JP2005234488A - 積層型電子写真感光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性基体上に電荷発生層及び電荷輸送層がこの順に積層された電子写真感光体において、高感度で画像カブリがなく、さらに露光メモリのない、優れた特性を有する積層型電子写真感光体を提供することを目的とする。
【解決手段】導電性基体上に、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とが設けられた積層型電子写真感光体であって、前記電荷輸送層に、正孔輸送剤として一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種と、電子輸送剤として一般式(II)で表される化合物の少なくとも1種とを含有する積層型電子写真感光体。
【化1】
Figure 2005234488

【選択図】 なし

Description

本発明は、複写機、プリンタ又はファクシミリなどの画像形成装置に使用され、電荷輸送層に特定のスチルベン誘導体及びナフトキノン誘導体を含有した積層型電子写真感光体に関する。
通常、複写機、ファクシミリ、プリンタなどの電子写真装置では、感光体を一様に主帯電し、所定の画像情報に基づく光照射により画像露光して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して感光体表面にトナー像を形成する。このようにして感光体表面に形成されたトナー像は転写紙に転写され、トナー像が転写された転写紙は、定着装置に導入され、熱、圧力により、トナー像の転写紙表面への定着が行われる。一方、転写終了後は、感光体表面に残存するトナーがクリーニングされ、さらに必要により除電(除電光の照射)され、これにより、画像形成行程の1サイクルが完了し、次の画像形成が行われる。
このような画像形成方法で使用される感光体としては、安価で、製造が容易である有機感光体が広く使用されている。
有機感光体は、電荷発生剤及び電荷輸送剤をバインダ樹脂中に分散させた単一の層からなる単層型有機感光体と、感光層が、電荷発生剤をバインダ樹脂中に分散させた電荷発生層と、電荷輸送剤をバインダ樹脂中に分散させた電荷輸送層との積層体からなる積層型有機感光体とが知られている。
実用化されている有機感光体のほとんどは、導電性基体上に電荷発生機能を有する層(電荷発生層)と電荷輸送機能を有する層(電荷輸送層)とからなる感光層を設けた機能分離型の積層型有機感光体であり、機能を分離することにより材料の選択幅も拡がり、感度、繰返し安定性、機械的強度等の特性も向上し、複写機、プリンタなどに数多く搭載されるようになってきた。
しかし、積層型有機感光体を、デジタル化に対応した反転現像系の装置に採用した場合には、感光体が除電された後でも、露光の影響が残り、感光体の表面電位が完全に回復しない状態で再び露光されるため、その部分の露光後電位が周囲よりも低くなり、画像上に濃度むらとなってあらわれる、いわゆる露光メモリが発生するという問題があった。
この露光メモリを改善するために、特定のフルオレン化合物等を用いることが提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
特開平7−43920号公報 特開2000−89493号公報
しかし、これらの化合物を用いても、十分な露光メモリの改善には至っておらず、また、感度や繰り返し使用時の電位安定性においても十分満足するものではないのが現状である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、導電性基体上に電荷発生層及び電荷輸送層がこの順に積層された電子写真感光体において、高感度で画像カブリがなく、さらに露光メモリのない、優れた特性を有する積層型電子写真感光体を提供することを目的とする。
本発明の積層型電子写真感光体によれば、導電性基体上に、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とが設けられた積層型電子写真感光体であって、前記電荷輸送層に、正孔輸送剤(HTM)として一般式(I)
Figure 2005234488
(式中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換又は非置換アルキル基、炭素数1〜20の置換又は非置換アルコキシ基、炭素数6〜20の置換又は非置換アリール基あるいは置換又は非置換アミノ基である)
で表される化合物の少なくとも1種と、電子輸送剤(ETM)として一般式(II)
Figure 2005234488
(式中、Rは、炭素数1〜10の置換又は非置換アルキル基、炭素数2〜10の置換又は非置換アルケニル基、炭素数6〜10の置換又は非置換アリール基、炭素数3〜10の置換又は非置換シクロアルキル基、炭素数6〜10の置換又は非置換シクロアルケニルあるいは炭素数7〜9の置換又は非置換アラルキル基であり、Rは、水素原子、−CO-R10又は−COO−R10(ここで、R10は、炭素数1〜20の置換又は非置換アルキル基、炭素数6〜20の置換又は非置換アリール基)であり、Rは、酸素原子又は
Figure 2005234488
である)
で表される化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴とする。
この積層型電子写真感光体では、一般式(II)の化合物を、一般式(II-I)又は一般式(II-II)
