JP2005235392A - 光記録方法、光記録装置、光読取方法、光読取装置、光検索方法、光検索装置、光記録媒体 - Google Patents

光記録方法、光記録装置、光読取方法、光読取装置、光検索方法、光検索装置、光記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】データを高密度かつ高速に記録でき、高速かつ高精度に読み出すことができ、容易かつ高速・高精度に検索できるようにする。
【解決手段】偏光変調可能な空間光変調器30の各画素に2次元データの対応するビットの情報を与えて、各画素に入射する光の偏光を変調させ、空間光変調器30を通過した信号光1として、2次元データに対応した空間偏光分布を有するものを得る。この信号光1と参照光を、光誘起複屈折性を示す偏光感応層を有する光記録媒体に同時に照射して、信号光1の偏光分布をホログラムとして記録する。データ読取時には、読出光を照射してホログラム回折光を得、回折光中の所定偏光方向の成分の光強度を検出する。データ検索時には、ホログラム回折光を検索用データによって偏光変調状態が制御された空間光変調器に透過させ、透過光中の所定偏光方向の成分の光強度を検出する。
【選択図】図16

Description

この発明は、データ情報を光記録媒体に記録し、光記録媒体から読み出し、光記録媒体から検索する方法および装置に関する。
相変化型や光磁気型など、書き換え可能な光ディスクは、すでに広く普及している。これらの光ディスクは、一般の磁気ディスクに比べれば、記録密度は一桁以上高いが、画像情報のデジタル記録には、いまだ十分ではない。記録密度を高めるためには、ビームスポット径を小さくして、隣接トラックまたは隣接ビットとの距離を短くするなどの必要がある。
このような技術の開発によって実用化されつつあるものに、DVD−ROMがある。DVD−ROMは、直径12cmのディスクに片面で4.7GByteのデータを収容できる。書き込み・消去が可能なDVD−RAMは、相変化方式によって、直径12cmのディスクに両面で5.2GByteの高密度記録が可能である。これは、読み出し専用であるCD−ROMの7倍以上、フロッピー(登録商標)ディスクの3600枚以上、に相当する。
このように光ディスクの高密度化・大容量化は年々進んでいる。しかし、その一方で、上記の光ディスクは面内にデータを記録するため、その記録密度は光の回折限界に制限され、高密度記録の物理的限界と言われる5Gbit/cmに近づいている。したがって、更なる大容量化のためには、奥行き方向を含めた3次元(体積型)記録が必要となる。
体積型の光記録媒体の材料としては、フォトポリマー材料やフォトリフラクティブ材料などが挙げられる。これらの材料は、比較的弱い光を吸収して屈折率変化を生じるため、光誘起屈折率変化による情報記録が可能である。このため、大容量化が可能な多重ホログラム記録に用いることができる。
フォトポリマー材料を用いて高密度記録した例として、非特許文献1(SPIE Vol.2514,355)には、参照光に球面波を用い、ディスク形状に加工したDuPont製150−100photopolymerを回転させて、シフト多重ホログラムを記録し、現在用いられているCDの記録密度の10倍以上の記録密度(〜10bit/μm)を達成したことが示されている。
また、フォトリフラクティブ材料を用いて高密度記録した例として、非特許文献2(OPTICAL ENGINEERING Vol.34,(1995)2193)には、10×10×22mmの大きさのFeドープLiNbO結晶に、2万ページのホログラムを多重記録し、約1GByteの記録を達成したことが報告されている。
ホログラフィックメモリは、このように大容量のデータを記録できることに加えて、2次元的にデータの記録および読み出しができることから、高速のデータ記録やデータ読み出し、高速のデータ検索やデータ相関検出、高速のデータ転送も、可能である。具体的に、特許文献1(特開平3−149660号公報)では、以下のようなデータ検索方法が提案されている。
図26は、その検索方法を示す。この方法では、レーザ101からのレーザ光によって光メモリ102から、これにホログラフィックに記録されている2次元の被検索データを読み出し、そのデータパターン像を光アドレス型の空間光変調器103に書き込むとともに、LCD(液晶ディスプレイ)構成の電気アドレス型の空間光変調器104に2次元の検索用データを書き込む。
そして、レーザ105からのレーザ光を読出光として、検光子106を通じてLCD構成の電気アドレス型の空間光変調器104に照射して、その偏光状態を検索用データに応じて変え、その透過光をハーフミラープリズム107で反射させて、光アドレス型の空間光変調器103の読出面に結像させる。
したがって、空間光変調器103において画素ごとに被検索データに応じて読出光の偏光状態が変えられ、その読出光を検光子108を通じて光検出器アレイ109に入射させて、光検出器アレイ109で複数の画素からの読出光の有無を一括して検知することによって、被検索データと検索用データとの間の複数ビットの一致・不一致を一括して検出することができる。
また、非特許文献3(A.Kutanov and Y.Ichioka:Conjugate Image Plane Correlator with Holographic Disk Memory,OPTICAL REVIEW Vol.3,No.4(1996)258−263)には、以下のようなデータ記録方法およびデータ相関検出方法が記載されている。
図27は、その記録方法および相関検出方法を示す。この方法では、記録時には、記録しようとする2次元データをLCD構成の電気アドレス型の空間光変調器111に表示し、空間光変調器111を通過した2次元の振幅分布を有する信号光112を、フーリエ変換レンズ113によってフーリエ変換面P1にフーリエ変換して光メモリ114に照射し、同時に参照光115を光メモリ114に照射して、光メモリ114に2次元データをフーリエ変換ホログラムとして記録する。
相関を検出する場合には、LCD構成の電気アドレス型の空間光変調器111に2次元の検索用データを表示するとともに、記録時の参照光115と共役な関係にある読出光116を光メモリ114に照射して、光メモリ114から2次元の被検索データのホログラムを読み出し、その読み出したホログラムを、フーリエ変換レンズ113によって逆フーリエ変換面P2に逆フーリエ変換して空間光変調器111に入射させる。
したがって、空間光変調器111の透過光は、検索用データと被検索データの光学的積となり、検索用データと被検索データが一致した場合には、フーリエ変換レンズ117のフーリエ変換面P3に強い相関ピークが現れ、これを検出することによって2次元画像などの相関を知ることができる。
なお、ホログラムの書き換えが可能な光記録媒体として、特許文献2(特開平2−280116号公報)には、高分子液晶材料からなる光記録媒体が示され、特許文献3(特開平4−30192号公報)には、相変化材料からなる光記録媒体が示されている。
上に挙げた先行技術文献は、以下のとおりである。
SPIE Vol.2514,355 OPTICAL ENGINEERING Vol.34,(1995)2193 A.Kutanov and Y.Ichioka:Conjugate Image Plane Correlator with Holographic Disk Memory,OPTICAL REVIEW Vol.3,No.4(1996)258−263 特開平3−149660号公報 特開平2−280116号公報 特開平4−30192号公報
上述したように、近年、大容量化・高速化のためにホログラフィクメモリが注目され、図26に示したような検索方法、および図27に示したような記録方法および相関検出方法も提案されている。また、高密度記録のためにS/Nを向上させることも研究されており、光情報処理技術も応用されつつある。
しかしながら、図26に示した従来の検索方法、および図27に示した従来の記録方法および相関検出方法は、電気アドレス型の空間光変調器104または111としてLCD構成の振幅(強度)変調型のものを用いるため、以下のような問題がある。
空間光変調器104または111のようなデータを表示するLCDは、図28に示すように、電気光学変換部材の一つである液晶121の両面に電極122,123を有する液晶セル124の両側に、偏光子126,127が配置される。偏光子126,127としては、小型軽量化が容易な2色性偏光子が用いられるが、その透過軸方向の透過率は70〜80%と低いため、2枚合わせると、およそ50%の透過損失を生じる。
