JPH11251821A - アンテナ指向方向制御方法 - Google Patents

アンテナ指向方向制御方法

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JPH11251821A
JPH11251821A JP5381098A JP5381098A JPH11251821A JP H11251821 A JPH11251821 A JP H11251821A JP 5381098 A JP5381098 A JP 5381098A JP 5381098 A JP5381098 A JP 5381098A JP H11251821 A JPH11251821 A JP H11251821A
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JP
Japan
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antenna
transmission beam
control method
evaluation function
receiving stations
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Application number
JP5381098A
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Inventor
Fumio Kira
文夫 吉良
Osamu Kobayashi
理 小林
Hirotsugu Ogawa
博世 小川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、アンテナ指向方向制御方法におい
て、制御対象送信アンテナの近傍に方向検出用のアンテ
ナを設置する必要性をなくするとともに、制御対象送信
アンテナのビーム方向制御の信頼性を改善することを目
的とする。 【解決手段】 制御対象アンテナ113の送信ビーム1
11のメインローブを複数の受信局15で受信し、複数
の受信局115で検出された複数の受信レベルに基づい
て送信ビーム方向変位量を算出し、算出された前記送信
ビーム方向変位量を前記制御対象アンテナ113の送信
ビーム方向を変える手段に伝達して送信ビームの方向を
制御することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛星搭載アンテナ
等の送信アンテナのビーム方向制御に利用可能なアンテ
ナ指向方向制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、衛星通信の分野においては、広
いサービスエリアを複数のスポットビームで覆うマルチ
ビーム衛星通信が数多く計画されている。この種の衛星
通信においては、衛星のアンテナからの電波の指向性を
示すビームがスポットビームになるので、送信ビームの
指向方向を精密に制御することが重要である。
【0003】一般に送信アンテナのビーム方向制御を行
う場合、所望ビーム放射方向にビーコン局を配置して、
ビーコン局の方向に送信アンテナのビームを向けるよう
に制御される。具体的には、所望ビーム放射方向にある
他のアンテナから送出されたビーコン波を、制御対象で
ある送信アンテナの近傍、または送信アンテナの一次放
射器の近傍に設置したRFセンサで受信することにより
所望ビーム放射方向を検出し、検出した所望のビーム放
射方向に向くように送信ビーム方向を制御する。
【0004】衛星に搭載した送信アンテナの送信ビーム
の方向を制御する場合の従来例について、図15を参照
して説明する。この例では、地上の送信機26からビー
コン波5が送信アンテナ14を介して衛星に向かって送
出される。衛星では、送信アンテナ13の近傍に配置さ
れた受信アンテナ3aおよび3bによりビーコン波5を
受信する。受信アンテナ3aおよび3bに接続された受
信機25a、25bは、ビーコン波5の受信レベルや位
相を出力する。
【0005】受信機25a、25bが出力するビーコン
波5の振幅や位相に関する情報は、信号処理部9に入力
される。信号処理部9は入力される情報を比較して送信
ビーム11の偏位方向及び偏位量を決定する。ビーム方
向制御機構24は、信号処理部9が決定した送信ビーム
の偏位方向及び偏位量に基づき、機械的な駆動手段など
を用いて送信アンテナ13のビーム方向を制御する。
【0006】上記処理は、ビーコン波5の到来方向と送
信アンテナ13の送信ビーム11の方向とが一致するま
で繰り返される。上記の制御系においては、アンテナに
要求される機能、すなわちRFセンサの役割をする受信
アンテナや信号処理回路が増えることは重量の増加につ
ながるので、特に衛星搭載アンテナの用途では新たな制
約が生じる。
【0007】また、制御すべき衛星上の送信アンテナの
ビームを観測せずに、他の地上アンテナからのビームを
受信してアンテナ方向を制御するので、衛星からの送信
ビームが正しく指向方向制御されているかどうかを確か
める為には、実際に送信ビームを複数のアンテナで受信
して調べなければならない。送信アンテナのビーム方向
制御に使われるRFセンサとしては受信アンテナを複数
個組み合わせたものが用いられる。また、検出方法には
振幅比較方式と位相比較方式の2種類が存在する。
【0008】振幅比較方式は受信アンテナとして反射鏡
アンテナを用いる場合に使用される。受信アンテナとし
てアレーアンテナを用いる場合には、位相比較方式が用
いられる。この種の技術は、例えば文献(アンテナ工学
ハンドブック:電子通信学会編)に記載されている。振
幅比較方式について、図16を参照して説明する。図1
6には反射鏡1,ビーム方向制御の対象となる送信ビー
ムを放射する一次放射器2,RFセンサの役割をする受
信アンテナ3a,3b及びビーコン波5,6が示されて
いる。ビーコン波6は反射鏡1で反射されたものを表わ
す。
【0009】送信アンテナが所望ビーム放射方向に正し
く指向している場合、反射鏡1で反射されたビーコン波
6は一次放射器2に収束し、2つの受信アンテナ3a,
3bに漏れ込んで受信されるビーコン波6の強度は同程
度になる。一方、図16に示すように送信アンテナが所
望ビーム放射方向に指向していない場合には、反射鏡1
で反射されたビーコン波6は一次放射器2の位置からず
れた位置に収束するので、2つの受信アンテナ3a,3
bで受信されるビーコン波の強度に違いが生じる。
