JP2005236255A - ウェハ温度調整装置及びウェハ温度調整方法 - Google Patents

ウェハ温度調整装置及びウェハ温度調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】温度調整の対象となるウェハと、所定の温度に設定された平面との間に隙間を設けつつも、両者間の熱伝導を向上させる。
【解決手段】温調プレート3は、その上側に平面3cと、平面3cから突出する突起44,45を有している。半導体ウェハWは、平面3cの上方で後述する流体F10によって支持される。突起44,45は、平面3cの上方において半導体ウェハWの端部が平面3cに平行な移動を制限する。温調プレート3の中央部には、平面3cにおいて設けられて流体を供給する少なくとも一つの吹き出し口3aが一つ設けられている。吹き出し口3aは、流体流入口310から矢印の方向に向かって冷却部1及び温調プレート3を貫通して導入された流体F10を吹き出すことにより、平面3cにおいて流体F10を供給する。
【選択図】図1

Description

この発明は温度調整技術に関し、特にウェハ(例えば半導体ウェハ)を加熱、冷却する技術に関する。
半導体ウェハの処理の一工程である、リソグラフィー工程において、薬液の塗布、加熱、温度調整が繰り返される。そしてこれら加熱、冷却工程では温度管理が厳しく要求される。また、生産性向上のため、冷却、加熱に要する時間を短縮することも要求されている。
半導体ウェハの温度を調整する際、温度調整された平面を有する温調プレートに接触させると、半導体ウェハの微少な破片が発生したり、温調プレート上のゴミが半導体ウェハに付着したりする。あるいは更に、半導体ウェハのゴミが温調プレートに付着して他の半導体ウェハに付着して汚染が拡大する可能性がある。
また、半導体ウェハは極く僅かながら歪んでいるので、温調プレートと接触する部分と接触しない部分との間で温度むらが発生する。
かかる問題を回避するため、温調プレート上に突起を設け、これで半導体ウェハを支持する技術が、例えば特許文献1〜3に記載されている。このように支持する技術により、温調プレートと半導体ウェハとの間に僅かな、例えば100μm程度の隙間を設け、半導体ウェハの温度調整を行っていた。
なお、温調プレート以外の保持板の上方で、半導体ウェハをガスの噴出によって浮揚させる技術が特許文献4において提案されている。
特開平11−312637号公報 特開平11−329922号公報 特開平11−330212号公報 特開昭59−215718号公報
温調プレート上に突起を設け、これで半導体ウェハを支持する場合、半導体ウェハの歪みを考慮すると、突起の高さを顕著に低くすることはできない。温調プレートと半導体ウェハとの接触はできるだけ回避されなければならないからである。しかし突起の高さを高くすると、温調プレートと半導体ウェハとの間のギャップを大きくしてしまい、温調プレートによる半導体ウェハの温度調整を迅速に行うことが困難となる。
本発明はかかる課題を解決しようとするものであり、温調プレートと半導体ウェハとの接触を回避しつつ、両者間のギャップを小さくし、以て温調プレートによる半導体ウェハの温度調整を迅速にすることを目的としている。
この発明にかかるウェハ温度調整装置の第1の態様(10A,10B,10C,10D,10E)は、平面(3c)と、前記平面を所定の温度に設定する温度設定部(1,2)と、前記平面において設けられて流体(F10,F11,F12:F1)を供給する少なくとも一つの吹き出し口(3a)とを備え、前記平面の上方でウェハ(W)を支持する。
この発明にかかるウェハ温度調整装置の第2の態様(10A,10B)は、第1の態様にかかるウェハ温度調整装置であって、前記流体を送出する元圧よりも前記吹き出し口における前記流体の圧力が小さい。
この発明にかかるウェハ温度調整装置の第3の態様(10A,10B)は、第3の態様にかかるウェハ温度調整装置であって、前記元圧と前記吹き出し口における前記流体の圧力との差圧(ΔP)で前記流体の流量(Q)を除した値(1/R)に前記流体の粘性率(μ)を乗じて得られるパラメタ(μ/R)が1.0×10-12よりも小さい。
この発明にかかるウェハ温度調整装置の第4の態様(10A)は、第1乃至第3の態様のいずれかにかかるウェハ温度調整装置であって、前記平面(3c)において設けられて、前記ウェハの端部の移動を制限する突起(44、45)を更に備える。
この発明にかかるウェハ温度調整装置の第5の態様(10B)は、第1乃至第3の態様のいずれかにかかるウェハ温度調整装置であって、前記吹き出し口(3a)は複数設けられ、前記吹き出し口の少なくとも二つは、前記平面の中心に向けて前記流体を供給する。
この発明にかかるウェハ温度調整装置の第6の態様(10E)は、第1の態様にかかるウェハ温度調整装置であって、前記平面において前記流体を排出する少なくとも一つの吸い込み口(3b)を更に備える。
この発明にかかるウェハ温度調整装置の第7の態様(10E)は、第6の態様にかかるウェハ温度調整装置であって、前記吹き出し口(3a)と吸い込み口(3b)とは複数設けられ、相互に対となって配置される。
この発明にかかるウェハ温度調整装置の第8の態様は、第1乃至第7の態様のいずれかにかかるウェハ温度調整装置であって、前記流体としてヘリウム、ネオンから少なくとも一つのガスを選択して採用する。