そのため、このようなLCD構成の空間光変調器を用いてデータの記録および読み出しを行う場合には、記録時と読取時の両方で光強度が小さくなってS/Nが劣化し、ホログラム記録密度の低下や検索精度の低下を生じる。また、信号強度を上げるためにレーザパワーを上げると、レーザの寿命が低下する問題を生じる。
ホログラフィックメモリにおけるデータの記録・読み出しにおいては、BER(bit error rate)を決定するノイズ要因として、(1)CCDやフォトディテクタアレイなどの光検出器アレイなど、ホログラムの品質によらないノイズ、(2)隣り合うホログラムからの回折光(ページ間クロストーク)、(3)同一ホログラム内での画素間クロストーク、(4)結晶や光学系の不完全さに起因する回折効率のページ間およびページ内の揺らぎ、が挙げられる。
振幅(強度)変調による情報記録は、このように様々なノイズの影響を受けやすく、信号強度とこれらのノイズとの比(S/N)が記録媒体中の記録密度を左右する。そこで、他のファイルシステムと同様に、BERを低く抑えるため、いくつかの符号化が試みられている。
例えば、[明、暗]が[0,1]に対応する2次元データをホログラムに多重記録する場合には、データによって記録時の信号光の全光強度が一定に保たれないため、回折効率の揺らぎに起因するクロストークを生じる。この問題を回避するため、[暗明]を[0]、[明暗]を[1]に対応させる差分コーディング法が用いられる。しかし、この場合、符号化の比率が0.5となり、画素の利用効率が低くなる。
上述したように、振幅変調型の空間光変調器をデータ入力やデータ検索に用いる場合には、光の利用効率が低い、S/Nの劣化を生じる、特殊なコーディング方法を必要とする、などの問題がある。このため、ホログラフィックメモリの特徴の一つである高密度記録を十分に達成できていないのが現状である。
さらに、図26に示した従来のデータ検索方法は、(1)高価な光アドレス型の空間光変調器103を必要とする、(2)光アドレス型の空間光変調器103と電気アドレス型の空間光変調器104を非常に高い精度でアライメントする必要がある、(3)光メモリ102にホログラムを記録するには別の空間光変調器を必要とする、などの問題がある。
また、図27に示した従来の記録方法および相関検出方法は、上記(1)〜(3)の問題は回避できるが、相関ピークの有無によって相関を検出するため、データ間の相関値を求めることはできるものの、高密度の複雑なデータ間のビットごとの一致・不一致を検出することはできないという重大な問題がある。そのため、検索可能なコンピュータ・ファイリングシステムとしては適さない。
また、ホログラフィックメモリの書き換え可能性については、代表的なフォトリフラクティブ材料として知られる、BaTiO,LiNbO,SBN(SrBa1−xNb)などや、上述した特許文献2(特開平2−280116号公報)に示された高分子液晶材料、および特許文献3(特開平4−30192号公報)に示された相変化材料は、いずれも、ホログラムの書き換えを行うことができる。
しかしながら、これら従来の光記録媒体、およびこれを用いた光記録方法では、原理的に、光強度の強いところでは何らかの材料変化を生じさせ、光強度の弱いところでは材料変化を生じさせないことによって、データの記録を行うので、データ書き換え時に消去プロセスなしに書き換えをしようとすると、前のデータ内容が強い光強度によって材料変化を生じさせる内容で、新たなデータ内容が弱い光強度によって材料変化を生じさせない内容となる領域では、材料変化を生じた前のデータ内容がそのまま残ってしまって、データの書き換えが行われないことになってしまう。
そのため、データ書き換え時には、光記録媒体の全面にレーザ光を照射するなどの消去プロセスによって、記録されている前のデータを一旦消去した上で、新たなデータを書き込む必要があり、データ書き換えに時間がかかって、ホログラフィクメモリの利点の一つである高速性が減殺されてしまう。
以上の点から、この発明の光記録方法は、データを高密度かつ高速に記録することができるとともに、データ書き換え時には消去プロセスを要することなくデータを高速に書き換えることができるようにしたものである。
また、この発明の光読取方法は、光記録媒体から、これに記録されているデータを高速かつ高精度に読み出すことができるようにしたものである。
さらに、この発明の光検索方法は、大量のデータが記録されている光記録媒体から必要とする任意のデータを容易かつ高速・高精度に検索することができるようにしたものである。
この発明の光記録方法では、
複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットのデータの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記データを保持する信号光を得、その信号光と参照光を同時に、光誘起複屈折性を示す偏光感応層を有する光記録媒体に照射して、前記偏光感応層中に前記信号光の空間偏光分布をホログラムとして記録する。
この発明の光読取方法では、
複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットのデータの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記データを保持する信号光が、参照光によりホログラムとして記録されている光記録媒体に読出光を照射して、前記ホログラムから回折光を得、その回折光のそれぞれの画素部分ごとに、その回折光中の所定偏光方向の偏光成分の光強度を検出して、前記データを読み取る。
この発明の光検索方法は、
複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットの検索対象データの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記検索対象データを保持する信号光が、参照光によりホログラムとして記録されている光記録媒体に読出光を照射して、前記ホログラムから回折光を得る工程と、
その回折光を、複数の画素を有し、それぞれの画素ごとに複数ビットの検索用データの対応するビットの情報に応じて入射光の偏光を変調する状態に制御された空間光変調器に透過させる工程と、
その透過光中の、所定偏光方向の偏光成分の光強度を検出することによって、前記検索対象データと前記検索用データとの間の一致・不一致を検出する工程と、
を備えるものとする。
通常のホログラムは、信号光と参照光の2光波干渉による光強度分布を光記録媒体中に屈折率または吸収率の変化として記録する。このため、信号光と参照光の偏光方向は平行である必要があり、ホログラムを記録する場合、光の振幅情報と位相情報は記録できるが、偏光方向については一方向に制限される。そのため、従来のホログラム記録やデータ検索では、上述したように振幅変調型の空間光変調器を用いる。
これに対して、光誘起複屈折性(光誘起2色性または光誘起異方性とも呼ばれる)を示す材料は、これに入射する光の偏光状態に感応し、入射光の偏光方向を記録することができる。発明者は、実験研究の結果、後述するように、そのような材料の中でも記録特性に優れたものが存在することを見出した。
この点に着目して、この発明では、光記録媒体として光誘起複屈折性を示す偏光感応層を有するものを用い、以下のような方法によって、その偏光感応層中にホログラムを記録する。以下、このような光記録媒体を、偏光感応型の光記録媒体と称する。
この偏光感応型の光記録媒体では、信号光と参照光の偏光方向が直交するとき、2光波による偏光分布に対応した光誘起複屈折によるホログラムを記録することができる。この明細書では、このようなホログラムを、通常の光強度分布によるホログラムに対して、偏光ホログラムと称する。そして、この偏光ホログラムに対して記録時の参照光と偏光方向が同一の読出光を照射すると、信号光の偏光方向が保存された回折光が得られる。
この点に着目して、上述したように、この発明の光記録方法では、複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットのデータの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記データを保持する信号光を得、その信号光と参照光を同時に、光誘起複屈折性を示す偏光感応層を有する光記録媒体に照射して、前記偏光感応層中に前記信号光の空間偏光分布をホログラムとして記録するものであり、また、この発明の光読取方法では、このように空間偏光分布によりデータを保持する信号光が、参照光によりホログラムとして記録されている光記録媒体に読出光を照射して、前記ホログラムから回折光を得、その回折光のそれぞれの画素部分ごとに、その回折光中の所定偏光方向の偏光成分の光強度を検出して、前記データを読み取るものである。
