JP2011040328A - 表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な表示性能を有する表示装置をより簡便に製造するための表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に、第1電極層13を複数形成したのち、第1電極層13を1つずつ取り囲むように、第1電極層13と絶縁された補助配線層14を形成する。次に、第1電極層13および補助配線層14を覆うように有機層16を形成する。次に補助配線層14に電流を流すことにより有機層16のうちの補助配線層14を覆う被覆部分を加熱し、その被覆部分の少なくとも一部を除去することによりコンタクトホール16Aを形成する。さらい、コンタクトホール16Aを充填すると共に有機層16を覆うように第2電極層18を形成する。これにより、補助配線層14と、第2電極層18とが確実に接触することとなる。
【選択図】図4

Description

本発明は、発光層を含む自発光型の発光素子を備えた表示装置およびその製造方法に関する。
近年、液晶ディスプレイに代わる表示装置として、発光層を含む自発光型の有機EL(Electro Luminescence)素子を用いた有機EL表示装置が実用化されている。有機EL表示装置は、自発光型であるので、液晶などに比較して視野角が広く、また、高精細度の高速ビデオ信号に対しても十分な応答性を有するものである。
有機EL表示装置における駆動方式のうち、駆動素子として薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)が用いられるアクティブマトリックス方式は、パッシブマトリックス方式と比べて応答性や解像力の点で優れている。このため、アクティブマトリックス方式は、前述した特長を有する有機EL表示装置において特に適した駆動方式と考えられている。このアクティブマトリックス方式の有機EL表示装置は、発光層を含む有機層を有する有機EL素子とこの有機EL表示素子を駆動させるための駆動素子(上記薄膜トランジスタ)とが配設された駆動パネルを有している。さらに、この駆動パネルと封止パネルとが有機EL素子を挟むようにして、互いに接着層により貼り合わされた構成となっている。また、有機EL素子は、一対の電極間に有機発光層が形成された構成を有している。
また、有機EL表示装置は、各有機EL素子からの光を上記駆動パネル側に射出する下面発光(ボトム・エミッション)方式と、逆にこの光を上記封止パネル側に射出する上面発光(トップエミッション)方式とに分類される。両者を比較した場合、上面発光方式のほうが、より開口率を高めることができるという点において有利である。
ここで、上面発光方式の有機EL表示装置では、光取り出し側、すなわち封止パネル側の電極は、各有機EL素子に共通の電極であると共に、例えばITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)などの光透過性の導電材料により構成されている。ところが、このような光透過性の導電材料は通常の金属材料などと比べ、抵抗率が2〜3桁程度高くなっている。よって、この光取り出し側の電極へ印加された電圧が面内で不均一となるため、各有機EL素子間の発光輝度に位置ばらつきが生じ、表示品質が低下してしまうという問題があった。
この問題を解決するものとして、例えば特許文献1〜4に開示された有機EL表示装置が知られている。それらの有機EL表示装置では、駆動パネル側に位置する第1電極(下部電極)と同一階層に、光取り出し側の第2電極(上部電極)と接続される補助配線層を形成し、第1電極の面内方向での電圧降下を抑制するようにしている。
ここで、有機層を基板全面に亘って形成する場合には、上記補助配線層上にも有機層が形成されることになるので、有機層の存在によって補助配線層と第2電極との電気的な接続が不十分となる。そこで、メタルマスクを用いて有機層を画素ごとに塗り分けて形成する必要が生じるが、その場合であっても、メタルマスクの位置決め精度やマスク開口の加工精度が悪いと補助配線層上に有機層が成膜されてしまい、同様の問題が生じることとなる。特に、表示装置の大型化に伴ってメタルマスクが大型化するにつれ、それ自体の撓みが大きくなるうえ搬送もより煩雑になるので、メタルマスクと基板とのアライメント精度が十分に確保できなくなるおそれがある。その場合、上述の問題のほか、開口率の低下や生産効率の低下をも招くことも予想される。また、場合によっては有機層を形成する際に、メタルマスクに堆積したパーティクルが有機層などに付着してしまい、それに起因したショートが発生してしまうこともあった。このような理由から、塗り分け用のメタルマスクを用いずに有機層を形成することが望ましい。
そこで、特許文献3,4などでは、有機層のうち補助配線層上の領域にレーザ光を照射することにより、補助配線層上の有機層を選択的に除去する手法が提案されている。また、特許文献5では、補助配線層の端面と第2電極とを電気的に接続する構造が提案されている。
特開2001−195008号公報 特開2004−207217号公報 特開2005−11810号公報 特開2006−286493号公報 特開2005−93398号公報
しかしながら、特許文献3,4の手法では、大がかりなレーザ光照射装置が必要となる。そのうえ、レーザ光の照射位置などを厳密に位置合わせする必要性があるので、製造時のタクトタイムが長くなりやすく、製造工程の簡素化にも不利である。
また、特許文献5の場合、その構造上、補助配線層と第2電極との接触面積が限られていることから、電圧降下を十分に抑制するには補助配線層を有機層よりも厚くする必要があった。また、この構造を製造する際には金属層の側面を露出させることとなるので、例えばアルミニウムもしくはその合金などの、大気中において酸化して不導体を形成するものは補助配線層として使用することが困難となる。仮に、この構造においてそのような不導体を形成する材料を用いて補助配線層を形成した場合、製造過程において補助配線層を大気に触れさせないようにしたり、あるいは補助配線層の表面に形成された酸化膜を除去したりするなど、製造工程が複雑化する。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、良好な表示性能を確保しつつ、より簡便に製造可能な構成を有する表示装置、およびそのような表示装置の製造方法を提供することにある。
