰量を制御することによって、受信信号の信号レベル変化量が制御される。
 アンテナモジュールが信号を受信する場合には、4つのポートP0、P1、P2、P3のそれぞれで受信された受信信号が、受信アンプ33で増幅され、可変減衰器35及び移相器36を通過して合成分波器37に入力される。合成分波器37は、入力された4つの受信信号を合成する。合成された受信信号は、ダウンコンバートされてベースバンド信号処理回路に入力される。
 アンテナモジュールが信号を送信する場合には、送信すべき信号が合成分波器37で4つの信号に分波される。分波されたそれぞれの信号が、移相器36、可変減衰器35を通過し、送信アンプ34で増幅されて4つのポートP0、P1、P2、P3のそれぞれに供給される。送信時には、送信アンプ34の利得、可変減衰器35の減衰量、及び移相器36の位相変化量が制御される。
 次に、図7を参照して第2実施例によるアンテナモジュールの処理部30が実行する処理について説明する。図7は、処理部30が実行する処理(電波受信方法)の手順を示すフローチャートである。ステップSA1からステップSA3までの手順は、第1実施例によるアンテナモジュールの処理部30が実行する手順(図2)と同一である。ステップSA3において、最も高い受信レベルを示すポートが複数個あった場合、任意の一つのポートを、受信レベルが最大であるポートとするとよい。または、予め各ポートに優先順位を付与しておき、最も高い受信レベルを示す複数のポートのうち優先順位の最も高いポートを、受信レベルが最大であるポートとしてもよい。
 ステップSA3において、最も高い受信レベルを示したポートが検出されると、受信レベルが最大になったポートで受信される直線偏波の偏波方向の受信感度が最大になるように、2つのアンテナ素子20のそれぞれの2つのポートで受信された受信信号に作用させる信号レベル変化量及び位相変化量を設定する(ステップSA4)。本明細書において、各ポートで受信された受信信号に作用させる信号レベル変化量及び位相変化量を、ポートの信号レベル変化量及びポートの位相変化量という場合がある。具体的には、それぞれのポートに接続された受信アンプ33(図6)の利得量、可変減衰器35(図6)の減衰量、及び移相器36(図6)の位相変化量を設定する。これにより、それぞれのポートで受信された受信信号の信号レベルが、設定された信号レベル変化量だけ変化し、受信信号の位相が、設定された位相変化量だけ変化し、合成分波器37に入力される。
 次に、図8を参照して、受信レベルが最大になったポートで受信された直線偏波の偏波方向の受信感度が最大になるように、各ポートで受信された受信信号の信号レベル変化量及び位相変化量を制御する一例について説明する。
 図8は、第2実施例によるアンテナモジュールの2つのアンテナ素子20の偏波方向を説明するための模式図である。一方のアンテナ素子20のポートP0及びポートP1は、それぞれ傾き角θが180°の位置及び90°の位置に配置されている。ポートP0で受信される直線偏波の偏波方向の傾き角θは0°であり、ポートP1で受信される直線偏波の偏波方向の傾き角θは90°である。他方のアンテナ素子20のポートP2及びポートP3は、それぞれ傾き角θが-45°の位置及び-135°の位置に配置されている。ポートP2で受信される直線偏波の偏波方向の傾き角θは135°であり、ポートP3で受信される直線偏波の偏波方向の傾き角θは45°である。
 以下では、ポートP0で受信された直線偏波の受信レベルが最大である場合について説明する。ポートP0で受信される直線偏波の偏波方向の傾き角θが0°であるため、偏波方向の傾き角θが0°の直線偏波の受信感度が最大になるように、各ポートの信号レベル変化量及び位相変化量を制御することになる。図8において、傾き角θが0°の偏波方向を太い矢印で表している。2つのアンテナ素子20で受信された受信信号を合成した合成信号の信号レベルを最大にするためには、2つのアンテナ素子20で受信される直線偏波の偏波方向のみならず、位相も合わせなければならない。位相を考慮するために、図8において、直線偏波の偏波方向を片矢印で表している。
 受信アンプ33及び可変減衰器35によって制御される信号レベル変化量に代えて、通過率を用いて説明する。受信アンプ33の入力信号のパワーをPin、可変減衰器35の出力信号のパワーをPoutと標記すると、通過率は、Pout/Pinで定義される。ポートP0の位相を他のポートP1、P2、P3の位相変化量の基準とする。すなわち、ポートP1、P2、P3の位相は、ポートP0の位相を基準とした位相変化量αで指定される。