Figure 2005234488
(式中、R7aは、炭素数1〜10の置換又は非置換アルキル基、炭素数2〜10の置換又は非置換アルケニル基、炭素数6〜10の置換又は非置換アリール基、炭素数3〜10の置換又は非置換シクロアルキル基、炭素数6〜10の置換又は非置換シクロアルケニルあるいは炭素数7〜9の置換又は非置換アラルキル基であり、R8aは、水素原子であり、R7bは、炭素数1〜10の置換又は非置換アルキル基、炭素数6〜10の置換又は非置換アリール基であり、R8bは、−CO-R10又は−COO−R10(ここで、R10は、炭素数1〜20の置換又は非置換アルキル基、炭素数6〜20の置換又は非置換アリール基)である)
とすることができる。
本発明の電子写真感光体によれば、電荷輸送層に、正孔輸送剤として一般式(I)で表されるスチルベン誘導体の少なくとも1種と、電子輸送剤として一般式(II)で表される(ジ)ナフトキノン誘導体の少なくとも1種とを含有することにより、電荷移動度が大きいことに起因して感度を向上させることができるとともに、残留電位が小さく、繰り返し使用時の電位を安定に維持することができる。さらには、露光メモリを防止することができる。また、これらの化合物は、溶剤への溶解性及びバインダ樹脂との相溶性が高いため、耐久性に優れた電子写真感光体を提供することができる。
特に、一般式(II)の化合物が一般式(II-I)又は一般式(II-II)の化合物である場合には、電荷発生層に含まれる電荷発生剤の種類にかかわらず、上述した効果を発揮させることができる。
本発明の積層型電子写真感光体は、主として、電荷発生層と電荷輸送層とが導電性基体上に積層されて構成される。このような感光体は、電荷発生層、電荷輸送層の積層順序、両層に含有させる電荷発生剤及び電荷輸送剤の種類(正孔輸送剤及び電子輸送剤)等によって種々の組み合わせが考えられるが、この発明では、どのような組み合わせであってもよい。なお、電荷発生剤とともに電荷輸送剤を含有させた光導電層を、電荷発生層、電荷輸送層と組み合わせてもよい。また、電荷発生層又は電荷輸送層と基体との間、電荷発生層と電荷輸送層との間、あるいは電荷発生層又は電荷輸送層の上(感光体の最表面)に、感光体の特性を阻害しない範囲で中間層、バリア層、保護層等を形成してもよい。
本発明の電子写真感光体において、電荷輸送層は、主として正孔輸送剤と電子輸送剤とバインダ樹脂とによって構成される。
正孔輸送剤としては、一般式(I)に示した化合物の少なくとも1つを含有する。
一般式(I)のR〜Rにおけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられ、特に、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、ノルマルプロポキシ、イソプロポキシ、ノルマルブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ等が挙げられ、特に、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、ナフチル、ビフェニル、o−テルフェニル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。
〜Rのアルキル基等に置換される置換基としては、上述したようなハロゲン原子、上述したようなアルキル基、アリール基等が挙げられる。
〜Rとしては、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。また、R〜Rのうち少なくとも一つがオルソ位に置換されている一般式(I)で表わされる化合物が好ましく、なかでも、以下のHT1〜HT5の化合物が好ましい。
Figure 2005234488
この一般式(I)の化合物は、例えば、以下の反応式(1)に示したように、式(2)及び(2’)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、式(3)で表されるジリン酸エステル誘導体とを、塩基の存在下に反応させることにより、製造することができる。なお、以下の製造方法の説明においては、置換基R〜Rは、一般式(I)における定義と同義である。
Figure 2005234488
(A)ホルミル化トリフェニルアミン誘導体
式(2)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体は、以下の反応式(2)に示したように、式(4)で表されるアニリン誘導体と、ヨードベンゼンとを反応させて、式(5)で表されるトリフェニルアミン誘導体を得た後、このトリフェニルアミン誘導体をフィルスマイヤー(Vilsmeier)法によりホルミル化して、一般式(6)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体を得、さらにこのホルミル化トリフェニルアミン誘導体をウィッチヒ(Wittig)反応によって、一般式(7)で表されるトリフェニルアミン誘導体とし、これをさらにフィルスマイヤー(Vilsmeier)法によりホルミル化して得ることができる。
Figure 2005234488
上記の反応において、一般式(4)で表されるアニリン誘導体と、ヨードベンゼンとの添加割合は、目的物であるトリフェニルアミン誘導体の生成量を向上させ、さらに、未反応のヨードベンゼンの残留を少なくして目的物であるトリフェニルアミン誘導体の精製を容易にするために、モル比で1:2.0〜1:2.4程度の範囲内の値とすることが好ましい。