また、上記の点に着目して、上述したように、この発明の光検索方法は、複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットの検索対象データの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記検索対象データを保持する信号光が、参照光によりホログラムとして記録されている光記録媒体に読出光を照射して、前記ホログラムから回折光を得る工程と、その回折光を、複数の画素を有し、それぞれの画素ごとに複数ビットの検索用データの対応するビットの情報に応じて入射光の偏光を変調する状態に制御された空間光変調器に透過させる工程と、その透過光中の、所定偏光方向の偏光成分の光強度を検出することによって、前記検索対象データと前記検索用データとの間の一致・不一致を検出する工程と、を備えるものとする。
後述のように、信号光生成用の偏光変調可能な空間光変調器は、偏光板を持たないものとして構成できるので、空間光変調器での光損失がないとともに、信号光は空間偏光分布によりデータを保持するので、信号光の光強度分布が一定となる。したがって、この発明の光記録方法によれば、信号光のS/Nの劣化を防止することができ、データを高密度かつ高速に記録することができる。
これによって、この発明の光読取方法によれば、光記録媒体からこれに記録されているデータを高速かつ高精度に読み出すことができ、この発明の光検索方法によれば、大量のデータが記録されている光記録媒体から必要とする任意のデータを容易かつ高速・高精度に検索することができる。
さらに、発明者は、実験研究の結果、後述するように、この発明の光記録方法によってデータを偏光ホログラムとして光記録媒体に記録した場合には、その光記録媒体の全面にレーザ光を照射するなどの消去プロセスによって、その記録されている前のデータを一旦消去しなくても、この発明の光記録方法によって、その光記録媒体に新たなデータを偏光ホログラムとして上書きできることを見出した。
したがって、上述した、この発明の光記録方法によれば、データ書き換え時には消去プロセスを要することなくデータを高速に書き換えることができる。
以上のように、この発明の光記録方法によれば、データを高密度かつ高速に記録することができるとともに、データ書き換え時には消去プロセスを要することなくデータを高速に書き換えることができる。
また、この発明の光読取方法によれば、光記録媒体から、これに記録されているデータを高速かつ高精度に読み出すことができ、この発明の光検索方法によれば、大量のデータが記録されている光記録媒体から必要とする任意のデータを容易かつ高速・高精度に検索することができる。
したがって、この発明の光記録方法、光読取方法および光検索方法は、コンピュータ・ファイリングシステムなどに好適である。
[1.光記録媒体の実施形態と記録・読み出し・書き換えの原理]
図1(A)は、この発明の光記録媒体の一実施形態を示し、ガラス基板などの透明基板11の一面側に光誘起複屈折性を示す偏光感応層12を形成して、上述した偏光感応型の光記録媒体10を構成する。この場合、記録時の信号光1および参照光2は、図示するように偏光感応層12側から照射する。
体積型(3次元)の記録を実現するには、偏光感応層12の厚みは、少なくとも10μm程度必要であるとともに、大きい方が望ましい。その厚みを1mmにすると、CD−ROMの100枚程度の記録容量を得ることができる。
図1(B)は、この発明の光記録媒体の他の実施形態を示し、光記録媒体10全体を光誘起複屈折性を示す偏光感応層12で形成する場合である。この場合の偏光感応層12、すなわち光記録媒体10の厚みは、図1(A)の偏光感応層12の厚みと同じにする。
図1(A)(B)のいずれの場合においても、光記録媒体10は全体としてシート状に、すなわち厚みに比べて十分大きな拡がりを有するように、形成する。また、光記録媒体10は、ディスク形状などの形状とする。
偏光感応層12は、光誘起複屈折性を示し、上記の偏光ホログラムを記録できる材料であれば、どのようなものでもよいが、好ましい例として、側鎖に光異性化する基を有する高分子または高分子液晶、または光異性化する分子を分散させた高分子を用いることができる。また、その光異性化する基または分子としては、例えば、アゾベンゼン骨格を含むものが好適である。
アゾベンゼンは、光の照射によってトランス−シスの光異性化を示す。トランス型になると、分子構造は図2(A)に示す化学式のようになり、シス型になると、分子構造は図2(B)に示す化学式のようになる。
このような光異性化のため、アゾベンゼンは、光励起される前は、トランス型が多く存在し、光励起された後は、シス型が多く存在するようになる。さらに、アゾベンゼンに直線偏光の光を照射すると、光異性化に方向性を生じ、吸収率や屈折率に方向性が現れる。一般に、これらの性質は、光誘起複屈折性、光誘起2色性、または光誘起異方性と呼ばれている。また、円偏光または無偏光の光を照射することによって、これら励起された異方性を消去することができる。
このアゾベンゼンを側鎖に有する高分子または高分子液晶、またはアゾベンゼンを分散させた高分子を、偏光感応層12として備える光記録媒体10に、ホログラムを記録する場合、それぞれコヒーレントな信号光1および参照光2を、光記録媒体10の同一領域に同時に照射する。
この場合、信号光1と参照光2の偏光方向が互いに平行なとき、例えば、図3(A)に示すように、信号光1と参照光2がともにs偏光のときには、光記録媒体10中に、信号光1と参照光2の2光波干渉により光強度分布を生じる。そして、光強度の強いところでは、アゾベンゼンが強く光励起されて、シス型が多くなり、逆に光強度の弱いところでは、シス型が少なくなる。したがって、光強度分布に対応した吸収率または屈折率の格子がホログラムとして形成される。
これに対して、信号光1と参照光2の偏光方向を互いに直交させたとき、例えば、図3(B)に示すように、信号光1をp偏光とし、参照光2をs偏光としたときには、信号光1と参照光2の偏光方向が互いに平行なときのような光強度分布は生じない。その代わりに、偏光方向が空間的・周期的に変調され、直線偏光部分8と楕円偏光部分9が交互に周期的に現れる。
この場合、光強度分布は一様となるが、変調された偏光方向と同一の方向を向くアゾベンゼンが、他の方向を向くアゾベンゼンより、強く光励起される。その結果、直線偏光部分8では、シス型の色素が多く存在することになり、空間的に方向性の異なる吸収率または屈折率の型の格子がホログラムとして形成される。
以後、図3(A)のように信号光1と参照光2の偏光方向が平行なときの光強度分布によるホログラムを、光強度ホログラムと称し、図3(B)のように信号光1と参照光2の偏光方向が直交するときの偏光分布によるホログラムを、偏光ホログラムと称する。
このように、アゾベンゼンを側鎖に有する高分子または高分子液晶、またはアゾベンゼンを分散させた高分子を、偏光感応層12として備える光記録媒体10によれば、信号光1と参照光2の偏光方向が平行であっても、直交していても、アゾベンゼンの異方性が誘起される結果、ホログラムを記録することができる。
このようにホログラムが記録された光記録媒体10に、図3(A)または(B)に示すように、読出光3として、記録時の参照光2の位相共役光、すなわち参照光2と波面が同じで、進行方向が逆の光を照射すると、ホログラムからの回折光4として、記録時の信号光1の位相共役光、すなわち信号光1と波面が同じで、進行方向が逆の光が発生する。
この場合、図3(A)のように、信号光1と参照光2がともにs偏光のときには、記録されたホログラムは、光強度ホログラム、すなわち光強度分布によって形成されたものであり、回折光4もs偏光となる。信号光1と参照光2がともにp偏光のときには、同様に回折光4もp偏光となる。
これに対して、図3(B)のように、信号光1がp偏光、参照光2がs偏光のときには、記録されたホログラムは、偏光ホログラム、すなわち偏光分布によって形成されたものであり、回折光4は信号光1と同じくp偏光となる。信号光1がs偏光、参照光2がp偏光のときには、同様に回折光4は信号光1と同じくs偏光となる。
信号光1がs偏光成分とp偏光成分を有する場合には、以下のようになる。例えば、信号光1がs偏光成分とp偏光成分が等しい直線偏光(偏光方向はs偏光方向とp偏光方向の双方に対して45°)の場合、光強度ホログラムと偏光ホログラムの回折効率が等しければ、読み出された回折光4の偏光方向は信号光1の偏光方向と同じになる。
