JP2005235800A - 半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サイリスタ特性が発生しない様に対策を講じ、再現性良く、高輝度で低動作電圧の半導体発光素子用エピタキシャルウェハを得る製造方法を提供すること。
【解決手段】基板1上に、MOVPE法によって少なくとも、活性層4をn型クラッド層3とp型クラッド層5で挟んだ発光部10と、その上に前記p型クラッド層5よりも高濃度にp型不純物が添加された半導体からなる窓層7とが積層される半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、n型不純物を含有するガスのフローを、基板1の上に第1層目のn型半導体層を成長する前の昇温過程中、若しくは昇温前に開始し、n型不純物を含有するガスがフローされた状態を維持して基板1の上に第1層目のn型半導体層を成長する。
【選択図】 図1
【解決手段】基板1上に、MOVPE法によって少なくとも、活性層4をn型クラッド層3とp型クラッド層5で挟んだ発光部10と、その上に前記p型クラッド層5よりも高濃度にp型不純物が添加された半導体からなる窓層7とが積層される半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、n型不純物を含有するガスのフローを、基板1の上に第1層目のn型半導体層を成長する前の昇温過程中、若しくは昇温前に開始し、n型不純物を含有するガスがフローされた状態を維持して基板1の上に第1層目のn型半導体層を成長する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高輝度、高信頼性及び低価格の半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法に関するものである。
従来、半導体発光素子である発光ダイオード(以下、LEDという)は、GaP系の半導体層の緑色、AlGaAs系の半導体層の赤色が殆どであった。しかし、最近、GaN系やAlGaInP系の半導体層を有機金属気相成長法(MOVPE法)で成長できるようになったことから、燈色、黄色、緑色、青色の高輝度LEDが製作出来るようになってきた。
しかし、高輝度を得るためには、LEDのチップ面内に均一に電流が注入されるように電流分散特性を良くする必要があり、そのための具体策としては、窓層の膜厚を厚くする必要があった。すると、必然的にLED用エピタキシャルウェハの製造コストが高くなり、LEDを安価に製作する妨げとなっていた。
製造コストを低減する為には、窓層の膜厚を薄く、且つ電流分散特性を良くすれば良い。つまり、窓層自体の抵抗率をさらに低くすれば良いのである。
そこで、抵抗率の低いエピタキシャル層を得る為には、移動度の大幅な向上、または、キャリア濃度を高くするといった方法がある。そのための具体策として、窓層として出来得る限り抵抗率の低い材料、例えばAlGaInP系LEDの場合には、窓層としてGaPやAlGaAsが通例として用いられている。しかし、これら抵抗率の低い材料を用いても、p型で高キャリア濃度のエピタキシャル層を成長させることが難しいため、やはり、窓層の電流分散特性を良くするためには、窓層の膜厚を8μm以上にする必要がある。
また、その他の半導体でそのような特性を有するものがあれば、それで代用することができるのだが、残念ながらそのような特性を充足する半導体は見当たらない。
ここで、充分な透光性を有し且つ良好な電流分散特性を得られるものとして、金属酸化物の透明導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)膜が注目されている。このITO膜を窓層として用いることが出来れば、これまで窓層として半導体層を厚くしていたが、その分のエピタキシャル層が要らなくなるため、安価に高輝度のLEDを生産できるようになる。
しかし、このLEDの製造においては、通常、窓層として金属酸化物の透明導電膜(ITO膜)の上に金属電極が形成されるが、エピタキシャルウェハの最上層に位置する半導体層(以下、最上半導体層という)と金属酸化物の透明導電膜との間に接触抵抗が発生してしまい、順方向動作電圧が高くなるという問題がある。
また一方で、半導体層からなるコンタクト層のキャリア濃度を極めて高くすることで、トンネル電流によりLEDを駆動させるという方法も開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
さらにまた、最上半導体層としてC(炭素)をp型不純物としたGaAs層を用い、更にC不純物の原料として四臭化炭素(CBr4)を用いて、高輝度、低動作電圧、高信頼性の半導体発光素子を製作するという方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