この発明にかかるウェハ温度調整装置の第9の態様は、第1乃至第7の態様のいずれかにかかるウェハ温度調整装置であって、前記流体として、水、フルオロ化合物から少なくとも一つの液体を選択して使用する。
この発明にかかるウェハ温度調整装置の第10の態様(10C,10D)は、所定量の液体を確保する平面(3c)と、前記平面を所定の温度に設定する温度設定部(1,2)とを備え、前記液体を介して前記平面にウェハ(W)を載置する。
この発明にかかるウェハ温度調整方法の第1の態様(10A,10B,10C,10D,10E)は、ウェハ(W)を、その下方側の主面に対向して所定の温度に設定された平面(3c)によって温度調整する方法であって、前記平面は、少なくとも一つの吹き出し口(3a)を有し、前記主面の上方に前記ウェハを配置し、前記吹き出し口から前記主面へ流体(F10,F11,F12:F1)を供給する。
この発明にかかるウェハ温度調整方法の第2の態様(10A,10B)は、第1の態様にかかるウェハ温度調整方法であって、前記流体を送出する元圧よりも前記吹き出し口における前記流体の圧力が小さい。
この発明にかかるウェハ温度調整方法の第3の態様(10A,10B)は、第2の態様にかかるウェハ温度調整方法であって、前記元圧と前記吹き出し口における前記流体の圧力との差圧(ΔP)で前記流体の流量(Q)を除した値(1/R)に前記流体の粘性率(μ)を乗じて得られるパラメタ(μ/R)が1.0×10-12よりも小さい。
この発明にかかるウェハ温度調整方法の第4の態様(10A)は、第1乃至第3の態様にかかるウェハ温度調整方法であって、前記ウェハの端部は、平面(3c)に設けられた突起(44、45)によって移動が制限される。
この発明にかかるウェハ温度調整方法の第5の態様(10B)は、第1乃至第3の態様にかかるウェハ温度調整方法であって、前記吹き出し口(3a)は複数設けられ、前記吹き出し口の少なくとも二つは、前記平面の中心に向けて前記流体を供給する。
この発明にかかるウェハ温度調整方法の第6の態様(10E)は、第1の態様にかかるウェハ温度調整方法であって、前記平面は、少なくとも一つの吸い込み口(3b)を更に有し、前記吹き出し口から前記主面へ流体(F1)を供給しつつ、前記吸い込み口から前記流体(F2)を排出する。
この発明にかかるウェハ温度調整方法の第7の態様(10E)は、第6の態様にかかるウェハ温度調整方法であって、前記吹き出し口(3a)と吸い込み口(3b)とは複数設けられ、相互に対となって配置される。
この発明にかかるウェハ温度調整方法の第8の態様は、第1乃至第7の態様のいずれかにかかるウェハ温度調整方法であって、前記流体としてヘリウム、ネオンから少なくとも一つのガスを選択して採用する。
この発明にかかるウェハ温度調整方法の第9の態様は、第1乃至第7の態様のいずれかにかかるウェハ温度調整方法であって、前記流体として、水、フルオロ化合物から少なくとも一つの液体を選択して使用する。
この発明にかかるウェハ温度調整方法の第10の態様(10C,10D)は、所定量の液体を確保する平面(3c)と、前記平面を所定の温度に設定する温度設定部(1,2)とを用い、前記液体を介して前記平面にウェハ(W)を載置する。
この発明にかかるウェハ温度調整装置及びウェハ温度調整方法の第1の態様によれば、流体がウェハと平面との間に介在するので、平面とウェハとの接触を回避しつつ、両者の間の距離を小さくすることができる。よってウェハの温度調整効率を高め、温度調整に必要な時間を短縮できる。しかも、平面とウェハの下方側主面との間で流体が移動するのでその効果は高められる。
この発明にかかるウェハ温度調整装置及びウェハ温度調整方法の第2の態様によれば、吹き出し口に流体の抵抗を持たせることにより、ウェハを流体で支持する際の剛性を高めることができる。
この発明にかかるウェハ温度調整装置及びウェハ温度調整方法の第3の態様によれば、ウェハを流体で支持する際の剛性を高めることにより、平面とウェハとの接触を回避できる。
この発明にかかるウェハ温度調整装置及びウェハ温度調整方法の第4の態様によれば、ウェハを安定して保持することができる。
この発明にかかるウェハ温度調整装置及びウェハ温度調整方法の第5の態様によれば、ウェハに対して非接触でウェハを安定して保持することができる。
この発明にかかるウェハ温度調整装置及びウェハ温度調整方法の第6の態様によれば、吸い込み口から流体を排出することによって、平面と反対側のウェハの表面に触れることなく、吹き出し口から供給された流体によってウェハが過剰に浮上することを防止できる。また吹き出し口での差圧を高めることができるので、流体による支持の剛性を高めることができる。
この発明にかかるウェハ温度調整装置及びウェハ温度調整方法の第7の態様によれば、ウェハの温度分布を均一にしやすい。
この発明にかかるウェハ温度調整装置及びウェハ温度調整方法の第8の態様によれば、熱伝導率が高いガスを流体として採用するので、更にウェハの温度調整効率を高め、温度調整に必要な時間をより短縮できる。
この発明にかかるウェハ温度調整装置及びウェハ温度調整方法の第9の態様によれば、熱伝導率が高い液体を流体として採用するので、更にウェハの温度調整効率を高め、温度調整に必要な時間をより短縮できる。
この発明にかかるウェハ温度調整装置及びウェハ温度調整方法の第10の態様によれば、平面及びこれと対向する側のウェハ主面との間に液体を介在させることができる。従って、平面とウェハとの間の熱伝導を液体によって改善することができ、ウェハの温度調整効率を高め、温度調整に必要な時間を短縮できる。
第1の実施の形態.
