JP2005234033A - 光電気回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光導波路にダメージを与えることなく電極パッドや電気配線からなる電気回路を形成した光電気回路基板を得る。
【解決手段】 基板1上に、クラッド部2およびその内部のコア部3からなる光導波路6が形成され、基板1上もしくは光導波路6上に電気回路を構成する導体層5が形成されており、導体層5は、基板1上もしくは光導波路6上に形成された分断隔壁4によって、基板1の上面もしくは光導波路6の上面に被着している部分と分断隔壁4の上面に被着している部分とに分断されている光電気回路基板である。導体層5が分断隔壁4によって物理的にかつ電気的に分断されることによって信号配線やグランド配線等の電気配線や電極パッドからなる電気回路が形成されるので、電気回路の形成のために光導波路6を形成した後にリフトオフ法やエッチングを用いる必要がなく、従って、光導波路6にダメージを与えることなく電気回路を形成することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信システム用の光送受信モジュールやチップ間光インターコネクション等に使用される、低伝搬損失な光導波路および電気回路を構成する導体層を有する光電気回路基板に関するものである。
近年、光ファイバを使用した光通信システムにおいて、基板上に、光信号を伝送するための光導波路と、光信号を受信するための受光素子と、光信号を発信するための発光素子と、これらの受光素子,発光素子を実装するための金属電極パッド部および受光素子,発光素子の駆動や信号の処理を行なうための電気配線等を有する電気回路を構成する導体層と、電気回路に接続された回路素子と、外部と信号をやり取りするための光ファイバ等とが配置された光電気回路基板を使用した光送受信モジュールが用いられている。
例として、特許文献1(特開2000−241642号公報)で提案されている光電気回路基板を用いた光送受信モジュールの例を図2に斜視図で示す。プラットフォーム110の中央に直線状に設けられ受信光と送信光を導く光ガイド(光導波路)114,光導波路114の終端に設けられ送信光を発生する発光素子(LD,LED)124,光ガイド114の途中においてその直上に設けられ受信光を検知するPD115,前置増幅器122,光ガイド114の途中に斜め上向きに設けられ光ガイド114を進行する受信光を反射してPD115に導き送信光を透過するフィルタ117等から成り、一本の光ファイバ(図示せず)で双方向の光通信を行なうものである。ここで、発光素子(LD,LED)124,PD115,前置増幅器122はワイヤによって相互に、また、外部電気回路へと電気的に接続されるメタライズ電極131〜136等に接続されている。なお、図示されてはいないが、これら発光素子(LD,LED)124,PD115,前置増幅器122はプラットフォーム110や光導波路層の表面に形成された金属電極パッド部上に設置されており、各々の金属電極パッドはワイヤにより外部電気回路へ電気的に接続されている。
また、このような光電気回路基板に使用される光導波路としては、より高い生産性や低コスト化の要求から、樹脂系材料を用いた光導波路を使用することが望まれている。これに対して本発明者らは特願2002−253006号において、光導波路に用いる樹脂系材料の一つとして、光透過性や耐熱性に優れており、光導波路の製作における加工性にも優れており、耐クラック性に優れ温度サイクル試験等に対する信頼性にも優れたシロキサン系ポリマ被膜を得ることができるシロキサン系ポリマ被膜形成用塗液組成物およびそれにより形成したシロキサン系ポリマ被膜を用いた光導波路を提案した。この他に光導波路用材料としては、フッ素化ポリイミドやアクリル系樹脂,エポキシ系樹脂等も利用されている。
一方、光電気回路基板上に形成される電気回路を構成する電極パッドや電気配線としての導体層には、Cr,Mo,Ti等を下地密着金属層とし、Auを金属導体層とした金属層が通常よく用いられる。その際の配線パターン形成方法としては、フォトレジストパターンを形成した後に金属層を蒸着し、その後、フォトレジスト上に堆積した金属層をフォトレジストとともに除去する、いわゆる、リフトオフ法が利用される。また、金属層を形成した後に、金属層上にフォトレジストパターンを形成し、露出した金属層をドライエッチングやウェットエッチングにより除去して配線パターンを形成する方法も用いられる。
特開平2000−241642号公報 特開平8−315981号公報