ELECTRONICS LETTERS、7Th December 1995(2210〜2212頁参照) 特開平11−307810号公報
ELECTRONICS LETTERS、7Th December 1995(2210〜2212頁参照)
しかしながら、C不純物の原料に四臭化炭素(CBr4)を用いると、1回目の成長ロットでは充分な特性を達成できるが、連続して成長を行うと2回目以降のロットでは、極めて発光出力が低くなってしまうという問題があった(2回目以降に製作したLEDの発光出力は約50%)。つまり、再現性に問題があるということである。
この問題を特定するため、2回目以降に成長したエピタキシャルウェハのSIMS(secondary ionmass spectroscopy)分析を行った。その結果、エピタキシャルウェハ中に高濃度のC及びO(酸素)が存在することが明らかとなった。この結果より、原料として四臭化炭素(CBr4)を用いたことで、1回目の成長にて高濃度のC及びOが成長炉内に残存してしまい、そのC及びOが2回目以降の成長時にエピタキシャルウェハ中に混入し、発光出力が低下したと考えられる。
また前記開示方法の中で、最上半導体層としてZnをp型不純物としたGaAs層を用いる方法が示されているが、この方法でも1回目の成長では高輝度、低動作電圧が得られ、充分な特性を達成できるが、連続して成長を行うと、2回目以降では、20mA通電時の特性では満足のいくものを得ることが出来たが、低電流領域での動作電圧が、極めて高くなるという問題があった。つまり、2回目以降に製作したLEDでは、サイリスタ特性が現れることが確認され、再現性に問題があることが明らかとなった。
従って、本発明の目的は、上記課題を解決し、高濃度のp型不純物を含んだエピタキシャル層を最上半導体層とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、連続して作製した際にサイリスタ特性が発生しないように対策を講じ、再現性良く、高輝度で低動作電圧の半導体発光素子用エピタキシャルウェハを得る製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係る半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法は、基板の上に、有機金属気相成長法(MOVPE法)によって少なくとも、活性層をn型クラッド層とp型クラッド層で挟んだ発光部、前記発光部の上に前記p型クラッド層よりも高濃度にp型不純物が添加された半導体層からなる窓層が積層される半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、n型不純物を含有するガスのフローを、前記基板の上に第1層目のn型半導体層を成長する前の昇温過程中、若しくは昇温前に開始し、前記n型不純物を含有するガスがフローされた状態を維持して前記基板の上に第1層目のn型半導体層を成長することを特徴とする。
請求項2の発明に係る半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法は、基板の上に、有機金属気相成長法(MOVPE法)によって少なくとも、活性層をn型クラッド層とp型クラッド層で挟んだ発光部、前記発光部の上に他の層よりも高い濃度のp型不純物が添加されたコンタクト層が積層され、更に前記コンタクト層の上に透明導電膜からなる窓層が真空蒸着法若しくはスパッタ法によって形成される半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、n型不純物を含有するガスのフローを、前記基板の上に第1層目のn型半導体層を成長する前の昇温過程中、若しくは昇温前から開始し、前記n型不純物を含有するガスがフローされた状態を維持して前記基板の上に第1層目のn型半導体層を成長することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、前記コンタクト層がAlXGa1−XAs(0≦X≦0.3)で構成され、且つ前記コンタクト層に添加されたp型不純物が亜鉛(Zn)であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、前記コンタクト層のキャリア濃度が1×1019cm-3以上であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、前記n型不純物が、セレン(Se)、テルル(Te)、シリコン(Si)のうちのいずれかであり、且つ前記n型不純物によって、前記第1層目のn型半導体層のキャリア濃度が1×1018cm-3以上となるように前記n型不純物を含有するガスの流量を設定することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、前記n型不純物を含有するガスの流量を、前記基板の上に積層するn型半導体層の導電型が一様にn型となる程度に設定することを特徴とする。