本発明の表示装置の製造方法は、以下の(A)〜(E)の各工程を含むものである。
(A)基板上に、第1電極層を複数形成する工程。
(B)隣り合う第1電極層同士の間に、または、第1電極層を1つずつもしくは複数ずつ取り囲むように、第1電極層と絶縁された補助配線層を形成する工程。
(C)第1電極層および補助配線層を覆うように発光層を形成する工程。
(D)補助配線層に電流を流すことにより発光層のうちの補助配線層を覆う被覆部分を加熱し、その被覆部分の少なくとも一部を除去することにより開口を形成する工程。
(E)開口を充填すると共に発光層を覆うように第2電極層を形成する工程。
本発明の表示装置の製造方法では、補助配線層に電流を流すことにより、補助配線層を覆う発光層の被覆部分を加熱し、その被覆部分の少なくとも一部を除去して開口を形成するようにしたので、補助配線層と、開口を充填すると共に発光層を覆う第2電極層とが確実に接触することとなる。
本発明の表示装置は、基板上に配列され、第1電極層と、発光層と、第2電極層との積層構造をそれぞれ有する複数の発光素子と、隣り合う第1電極層同士の間に延在し、または第1電極層を1つずつもしくは複数ずつ取り囲むように延在し、第1電極層と絶縁され、かつ発光層の一部に設けられた開口において第2電極層と導通した補助配線層とを備える。ここで、補助配線層の経路のうち発光層の開口が占める領域と対応する部分は、他の部分よりも高い抵抗を有するものである。
本発明の表示装置では、補助配線層を覆う発光層の一部に開口が設けられており、補助配線層の経路のうち発光層の開口が占める領域と対応する部分が他の部分よりも高い抵抗を有するので、補助配線層に電流を流した場合に、高い抵抗を有する部分(高抵抗部分)がジュール熱の発生によって他の部分よりも高温となる。
本発明の表示装置の製造方法によれば、補助配線層に電流を流すことにより発光層の少なくとも一部を除去し、開口を形成するようにしたので、補助配線層を全面に亘って覆うように発光層を形成した場合であっても、補助配線層と第2電極層とを確実に接触させることができる。ここでは、補助配線層上に形成された不要な発光層を、レーザ光の照射装置などを用いることなく、また、精密な位置合わせを行うことなく、簡便に除去することができる。したがって、第2電極層の電圧降下の発生を効果的に抑制することができ、良好な表示性能を発揮する表示装置を、より効率的に製造することができる。
本発明の表示装置によれば、補助配線層の経路のうち発光層の開口と対応する部分が他の部分よりも高い抵抗を有するので、補助配線層に電流を流した場合に高抵抗部分が周囲よりも高温となる。したがって、製造する際に補助配線層を全面的に覆うように発光層を形成した場合であっても、補助配線層に電流を流すことにより、補助配線層を覆う発光層のうち高抵抗部分に対応する位置に開口を選択的に形成し、補助配線層と第2電極層とを確実に接触させることができる。したがって、簡便な製造方法により得られる構造でありながら、第2電極層の電圧降下の発生を効果的に抑制し、良好な表示性能を発揮することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る表示装置の構成を表す図である。 図1に示した画素駆動回路の一例を表す図である。 図1に示した表示領域の構成を表す平面図である。 図3に示した画素領域の構成を表す断面図である。 図1に示した表示装置の製造方法を説明するための一工程を表す断面図である。 図5に続く一工程を表す断面図である。 図6に続く一工程を表す断面図である。 図7に続く一工程を表す断面図である。 図8に続く一工程を表す断面図である。 図3に示した表示領域の他の構成例(変形例1〜3)を表す平面図である。 第2の実施の形態に係る表示装置における表示領域の構成を表す平面図である。 図11に示した表示領域の要部構成を表す拡大断面図である。 図11に示した表示領域の他の構成例(変形例4)を表す平面図である。 図12に示した表示領域の他の構成例(変形例5)を表す拡大断面図である。 上記実施の形態の表示装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。 上記実施の形態の表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。 適用例2の外観を表す斜視図である。 適用例3の外観を表す斜視図である。 適用例4の外観を表す斜視図である。 適用例5外観を表す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
[表示装置の全体構成]
図1は、本発明における第1の実施の形態に係る有機発光素子を用いた表示装置の構成を表すものである。この表示装置は、極薄型の有機発光カラーディスプレイ装置などとして用いられる。この表示装置は、駆動側基板11の上に表示領域110が形成されたものである。駆動側基板11上の表示領域110の周辺には、例えば映像表示用のドライバである信号線駆動回路120、走査線駆動回路130および電源供給線駆動回路140が形成されている。
表示領域110には、マトリクス状に二次元配置された複数の有機発光素子10(10R,10G,10B)と、それらを駆動するための画素駆動回路150とが形成されている。画素駆動回路150において、列方向には複数の信号線120A(120A1,120A2,・・・,120Am,・・・)が配置され、行方向には複数の走査線130A(130A1,・・・,130An,・・・)および複数の電源供給線140A(140A1,・・・,140An,・・・)が配置されている。各信号線120Aと各走査線130Aとの各交差点に、有機発光素子10R,10G,10Bのいずれか1つが対応して設けられている。各信号線120Aは信号線駆動回路120に接続され、各走査線130Aは走査線駆動回路130に接続され、各電源供給線140Aは電源供給線駆動回路140に接続されている。