 まず、ポートP0、P1が設けられたアンテナ素子20における制御について説明する。ポートP0の通過率をGに設定する。ポートP0の位相変化量αは0°である。ポートP1の通過率を0に設定することにより、偏波方向の傾き角θが0°の直線偏波に対する受信感度が最大になる。ポートP1の通過率が0であるため、ポートP1の位相変化量αは任意である。
 次に、ポートP2、P3が設けられたアンテナ素子20における制御について説明する。ポートP2の通過率をG、位相変化量αを180°に設定し、ポートP3の通過率をG、位相変化量αを0°に設定すると、偏波方向の傾き角θが0°の直線偏波に対する受信感度が最大になる。さらに、このように設定すると、2つのアンテナ素子20で受信された直線偏波の受信信号の位相を合わせることができる。
 次に、図9を参照して、第2実施例によるアンテナモジュールを用いて通信を行うときの処理部30(図6)の処理の手順について説明する。図9は、処理部30(図6)の処理の手順(電波受信方法)を示すフローチャートである。
 通信を行う前に、受信感度が最大になるように、各ポートの信号レベル変化量及び位相変化量αを設定する(ステップSB1)。信号レベル変化量及び位相変化量αの設定は、図7に示した手順で実行することができる。信号レベル変化量及び位相変化量αを設定した後、実際に通信を行う(ステップSB2)。通信が終了するまでの期間、処理部30は、合成分波器37(図6)で合成された受信信号の受信レベルが判定閾値以上か否かを判定する(ステップSB3、SB4)。受信レベルが判定閾値以上である場合は、通信を継続する(ステップSB4、SB2)。受信レベルが判定閾値未満になったら、受信感度が最大になるように、各ポートの信号レベル変化量及び位相変化量αを再設定する(ステップSB4、SB1)。すなわち、図7に示した手順を再度実行する。
 次に、第2実施例の優れた効果について説明する。
 第2実施例では、到来電波の受信レベルが最大になるポートで受信される直線偏波の偏波方向の受信感度が最大になるように、2つのアンテナ素子20の4つのポートP0、P1、P2、P3の信号レベル変化量及び位相変化量が設定される。このため、到来電波が楕円偏波である場合にも、高い受信感度で電波を受信することができる。
 また、第2実施例によるアンテナモジュールは、図4を参照して説明したように、到来電波が直線偏波であり、その偏波方向が不明である場合にも、受信感度が最大になるように複数のアンテナ素子20(図6)の偏波方向を調整することができる。
 直線偏波を受信する従来のアンテナモジュールで、ある偏波方向の直線偏波を受信するとき、アンテナモジュールの向きを最適化することにより、受信レベルを最大にすることができる。ところが、何らかの要因でアンテナモジュールの向きが変化すると、受信レベルが大きく変動する。第2実施例によるアンテナモジュールにおいては、アンテナモジュールの向きが変化して受信レベルが低下すると、図9に示したステップSB4、SB1において、各ポートの信号レベル変化量及び位相変化量が再設定されるため、受信レベルの低下を抑制することができる。
 次に、図10を参照して第2実施例の変形例によるアンテナモジュールについて説明する。図10は、第2実施例の変形例によるアンテナモジュールのアンテナ素子20と、その偏波方向との関係を示す模式図である。第2実施例によるアンテナモジュールは、2つのアンテナ素子20(図6)を有しているが、本変形例によるアンテナモジュールは、3つのアンテナ素子20を有している。1番目のアンテナ素子20は、ポートP0、P1を有しており、2番目のアンテナ素子20は、ポートP2、P3を有しており、3番目のアンテナ素子20は、ポートP4、P5を有している。
 1番目のアンテナ素子20のポートP0、P1は、それぞれ傾き角θが180°、90°の位置に配置されている。2番目のアンテナ素子20のポートP2、P3は、それぞれ傾き角θが-150°、-60°の位置に配置されている。3番目のアンテナ素子20のポートP4、P5は、それぞれ傾き角θが-120°、-30°の位置に配置されている。
 3つのアンテナ素子20のそれぞれの一つのポートP0、P2、P4で受信する直線偏波の偏波方向は、30°ずつ異なっている。例えば、1番目のアンテナ素子20のポートP0で受信する直線偏波の偏波方向の傾き角θは0°であり、2番目のアンテナ素子20のポートP2で受信する直線偏波の偏波方向の傾き角θは30°であり、3番目のアンテナ素子20のポートP4で受信する直線偏波の偏波方向の傾き角θは60°である。