<発明の要点>
上記目的を達するために、本発明者は上記課題を解決するべく鋭意努力し研究を行った結果、本発明に到達した。
上記目的を達するために、本発明者は上記課題を解決するべく鋭意努力し研究を行った結果、本発明に到達した。
即ち、本発明者は、前回のMOVPE法によるエピタキシャル成長によって成長炉内に残存したp型不純物に起因する、次回のエピタキシャル成長の時に発生するサイリスタ現象を、昇温過程中、若しくは昇温前にn型不純物を含有するガスを多量にフローしつつ続けて第1層目のn型半導体層の成長を開始することによって、抑制することが可能であることを見出した。
本発明はこれを応用した製造方法であり、極めて安価で高輝度、高信頼性、低動作電圧の半導体発光素子用エピタキシャルウェハを再現性良く製造することができる。
本発明によれば、成長炉内に残存したp型不純物に起因する、次回のエピタキシャル成長の時に発生するサイリスタ現象を、昇温過程中、もしくは昇温前にn型不純物を含有するガスを多量にフローしつつ続けて第1層目のn型半導体層の成長を開始することによって、抑制することができる。このため、本発明により、半導体発光素子用エピタキシャルウェハに掛かる製造コストを極めて安価にすることが可能となり、更に高輝度、高信頼性、且つ順方向動作電圧の低いLEDが再現性良く安定して製作出来るようになった。つまり、これによりLED用エピタキシャルウェハの価格を大幅に低減することが出来た。
以下、本発明の実施の形態を、実施例を中心にして説明する。
<実施例:ITO−LEDでメモリー防止>
図1に示した構造の発光波長630m付近の赤色LED用エピタキシャルウェハを連続して2枚作製した。
図1に示した構造の発光波長630m付近の赤色LED用エピタキシャルウェハを連続して2枚作製した。
以下にその具体例を示す。先ず、MOVPE装置にn型GaAs基板1をセットし、第1層目のn型半導体層を成長する前、より詳しくは、ヒータによる昇温前にn型不純物を含有するガスであるセレン化水素(H2Se)のフローを開始した。
続いて、n型GaAs基板1の上に、MOVPE法で、n型(Seドープ)GaAsバッファ層(膜厚400nm、キャリア濃度1×1018cm-3)2、n型(Seドープ)(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5pクラッド層(膜厚300nm、キャリア濃度1×1018cm-3)3、アンドープ(Al0.1Ga0.9)0.5In0.5P活性層(膜厚600nm)4、p型(Znドープ)(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層(膜厚300nm、キャリア濃度5×1018cm-3)5、p型(Znドープ)Al0.1Ga0.9Asコンタクト層(膜厚2nm、キャリア濃度2×1019cm-3)6を、順次MOVPE法で成長した。
上記MOVPE法によるエピタキシャル成長は、成長温度650℃、成長圧力50Torr、各層の成長速度0.3〜1・0nm/s、V/III比300〜600で行った。但し、前記p型Al0.1Ga0.9Asコンタクト層6のみ、成長温度500℃でエピタキシャル成長を行った。この時、エピタキシャル成長の開始前にフローしたセレン化水素は、n型半導体層の最上層に当たるn型クラッド層3の成長が終了するまで、フローし続けた。
ここで、MOVPE法による成長において用いる原料としては、例えばトリメチルガリウム(TMG)又はトリエチルガリウム(TEG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)等の有機金属や、アルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)等の水素化物ガスを用いた。
例えば、n型GaAsバッファ層2のようなn型半導体層をエピタキシャル成長するためのn型不純物を含有するガスとしては、セレン化水素(H2Se)を用いた。またp型AlGaAsコンタクト層6のようなp型半導体層をエピタキシャル成長するためのp型不純物を含有するガスとしては、ジメチル亜鉛(DMZ)を用いた。その他にn型不純物を含有するガスとして、モノシラン(SiH4)を、p型不純物を含有するガスとしてジエチル亜鉛(DEZ)を用いることもできる。