信号線駆動回路120は、信号供給源(図示せず)から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧を、信号線120Aを介して選択された有機発光素子10R,10G,10Bに供給するものである。
走査線駆動回路130は、入力されるクロックパルスに同期してスタートパルスを順にシフト(転送)するシフトレジスタなどによって構成されている。走査線駆動回路130は、各有機発光素子10R,10G,10Bへの映像信号の書き込みに際し行単位でそれらを走査し、各走査線130Aに走査信号を順次供給するものである。
電源供給線駆動回路140は、入力されるクロックパルスに同期してスタートパルスを順にシフト(転送)するシフトレジスタなどによって構成されている。電源供給線駆動回路140は、走査線駆動回路130による行単位の走査と同期して、各電源供給線140Aに対し互いに異なる第1電位および第2電位のいずれかを適宜供給する。これにより、後述する駆動トランジスタTr1の導通状態または非導通状態の選択が行われる。
画素駆動回路150は、駆動側基板11と有機発光素子10との間の階層に設けられている。図2に、画素駆動回路150の一構成例を表す。図2に示したように、画素駆動回路150は、駆動トランジスタTr1および書込トランジスタTr2と、その間のキャパシタ(保持容量)Csと、有機発光素子10とを有するアクティブ型の駆動回路である。有機発光素子10は、電源供給線140Aおよび共通電源供給線(GND)の間において駆動トランジスタTr1と直列に接続されている。駆動トランジスタTr1および書込トランジスタTr2は、一般的な薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により構成され、その構成は例えば逆スタガー構造(いわゆるボトムゲート型)でもよいしスタガー構造(トップゲート型)でもよく特に限定されない。
書込トランジスタTr2は、例えばドレイン電極が信号線120Aと接続されており、信号線駆動回路120からの映像信号が供給されるようになっている。また、書込トランジスタTr2のゲート電極は走査線130Aと接続されており、走査線駆動回路130からの走査信号が供給されるようになっている。さらに、書込トランジスタTr2のソース電極は、駆動トランジスタTr1のゲート電極と接続されている。
駆動トランジスタTr1は、例えばドレイン電極が電源供給線140Aと接続されており、電源供給線駆動回路140による第1電位または第2電位のいずれかに設定される。駆動トランジスタTr1のソース電極は、有機発光素子10と接続されている。
保持容量Csは、駆動トランジスタTr1のゲート電極(書込トランジスタTr2のソース電極)と、駆動トランジスタTr1のソース電極との間に形成されるものである。
[表示領域の構成]
図3に、XY平面に広がる表示領域110の一構成例を表す。ここでは、第2電極層18、保護膜30、接着層31および封止側基板(いずれも後出)を取り去った状態の表示領域110を、上方から眺めた平面構成を表す。表示領域110には、複数の有機発光素子10が、全体としてマトリックス状をなすように順に配列されている。詳細には、補助配線層14が格子状に設けられており、それによって区画された画素領域14Rの各々に、有機発光素子10(10R,10G,10B)が1つずつ配置されている。各有機発光素子10(10R,10G,10B)は、それぞれ、素子分離層15によって輪郭が規定された発光領域20(20R,20G,20B)を含んでいる。有機発光素子10Rは赤色光を発し、有機発光素子10Gは緑色光を発し、有機発光素子10Bは青色光を発するものである。各有機発光素子10R,10G,10Bは、Y方向を長手方向とする矩形の平面形状を有している。ここでは、同色光を発する有機発光素子10をY方向に一列に並べ、それをX方向に順に繰り返し配置するようにしている。したがって、X方向において隣り合う有機発光素子10R,10G,10Bの組み合わせが1つの画素(ピクセル)を構成している。
図3において、各画素領域14Rにおいて実線で示した矩形の発光領域20R,20G,20Bは、有機発光素子10R,10G,10Bを各々構成する第1電極層13(後出)の形状に対応している。なお、図3では、3行×5列の計15個の有機発光素子10を示したが、X方向およびY方向に並ぶ有機発光素子10の数はこれに限定されるものではない。
図4は、表示領域110における、図3に示したIV−IV線に沿ったXZ断面の概略構成を示すものである。図4に示したように、表示領域110では、駆動側基板11の上に、有機発光素子10R,10G,10Bをそれぞれ駆動するための駆動トランジスタTr1と、平坦化層12とが順に設けられている。平坦化層12の上には、有機発光素子10R,10G,10Bが形成されている。有機発光素子10R,10G,10Bは、保護膜30および接着層31を介して封止側基板19によって封止されている。
駆動トランジスタTr1のゲート(図示せず)は走査線駆動回路130に接続され、ソースおよびドレイン(いずれも図示せず)は、層間絶縁膜11Aを介して設けられた配線層11Bと接続されている。層間絶縁膜11Aは、例えば酸化シリコンあるいはPSG(Phospho-Silicate Glass)などにより構成される。配線層11Bは、例えばアルミニウム(Al)単体もしくはアルミニウム合金による単層膜、チタン(Ti)層とアルミニウム層との多層膜、もしくはチタン層とアルミニウム層とチタン層との3層膜により構成される。このような駆動トランジスタTr1、層間絶縁膜11Aおよび配線層11Bは、平坦化層12によって覆われている。