図1は本発明の第1の実施の形態にかかるウェハ温度調整装置10Aの構成を、温度調整の対象となる半導体ウェハWと共に例示する、概念的な断面図である。ウェハ温度調整装置10Aは、冷却部1、熱電素子群2、温調プレート3を備えており、この順に積層されている。
熱電素子群2は少なくとも一つの熱電素子を有しており、ここでは4個の熱電素子21,22,23,24で構成されている場合が例示されている。熱電素子21〜24は図示されない電源に接続されており、その冷却部1側の面を放熱面とし、温調プレート3側の面を吸熱面として機能する。
冷却部1は熱電素子群2の放熱面を冷却する機能を果たす。冷却部1は冷媒の供給口1aと、排出口1bとを有している。冷媒としては例えば水が採用され、供給口1aには矢印M1で示されるように入水し、排出口1bからは矢印M2で示されるように出水する。
温調プレート3は、その上側に平面3cと、平面3cから突出する突起44,45を有している。半導体ウェハWは、平面3cの上方で後述する流体F10によって支持される。突起44,45は、平面3cの上方において半導体ウェハWの端部が平面3cに平行な移動を制限する。
温調プレート3はまた、平面3cにおいて設けられて流体を供給する少なくとも一つの吹き出し口3aを有する。図1では吹き出し口3aが温調プレート3の中央部に一つ設けられる場合が例示されている。吹き出し口3aは、流体流入口310から矢印の方向に向かって冷却部1及び温調プレート3を貫通して導入された流体F10を吹き出すことにより、平面3cにおいて流体F10を供給する。
上記の説明では半導体ウェハWを水冷する場合を例示した。しかし半導体ウェハWを加熱する場合にも、上記流体の供給を適用することができる。半導体ウェハWを加熱するには、例えば、熱電素子群2の放熱面を温調プレート3側に、吸熱面を反対側に設け、当該吸熱面を加熱する機構を冷却部1の代わりに設ける。
図2は平面3cにおいて供給された流体F10により、半導体ウェハWが平面3cから浮上する距離をシミュレーションした結果を示すグラフである。横軸に採用された差圧とは、平面3cにおける流体F10の圧力と、吹き出し口3aとは反対側で流体F10に印加された流体流入口310側の圧力(ここでは「元圧」と称す)との圧力差を示す。縦軸に採用されたギャップとは、半導体ウェハWと平面3cとの間の距離、即ち半導体ウェハWの平面3cからの浮上量を示す。但しシミュレーションにおいては、半導体ウェハWとしてシリコン基板を用い、その直径及び厚さをそれぞれ200mm及び0.8mmとした。また流体として空気を採用した。
図2から理解されるように、半導体ウェハWの平面3cからの距離が100μm以下であっても、差圧によって、従って元圧によって制御可能である。しかも、半導体ウェハWは流体によって支持されるので、これに歪みが生じていても、その最も平面3cに近い位置までもが浮上し、両者が接触することを回避できる。
温調プレート3cは熱伝導性の良好な材料、例えば金属で形成されており、平面3cと反対側から熱電素子群2によって吸熱される。上述のように熱電素子群2の放熱面は冷却部1によって冷却される。従って、冷却部1と熱電素子群2とを温度設定部として把握して、当該温度設定部によって温調プレート3の平面3が所定の温度に設定されると把握することができる。
温度センサ7は温度調整プレート3の温度を測定する。温度センサ7によって測定された温度に基づき、図示されない制御装置によって熱電素子群2に与えられる電圧が制御される。これにより温度調整プレート3の、特に平面3cの温度を所定の温度に設定することができる。
上述のように、流体F10が半導体ウェハWに与える力で半導体ウェハWが支持される。これにより、平面3cと半導体ウェハWとの間に流体F10が介在し、両者間の接触を回避しつつ両者の間の距離を小さくすることができる。よって半導体ウェハWの温度調整効率を高め、温度調整に必要な時間を短縮できる。しかも、平面3cと半導体ウェハWの下方側主面との間では流体が移動するので、温度調整に必要な時間を短縮できる効果が高められる。
図3は本実施の形態の効果を示すグラフであり、半導体ウェハWの初期温度を150℃とした場合の半導体ウェハWの温度低下をシミュレーションした結果を示す。縦軸は半導体ウェハWの温度を、横軸は半導体ウェハWを平面3cの上方に載置した時点を0とする時間の経過を示す。
但しシミュレーションにおいては、半導体ウェハWとしてシリコン基板を用い、その直径及び厚さをそれぞれ200mm及び0.8mmとした。シミュレーション結果としては、半導体ウェハWの温度の平均値を示している。また吹き出し口3aの直径は0.2mmとして平面3cの中央に露出しており、空気を吹き出している。平面3cの設定温度は23℃である。平面3cと半導体ウェハWとの間のギャップを50μmに設定した(グラフL101)。
なお、比較のために、半導体ウェハWを、平面3cから突出する突起によって支持した場合についても併記した(グラフL102)。但し、突起によって支持した場合、上述のように半導体ウェハWの歪みによる平面3cとの接触を回避するために、両者の間のギャップは120μmに設定した。
流体によって半導体ウェハWを支持する場合(グラフL101)の方が、突起によって半導体ウェハWを支持する場合(グラフL102)と比較して、冷却時間が顕著に短縮されていることが示されている。例えば23.2℃まで冷却されるのに必要な時間は、約12秒短縮されている。これは半導体ウェハWと平面3cとの間のギャップが小さいこと、あるいは更に流体が両者の間を流れることによる冷却の効果であると考えられる。
図3では流体として気体たる空気を採用した場合を説明したが、流体として液体を採用してもよい。その場合の特有の効果については第4の実施の形態で後述する。
第2の実施の形態.