【0010】振幅比較方式では、2つの受信アンテナ3
a,3bにおけるビーコン波の受信レベルを比較して、
これが常に同レベルになる様に反射鏡1の向きを修正
し、送信ビームの方向を修正する。図16では1次元的
なビーム方向のずれを検知する構成を示してあるが、送
信用の一次放射器2を中心として紙面に垂直な面に新た
なRFセンサの役割を果たす受信アンテナ3a,3bを
もう一組設置することにより、2次元的にビーム方向の
ずれを検知することもできる。
【0011】しかし、送信用の一次放射器2の近くに複
数の受信アンテナを設置せざるを得ないので、送信用の
一次放射器2と受信アンテナ3a,3bとの相互結合の
影響を除去するための給電回路を新たに設けたり、相互
結合を低減するために一次放射器2の種類や配置等が制
約を受ける事になる。従って、給電回路の構成が複雑化
したり、アンテナ特性の劣化を招くという問題がある。
【0012】位相比較方式について図17を参照して説
明する。図17においては、ビーム方向制御の対象とな
る送信用アレーアンテナ7は、素子アンテナ8a,8
b,8cにより構成されている。受信アンテナ3a,3
bは、RFセンサの役割を果たす。2つの受信アンテナ
3aと3bの距離Lは予め定めてある。ビーコン波5の
方向は、送信用アレーアンテナ7の所望ビーム放射方向
を示している。送信用アレーアンテナ7の3つの素子ア
ンテナ8a,8b,8cが互いに同相で給電されると仮
定すると、送信ビームは素子アンテナ8a,8b,8c
が配置された面(素子アンテナ配置面)と垂直な方向に
放射される。
【0013】この方向がビーコン波5の到来方向と一致
した場合、ビーコン波5は素子アンテナ3a,3bに同
相で入射することになる。しかし、素子アンテナ配置面
の垂直方向とビーコン波到来方向とが一致しない場合に
は、素子アンテナ3a,3bで受信されるビーコン波の
間に位相差Δφが生じる。
【0014】すなわち、素子アンテナ配置面の垂直方向
とビーコン波到来方向とが角度Δθだけずれて、素子ア
ンテナ3a,3bに入射するビーコン波5の行路にΔl
の差が生じる場合に素子アンテナ3a,3bで受信され
るビーコン波間の位相差Δφは次式で表される。 Δφ=2π・Δl/λ λ:ビーコン波の波長,Δl=L・sinΔθ 角度Δθは、次式によりΔφから求められる。
【0015】Δθ=sin-1(Δφ・λ/2π/L) 従って、位相差Δφを測定することにより、ビームの修
正量を知ることができる。送信用アレーアンテナの素子
アンテナにはΔθを補正する位相関係を有する信号を与
えることにより、送信ビームの方向修正を行う。しか
し、位相比較方式も送信用アレーアンテナの近くに複数
の受信アンテナを設置する点で振幅比較方式と同様の問
題がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
制御系ではビーム方向を制御すべき送信アンテナの近傍
に指向方向検出用の複数の受信アンテナを設置する必要
がある。このような受信アンテナは、一次放射器の種類
や配置等で制約を受けたり、給電回路が複雑になりアン
テナ特性の劣化を招くという問題がある。
【0017】また、制御対象のアンテナに指向方向制御
のための機能(RFセンサの役割をする受信アンテナや
信号処理回路)が集中するため、衛星搭載系を複雑化す
るという問題もある。また、従来の制御系は、制御すべ
き送信ビームを直接に観測する方法ではないため、送信
ビームが正しくビーコン波到来方向に指向している保証
が無いという問題もある。
【0018】例えば、フェーズドアレーの素子アンテナ
の一部が故障すると、送信ビームの指向性に変化が生じ
る。従来技術ではこれを補償することができない。そし
て、衛星搭載アンテナの場合には、一度打ち上げてしま
ったら搭載システムの変更は困難であるため、指向方向
制御のアルゴリズム変更も容易ではない。本発明は、ア
ンテナ指向方向制御方法において、制御対象送信アンテ
ナの近傍に方向検出用のアンテナを設置する必要性をな
くするとともに、制御対象送信アンテナのビーム方向制
御の信頼性を改善することを主な目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、制御対象アン
テナの送信ビームのメインローブを複数もしくは1つの
受信局で受信して、受信局で得られた受信レベルに基づ
いて送信ビーム方向変位量を算出することを主要な特徴
とする。本発明では、送信アンテナの近傍に受信アンテ
ナを設置する必要が無いのでアンテナ特性の劣化を招か
ないという利点を有している。また、衛星搭載アンテナ
の用途では、指向方向制御の計算が地上で行われるので
衛星の負担が軽くなる。さらに、制御すべきアンテナの
送信ビームを直接観測して制御するので、送信ビームが
正しく指向方向制御なされていることを保証できる。
【0020】すなわち、請求項1では、送信ビームの方
向を変える手段を有する制御対象アンテナの送信ビーム
の方向を予め定めた目標方向に向けるアンテナ指向方向
制御方法において、制御対象アンテナの送信ビームのメ
インローブを複数の受信局で受信し、前記複数の受信局
で検出された複数の受信レベルに基づいて送信ビーム方
向変位量を算出し、算出された前記送信ビーム方向変位
量を前記制御対象アンテナの送信ビーム方向を変える手
段に伝達して送信ビームの方向を制御することを特徴と
する。
【0021】本発明では、制御対象アンテナとは異なる
位置に配置された複数の受信局を用いて、制御対象アン
テナからの送信ビームを直接検出する。複数の受信局で
検出される複数の受信レベルに基づいて、制御対象アン
テナの送信ビームの方向を変えるための情報を送信ビー
ム方向変位量として求めることができる。求められた送
信ビーム方向変位量は、所定の送信設備などを用いて制
御対象アンテナの送信ビームの方向を変える手段、例え
ば機械的な駆動装置や電子的なビーム走査装置に与えら
れる。
【0022】請求項2は、請求項1記載のアンテナ指向
方向制御方法において、前記複数の受信局で検出された
複数の受信レベルに基づいて予め定めた評価関数を計算
し、前記送信ビーム方向変位量により前記制御対象アン
テナの送信ビーム方向を変える前と後との前記評価関数
の値を対比して、その結果に応じて、前記送信ビーム方
向変位量を調整することを特徴とする。
【0023】本発明では、制御対象アンテナの送信ビー
ム方向を変える前と後との評価関数の値を対比すること
により、送信ビームの方向が目標方向に近づいているか
否かを知ることができる。従って、送信ビームの方向が