これに対して、光強度ホログラムと偏光ホログラムの回折効率が等しくないときには、s偏光とp偏光の回折効率が異なるため、読み出された回折光4の偏光方向は信号光1の偏光方向と異なるようになる。しかし、この場合、回折光4の光路中に偏光子または波長板を配置することによって、回折光4として信号光1と同じ偏光方向のものを得ることができる。
偏光感応層12の好ましい例の一つとして、図2(C)に示す化学式で表される、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを用いることができる。この材料が偏光ホログラムを記録できることを、図4に示す縮退四光波混合の光学系によって確認した。
光源91として、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルに感度のあるレーザ光を発するアルゴンイオンレーザを用いた。このアルゴンイオンレーザ91からの波長515nmのレーザ光の偏光は、紙面に垂直なs偏光であり、そのレーザ光の一部を、ハーフミラー92aで反射させ、シャッタ93aを透過させ、ミラー94aで反射させ、1/2波長板95を透過させて、信号光1を得る。信号光1の偏光方向は、1/2波長板95によって任意に変えることができる。
その信号光1を、ハーフミラー92bを透過させて、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルからなる、試料となる光記録媒体10に照射すると同時に、ハーフミラー92aを透過したレーザ光の一部を、ハーフミラー92cで反射させ、シャッタ93bを透過させ、ミラー94bで反射させて、s偏光の参照光2として光記録媒体10に照射する。この記録時、シャッタ93cは閉じておく。
読み出し時には、シャッタ93aおよび93bを閉じ、シャッタ93cを開いて、シャッタ93cを透過したレーザ光を、ミラー94cで反射させて、s偏光の読出光3として光記録媒体10に照射し、これにより光記録媒体10から読み出された回折光4を、ハーフミラー92bで反射させ、検光子96を透過させて取り出す。回折光4の偏光方向は、検光子96を回転させることによって調べることができる。
信号光1の光パワーを4mW、ビーム径を約100μm、参照光2の光パワーを100mW、ビーム径を約2mmとして、記録時間を5秒単位で変えてホログラムを記録し、それぞれの記録時間の記録後、ホログラムを読み出した。読出光3の光パワーは200mWとした。読出光3を長い時間照射すると、記録されたホログラムを壊す恐れがあるので、1回の読み出し時の読出光3の照射時間は0.5秒とした。
図5(A)(B)(C)は、それぞれ信号光1がs偏光、p偏光、45°偏光(s偏光とp偏光の中間)のときの、回折光4の光強度のホログラム記録時間に対する依存性を示す。上述したように、参照光2および読出光3はs偏光である。
図5から明らかなように、信号光1がいかなる偏光状態であっても、ホログラムを記録することができる。また、回折光4の光強度は、約80秒間の記録で定常状態になることがわかる。さらに、記録されたホログラムは、室温に保存しておくと、数週間以上、記録が保持されることが確認できた。
図6は、図5(A)に示した信号光1がs偏光のときの回折光4の偏光分布を調べた結果を示し、横軸は、検光子96の偏光回転角で、90°および270°がs偏光を示し、縦軸は、検光子96の透過光強度である。これから、検光子96の偏光回転角が90°または270°のときに検光子96の透過光強度が大きくなることがわかる。したがって、信号光1としてs偏光を記録した場合には、読み出されたホログラム回折光4もs偏光となることがわかる。
図7は、図5(B)に示した信号光1がp偏光のときの回折光4の偏光分布を調べた結果を示し、横軸は、検光子96の偏光回転角で、0°および180°がp偏光を示し、縦軸は、検光子96の透過光強度である。これから、検光子96の偏光回転角が0°または180°のときに検光子96の透過光強度が大きくなることがわかる。したがって、信号光1としてp偏光を記録した場合には、読み出されたホログラム回折光4もp偏光となることがわかる。
図8は、図5(C)に示した信号光1が45°偏光のときの回折光4の偏光分布を調べた結果を示し、横軸および縦軸は、図6および図7と同じである。これから、検光子96の偏光回転角が140°または320°のときに検光子96の透過光強度が大きくなることがわかる。ホログラム回折光4が信号光1の偏光が保存された位相共役光であれば、検光子96の偏光回転角が135°または315°のときに検光子96の透過光強度が大きくなるので、この場合も、ホログラム回折光4は信号光1の偏光がほぼ保存されていることがわかる。
5°の偏光角のずれは、光学系、特にハーフミラー92bの偏光特性のためと考えられる。このずれは、ホログラム回折光4の光路中に偏光子または1/2波長板を配置することによって、容易に補正することができる。
以上の結果から、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルからなる光記録媒体は、信号光の偏光も、ホログラムとして記録し、読み出すことができることがわかる。したがって、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルからなる光記録媒体の同一領域に、信号光の偏光方向を変えて、空間偏光分布によりデータ情報を保持するホログラムと、強度分布または位相分布によりデータ情報を保持するホログラムとを、多重に記録することも可能である。
さらに、この側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルからなる光記録媒体の同一領域に、参照光の偏光角の違いによる複数のホログラムを多重に記録できるか否かを調べるために、図4に示した光学系において、参照光2の偏光角を変えてホログラムを記録し、回折光4の偏光状態を調べた。参照光2の偏光角は、参照光2の光路中に配置した1/2波長板(図4では省略)によって変えた。
図9は、信号光1をp偏光、参照光2をp偏光、読出光3をs偏光としたときの、ホログラム回折光4の偏光角と光強度の関係を示す。回折光4の偏光角がほぼ90°または270°のときに回折光4の光強度がピークを示すことから、このとき、回折光4はほぼs偏光であることがわかる。
これに対して、信号光1をp偏光、参照光2をs偏光、読出光3をs偏光としたときには、図5(B)に対応する図7に示したように、回折光4はp偏光であった。図7と図9を比較すると明らかなように、参照光2の偏光角を回転させてホログラムを記録すると、参照光2の偏光角の回転に応じて回折光4の偏光角が回転することがわかる。
したがって、参照光の偏光角を回転させてホログラムを記録することによって、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルからなる光記録媒体の同一領域に、強度分布または位相分布によりデータ情報を保持する複数のホログラムを多重に記録することができる。参照光の偏光角で多重化されたホログラムの読み出しは、回折光の偏光方向から所望のホログラムからの回折光を分離することによって可能となる。
さらに、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルからなる光記録媒体の書き換え特性を、図10に示すホログラム記録再生用の光学系によって測定した。
光源81として、図4に示した縮退四光波混合の光学系の光源91と同じアルゴンイオンレーザを用いた。このアルゴンイオンレーザ81からの波長515nmのレーザ光の偏光は、紙面に垂直なs偏光であり、そのレーザ光の一部を、ビームスプリッタ82、シャッタ83、および1/2波長板84を透過させて、信号光1を得る。信号光1の偏光方向は、1/2波長板84によって任意に変えることができる。
その信号光1を、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルからなる、試料となる光記録媒体10に照射すると同時に、ビームスプリッタ82で反射したレーザ光を、ミラー85および86で反射させて、s偏光の参照光2として光記録媒体10に照射して、光記録媒体10中にホログラムを記録する。
読み出し時には、シャッタ83を閉じて、ビームスプリッタ82で反射したレーザ光を、ミラー85および86で反射させて、s偏光の読出光3として光記録媒体10に照射し、これにより光記録媒体10から読み出された回折光4を、検光子87を透過させて取り出す。回折光4の偏光方向は、検光子87を回転させることによって調べることができる。
