JP2005235481A - 有機elパネル及びその形成方法 - Google Patents

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有紀 塩島
Isamu Oshita
勇 大下
Masanori Komada
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Abstract

【課題】 引き出し配線の低電気抵抗化を図るためにAg又はAg合金の配線材料を採用するに際して、透明導電膜上に積層膜を形成する際の密着性を向上させ、引き出し配線の耐久性を向上させること、また、引き出し配線の低電気抵抗化を図りながらマイグレーションによる配線不具合のリスクを解消する。
【解決手段】 有機ELパネルにおける引き出し配線10の下地膜11は、有機EL素子形成領域Wでは、有機EL素子の下部電極を形成し、下部電極と導通した下地膜11の引き出し配線部分Wにおいて、下地膜11とこの下地膜11上に形成されるCr,Ti,Mo,Ni,W,Au,Co,Ta,Mgから選ばれる少なくとも一以上の金属もしくはその合金からなる積層膜12とからなる配線部分W21と、下地膜11と積層膜12及びAg又はAg合金からなる積層膜13からなる配線部分W22とが形成されている。配線部分W21をマイグレーションリスクの高い部分に形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、有機EL(Electroluminescence)パネル及びその形成方法に関するものである。
有機ELパネルは、支持基板上に有機EL素子による面発光要素を形成して、この面発光要素を単数又は複数配列することで表示領域を形成するものである。
有機EL素子の形成は、支持基板上に各種構造の下部電極を形成した後、有機発光機能層を含む有機層の成膜パターンを形成し、その上に上部電極を形成することによってなされる。この有機EL素子は、下部電極と上部電極との間に電圧を印加することによって、陽極側から正孔が陰極側から電子が有機層内に注入・輸送され、それらが再結合することで発光が得られるものである。
また、この有機EL素子は、前述の有機層及び電極が外気に曝されると発光特性の劣化が生じることから、支持基板上に接着剤を介して封止部材を貼り合わせるか、或いは支持基板上の有機EL素子を封止膜で覆うことで、前述の有機層及び電極を備えた有機EL素子を封止することがなされている。
そして、この有機ELパネルにおいては、前述した上部電極及び下部電極に導通する配線を前述の封止基板又は封止膜で形成された封止空間から封止空間外の支持基板上に引き出した引き出し配線を形成しており、この引き出し配線に駆動回路を接続することで、各有機EL素子を選択的に発光させている。
このような有機ELパネルでは、有機EL素子の下部電極と上部電極間に前述した再結合による電流が流れ、この電流に応じた発光輝度が得られることになる。したがって、前述した引き出し配線の電気抵抗が高いと、同じ駆動電圧に対して有機EL素子によって得られる発光輝度が低下してしまうことになる。また、引き出し配線と駆動回路部材との接続を考えると引き出し配線の長さは必ずしも一定にはならないが、引き出し配線の電気抵抗が高いと流れる電流による電圧降下が引き出し配線毎に大きく異なることになり、これによって有機EL素子に輝度ムラが生じて表示品質を損ねてしまうことになる。
したがって、有機ELパネルにおける引き出し配線としては可能な限り低電気抵抗のものが求められている。このような要求は、素子間電流によって発光を生じる有機EL素子特有の問題であると言え、例えば、液晶層を挟む電極間に電圧を印加して液晶層の電気光学特性を変化させる液晶パネルでは、引き出し配線に対してこのような低電気抵抗化の要求は生じない。
これに対して、有機ELパネルの引き出し配線は、製造工程簡略化の観点から、下部電極のパターニング工程で同時にパターニングされることが一般になされており、この場合には、引き出し配線は下部電極と同材料で形成されることになる。しかしながら、下部電極の材料としては有機EL素子の構成要素としての要件(例えば、陰極又は陽極、支持基板側から光を取り出す場合には透明性)があるので、低電気抵抗の材料を選択するにも限界がある。
そこで、従来は、引き出し配線を下部電極と同材料からなる下地膜とその上に形成される低電気抵抗材料の積層膜とからなる積層構造にして、下部電極材料膜のみからなる有機EL素子形成部分と下部電極材料からなる下地膜の上に低電気抵抗金属材料からなる積層膜を積層した引き出し配線部分とを1回のパターニングで形成すること等が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2003−163080号公報