目標方向に近づくように制御される。請求項3は、請求
項2記載のアンテナ指向方向制御方法において、前記評
価関数により、前記複数の受信局で得られた受信レベル
の対数値を重み付けして足し合わせた値を求め、求めら
れた評価関数の値が極大値になるように前記送信ビーム
方向変位量を決定することを特徴とする。
【0024】請求項4は、請求項3記載のアンテナ指向
方向制御方法において、前記評価関数に関する前記複数
の受信局の重み付けを全て同じに定めた場合に、前記複
数の受信局で得られる受信レベルから求められる前記評
価関数の計算値が極大値をとるように、前記複数の受信
局を配置する位置を決定することを特徴とする。請求項
5は、請求項3記載のアンテナ指向方向制御方法におい
て、前記複数の受信局を配置する位置を予め決定した場
合に、前記複数の受信局で得られる受信レベルから求め
られる前記評価関数の計算値が極大値をとるように、前
記複数の受信局の各々の重み付けを決定することを特徴
とする。
【0025】請求項6は、請求項3記載のアンテナ指向
方向制御方法において、前記複数の受信局を配置する位
置を、制御対象アンテナの送信ビームの目標方向に対し
て所定角度ずれた位置に定めるととともに、前記複数の
受信局を制御対象アンテナの送信ビームの目標方向に対
して対称な位置関係で配置し、前記複数の受信局で得ら
れる受信レベルから求められる前記評価関数の計算値が
極大値をとるように、前記複数の受信局の各々の重み付
けを決定することを特徴とする。
【0026】請求項7は、送信ビームの方向を変える手
段を有する制御対象アンテナの送信ビームの方向を予め
定めた目標方向に向けるアンテナ指向方向制御方法にお
いて、制御対象アンテナの送信ビームのメインローブを
1つの受信局で受信し、前記受信局で検出された受信レ
ベルに応じた送信ビーム方向変位量を算出し、算出され
た前記送信ビーム方向変位量を前記制御対象アンテナの
送信ビーム方向を変える手段に伝達して送信ビームの方
向を制御し、前記受信局で検出された受信レベルが極大
値をとるように前記送信ビームの方向を制御することを
特徴とする。
【0027】本発明では単一の受信局だけを用いて、送
信ビーム方向変位量を求める。受信レベルが極大値をと
るように前記送信ビームの方向を制御するので、受信局
が1つだけであっても送信ビームの方向を制御できる。
請求項8は、請求項2又は請求項7記載のアンテナ指向
方向制御方法において、前記制御対象アンテナとしてフ
ェーズドアレーアンテナを用い、フェーズドアレーアン
テナを電子的に制御して送信ビームの方向を制御するこ
とを特徴とする。
【0028】請求項9は、請求項8記載のアンテナ指向
方向制御方法において、前記制御対象アンテナとして、
FFT回路と可変電力分配器とを組み合わせたフェーズ
ドアレーアンテナを用い、前記可変電力分配器の電力分
配比を変えることにより送信ビームの方向を変えること
を特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)この形態の
アンテナ指向方向制御方法を実施するシステムの構成と
動作を図1〜図6に示す。この形態は、請求項1及び請
求項2に対応する。
【0030】図1は、本発明のアンテナ指向方向制御方
法を実施するシステムの構成を示すブロック図である。
図2は、図1のシステムで実施されるアンテナ指向方向
制御の概要を示すフローチャートである。図3は送信ビ
ームと受信局の位置関係を示す模式図である。図4は送
信ビームの指向特性を示すグラフである。図5及び図6
は評価関数の値を示すグラフである。
【0031】この形態では、請求項1の送信ビーム,送
信ビームの方向を変える手段,制御対象アンテナ及び複
数の受信局は、それぞれ送信ビーム111,ビーム方向
制御機構124,制御対象送信アンテナ113及び受信
アンテナ115として具体化されている。この形態で
は、図1に示すように互いに同じ構成の受信アンテナ1
15及び受信機127がそれぞれ複数存在している。こ
の明細書及び図面においては、複数の受信アンテナ11
5及び受信機127のそれぞれを区別する必要がある場
合には、それらの符号に括弧と共に識別番号を付けて区
別する。
【0032】この形態においては、図1に示すように、
衛星100上に搭載された制御対象送信アンテナ113
の送信ビーム111の指向方向を地上200からの指示
で制御する。勿論、本発明のアンテナ指向方向制御方法
は、衛星搭載アンテナに限らず地上のアンテナであって
も制御対象とすることができる。衛星100上の送信機
122から制御対象送信アンテナ113に信号が給電さ
れると、図1に示すように送信ビーム111が形成され
る。この例では、衛星100上のビーム方向制御機構1
24を駆動することにより、機械的に制御対象送信アン
テナ113の向きを変えることができる。制御対象送信
アンテナ113の向きを変えると送信ビーム111の方
向が変化する。
【0033】送信ビーム111を検出するために、地上
200には、受信アンテナ115及び受信機127で構
成される受信局が、互いに離れた位置に複数(N個)配
置されている。それぞれの受信局は、衛星100の送信
ビーム111を受信アンテナ115で受信して、受信し
た信号のレベル(振幅)を測定する。
【0034】地上200に配置された信号処理部110
は、複数の受信局がそれぞれ検出した信号レベルを入力
し、これらの信号レベルに基づいて、予め定められた評
価関数の値を算出する。信号処理部110における評価
関数の計算は、ビーム方向制御機構124が送信ビーム
111の方向を変える前と、変えた後との両方について
実施される。そして、信号処理部110は送信ビーム1
11の方向が変わる前の評価関数の値と、送信ビーム1
11の方向が変わった後の評価関数の値とを比較する。
【0035】この比較の結果に応じて、信号処理部11
0は送信ビーム111の方向制御に関する操作量である
偏位方向及び偏位量を決定する。この偏位方向及び偏位
量は、地上200の送信系116を用いて、地上からの
送信ビーム105として衛星100に送られる。地上か
らの送信ビーム105は、衛星100の受信系117に
よって受信される。
【0036】送信系116は送信機と送信アンテナとで
構成され、受信系117は受信機と受信アンテナで構成
される。なお、実際の人工衛星には、地上からのテレメ
トリコマンドを受信するための受信装置が搭載されてい
るので、それを受信系117として用いることができ
る。また、地上には人工衛星にテレメトリコマンドを送