 図10に示した変形例では、処理部30(図6)は、合計6個のポートで受信された直線偏波の受信レベルを比較し、受信レベルが最大となるポートを検出する。受信レベルが最大となったポートに対応する偏波方向の受信感度が最大になるように、複数のアンテナ素子20の各々の2つのポートの信号レベル変化量及び位相変化量を設定する。
 以下、3番目のアンテナ素子20のポートP4の受信レベルが最大になった場合を例にとって、最適な信号レベル変化量及び位相変化量について説明する。このとき、傾き角θが60°の偏波方向の受信感度が最大になるようにすればよい。ポートP4の位相を、位相の基準として採用し、ポートP4の通過率をGに設定する。
 1番目のアンテナ素子20においては、ポートP0の通過率を(1/(31/2))G、位相変化量αを0°にし、ポートP1の通過率をG、位相変化量αを180°に設定すればよい。2番目のアンテナ素子20においては、ポートP2の通過率をG、位相変化量を0°にし、ポートP3の通過率を(1/(31/2))G、位相変化量αを0°にすればよい。3番目のアンテナ素子20においては、ポートP5の通過率を0にすればよい。ポートP5の位相変化量αは任意である。
 図10に示した第2実施例の変形例のように、アンテナ素子20の個数を3個にしてもよい。より一般的に、アンテナ素子20の個数をN個にしてもよい。ここで、Nは2以上の整数である。このとき、N個のアンテナ素子20のそれぞれの一つのポートで受信する直線偏波の偏波方向がアンテナ素子20の間で180/(2N)度ずつ異なっている直線偏波を受信するようにするとよい。
 図10に示した第2実施例の変形例において、ポートP0及びポートP3の両方の通過率をGに設定してもよい。この場合、1番目のアンテナ素子20及び2番目のアンテナ素子20は、ポートP4で受信する直線偏波の偏波方向に対して直交する直線偏波(交差偏波)に対しても感度を持つことになる。ただし、交差偏波の強度が微小である場合は、ポートP4で受信する偏波方向の直線偏波に対する感度の低下は無視することができる。
 すなわち、ポートP4で受信する偏波方向の直線偏波に対して受信感度を最大化するためには、ポートP4で受信する偏波方向の直線偏波成分の位相が、ポートP4と他のポートP0、P1、P2、P3との間で同相になるように各ポートの位相変化量を設定すればよい。
 次に、図11A、図11B、及び図11Cを参照して、第2実施例の他の変形例によるアンテナモジュールについて説明する。
 図11Aは、第2実施例の他の変形例によるアンテナモジュールのアンテナ素子20と、その偏波方向との関係を示す模式図である。本変形例によるアンテナモジュールも、図10に示した変形例と同様に、3個のアンテナ素子20を有している。3個のアンテナ素子20の各ポートの配置も、図10に示した変形例と同一である。
 図10に示した変形例では、アンテナ素子20ごとに、2つのポートの通過率及び位相変化量を調整することにより、アンテナ素子20ごとの受信感度を最大化している。これに対して本変形例では、3個のアンテナ素子20全体として、受信感度を最大化する。
 以下、図10を参照して説明した変形例と同様に、3番目のアンテナ素子20のポートP4の受信レベルが最大になった場合を例にとって、最適な通過率及び位相変化量について説明する。ポートP5の通過率を0に設定するのは、図10に示した変形例の場合と同様である。
 図11B及び図11Cは、1番目のアンテナ素子20と2番目のアンテナ素子20とを重ねて示した模式図である。受信レベルが最大になったポートP4で受信される直線偏波の偏波方向に対する傾き角の絶対値が等しくなる2つの偏波方向の直線偏波を受信する2つのポートを選択する。例えば図11Bに示すように、1番目のアンテナ素子20のポートP1と2番目のアンテナ素子20のポートP2とを選択する。ポートP4で受信される直線偏波の偏波方向を基準としたとき、ポートP1で受信される直線偏波の偏波方向の傾き角は30°であり、ポートP2で受信される直線偏波の偏波方向の傾き角は-30°であり、両者の絶対値は等しい。
 次に、ポートP1とポートP2とで受信された信号を合成して、受信レベル最大のポートP4で受信される直線偏波の受信感度を最大化する方法について説明する。以下の説明では、複数のアンテナ素子20からなるアレーアンテナのボアサイト方向から電波が到来すると仮定する。ポートP4で受信された直線偏波の偏波方向(図11Bにおいて太い矢印で示している方向)成分の位相が、ポートP1、P2、P4で同相になるようにポートP1、P2の位相変化量を設定する。具体的には、ポートP4の位相変化量αを基準として、ポートP1の位相変化量αを180°に設定し、ポートP2の位相変化量αを0°に設定する。ポートP1、P2の通過率は、それぞれのポートP1、P2の通過率の最大値に設定する。このように設定すると、ポートP1とポートP2とで受信された信号を合成した場合の受信感度が最大になる。