半導体ウェハWを平面3cの上方で安定して支持するためには、半導体ウェハWに対して働く力に対するギャップの変化を小さくすることが望ましい。換言すれば、流体によるガスバネの剛性を高めることが望ましい。
例えば半導体ウェハWを平面3cの上方から降下させて流体によって支持させる場合、当該剛性が不足していれば、降下する半導体ウェハWの慣性力を流体による浮上力が支持しきれない。このような剛性の不足は、半導体ウェハWが平面3cに接触することを許してしまうことになる。つまり半導体ウェハWと平面3cとの間のギャップをΔとして支持したい場合、両者の間の接触を回避するためには半導体ウェハWの位置のアンダーシュートはΔよりも小さく抑える必要がある。
そこで本実施の形態では当該剛性を高めるため、第1の実施の形態において、吹き出し口3aの流体F10に対する抵抗を高めることを提案する。但し図1においても、当該剛性を高めるために吹き出し口3aの近傍においてその径が流体流入口310の径よりも細くなることが図示されている。
剛性は流体の粘性率μを吹き出し口3aの抵抗Rで除した値μ/Rをパラメータとして変化する。また剛性はもちろん、半導体ウェハWと平面3cとの間のギャップの大きさにも依存する。ここで吹き出し口3aの抵抗Rの逆数(1/R)は、元圧と吹き出し口3aにおける流体F10の圧力との差圧ΔPで流体F10の流量Qを除した値である。
第1の実施の形態において元圧を、流体流入口310側の圧力を例に採って説明していたが、吹き出し口3aよりも流体F10の上流側の圧力であればよい。そしてパラメータμ/Rの値が小さいほど、吹き出し口3aの抵抗は大きいことになる。これにより、流体F10を送出する元圧よりも吹き出し口3aにおける流体F10の圧力はより小さくなる。
図4は半導体ウェハWとして直径200mm、厚さ0.8μmのシリコンからなる半導体ウェハWを流体F10で支持する場合の、ギャップと剛性との関係を示すグラフである。グラフL201,L202,L203,L204,L205,L206はそれぞれ、パラメータμ/Rが5.0×10-14,1.0×10-13,2.0×10-13,5.0×10-13,1.0×10-12,2.0×10-12の場合を示している。
半導体ウェハWを10mm/sで平面3cへ向けて下降させた場合、半導体ウェハWの位置のアンダーシュートを50μm未満とするために要求される剛性は2.3×103N/m以上となる。従来の技術に対して顕著に有利なギャップは100μm程度と考えられるので、ギャップが100μm以下において2.3×103N/m以上の剛性を得るためには、パラメータμ/Rが1.0×10-12よりも小さいことが必要となる。
図5は半導体ウェハWとして直径300mm、厚さ0.8μmのシリコンからなる半導体ウェハWを流体F10で支持する場合の、ギャップと剛性との関係を示すグラフである。グラフL301,L302,L303,L304,L305,L306はそれぞれ、パラメータμ/Rが5.0×10-14,1.0×10-13,2.0×10-13,5.0×10-13,1.0×10-12,2.0×10-12の場合を示している。
半導体ウェハWを10mm/sで平面3cへ向けて下降させた場合、半導体ウェハWの位置のアンダーシュートを50μm未満とするために要求される剛性は5.0×103N/m以上となる。よってギャップが100μm程度以下においてかかる剛性を得るためには、パラメータμ/Rがやはり1.0×10-12よりも小さくなければならない。
以上のように、流体F10を送出する元圧よりも吹き出し口3aにおける流体F10の圧力を小さくし、流体F10によるガスバネの剛性を高めることができる。特に、パラメータμ/Rを1.0×10-12よりも小さくすることにより、半導体ウェハWを10mm/sで平面3cへ向けて下降させる際でも、半導体ウェハWの位置のアンダーシュートを50μm以下に抑えることができる。これは半導体ウェハWと平面3cとの間のギャップを100μm程度以下にして、半導体ウェハWの温度調節を迅速に行う場合に好適である。
第3の実施の形態.
本実施の形態では平面3cに平行な方向での半導体ウェハWの安定性を、突起44,45を設けずに改善する技術を提案する。
図6は本発明の第3の実施の形態にかかるウェハ温度調整装置10Bの構成を、温度調整の対象となる半導体ウェハWと共に例示する、概念的な断面図である。ウェハ温度調整装置10Aに対し、吹き出し口3aを複数設けた点で異なっている。
ここでは吹き出し口3aの二つが平面3cの中心に向けて流体F11,F12を供給しており、これらの流体はそれぞれ流体流入口311,312から矢印の方向に向かって温調プレート3を貫通して導入されている。またウェハ温度調整装置10Aと同様に、平面3cの中央で流体F10を供給する吹き出し口3aも図示されているが、これは省略しても構わない。
流体F11,F12は半導体ウェハWの位置が中央から外へと移動することを妨げる。従って、平面3cに平行な方向での半導体ウェハWの安定性を、非接触で改善することができる。
このような複数の流体による半導体ウェハの浮揚自体は、特許文献4等により公知であるので、詳細は割愛する。但し、本実施の形態では温調プレート3において吹き出し口3aを設けているので、流体が支持する半導体ウェハWの温度調節を行うべく、平面3cと半導体ウェハWとの間のギャップを小さくする場合に特に好適となる。
第4の実施の形態.