平坦化層12は、駆動トランジスタTr1が形成された駆動側基板11の表面を平坦化する共に、有機発光素子10R,10G,10Bの各層の膜厚を均一に形成するためのものである。この平坦化層12は電気絶縁性を有しており、例えばポリイミド樹脂、アクリル樹脂およびノボラック樹脂等の有機材料、あるいは酸化シリコン(SiO2 )などの無機材料からなる。このような平坦化層12には、画素ごとに開口部12aが設けられており、この開口部12aに後述の第1電極層13が埋設されることによって、配線層11Bとの電気的接続が確保されている。
有機発光素子10R,10G,10Bは、駆動側基板11の側から、例えばアノード電極としての第1電極層13と、発光層(図示せず)などを含む有機層16と、カソード電極としての第2電極層18とが各々順に積層されたものである。有機層16および第1電極層13は、素子分離層15によって有機発光素子10R,10G,10Bごとに分離されている。一方、第2電極層18は、全ての有機発光素子10に共通して設けられている。補助配線層14は、第1電極層13と共に平坦化層12の上に形成されており、有機層16に設けられたコンタクトホール16Aを介して第2電極層18と接続されている。
平坦化層12の上に形成された第1電極層13は、有機層16に正孔を注入する電極として機能するものである。第1電極層13は、上述したように上面発光型の場合には反射層として用いられるので、できるだけ高い反射率を有する材料によって構成することが発光効率を高める上で望ましい。第1電極層13は、例えば厚みが100nm以上1000nm以下であり、銀(Ag),アルミニウム(Al),クロム(Cr),チタン(Ti),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),モリブデン(Mo),銅(Cu),タンタル(Ta),タングステン(W),白金(Pt),ネオジウム(Nd)あるいは金(Au)などの金属元素の単体またはそれらの合金により構成されている。第1電極層13は、上述したように平坦化層12の表面を覆うと共に開口部12aを充填するように形成されている。これにより、第1電極層13は、開口部12aおよび配線層11Bを介して駆動トランジスタTr1のソースと導通された状態となる。第1電極層13は単層構造でもよいし多層構造でもよい。
有機層16は、素子分離層15の側面および上面と、開口部15Aによって露出した第1電極層13の上面とを覆うように形成されている。但し、有機層16は、素子分離層15の開口部15Bにおいて断絶されており、コンタクトホール16Aの一部を構成している。以下、有機層16の具体的な構成について説明する。
有機層16は、有機発光素子10R,10G,10Bの発光色にかかわらず同一の積層構造を有している。例えば、第1電極13の側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層および電子輸送層が積層されている。正孔注入層は、正孔注入効率を高めるためのものであり、例えば4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)あるいは4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)により構成されている。正孔輸送層は、正孔注入効率を高めるためのものであり、例えば4,4’−ビス(N−1−ナフチル−N−フェニルアミノ)ビフェニル(α−NPD)により構成されている。
赤色発光層、緑色発光層および青色発光層は、電界の印加により、第1電極層13側から注入された正孔の一部と、第2電極層18側から注入された電子の一部とを再結合させ、赤色光、緑色光および青色光をそれぞれ発生するものである。これらの各色発光層はそれぞれ、スチリルアミン誘導体、芳香族アミン誘導体、ぺリレン誘導体、クマリン誘導体、ピラン系色素、トリフェニルアミン誘導体等の有機材料を含んで構成されている。これら3色の発光層が厚み方向に積層されていることにより、全体として白色光が第2電極層18の上方へ射出するようになっている。
電子輸送層は、各色発光層への電子注入効率を高めるためのものであり、例えば8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3 )により構成されている。この電子輸送層上に逆バイアス用電極17が配設されている。なお、このような有機層16における電子輸送層と逆バイアス用電極17との間に、電子注入効率を高めるための電子注入層が更に設けられていてもよい。電子注入層の構成材料としては、例えばLi2O、Cs2O、LiFやCaF2等のアルカリ金属酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属酸化物、ア
ルカリ土類フッ化物が挙げられる。
第2電極層18は、有機層16に電子を注入する電極として機能するものである。第2電極層18は、例えば全ての有機発光素子10R,10G,10Bに共通に設けられており、各有機発光素子10R,10G,10Bの第1電極層13と対向配置されている。さらに第2電極層18は、有機層16のみならず、素子分離層15および補助配線層14をも覆うように形成されている。第2電極層16は、例えば、5nm以上50nm以下の厚みを有しており導電性および光透過性を有する材料によって構成されている。具体的には、アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ナトリウム(Na)などの金属元素の単体または合金により構成されている。中でも、マグネシウムと銀との合金(MgAg合金)、またはアルミニウム(Al)とリチウム(Li)との合金(AlLi合金)が好ましい。
補助配線層14は、主たる電極としての第2電極層18における電圧降下を補うものとして機能する。補助配線層14上に設けられた素子分離層15および有機層16には、補助配線層14まで貫通するコンタクトホール16Aが設けられ、このコンタクトホール16Aにおいて補助配線層14と第2電極18とが導通している。補助配線層14を構成する材料としては、例えば第1電極層13と同種の高導電性の金属材料が好ましい。