しかしながら、樹脂系材料を用いた光導波路を形成した後にリフトオフ法によって導体層で電極パッドや電気配線を形成しようとする場合には、フォトレジストを除去するためのレジスト剥離液に対して光導波路材料の耐性が十分ではなく、光導波路が溶解したり、クラックや膜剥がれ等のダメージが生じたりすることがあるという問題点があった。
また、ドライエッチングを利用して導体層で電極パッドや電気配線を形成しようとする場合には、これらの電気配線の一般的な材料であるAuに対しては化学的なドライエッチングではなくArイオンによる物理的作用を利用したエッチングを行なうことが普通である。その場合、電気配線の下の基板や光導波路と電気配線の導体層とのエッチング選択性が小さいため、除去しようとする導体層だけではなく、同時にその下の基板や光導波路もエッチングされてしまうという問題点があった。また、エッチング後に不要となったフォトレジストを除去するのに当たって、エッチング処理中のイオン打ち込みや熱によりフォトレジストが変質してしまい、その除去が困難になるという問題点もあった。
また、ウェットエッチングによってAuからなる導体層をエッチングする場合には、シアン系のエッチャントや王水を用いるが、これらのエッチャントに対してフォトレジストの耐性は十分強いものではないため、パターンの精度や形状が劣化したり、これらのエッチャントで光導波路や基板にダメージが生じたりするという問題点もあった。
本発明は以上のような従来の技術における問題点を解決すべく案出されたものであり、その目的は、光導波路にダメージを与えることなく導体層によって電極パッドや電気配線を形成することができる光電気回路基板を提供することにある。
本発明の光電気回路基板は、基板上にクラッド部およびその内部のコア部からなる光導波路が形成され、前記基板上もしくは前記光導波路上に電気回路を構成する導体層が形成されており、この導体層は、前記基板上もしくは前記光導波路上に形成された分断隔壁によって、前記基板の上面もしくは前記光導波路の上面に被着している部分と前記分断隔壁の上面に被着している部分とに分断されていることを特徴とするものである。
また、本発明の光電気回路基板は、上記構成において、前記分断隔壁は、前記クラッド部の屈折率と同じかまたは小さい屈折率を有することを特徴とするものである。
また、本発明の光電気回路基板は、上記構成において、前記分断隔壁は、光照射によって現像液に対して不溶化した材料で形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の光電気回路基板は、上記構成において、前記分断隔壁は、シロキサン系ポリマからなることを特徴とするものである。
本発明の光電気回路基板によれば、基板上にクラッド部およびその内部のコア部からなる光導波路が形成され、前記基板上もしくは前記光導波路上に電気回路を構成する導体層が形成されており、この導体層は、前記基板上もしくは前記光導波路上に形成された分断隔壁によって、前記基板の上面もしくは前記光導波路の上面に被着している部分と前記分断隔壁の上面に被着している部分とに分断されていることにより、この分断隔壁のパターンにより、導体層が分断隔壁で基板の上面もしくは光導波路の上面に形成された部分と分断隔壁の上面に被着している部分とに物理的にかつ電気的に分断されることによって、それぞれを例えば信号配線部とグランド配線部とした所望の電気配線を形成して電気回路を構成することができるので、光導波路を形成した後に電気回路を構成するに当たって、リフトオフ法やエッチングを用いることなく、従って、光導波路にダメージを与えることなく電気配線を形成することができる。
また、本発明の光電気回路基板によれば、分断隔壁を、クラッド部の屈折率と同じかまたは小さい屈折率を有するものとした場合には、分断隔壁が光導波路に接していても光導波路を伝搬する光が分断隔壁に侵入して放射損失を生じることがなく、光導波路の伝搬特性を良好に維持することができる。
また、本発明の光電気回路基板によれば、分断隔壁が、光照射によって現像液に対して不溶化した材料を用いて形成されているものである場合には、光照射によって現像液に対して不溶化される材料からなる層を形成した後に、所定の開口部を有するフォトマスクを通して光を照射すると、その層の上部は光強度が強いため現像液に対する不溶性が高くなり、一方、その層の下部は光強度が上部よりも弱いため現像液に対する不溶性が低いものとなることから、現像液でその層の光照射部以外を溶解して除去することにより、光照射した部分によって、上部が底部よりも幅広の、いわゆる逆テーパ形状の断面形状を有する分断隔壁を容易に得ることができる。そして、このような逆テーパ形状の断面形状を有する分断隔壁となることにより、この分断隔壁で導体層を上下に確実に、かつ良好に分断することができ、上下に位置する電気配線間の絶縁が確実かつ良好に確保できる電気回路を構成することができる。