一般に、有機ELパネルの下部電極としてはITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜が用いられるので、前述した従来技術の引き出し配線は、透明導電膜の下地膜と、クロム(Cr),アルミニウム(Al),アルミニウム合金,銀(Ag),銀合金,モリブデン(Mo),チタン(Ti),タングステン(W),タンタル(Ta)等の低電気抵抗金属材料の積層膜によって形成されている。
この低電気抵抗金属材料の中では、Ag又はAg合金が最も電気抵抗が低く(例えば、ITO:20Ω/m,Cr:1.3Ω/mに対して、Ag:0.15Ω/m)、有機ELパネルの引き出し配線材料としては好ましい。しかしながら、このAg又はAg合金による積層膜は、ITO等の透明導電膜との密着性に問題があり、引き出し配線形成後に積層膜の剥がれが生じて耐久性の面で問題がある。
また、Ag又はAg合金を高密度配線の配線材料に用いた場合には、マイグレーションという現象が問題になる。このマイグレーション現象が進行すると、絶縁材料からなる支持基板上を金属が移行して隣接する配線を連結してしまうので、配線不良を起こすことになる。有機ELパネルにおいては、表示性能の向上に伴って配線間隔の高密度化が進んでおり、マイグレーションによる配線不具合が重要な問題として顕在化している。
このマイグレーションによる配線不具合は、配線間に電位差があり、配線間隔が近接している程起こり易いが、他のマイグレーションを引き起こす要因として水分の存在が考えられており、特に、前述した支持基板と封止部材との接着箇所や引き出し配線と駆動回路端部(例えば、ACF端部等)との接着箇所において、接着樹脂の未硬化による水分の存在でマイグレーションによる配線不具合が生じ易いことが確認されている。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、引き出し配線の低電気抵抗化を図るためにAg又はAg合金の配線材料を採用するに際して、透明導電膜上に積層膜を形成する際の密着性を向上させ、引き出し配線の耐久性を向上させること、また、引き出し配線の低電気抵抗化を図りながらマイグレーションによる配線不具合のリスクを解消すること等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
[請求項1]支持基板上に、有機発光機能層を含む有機層を下部電極と上部電極とで挟持してなる有機EL素子を形成し、前記下部電極又は前記上部電極から引き出された引き出し配線を形成した有機ELパネルであって、前記引き出し配線は、透明導電膜からなる下地膜と、Ag又はAg合金からなる積層膜と、Cr,Ti,Mo,Ni,W,Au,Co,Ta,Mgから選ばれる少なくとも一以上の金属もしくはその合金からなり前記下地膜と前記積層膜との間に介在される積層膜とからなる配線部分を有することを特徴とする有機ELパネル。
[請求項2]支持基板上に、有機発光機能層を含む有機層を下部電極と上部電極とで挟持してなる有機EL素子を形成し、前記下部電極又は前記上部電極から引き出された引き出し配線を形成した有機ELパネルであって、前記引き出し配線は、透明導電膜からなる下地膜と、Ag又はAg合金からなる積層膜と、Cr,Ti,Mo,Ni,W,Au,Co,Ta,Mgから選ばれる少なくとも一以上の金属もしくはその合金からなり前記下地膜と前記積層膜との間に介在される積層膜とからなる配線部分と、透明電極膜からなる下地膜と、該下地膜上に形成されるCr,Ti,Mo,Ni,W,Au,Co,Ta,Mgから選ばれる少なくとも一以上の金属もしくはその合金からなる積層膜とからなる配線部分とを有することを特徴とする有機ELパネル。
[請求項7]支持基板上に、有機発光機能層を含む有機層を下部電極と上部電極とで挟持してなる有機EL素子を形成し、前記下部電極又は前記上部電極から引き出された引き出し配線を形成した有機ELパネルの形成方法であって、前記引き出し配線の形成は、透明導電膜からなる下地膜を形成し、前記下地膜上にCr,Ti,Mo,Ni,W,Au,Co,Ta,Mgから選ばれる少なくとも一以上の金属もしくはその合金からなる積層膜を形成し、該積層膜上に部分的にAg又はAg合金からなる積層膜を形成する工程を有することを特徴とする有機ELパネルの形成方法。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る有機ELパネルを説明する説明図である。本発明の実施形態は、支持基板1上に、有機発光機能層を含む有機層を下部電極と上部電極とで挟持してなる有機EL素子を形成し、前記下部電極又は前記上部電極から引き出される引き出し配線10を形成した有機ELパネルを前提構成としている。