連続して成長した上記2枚のエピタキシャルウェハに、ITO膜からなる窓層7を真空蒸着法にて、約285nm形成した。この時の成膜温度(基板表面温度)は、およそ300℃である。この時のITO膜からなる前記窓層7の抵抗率は、2.30×10-4Ω・cmであった。因みにITO膜からなる前記窓層7は、2枚同時に成膜した。
そして、このエピタキシャルウェハの上面(窓層7に接する面)には直径120μmの円形状のp側電極8を、マトリックス状に真空蒸着法にて形成した。p側電極8は、ニッケル、金を、それぞれ20nm、500nmの順に蒸着した。更にこのエピタキシャルウェハの底面(基板1に接する面)には、全面にn側電極9を形成した。n側電極9は、金・ゲルマニウム合金、ニッケル、金を、それぞれ60nm、10nm、500nmの順に蒸着し、その後、電極の合金化であるアロイ工程を、窒素ガス雰囲気中にて400℃×5分間行った。
その後、上記のようにして作製された電極付きLED用エピタキシャルウェハを円形状の前記p側電極8が中心になるようにダイシングにて切断し、チップサイズ300μm角のLEDベアチップを製作した。更にこのLEDベアチップをTO−18ステム上にマウント(ダイボンディング)し、その後更に、マウントされたこのLEDベアチップに、ワイヤボンディングを行い、LED素子を製作した。なお、前記電極形成からLED素子作製工程に関しても、2枚のエピタキシャルウェハを同時に製作している。つまり成長作業以外は、常に2枚のエピタキシャルウェハの加工作業を同時に行った。
このようにして製作されたLED素子の、LED特性を評価した。図2に電流電圧特性(連続成長2枚目)を示す。
最初に成長させたエピタキシャルウェハから作製したLEDの発光出力は20mA通電時で2.50mW、順方向動作電圧は1.955Vであり、良好な特性であることが確認された。また2枚目に成長したエピタキシャルウェハから製作したLEDの発光出力は20mA通電時で2.53mW、順方向動作電圧は1.957Vであり、良好な特性であることが確認された。更には、最初に成長させたエピタキシャルウェハも2枚目(連続成長した2回目)に成長したエピタキシャルウェハから製作したLEDの0.2mA通電時での順方向動作電圧は、それぞれ1.708Vと1.709Vであり、極めて良好な特性であった。また2mA通電時での順方向動作電圧も、それぞれ1.797Vと1.800Vであり、これもまた良好な特性であることが確認された。
つまり、エピタキシャル層における第1層目のn型半導体層を成長する前の段階から、n型不純物を含有するガスを多量にフローしたことによって、サイリスタ特性が発生すること無く、連続して良好な特性のLED用エピタキシャルウェハの製作が出来ていることが確認された。即ち、再現性良く連続成長できたと言える。
<比較例>
図1に示した構造の発光波長630nm付近の赤色LED用エピタキシャルウェハを、連続して2枚作製した。以下にその工程を示す。
図1に示した構造の発光波長630nm付近の赤色LED用エピタキシャルウェハを、連続して2枚作製した。以下にその工程を示す。
n型GaAs基板1上に、MOVPE法で、n型(Seドープ)GaAsバッファ層(膜厚400nm、キャリア濃度1×1018cm-3)2、n型(Seドープ)(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層(膜厚300nm、キャリア濃度1×1018cm-3)3、アンドープ(Al0.1Ga0.9)0.5In0.5P活性層(膜厚600nm)4、p型(Znドープ)(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層(膜厚300nm、キャリア濃度5×1017cm-3)5、p型(Znドープ)Al0.1Ga0.9Asコンタクト層(膜厚2nm、キャリア濃度2×1019cm-3)6を、順次MOVPE法で成長した。
エピタキシャル成長工程やITO膜からなる窓層7の成膜方法及び電極形成工程、チップ加工、LED特性の評価は、基本的に上記実施例1と同じとした。
このようにして製作されたこのLED素子のLED特性を評価した。図3及び図4に電流電圧特性(連続成長2枚目)を示す。
最初に成長させたエピタキシャルウェハから製作したLEDの発光出力は、20mA通電時で2.51mW、また順方向動作電圧は1.954Vであり、良好な特性であることが確認された。また2枚目に成長したエピタキシャルウェハから製作したLEDの発光出力は、20mA通電時で2.48mW、また順方向動作電圧は、1.957Vであり、良好な特性であった。