まず、信号光1および参照光2の光強度を1W/cmとし、ビーム径を約2mmとして、約2秒間、ホログラムを記録し、その後、読出光3の光強度を0.1W/cmとして、ホログラムを読み出し、以後、同じ記録および読み出しを繰り返した。読出光3を長い時間照射すると、記録されたホログラムを壊す恐れがあるので、1回の読み出し時の読出光3の照射時間は0.5秒とした。
図11は、このとき読み出された回折光4の偏光分布を調べた結果を示し、横軸は、検光子87の偏光回転角で、0°および180°がs偏光を示し、縦軸は、検光子87の透過光強度である。上述したように、信号光1、参照光2および読出光3はs偏光である。
これから、検光子87の偏光回転角が0°または170°のときに検光子87の透過光強度が大きくなることがわかる。したがって、信号光1としてs偏光を記録した場合には、読み出されたホログラム回折光4もs偏光となることがわかる。
次に、このs偏光のホログラムが記録された領域に、そのs偏光のホログラムを消去することなく、p偏光のホログラムを上書きしてみた。すなわち、図10の光学系において、1/2波長板84を回転させて、信号光1をp偏光とし、参照光2はs偏光のままとし、信号光1および参照光2の光強度およびビーム径を前と同じにして、約4秒間、ホログラムを記録し、その後、読出光3の光強度を前と同じにして、ホログラムを読み出した。
図12は、このとき読み出された回折光4の偏光分布を調べた結果を示し、横軸は、検光子87の偏光回転角で、90°がp偏光を示し、縦軸は、検光子87の透過光強度である。
これから、検光子87の偏光回転角が80°のときに検光子87の透過光強度が大きくなることがわかる。したがって、s偏光のホログラムが記録された領域に、そのs偏光のホログラムを消去することなく、p偏光のホログラムを記録した場合、その領域から読み出されたホログラム回折光はp偏光となることがわかる。
図示していないが、逆に、p偏光のホログラムが記録された領域に、そのp偏光のホログラムを消去することなく、s偏光のホログラムを記録した場合、その領域から読み出されたホログラム回折光はs偏光となることが確認された。
以上の結果から、あらかじめs偏光またはp偏光のホログラムが記録されている領域に、そのホログラムを消去することなく、s偏光またはp偏光のホログラムを記録できることがわかる。さらに、再度、ホログラムを上書きすることも、問題なく可能である。したがって、消去プロセスを要することなくデータを高速に書き換えることができる。
以上のように、信号光の偏光をホログラムとして記録し、読み出すことができること、および消去プロセスを要することなくデータを書き換えることができることは、一面側にのみ、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルの層(膜)を形成した光記録媒体についても、同様である。また、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルに限らず、アゾベンゼンのような光異性化する基を側鎖に有する高分子または高分子液晶、またはアゾベンゼンのような光異性化する分子を分散させた高分子を、少なくとも一面側に設けた光記録媒体についても、同様である。
[2.光記録方法および光記録装置の一実施形態]
図13および図14は、この発明の光記録方法および光記録装置の一例を示す。光記録媒体10は、この発明の偏光感応型のもので、かつディスク形状としたものである。
光記録ヘッド20の光源21は、偏光感応型の光記録媒体10に感度のあるコヒーレント光を発するものであればよく、光記録媒体10が側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルからなる場合には、シアノアゾベンゼンが光異性化する波長に属する、上述した波長515nmのレーザ光を発するアルゴンイオンレーザを用いることができる。この光源21からのレーザ光5を、一方で、ビームスプリッタ25を透過させ、レンズ22,23によって平行光として、入射光6として空間光変調器30に入射させる。
空間光変調器30は、偏光変調が可能なものとする。このような空間光変調器30としては、電圧アドレス型の液晶パネルや電気光学結晶にマトリクス電極を付けたものなどを用いることができるが、図28に示して上述したLCD構成の空間光変調器とは異なり、偏光子を設けない。
図15は、この偏光変調可能な空間光変調器30の一例を示し、透明基板34,35の一面に透明電極32,33を形成し、透明電極32,33間に液晶などの電気光学変換材料31を挟んだ光バルブ構成のもので、2次元的に複数の画素を形成して、それぞれの画素を1/2波長板として機能させ、それぞれの画素に2次元データの対応するビットの情報を電圧印加の有無として与えることによって、それぞれの画素に入射する光の偏光を変調する。
図16に示すように、平行光とした入射光6は、s偏光として空間光変調器30に入射させる。そして、空間光変調器30の電圧が印加されない画素37aは、1/2波長板の軸が入射光6の偏光方向と平行となり、したがって画素37aを透過した信号光1aはs偏光となる。これに対して、空間光変調器30の電圧が印加された画素37bは、1/2波長板の軸が45°回転して、入射光6の偏光方向を90°回転させ、したがって画素37bを透過した信号光1bはp偏光となる。したがって、空間光変調器30を通過した信号光1は、空間光変調器30に与えられた2次元データに対応した空間偏光分布を有するものとなる。
図13および図14に示すように、この空間光変調器30を通過した信号光1を、フーリエ変換レンズ24によってフーリエ変換面P1にフーリエ変換して、光記録媒体10に照射する。同時に、光源21からのレーザ光5を、他方で、ビームスプリッタ25で反射させ、ミラー26および27で反射させて、s偏光の参照光2を得て、その参照光2を、光記録媒体10の信号光1が照射される領域に照射する。これによって、2次元データに対応した信号光1の偏光分布を、偏光ホログラムとして光記録媒体10に記録することができる。
モータ29により光記録媒体10を回転させることによって、光記録媒体10の周方向に場所を変えて複数の偏光ホログラムを記録することができる。このとき、参照光2として球面波を用いることによって、シフト多重記録を行うことができる。さらに、光記録ヘッド20を光記録媒体10の径方向に移動させることによって、図14に示すように、光記録媒体10中に同心円状の記録トラックを形成するように偏光ホログラムを記録することができる。
上述した光記録方法および光記録装置によれば、空間光変調器30は偏光板を持たないので、空間光変調器30での光損失がなく、しかも信号光1は空間偏光分布によりデータ情報を保持するので、信号光1の光強度分布は一定となる。したがって、空間光変調器30での光量低下や信号光1の光強度の揺らぎによる信号光1のS/Nの劣化を防止することができ、データを高密度かつ高速に記録することができる。しかも、特殊なコーディング方法を必要としない。
さらに、上述した光記録方法および光記録装置によれば、空間光変調器30を通過した信号光1は、空間光変調器30に与えられた2次元データに応じた空間偏光分布を有するものとなって、光記録媒体10の記録領域には必ずs偏光とp偏光のいずれかが照射され、光強度ホログラムを記録する場合のように、2次元データの内容に応じて光が照射されない部分を生じるということがないとともに、上述したように前の偏光方向を消去することなく、新たな偏光方向を上書きすることができる。
したがって、上述した光記録方法および光記録装置によれば、消去プロセスを要することなく高速に、かつ確実に、データを書き換えることができる。
[3.光読取方法および光読取装置の一実施形態]
図17は、この発明の光読取方法および光読取装置の一例を示す。光記録媒体10は、偏光感応型の、かつディスク形状のものであるとともに、図13〜図16に示した方法ないし装置によって、図16に示したように、空間偏光分布により2次元データを保持する信号光1がホログラムとして記録されたものである。
光読取ヘッド40の光源を含む読出光光学系41から、読出光3として記録時の参照光の位相共役光を得て、その読出光3を光記録媒体10のホログラムが記録された領域に照射する。これによって、ホログラムからの回折光4として、図18に示すように、記録時の信号光の偏光方向が保存された位相共役光が得られる。
