JP3904048B2 - 光再生方法、光再生装置および光記録媒体 - Google Patents

光再生方法、光再生装置および光記録媒体 Download PDF

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    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/004Recording, reproducing or erasing methods; Read, write or erase circuits therefor
    • G11B7/0065Recording, reproducing or erasing by using optical interference patterns, e.g. holograms

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ホログラムとして記録された2次元データを読み取る方法および装置、および2次元データのホログラム記録再生に用いる光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
相変化型や光磁気型など、書き換え可能な光ディスクは、すでに広く普及している。これらの光ディスクは、一般の磁気ディスクに比べれば、記録密度が高いが、さらに記録密度を高めるためには、ビームスポット径を小さくして、隣接トラックまたは隣接ビットとの距離を短くするなどの必要がある。
【0003】
このような技術の開発によって実用化されたものに、DVDがある。読み出し専用のDVD−ROMは、直径12cmのディスクに片面で4.7GByteのデータを記録することができる。また、書き込み・消去が可能なDVD−RAMは、相変化方式によって、直径12cmのディスクに両面で5.2GByteの高密度記録が可能である。
【0004】
このように光ディスクの高密度化は年々進んでいるが、一方で、上記の光ディスクは面内にデータを記録するため、その記録密度は光の回折限界に制限され、高密度記録の物理的限界と言われる5Gbit/inchに近づいている。したがって、更なる大容量化のためには、奥行き方向を含めた3次元(体積型)の記録が必要となる。
【0005】
そこで、次世代のコンピュータファイルメモリとして、3次元的記録領域に由来する大容量性と2次元一括記録再生方式に由来する高速性とを兼ね備えたホログラムメモリが注目されている。
【0006】
ホログラムメモリでは、同一体積内に多重させて複数のデータページを記録することができ、かつ各ページごとにデータを一括して読み出すことができる。アナログ画像ではなく、2値のデジタルデータ「0,1」を「明、暗」としてデジタル画像化し、ホログラムとして記録再生することによって、デジタルデータの記録再生も可能となる。最近では、このデジタルホログラムメモリシステムの具体的な光学系や、体積多重記録方式に基づくSN比やビット誤り率の評価、または2次元符号化についての提案がなされ、光学系の収差の影響など、より光学的な観点からの研究も進展している。
【0007】
図7に、文献「D.Psaltis,M.Levene,A.Pu,G.Barbastathis and K.Curtis;Opt.Lett.20(1995)782」に示された、体積多重記録方式の一例であるシフト多重記録方式を示す。
【0008】
この文献に示されたシフト多重記録方式では、ホログラム記録媒体91をディスク形状とし、空間光変調器92を介して得られた物体光93を、レンズ94によってフーリエ変換して、ホログラム記録媒体91に照射すると同時に、対物レンズ95を介して得られた球面波の参照光96を、ホログラム記録媒体91に照射して、ホログラム記録媒体91の回転によって同じ領域に複数のホログラムを重ね書きする。例えば、ビーム径を1.5mmφとすると、ホログラム記録媒体91を数十μm移動させるだけで、ほぼ同じ領域に別のホログラムを、クロストークを生じることなく記録することができる。これは、参照光96が球面波であるため、ホログラム記録媒体91の移動によって参照光96の角度が変化したのと等価になることを利用したものである。
【0009】