 以下、ポートP1とポートP2とでアンテナ利得が同一であると仮定した場合について説明する。ポートP1及びポートP2の通過率の最大値が等しい場合、ポートP1及びポートP2の通過率及び位相変化量を上述のように設定すると、2つのアンテナ素子20から放射された電波は、遠方界において、ポートP4で受信される直線偏波の偏波方向と平行な直線偏波になる。逆に、上述の通過率及び位相変化量の条件で、ポートP1とポートP2とで平面波とみなされる電波を受信するとき、ポートP4で受信される偏波方向の直線偏波に対する受信感度が最大になり、交差偏波に対する受信感度がゼロになる。
 次に、ポートP1とポートP2とでアンテナ利得が異なっている場合について説明する。ポートP1及びポートP2の通過率の最大値が等しい場合、ポートP1及びポートP2の通過率及び位相変化量を上述のように設定しても、2つのアンテナ素子20から放射される電波は、遠方界において、ポートP4で受信される直線偏波の偏波方向と平行にならない。逆に、上述の通過率及び位相変化量の条件で、ポートP1とポートP2とで平面波とみなされる電波を受信するとき、ポートP4で受信される直線偏波の交差偏波に対する受信感度はゼロにならない。ただし、この場合でも、ポートP4で受信される偏波方向の直線偏波に対する受信感度は最大になる。
 ポートP1のアンテナ利得とポートP1の通過率との積が、ポートP2のアンテナ利得とポートP2の通過率との積と等しくなるように、ポートP1及びポートP2の通過率を設定してもよい。例えば、アンテナ利得が小さい方のポートの通過率を最大に設定し、他方のポートの通過率は、2つのポートのアンテナ利得と通過率との積が等しくなるように設定する。このとき、ポートP4で受信される偏波方向の直線偏波に対する受信感度が最大になり、交差偏波に対する受信感度がゼロになる。このため、交差偏波の受信信号による主偏波の受信信号の劣化を抑制することができる。一方のポートの通過率を最大値より小さくすることは、受信アンプ33(図6)の利得を小さくすることに相当する。このため、交差偏波による影響を抑制した上で受信感度を最大化し、かつ消費電力を抑制することができる。
 通過率を最大値に設定しなくても受信信号の十分な信号レベルを確保することができる場合は、アンテナ利得が小さい方のポートの通過率を最大に設定する必要はない。この場合にも、2つのポートのアンテナ利得と通過率との積が等しくなるように、他方のポートの通過率を設定するとよい。
 同様に、図11Cに示すように、ポートP0及びポートP3の通過率を共にGに設定し、位相変化量αを共に0°に設定する。このとき、2つのポートP0、P3で平面波とみなされる電波を受信するとき、ポートP4で受信される直線偏波の偏波方向(図11Cにおいて太い矢印で示している方向)の直線偏波に対する受信感度が最大になる。
 本変形例のように、2つのアンテナ素子20にまたがって配置された2つのポートを一組として、受信感度が最大になるように通過率及び位相変化量を調整してもよい。この場合、受信感度が最大になる偏波方向と直交する偏波方向の直線偏波を受信するポート(図11Aに示した例ではポートP5)以外のすべてのポートの通過率(信号レベル変化量)を同一に設定し、位相変化量のみを調整することにより、受信感度を最大化させることができる。
 上記説明では、複数のアンテナ素子20からなるアレーアンテナのボアサイト方向から電波が到来すると仮定している。複数のアンテナ素子20からなるアレーアンテナのメインビームをボアサイト方向から傾斜させる場合には、偏波方向に応じて受信感度を最大化する制御に加えて、ビームチルトの制御を行えばよい。例えば、偏波方向に応じて受信感度を最大化するための位相変化量と、メインビームの方向に応じて設定される位相変化量とに基づいて複数の位相条件が決められている。メインビームの方向及び偏波方向とから1つの位相条件を選択し、選択された位相条件に基づいて、各ポートに与える位相変化量を決定すればよい。
 次に、図12を参照して、第2実施例のさらに他の変形例によるアンテナモジュールについて説明する。図11A、図11B、及び図11Cに示した変形例では、3個のアンテナ素子20が配置されている。これに対して図12に示した変形例では、N個のアンテナ素子が配置されている。ここで、Nは2以上の整数である。