また、一般式(4)で表されるアニリン誘導体とヨードベンゼンとの反応は、比較的簡易な製造設備を用いて所望の反応を効率的に行うために、160〜220℃程度の温度範囲内で、4〜30時間程度の範囲内とすることが好ましい。
さらに、フィルスマイヤー法に使用するフィルスマイヤー試薬(Vilsmeier試薬)としては、以下の化合物(i)及び(ii)を組合せて用いることが好ましい。
(i)オキシ塩化リン、ホスゲン、塩化オキサリル、塩化チオニル、トリフェニルホスフィン−臭素、ヘキサクロロトリホスファザトリエン等のハロゲン化剤、
(ii)N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルホルムアニリド(MFA)、N−ホルミルモルホリン、N,N−ジイソプロピルホルムアミド。
なかでも、オキシ塩化リンと、溶媒としても使用できるDMFとの組み合わせが好ましい。
化合物(i)と(ii)との使用割合は、通常モル比で、1:1〜1:20の範囲内の値とすることが好ましく、1:1〜1:5の範囲内の値とすることがより好ましい。フィルスマイヤー試薬の使用量は、一般式(5)で表されるトリフェニルアミン誘導体1モルに対して、0.9〜2倍モル量の範囲内の値とすることが好ましく、1〜1.1倍モル量の範囲内の値とすることがより好ましい。なお、フィルスマイヤー法における、トリフェニルアミン誘導体のホルミル化反応は、通常130℃以下の温度で行い、反応時間を2〜5時間の範囲内とすることが好ましい。
(B)ジリン酸エステル誘導体
式(3)で表されるジリン酸エステル誘導体は、以下の反応式(3)に示すように、合成することができる。
Figure 2005234488
このジリン酸エステル誘導体の合成反応において、ジリン酸エステル誘導体(3)を高い収率で得るために、例えば、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼンに対して、亜リン酸トリエチルを無溶媒又は適当な溶媒中に添加して、反応させることが好ましい。また、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン1モルに対して、亜リン酸トリエチルの使用割合を、少なくとも2倍モル当量とすることが好ましく、2〜4倍モル量とすることがより好ましい。反応温度は、通常80〜150℃とし、反応時間は2〜10時間とすることが好ましい。
溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。また、反応の際に、所定量の第三級アミンを添加することも好ましい。第三級アミンによって、反応系からハロゲン化アルキルが除去されるため、ジリン酸エステル誘導体の合成反応を促進できるからである。好適な第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等の一種又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
(C)反応条件
(1)反応温度と反応時間
一般式(2)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、ジリン酸エステル誘導体(3)との反応は、通常−10〜30℃で行うことが好ましく、その反応時間を1〜12時間とすることが好ましい。
(2)溶媒
一般式(2)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体と、ジリン酸エステル誘導体(3)との反応に使用する好適な溶媒としては、この反応に影響を及ぼさないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
(3)塩基
この反応に使用する塩基としては、ナトリウムメトキシドやナトリウムエトキシド等のナトリウムアルコキシド、水素化ナトリウムや水素化カリウム等の金属水素化物が好適なものとして挙げられる。塩基の添加量は、両者の反応性の低下を防止し、反応を制御しやすくするために、ホルミル化トリフェニルアミン誘導体1モルに対して、1.1〜1.2モルとすることが好ましい。
(4)添加割合
ジリン酸エステル誘導体(3)と、一般式(2)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体との反応を実施するにあたり、添加割合を、モル比で1:1.8〜1:2.2、さらに1:2.0〜1:2.4とすることが好ましい。両者が1:1で反応することを防止し、未反応のホルミル化トリフェニルアミン誘導体の精製を容易とするためである。
電子輸送剤としては、一般式(II)に示した化合物の少なくとも1つを含有する。
一般式(II)のRにおけるアルキル基、アリール基は、炭素数に応じて上記したものと同様のものが挙げられる。また、炭素数2〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル等が挙げられる。炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル等が挙げられる。炭素数6〜10のシクロアルケニル基としては、例えば、シクロヘキセニル、シクロペンテニル等が挙げられる。炭素数7〜9のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等が挙げられる。R10におけるアルキル基及びアリール基は上記と同様のものが挙げられる。