この補助配線層14が存在しない場合、電源(図示せず)から個々の有機発光素子10R,10G,10Bまでの距離に応じた電圧降下により、共通電源供給線GND(図2参照)と接続された第2電極層18の電位が各有機発光素子10R,10G,10B間で一定とならず、顕著なばらつきを生じ易い。このような第2電極層18の電位のばらつきは、表示領域110における輝度むらの原因となるので好ましくない。補助配線層14は、表示装置が大画面化した場合であっても電源から第2電極層18に至るまでの電圧降下を最小限度に抑え、このような輝度むらの発生を抑制するように機能する。
素子分離層15は、第1電極層13と第2電極層18との間、第1電極13と補助配線層14との間をそれぞれ埋めるように設けられている。素子分離層15は、例えばポリイミドなどの電気絶縁性を有する有機材料からなり、第1電極層13と、第2電極層18および補助配線層14との電気絶縁性を確保すると共に、有機発光素子10の発光領域20を所望の形状に正確に規定するものでもある。さらに、この素子分離層15には、発光領域20に対応した開口部15Aと、補助配線層14に対応した開口部15Bとがそれぞれ設けられている。開口部15Aには、有機層16と第2電極層18とが第1電極層13の側から順に積層され、開口部15Bには、第2電極18が埋設されている。
保護膜30は、例えば酸化シリコン(SiOx )や窒化ケイ素(SiNx )などの透明な誘電体材料からなる。接着層31は、例えば熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などにより構成されている。
封止側基板19は、接着層31と共に有機発光素子10R,10G,10Bを封止するものである。封止側基板19は、有機発光素子10R,10G,10Bで発生した光に対して透明なガラスなどの材料により構成されている。この封止側基板19には、有機発光素子10R,10G,10Bの配置に対応して、赤色、緑色および青色の各色カラーフィルタ(図示せず)が設けられている。これにより、有機発光素子10R,10G,10Bのそれぞれで発生した白色光が3原色の光として取り出されると共に、各層において反射された外光が吸収され、コントラストが改善される。なお、カラーフィルタは、駆動側基板11に設けられていてもよい。また、各色カラーフィルタ同士の間に、ブラックマトリクスが設けられていてもよい。
[表示装置の製造方法]
この表示装置は、例えば次のようにして製造することができる。以下、図1〜図4に加え、図5〜図9を参照して、本実施の形態の表示装置の製造方法について説明する。図5〜図9は有機発光素子10を備えた表示装置の製造方法を工程順に表すものである。
まず、図5(A)に示したように、駆動側基板11上に、公知の薄膜プロセスにより、駆動トランジスタTr1および層間絶縁膜11Aを形成したのち、層間絶縁膜11A上に、上述した材料よりなる配線層11Bを形成する。このとき、例えばスパッタリング法などにより上述した材料による単層膜もしくは積層膜を成膜したのち、例えばリソグラフィ法を用いて配線層11Bをパターニング形成する。
そののち、図5(B)に示したように、上述した材料からなる平坦化層12を、例えばスピンコート法によって駆動側基板11の全面に塗布形成したのち、例えばフォトリソグラフィ法を用いて、配線層11Bに対応する領域に開口部12aを形成する。
続いて、第1電極層13および補助配線層14を一括して形成する。具体的には、まず、例えばスパッタリング法により、上述した第1電極層13および補助配線層14の構成材料を用いて金属層13−1を平坦化層12の上に全面成膜する(図6(A))。そののち、金属層13−1上に所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成し、そのレジストパターンをマスクとして用いて金属層13−1の選択的なエッチングを行うことにより、第1電極層13および補助配線層14を得る。その際、金属層13−1のうち、開口部12aを充填する部分を含む画素領域14Rに対応する部分を残すことにより第1電極層13とする。また、金属層13−1のうち、各々の第1電極層13の周囲を取り囲む部分を格子状に残すことにより補助配線層14とする。なお、補助配線層14を、第1電極層13と異なる材料により形成してもよいが、生産効率の観点から、補助配線層14は、第1電極層13と同種の材料によって一括形成することが望ましい。
次いで、図7(A)に示したように、補助配線層14と第1電極層13との隙間を充填するように素子分離層15を形成する。ここでは、まず、第1電極層13および補助配線層14の上に、上述した素子分離層15の構成材料からなる層を、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition ;化学的気相成長)法により成膜する。そののち、例えばリソグラフィ法を用いて第1電極層13および補助配線層14に対応する部分をそれぞれ選択的に除去し、開口部15A,15Bを形成する。
続いて、図7(B)に示したように、表示領域110全体を覆うように例えば真空蒸着法により発光層を含む有機層16を成膜する。これにより、有機層16は、素子分離層15の開口部15Aにおける第1電極層13を覆うように形成されると共に、開口部15Bにも充填される。有機層16のうちの開口部15Bを充填する部分は、補助配線層14を覆う被覆部分161である。
次いで、補助配線層14に電流を流すことにより有機層16のうちの被覆部分161を加熱し、その被覆部分161の全てもしくは一部を除去することによりコンタクトホール16Aを形成する(図8)。例えば、補助配線層14の材質、幅、長さ、厚さをそれぞれをアルミニウム、0.123mm,413mm,300nmとし、有機層16の厚さを105nmとした場合に、1Aの電流を12.5msec.に亘って印加することにより被覆部分161の全てが除去されることを確認した。