図1は、その引き出し配線10の構造を示す断面図である。本発明の実施形態に係る有機ELパネルの引き出し配線10は、ITO等の透明導電膜からなる下地膜11と、Ag又はAg合金からなる積層膜13と、Cr,Ti,Mo,Ni,W,Au,Co,Ta,Mgから選ばれる少なくとも一以上の金属もしくはその合金からなり下地膜11と積層膜13との間に介在される積層膜12とからなる配線部分を有している。なお、以下の実施形態では、Cr又はCr合金についての説明を行うが、他にTi,Mo,Ni,W,Au,Co,Ta,Mg等の金属又はその合金についても同様に形成することができる。
図2は、図1に示した引き出し配線10のA−A断面図であって、引き出し配線10の配線方向に沿った部分的な断面図である。図示のように、引き出し配線10の下地膜11は、有機EL素子形成領域Wでは、有機EL素子の下部電極を形成するものであり、この下部電極と導通した下地膜11の引き出し配線部分Wにおいて、下地膜11とこの下地膜11上に形成されるCr又はCr合金からなる積層膜12とからなる配線部分W21と、下地膜11と積層膜12,13からなる配線部分W22とが形成されている。ここでは、引き出し配線10は、有機EL素子の下部電極から引き出されるものを示したが、有機EL素子の上部電極から引き出される引き出し配線も同様である。
このような本発明の実施形態に係る有機ELパネルによると、引き出し配線10は、延長部分においてAg又はAg合金からなる積層膜13が積層された構造にできるから、引き出し配線10の電気抵抗を低下させることが可能になり、同一駆動電圧に対して有機EL素子の発光輝度を向上させることができる。また、延長部分の電気抵抗を低くすることで、引き出し配線10を流れる電流によって引き出し配線10毎の電位降下に大きな差が生じることが無く、有機EL素子に生じる輝度ムラを解消して、有機ELパネルの表示性能を向上させることができる。
更には、透明導電膜からなる下地膜11とAg又はAg合金からなる積層膜13との間にCr又はCr合金からなる積層膜12を介在させているので、積層膜12が接着作用をなし、Ag又はAg合金からなる積層膜13と透明導電膜からなる下地膜11との密着性を向上させることができ、これによって、引き出し配線10の耐久性を向上させることができる。
また、引き出し配線10は、透明導電膜からなる下地膜11と、この下地膜11上に形成されるCr又はCr合金からなる積層膜12とからなる配線部分W21を有しており、この配線部分W21をマイグレーションリスクの高い部分にすることで、マイグレーションのリスクを回避している。すなわち、マイグレーションリスクの高い部分でAg又はAg合金からなる積層膜13を除いた配線部分を形成することで、Ag又はAg合金によるマイグレーション現象を起こり難くしている。
前述したように、マイグレーションは、配線間に電位差があり、配線間隔が近接している程起こり易く、また、水分が存在する部分でも起こり易いことが確認されている。したがって、このようなマイグレーションの起こり易い部分が、マイグレーションリスクの高い部分になる。
図3は、本発明の実施形態に係る有機ELパネルの平面図であり、支持基板1に封止接着部20が形成され、その内側に上部電極2と下部電極3が形成される有機EL素子領域Wが形成されている。ここでは、引き出し配線10は、上部電極2から封止接着部20を介して封止空間外に引き出される配線(10A)と下部電極3から封止接着部20を介して封止空間外に引き出される配線(10B)が、支持基板1の同一辺側に集約されてCOF(Chip On Film)21に接続され、そこから更に引き出されてACF(異方性導電フィルム:anisotropic conductive film)等を介して駆動回路部品と接続される配線(10C)を形成している。
このような有機ELパネルでは、マイグレーションリスクの高い部分は、支持基板1と有機EL素子を封止する封止部材との封止接着部20を介して引き出し配線10が引き出される接着領域周辺部分M、引き出し配線10に対して有機EL素子の駆動回路部材をACF等を介して接続する接続領域周辺部分M、上部電極2から引き出された引き出し配線10と下部電極3から引き出された引き出し配線10とが隣接する配線部分M等である。