信するための地球局設備が設けられるので、その地球局
設備を送信系116として用いることができる。
【0037】衛星100の受信系117が受信する地上
からの送信ビーム105に含まれる偏位方向及び偏位量
の情報は、ビーム方向制御機構124に入力される。ビ
ーム方向制御機構124は、受信系117から入力され
る偏位方向及び偏位量の情報に従って、制御対象送信ア
ンテナ113を駆動して送信ビーム111の方向を変え
る。
【0038】所定の目標方向に送信ビーム111の方向
が向くように、上記制御動作が繰り返される。また、一
旦送信ビーム111の方向が目標方向に向いた後であっ
ても、例えば衛星の姿勢変動等に伴って送信ビーム11
1の方向が目標方向からずれると、送信ビーム111の
方向を目標方向と一致させるために、上記制御が繰りか
えされる。
【0039】図1においては、送信ビーム111の方向
の変化を一次元的に示してあるが、2次元的に送信ビー
ム111の方向が変化する場合には、送信ビーム111
の方向を2つの方向、例えば方位角方向と仰角方向と
で、それぞれ動かすことによって送信ビーム111の方
向を目標方向に向けることができる。図1のシステムで
実施されるアンテナ指向方向制御の制御手順について、
図2を参照して説明する。
【0040】図2に示すステップS1においては、地上
200の受信アンテナ115で受信され受信機127か
ら出力される複数の受信レベルを、信号処理部(例えば
通信回線監視局等の設備)110に集約する。ステップ
S2においては、ステップS1で入力された複数の受信
レベルに基づいて、評価関数の計算を実施する。
【0041】この形態の制御系においては、制御を開始
した直後に、信号処理部110から送信系116,受信
系117を介してビーム方向制御機構124に信号を送
り、送信ビーム111の方向を試験的に所定角度+Δφ
(または−Δφ)だけ偏位させる。
【0042】送信ビーム111の方向が変わると、受信
アンテナ115で受信される送信ビーム111の受信レ
ベルが変化するので、ステップS2の評価関数の値が変
化する。ステップS3においては、送信ビーム111の
方向が変わる前と変わった後とで求められた評価関数の
値を比較する。この比較の結果に応じて、ステップS4
で偏位方向を求める。
【0043】すなわち、送信ビーム111の方向が変わ
る前の評価関数の値に比べて、送信ビーム111の方向
が変わった後の評価関数の値が増大した場合には、前回
の制御サイクルにおける偏位方向と同じ偏位方向を採用
する。また、送信ビーム111の方向が変わる前の評価
関数の値に比べて、送信ビーム111の方向が変わった
後の評価関数の値が減少した場合には、前回の制御サイ
クルにおける偏位方向と逆方向を偏位方向として採用す
る。
【0044】ステップS5では、求められた偏位量とス
テップS4の偏位方向の情報を、送信系116を用いて
衛星100の受信系117に送信する。ステップS6で
は、衛星100上のビーム方向制御機構124が制御対
象送信アンテナ113を駆動して送信ビーム111の方
向を変える。図2に示すように、上記の制御は繰り返し
実行される。従って、送信ビーム111の方向は徐々に
目標方向に向くように制御される。
【0045】図1に示されるように、この例では、RF
センサの役割をする受信アンテナ115を地上200に
設置するとともに、ビーム指向方向制御に関わる評価関
数の算出も地上200の信号処理部110で行う。この
ため、衛星100にはこれらの装置を搭載する必要がな
く、衛星100の軽量化が実現する。また、指向方向制
御のアルゴリズムの改変(評価関数の改変)について
も、信号処理部110が地上200に配置されているの
で容易に行うことができる。
【0046】更に、制御対象送信アンテナ113の送信
ビーム111を直接観測して送信ビーム111の方向を
制御するので、送信ビーム111の向く方向の信頼性が
高い。例えば、制御対象送信アンテナ113としてフェ
ーズドアレーアンテナを用いる場合に、フェーズドアレ
ーアンテナを構成する一部の素子アンテナが故障する
と、アンテナの指向特性が変化するので送信ビーム11
1の方向が変化するが、その場合でも正しい目標方向に
送信ビーム111を向けることができる。
【0047】次に、ステップS2で計算する評価関数に
ついて説明する。なお、この例では制御対象送信アンテ
ナ113を搭載する衛星100が静止衛星であるものと
仮定して説明する。また、この例では、制御対象送信ア
ンテナ113は、直径が100λであり、一様励振分布
の円形開口を有する場合を想定した。制御対象送信アン
テナ113のビーム半値幅は約0.6度である。また便
宜上、受信局数が2局の場合について説明する。この場
合、送信ビーム111の指向方向は、2つの受信局位置
を結ぶ直線上と対向する範囲内で制御される。
【0048】図3を参照すると、制御対象送信アンテナ
の位置118,送信ビームの方向119,目標方向12
0,各受信局の位置123(1)及び123(2)が示されて
いる。各受信局の位置123(1)及び123(2)は、目標
方向120からそれぞれ角度θ1及びθ2だけ離れた方向
に存在する。図3において、目標方向120及び送信ビ
ームの方向119は各受信局の位置123(1)及び12
3(2)を結ぶ線分上にあるので、この線上の範囲内で送
信ビームの方向119を制御する。
【0049】図4は送信ビーム111のある時点での指
向特性と、制御対象送信アンテナ113からみた受信局
の位置を示している。図4において、縦軸は相対利得を
示し、横軸はビーム放射方向の目標方向120を0とす
る相対角度を示している。また、図4においては、送信
ビーム111が正しく指向方向制御され、目標方向12
0に向いている場合の指向特性が実線で示されている。
また、目標方向120に対してΔθだけずれた方向に送
信ビーム111が向いている場合の送信ビーム111の
指向特性が点線で示されている。
【0050】図4を参照すると、送信ビーム111の指
向方向の変化に対して、各々の受信局の方向(θ1
θ2)に照射される信号強度の変化量に、違いがあるこ
とがわかる。次に、上記2つの受信局の位置123
(1),123(2)で得られる受信レベルから制御対象送信
アンテナ113のビーム制御方向を算出する手法につい
て、以下に説明する。
【0051】送信アンテナからみた受信アンテナの方向
をθ1,θ2で表す場合、それぞれの受信局での信号レベ
ルV1及びV2は、送信アンテナの指向特性を表わす関