しかし、2枚目に成長したエピタキシャルウェハから製作したLEDの0.2mA及び2mA通電時での順方向動作電圧が、それぞれ3.921V、3.303Vと高くなってしまった。つまりサイリスタ特性を示していることが確認された。因みに、最初に成長させたエピタキシャルウェハから製作したLEDの0.2mA及び2mA通電時での順方向動作電圧は、それぞれ1.707Vと1.797Vであり、良好な特性である。つまり、再現性良くエピタキシャルウェハを製造することが出来なかった。
<最適条件に付いての根拠>
成長開始前(昇温過程中、若しくは昇温前)にフローするn型不純物を含有するガスの流量は、出来得る限り多い方が好ましい。但し、このときの流量は前回のエピタキシャル成長によって成長炉内に残存するp型不純物の濃度に依存する。つまり、前回のエピタキシャル成長の最終層(最後に成長した層)を成長した際のp型不純物の濃度によってほぼ支配的に決定されるものである為、その都度、フローする際に必要になる最低限度のn型不純物を含有するガスの流量は変化すると言える。
成長開始前(昇温過程中、若しくは昇温前)にフローするn型不純物を含有するガスの流量は、出来得る限り多い方が好ましい。但し、このときの流量は前回のエピタキシャル成長によって成長炉内に残存するp型不純物の濃度に依存する。つまり、前回のエピタキシャル成長の最終層(最後に成長した層)を成長した際のp型不純物の濃度によってほぼ支配的に決定されるものである為、その都度、フローする際に必要になる最低限度のn型不純物を含有するガスの流量は変化すると言える。
ただ、ここでより詳しく、フローするn型不純物を含有するガスの流量を定義するとすれば、前回のエピタキシャル成長から引き継ぐp型不純物の混入、一般に言うメモリー現象を抑制するには、基板上に積層するn型半導体層の導電型が一様にn型となる程度の流量に設定することが好ましいと言える。前述したメモリー現象に起因するサイリスタは、エピタキシャル成長によって形成するn型半導体層中にp型半導体層が形成されることによって引き起こされるものなので、これを抑制でき得る濃度のn型不純物を含有するガスをフローしてやれば良いということである。
更に、p型不純物の種類によっては、エピタキシャル層における第1層目のn型半導体層を成長する前から、基板上にp型領域を形成してしまうこともある為、より好ましい形態として、昇温前の段階からn型不純物を含有するガスをフローすることが良い。この、上記の基板上にp型領域を形成しやすいp型不純物としては、広く一般に知られるZnが挙げられる。
<変形例1>
本発明における実施例では、基板1の上に形成したエピタキシャル層として、n型バッファ層2、n型クラッド層3、活性層4、p型クラッド層5、p型コンタクト層6だけを成長した形態としたが、例えば、基板1と最上半導体層(ここでは、p型コンタクト層6)の間に前記した以外の他の層があっても、本発明の意図する所の効果が得られる。
本発明における実施例では、基板1の上に形成したエピタキシャル層として、n型バッファ層2、n型クラッド層3、活性層4、p型クラッド層5、p型コンタクト層6だけを成長した形態としたが、例えば、基板1と最上半導体層(ここでは、p型コンタクト層6)の間に前記した以外の他の層があっても、本発明の意図する所の効果が得られる。
<変形例2>
本発明における実施例では、更なる発光出力が期待出来るDBR層(分布ブラッグ反射層)を具備しない構造であるが、例えば、前記DBR層を設けても良く、更には活性層にMQW(多重量子井戸)構造を用いても本発明の意図する所の効果が得られる。
本発明における実施例では、更なる発光出力が期待出来るDBR層(分布ブラッグ反射層)を具備しない構造であるが、例えば、前記DBR層を設けても良く、更には活性層にMQW(多重量子井戸)構造を用いても本発明の意図する所の効果が得られる。
<変形例3>
本発明における実施例では、ITO膜を窓層7とする構造とし、またそれに伴ったエピタキシャル成長層を順次積層した構造としたが、例えば、当業者間において一般的に用いられるAlGaInP系半導体発光素子、特にLEDにおいて通例とされている構造、詳しくは基板1上にn型クラッド層3、活性層4、p型クラッド層5、GaP、若しくはAlGaAs等の半導体層から構成される窓層7を備えたLEDの素子構造を順次エピタキシャル成長させたようなLED用エピタキシャルウェハにおいても、前記窓層7を成長した際のp型不純物のメモリーが起き得ることは必然であり、また、この場合においても本発明に示した施策を講じることで本発明の意図する所の効果が得られる。