本発明の実施形態に係る有機ELパネルでは、このようなマイグレーションリスクの高い部分では、Ag又はAg合金からなる積層膜13を除いて、下地膜11とCr又はCr合金からなる積層膜12とからなる配線部分W21を形成しており、これによってマイグレーションの発生を抑え、配線不具合を回避している。
図4及び図5は、本発明の実施形態に係る有機ELパネルの具体例を示した説明図である(前述の説明と共通する部分には同一符号を付している。)。ここでは、支持基板1上に上部電極2又は下部電極3に導通する下地膜11を形成し、引き出し配線部分(W21+W22)に積層膜12を形成し、接着領域周辺部分以外の配線部分W22に積層膜13を形成して引き出し配線10を形成している。したがって、下地膜11上にCr又はCr合金からなる積層膜12が積層され、Ag又はAg合金からなる積層膜13が除かれた配線部分W21に、接着剤22が塗布される封止接着部20が形成されることになる。
この例では、有機EL素子形成領域Wにおける下部電極3はストライプ状に形成されており、その上に発光領域を区画するように絶縁膜5が形成され、この絶縁膜5の上に下部電極3と直交するように隔壁6が形成されている。そして、蒸着等の成膜工程によって、下部電極3の発光領域上に有機発光機能層を含む有機層4(ここでは、正孔輸送層4A,発光層4B,電子輸送層4Cからなる。)が形成され、更にその上に下部電極3と直交するように上部電極2が形成されている。そして、封止接着部20に塗布された接着剤22を介して支持基板1に封止部材23が接着され、この支持基板1と封止部材23との間の封止空間内に、上部電極2と下部電極3とで有機層4を挟持してなる有機EL素子が封止されている。
このような有機ELパネルによると、封止接着部20の周辺にはマイグレーションを起こし易いAg又はAg合金が存在しないので、接着剤22の未硬化によって水分が残り易い接着領域周辺部分であってもマイグレーションが発生しない。また、引き出し配線10の延長部分となる配線部分W22にはAg又はAg合金からなる積層膜13が形成されており、封止接着部20周辺の配線部分W21にもCr又はCr合金からなる積層膜12が形成されているので、引き出し配線10の電気抵抗を充分に低下させることができる。更には、透明導電膜からなる下地膜11とAg又はAg合金からなる積層膜12との間にCr又はCr合金からなる積層膜12が介在されるので、密着性が高く耐久性の良好な引き出し配線10を形成することができる。
図6及び図7は、このような有機ELパネルの形成方法における工程例を示したフローである。図6に示した工程例では、ガラス、プラスチック等からなる支持基板1に対して必要に応じて研磨,洗浄,乾燥等の措置を施す準備工程(S11)を経て、その表面にITO,IZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電膜をスパッタリング法等にて成膜する(S12)。その後、フォトリソグラフィ法により、下部電極3及び引き出し配線10のパターンに応じたパターニングがなされる(S13)。そして、Cr又はCr合金膜を、有機EL素子形成領域Wを除く領域に成膜し(S14)、引き出し配線10のパターンに応じたパターニングを行って積層膜12を形成し(S15)、Ag又はAg合金(例えば、Ag−Pd,AgO)を、前述の配線部分W22に成膜し(S16)、引き出し配線10のパターンに応じたパターニングがなされ積層膜13が形成される(S17)。その後、有機EL素子形成領域Wにおける下部電極3上に有機EL素子を形成する素子形成工程(S18)がなされ、有機EL素子を封止する封止工程(S19)がなされる。
図7に示した工程例では、前述の例と同様に、支持基板1に対して必要に応じて準備工程(S21)を施し、その表面に透明導電膜を成膜し(S22)、次に、Cr又はCr合金膜を、有機EL素子形成領域Wを除く領域に部分的に成膜し(S23)、引き続いて、Ag又はAg合金を、前述の配線部分W22に部分的に成膜し(S24)、その後、下部電極3及び引き出し配線10のパターンに応じたパターニングがなされる(S25)。以後は、前述の例と同様に、有機EL素子形成領域Wにおける下部電極3上に有機EL素子を形成する素子形成工程(S26)がなされ、有機EL素子を封止する封止工程(S27)がなされる。