 図12は、N個のアンテナ素子を重ねたときの2N個のポートで受信される直線偏波の偏波方向の位置関係を示す模式図である。N個のアンテナ素子を重ねたとき、2N個の偏波方向が180/(2N)度ずつ異なるように2N個のポートが配置されている。基準となる偏波方向から時計回りの傾き角θが大きくなる順番に、偏波方向に0から始まる通し番号を付し、i番目の偏波方向をD(i)と標記する。ここで、iは、0以上(2N-1)以下の整数である。
 受信感度が最大になる偏波方向がi番目の偏波方向D(i)である場合について説明する。2N個の偏波方向は、角度差が一定になるように分布しているため、偏波方向D(i)から、時計回り及び反時計回りに同一角度だけ傾いた2つの偏波方向D(i+k)、D(i-k)が存在する。ここで、kは1以上(N-1)以下の整数である。なお、i+kがN以上になった場合、i+kからNを引いた値をi+kの値とみなす。i-kが負になった場合、i-kにNを加えた値をi-kの値とみなす。
 この2つの偏波方向D(i+k)、D(i-k)の直線偏波を受信する2つのポートを一組として、偏波方向D(i)の直線偏波の受信感度が最大になるように、2つのポートの通過率及び位相変化量を設定する。具体的には、この2つのポートの通過率を等しくする。位相変化量は、偏波方向D(i)の直線偏波を受信するポートの位相に合うように、0°または180°に設定する。
 偏波方向D(i)に直交する偏波方向D(i+N)の直線偏波を受信するポートについては、通過率を0に設定する。
 図12に示した変形例のように、到来する電波の直線偏波または楕円偏波の受信感度が最大になるように、2N個のポートの通過率及び位相変化量を設定することが可能である。
 図12に示した変形例の一例として、すべてのポートの通過量(すなわち、信号レベル変化量)を同一にし、各ポートの位相変化量のみを調整してもよい。この場合、受信レベルが最大のポートで受信される直線偏波の偏波方向D(i)に平行な直線偏波成分が、各ポートで同相になるように位相変化量αを制御するとよい。
 次に、第2実施例のさらに他の変形例について説明する。第2実施例及び上述の変形例では、複数のアンテナ素子のいずれの偏波方向も一致していないが、複数のアンテナ素子のうち少なくともいくつかのアンテナ素子の偏波方向が一致していてもよい。例えば、図6に示した2つのアンテナ素子20を複数セット配置してもよいし、図10に示した3個のアンテナ素子20を複数セット配置してもよい。
 偏波方向の異なる複数のアンテナ素子のうち、一部の偏波方向のアンテナ素子のみを複数個配置してもよい。例えば、図10に示した例において、ポートP0、P1を持つ1番目のアンテナ素子20のみを2個配置してもよい。
 同一の偏波方向を持つアンテナ素子が複数個配置されている場合、すべてのアンテナ素子20から偏波方向の異なるN個のアンテナ素子20を抽出し、N個のアンテナ素子20のみを動作させて、到来する楕円偏波の長軸方向を検出すればよい。
 第2実施例(図6)では、受信機31と受信アンプ33とを別々に設けているが、受信機31の機能を受信アンプ33で実現してもよい。例えば、受信アンプ33で増幅された後、かつ合成分波器37で合成される前の段階の受信信号を、受信レベル比較判定部32に入力するとよい。この場合、複数の受信アンプ33の利得を同一に設定しておく必要がある。可変減衰器35で減衰された受信信号を受信レベル比較判定部32に入力する場合には、複数の可変減衰器35の減衰量を同一に設定しておく必要がある。
 図6では、4つのポートP0、P1、P2、P3のそれぞれからの給電線を分岐させ、分岐後の給電線を処理部30に接続しているが、それぞれの給電線を処理部30の内部で分岐させてもよい。
 [第3実施例]
 次に、図13及び図14を参照して、第3実施例によるアンテナシステムについて説明する。以下、図6から図9までの図面を参照して説明した第2実施例によるアンテナモジュールと共通の構成については説明を省略する。第2実施例では、送信アンテナから送信された円偏波を直線偏波のアンテナ素子で受信するときの受信感度の低下が抑制される。これに対して以下に説明する第3実施例では、送信アンテナから送信された直線偏波を円偏波のアンテナ素子で受信するときの受信感度の低下が抑制される。
 図13は、第3実施例によるアンテナシステムの概略図である。第3実施例によるアンテナシステムは、第1アンテナモジュール45と第2アンテナモジュール46とを含む。