、R10のアルキル基等に置換される置換基としては、上述したようなハロゲン原子、上述したようなアルキル基及びアリール基、アルコキシ基(例えばエトキシ基等)、アミノ基、置換アミノ基(ジメチルアミノ、ジエチルアミノ基等)、アリロキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アシロキシ基(例えば、アセチルオキシ基等)等が挙げられる。
一般式(II)の化合物のうち、特に、一般式(II-I)及び(II-II)の化合物が好ましい。なお、これら一般式(II-I)及び(II-II)の化合物におけるR7a、R8a、R7b、R8b及びR10は、上記と同様のものが挙げられる。
一般式(II-I)の化合物の具体例としては、3,3’−ジメチル−4,4’−ジナフトキノン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジナフトキノン、3,3’−ジプロピル−4,4’−ジナフトキノン、3,3’−ジt−ブチル−4,4’−ジナフトキノン、3,3’−ジ(2−エチルヘキシル)−4,4’−ジナフトキノン、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジナフトキノン、3,3’−ジトリル−4,4’−ジナフトキノン、3,3’−ジベンジル−4,4’−ジナフトキノン、3,3’−ジシクロヘキシル−4,4’−ジナフトキノン等のジナフトキノン誘導体が挙げられる。
一般式(II-II)の化合物の具体例としては、以下に示すナフトキノン誘導体が挙げられる。なお、一般式(II-I)の化合物と一般式(II-II)とを組み合わせて用いてもよい。
Figure 2005234488
この一般式(II)の化合物は、例えば、特開平11−311872号公報、特開平9−151157号公報等に記載の方法又はこれに準じた方法によって製造することができる。
電荷輸送層を構成するバインダ樹脂としては、特に限定されるものではなく、この分野で公知のバインダ樹脂のいずれを用いてもよい。例えば、スチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂などの熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリウレタン、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ−アクリレート、ウレタン−アクリレートなどの光硬化性樹脂、特開平9−151157号公報及び特開平11−311872号公報に記載のバインダ樹脂などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用できるほか、2種以上を併用してもよい。なかでも、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレートが好ましい。
なお、例えば、正孔輸送剤であるポリ-N-ビニルカルバゾールや有機ポリシラン化合物等の高分子を用いる場合に、これらの化合物をバインダ樹脂として機能させて、上述したようなバインダ樹脂を省略してもよい。
電荷輸送層を構成するために、電子及び正孔輸送剤とバインダ樹脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲及び結晶化しない範囲で種々の割合で使用することができる。例えば、光照射により電荷発生層で生じた電荷が容易に輸送できるように、バインダ樹脂100重量部に対して、電子及び正孔輸送剤を5〜300重量部、好ましくは25〜100重量部の割合で配合するのが適当である。正孔輸送剤と電子輸送剤とは、例えば、10:1〜10、好ましくは10:1〜4程度とすることが適当である。この範囲であれば適切な感度を維持したままで、効果的に露光メモリを防止することができる。電荷輸送層の厚みは、例えば、2〜100μm、好ましくは5〜50μm程が挙げられる。
なお、電荷輸送層には、上述した一般式(I)及び一般式(II)の化合物とともに、従来公知の他の電子輸送剤及び/又は正孔輸送剤を含有させてもよい。
電子輸送剤としては、例えば、ベンゾキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物〔例えば、2,6-ジメチル-2',6'-t-ブチルベンゾキノンなど〕、ナフトキノン系化合物、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8-トリニトロチオキサントン、フルオレノン系化合物〔例えば、2,4,7-トリニトロ-9-フルオレノンなど〕、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、無水こはく酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、2,4,7-トリニトロフルオレノンイミン系化合物、エチル化ニトロフルオレノンイミン系化合物、トリプトアントリン系化合物、トリプトアントリンイミン系化合物、アザフルオレノン系化合物、ジニトロピリドキナゾリン系化合物、チオキサンテン系化合物、2-フェニル-1,4-ベンゾキノン系化合物、2-フェニル-1,4-ナフトキノン系化合物、5,12-ナフタセンキノン系化合物、α-シアノスチルベン系化合物、4'-ニトロスチルベン系化合物、ならびに、ベンゾキノン系化合物の陰イオンラジカルとカチオンとの塩、特開平9−151157号公報及び特開平11−311872号公報に記載の電子輸送剤などが挙げられる。これらの電子輸送剤は単独で使用できるほか、2種以上を併用してもよい。