素子形成工程(S27)は、従来知られた方法を採用することができる。一例を挙げると、まず、下部電極3上にポリイミド,SiN,SiO等の絶縁材料からなる膜をスピンコート法等により形成し、露光マスクを用いた露光処理及び現像処理によって、下部電極3上に発光領域を区画する絶縁膜5を形成する。次に、隣り合う上部電極2のライン同士を電気的に絶縁すること、シャドーマスクとしての機能を付与すること等の目的で、絶縁膜5上に隔壁6を形成する。隔壁の形状は好ましくは逆テーパであるが、上記目的を達成できるものであれば、形状は特にこだわらない。また、上部電極2をシャドーマスク等でパターニングし、蒸着形成する場合は、隔壁6を設けない構造にすることができる。隔壁6を形成するには、絶縁膜5上に光感光性樹脂等の絶縁材料を、有機層4と上部電極2の膜厚の和より厚い膜厚にスピンコート法等で塗布形成し、この光感光性樹脂膜上に所定パターン開口部を有するフォトマスクを介して紫外線等を照射し、層の厚さ方向の露光量の違いからくる現像速度の差を利用して逆テーパ型の隔壁6を形成する。
その後、スピンコーティング法,ディッピング法等の塗布法,インクジェット法,スクリーン印刷法等の印刷法等のウェットプロセス、又は、蒸着法,レーザ転写法等のドライプロセスにて有機層4を形成し、最後にAl等の金属膜からなる上部電極2を形成する。
本発明の実施形態よる有機EL素子は、下部電極3/有機層4/上部電極2によって形成されており、ストライプ状の下部電極3に対して、それと直交するストライプ状の上部電極2を形成して、その交差部分により支持基板1上にマトリクス状の有機EL素子を形成している。
上部電極2と下部電極3とで挟持される有機層4は、正孔輸送層4A/発光層4B/電子輸送層4Cの構成が一般的であるが、発光層4B、正孔輸送層4A、電子輸送層4Cはそれぞれ1層だけでなく複数層積層して設けても良く、正孔輸送層4A、電子輸送層4Cについてはどちらかの層を省略しても、両方の層を省略しても発光層4Bのみでも構わない。また、下部電極3上に導電性の緩衝層を形成して、その上に前述の有機層4を形成することもできる。この場合も当然ながら、有機層4を用途に応じて適宜設計変更することができる。
封止工程(S18,S27)の例を説明すると、紫外線硬化型エポキシ樹脂製の接着剤22に、1〜300μmの粒径のスペーサ(ガラスやプラスチックのスペーサが好ましい)を適量混合(0.1〜0.5重量%ほど)し、支持基板1上の封止接着部20に、ディスペンサー等を使用し塗布する。次いで、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で、封止部材23を支持基板1に接着剤22を介して接着させ、接着剤22に紫外線を支持基板1側または封止基板23側から照射して、これを硬化させる。このようにして、封止基板23と支持基板1との封止空間にアルゴンガス等の不活性ガスを封じこめた状態で有機EL素子を封止する。
なお、本発明の実施形態に係る有機ELパネルは、前述した具体例のように、パッシブマトリクス型の表示パネルを形成することもできるし、或いは、アクティブマトリクス型の表示パネルを形成することもできる。また、単色表示であっても、多色表示であってもよいが、カラー表示パネルを形成するためには、塗り分け方式、白色や青色等の単色の有機EL素子にカラーフィルタや蛍光材料による色変換層を組み合わせた方式(CF方式、CCM方式)等により、フルカラー有機ELパネル、又はマルチカラー有機ELパネルを形成することができる。また、本発明の実施形態に係る有機ELパネルとしては、支持基板1側から光を取り出すボトムエミッション方式にすることもできるし、或いは、支持基板1とは逆側から光を取り出すトップエミッション方式にすることもできる。
このような本発明の実施形態に係る有機ELパネル及びその形成方法によると、引き出し配線10の低電気抵抗化を図るためにAg又はAg合金の配線材料を採用するに際して、透明導電膜上に積層膜13を形成する際の密着性を向上させ、引き出し配線の耐久性を向上させることができる。また、引き出し配線10の低電気抵抗化を図りながらマイグレーションによる配線不具合のリスクを解消することができる。
本発明の実施形態に係る有機ELパネルの説明図(引き出し配線の構造を示す断面図)である。 本発明の実施形態に係る引き出し配線のA−A断面図であって、引き出し配線の配線方向に沿った部分的な断面図である。 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの平面図である。 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの具体例を示した説明図である。 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの具体例を示した説明図である。 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの形成方法における工程例を示したフローである。 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの形成方法における工程例を示したフローである。