 第1アンテナモジュール45は、2つのアンテナ素子20、処理部30、及びベースバンド処理部40を備えている。2つのアンテナ素子20の構成は、第2実施例によるアンテナモジュール(図6)の2つのアンテナ素子20の構成と同一であり、直線偏波82を送信する。処理部30は、第2実施例によるアンテナモジュール(図6)と同様に、受信アンプ33、送信アンプ34、可変減衰器35、移相器36、及び合成分波器37を備えている。第3実施例による第1アンテナモジュール45の処理部30は、第2実施例によるアンテナモジュール(図6)の処理部30の受信機31及び受信レベル比較判定部32に代えて、送信制御部39を備えている。送信制御部39は、送信信号を送信するポートの選択、及び送信信号の信号レベルの調整を行う。
 ベースバンド処理部40は、復調部41及び受信レベル比較部42を備えている。復調部41は、合成分波器37で合成された受信信号を復調する。受信レベル比較部42は、受信信号に含まれる受信レベル情報を抽出し、複数の受信レベルを比較する。受信レベル比較部42の詳細な機能については、後に図14を参照して説明する。なお、処理部30及びベースバンド処理部40は、これらの機能を実現するハードウェア(集積回路素子)と対応しているわけではない。例えば、復調部41の機能を、高周波数域の信号処理を行う高周波集積回路素子(RFIC)とベースバンド周波数域の信号処理を行うベースバンド集積回路素子(BBIC)との両方に分散して持たせてもよい。
 第2アンテナモジュール46は、送受信機75及び円偏波の送受信を行う送受信アンテナ76を備えている。送受信アンテナ76が円偏波を受信する特性を有している場合、直線偏波が到来すると、偏波方向に依らず受信感度は一定である。ところが、実際には、送受信アンテナ76はある方向に長軸を持つ楕円偏波に対する感度が最大になるような特性を有する。このため、送受信アンテナ76の受信感度は、到来する直線偏波の偏波方向に依存する。受信感度を高く維持するためには、第1アンテナモジュール45が、送受信アンテナ76の受信感度が高くなる偏波方向の直線偏波を送信するようにすることが好ましい。
 送受信機75は、電波を受信すると、その受信レベルを測定し、受信レベルを特定する情報を含む返信信号を送受信アンテナ76から送信する。
 次に、図14を参照して、第1アンテナモジュール45及び第2アンテナモジュール46が行う処理の手順について説明する。図14は、第1アンテナモジュール45及び第2アンテナモジュール46の処理の手順を示すフローチャートである。
 まず、第1アンテナモジュール45が、2つのアンテナ素子20(図13)の4つのポートから1つのポートP0を選択し、選択したポートP0に検査用の送信信号を供給することにより、アンテナ素子20を励振する(ステップSC1)。これにより、検査用の送信信号が供給されたポートP0に対応する偏波方向の直線偏波82が送信される。
 第2アンテナモジュール46は、第1アンテナモジュール45から到来した直線偏波82を受信し、受信レベルを測定する(ステップSD1)。その後、測定された受信レベルを特定する情報を含む返信信号83を送信する(ステップSD2)。第1アンテナモジュール45は、第2アンテナモジュール46からの返信信号83を受信し、返信信号83に含まれる受信レベルを特定する情報を記憶する(ステップSC2)。より具体的には、復調部41(図13)が返信信号83を復調し、受信レベル比較部42(図13)が、受信レベルを特定する情報を記憶する。
 ステップSC1、SD1、SD2、SC2の処理を、残りのすべてのポートP1、P2、P3について実行する。このとき、第1アンテナモジュール45から送信する送信信号の信号レベルを一定にする。
 第1アンテナモジュール45の受信レベル比較部42(図13)は、第2アンテナモジュール46で受信された直線偏波の受信レベルが最大になったポートを検出する(ステップSC3)。受信レベルが最大になったポートを特定する情報が、送信制御部39(図13)に入力される。送信制御部39は、2つのアンテナ素子20から送信される直線偏波の偏波方向が、受信レベルが最大になったポートの直線偏波の方向と同一になるように、4つのポートP0、P1、P2、P3の信号レベル変化量と位相変化量を設定する(ステップSC4)。信号レベル変化量は、送信アンプ34の利得量及び可変減衰器35の減衰量を調整することによって設定される。
 各ポートの信号レベル変化量及び位相変化量を設定したら、処理部30は、設定された信号レベル変化量及び位相変化量を用いて2つのアンテナ素子20のそれぞれから直線偏波を送信する(ステップSC5)。第2アンテナモジュール46は、第1アンテナモジュール45から送信された直線偏波を受信する(ステップSD3)。
 次に、第3実施例の優れた効果について説明する。
 第3実施例では、第1アンテナモジュール45が送信する直線偏波82の偏波方向が、第2アンテナモジュール46の受信感度が最も高くなる方向に調整される。このため、第1アンテナモジュール45から第2アンテナモジュール46への通信の安定度を高めることができる。