また、正孔輸送剤としては、例えば、ベンジジン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、ナフチレンジアミン系化合物、フェナントリレンジアミン系化合物、オキサジアゾール系化合物〔例えば、2,5-ジ(4-メチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾールなど〕、スチリル系化合物〔例えば、9-(4-ジエチルアミノスチリル)アントラセンなど〕、ジスチリル化合物、カルバゾール系化合物〔例えば、ポリ-N-ビニルカルバゾールなど〕、ピラゾリン系化合物〔例えば、1-フェニル-3-(p-ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンなど〕、ヒドラゾン系化合物〔例えば、ジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾンなど〕、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物、ブタジエン系化合物、ピレン−ヒドラゾン系化合物、アクロレイン系化合物、カルバゾール−ヒドラゾン系化合物、キノリン−ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、スチルベン−ヒドラゾン系化合物、ジフェニレンジアミン系化合物及び有機ポリシラン系化合物、特開平9−151157号公報及び特開平11−311872号公報に記載の正孔輸送剤などが挙げられる。これらの正孔輸送剤は単独で使用できるほか、2種以上を併用してもよい。
電荷輸送層は、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー又は超音波分散器などを用いて、少なくともバインダ樹脂と電荷輸送剤とを、溶剤に分散混合して塗工液を調製し、これを公知の手段により塗布又は浸漬し、室温で、加熱して、あるいは熱風吹きつけ等により乾燥する塗布法又は浸漬塗工法等により形成することができる。なお、電荷輸送剤の分散性、電荷輸送層表面の平滑性をよくするため、塗工液に界面活性剤、レベリング剤などを添加してもよい。
ここで、溶剤としては、種々の有機溶剤が使用でき、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類;クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化水素;ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒等の溶剤を、1種又は2種以上混合して用いてもよい。溶剤は、用いるバインダ樹脂の種類、電荷発生剤の種類、溶剤の種類等によって異なるが、バインダ樹脂に対して1〜500重量倍程度で用いることができる。
本発明における積層型電子写真感光体の電荷発生層に含有される電荷発生剤としては、例えば、非晶質無機材料(例えば、a-シリコン、a-炭素、セレン−テルル、セレン−砒素、硫化カドミウム等)等の無機光導電材料の粉末、無金属フタロシアニン、金属(例えば、チタン、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、インジウム、ガリウム、錫、亜鉛、バナジウム等)又はこれら金属の酸化物(例えば、TiO等)が配位したフタロシアニン等の種々の結晶型を有する結晶からなるフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、ペリレン系顔料、アンサンスロン系顔料、インジゴ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料、ジチオケトピロロピロール系顔料、特開平9−151157号公報及び特開平11−311872号公報に記載の電荷発生剤等、従来公知の種々の顔料が挙げられる。これらは、感光層が露光の波長域に感度を有するように、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、感度を向上させるために、例えば、ターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
電荷発生層を構成するバインダ樹脂は上記と同様のものを用いることができる。この場合の電荷発生剤は、バインダ樹脂100重量部に対して5〜1000重量部、好ましくは30〜500重量部の割合で配合するのが適当である。電荷発生層の厚みは、例えば、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μm程が挙げられる。
なお、電荷発生層及び電荷輸送層には、上記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、添加剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル補足剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプタ、ドナー等の当該分野で通常用いられている添加剤を配合することができる。