本発明における実施例では、ITO膜を窓層7とする構造とし、またそれに伴ったエピタキシャル成長層を順次積層した構造としたが、例えば、当業者間において一般的に用いられるAlGaInP系半導体発光素子、特にLEDにおいて通例とされている構造、詳しくは基板1上にn型クラッド層3、活性層4、p型クラッド層5、GaP、若しくはAlGaAs等の半導体層から構成される窓層7を備えたLEDの素子構造を順次エピタキシャル成長させたようなLED用エピタキシャルウェハにおいても、前記窓層7を成長した際のp型不純物のメモリーが起き得ることは必然であり、また、この場合においても本発明に示した施策を講じることで本発明の意図する所の効果が得られる。
1 基板
2 n型バッファ層
3 n型クラッド層
4 活性層
5 p型クラッド層
6 p型コンタクト層
7 窓層
8 p側電極(上面電極)
9 n側電極(底面電極)
10 発光部
2 n型バッファ層
3 n型クラッド層
4 活性層
5 p型クラッド層
6 p型コンタクト層
7 窓層
8 p側電極(上面電極)
9 n側電極(底面電極)
10 発光部
Claims (6)
- 基板の上に、有機金属気相成長法によって少なくとも、活性層をn型クラッド層とp型クラッド層で挟んだ発光部、前記発光部の上に前記p型クラッド層よりも高濃度にp型不純物が添加された半導体層からなる窓層が積層される半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、
n型不純物を含有するガスのフローを、前記基板の上に第1層目のn型半導体層を成長する前の昇温過程中、若しくは昇温前に開始し、前記n型不純物を含有するガスがフローされた状態を維持して前記基板の上に第1層目のn型半導体層を成長することを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。 - 基板の上に、有機金属気相成長法によって少なくとも、活性層をn型クラッド層とp型クラッド層で挟んだ発光部、前記発光部の上に他の層よりも高い濃度のp型不純物が添加されたコンタクト層が積層され、更に前記コンタクト層の上に透明導電膜からなる窓層が真空蒸着法若しくはスパッタ法によって形成される半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、
n型不純物を含有するガスのフローを、前記基板の上に第1層目のn型半導体層を成長する前の昇温過程中、若しくは昇温前に開始し、前記n型不純物を含有するガスがフローされた状態を維持して前記基板の上に第1層目のn型半導体層を成長することを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。 - 請求項2に記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、
前記コンタクト層がAlXGa1−XAs(0≦X≦0.3)で構成され、且つ前記コンタクト層に添加されたp型不純物が亜鉛であることを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。 - 請求項2又は3に記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、
前記コンタクト層のキャリア濃度が1×1019cm-3以上であることを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、
前記n型不純物が、セレン、テルル、シリコンのうちのいずれかであり、且つ前記n型不純物によって、前記第1層目のn型半導体層のキャリア濃度が1×1018cm-3以上となるように前記n型不純物を含有するガスの流量を設定することを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、
前記n型不純物を含有するガスの流量を、前記基板の上に積層するn型半導体層の導電型が一様にn型となる程度に設定することを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004039194A Pending JP2005235800A (ja) | 2004-02-17 | 2004-02-17 | 半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法 |
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JP (1) | JP2005235800A (ja) |
-
2004
- 2004-02-17 JP JP2004039194A patent/JP2005235800A/ja active Pending
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