 次に、図15を参照して第3実施例の変形例によるアンテナシステムについて説明する。図15は、第3実施例の変形例によるアンテナシステムの概略図である。第3実施例(図13)では、復調部41及び受信レベル比較部42の機能が、高周波数域の処理を行う処理部30とは別のベースバンド処理部40で実現される。
 図15に示した変形例では、復調部41及び受信レベル比較部42が、処理部30に含まれている。例えば、高周波数域の信号処理を行う集積回路素子が、復調部41及び受信レベル比較部42の機能を有している。このように、復調部41及び受信レベル比較部42の機能を、高周波数域の信号処理を行う集積回路素子に持たせてもよい。
 [実施例によるアンテナモジュールの応用]
 次に、図16Aから図16Dまでの図面を参照して、第1実施例から第3実施例までの各実施例によるアンテナモジュール及びアンテナシステムが適用される通信システムについて説明する。図16Aから図16Dまでの図面は、上述の実施例によるアンテナモジュールを用いた通信システムの概略図である。
 図16Aに示す通信システムは、スマートフォン等の携帯端末51と基地局52とを含む。例えば、携帯端末51が直線偏波の送受信を行い、基地局52が円偏波の送受信を行う。図16Bに示す通信システムは、地上基地局53及び通信衛星54を含む。通信衛星54が直線偏波の送受信を行い、地上基地局53が円偏波の送受信を行う。なお、地上基地局53に代えて、地上を移動する携帯端末と通信衛星54とで通信システムを構成してもよい。
 図16Cに示す通信システムは、仮想現実/拡張現実端末55とリピータ56とを含む。仮想現実/拡張現実端末55及びリピータ56の一方が直線偏波の送受信を行い、他方が円偏波の送受信を行う。リピータ56に代えて、ゲーム機やスマートフォンと仮想現実/拡張現実端末55との間で通信を行うようにしてもよい。図16Dに示す通信システムは、スマートフォン等の携帯端末57とドローン58(無人飛行機)とを含む。携帯端末57及びドローン58の一方が直線偏波の送受信を行い、他方が円偏波の送受信を行う。
 図16Aから図16Dまでの図面に示した種々の通信システムにおいて、上述の実施例によるアンテナモジュールまたはアンテナシステムを採用することにより、受信感度の低下を抑制し、安定した通信を確保することができる。
 上述の各実施例は例示であり、異なる実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。複数の実施例の同様の構成による同様の作用効果については実施例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
20 アンテナ素子
30 処理部
31 受信機
32 受信レベル比較判定部
33 受信アンプ
34 送信アンプ
35 可変減衰器
36 移相器
37 合成分波器
38 送受信機
39 送信制御部
40 ベースバンド処理部
41 復調部
42 受信レベル比較部
45 第1アンテナモジュール
46 第2アンテナモジュール
51 携帯端末
52 基地局
53 地上基地局
54 通信衛星
55 仮想現実/拡張現実端末
56 リピータ
57 携帯端末
58 ドローン
72 送信アンテナ
75 送受信機
76 送受信アンテナ
80 楕円偏波
81 偏波の電界ベクトルの先端の軌跡
82 直線偏波
83 返信信号
 

Claims (13)

  1.  各々が、直交する2つの直線偏波を受信する2つのポート含む複数のアンテナ素子と、
     前記複数のアンテナ素子で受信された信号を処理する処理部と
    を備え、
     前記複数のアンテナ素子が2つのポートのそれぞれによって受信する直線偏波の偏波方向は、前記複数のアンテナ素子の間で異なっており、
     前記処理部は、電波が到来したときに前記複数のアンテナ素子に含まれる複数のポートのそれぞれで受信される直線偏波成分の受信レベルを前記複数のポートの間で比較し、受信レベルが最も高いポートを検出するアンテナモジュール。
  2.  前記複数のアンテナ素子の個数はN個(Nは2以上の整数)であり、前記複数のアンテナ素子のそれぞれの一つのポートで受信する直線偏波の偏波方向が180/(2N)度ずつ異なっている直線偏波を受信する請求項1に記載のアンテナモジュール。
  3.  前記処理部は、前記複数のポートのうち受信レベルが最も高いポートで受信する直線偏波の偏波方向の成分の位相が、前記複数のアンテナ素子に含まれる複数のポートの間で同相になるように、複数のポートから出力される受信信号の位相変化量を制御する請求項1または2に記載のアンテナモジュール。