数g(θ)を用いて、次式で表すことができる。 V1=g(θp−θ1)×R1 ・・・ (1) V2=g(θp−θ2)×R2 ・・・ (2) ここで、θpは送信ビームの指向方向、R1,R2は2つ
の受信局の受信アンテナや受信機の利得の偏差や、伝搬
路の違いによる受信レベルの差を加味した比例定数であ
る。
【0052】さらに、上記の2つの受信局における受信
レベルの対数をとり、係数W,(1−W)で重み付けして
それらを足し合わせた結果Vは次式で表される。 V=W・10・Log10(g(θp−θ1)・R1)+(1−W)・10・Log10(g(θp−θ2)・R2) =W・10・Log10(g(θp−θ1))+W・10・Log10(R1)+ (1−W)・10・Log10(g(θp−θ2))+(1−W)・10・Log10(R2) ・・・ (3) 送信ビーム111の指向性制御においては、上記第3式
のθpに関する依存性のみが重要であるので、その項の
みをとり出して、次に示す評価関数E(θp)として定義
する。
【0053】 E(θp)=W・10・Log10(g(θp−θ1))+(1−W)・10・Log10(g(θp−θ2)) ・・・(4) 前記係数Wを0.5に定めて、2つの受信局での重み付け
を同一とした場合の評価関数E(θ)の値を図5に示
す。図5において、横軸は送信ビームの指向方向を表わ
している。2つの受信局の中央の方向を0度に定めた。
また、図5における評価関数E(θ)の値は、送信ビー
ムの指向方向が0度の場合の値で正規化してある。
【0054】図5に示す鎖線36,実線37及び点線3
8は、それぞれ、受信局間距離が250km,500k
m及び750kmの場合の評価関数の振る舞いを表わし
ている。受信局間距離の250km,500km及び7
50kmは、それぞれ、受信局方向θ1,θ2の±0.2
度,±0.4度及び±0.6度に対応する。送信ビームの第一
のヌル点はビーム中心方向から±0.7度の方向にあり、
2つの受信局が送信ビームのヌル点方向よりも内側の角
度範囲(すなわちメインローブの角度範囲)にある場
合、評価関数E(θ)の値は2つの受信局の中央の方向
で一つの極大値を持つ。
【0055】つまり、目標方向120を挟んで同じ角度
だけ離れた方向に受信局が配置された場合、評価関数E
(θp)が増加する方向に送信ビームを偏位させること
により送信ビームの指向方向制御が可能である。次に2
つの受信局が、所望ビーム放射方向を挟んで等角度だけ
離れた方向に配置されていない場合について説明する。
【0056】図6は、受信局間距離を500kmとし、
重み付け係数Wを0.3,0.5,0.8と変化させた場合の評
価関数E(θp)の値を、鎖線39,実線40及び点線
41として表している。図6において、横軸は送信ビー
ムの指向方向を表わしており、2つの受信局の中央の方
向を0度に定めてある。また、図6における評価関数E
(θp)の値は、送信ビームの指向方向が0度の場合の
値により正規化されている。
【0057】図6を参照すると、2つの受信局が送信ビ
ームのヌル点方向よりも内側の角度範囲にある±0.3度
の角度範囲で1つの極大値を持ち、その方向は各々−0.
10度,0度,+0.15度になっている。従って、受信局の
設置位置を変えなくても、重み付け係数Wを変えること
により、評価関数E(θp)が極大値をとる方向の変更
が可能であることが分かる。このことから、目標方向1
20を挟んで同じ角度だけ離れた方向に受信局を設置す
ることができない場合であっても、適当な重み付け係数
Wを選ぶことにより、所望の方向に送信ビームを指向さ
せることが可能である。
【0058】(第2の実施の形態)この形態のアンテナ
指向方向制御方法について、図7及び図8を参照して説
明する。この形態は、請求項3に対応する。この形態の
制御対象の装置の構成及び基本的な制御の手順について
は、第1の実施の形態と同一である。変更された部分の
みについて以下に説明する。
【0059】実際のアンテナ指向方向制御においては、
2次元的なビーム方向制御が求められるので、この形態
では、2つの軸方向のそれぞれの角度θx,θyを用い
て、送信ビームの指向制御方向を2次元的に(θx
θy)と表す。ビーム放射方向の目標方向の角度(0,
0)で極大値をとる評価関数の具体例を次に示す。ま
ず、受信局数が2局の場合について説明する。送信ビー
ムの指向制御方向を2次元的に考慮するので、送信ビー
ムの指向特性を表わす関数をg(θx,θy)で表し、指
向方向を(θpx,θpy)、送信アンテナからみた各受信
局の方向をそれぞれ(θ1x,θ1y),(θ2x,θ2y)で
表す。この場合、評価関数E(θpx,θpy)は次式で表
される。
【0060】 E(θpx,θpy)=W・10・Log10(g(θpx−θ1x,θpy−θ1y))+ (1−W)・10・Log10(g(θpx−θ2x,θpy−θ2y)) ・・・ (5) 図11は、受信局数をNとした場合の送信ビームと受信
局との位置関係を示している。図11に示す目標方向1
20の方向は(0,0)で表され、送信ビームの方向1
19の方向は(θpx,θpy)で表される。
【0061】また、送信アンテナからみた各受信局の位
置123(1),123(2),123(3),123(3),・
・,123(N)の方向は、それぞれ(θ1x,θ1y),
(θ2x,θ2y),(θ3x,θ3y),・・・,(θNx,θ
Ny)で表される。受信局数がNの場合の評価関数E(θ
px,θpy)は次式で表わされる。 E(θpxpy)=W1・10・Log10(g(θpx−θ1x,θpy−θ1y))+ W2・10・Log10(g(θpx−θ2x,θpy−θ2y))+ W3・10・Log10(g(θpx−θ3x,θpy−θ3y))+ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ WN・10・Log10(g(θpx−θNx,θpy−θNy)) ・・・ (6) 但し、W1+W2+W3+・・・+WN=1 この形態においては、送信ビーム方向の制御を行うアン
テナを、直径100λの一様励振分布の円形開口とし、
受信局数は2として説明する。このアンテナのビーム半
値幅は約0.6度である。
【0062】この例では受信局数が2であるので、各々
の受信局の方向を、それぞれ(θ1x,0),(θ2x
0)で表し、目標方向120(0度,0度)を挟むよう
に受信局を配置する。2つの受信局が0.8度離れた方向
にある場合には、既に説明した図6の評価関数でに示さ
れている。重み付け係数を0.3,(1−0.3)とした場合
には、評価関数の極大値は、2つの受信局の中央方向か