続いて、図9に示したように、表示領域110の全域にわたって、上述した材料からなる第2電極層18を、例えばスパッタ法などにより形成し、有機発光素子10R,10G,10Bを完成させる。このとき、第2電極層18を、有機層16に設けられたコンタクトホール16Aに埋め込むように形成する。これにより、コンタクトホール16Aにおいて、補助配線層14と第2電極層18とが電気的に接続される。こののち、第2電極層18の上に、上述した材料よりなる保護膜30を形成する。
最後に、保護膜30上に例えば熱硬化型樹脂よりなる接着層31を塗布形成したのち、この接着層31の上から封止側基板19を貼り合わせる。そののち、封止側基板19のカラーフィルタと有機発光素子10R,10G,10Bとの相対位置を整合させてから所定の加熱処理を行い、接着層31の熱硬化性樹脂を硬化させる。以上により、表示装置が完成する。
[表示装置の動作]
このようにして得られた表示装置では、各画素に対して走査線駆動回路130から書込トランジスタTr2のゲート電極を介して走査信号が供給されると共に、信号線駆動回路120から画像信号が書き込みトランジスタTr2を介して保持容量Csに保持される。その一方で、電源供給線駆動回路140が、走査線駆動回路130による行単位の走査と同期して、各電源供給線140Aに対し第2電位よりも高い第1電位を供給する。これにより駆動トランジスタTr1の導通状態が選択され、各有機発光素子10R,10G,10Bに駆動電流Idが注入されることにより、正孔と電子とが再結合して発光が起こる。この光は、第1電極層13と第2電極層18との間で多重反射し、第2電極層18、保護膜30、接着層31および封止側基板19を透過して上面から取り出される。
以上説明したように、本実施の形態の表示装置では、駆動側基板11を覆う平坦化層12の上に補助配線層14を第1電極13と共に形成したのち、表示領域110の全域にわたって有機層16を形成するようにしている。ここで、補助配線層14は、第2電極層18の電圧降下を抑制するために配設されるものであるから、後段の工程において形成される第2電極層18との電気的接続を確保しなければならない。ところが、上記のように、有機層16を表示領域の全域にわたって形成した場合、補助配線層14の表面も有機層16によって覆われることとなり、その状態のままでは補助配線層14と第2電極層18との十分な電気的接続が確保できない。そこで従来は、有機層形成後に、補助配線層に対応する領域にレーザ光を照射することにより、補助配線上の有機層を除去する手法が用いられていた。しかしながら、このような従来の手法では、レーザ光照射装置などの大掛かりな設備が必要となると共に、補助配線層に対応する領域のみに的確にレーザ光を照射しなければならないため、精密な位置合わせを要していた。
これに対し、本実施の形態では、補助配線層14に所定の大きさの電流を所定時間に亘って流すことにより、補助配線層14を覆う被覆部分161を加熱し、その全てもしくは一部を除去して有機層16にコンタクトホール16Aを選択的に形成するようにしている。これにより、補助配線層14の一部表面を露出させることができる。そののち、第2電極層16を、コンタクトホール16Aを充填すると共に有機層16全体を被うように形成するようにしたので、補助配線層14と、第2電極層18とを確実に接触することとなる。このように、本実施の形態では、大掛かりな設備を用いることなく、簡易な工程で、補助配線層14と第2電極層18との良好な電気的接続を確保することが可能となる。したがって、本実施の形態では、第2電極層18の電圧降下の発生を効果的に抑制することができ、良好な表示性能を発揮する表示装置を、より効率的に製造することができる。
[変形例]
次に、図10(A)〜10(C)を参照して、本実施の形態の変形例(変形例1〜3)について説明する。図10(A)〜10(C)は、いずれも上記実施の形態におけるXY平面に広がる表示領域110の他の構成例をそれぞれ表すものであり、図3に対応する平面図である。図10(A)は変形例1を表し、図10(B)は変形例2を表し、図10(C)は変形例3を表す。なお、図3に示した構成要素と実質的に同一のものについては同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
(変形例1,2)
上記実施の形態では、補助配線層14を、各有機発光素子10の発光領域20を取り囲むように格子状の平面形状とした。これに対し、変形例1,2では、隣り合う発光領域20(もしくは第1電極層13)同士の間に位置し、互いに平行に延在するように形成された複数の補助配線層14を設けるようにしている。特に、変形例1では、複数の補助配線層14が、X方向へ延在し、Y方向において互いに平行に並ぶように配置されている。一方、変形例2では、複数の補助配線層14が、Y方向へ延在し、X方向において互いに平行に並ぶように配置されている。このような構成とすることにより、上記実施の形態と比較した場合に、より高い開口率を確保するのに有利となる。
(変形例3)
上記実施の形態では、発光領域20ごとに取り囲むように補助配線層14を設けるようにしたが、本変形例では、3つの発光領域20を1つの単位として、すなわち、画素1ごとに取り囲むように補助配線層14を設けるようにした。この構成においても、上記実施の形態と比較して、より高い開口率を確保するのに有利である。
このように、補助配線層14については、表示装置における表示領域110の面積や要求される表示性能、あるいはその他の条件に応じて適切な形状を適宜選択することができる。
<第2の実施の形態>
次に、図11および図12を参照して、本発明における第2の実施の形態としての表示装置について説明する。本実施の形態の表示装置は、補助配線層14の代わりに補助配線層24を備えるようにしたことを除き、上記実施の形態と同様である。したがって、上記実施の形態の表示装置における構成要素と実質的に同一のものについては同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図11は、本実施の形態の表示装置における表示領域110の構成を表す平面図であり、図3に対応している。また、図12は、表示領域110における、図11に示したXII−XII線に沿ったXZ断面の概略構成を示すものであり、図4に対応している。