この球面参照波シフト多重記録の移動距離、すなわち互いのホログラムを独立に分離できる距離δは、上記文献にも示されているように、
δspherical =δBragg +δNA
≒(λzo/(Ltanθs))+λ/(2NA)…(1)
で表される。ここで、λは信号光(物体光)の波長、zoは球面参照波を形成する対物レンズと記録媒体との距離、Lは記録媒体の膜厚、θsは信号光と球面参照波の交差角、NAは上記対物レンズの開口数である。
【0010】
この式(1)から、記録媒体の膜厚Lが大きいほど、シフト量δが小さくなって、多重度を増すことができ、記録容量を増大させることができる。さらに、シフト多重記録で、より効果的に記録容量の増大を図るには、記録領域を微小化すればよい。微小領域に多重記録することによって、より高密度の体積多重記録を実現することができる。
【0011】
そのため、ホログラムメモリシステムでは、信号光をレンズによってフーリエ変換して記録媒体に照射する。信号光の画像が細かいピッチ(高い空間周波数)を有する場合、このとき、記録媒体面での信号光の広がりζは、
ζ=kλfωx …(2)
で表される。kは比例定数、λは信号光の波長、fはフーリエ変換用のレンズの焦点距離、ωxは信号光の空間周波数である。したがって、フーリエ変換用のレンズとして焦点距離fが小さいものを用いれば、記録領域の微小化が可能である。
【0012】
さらに、記録媒体の前方にアパーチャーを配して、フーリエ変換後の信号光の必要な空間周波数成分のみを取り出して記録することによって、記録領域を微小化することも考えられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
また、1ページ内に、より多くのビットデータを詰め込めば、高密度の記録に加えて、高速の記録再生を実現することができる。さらに、同一体積内に多重記録された複数のデータページを同時に再生できれば、より高速の再生を実現することができる。
【0014】
しかしながら、従来のホログラム記録再生方法では、それぞれ2値画像化された複数ページのデータを、光記録媒体の同一領域に多重記録して、同時に再生し、互いに分離して読み取ることは困難である。
【0015】
そこで、この発明は、それぞれ2値画像化された2ページ分のデータを、光記録媒体の同一領域に多重記録して、同時に再生し、互いに分離して読み取ることができるようにし、高速の再生を実現できるようにしたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の光再生方法では、
それぞれ2値強度分布により2次元データを保持する2ページ分の信号光が、ページごとに参照光または信号光の偏光角が変えられて、それぞれホログラムとして、1ページ目のホログラムの明部および暗部からの回折光強度をIaおよびIb、2ページ目のホログラムの明部および暗部からの回折光強度をIcおよびIdとするとき、Ia+Ic≠Ib+Ic≠Ia+Id≠Ib+Idとなる状態で、同一領域に記録されている光記録媒体に読み出し光を照射して、前記2ページ分のホログラムから同時に回折光を再生し、
その回折光の各画素部分の光強度Iが、I1=Ia+Ic,I2=Ib+Ic,I3=Ia+Id,I4=Ib+Idのうちのいずれであるかを検出することによって、各ページの2次元データを分離して読み取る。
【0018】
【作用】
光誘起複屈折性(光誘起異方性、光誘起2色性)を示す材料は、これに入射する光の偏光状態に感応し、入射光の偏光方向を記録することができる。例えば、側鎖に光異性化する基を有する高分子または高分子液晶、または光異性化する分子を分散させた高分子は、直線偏光を照射すると、光異性化が誘起されて、直線偏光の方向に応じて屈折率の異方性を生じ、偏光方向を記録し、保存することができる。このとき、同時に参照光を照射すれば、信号光の偏光方向をホログラムとして記録することができる。
【0019】
通常のホログラムは、信号光(物体光)と参照光の偏光方向を同一(平行)にして記録する。このように記録される、または記録されたホログラムを、この明細書では強度変調型ホログラムと称する。
【0020】