電荷発生層及び電荷輸送層を形成する導電性基体として、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。基体としては例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鋳等の金属単体や、これら金属が蒸着又はラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等が挙げられる。
基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ベルト状、ドラム状等のいずれであってもよい。また、基体は、使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。
以下、本発明の積層型電子写真感光体の実施例を詳細に説明する。
[合成例]:一般式(I)のスチルベン誘導体の合成
1.トリフェニルアミン誘導体の合成
式(13)で表されるトリフェニルアミン誘導体を、下記の反応式(4)に示したように、合成した。
容量500mlの2つ口フラスコ内に、無水炭酸カリウム152.0g(1.10mol)及び粉末銅9.5g(0.15mol)を加え、2時間加熱して、均一になるまで攪拌した。次いで、室温まで冷却した後、式(12)で表されるアニリン化合物67.6g(0.5mol)と、ヨードベンゼン305.9g(1.5mol)とを添加し、その後、220℃に再加熱し、2.5時間反応させた。続いて、室温まで冷却し、100mlのトルエンを添加した後、ろ過処理をした。得られた残渣をトルエンで溶解し、活性白土を用いて乾燥させた。その後、残渣をトルエンで溶解し、さらにメタノールを添加して晶析させた。再度、残渣をトルエンで溶解し、さらにメタノールを添加して晶析させ、得られた結晶をろ別して、乾燥した。続いて、得られた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/へキサン溶媒)を用いて精製し、式(13)で表されるトリフェニルアミン誘導体79.3gを得た(収率55.2%)。
Figure 2005234488
2.ホルミル化トリフェニルアミン誘導体の合成
次いで、式(14)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体を、下記の反応式(5)に示したように、合成した。
500mlのフラスコ内に、式(13)で表されるトリフェニルアミン誘導
体60g(0.21mol)と、ジメチルホルムアミド(DMF)450mlと、オキシ塩化リン酸41.8g(0.27mol)とを収容し、85℃以上で、3時間撹拌した。反応後、反応液をイオン交換水600ml中に滴下し、析出した固体をろ別した。得られた固体はイオン交換水にて撹拌洗浄した。その後、固体をトルエンに溶解させ、有機層をイオン交換水にて5回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウム及び活性白土を加え、乾燥及び吸着処理した。その後、トルエンを減圧留去し、残渣を200mlのトルエンに溶解させ、メタノールより晶析させ、式(14)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体51.4gを得た(収率77.6%)。
Figure 2005234488
3.リンイリドの合成
式(8)で表されるリンイリドを、下記の反応式(6)に示したように合成した。
α−ブロモジフェニルメタン150g(0.61mol)と、トリエタノールリン酸121g(0.72mol)とを添加して、210℃で加熱し、1時間撹拌した。
その後、室温まで冷却し、真空蒸留にて精製を実施した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル溶媒)を用いて精製し、式(8)で表されるリンイリド168.4gを得た(収率90.7%)。
Figure 2005234488
4.トリフェニルアミン誘導体
次いで、式(15)で表されるトリフェニルアミン誘導体を、下記の反応式(7)に示したように合成した。
1000mlの四つ口フラスコ内に、式(8)で表されるリンイリド25g
(0.082mol)を加えた後、アルゴンガス置換を行い、さらにTHF100mlを収容して、5℃以下で反応させた。その後、n−BuLi(ヘキサン溶液中で1.6M)51.2mlを滴下して、7℃以下で30分間撹拌した。さらに、ホルミル化トリフェニルアミン誘導体18g(0.057mol)をTHF45mlに溶解したものを滴下し、6℃以下で30分間撹拌した。この反応液をイオン交換水500mlに加え、トルエン抽出を行った。さらにその有機層を、イオン交換水を用いて5回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性白土を用いて、乾燥及び吸着処理した。続いて、有機溶媒を留去して、常温で2日間放置し、析出した固体を、石油エーテルを用いてろ別し、得たれた固体を減圧乾燥した。得られた固体は、カラムクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム/へキサン溶媒)にて精製をして、式(15)で表されるトリフェニルアミン誘導体21.4gを得た(収率80.6%)。
Figure 2005234488
5.ホルミル化トリフェニルアミン誘導体の合成
式(16)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体を、下記の反応式(8)に示したように、合成した。