また、本発明の光電気回路基板によれば、分断隔壁が、シロキサン系ポリマからなるものである場合には、シロキサン系ポリマは屈折率が1.44程度であり、光透過性も良好であって、樹脂系材料を用いた光導波路として通常よく用いられるシロキサン系ポリマやフッ素化ポリイミド等のポリマ光導波路の表面上に分断隔壁を形成した場合に光導波路を伝搬する光が分断隔壁に侵入して放射損失を生じることがなくなるので、光導波路の伝搬特性を良好に維持することができる。また、シロキサン系ポリマの中でも光重合型シロキサン系ポリマを用いると、ネガ型フォトレジストと同様のフォトプロセスによって容易に逆テーパ形状の断面形状を有する分断隔壁を形成することができる。
以下、本発明の光電気回路基板について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の光電気回路基板の実施の形態の一例を示す断面図である。図1において、1は基板、2は光導波路6のクラッド部、3は光導波路6のコア部、4は分断隔壁、5は導体層である。
本発明の光電気回路基板において、基板1は、電極パッドや電気配線からなる電気回路を構成する導体層および光導波路が形成され、また、光ファイバや電気素子,受発光素子等が設置固定される支持基板として使用されるものであり、例えばシリコン基板やアルミナ基板・ガラスセラミック基板・多層セラミック基板・薄膜多層セラミック基板・プラスチック電気配線基板等が使用できる。
本発明の光電気回路基板に用いられる光導波路6のクラッド部2およびコア部3の形成材料としては、光導波路6を形成できる種々の光学材料を用いることができるが、中でもシロキサン系ポリマを用いることが望ましい。シロキサン系ポリマによる光導波路6とすれば、クラッド部2にシロキサン系ポリマを用い、コア部3に金属、例えばチタン(Ti)を含有したシロキサン系ポリマを用いた光導波路6とすることにより、チタン含有量の制御によってクラッド部2とコア部3との間で所望の屈折率差を有する光導波路6を容易に作製することができる。また、100℃〜300℃程度の低温で光導波路6を作製することができるので、熱的にぜい弱な基板1上への形成も可能である。また、下地の表面状態によらず膜表面の平坦化性・平滑化性に優れており、電気配線を被覆するように光導波路6を形成する場合にも、散乱損失を招来する表面の凹凸を緩和することができるので好適である。
このようなシロキサン系ポリマとしては、ポリマの骨格にシロキサン結合が含まれている樹脂であればよく、例えばポリフェニルシルセスキオキサン・ポリメチルフェニルシルセスキオキサン・ポリジフェニルシルセスキオキサン等がある。
また、コア部3ならびにクラッド部2に含有させる金属としては、チタンに限られるものではなく、ゲルマニウム(Ge)・アルミニウム(Al)・エルビウム(Er)等も使用できる。これらの金属を含有したコア部3を形成するには、その金属アルコキシドを添加したシロキサン系ポリマ層を形成し、これを所望の形状・寸法に加工すればよい。
なお、クラッド部2に用いるシロキサン系ポリマにも上記と同様の金属を含有させてもよく、その場合はコア部3との含有量の差により屈折率差を設けるようにすればよい。
また、屈折率を制御するには、金属を添加する他に、例えばシロキサン系ポリマの組成を変化させて屈折率を制御してもよい。あるいは、光重合型のシロキサン系ポリマを用いて光照射量の違いによって生じる屈折率変化を利用してもよい。
また、光導波路6の材料としては、この他にも、低損失で光を伝搬させることができる透明性があり、所望の屈折率差を得ることができるコア部材とクラッド部材との組合せであれば各種の材料を用いることができる。シロキサン系ポリマ以外には、例えばフッ素化ポリイミド・ポリメチルメタクリレート(PMMA)・ポリカーボネート(PC)等の溶液状態で塗布可能な樹脂系光学材料が好適に用いられる。また、気相成長法によるシリカ等の無機材料を用いてもよい。
光導波路6の作製方法としては、まず基板1上にクラッド部2の一部を下層として形成する。次にコア部3となるコア層を積層形成した後、フォトリソグラフィやRIE(Reactive Ion Etching)等の薄膜微細加工技術を用いて、所定の形状でコア部3を形成する。その後、クラッド部2の一部となる上層を被覆形成する。この薄膜微細加工技術によれば、種々の回路形状のコア部3を有する光導波路6を容易に形成できる。また、スタンプ法やフォトブリーチング法等他の周知の光導波路形成方法を用いてもよい。