これに対して、上記の光誘起複屈折性を示す材料は、信号光と参照光の偏光方向を直交させて、信号光をホログラムとして記録することができる。このように記録される、または記録されたホログラムを、この明細書では偏光変調型ホログラムと称する。ただし、偏光変調型ホログラムも、強度変調型ホログラムと同様に、2次元データに応じて空間的に2値に強度変調されたものとすることができる。
【0021】
例えば、P偏光の信号光を、P偏光の参照光によって、強度変調型ホログラムとして記録することができるとともに、S偏光の参照光によって、偏光変調型ホログラムとして記録することができる。強度変調型ホログラムとして記録されたP偏光の信号光は、S偏光の読み出し光によって、S偏光の回折光として再生することができ、偏光変調型ホログラムとして記録されたP偏光の信号光は、S偏光の読み出し光によって、P偏光の回折光として再生することができる。記録時、参照光の偏光角を変える代わりに、信号光の偏光角を変えてもよい。
【0022】
この場合、強度変調型ホログラムでの回折効率と偏光変調型ホログラムでの回折効率は、互いに異なるとともに、それぞれ光誘起複屈折性を示す材料層(以下、偏光感応層と称する)の膜厚によって変化する。したがって、偏光感応層の膜厚によって、強度変調型ホログラムからの回折強度と偏光変調型ホログラムからの回折強度との比を調整することができ、例えば、偏光変調型ホログラムからの回折強度を強度変調型ホログラムからの回折強度の約2倍にすることができる。
【0023】
これを利用して、この発明の光再生方法が前提とする光記録方法では、最初に、2値強度分布により2次元データを保持する第1の信号光を、第1のホログラム、例えば強度変調型ホログラムとして、光記録媒体に記録し、次に、2値強度分布により2次元データを保持する第2の信号光を、第1のホログラムの記録時とは参照光または信号光の偏光角を変えて、第2のホログラム、例えば偏光変調型ホログラムとして、光記録媒体の第1のホログラム、例えば強度変調型ホログラムが記録されている領域に記録する。
【0024】
このように多重記録した後、光記録媒体の強度変調型ホログラムと偏光変調型ホログラムが多重記録されている領域に読み出し光を照射することによって、強度変調型ホログラムと偏光変調型ホログラムを互いに偏光方向が直交する回折光成分として同時に読み出すことができる。例えば、強度変調型ホログラムが、P偏光の信号光がP偏光の参照光によって記録されたものであり、偏光変調型ホログラムが、P偏光の信号光がS偏光の参照光によって記録されたものであるときには、S偏光の読み出し光を照射することによって、強度変調型ホログラムからはS偏光の回折光成分が、偏光変調型ホログラムからはP偏光の回折光成分が、それぞれ得られる。
【0025】
このとき、強度変調型ホログラムからの回折光成分と偏光変調型ホログラムからの回折光成分は、合成されて得られるが、その回折光中における強度変調型ホログラムからの回折光成分と偏光変調型ホログラムからの回折光成分の強度は、1:2というように異なる。すなわち、強度変調型ホログラムからの回折光成分の明暗比を1:0とすれば、例えば、偏光変調型ホログラムからの回折光成分の明暗比は2:0となる。
【0026】
したがって、回折光の各画素部分の強度は、強度変調型ホログラムからの回折光成分の明暗、すなわち強度変調型ホログラムとして記録された信号光の明暗と、偏光変調型ホログラムからの回折光成分の明暗、すなわち偏光変調型ホログラムとして記録された信号光の明暗との組み合わせによって、例えば、3,2,1,0の4値のうちのいずれかになり、各画素部分につき、いずれの値であるかを検出することによって、強度変調型ホログラムとして記録されたデータと偏光変調型ホログラムとして記録されたデータとを分離して読み取ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(光記録媒体の例)
図1は、この発明の方法に用いる光記録媒体の一例を示し、ガラス基板などの透明基板11の一面側に偏光感応層12を形成したものである。
【0028】
偏光感応層12は、光誘起複屈折性を示し、偏光情報をホログラムとして記録できる材料であれば、どのようなものでもよいが、好ましい例として、側鎖に光異性化する基を有する高分子または高分子液晶、または光異性化する分子を分散させた高分子を用いることができる。また、その光異性化する基または分子としては、例えば、アゾベンゼン骨格を含むものが好適である。