500mlのフラスコ内に、式(15)で表されるトリフェニルアミン誘導体20g(0.043mol)と、ジメチルホルムアミド(DMF)300mlと、オキシ塩化リン酸8.6g(0.06mol)とを収容して、95℃で3時間攪拌させた。その後、反応液をイオン交換水500mlに注ぎ、析出した結晶をろ別した。得られた固体をイオン交換水にて2回撹拌洗浄した。さらに、得られた結晶をトルエンに溶解させて、有機層を、イオン交換水を用いて5回洗浄した。続いて、有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性白土を加え、乾燥及び吸着処理した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム溶媒)にて精製し、式(16)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体17.8gを得た(収率84.0%)。
Figure 2005234488
6.ジリン酸エステル誘導体の合成
式(3)で表されるジリン酸エステル誘導体を、下記の反応式(3)に示したように、合成した。
500mlのフラスコ内に、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン52.5g(0.3mol)と、亜リン酸トリエチル130g(0.78mol)とを収容して、8時間以上還流した。その後、冷却して、析出結晶をろ別した。さらに、結晶をn−へキサンを用いて洗浄し、クロロホルム−n−ヘキサンを用いて再結晶させ、式(3)で表されるジリン酸エステル誘導体98.1gを得た(収率86.4%)。
Figure 2005234488
7.スチルベン誘導体の合成
式(9)で表されるスチルベン誘導体を、下記の反応式(9)に示したように、合成した(なお、反応式(9)における式(9)のスチルベン誘導体は、上記に例示した化合物(HT5)と同じ化合物である)。
500mlの2つ口フラスコ内に、先の工程で得られた式(3)のジリン酸エステル6.8g(0.018mol)を添加し、アルゴン置換した後、THF50mlと、NaOMe8.3g(0.043mol)/THF30mlとを収容し、30分間攪拌した。次いで、この容器内に、上述した式(16)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体18g(0.036mol)を溶解させ、室温で約12時間撹拌した。次いで、反応液をイオン交換水500mlに注ぎ、希塩酸を用いて、水層を中性から弱酸性にした。さらに、トルエン抽出を行って、有機層をイオン交換水にて5回洗浄した。その後、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥して、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサ)で精製して、式(9)で表されるスチルベン誘導体14.6gを得た(収率76.5%)。
得られたスチルベン誘導体の赤外吸収スペクトルを図1に示す。また、プロトン−NMRチャート(全体図及び2つの拡大図)を図2、図3及び図4に示す。
Figure 2005234488
[実施例1]
(中間層の形成)
まず、結着樹脂としてフェノール樹脂(大日本インキ社製のTD447)60重量部、顔料として酸化チタン(富士チタン工業製のTA-300)100重量部及び分散媒としてメタノール100重量部を、ボールミル(φ1のジルコニアビーズ)に投入し、24時間混合、分散させて、中間層用の塗布液を調製した。
次いで、得られた塗布液を、直径30mmのアルミニウム素管(基体)上にテフロン(登録商標)ブレードを用いて塗布した。その後、150℃で30分間乾燥させて、平均膜厚が10μmの中間層を形成した。
(電荷発生層の形成)
顔料としてのY型チタニルフタロシアニン1重量部を、分散媒としてのエチルセロソルブ39重量部に添加し、超音波分散機を用いて1次分散させた。この分散液にさらに、結着樹脂としてのポリビニルブチラール(積水化学工業製のBM-1)1重量部を9重量部のエチルセロソルブに溶解させた液を添加して、再び超音波分散機を用いて2次分散させて、積層型感光層のうち電荷発生層用の塗布液を調製した。
次に、この塗布液を、中間層を形成した基体上に、テフロン(登録商標)ブレードを用いて塗布し、110℃で5分間乾燥させて、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の形成)
続いて、表1に示した処方に従って、上述した合成例に準じて合成された正孔輸送剤(HTM)であるスチルベン化合物(HT1)80重量部と、電子輸送剤(ETM)であるジフェノキノン誘導体(ET1)20重量部と、結着樹脂であるZ型ポリカーボネート(帝人化成製のパンライトTS2050)100重量部とを、800重量部のテトラヒドロフランとともに混合、分散させて、電荷輸送層用の塗布液を得た。なお、正孔輸送剤であるスチルベン化合物(HT1)は上記に示しており、電子輸送剤であるジフェノキノン誘導体(ET1)は以下に示す。
Figure 2005234488
この塗布液を、形成された電荷発生層上に、テフロン(登録商標)ブレードを用いて塗布し、110℃で30分間乾燥させて、膜厚30μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、実施例1の積層型電子写真感光体を得た。
(電子写真感光体の評価)