半導体ウェハWを支持する流体として、気体のみならず液体を採用することができる。時に液体は、その熱伝導率が気体よりも高いため、温調プレート3による半導体ウェハWの温度調整をより迅速にできる。あるいは両者間のギャップを広げても温度調整を迅速にできる。
図7は流体として水を採用した場合の、差圧とギャップとの関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。但しシミュレーションにおいては、半導体ウェハWとしてシリコン基板を用い、その直径及び厚さをそれぞれ200mm及び0.8mmとした。また吹き出し口3aの直径は0.4mmとして平面3cに4個設けた場合についてシミュレーションした。
第1の実施の形態において示したシミュレーションの条件と比較して、吹き出し口3aの直径を二倍にし、また個数を4倍にしたので、差圧に対するギャップも大きくなっている。しかしながら水の熱伝導率(0.61W/mK)は空気のそれ(0.026W/mK)と比較して約23倍程度大きい。従って、流体として空気を採用した場合と比較して、ギャップを大きくしても、半導体ウェハWの温度調整を迅速に行うことができる。
図8は本実施の形態の効果を示すグラフであり、半導体ウェハWの初期温度を150℃とした場合の半導体ウェハWの温度低下をシミュレーションした結果を示す。縦軸及び横軸は図3と同様に採用した。
シミュレーションの条件は図7について示したとおりであり、平面3cの設定温度は23℃に設定した。また平面3cと半導体ウェハWとの間のギャップを400μmに設定した(グラフL401)。
なお、比較のために、半導体ウェハWを、平面3cから突出する突起によって支持した場合についても併記した(グラフL402)。但し、この場合の条件は、図3に示されたグラフL102と同一であり、従って半導体ウェハWと平面3cとの間のギャップは120μmに設定し、かつ両者の間は空気が存在している。
水によって半導体ウェハWを支持する場合(グラフL401)の方が、突起によって半導体ウェハWを支持する場合(グラフL402)と比較して、冷却時間が顕著に短縮されていることが示されている。例えば23.2℃まで冷却されるのに必要な時間は、約14秒短縮されている。これは半導体ウェハWと平面3cとの間のギャップが3倍以上大きくても、熱伝導率が高い液体を流体として採用することで温度調整効率を高められたためと考えられる。
流体としては水の他、半導体ウェハWに対して悪影響を与えない液体が望ましい。例えば半導体ウェハWを腐食させず、また半導体の導電性に影響を与えないことが望まれる。具体例としては、パーフルオロトリペンティラミン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロポリエステル等のフルオロ化合物から少なくとも一つを選択して採用することが望ましい。
第5の実施の形態.
図9は本発明の第5の実施の形態にかかるウェハ温度調整装置10Cの構成を、温度調整の対象となる半導体ウェハWと共に例示する、概念的な断面図である。ウェハ温度調整装置10Aと比較して吹き出し口3aが複数設けられている。また平面3c上に突起41,42,43が追加して設けられている。更にリフトピン53が追加して設けられている。
液体は流体流入口310から吹き出し口3aによって平面3cへと導入され、半導体ウェハWと平面3cとの間に介在する。突起41,42,43は半導体ウェハWを平面3cの上方で支持する。
液体は流体流入口310から吹き出し口3aによって平面3cへと導入され、半導体ウェハWと平面3cとの間に介在する。換言すれば、吹き出し口3aによって平面3cは所定量の液体を、流出入はあるものの、確保されることになる。半導体ウェハWと平面3cとの間は液体で充満されることが望ましい。
リフトピン53は冷却部1及び温調プレート3を貫通して上下可能である。リフトピン53が上方に移動することによって半導体ウェハWを突起41,42,43から離して上方に挙げる。リフトピン53が下方に移動することによって半導体ウェハWを下降させ、突起41,42,43に載せる。
第6の実施の形態.
第4の実施の形態で説明したように、液体が介在することにより、半導体ウェハWと平面3cとの間のギャップが大きくても両者間の熱伝導は良好となる。よって必ずしも、液体が半導体ウェハWに与える力で半導体ウェハWを支持せず、本実施の形態のように突起41,42,43で支持しても、半導体ウェハWの温度調整効率を高めることができる。
図10は本発明の第6の実施の形態にかかるウェハ温度調整装置10Dの構成を、温度調整の対象となる半導体ウェハWと共に例示する、概念的な断面図である。ウェハ温度調整装置10Cと比較して吹き出し口3aが削除されている一方、平面3cの周辺には環状の突起46が設けられている。
突起46は環状であるので平面3cにおいて所定量の液体を確保することができる。しかも突起41,42,43によって半導体ウェハWを支持できるので、液体を平面3cへと吹き出す必要もない。このように単に平面3cにおいて所定量の液体を溜めるだけでも、その上の半導体ウェハWの温度調整効率を高めることができる。
特に突起46は環状であるので、半導体ウェハWが平面3cに平行な方向に移動することの防止もできる。
第4乃至第6の実施の形態に記載された技術は、液体を介して平面3cに半導体ウェハWを載置する、と把握することもできる。
また第5の実施の形態及び第6の実施の形態において、液体として表面張力の大きいもの、例えば水を採用した場合、突起41,42,43を省略することもできる。半導体ウェハWが当該液面の表面張力により、その上に浮かぶからである。
第7の実施の形態.