ら重み付けの大きい受信局に0.1度近づいた方向にでき
る。
【0063】このことから、重み付け係数を各々0.3,
(1−0.3)とした場合、評価関数が目標方向120(0
度,0度)で極大値をとるためには、2つの受信局の方
向を各々(−0.3度,0度)及び(0.5度,0度)にすれ
ばよい。
【0064】図8は評価関数の値を等高線の形で表して
いる。図8において、横軸及び縦軸は、それぞれ角度θ
x,θyである。図8の印「×」は受信局の方向を表わし
ている。このように、所望ビーム放射方向で評価関数が
極大値になる受信局配置と重み付けを求められれば、評
価関数の値が増加する方向に送信ビーム方向を制御し
て、目標方向に送信ビームを向けることができる。つま
り、送信ビームの指向方向制御が可能である。
【0065】ここで用いている評価関数E(θp)は、
送信アンテナの指向特性g(θ)が決定された場合、受
信局の方向θ1,θ2および重み付け係数Wl,W2のみに
依存し、各々の受信系の利得偏差には依存しない。この
ことは、人工衛星からの送信ビームのように受信地点で
のビーム照射範囲が数百kmにわたる場合に大きな意味
を持っている。その場合、複数の受信アンテナは広い範
囲に配置せざるを得ず、各々の受信アンテナの置かれた
場所における気象条件等の環境は大きく異なることが予
想される。
【0066】このような場合、複数の受信アンテナで測
定される送信ビームの絶対的な強度を比較するには、気
象条件による影響(信号減衰等)も考慮に入れる必要が
あり、複数の受信アンテナで得られる信号の絶対比較を
必要とするシステムの実現には困難が予想される。この
形態では、受信局で得られる受信レベルの対数値を重み
付けして足し合わせたものを評価関数E(θp)とする
ことにより、個々の受信局の絶対利得の校正(補正)が
不要になるという利点を有している。
【0067】(第3の実施の形態)この形態のアンテナ
指向方向制御方法について、図9を参照して説明する。
この形態は請求項4に対応する。この形態の制御対象の
装置の構成及び基本的な制御の手順については、第1の
実施の形態と同一である。変更された部分のみについて
以下に説明する。
【0068】受信局が3個の場合について、各受信局の
重み付けを同じにして、所望ビーム放射方向で評価関数
が極大値をとるように、3つの受信局を配置した場合の
評価関数の変化を等高線の形で図9に示す。この例で
は、制御対象送信アンテナの直径を100λとし、形状
を一様励振分布の円形開口とした。図9の横軸及び縦軸
は、角度θx及びθyを示している。中心方向(0度,
0度)はアンテナの所望ビーム放射方向である。また、
受信局の方向が印「×」で表わされている。この例で
は、3個の受信アンテナの重み付けは全て(1/3)に
定めた。
【0069】図9に示す印「×」の位置に3つの受信ア
ンテナを配置すれば、所望ビーム放射方向で評価関数が
極大値をとるようになる。この例では、3つの受信アン
テナの方向を各々(0.30度,0度),(−0.20度,0.20
度),(−0.10度,−0.21度)に定めればよい。通信用
途に用いられるアンテナ指向特性のメインローブの形状
は、図4に示されたように対称性の良いものが多い。も
しも、受信局の重み付けが大きく異なる場合には、評価
関数が極大値となる方向で、重み付けの大きな受信局は
メインローブの中心寄りの部分で受信することになり、
重み付けの小さな受信局はメインローブの中心から離れ
た部分で受信することになる。
【0070】受信局の重み付けが極端に異なる場合に
は、極大値周辺の評価関数の傾きが方向によって大きく
異なる場合も考えられる。このような場合は、送信ビー
ムの偏位量の算出に偏位方向が関係するので、ビーム方
向の指向制御が複雑になる。この形態では、各受信局の
重み付けを同一にすることにより、個々の受信局の受信
レベルが一様に高い方向で評価関数が極大値を持つと共
に、極大値周辺の評価関数の傾きが均等になるという利
点を有している。
【0071】(第4の実施の形態)この形態のアンテナ
指向方向制御方法について、図10を参照して説明す
る。この形態は請求項5に対応する。この形態の制御対
象の装置の構成及び基本的な制御の手順については、第
1の実施の形態と同一である。変更された部分のみにつ
いて以下に説明する。
【0072】図10は、受信局が3個の場合について、
所望ビーム放射方向で評価関数が極大値をとるように3
つの受信局の重み付けを決定した場合の評価関数の変化
を等高線の形で表している。この例では、制御対象の送
信アンテナとして、直径が100λで、形状が一様励振
分布の円形開口の場合を想定した。図10の横軸及び縦
軸は、それぞれ角度θx、θyである。中心方向(0度,
0度)は、アンテナの目標方向である。
【0073】図10の印「×」は、受信局が配置される
位置の方向を表わしている。3つの受信局は、それぞれ
(−0.2度,0.2度),(0.4度,0度),(0度,−0.4
度)に対応する方向に配置されている。これらの受信局
は互いに非対称な方向に配置されている。この場合、評
価関数が(0度,0度)で極大値をとるように決定され
た重み付けは、各々0.536,0.232,0.232である。
【0074】受信局の設置場所は制約を受けることが多
く、実用上は既に存在する受信局を活用することが望ま
しい。この形態のアンテナ指向方向制御方法では、個々
の受信局の重み付けを変えることにより、受信局の設置
場所が限定される場合でも送信ビームの指向方向制御が
可能になる。 (第5の実施の形態)この形態のアンテナ指向方向制御
方法について、図11,図12及び図13を参照して説
明する。この形態は請求項6に対応する。
【0075】この形態の制御対象の装置の構成及び基本
的な制御の手順については、第1の実施の形態と同一で
ある。変更された部分のみについて以下に説明する。制
御対象送信アンテナの位置118と、3つの受信局の位
置123(1),123(2)及び123(3)が図11に示さ
れている。
【0076】図11において、受信局の位置123
(1),123(2)及び123(3)は、それぞれ目標方向1
20から所定角度Δθだけずれた位置に配置されてい
る。また、送信アンテナの目標方向120と受信局を含
む各々の面は、互いに120度の角をなして隣接してい
る。つまり、3つの受信局の位置は目標方向120に対
して互いに対称な位置関係で配置されている。
【0077】なお、受信局が2つの場合には、目標方向
120と受信局を含む各々の面の隣接する角度は180