評価マシンとして、レーザープリンタ LBP-450(キヤノン社製)を用いた。
露光メモリの評価は、ドラム1周目に黒ベタ文字を印字し、ドラム2周目以降でグレー画像を印字し、グレー部にドラム1周目の黒ベタ文字が現れるかどうかを判断した。
なお、黒ベタ文字が全く発生しないものを○、わずかに発生するが、実使用上問題ないものを△、明らかに黒ベタ文字が発生しており、その程度がひどいものを×として、表1に示した。
また、感度を評価するために、感度及び帯電を、1000枚のランニング前後について測定した。その結果を併せて表1に示した。
[実施例2〜15]
電荷輸送層における正孔輸送剤(HTM)及び/又は電子輸送剤(ETM)を、表1に示したように変更する以外は、実施例1と同様に積層型電子写真感光を作製した。また、実施例1と同様に評価した。
なお、実施例2〜15で用いた正孔輸送剤(HTM)であるHT1〜HT5、電子輸送剤(ETM)であるET3及びET4は上記に示しており、ET2は以下に示す。
Figure 2005234488
[比較例1〜8]
電荷輸送層における正孔輸送剤(HTM)及び/又は電子輸送剤(ETM)を、表1に示したように変更する以外は、実施例1と同様に積層型電子写真感光を作製した。また、実施例1と同様に評価した。
比較例1〜8で用いた正孔輸送剤(HTM)であるHT6及びHT7、電子輸送剤(ETM)であるET5及びET6を以下に示す。
Figure 2005234488
Figure 2005234488
実施例1〜15に示すように、電荷輸送層に、正孔輸送剤として一般式(I)で表されるスチルベン誘導体を少なくとも1種含有することにより、電荷移動度が大きくなることに起因して、感度を向上し、また、繰り返し使用時の電位を安定に維持することができる。さらに実施例1〜15は電子輸送剤として一般式(II)で表される(ジ)ナフトキノン誘導体を1種含有しているので、比較例1〜8に比べて、露光メモリを極めて有効に防止することができる。
本発明は、レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置及びこれらの機能を併せも複合装置等の広範囲な画像形成装置に適用することができる。
式(9)で表されるスチルベン誘導体の赤外分光(IR)チャートを説明するための図である。 式(9)で表されるスチルベン誘導体のプロトン−NMRチャートを説明するための図である。 式(9)で表されるスチルベン誘導体のプロトン−NMRチャートを拡大して説明するための図である(その1)。 式(9)で表されるスチルベン誘導体のプロトン−NMRチャートを拡大して説明するための図である(その2)。

Claims (3)

  1. 導電性基体上に、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とが設けられた積層型電子写真感光体であって、
    前記電荷輸送層に、正孔輸送剤として一般式(I)
    Figure 2005234488
    (式中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換又は非置換アルキル基、炭素数1〜20の置換又は非置換アルコキシ基、炭素数6〜20の置換又は非置換アリール基あるいは置換又は非置換アミノ基である)
    で表される化合物の少なくとも1種と、電子輸送剤として一般式(II)
    Figure 2005234488
    (式中、Rは、炭素数1〜10の置換又は非置換アルキル基、炭素数2〜10の置換又は非置換アルケニル基、炭素数6〜10の置換又は非置換アリール基、炭素数3〜10の置換又は非置換シクロアルキル基、炭素数6〜10の置換又は非置換シクロアルケニルあるいは炭素数7〜9の置換又は非置換アラルキル基であり、Rは、水素原子、−CO-R10又は−COO−R10(ここで、R10は、炭素数1〜20の置換又は非置換アルキル基、炭素数6〜20の置換又は非置換アリール基)であり、Rは、酸素原子又は
    Figure 2005234488
    である)
    で表される化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴とする積層型電子写真感光体。
  2. 一般式(II)の化合物が、一般式(II-I)
    Figure 2005234488
    (式中、R7aは、炭素数1〜10の置換又は非置換アルキル基、炭素数2〜10の置換又は非置換アルケニル基、炭素数6〜10の置換又は非置換アリール基、炭素数3〜10の置換又は非置換シクロアルキル基、炭素数6〜10の置換又は非置換シクロアルケニルあるいは炭素数7〜9の置換又は非置換アラルキル基であり、R8aは、水素原子である)
    で示されるジナフトキノン誘導体である請求項1に記載の積層型電子写真感光体。
  3. 一般式(II)の化合物が、一般式(II-II)
    Figure 2005234488
    (式中、R7bは、炭素数1〜10の置換又は非置換アルキル基、炭素数6〜10の置換又は非置換アリール基であり、R8bは、−CO-R10又は−COO−R10(ここで、R10は、炭素数1〜20の置換又は非置換アルキル基、炭素数6〜20の置換又は非置換アリール基)である)
    で示されるナフトキノン誘導体である請求項1に記載の積層型電子写真感光体。

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