【0029】
偏光感応層12の好ましい材料の一つとして、図2に示す化学式で表される、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを用いることができる。この材料は、特願平10−32834号に詳細に記載されているように、側鎖のシアノアゾベンゼンの光異性化による光誘起異方性によって、偏光情報を有するホログラムの記録、再生、消去が可能である。
【0030】
ホログラムを体積的(3次元)に記録するには、偏光感応層12の厚みは、少なくとも10μm程度必要であり、厚みを大きくするほど、記憶容量を大きくすることができる。なお、光記録媒体10全体を光誘起複屈折性を示す材料からなる偏光感応層としてもよい。
【0031】
偏光感応層12の材料として、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを用いた場合につき、偏光感応層12の膜厚と、これに記録した強度変調型ホログラムおよび偏光変調型ホログラムでの回折効率との関係を調べたところ、図3に示すような結果が得られた。強度変調型ホログラムおよび偏光変調型ホログラムは、それぞれ信号光および参照光の強度を約5W/cmにして記録し、再生用の読み出し光の強度を0.2W/cmとしたものである。
【0032】
これから明らかなように、強度変調型ホログラムでの回折効率と偏光変調型ホログラムでの回折効率は、偏光感応層12の膜厚によって変化し、偏光感応層12の膜厚によって、強度変調型ホログラムからの回折強度と偏光変調型ホログラムからの回折強度との比を調整することができる。この例の、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルの場合、偏光感応層12の膜厚を約11μmにすれば、偏光変調型ホログラムからの回折強度を強度変調型ホログラムからの回折強度の約2倍にすることができる。すなわち、強度変調型ホログラムからの回折光成分の明暗比を1:0とすれば、偏光変調型ホログラムからの回折光成分の明暗比を2:0とすることができる。
【0033】
このように、強度変調型ホログラムからの回折光成分の明暗比が1:0、偏光変調型ホログラムからの回折光成分の明暗比が2:0となる光記録媒体に、強度変調型ホログラムと偏光変調型ホログラムを多重記録した後、同時に再生すると、得られる回折光は、強度変調型ホログラムからの回折光成分と偏光変調型ホログラムからの回折光成分とが合成されたものになるので、回折光の各画素部分の強度は、図4に示すように、強度変調型ホログラムからの回折光成分の明暗、すなわち強度変調型ホログラムとして記録された信号光の明暗と、偏光変調型ホログラムからの回折光成分の明暗、すなわち偏光変調型ホログラムとして記録された信号光の明暗との組み合わせによって、3,2,1,0の4値のうちのいずれかになり、各画素部分につき、いずれの値であるかを検出することによって、強度変調型ホログラムとして記録されたデータと偏光変調型ホログラムとして記録されたデータとを分離して読み取ることができる。
【0034】
(光記録方法および光再生方法の例)
図5は、この発明の光記録方法および光再生方法の一例を示し、光記録媒体として、上述したように偏光変調型ホログラムからの回折強度が強度変調型ホログラムからの回折強度の約2倍になるものを用いる場合である。
【0035】
データのコーディング方法としては、ページ全体の信号光強度が一定に保持されるように、同図(A)に示すように、データ“0”を「明暗」で表し、データ“1”を「暗明」で表す差分コーディング法を用いる。
【0036】
記録時、まず、差分コーディング法によって1ページ目の2次元データをコーディングして、P偏光の信号光として、同図(B)のパターンAのような2値画像を得て、これを、P偏光の参照光によって、強度変調型ホログラムとして、光記録媒体に記録する。
【0037】
次に、差分コーディング法によって2ページ目の2次元データをコーディングして、P偏光の信号光として、同図(C)のパターンBのような2値画像を得て、これを、S偏光の参照光によって、偏光変調型ホログラムとして、光記録媒体の強度変調型ホログラムが記録されている領域に、強度変調型ホログラムに多重させて記録する。