コア部3の高さ・幅・屈折率、およびクラッド部2の厚さ・屈折率は、所望の特性が得られるように周知の光導波路理論やシミュレーションや実験から決定すればよい。
基板1上もしくは光導波路6上に形成された分断隔壁4は、導体層5の物理的および電気的な分断を行なうものであり、上部が底部よりも幅広の、いわゆる逆テーパ形状の断面形状を有するものが好ましく、分断隔壁4を形成した後に導体層5を形成したときに、導体層5が基板1の上面もしくは光導波路6の上面に被着している部分とこの分断隔壁4の上面に被着している部分とに物理的および電気的に分断されるような機能を果たすものである。
分断隔壁4の材料としては、その形成によって基板1や光導波路6にクラックや剥離の発生等の悪影響を与えないように、特に光導波路6が樹脂系材料からなる場合には、フォトレジスト,シロキサン系ポリマ,ポリイミド系樹脂,アクリル系樹脂,ベンゾシクロブテン系樹脂,フッ素系樹脂,エポキシ系樹脂等の樹脂系絶縁材料を用いればよい。
また、分断隔壁4の材料には、シリカ,アルミナ,ジルコニア,チタニア,ゲルマニア,窒化アルミ,窒化珪素等の無機系絶縁材料を用いることもできる。
さらに、分断隔壁4は電気配線間の誘電体としても機能するので、フッ素系樹脂や多孔質性の材料等の誘電損失,誘電率が小さい材料を用いれば、良好な高周波電気特性を有するものとなり好適である。以上の材料は、基板1,光導波路6および導体層5の材料・特性・仕様等に応じて好適な組合せとなるように適宜選定すればよい。
分断隔壁4の材料として光照射で現像液に対して不溶化される材料を用いて形成されたものである場合には、ネガ型フォトレジストと同様のフォトプロセスによって容易に逆テーパ形状の断面形状を有するものを得ることができる。
分断隔壁4の形成方法としては、分断隔壁4の材料に光照射によって現像液に対して不溶化する材料を用いて形成する場合には、光照射によって現像液に対して不溶化する材料からなる層を形成した後に、所定の開口部を有するフォトマスクを通して光照射を行なうと、その層の上部は光強度が強く光照射量が多いので現像液に対する不溶性が高くなり、一方、その層の下部は光強度が上部よりも弱く光照射量も少ないので現像液に対する不溶性が低いものとなる。従って、これに対して現像液でその層の光照射部以外を溶解して除去することにより、光照射した部分によって、上部が底部よりも幅広の、いわゆる逆テーパ形状の断面形状を有する分断隔壁4を容易に形成することができる。
また、分断隔壁4の別の形成方法としては、分断隔壁4の材料からなる層を形成した後に、フォトレジストやメタルをマスクとしてドライエッチングを行なって分断隔壁4を形成してもよい。その場合、分断隔壁4上に位置するマスクに対して分断隔壁4の形成材料が選択的にエッチングされ、かつサイドエッチされるような条件でエッチングすることにより、分断隔壁4の上に位置するマスクが分断隔壁4に対して突出するように、すなわち、オーバーハング形状となるようにすればよい。例えば、マスクにAlやCr,W等を用い、分断隔壁4の形成材料としてフォトレジストやポリイミド系樹脂を用いて、Oガスを用いたリアクティブイオンエッチングを行なえば、容易にオーバーハング形状の分断隔壁4を形成することができる。この場合には、光導波路6をシロキサン系ポリマ等の酸素プラズマに耐性のある材料で形成しておけば、光導波路6にダメージを与えることなく分断隔壁4を形成することができる。また、分断隔壁4上に位置するマスクは、酸等で溶解する等して除去しても、そのまま残してもよい。
分断隔壁4の材料として光重合型シロキサン系ポリマを用いると、ネガ型フォトレジストと同様のフォトプロセスによって容易に逆テーパ形状の断面形状を有するものを形成することができ、また、屈折率が1.44程度であり、光透過性も良好であり、通常よく用いられるシロキサン系ポリマやフッ素化ポリイミド等のポリマからなる光導波路6の表面上に分断隔壁4を形成した場合に光導波路6を伝搬する光がこの分断隔壁4に侵入して放射損失を生じることがないので、光導波路6の伝搬特性を良好に維持することができる。光重合型シロキサン系ポリマの形成には、シリコン原子に水酸基と、メチル基およびフェニル基等の官能基とが付帯したポリマあるいはオリゴマと、光反応型の重合促進剤と、有機溶媒とから成る光重合型シロキサン系ポリマ膜形成用溶液を用いればよい。