度になり、受信局が4つの場合には、目標方向120と
受信局を含む各々の面の隣接する角度は90度になる。
図12は、受信局が3局の場合について、上記方法で受
信局の配置と重み付けを決定した場合の評価関数の変化
を等高線の形で表している。同様に、図13は受信局が
4局の場合を示している。
【0078】この例では、制御対象の送信アンテナとし
て、直径が100λで形状が一様励振分布の円形開口で
ある場合を想定した。図12,図13において、横軸及
び縦軸は、それぞれ角度θx,θyを示している。図1
2,図13の中心方向(0度,0度)は、アンテナの所
望ビーム放射方向である。図12,図13において、印
「×」は受信局の方向を表わしている。受信局は目標方
向120に対して4度離れた方向に配置してある。
【0079】図12における各受信局の配置方向は(0
度,0.4度),(0.346度,−0.2度),(−0.346度,−
0.2度)であり、図13における各受信局の配置方向は
(0度,0.4度),(−0.4度,0度),(0度,−0.4
度),(0.4度,0度)である。ここで仮定している送
信ビームの指向特性は軸対称なので、目標方向120で
評価関数が極大値をとるように決定された受信局の重み
は、複数の受信局で同じになる。つまり、3局の場合は
全て(1/3)であり、4局の場合は(1/4)にな
る。
【0080】この形態のアンテナ指向方向制御方法で
は、複数の受信局を空間的に均等配置することにより、
各々の受信局の重み付けを略均等に配分することが可能
であり、評価関数も極大値を中心として対称性の良いも
のが得られる。指向方向制御の精度や、対応可能なビー
ム方向のずれ(角度)等の指向方向制御の性能は、評価
関数によって左右される。つまり、様々な方向で均質な
ビーム方向制御を可能とする利点を有する。また、送信
ビームの指向特性が軸対称な場合は、各々の受信局の重
みを同一にできるという利点を有している。
【0081】(第6の実施の形態)この形態のアンテナ
指向方向制御方法について、図14を参照して説明す
る。この形態は請求項7に対応する。この形態では、単
一の受信局だけを使用する。制御対象の装置の構成及び
基本的な制御の手順については、第1の実施の形態と同
一である。変更された部分のみについて以下に説明す
る。
【0082】図14は、1つの受信局で得られる受信レ
ベルを等高線の形で表している。この例では、制御対象
の送信アンテナの直径が100λで、形状が一様励振分
布の円形開口の場合を想定した。図14の横軸及び縦軸
は、それぞれ角度θx,θyを示している。また、中心方
向(0度,0度)はアンテナの目標方向を示している。
図14に示す印「×」は、受信局の位置の方向を表わし
ている。
【0083】この形態のアンテナ指向方向制御方法は、
lつの受信局で得られる受信レベルが極大値をとるよう
に送信ビームの指向方向制御を行うものであり、送信ビ
ームが所望ビーム放射方向を指向したの場合に利得が極
大となる方向に受信局を設置すれば、1つの受信局で指
向方向制御が可能になる。 (第7の実施の形態)請求項8に対応する実施の形態に
ついて説明する。この形態では、図1の制御対象送信ア
ンテナ113の代わりにフェーズドアレーアンテナを用
いる点が第1の実施の形態と異なる。それ以外の構成及
び動作については、第1の実施の形態と同一である。
【0084】フェーズドアレーアンテナは各々の素子ア
ンテナに与える位相または振幅を電子的に変化させるこ
とによりビームの方向を変化させることができる。従っ
て機械的な駆動機構を用いる必要がない。また、フェー
ズドアレーアンテナの送信ビームを制御する場合には、
素子アンテナの一部に不良が生じた場合においても正確
な方向にビームを指向させることが可能である。
【0085】(第8の実施の形態)請求項9に対応する
実施の形態について説明する。この形態では、第7の実
施の形態と同様に、図1の制御対象送信アンテナ113
の代わりにフェーズドアレーアンテナを用いる。特に、
この形態ではFFT回路とそれに信号を同相で供給する
可変電力分配器を組み合わせて構成したフェーズドアレ
ーアンテナを用いている。それ以外の構成及び動作につ
いては、第1の実施の形態と同一である。
【0086】なお、FFT回路とそれに信号を同相で供
給する可変電力分配器を組み合わせて構成したフェーズ
ドアレーアンテナについては、例えば文献〔小林他、
「マルチビーム方向制御を実現するバトラーマトリクス
型給電回路」、信学技報SANE96−3、SAT96
−3、pp.13−18、1996年4月〕に示されて
いる。
【0087】すなわち、このフェーズドアレーアンテナ
は、給電端子を切換選択することにより幾つかのマルチ
ビームを発生しうる多端子アレー回路として働くFFT
回路と、隣接する2ビームを形成するFFT回路の2つ
の給電端子に信号を任意の電力比に分割して同相で供給
する可変電力分配器とを組み合わせて構成される。
【0088】このフェーズドアレーアンテナにおいて
は、隣接する2ビームの間の任意方向にもビームを指向
させることが可能である。この構成のアレーアンテナは
給電端子に供給される信号の電力比を変化させるだけで
ビーム方向を変えることができるので、送信アンテナの
ビーム方向制御に関わる機構の簡略化、または送信アン
テナと受信アンテナとで伝達される情報量を減らすのに
有利である。
【0089】
【発明の効果】本発明のアンテナ指向方向制御方法にお
いては、送信アンテナの近傍に受信アンテナを設置する
必要がないので、アンテナ特性の劣化を招かないという
利点を有している。また、衛星搭載アンテナの用途で
は、指向方向制御の計算は地上で行われるので、衛星搭
載系ではRFセンサ等の機器が不要となり衛星の負担が
軽くなる。さらに、制御すべきアンテナの送信ビームを
直接観測して制御しているため、送信ビームが正しく指
向方向制御なされていることを保証できる。
【0090】受信アンテナで得られた受信レベルの極大
値または、受信レベルの対数値を重み付けして足し合わ
せた値が極大値をとるように制御する場合、評価関数は
個々の受信系の絶対利得には依存しないので、受信局の
絶対利得の校正(補正)が不要になるという利点が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のアンテナ指向方向制御方法
を実施するシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムで実施されるアンテナ指向方向