【0038】
再生時には、このように多重記録された強度変調型ホログラムと偏光変調型ホログラムを、S偏光の読み出し光によって同時に再生する。このとき、強度変調型ホログラムからのS偏光の回折光成分と偏光変調型ホログラムからのP偏光の回折光成分とが合成された回折光が得られるとともに、強度変調型ホログラムからの回折強度と偏光変調型ホログラムからの回折強度との比が1:2であるので、その回折光は、図5(D)にパターンCとして示すように、強度変調型ホログラムと偏光変調型ホログラムが、ともに「明」の画素部分では、強度が3となり、強度変調型ホログラムが「暗」で、偏光変調型ホログラムが「明」の画素部分では、強度が2となり、強度変調型ホログラムが「明」で、偏光変調型ホログラムが「暗」の画素部分では、強度が1となり、強度変調型ホログラムと偏光変調型ホログラムが、ともに「暗」の画素部分では、強度が0となる。
【0039】
したがって、2次元アレイ構成の光検出器の各画素で、回折光の各画素部分の強度を検出し、信号処理手段で、光検出器の各画素の検出信号が、それぞれ上記の3,2,1,0の4値のうちのいずれであるかを検出することによって、図5(E)(F)に示すように、強度変調型ホログラムのパターンAと偏光変調型ホログラムのパターンBとを、すなわち強度変調型ホログラムとして記録された2次元データと偏光変調型ホログラムとして記録された2次元データとを、分離して読み取ることができる。
【0040】
(光記録装置および光再生装置の例)
図6は、この発明の光記録装置および光再生装置の一例を示し、光記録媒体10として、ディスク形状で、かつ偏光変調型ホログラムからの回折強度が強度変調型ホログラムからの回折強度の約2倍になるものを用いる場合である。
【0041】
記録再生ヘッド20の光源21としては、光記録媒体10の偏光感応層に感度のあるコヒーレント光を発するものを用いる。例えば、偏光感応層として、上述した側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを用いる場合には、これに感度のある波長515nmのアルゴンイオンレーザを用いる。
【0042】
光源21からの光1の偏光は、例えば紙面に垂直なS偏光で、この光源21からの光1を、空間フィルタ22を通過させて波面の乱れを除去した後、レンズ23によって平行光とし、さらにビームスプリッタ24によって2光束に分割する。
【0043】
そして、記録時には、シャッタ25を開けて、ビームスプリッタ24を透過したP偏光の光2を、信号光形成用の空間光変調器26に入射させる。図では省略した制御回路によって、空間光変調器26には、2次元データを差分コーディング法によってコーディングした、図5(B)(C)のパターンA,Bのような2値画像を表示する。これによって、空間光変調器26を透過した光4は、パターンA,Bのような2値画像の、P偏光の信号光となる。このような空間光変調器26としては、液晶パネルなどを用いることができる。
【0044】
この空間光変調器26からのP偏光の信号光4を、レンズ27によってフーリエ変換し、その変換後のP偏光の信号光5を、光記録媒体10に照射する。
【0045】
同時に、ビームスプリッタ24で反射したS偏光の光3を、偏光回転素子28に入射させ、図では省略した制御回路からの制御信号に応じて、偏光回転素子28を透過する光の偏光角を回転させる。このように透過光の偏光角を回転させることができる偏光回転素子28としては、液晶バルブ、ポッケルス素子、ファラデー素子、1/2波長板などを用いることができる。
【0046】
記録時には、この偏光回転素子28を透過した光6として、P偏光またはS偏光の参照光を得る。そして、そのP偏光またはS偏光の参照光6を、ミラー29aで反射させ、レンズ29bによって集光し、ミラー29cで反射させて、光記録媒体10の信号光5が照射される領域に照射する。
【0047】
これによって、光記録媒体10中に、P偏光の信号光5の2値画像が、参照光6がP偏光のときには強度変調型ホログラムとして、参照光6がS偏光のときには偏光変調型ホログラムとして、それぞれ記録される。この発明の光記録方法では、強度変調型ホログラムと偏光変調型ホログラムが順次、光記録媒体10の同一領域に記録される。