この光重合型シロキサン系ポリマ膜形成用溶液をスピンコート法等により光導波路6が形成された基板1に塗布し、100℃/30分間の加熱処理を行ない有機溶媒を蒸発させて、その後、配線パターンを形成するための分断隔壁4のパターンの開口部を有するフォトマスクを通して高圧水銀ランプの紫外光を照射して、ホットプレート上で100℃/90秒間の加熱処理を行ない紫外光照射部分のシロキサン系ポリマを光重合し高分子量化する。その後、テトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液等のアルカリ水溶液を用いて紫外光未照射部分のシロキサン系ポリマを除去する。照射量,加熱処理条件,アルカリ水溶液の浸漬時間等を適当な条件とすることにより、断面形状が逆テーパ形状のシロキサン系ポリマからなる分断隔壁4を容易に形成することができる。
分断隔壁4を形成した後に、導体層5となる金属材料を電子ビーム蒸着法,抵抗加熱蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法等の真空プロセスによる金属薄膜形成方法を用いて、光導波路6および分断隔壁4が形成された基板1に被着させる。この際、分断隔壁4のテーパ形状やオーバーハング形状による遮蔽効果によって、導体層5は基板1の上面もしくは光導波路6の上面に被着する部分と分断隔壁4の上面に被着する部分とに物理的にかつ電気的に分断される。なお、以上の金属薄膜形成方法の内、電子ビーム蒸着法や抵抗加熱蒸着法は蒸着粒子の方向性を高くすることができ、テーパ形状やオーバーハング形状の分断隔壁4の遮蔽効果により確実に分断された導体層5を容易に得ることができ好適である。
導体層5の材料としては、金属材料であるAu・Ti・Pd・Pt・Al・Cu・W・Cr等の配線導体材料を用いた単体もしくはこれらの合金による単層や多層体を用いればよい。
分断隔壁4のパターン形状により導体層5が分断隔壁4によって分断されて、そのパターンに応じた信号配線やグランド配線等が形成されるのであるが、これに際しては、所望の電気特性が得られるように周知の回路シュミレータ等の設計ツールを用いて、分断隔壁4の誘電率や導体層5の電気電導率等を考慮して、分断隔壁4のパターン形状,幅,厚み(高さ)等、および導体層5の層構成,厚み等を設計すればよい。
なお、導体層5の基板1の上面もしくは光導波路6の上面に被着している部分と分断隔壁4の上面に被着している部分とを電気的に接続する場合には、ワイヤボンディングで接続したり、接続部を順テーパ形状にして電気的な接続が得られるようにしたり、電気的に接続するための導体材料を充填したコンタクトホールを分断隔壁4内に形成しこれを介して接続したりすればよい。
次に、本発明の光電気回路基板の具体例を説明する。
アルコキシシランとしてメチルトリメトキシシラン7モル/ジメチルジメトキシシラン3モル/フェニルトリメトキシシラン2モルと、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル1.5kgと、触媒として塩酸0.1モルと、水33モルとを原料として、混合・加水分解させてシロキサン系ポリマを合成した。途中、130℃のオイルバスで加熱し、低沸点物を留出させながら反応させた。得られた溶液に対しプロピレングリコールモノメチルエーテルを用いてシロキサン系ポリマ固形分濃度を35質量%に調整したシロキサン系ポリマ被膜形成用塗液を得た。
このシロキサン系ポリマは重量平均分子量(Mw)が約55400であり、分子量分散(Mw/Mn)が17.3であった。ここで、分子量測定はゲルパーミエーションにより行ない、ウォーターズ社製Model−510を用いた。測定条件としては、カラムとして昭和電工(株)製KF−804L・KF−803・KF−802の3本直列つなぎ、カラム温度40℃、溶媒としてテトラヒドロフラン、流速0.8ml/分、また、分子量基準として単分散ポリスチレンを用いた。
次に、この塗液をシリコン基板上にスピンコータを用いて塗布し、100℃/30分、続いて窒素雰囲気中で200℃/4時間の加熱処理を行ない、厚さ約12μmのシロキサン系ポリマ被膜から成る下部クラッド層を形成した。
次に、シロキサン系ポリマ被膜形成用塗液組成物にシロキサン系ポリマ固形分に対する質量比として0.16のテトラnブトキシチタンを混合した溶液を同基板にスピンコータで塗布し、120℃/30分、続いて窒素雰囲気中で200℃/4時間の加熱処理を行ない、厚さ6μmのシロキサン系ポリマ被膜から成るコア層を形成した。
次に、スパッタリング法によって厚さ0.3μmのAl膜を形成し、フォトリソグラフィやエッチング処理を行なって、コア部の元パターンとなる幅約6μmのストライプ状のAlパターンを形成した。