制御の概要を示すフローチャートである。
【図3】送信ビームと受信局の位置関係を示す模式図で
ある。
【図4】送信ビームの指向特性を示すグラフである。
【図5】評価関数の値を示すグラフである。
【図6】評価関数の値を示すグラフである。
【図7】送信ビームと受信局の位置関係を示す模式図で
ある。
【図8】評価関数の値の分布を等高線で示すグラフであ
る。
【図9】評価関数の値の分布を等高線で示すグラフであ
る。
【図10】評価関数の値の分布を等高線で示すグラフで
ある。
【図11】送信ビームと受信局の位置関係を示す模式図
である。
【図12】評価関数の値の分布を等高線で示すグラフで
ある。
【図13】評価関数の値の分布を等高線で示すグラフで
ある。
【図14】評価関数の値の分布を等高線で示すグラフで
ある。
【図15】アンテナ指向方向制御系の従来例を示すブロ
ック図である。
【図16】従来例で用いられる振幅比較方式を説明する
ための模式図である。
【図17】従来例で用いられる位相比較方式を説明する
ための模式図である。
【符号の説明】
100 衛星 105 地上からの送信ビーム 110 信号処理部 111 送信ビーム 113 制御対象送信アンテナ 115 受信アンテナ 116 送信系 117 受信系 118 制御対象送信アンテナの位置 119 送信ビームの方向 120 目標方向 122 送信機 123 受信局の位置 124 ビーム方向制御機構 127 受信機 200 地上

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信ビームの方向を変える手段を有する
    制御対象アンテナの送信ビームの方向を予め定めた目標
    方向に向けるアンテナ指向方向制御方法において、 制御対象アンテナの送信ビームのメインローブを複数の
    受信局で受信し、 前記複数の受信局で検出された複数の受信レベルに基づ
    いて送信ビーム方向変位量を算出し、 算出された前記送信ビーム方向変位量を前記制御対象ア
    ンテナの送信ビーム方向を変える手段に伝達して送信ビ
    ームの方向を制御することを特徴とするアンテナ指向方
    向制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアンテナ指向方向制御方
    法において、前記複数の受信局で検出された複数の受信
    レベルに基づいて予め定めた評価関数を計算し、前記送
    信ビーム方向変位量により前記制御対象アンテナの送信
    ビーム方向を変える前と後との前記評価関数の値を対比
    して、その結果に応じて、前記送信ビーム方向変位量を
    調整することを特徴とするアンテナ指向方向制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のアンテナ指向方向制御方
    法において、前記評価関数により、前記複数の受信局で
    得られた受信レベルの対数値を重み付けして足し合わせ
    た値を求め、求められた評価関数の値が極大値になるよ
    うに前記送信ビーム方向変位量を決定することを特徴と
    するアンテナ指向方向制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のアンテナ指向方向制御方
    法において、前記評価関数に関する前記複数の受信局の
    重み付けを全て同じに定めた場合に、前記複数の受信局
    で得られる受信レベルから求められる前記評価関数の計
    算値が極大値をとるように、前記複数の受信局を配置す
    る位置を決定することを特徴とするアンテナ指向方向制
    御方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のアンテナ指向方向制御方
    法において、前記複数の受信局を配置する位置を予め決
    定した場合に、前記複数の受信局で得られる受信レベル
    から求められる前記評価関数の計算値が極大値をとるよ
    うに、前記複数の受信局の各々の重み付けを決定するこ
    とを特徴とするアンテナ指向方向制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のアンテナ指向方向制御方
    法において、前記複数の受信局を配置する位置を、制御
    対象アンテナの送信ビームの目標方向に対して所定角度
    ずれた位置に定めるととともに、前記複数の受信局を制
    御対象アンテナの送信ビームの目標方向に対して対称な
    位置関係で配置し、前記複数の受信局で得られる受信レ
    ベルから求められる前記評価関数の計算値が極大値をと
    るように、前記複数の受信局の各々の重み付けを決定す
    ることを特徴とするアンテナ指向方向制御方法。
  7. 【請求項7】 送信ビームの方向を変える手段を有する
    制御対象アンテナの送信ビームの方向を予め定めた目標
    方向に向けるアンテナ指向方向制御方法において、 制御対象アンテナの送信ビームのメインローブを1つの
    受信局で受信し、 前記受信局で検出された受信レベルに応じた送信ビーム
    方向変位量を算出し、 算出された前記送信ビーム方向変位量を前記制御対象ア
    ンテナの送信ビーム方向を変える手段に伝達して送信ビ
    ームの方向を制御し、 前記受信局で検出された受信レベルが極大値をとるよう
    に前記送信ビームの方向を制御することを特徴とするア
    ンテナ指向方向制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項2又は請求項7記載のアンテナ指
    向方向制御方法において、前記制御対象アンテナとして
    フェーズドアレーアンテナを用い、フェーズドアレーア
    ンテナを電子的に制御して送信ビームの方向を制御する
    ことを特徴とするアンテナ指向方向制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のアンテナ指向方向制御方
    法において、前記制御対象アンテナとして、FFT回路
    と可変電力分配器とを組み合わせたフェーズドアレーア
    ンテナを用い、前記可変電力分配器の電力分配比を変え
    ることにより送信ビームの方向を変えることを特徴とす
    るアンテナ指向方向制御方法。
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