ただし、この場合、光強度ホログラムと偏光ホログラムの回折効率が等しくないときには、s偏光とp偏光の回折効率が異なるため、読み出された回折光4の偏光方向は信号光1の偏光方向と異なるようになる。しかし、この場合、回折光4の光路中に偏光子または波長板を配置することによって、回折光4として信号光1と同じ偏光方向のものを得ることができる。
この回折光4を、レンズ42によって平行光にして偏光ビームスプリッタ43に入射させて、s偏光成分7Sとp偏光成分7Pに分離し、そのs偏光成分7Sを光検出器アレイ44Sによって検出し、またはp偏光成分7Pを光検出器アレイ44Pによって検出する。光検出器アレイ44S,44Pとしては、CCDやフォトディテクタアレイなどを用いることができる。
図18に示すように、s偏光成分7Sとp偏光成分7Pはネガ像とポジ像の関係となり、その一方を一方の光検出器アレイによって検出することによって、回折光4の空間偏光分布により保持された2次元データ、すなわち光記録媒体10に記録された2次元データを読み取ることができる。
モータ49により光記録媒体10を回転させることによって、光記録媒体10の周方向に場所を変えて記録されている複数のホログラムを読み出すことができる。また、光読取ヘッド40を光記録媒体10の径方向に移動させることによって、光記録媒体10中に同心円状に形成されている記録トラックからホログラムを読み出すことができる。
上述した光読取方法および光読取装置によれば、光記録媒体10から、これに記録されているデータを高速かつ高精度に読み出すことができる。また、信号光の位相共役光であるホログラム回折光4は、光路上のレンズ42の収差などを自動的にキャンセルし、かつレンズ42の焦点距離位置に自動的に結像されるので、アライメントの制約もない。
[4.光記録方法ないし装置および光読取方法ないし装置の他の実施形態]
図19は、この発明の光記録方法ないし光記録装置、およびこの発明の光読取方法ないし光読取装置の他の例を示す。
光記録方法ないし光記録装置としては、図13〜図16に示した方法ないし装置と同じである。ただし、この例では、ビームスプリッタ25を透過したレーザ光の光路上に、シャッタ28を設け、記録時、そのシャッタ28を開けて、平行光とされた入射光6を得、空間偏光分布を有する信号光1を得る。
この例においても、上述したように消去プロセスを要することなくデータを高速に書き換えることができる。
光読取方法ないし光読取装置としては、この例では、読出光3として、記録時の参照光2の位相共役光ではなく、記録時の参照光2と全く同じ光を用いる。
すなわち、この例では、読み出し時には、シャッタ28を閉じて、ビームスプリッタ25で反射したレーザ光を、ミラー26および27で反射させて、s偏光の読出光3として、光記録媒体10のホログラムが記録された領域に照射する。これによって、ホログラムからの回折光4として、図18に示したように、記録時の信号光の偏光方向が保存された光が得られる。この回折光4を、レンズ42によって平行光にして、光検出器アレイ44によって検出する。
ただし、図19では省略したが、レンズ42と光検出器アレイ44との間に、図17に示したように偏光ビームスプリッタを配し、または波長板を配して、回折光4中のs偏光成分とp偏光成分を分離して検出し、またはs偏光成分とp偏光成分のいずれかを検出する。
この例においても、光記録媒体10から、これに記録されているデータを高速かつ高精度に読み出すことができる。
[5.S/Nを向上させる光読取方法および光読取装置]
図17(または図19)に示した光読取方法ないし光読取装置において、偏光ビームスプリッタ43によって分離され、光検出器アレイ44Sおよび44Pによって検出される、s偏光成分7Sおよびp偏光成分7Pの光強度を、比較演算することによって、回折光4の揺らぎ、外光の影響、光記録媒体10や光学系の不完全さ、などに起因するノイズをキャンセルして、より高いS/Nの読み取り出力を得ることができる。
図20は、その比較演算方法を示し、減算回路45において、対応する画素(ビット)ごとに光検出器アレイ44Pの検出出力から光検出器アレイ44Sの検出出力を減算する。
i番目の画素の回折光をp偏光とし、その信号成分をIpi、ノイズ成分をNiとすると、i番目の画素については、光検出器アレイ44Pの出力は、信号成分Ipiとノイズ成分Niの和(Ipi+Ni)となり、光検出器アレイ44Sの出力は、ノイズ成分Niのみとなり、減算回路45の出力は、ノイズ成分Niがキャンセルされて信号成分Ipiのみとなる。
j番目の画素の回折光をs偏光とし、その信号成分をIsj、ノイズ成分をNjとすると、j番目の画素については、光検出器アレイ44Pの出力は、ノイズ成分Njのみとなり、光検出器アレイ44Sの出力は、信号成分Isjとノイズ成分Njの和(Isj+Nj)となり、減算回路45の出力は、ノイズ成分Njがキャンセルされて信号成分−Isjのみとなる。
2値のデジタルデータを読み取る場合には、例えば、減算回路45の出力値が正のときには[1]、負のときには[0]と、判定すればよい。
このように、上述した光読取方法および光読取装置によれば、画素ごとにノイズをキャンセルすることができるとともに、回折光4の光強度によらずに常に、0(ゼロ)の出力値を閾値として、出力値が正か負かでデータ値を判別することができる。
[6.信号光の偏光方向を変えた多重記録]
上述したように、この発明の偏光感応型の光記録媒体は、偏光ホログラムに多重させて、信号光の偏光方向を変えて、強度分布または位相分布によりデータ情報を保持するホログラムを、光記録媒体の同一領域に記録することができる。
以下、この場合の光記録方法および光読取方法の一例を示す。記録時、まず、図21(A)に示すように、信号光1と参照光2をともにs偏光として、偏光感応型の光記録媒体10の領域15にホログラムを記録する。このときのホログラムは、図3(A)において上述したように光強度分布によるホログラムである。
次に、図21(B)に示すように、参照光2はs偏光のままで信号光1をp偏光として、光記録媒体10の領域15にホログラムを記録する。このときのホログラムは、図3(B)において上述したように偏光分布によるホログラムである。ただし、光強度ホログラムと偏光ホログラムは、いずれを先に記録してもよい。
読み出し時には、図21(C)に示すように、光記録媒体10の上記のように光強度ホログラムと偏光ホログラムが多重に記録された領域15に、記録時の参照光2の位相共役光である読出光3を照射する。これによって、領域15からの回折光4として、s偏光の信号光による光強度ホログラムによるs偏光成分と、p偏光の信号光による偏光ホログラムによるp偏光成分とを有するものが得られる。
その回折光4を、図17および図18に示すように、偏光ビームスプリッタ43によってs偏光成分7Sとp偏光成分7Pに分離し、そのs偏光成分7Sを光検出器アレイ44Sによって検出し、かつp偏光成分7Pを光検出器アレイ44Pによって検出することによって、光強度ホログラムと偏光ホログラムとを、すなわちs偏光の信号光のデータとp偏光の信号光のデータとを、分離して取り出すことができる。
このように、上述した方法によれば、光記録媒体10の同一領域に複数のホログラムを多重に記録し、同一領域から複数のホログラムを分離して読み出すことができるので、より高密度の記録が可能となる。
[7.信号光の偏光角を回転させたデータ記録]
偏光ホログラムは、その回折光として信号光の偏光方向が保存された光を発生させるので、信号光の偏光角を回転させることによって、偏光角の違いによる情報の記録が可能となる。しかも、同時に、信号光の光強度を変えることによって、光強度の違いによる情報の記録も可能であるので、高密度記録を実現することができる。
例えば、図22に示すように、s偏光方向からp偏光方向までの、s偏光方向(0°)およびp偏光方向(90°)を含む90°の範囲内で、信号光の偏光角として、ベクトルD1〜D6で示すような6つの偏光角を設定する。このような6つの偏光角は、符号化して6つのビットを表すことができ、底6に対する数、または6乗に対する2進形式の符号化された数になることができる。ベクトルD1〜D6の長さは、それぞれの偏光角での信号光の光強度を示し、これも複数段階に設定し、符号化することによって、複数のビットを表すことができる。
このように偏光角を回転させた信号光は、図13〜図15の空間光変調器30によって得ることができる。また、s偏光の空間強度分布とp偏光の空間強度分布をビームスプリッタで合波させて得ることもできる。
読み出し時には、図17および図18に示すように、ホログラムからの回折光4を、偏光ビームスプリッタ43によってs偏光成分7Sとp偏光成分7Pに分離し、そのs偏光成分7Sを光検出器アレイ44Sによって検出し、かつp偏光成分7Pを光検出器アレイ44Pによって検出する。さらに、図23に示すように、光検出器アレイ44Sおよび44Pの検出出力を、除算回路46、平方根算出回路47およびアークタンジェント算出回路48からなる比較演算部に供給して、対応する画素(ビット)ごとに比較演算する。