図11は本発明の第7の実施の形態にかかるウェハ温度調整装置10Eの構成を、温度調整の対象となる半導体ウェハWと共に例示する、概念的な断面図である。ウェハ温度調整装置10Eは、ウェハ温度調整装置10Aと同様に冷却部1、熱電素子群2、温調プレート3を備えている。
熱電素子群2はここでは3個の熱電素子21,22,23で構成されている場合が例示されている。熱電素子21は配線対24によって図示されない電源に接続されており、その冷却部1側の面を放熱面とし、温調プレート3側の面を吸熱面として機能する。熱電素子22,23についても同様に、配線対(図示を省略)を介して電源が接続され、それらの冷却部1側の面を放熱面とし、温調プレート3側の面を吸熱面として機能する。
温調プレート3の平面3cには、ここから突出する少なくとも一つの突起、ここでは3個の突起41,42,43を有している。これらの突起41,42,43は、平面3cから僅かに隙間を設けて半導体ウェハWを下方から支持する。
温調プレート3は吹き出し口3aに加え、平面3cにおいて上記流体を排出する少なくとも一つの吸い込み口3bを有する。ここでは吹き出し口3a、吸い込み口3bのいずれもが複数設けられる場合が例示されている。吹き出し口3aは流体流入口31から導入された流体を平面3cにおいて供給する。吸い込み口3bは当該流体を平面3cにおいて排出し、これを流体流出口32から排出する。
但し、本実施の形態では突起41,42,43が半導体ウェハWを下方から支持するため、吹き出し口3aの近傍で、その径を細める必要はない。
図12はウェハ温度調整装置10Eの構成を、ウェハリフト機構5と共に例示する概念的な斜視図である。ウェハリフト機構5はリフトピン51,52,53とこれらを支持する台座50とを有しており、ウェハ温度調整装置10に対してほぼ垂直な方向、即ちほぼ鉛直方向に沿って上下する。ウェハ温度調整装置10には熱電素子21,22,23を避けて貫通孔61,62,63が設けられており、それぞれリフトピン51,52,53がその中を移動する。
図13は貫通孔63の近傍を概念的に例示する断面図である。貫通孔63は冷却部1に設けられた貫通孔631及び温調プレート3に設けられた貫通孔632を有している。リフトピン53は、その先端が平面3cよりも下方に下がることが可能であり、この場合には突起41,42,43によって半導体ウェハWが支持される。リフトピン53は、その先端が突起41,42,43よりも上方に上がることが可能であり、この場合にはリフトピン51,52,53によって半導体ウェハWが持ち上げられる(鎖線参照)。
まずリフトピン51,52,53を、それらの先端が突起41,42,43よりも上方に上げられた状態において半導体ウェハWをウェハ温度調整装置10の上方、即ち平面3cの上方に、より詳細には突起41,42,43上に載置する。
突起41,42,43で半導体ウェハWを支持しつつ、吹き出し口3aから流体を吹き出し、吸い込み口3bから流体を吸い込む。これにより平面3cと半導体ウェハWの下方側主面との間で流体が移動する。従って平面3cと半導体ウェハWとの隙間において流体の温度が上昇する等の、冷却効率を下げる事態を回避できる。つまり半導体ウェハWの冷却効率を高め、冷却に必要な時間を短縮できる。
しかも吸い込み口3bから流体を排出することによって、ウェハWの上面に触れることもなく、吹き出し口3aから供給された流体によってウェハが過剰に浮上することを防止できる。特に半導体処理工程において、半導体ウェハWの上面、即ち平面3cと反対側の半導体ウェハWの表面にはリソグラフィー処理が為されていることに鑑みれば、当該上面に触れないことは好適である。
上記の説明では半導体ウェハWを冷却する場合を例示した。しかし半導体ウェハWを加熱する場合にも、突起41,42,43で半導体ウェハWを支持しつつ、吹き出し口3aから流体を吹き出し、吸い込み口3bから流体を吸い込むことにより、加熱効率を下げる事態を回避できる。つまり半導体ウェハWの加熱効率を高め、加熱に必要な時間を短縮できる。
以上のように、本実施の形態においても、温度調整の対象となるウェハと、所定の温度に設定された平面との間に隙間を設けつつも、両者間の熱伝導を向上させる冷却や加熱などの温度調整効率を高め、温度調整に必要な時間を短縮することができる。
図14は平面3cにおける吹き出し口3a、吸い込み口3bの配置を例示する平面図である。貫通孔61,62,63と突起41,42,43はほぼ等角度に配置されているが、かかる配置は例示であって、限定的ではない。
温調プレート3内には連通管33及びこれを介して相互に連通する連通管331〜336が設けられており、連通管331〜336は部分的に平面3cにおいて開口して吹き出し口3aを形成している。温調プレート3内には連通管34及びこれを介して相互に連通する連通管341〜346が設けられており、連通管341〜346は部分的に平面3cにおいて開口して吸い込み口3bを形成している。
連通管331〜336と連通管341〜346とは連通しておらず、相互にほぼ噛み合ったインターデジタルな配置を呈している。
流体流入口31は流入口31a,31b,1cを有しており、これらのそれぞれから連通管33へ流体が流入する。流体流入口31は流入口31a,31b,31cを有しており、これらのそれぞれから連通管33へ流体が流入する。流体流出口32は流出口32a,32b,32cを有しており、これらのそれぞれへと連通管34から流体が流出する。
上記流体としては気体、例えば空気を採用してもよいし、第4の実施の形態で紹介されたように液体を採用してもよい。
図15は本実施の形態の効果を示すグラフであり、半導体ウェハWの初期温度を種々変えた場合の半導体ウェハWの温度低下をシミュレーションした結果を示す。縦軸は半導体ウェハWの温度を、横軸は半導体ウェハWを平面3cの上方に載置した時点を0とする時間の経過を示す。