符号の説明
1 支持基板
2 上部電極
3 下部電極
4 有機層
5 絶縁膜
6 隔壁
10 引き出し配線
11 下地膜
12,13 積層膜
20 封止接着部
21 COF
22 接着剤
23 封止部材
有機EL素子形成領域
引き出し配線部分
21,W22 配線部分

Claims (10)

  1. 支持基板上に、有機発光機能層を含む有機層を下部電極と上部電極とで挟持してなる有機EL素子を形成し、前記下部電極又は前記上部電極から引き出された引き出し配線を形成した有機ELパネルであって、
    前記引き出し配線は、透明導電膜からなる下地膜と、Ag又はAg合金からなる積層膜と、Cr,Ti,Mo,Ni,W,Au,Co,Ta,Mgから選ばれる少なくとも一以上の金属もしくはその合金からなり前記下地膜と前記積層膜との間に介在される積層膜とからなる配線部分を有することを特徴とする有機ELパネル。
  2. 支持基板上に、有機発光機能層を含む有機層を下部電極と上部電極とで挟持してなる有機EL素子を形成し、前記下部電極又は前記上部電極から引き出された引き出し配線を形成した有機ELパネルであって、
    前記引き出し配線は、透明導電膜からなる下地膜と、Ag又はAg合金からなる積層膜と、Cr,Ti,Mo,Ni,W,Au,Co,Ta,Mgから選ばれる少なくとも一以上の金属もしくはその合金からなり前記下地膜と前記積層膜との間に介在される積層膜とからなる配線部分と、透明電極膜からなる下地膜と、該下地膜上に形成されるCr,Ti,Mo,Ni,W,Au,Co,Ta,Mgから選ばれる少なくとも一以上の金属もしくはその合金からなる積層膜とからなる配線部分とを有することを特徴とする有機ELパネル。
  3. 前記引き出し配線は、マイグレーションリスクの高い部分で前記Ag又はAg合金からなる積層膜を除いた配線部分を備えることを特徴とする請求項1に記載された有機ELパネル。
  4. 前記マイグレーションリスクの高い部分は、前記支持基板と前記有機EL素子を封止する封止部材との接着領域周辺部分であることを特徴とする請求項3に記載された有機ELパネル。
  5. 前記マイグレーションリスクの高い部分は、前記引き出し配線に対して前記有機EL素子の駆動回路部材を接続する接続領域周辺部分であることを特徴とする請求項3に記載された有機ELパネル。
  6. 前記マイグレーションリスクの高い部分は、前記上部電極から引き出された引き出し配線と前記下部電極から引き出された引き出し配線とが隣接する配線部分であることを特徴とする請求項3に記載された有機ELパネル。
  7. 支持基板上に、有機発光機能層を含む有機層を下部電極と上部電極とで挟持してなる有機EL素子を形成し、前記下部電極又は前記上部電極から引き出された引き出し配線を形成した有機ELパネルの形成方法であって、
    前記引き出し配線の形成は、透明導電膜からなる下地膜を形成し、前記下地膜上にCr,Ti,Mo,Ni,W,Au,Co,Ta,Mgから選ばれる少なくとも一以上の金属もしくはその合金からなる積層膜を形成し、該積層膜上に部分的にAg又はAg合金からなる積層膜を形成する工程を有することを特徴とする有機ELパネルの形成方法。
  8. 前記引き出し配線の形成は、前記Cr,Ti,Mo,Ni,W,Au,Co,Ta,Mgから選ばれる少なくとも一以上の金属もしくはその合金からなる積層膜上に、マイグレーションリスクの高い部分を除いて前記Ag又はAg合金からなる積層膜の形成がなされることを特徴とする請求項7に記載された有機ELパネルの形成方法。
  9. 前記引き出し配線の形成は、前記下地膜を前記引き出し配線のパターンに応じてパターニングした後に、前記各積層膜の形成及びパターニングを行うことを特徴とする請求項7又は8に記載された有機ELパネルの形成方法。
  10. 前記引き出し配線の形成は、前記下地膜上に前記各積層膜を成膜した後、前記下地膜及び各積層膜を前記引き出し配線のパターンに応じてパターニングすることを特徴とする請求項7又は8に際された有機ELパネルの形成方法。
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