ある画素の回折光の光強度をIとし、偏光角(s偏光方向を0°とする)をθとすると、s偏光成分の強度Isおよびp偏光成分の強度Ipは、それぞれ、
Is=Icosθ ‥‥(1)
Ip=Isinθ ‥‥(2)
で与えられる。
したがって、除算回路46でp偏光強度Ipをs偏光強度Isで除算することによって、除算回路46からtanθが求められ、平方根算出回路47からtanθが求められ、アークタンジェント算出回路48から偏光角θが求められる。したがって、信号光の偏光角の違いによる情報を読み取ることができる。
[8.光検索方法および光検索装置の実施形態]
図24は、この発明の光検索方法および光検索装置の実施形態を示す。光記録媒体10は、偏光感応型の、かつディスク形状のものであるとともに、図13〜図16または図19に示した方法ないし装置によって、図16に示したように、空間偏光分布により2次元の被検索データを保持する信号光1がホログラムとして記録されたものである。
光検索ヘッド(光読取ヘッド)60には、図13〜図15または図19に示したような空間光変調器30を設け、図25に示すように、これに2次元の検索用データを書き込む。すなわち、空間光変調器30のそれぞれの画素に検索用データの対応するビットの情報を電圧印加の有無として与えて、それぞれ1/2波長板として機能する、それぞれの画素を、これに入射する光の偏光を検索用データの対応するビットの情報に応じて変調する状態とする。
そして、図17に示した光読取方法ないし光読取装置と同様に、光検索ヘッド60の光源を含む読出光光学系61から、読出光3として記録時の参照光の位相共役光を得て、その読出光3を光記録媒体10のホログラムが記録された領域に照射し、ホログラムからの回折光4として、図25に示すように、記録時の信号光の偏光方向が保存された位相共役光を得る。
この回折光4を、レンズ62によって平行光にして空間光変調器30上に結像させ、さらに空間光変調器30を通過した回折光を、結像光学系を構成するレンズ63および64によって偏光ビームスプリッタ43に入射させて、s偏光成分7Sとp偏光成分7Pに分離し、そのs偏光成分7Sを光検出器アレイ44Sによって検出し、またはp偏光成分7Pを光検出器アレイ44Pによって検出する。
この場合、モータ69により光記録媒体10を回転させることによって、光記録媒体10の周方向に場所を変えて記録されている複数のホログラムを読み出すとともに、光検索ヘッド60を光記録媒体10の径方向に移動させることによって、光記録媒体10中に同心円状に形成されている記録トラックからホログラムを読み出す。
被検索データの偏光情報を有するホログラム回折光4は、記録時の信号光の偏光方向が保存された位相共役光であるので、検索用データと被検索データが完全に一致する場合には、ある波面が位相歪み媒体を2度通過することによって波面の歪みがキャンセルされるという位相共役光の位相補正作用により、空間光変調器30を通過した回折光は、全ての画素においてs偏光となる。したがって、偏光ビームスプリッタ43で分離されたs偏光成分7Sは全ての画素で〔明〕となり、p偏光成分7Pは全ての画素で〔暗〕となる。
これに対して、検索用データと被検索データが一致しない場合には、位相共役光の位相補正作用を生じないので、空間光変調器30を通過した回折光は、検索用データと被検索データが一致しない画素においてp偏光となる。
したがって、光検出器アレイ44Sまたは44Pの検出出力から、s偏光成分7Sまたはp偏光成分7Pの全強度をモニタすることによって、検索用データと被検索データが完全に一致するか否か、ないし検索用データと被検索データとの間の相関度を、検出することができる。この場合、s偏光成分7Sおよびp偏光成分7Pの全強度を比較演算することにより、ノイズがキャンセルされて、より高精度に一致・不一致ないし相関度を検出することができる。
検索用データと被検索データが一致せず、図25に示すように、例えば、検索用データの{m,n}番地がs偏光(空間光変調器30の{m,n}番地30cの1/2波長板の軸が0°の回転)で、被検索データの{m,n}番地がp偏光であるときには、{m,n}番地の回折光4cは、空間光変調器30の{m,n}番地30cを通過することによって、p偏光となる。
また、検索用データの{k,l}番地がp偏光(空間光変調器30の{k,l}番地30dの1/2波長板の軸が45°の回転)で、被検索データの{k,l}番地がs偏光であるときには、{k,l}番地の回折光4dは、空間光変調器30の{k,l}番地30dを通過することによって、p偏光となる。
すなわち、空間光変調器30を通過した回折光は、検索用データと被検索データが一致する番地ではs偏光となり、一致しない番地ではp偏光となる。したがって、偏光ビームスプリッタ43で分離されたs偏光成分73Sは、検索用データと被検索データが一致しない番地で[暗]となり、逆にp偏光成分73Pは、検索用データと被検索データが一致しない番地で[明]となる。
したがって、光検出器アレイ44Sまたは44Pの検出出力から、s偏光成分7Sまたはp偏光成分7Pの番地ごとの明暗を検出することによって、検索用データと被検索データとの間の番地(ビット)ごとの一致・不一致を検出することができる。また、図17に示した光読取方法ないし光読取装置と同様に、図20に示すように、s偏光成分7Sおよびp偏光成分7Pの光強度を比較演算することにより、ノイズがキャンセルされて、より高精度に番地ごとの一致・不一致を検出することができる。
この光検索方法および光検索装置によれば、光検索ヘッド60の空間光変調器30に検索用データを書き込んだ状態で、光検索ヘッド60を光記録媒体10の同心円状に形成されている記録トラック上に移動させるとともに、モータ69により光記録媒体10を回転させることによって、大量のデータが記録されている光記録媒体10から、検索用データに一致する2次元データのみを、高速かつ高精度で取り出すことができる。しかも、照合部分とする検索用データは任意かつ容易に設定できるので、任意のデータを容易に検索することができる。
この発明の光記録媒体の断面構造を示す図である。 アゾベンゼンのトランス構造、シス構造、および側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルの化学構造の、化学式を示す図である。 光強度分布によるホログラムと偏光分布によるホログラムの説明に供する図である。 実験に用いた光学系を示す図である。 信号光と参照光の偏光方向が平行、直交、45°のときのホログラム記録時間に対する回折光強度を示す図である。 信号光と参照光の偏光方向が平行のときのホログラム回折光の偏光角と光強度の関係を示す図である。 信号光と参照光の偏光方向が直交するときのホログラム回折光の偏光角と光強度の関係を示す図である。 信号光と参照光の偏光方向が45°のときのホログラム回折光の偏光角と光強度の関係を示す図である。 参照光の偏光角の違いによるホログラム多重記録の説明に供する図である。 実験に用いた光学系を示す図である。 書き換えの場合の前に記録したホログラムからの回折光の偏光角と光強度の関係を示す図である。 書き換えの場合の後に記録したホログラムからの回折光の偏光角と光強度の関係を示す図である。 この発明の光記録方法および光記録装置の一例を示す図である。 図13の方法および装置によって記録トラックが形成される様子を示す図である。 図13の方法および装置に用いる偏光変調可能な空間光変調器の一例を示す図である。 図13の方法および装置による信号光の偏光分布を示す図である。 この発明の光読取方法および光読取装置の一例を示す図である。 図17の方法および装置によるホログラム回折光の偏光分布を示す図である。 この発明の光記録方法ないし装置およびこの発明の光読取方法ないし装置の他の例を示す図である。 読み取り出力のS/Nを高めるための比較演算方法を示す図である。 信号光の偏光方向を変えた多重記録の説明に供する図である。 信号光の偏光角を回転させたデータ記録の説明に供する図である。 信号光の偏光角を回転させてデータを記録した場合の読取時の比較演算方法を示す図である。 この発明の光検索方法および光検索装置の一例を示す図である。 図24の方法および装置でデータが検索される様子を示す図である。 従来の検索方法を示す図である。 従来の記録方法および相関検出方法を示す図である。 従来の方法に用いるLCD構成の空間光変調器を示す図である。