  4.  前記処理部は、前記複数のアンテナ素子の複数のポートのそれぞれに接続された複数の移相器を含み、
     前記複数の移相器のそれぞれが、前記複数のポートから出力される受信信号の位相変化量を制御する請求項3に記載のアンテナモジュール。
  5.  前記処理部は、前記複数のアンテナ素子のそれぞれで受信する電波の偏波方向が、前記複数のポートのうち受信レベルが最も高いポートで受信する直線偏波の偏波方向と平行になるように、前記複数のアンテナ素子のそれぞれの2つのポートから出力される受信信号の信号レベル変化量を制御する請求項3に記載のアンテナモジュール。
  6.  前記処理部は、前記複数のアンテナ素子の複数のポートのそれぞれに接続された複数の受信アンプ及び複数の可変減衰器の少なくとも一方を含み、
     前記複数の受信アンプのそれぞれの利得量及び前記複数の可変減衰器のそれぞれの減衰量の少なくとも一方を制御することによって前記信号レベル変化量を制御する請求項5に記載のアンテナモジュール。
  7.  各々が2つのポートを持ち、2つのポートによって偏波方向の異なる2つの直線偏波を送受信する複数のアンテナ素子、及び
     前記複数のアンテナ素子に送信信号を供給するとともに、前記複数のアンテナ素子で受信された受信信号を処理する処理部を有する第1アンテナモジュールと、
     前記第1アンテナモジュールから送信された電波を受信し、受信レベルを測定し、測定された受信レベルを特定する情報を含む信号を前記第1アンテナモジュールに返信する第2アンテナモジュールと
    を備え、
     前記複数のアンテナ素子が送信する直線偏波の偏波方向は、アンテナ素子の間で異なっており、
     前記処理部は、
     前記複数のアンテナ素子の前記複数のポートのうち一つのポートに送信信号を供給して直線偏波を送信し、前記第2アンテナモジュールから返信された返信信号を受信する処理を、前記複数のポートのそれぞれについて実行し、
     前記返信信号に含まれる受信レベルを特定する情報から、前記複数のポートのうち受信レベルが最も高くなったときに使用したポートを検出するアンテナシステム。
  8.  前記処理部は、前記複数のポートのうち受信レベルが最も高くなったときに使用したポートにより放射される直線偏波の偏波方向と同一の偏波方向の直線偏波を、前記複数のアンテナ素子が放射するように、前記複数のアンテナ素子のそれぞれの2つのポートに供給する送信信号の信号レベル変化量及び位相変化量を制御する請求項7に記載のアンテナシステム。
  9.  前記処理部は、前記複数のアンテナ素子の複数のポートのそれぞれに接続された複数の移相器を含み、
     前記複数の移相器のそれぞれが、前記複数のポートから出力される受信信号の位相変化量を制御する請求項8に記載のアンテナシステム。
  10.  前記処理部は、前記複数のアンテナ素子の複数のポートのそれぞれに接続された複数の受信アンプ及び複数の可変減衰器の少なくとも一方を含み、
     前記複数の受信アンプのそれぞれの利得量及び前記複数の可変減衰器のそれぞれの減衰量の少なくとも一方を制御することによって前記信号レベル変化量を制御する請求項8または9に記載のアンテナシステム。
  11.  各々が、直交する2つの直線偏波を受信する2つのポート含み、2つのポートのそれぞれによって受信する直線偏波の偏波方向が複数のアンテナ素子の間で異なっている前記複数のアンテナ素子で電波を受信する方法であって、
     到来した電波を、前記複数のアンテナ素子の2つのポートのそれぞれで受信した受信信号を取得し、
     前記複数のアンテナ素子に含まれる複数のポートのそれぞれで受信される直線偏波成分の受信レベルを前記複数のポートの間で比較し、受信レベルが最も高いポートを検出する電波受信方法。
  12.  前記複数のポートのうち受信レベルが最も高いポートで受信する直線偏波の受信感度が最大になるように、前記複数のアンテナ素子のそれぞれの2つのポートの信号レベル変化量及び位相変化量を設定して通信を行う請求項11に記載の電波受信方法。
  13.  前記通信を行っている期間に、受信信号の受信レベルが判定閾値未満になると、受信レベルが最も高いポートを検出する手順、及び前記複数のアンテナ素子のそれぞれの2つのポートの信号レベル変化量及び位相変化量を設定する手順を再度実行する請求項12に記載の電波受信方法。
     
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