【0048】
この場合、モータ40により光記録媒体10を回転させることによって、光記録媒体10の周方向に場所を変えて複数のホログラムを記録することができる。このとき、参照光6として球面波を用いることによって、シフト多重記録を行うことができる。さらに、記録再生ヘッド20を光記録媒体10の径方向に移動させることによって、光記録媒体10中に同心円状の記録トラックを形成するようにホログラムを記録することができる。
【0049】
再生時には、シャッタ25を閉じて信号光5を遮断し、偏光回転素子28を透過した光6として、S偏光の読み出し光を得て、これを光記録媒体10の強度変調型ホログラムと偏光変調型ホログラムが多重記録されている領域に照射する。照射された読み出し光6は、強度変調型ホログラムおよび偏光変調型ホログラムによって回折されて、信号光5の光路上に、強度変調型ホログラムからのS偏光の回折光成分と偏光変調型ホログラムからのP偏光の回折光成分とが合成された回折光7が得られる。
【0050】
この回折光7を、レンズ51で平行光として、光検出器53上に結像させ、光検出器53の各画素で、回折光7の各画素部分の強度を検出する。さらに、再生信号処理回路70で、光検出器53の各画素の検出信号が、それぞれ上記の3,2,1,0の4値のうちのいずれであるかを検出することによって、強度変調型ホログラムとして記録された2次元データと偏光変調型ホログラムとして記録された2次元データとを分離して読み取る。
【0051】
モータ40により光記録媒体10を回転させることによって、光記録媒体10の周方向に場所を変えて記録されている複数のホログラムを読み出すことができる。また、記録再生ヘッド20を光記録媒体10の径方向に移動させることによって、光記録媒体10中に同心円状に形成されている記録トラックからホログラムを読み出すことができる。
【0052】
回折光7は、強度変調型ホログラムからのS偏光の回折光成分と偏光変調型ホログラムからのP偏光の回折光成分とが合成されたものであるので、その回折光7を、レンズ51によって平行光にした後、偏光ビームスプリッタに入射させて、偏光ビームスプリッタで反射したS偏光の回折光成分と、偏光ビームスプリッタを透過したP偏光の回折光成分とに分離し、S偏光の回折光成分を第1の光検出器で検出し、P偏光の回折光成分を第2の光検出器で検出するようにすれば、強度変調型ホログラムからの回折強度と偏光変調型ホログラムからの回折強度との比が1:2というような所定の比でなくても、強度変調型ホログラムとして記録されたデータと偏光変調型ホログラムとして記録されたデータとを分離して読み取ることができる。
【0053】
しかし、その場合には、2次元アレイ構成の光検出器を2個必要とし、光再生装置のコストアップを来たす。これに対して、この発明の方法によれば、1個の光検出器でよく、光再生装置の低コスト化を図ることができる。
【0054】
図6の例は、一つの装置で記録と再生を行えるようにした場合であるが、記録専用または再生専用の装置とすることもできる。記録専用の装置では、レンズ51、光検出器53および再生信号処理回路70は不要であり、これらを除外することによって、記録ヘッドの小型軽量化および記録装置の低コスト化を実現することができる。再生専用の装置では、シャッタ25、空間光変調器26およびレンズ27、さらに構成によってはビームスプリッタ24および偏光回転素子28は不要であり、これらを除外することによって、再生ヘッドの小型軽量化および再生装置の低コスト化を実現することができる。
【0055】
【発明の効果】
上述したように、この発明によれば、それぞれ2値画像化された2ページ分のデータを、光記録媒体の同一領域に多重記録して、同時に再生し、互いに分離して読み取ることができ、高速の再生を実現することができる。また、1個の光検出器でよいので、光再生装置の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法に用いる光記録媒体の一例を示す図である。
【図2】光記録媒体の偏光感応層の材料の一例の化学式を示す図である。
【図3】図2の材料を用いた偏光感応層の膜厚と2種のホログラムでの回折効率との関係を示す図である。