符号の説明
主要部については図中に全て記述したので、ここでは省略する。

Claims (16)

  1. 複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットのデータの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記データを保持する信号光を得、その信号光と参照光を同時に、光誘起複屈折性を示す偏光感応層を有する光記録媒体に照射して、前記偏光感応層中に前記信号光の空間偏光分布をホログラムとして記録する光記録方法。
  2. 請求項1の光記録方法において、
    前記信号光の空間偏光分布は、第1の偏光方向の画素部分およびこれと異なる第2の偏光方向の画素部分が分布したものとする光記録方法。
  3. コヒーレント光を発する光源と、
    複数の画素を有し、与えられた複数ビットのデータに応じて前記光源からの光を偏光変調して、複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに前記データの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記データを保持する信号光を得る空間光変調器と、
    この空間光変調器から得られた前記信号光を、光誘起複屈折性を示す偏光感応層を有する光記録媒体に照射する結像光学系と、
    前記光源からの光から参照光を得て、前記信号光と同時に前記光記録媒体に照射する参照光光学系と、
    を備える光記録装置。
  4. 請求項3の光記録装置において、
    前記信号光の空間偏光分布は、第1の偏光方向の画素部分およびこれと異なる第2の偏光方向の画素部分が分布したものとされる光記録装置。
  5. 請求項3または4の光記録装置において、
    前記光記録媒体がディスク形状であり、当該光記録装置が、前記光記録媒体を回転させる媒体駆動機構と、前記光源、前記空間光変調器、前記結像光学系および前記参照光光学系を含む光記録ヘッドを前記光記録媒体の径方向に移動させるヘッド移動機構とを備える光記録装置。
  6. 複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットのデータの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記データを保持する信号光が、参照光によりホログラムとして記録されている光記録媒体に読出光を照射して、前記ホログラムから回折光を得、
    その回折光のそれぞれの画素部分ごとに、その回折光中の所定偏光方向の偏光成分の光強度を検出して、前記データを読み取る光読取方法。
  7. 複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットのデータの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記データを保持する信号光が、参照光によりホログラムとして記録されている光記録媒体に読出光を照射して、前記ホログラムから回折光を得、
    その回折光のそれぞれの画素部分ごとに、その回折光中の互いに偏光方向が直交する2つの偏光成分の光強度を検出し、比較演算して、その演算結果から前記データを読み取る光読取方法。
  8. 複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットのデータの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記データを保持する信号光が、参照光によりホログラムとして記録されている光記録媒体に読出光を照射して、前記ホログラムから回折光を得る読出光光学系と、
    この読出光光学系によって得られた前記回折光中の、所定偏光方向の偏光成分を抽出する光学手段と、
    前記回折光のそれぞれの画素部分ごとに、前記所定偏光方向の偏光成分の光強度を検出して、前記データを読み取る光検出器と、
    を備える光読取装置。
  9. 複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットのデータの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記データを保持する信号光が、参照光によりホログラムとして記録されている光記録媒体に読出光を照射して、前記ホログラムから回折光を得る読出光光学系と、
    この読出光光学系によって得られた前記回折光を、互いに偏光方向が直交する2つの偏光成分に分離する偏光ビームスプリッタと、
    前記回折光のそれぞれの画素部分ごとに、前記2つの偏光成分の光強度を検出する2つの光検出器と、
    前記回折光のそれぞれの画素部分ごとに、前記2つの光検出器の出力信号を比較演算して、その演算結果から前記データを読み取る比較演算部と、
    を備える光読取装置。
  10. 請求項8の光読取装置において、
    前記光記録媒体がディスク形状であり、当該光読取装置が、前記光記録媒体を回転させる媒体駆動機構と、前記読出光光学系、前記光学手段および前記光検出器を含む光読取ヘッドを前記光記録媒体の径方向に移動させるヘッド移動機構とを備える光読取装置。
  11. 請求項9の光読取装置において、
    前記光記録媒体がディスク形状であり、当該光読取装置が、前記光記録媒体を回転させる媒体駆動機構と、前記読出光光学系、前記偏光ビームスプリッタおよび前記2つの光検出器を含む光読取ヘッドを前記光記録媒体の径方向に移動させるヘッド移動機構とを備える光読取装置。
  12. 複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットの検索対象データの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記検索対象データを保持する信号光が、参照光によりホログラムとして記録されている光記録媒体に読出光を照射して、前記ホログラムから回折光を得る工程と、
    その回折光を、複数の画素を有し、それぞれの画素ごとに複数ビットの検索用データの対応するビットの情報に応じて入射光の偏光を変調する状態に制御された空間光変調器に透過させる工程と、
    その透過光中の、所定偏光方向の偏光成分の光強度を検出することによって、前記検索対象データと前記検索用データとの間の一致・不一致を検出する工程と、
    を備える光検索方法。
  13. 複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットの検索対象データの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記検索対象データを保持する信号光が、参照光によりホログラムとして記録されている光記録媒体に読出光を照射して、前記ホログラムから回折光を得る読出光光学系と、
    この読出光光学系によって得られた前記回折光が透過する、複数の画素を有し、それぞれの画素ごとに複数ビットの検索用データの対応するビットの情報に応じて入射光の偏光を変調する状態に制御される空間光変調器と、
    この空間光変調器を透過した光中の、所定偏光方向の偏光成分を検出する光学手段と、
    その偏光成分の光強度を検出する光検出器と、
    この光検出器の出力信号から、前記検索対象データと前記検索用データとの間の一致・不一致を判定する手段と、
    を備える光検索装置。
  14. 請求項13の光検索装置において、
    前記光記録媒体がディスク形状であり、当該光検索装置が、前記光記録媒体を回転させる媒体駆動機構と、前記読出光光学系、前記空間光変調器、前記光学手段および前記光検出器を含む光検索ヘッドを前記光記録媒体の径方向に移動させるヘッド移動機構とを備える光検索装置。
  15. 光誘起複屈折性を示す偏光感応層を有する光記録媒体であって、
    複数の画素部分を有し、それぞれの画素部分ごとに複数ビットのデータの対応するビットの情報に応じた偏光方向とされた空間偏光分布により前記データを保持する信号光が、参照光によりホログラムとして前記偏光感応層中に記録されている光記録媒体。
  16. 請求項15の光記録媒体において、
    前記信号光の空間偏光分布は、第1の偏光方向の画素部分およびこれと異なる第2の偏光方向の画素部分が分布したものとされている光記録媒体。
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