この表示装置では、例えば図11に示したように、Y方向に並ぶ有機発光素子10の発光領域20を1つの列と見立てた場合に、一列おきに各発光領域20を取り囲むように補助配線層24が設けられている。但し、この補助配線層24は、その経路のうち、有機層16のコンタクトホール16Aが占める領域と対応する部分は、他の部分よりも高い抵抗を有する。具体的には、比較的低い抵抗を有する一対の低抵抗部分24A(24A1,24A2)と、比較的高い抵抗を有する高抵抗部分24B(24B1〜24B4)とを含んでいる。このうち、低抵抗部分24Aは、上記第1の実施の形態における補助配線層14と同種の材料によって構成し、高抵抗部分24Bは、例えばモリブデン(Mo),クロム(Cr),チタン(Ti),タングステン(W),ITOおよびIZOなどによって構成するとよい。
この表示装置を製造する際には、例えば、平坦化層12を形成したのち、先に高抵抗部分24Bを形成し、次いで低抵抗部分24Aを形成するようにすればよい。その際、低抵抗部分24Aと、第1電極層13とを共通の材料により一括形成することが望ましい。製造工程が簡略化されるからである。
本実施の形態では、このような構成とすることにより、高抵抗部分24Bに対応する位置のみにコンタクトホール16Aを選択的に形成することができる。すなわち、例えば一対の低抵抗部分24Aの端部T1,T2の間に電流を流した場合に、各高抵抗部分24Bにおいて低抵抗部分24Aよりも大きなジュール熱が生じるので、高抵抗部分24Bの近傍の有機層16を選択的に除去することができる。この場合、上記第1の実施の形態のように高抵抗部分を設けなかった場合と比べ、必要な電流値を低減することができ、あるいは電流を流す時間を低減することができるので、より効率的である。なお、この表示装置を使用する際には、例えば低抵抗部分24A1におけるY方向の両端部T1,T3の間に電圧が印加されることとなるので、第2電極層18における電圧降下を低減する機能は確保されている。
なお、本実施の形態においても補助配線層24の平面形状については、表示装置における表示領域110の面積や要求される表示性能、あるいはその他の条件に応じて適切な形状を適宜選択することができる。例えば図13に示した構成(変形例4)としてもよい。
[変形例]
次に、図14を参照して、本実施の形態の変形例(変形例5)について説明する。図14は、上記実施の形態におけるXZ断面における他の構成例を表すものであり、図12に対応する断面図である。なお、図12に示した構成要素と実質的に同一のものについては同一の符号を付し、適宜説明を省略する。上記実施の形態では、補助配線層24の高抵抗部分24Bを、第1電極層13と同じ階層(すなわち平坦化層12上)に設けるようにした。これに対し、本変形例では、高抵抗部分24Bが、駆動トランジスタTr1の一部を構成する導電層、例えば配線層11Bを兼ねるようにしている。このような構成であっても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。さらに、上記実施の形態の場合よりも、成膜工程やパターニング工程を削減することができる。
本変形例における高抵抗部分24Bは、例えばチタン(Ti)層と、このチタン層の上に選択的に積層形成されたアルミニウム(Al)層とモリブデン(Mo)層との3層構造であるとよい。ここでは、最下層のチタン層の一部が第2電極層18と接している。
本変形例の表示装置を製造する際には、まず、例えば、駆動側基板11上に駆動トランジスタTr1および層間絶縁膜11Aを形成したのち、層間絶縁膜11A上に、チタン層とアルミニウム層とモリブデン層とを順次積層して多層膜を形成する。続いて、例えばリソグラフィ法を用いてその多層膜をパターニングすることにより配線層11Bを形成する。さらに、配線層11Bのうち、高抵抗部分24Bとなる部分のアルミニウム層およびモリブデン層を選択的に除去してチタン層の一部を露出させる。これにより高抵抗部分24Bが得られる。そののち、平坦化層12を全面に塗布形成したのち、例えばフォトリソグラフィ法を用いて、高抵抗部分24Bに対応する領域に開口部12bを形成する。続いて、平坦化層12の上に、第1電極層13と、低抵抗部分24A1,24A2とを一括して形成する。その際、低抵抗部分24A1,24A2が高抵抗部分24Bとそれぞれ接続されるようにする。それ以降の工程については、上記実施の形態と同様である。
なお、高抵抗部分24Bは、多層構造であってもよいし、単層構造であってもよい。
(モジュールおよび適用例)
以下、上述した実施の形態で説明した表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態の表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
(モジュール)
上記実施の形態の表示装置は、例えば、図15に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、駆動側基板11の一辺に、封止用基板19から露出した領域210を設け、この領域210に、信号線駆動回路120および走査線駆動回路130の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
(適用例1)
図16は、上記実施の形態の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例2)
図17は、上記実施の形態の表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例3)