【図4】2種のホログラムの明暗と回折光強度との関係を示す図である。
【図5】この発明の光記録方法および光再生方法の一例を示す図である。
【図6】この発明の光記録装置および光再生装置の一例を示す図である。
【図7】シフト多重記録方式を説明するための図である。
【符号の説明】
4,5…信号光
6…参照光、読み出し光
7…回折光
10…光記録媒体
12…偏光感応層
20…記録再生ヘッド
21…光源
24…ビームスプリッタ
25…シャッタ
26…空間光変調器
28…偏光回転素子
40…モータ
53…光検出器
60…ヘッド移動機構
70…再生信号処理回路

Claims (9)

  1. それぞれ2値強度分布により2次元データを保持する2ページ分の信号光が、ページごとに参照光または信号光の偏光角が変えられて、それぞれホログラムとして、1ページ目のホログラムの明部および暗部からの回折光強度をIaおよびIb、2ページ目のホログラムの明部および暗部からの回折光強度をIcおよびIdとするとき、Ia+Ic≠Ib+Ic≠Ia+Id≠Ib+Idとなる状態で、同一領域に記録されている光記録媒体に読み出し光を照射して、前記2ページ分のホログラムから同時に回折光を再生し、
    その回折光の各画素部分の光強度Iが、I1=Ia+Ic,I2=Ib+Ic,I3=Ia+Id,I4=Ib+Idのうちのいずれであるかを検出することによって、各ページの2次元データを分離して読み取る光再生方法。
  2. それぞれ2値強度分布により2次元データを保持する2ページ分の信号光が、ページごとに参照光または信号光の偏光角が変えられて、それぞれホログラムとして、1ページ目のホログラムの明部および暗部からの回折光強度をIaおよびIb、2ページ目のホログラムの明部および暗部からの回折光強度をIcおよびIdとするとき、Ia+Ic≠Ib+Ic≠Ia+Id≠Ib+Idとなる状態で、同一領域に記録されている光記録媒体に読み出し光を照射して、前記2ページ分のホログラムを同時に読み出す読み出し光光学系と、
    その2ページ分のホログラムからの回折光の強度を検出する光検出器と、
    この光検出器の検出信号から、前記回折光の各画素部分の光強度Iが、I1=Ia+Ic,I2=Ib+Ic,I3=Ia+Id,I4=Ib+Idのうちのいずれであるかを検出することによって、各ページの2次元データを分離して読み取る信号処理手段と、
    を備える光再生装置。
  3. 請求項2の光再生装置において、
    前記光記録媒体がディスク形状であり、当該光再生装置が、前記光記録媒体を回転させる媒体駆動機構と、前記読み出し光光学系および光検出器を含む再生ヘッドを前記光記録媒体の径方向に移動させるヘッド移動機構とを備えることを特徴とする光再生装置。
  4. 光誘起複屈折性を示す材料からなる偏光感応層を有し、この偏光感応層の膜厚が、それぞれ2値強度分布により2次元データを保持する2ページ分の信号光を、ページごとに参照光または信号光の偏光角を変えて、それぞれホログラムとして前記偏光感応層に記録した場合における、1ページ目のホログラムの明部および暗部からの回折光強度をIaおよびIb、2ページ目のホログラムの明部および暗部からの回折光強度をIcおよびIdとするとき、Ia+Ic≠Ib+Ic≠Ia+Id≠Ib+Idとなる膜厚とされた光記録媒体。
  5. 請求項4の光記録媒体において、
    前記偏光感応層の材料が、側鎖に光異性化する基を有する高分子または高分子液晶である光記録媒体。
  6. 請求項4の光記録媒体において、
    前記偏光感応層の材料が、光異性化する分子を分散させた高分子である光記録媒体。
  7. 請求項5または6の光記録媒体において、
    前記光異性化する基または分子がアゾベンゼン骨格を含むものである光記録媒体。
  8. 請求項5〜7のいずれかの光記録媒体において、
    前記高分子または高分子液晶が、ポリエステル群から選ばれた少なくとも1種のモノマー重合体である光記録媒体。
  9. 請求項4〜8のいずれかの光記録媒体において、
    当該光記録媒体がディスク形状である光記録媒体。
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