次に、このAlパターンをマスクとしてコア層に対してCFガスによるRIE加工を施し、断面形状が約6μm角のコア部を形成した。次いで、Alパターンをアルカリ水溶液で除去した後、下部クラッド層を形成したのと同じシロキサン系ポリマ被膜形成用塗液組成物をスピンコータで塗布し、100℃/30分、続いて窒素雰囲気中で200℃/4時間の加熱処理を行ない、コア部上方の厚さが10μmとなるようなシロキサン系ポリマ被膜から成る上部クラッド層を被覆形成した。
次いで、40℃に加温した3.6質量%の塩酸水溶液中にこの光導波路を形成した基板を2時間浸漬し、90秒流水で洗浄した後、さらに10質量%のリン酸水溶液中に2時間浸漬した。この後、90秒流水で洗浄して、窒素雰囲気中で200℃/4時間の加熱処理を行なった。
次に、シリコン原子に水酸基と、メチル基およびフェニル基が末端基として付帯したポリマと光反応型の重合促進剤、有機溶媒から成る光重合型シロキサン系ポリマ被膜形成用溶液をスピンコート法により塗布し、100℃/30分間の加熱処理を行ない、有機溶媒を蒸発させた。その後、配線パターンを形成するための分断隔壁のパターンの開口部を有するフォトマスクを通して高圧水銀ランプの紫外光を基板全面に500mJ/cm照射させて、ホットプレート上で100℃/90秒間の加熱処理を行ない紫外光照射部分のシロキサン系ポリマを光重合し高分子量化した。その後、2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液を用いて紫外光未照射部分のシロキサン系ポリマを除去し、断面形状が逆テーパ状のシロキサン系ポリマからなる分断隔壁を形成した。この後、200℃/60分間の加熱処理を行なった。
次に、電子ビーム蒸着法によって厚さ0.05μmのCr、次いで厚さ0.5μmのAu層からなる金属導体層を形成し、断面が逆テーパ形状を有する分断隔壁で物理的にかつ電気的に分断されることによって信号配線部とグランド配線部からなるコプレーナ型形状の電気配線構造が形成された電気回路を形成した。
以上により、シロキサン系ポリマからなる光導波路とシロキサン系ポリマからなる分断隔壁によって電気配線構造が形成された光電気回路基板が得られた。
作製した光電気回路基板の光導波路特性を評価するため、波長1.3μmのレーザ光の導波損失を測定したところ、約0.2dB/cmであり、電気配線を形成していない光導波路と同等レベルであり、電気配線を形成したことによる光導波路特性の劣化はなかった。光電気回路基板の電気配線の電気特性評価を行なったところ、信号配線とグランド配線との間の絶縁性は良好であった。さらに、500MHzの電気信号の伝送損失は1dB/cm以下と良好であった。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更を行なうことは何ら差し支えない。例えば、電気回路を構成する導体層からなる電気配線を光導波路上ではなく基板上の光導波路の無い部分に分断隔壁を用いて形成したり、形成した電気配線を絶縁材料で被覆したり、その上にさらに電気配線の層を積層したりしてもよい。
本発明の光電気回路基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 従来の光電気回路基板を用いた光送受信モジュールの一例を示す斜視図である。
符号の説明
1・・・基板
2・・・光導波路のクラッド部
3・・・光導波路のコア部
4・・・分断隔壁
5・・・導体層
6・・・光導波路

Claims (4)

  1. 基板上にクラッド部およびその内部のコア部からなる光導波路が形成され、前記基板上もしくは前記光導波路上に電気回路を構成する導体層が形成されており、該導体層は、前記基板上もしくは前記光導波路上に形成された分断隔壁によって、前記基板の上面もしくは前記光導波路の上面に被着している部分と前記分断隔壁の上面に被着している部分とに分断されていることを特徴とする光電気回路基板。
  2. 前記分断隔壁は、前記クラッド部の屈折率と同じかまたは小さい屈折率を有することを特徴とする請求項1記載の光電気回路基板。
  3. 前記分断隔壁は、光照射によって現像液に対して不溶化した材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の光電気回路基板。
  4. 前記分断隔壁は、シロキサン系ポリマからなることを特徴とする請求項1記載の光電気回路基板。
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