図18は、上記実施の形態の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例4)
図19は、上記実施の形態の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例5)
図20は、上記実施の形態の表示装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法や成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。例えば、第1電極層13は、ITOまたはIZO(インジウム・亜鉛複合酸化物)により構成されていてもよい。また、第1電極層13は、誘電体多層膜を有するようにすることもできる。
加えて、例えば、上記実施の形態においては、駆動側基板11の上に、第1電極層13,有機層16および第2電極層18を順に積層し、封止用基板19の側から光を取り出すようにした場合について説明したが、積層順序を逆にして、駆動側基板11の上に、第2電極層18,有機層16および第1電極層13を順に積層し、駆動側基板11の側から光を取り出すようにすることもできる。
加えてまた、上記実施の形態では、有機発光素子10R,10G,10Bの構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。例えば、第1電極層13と有機層16との間に、酸化クロム(III)(Cr2 3 ),ITO(Indium-Tin Oxide:インジウム(In)およびスズ(Sn)の酸化物混合膜)などからなる正孔注入用薄膜層を備えていてもよい。
加えてまた、上記各実施の形態では、アクティブマトリクス型の表示装置の場合について説明したが、本発明はパッシブマトリクス型の表示装置への適用も可能である。更にまた、アクティブマトリクス駆動のための画素駆動回路の構成は、上記各実施の形態で説明したものに限られず、必要に応じて容量素子やトランジスタを追加してもよい。その場合、画素駆動回路の変更に応じて、上述した信号線駆動回路120や走査線駆動回路130のほかに、必要な駆動回路を追加してもよい。
1…画素、10(10R,10G,10B)…有機発光素子、11…駆動側基板、11A…層間絶縁膜、11B…配線層、12…平坦化層、12a,12b…開口部、13…第1電極層、14…補助配線層、14R…画素領域、15…素子分離層、16…有機層、16A…コンタクトホール、18…第2電極層、19…封止側基板、20…発光領域、30…保護膜、31…接着層、110…表示領域、120…信号線駆動回路、120A…信号線、130…走査線駆動回路、130A…走査線、140…電源供給線駆動回路、140A…電源供給線、150…画素駆動回路、Cs…キャパシタ(保持容量)、Tr1…駆動トランジスタ、Tr2…書込トランジスタ。

Claims (10)

  1. 基板上に、第1電極層を複数形成する工程と、
    隣り合う前記第1電極層同士の間に、または、前記第1電極層を1つずつもしくは複数ずつ取り囲むように、前記第1電極層と絶縁された補助配線層を形成する工程と、
    前記第1電極層および補助配線層を覆うように発光層を形成する工程と、
    前記補助配線層に電流を流すことにより前記発光層のうちの前記補助配線層を覆う被覆部分を加熱し、その被覆部分の少なくとも一部を除去することにより開口を形成する工程と、
    前記開口を充填すると共に前記発光層を覆うように第2電極層を形成する工程と
    を含む表示装置の製造方法。
  2. 前記補助配線層および前記第1電極層を、共通の材料を用いて一括形成する請求項1記載の表示装置の製造方法。
  3. 前記補助配線層の経路の一部を、他の部分よりも高い抵抗を有する材料により形成する請求項1記載の表示装置の製造方法。
  4. 前記補助配線層の他の部分と前記第1電極層とを、共通の材料を用いて一括形成する請求項3記載の表示装置の製造方法。
  5. 前記補助配線層の経路の一部を、前記基板の側から順に積層されたチタン(Ti)層とアルミニウム(Al)層とモリブデン(Mo)層との3層構造とし、
    前記アルミニウム層およびモリブデン層を選択的に除去して前記チタン層の一部を露出させたのち、そのチタン層の一部と接するように前記第2電極層を形成する
    請求項1記載の表示装置の製造方法。
  6. 前記基板上に、外部から入力される映像信号に基づいて前記発光素子の表示駆動を行う駆動トランジスタを形成する工程をさらに含み、
    前記補助配線層の一部を、前記駆動トランジスタの一部と接続された導電層の一部として形成する
    請求項1記載の表示装置の製造方法。
  7. 基板上に配列され、第1電極層と、発光層と、第2電極層との積層構造をそれぞれ有する複数の発光素子と、
    隣り合う前記第1電極層同士の間に延在し、または前記第1電極層を1つずつもしくは複数ずつ取り囲むように延在し、前記第1電極層と絶縁され、かつ前記発光層の一部に設けられた開口において前記第2電極層と導通した補助配線層と
    を備え、
    前記補助配線層の経路のうち前記発光層の開口が占める領域と対応する部分は、他の部分よりも高い抵抗を有する
    表示装置。
  8. 前記補助配線層の経路のうち前記発光層の開口が占める領域と対応する部分は、チタン(Ti)層と、このチタン層の上に選択的に積層形成されたアルミニウム(Al)層とモリブデン(Mo)層との3層構造を有し、
    前記第2電極層は、前記チタン層の一部と接している
    請求項7記載の表示装置。
  9. 前記補助配線層の他の部分と前記第1電極層とは、共通の材料からなる請求項7記載の表示装置。
  10. 前記基板上に、外部から入力される映像信号に基づいて前記発光素子の表示駆動を行う駆動トランジスタをさらに備え、
    前記補助配線層の一部が、前記駆動トランジスタの一部と接続された導電層を兼ねている
    請求項7記載の表示装置。
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