但しシミュレーションにおいては、半導体ウェハWの直径を200mmとし、その初期温度が130℃、150℃、170℃の三つの場合について行った。吹き出し口3a、吸い込み口3bは相互に対となるように、平面3cにそれぞれ1対1の割合で設け、それらが1cmの等間隔でほぼ市松模様状に配置された場合を想定している。このように吹き出し口3a、吸い込み口3bを相互に対とすることで、温度分布を均一にしやすくなる。シミュレーション結果としては、半導体ウェハWの温度の平均値を示している。平面3cの設定温度は23℃である。流体として空気を採用し、吹き出し口3aから空気を0.01MPaの差圧で吹き出し、吸い込み口3bから空気を0.03MPaの差圧(平面3cにおける流体F2の圧力と、吸い込み口3bとは反対側で流体F2に印加された流体流出口32側の圧力との圧力差)で吸い込んだ場合が例示されている。半導体ウェハWとして厚さ800μmのシリコンを想定し、これと平面3cとの間の隙間を80μmに設定した。
なお、比較のために、空気の流入を行わない場合も併記した。グラフL1,L2,L3は空気の流出入がある場合を、グラフL4,L5,L6は空気の流出入がない場合を、それぞれ示している。またグラフL1,L4は半導体ウェハWの初期温度が130℃の場合を、グラフL2,L5は半導体ウェハWの初期温度が150℃の場合を、グラフL3,L6は半導体ウェハWの初期温度が170℃の場合を、それぞれ示している。いずれの場合も空気の流入を行うことの効果が、冷却時間の短縮として顕著に現れている。
例えば23.2℃まで冷却されるのに必要な時間は、初期温度が130℃の場合には約6秒短縮され、初期温度が150℃の場合には約4秒短縮され、初期温度が170℃の場合には約3.5秒短縮されている。
図16も本実施の形態の効果を示すグラフであり、半導体ウェハWの初期温度を150℃とした場合の半導体ウェハWの温度低下をシミュレーションした結果を示す。吹き出し口3aから空気を0.03MPaで吹き出し、吸い込み口3bから0.03MPaで吸い込んだ場合であり、それ以外の条件は図5のシミュレーションと同一である。23.2℃に達するのに要する時間は15秒となっており、図15のグラフL2に示した場合よりも更に0.5秒程度、冷却に必要な時間が短縮されていることがわかる。
第8の実施の形態.
第7の実施の形態に示されたように、吹き出し口3aのみならず、吸い込み口3bをも設けた場合には、突起41,42,43を設けることなく、半導体ウェハWを平面3cの上方に支持することも可能である。
図17は本発明の第8の実施の形態にかかるウェハ温度調整装置10Bの構成を、温度調整の対象となる半導体ウェハWと共に例示する、概念的な断面図である。ウェハ温度調整装置10Aに対し、その先端に吸い込み口3bを有する流体流出口32を設け、その周囲に吹き出し口3aを複数設けた点で異なっている。
但し、第7の実施の形態とは異なり、第1乃至第6の実施の形態と同様に、吹き出し口3aの径は、流体流入口310の径よりも細くなる事が望ましい。
吸い込み口3bを設けることにより、吹き出し口3aでの差圧を大きくしても、半導体ウェハWの浮上量を抑えることができる。よって浮上量を小さくしつつも半導体ウェハWを流体で支持する際の剛性を高めることができる。
図18は、図4と同様に半導体ウェハWとして直径200mm、厚さ0.8μmのシリコンからなる半導体ウェハWを流体たる空気で支持する場合の、ギャップと剛性との関係を示すグラフである。但しグラフL401,L402はそれぞれ吸い込み口3bが無い場合と一つ設けた場合を示しており、いずれも直径0.2mmの吹き出し口3aを3個設けた場合を示している。吸い込み口3bの直径を0.5mmとした。
同じ浮上量を得る場合、吸い込み口3bから流体を吸い込むことにより、吹き出し口3aからの吹き出す流体の差圧を大きくすることができるので、これらのグラフから判るように、剛性が高められる。
例えば半導体ウェハWを60μmで平面3cから浮上させる場合、グラフL401で示される場合には、吹き出し口3aでの差圧を150Paとする必要があった。一方、グラフL402で示される場合には、吸い込み口3bでの差圧を200Paとして流体F2を吸い込むことにより、吹き出し口3aでの差圧を300Paまで高めることができた。この場合、図18から、剛性はほぼ1.3×104N/mから2.5×104N/mへと、ほぼ倍増することができる。
なお、上記各実施の形態において、流体として気体を採用する場合、更に冷却に必要な時間を短縮するには、ヘリウム、ネオンから少なくとも一つのガスを選択して採用することが望ましい。これらの気体は空気と比較して、その熱伝導性が良好だからである。
本発明の第1の実施の形態にかかる構成を例示する概念的な断面図である。 本発明の第1の実施の形態の効果を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態の効果を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態の効果を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態の効果を示すグラフである。 本発明の第3の実施の形態にかかる構成を例示する概念的な断面図である。 本発明の第4の実施の形態の効果を示すグラフである。 本発明の第4の実施の形態の効果を示すグラフである。 本発明の第5の実施の形態にかかる構成を例示する概念的な断面図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる構成を例示する概念的な断面図である。 本発明の第7の実施の形態にかかる構成を例示する概念的な断面図である。 本発明の第7の実施の形態にかかる構成を例示する概念的な斜視図である。 貫通孔の近傍を概念的に例示する断面図である。 吹き出し口、吸い込み口の配置を例示する平面図である。 本発明の第7の実施の形態の効果を示すグラフである。 本発明の第7の実施の形態の効果を示すグラフである。 本発明の第8の実施の形態にかかる構成を例示する概念的な断面図である。 本発明の第8の実施の形態の効果を示すグラフである。
符号の説明
1 冷却部
2 熱電素子群
3a 吹き出し口
3b 吸い込み口
3c 平面
10A,10B,10C,10D,10E ウェハ温度調整装置
21,22,23,24 熱電素子
41,42,43 突起
W 半導体ウェハ

Claims (20)

  1. 平面(3c)と、
    前記平面を所定の温度に設定する温度設定部(1,2)と、
    前記平面において設けられて流体(F10,F11,F12:F1)を供給する少なくとも一つの吹き出し口(3a)と
    を備え、前記平面の上方でウェハ(W)を支持するウェハ温度調整装置(10A,10B,10C,10D,10E)。
  2. 前記流体を送出する元圧よりも前記吹き出し口における前記流体の圧力が小さい、請求項1記載のウェハ温度調整装置(10A,10B)。
  3. 前記元圧と前記吹き出し口における前記流体の圧力との差圧(ΔP)で前記流体の流量(Q)を除した値(1/R)に前記流体の粘性率(μ)を乗じて得られるパラメタ(μ/R)が1.0×10-12よりも小さい、請求項2記載のウェハ温度調整装置(10A,10B)。
  4. 前記平面(3c)において設けられて、前記ウェハの端部の移動を制限する突起(44、45)を更に備える、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のウェハ温度調整装置(10A)。
  5. 前記吹き出し口(3a)は複数設けられ、
    前記吹き出し口の少なくとも二つは、前記平面の中心に向けて前記流体を供給する、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のウェハ温度調整装置(10B)。
  6. 前記平面において前記流体を排出する少なくとも一つの吸い込み口(3b)を更に備える、請求項1記載のウェハ温度調整装置(10E)。
  7. 前記吹き出し口(3a)と吸い込み口(3b)とは複数設けられ、相互に対となって配置される、請求項6記載のウェハ温度調整装置(10E)。
  8. 前記流体としてヘリウム、ネオンから少なくとも一つのガスを選択して採用する、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載のウェハ温度調整装置。
  9. 前記流体として、水、フルオロ化合物から少なくとも一つの液体を選択して使用する、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載のウェハ温度調整装置。
  10. 所定量の液体を確保する平面(3c)と、
    前記平面を所定の温度に設定する温度設定部(1,2)と
    を備え、
    前記液体を介して前記平面にウェハ(W)を載置するウェハ温度調整装置(10C,10D)。
  11. ウェハ(W)を、その下方側の主面に対向して所定の温度に設定された平面(3c)によって温度調整する方法であって、
    前記平面は、少なくとも一つの吹き出し口(3a)を有し、
    前記主面の上方に前記ウェハを配置し、前記吹き出し口から前記主面へ流体(F10,F11,F12:F1)を供給する、ウェハ温度調整方法(10A,10B,10C,10D,10E)。
  12. 前記流体を送出する元圧よりも前記吹き出し口における前記流体の圧力が小さい、請求項11記載のウェハ温度調整方法(10A,10B)。
  13. 前記元圧と前記吹き出し口における前記流体の圧力との差圧(ΔP)で前記流体の流量(Q)を除した値(1/R)に前記流体の粘性率(μ)を乗じて得られるパラメタ(μ/R)が1.0×10-12よりも小さい、請求項12記載のウェハ温度調整方法(10A,10B)。
  14. 前記ウェハの端部は、平面(3c)に設けられた突起(44、45)によって移動が制限される、請求項11乃至13のいずれか一つに記載のウェハ温度調整方法(10A)。
  15. 前記吹き出し口(3a)は複数設けられ、
    前記吹き出し口の少なくとも二つは、前記平面の中心に向けて前記流体を供給する、請求項11乃至請求項13のいずれか一つに記載のウェハ温度調整方法(10B)。
  16. 前記平面は、少なくとも一つの吸い込み口(3b)を更に有し、
    前記吹き出し口から前記主面へ流体(F1)を供給しつつ、前記吸い込み口から前記流体(F2)を排出する、請求項11記載のウェハ温度調整方法。
  17. 前記吹き出し口(3a)と吸い込み口(3b)とは複数設けられ、相互に対となって配置される、請求項16記載のウェハ温度調整方法。
  18. 前記流体としてヘリウム、ネオンから少なくとも一つのガスを選択して採用する、請求項11乃至請求項17のいずれか一つに記載のウェハ温度調整方法。
  19. 前記流体として、水、フルオロ化合物から少なくとも一つの液体を選択して使用する、請求項11乃至請求項17のいずれか一つに記載のウェハ温度調整方法。
  20. 所定量の液体を確保する平面(3c)と、
    前記平面を所定の温度に設定する温度設定部(1,2)と
    を用い、前記液体を介して前記平面にウェハ(W)を載置するウェハ温度調整方法(10C,10D)。
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